JP2008243534A - 有機elディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機ELディスプレイパネルの製造方法において非真空下で成膜された膜上に成膜される電極材料が、基板4上に存在する水分や酸素と反応するのを防ぎ、良好な発光面と特性の向上とそのばらつきの少ない有機ELディスプレイを提供することを目的とする。またこのことにより電極成膜6前の成膜工程を大気中や不活性ガス雰囲気中で行うことが可能となる有機ELディスプレイパネルの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 対向電極6を成膜する前に真空中あるいは不活性ガス雰囲気中にてベーキングすることによって吸着した物質を取り除くことを特徴とする。
【選択図】図3

Description

この発明は、少なくとも一層が湿式成膜法を用いて作製される有機ELディスプレイパネイの製造方法に関する。
有機EL素子は、二つの対向する電極の間に有機発光材料からなる有機発光層が形成され、有機発光層に電流を流すことで発光させるものであるが、効率よくかつ信頼性のある素子を作製するには有機層の膜厚が重要である。これを用いてカラーディスプレイ化するには高精細にパターニングする必要がある。
有機発光層を形成する有機発光材料には、低分子材料と高分子材料があり、一般に低分子材料は真空蒸着法などにより薄膜形成し、このときに微細パターンのマスクを用いてパターニングするが、この方法では基板が大型化すればするほどパターニング精度が出にくいという問題がある。また真空中で成膜するためにスループットが悪いという問題がある。
そこで、最近では高分子材料を溶剤に溶かして塗工液にし、これをウェットコーティング法で薄膜形成する方法が試みられるようになってきている。高分子材料の塗液を用いてウェットコーティング法で有機発光層を含む有機発光媒体層を形成する場合の層構成は、陽極側から正孔輸送層、有機発光層と積層する2層構成が一般的である。このとき、有機発光層はカラーパネル化するために赤(R)、緑(G)、青(B)のそれぞれの発光色をもつ有機発光材料を溶剤中に溶解または安定して分散してなる有機発光インキを用いて塗り分ける必要がある。
有機発光層をパターニングした後、真空蒸着法により金属を所定のパターンに成膜し電極とする必要がある。真空蒸着法で成膜する際の真空度は一般的に10-4Pa台であるが、電極を形成する以前の工程で図2のように表面に様々な物質が吸着する。特に大気中の成膜工程を経たものに関しては表面に水分、酸素などが吸着しているため、蒸着される電極材料が水酸化、酸化する可能性がある。特に電極に使用する材料として、電子を注入しやすい、つまり酸化しやすい材料を用いるため、EL特性に悪影響を与える。具体的には有機層と電極層間に酸化膜が形成され電極から有機層への電子の注入効率が低下することにより効率の低下やばらつきが生じる。また水分により電極が侵されることによってその部分に電流が流れない領域になり、ダークスポットと呼ばれる非発光部分となる。
例えば特許文献1では発光層を構成する有機薄膜の平滑性や、有機薄膜を積層する場合における膜どうしの密着性を向上させるとともに、残留溶媒を十分に低減することにより、長寿命化、発光輝度の安定化などの発光特性に優れた有機ELディスプレイパネルを得るための製造方法に関して開示されている。
しかしながら、膜中の残留溶媒を取り除いた後蒸気圧ガス下にさらされた場合表面に主に水分、酸素などが吸着するため、安定した特性のディスプレイを得るのには不十分である。
しかし検討の結果、電極を成膜する前に真空中にて基板をベーキングすることにより吸着物質を減少させることが可能となる。ベーキング中に発生した吸着ガスとして主にアルゴン、水、酸素、水素、有機物がチャンバーに取り付けられた四重極形質量分析計で観測できたため、大気処理された基板表面にこれらのガスが吸着していたことがわかった。ベ
ーキング後電極を成膜したデバイスは特性の向上が見られ更に特性のばらつきが少ないことがわかった。
以下に公知の文献を記す。
特開2003−282248号公報
図1、図2に、従来の有機ELディスプレイパネルの断面説明図を示した。図2は、図1の対抗電極形成前の断面説明図である。画素電極3上に正孔輸送層2、有機発光層1が形成されている。特にこれらの形成を大気中で行った場合成膜された後の基板表面に水分や酸素などの吸着物質17が存在している。この状態で対向電極6を形成すると、蒸着される電極材料が水酸化、酸化する可能性がある。特に電極に使用する材料として、電子を注入しやすい、つまり酸化しやすい材料を用いるため、EL特性に悪影響を与え問題となっていた。具体的には有機層5と電極層6間に酸化膜18が形成され電極6から有機層5への電子の注入効率が低下することにより効率の低下やばらつきが生じる。また水分により電極が侵されることによってその部分に電流が流れない領域になり、ダークスポットと呼ばれる非発光部分となる。低分子型の場合は基板が搬送される雰囲気は真空中であるためこの影響が少ないが、高分子の場合、大気圧下であることが一般的であり、特に問題となっていた。また、特に大気圧下でも不活性ガス中で成膜が行われることが多く、その理由としては主に酸素や水分の吸着を極力抑えることであるが、有機ELディスプレイパネルの特性の低下やばらつきを抑えるのには不十分であった。
本発明では有機ELディスプレイパネルの製造方法において、対向電極を成膜する際に、蒸着される電極材料と水分や酸素などの吸着物質との反応を防ぎ、良好な発光面と特性の向上とそのばらつきの少ない有機ELディスプレイを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明として、少なくとも画素電極とその対向電極と正孔輸送層と有機発光層を含む有機発光媒体層からなり、少なくとも一層は薄膜材料液が湿式成膜法を用いて形成され、電極から有機発光層に電流を流すことにより有機発光層を発光させる有機ELディスプレイパネルにおいて、対向電極を成膜する前に真空中で基板を加熱処理することによって、対向電極が成膜される面の吸着物質を取り除くことを特徴とする有機ELディスプレイパネルの製造方法とした。
また、請求項2に係る発明として、少なくとも画素電極とその対向電極と正孔輸送層と有機発光層を含む有機発光媒体層からなり、少なくとも一層は薄膜材料液が湿式成膜法を用いて形成され、電極から有機発光層に電流を流すことにより有機発光層を発光させる有機ELディスプレイパネルにおいて、対向電極を成膜する前に不活性ガス雰囲気で基板を加熱処理することによって、対向電極が成膜される面の吸着物質を取り除くことを特徴とする有機ELディスプレイパネルの製造方法とした。
また、請求項3に係る発明として、
薄膜材料液を湿式法で成膜する環境が大気中であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法とした。
少なくとも画素電極とその対向電極と正孔輸送層と有機発光層を含む有機発光媒体層からなり、少なくとも一層は薄膜材料液が湿式成膜法を用いて形成され、電極から有機発光層に電流を流すことにより有機発光層を発光させる有機ELディスプレイパネルにおいて
、湿式成膜法を用いて大気中で形成することにより、製造ラインのコスト削減や装置の自由度が向上する。しかし大気中で成膜した際に吸着する物質が原因で有機ELディスプレイパネルの性能を低下させる問題があったが、対向電極を成膜する前に真空中で基板を加熱処理することによって、対向電極が成膜される面の吸着物質を取り除くことが可能となるため、大気中での成膜工程が採用できた。
本発明により、真空中あるいは不活性ガス内で対向電極を蒸着する前に基板をベーキングすることによって、デバイスの特性の低下やばらつきの原因となっていた電極蒸着前の吸着物質を減少させることが出来、有機ELディスプレイパネルの製造歩留まりと信頼性の向上が実現できた。更に、この工程を用いることによって電極成膜前の有機層成膜工程を不活性ガス雰囲気中で行わなくてもよくなり、大気中での成膜が可能となる。このことにより製造設備のコスト低減も可能となる。
本発明の実施形態を、パッシブマトリックス型のディスプレイパネルを作製する場合を説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明の有機ELディスプレイパネル断面の一例の模式図を図3、図4に示す。図4は図3の部分拡大図である。
有機ELディスプレイパネルにおける有機EL素子は透光性基板上に形成される。透光性基板4としては、ガラス基板やプラスチック製のフィルムまたはシートを用いることができる。プラスチック製のフィルムを用いれば、巻取りにより高分子EL素子の製造が可能となり、安価にディスプレイパネルを提供できる。そのプラスチックとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネートなどを用いることができる。また、これらのフィルムは水蒸気バリア性、酸素バリア性を示す酸化ケイ素といった金属酸化物、窒化ケイ素といった酸化窒化物や、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物からなるバリア層が必要に応じて設けられる。
透光性基板4の上には陽極としてパターニングされた画素電極3が設けられる。画素電極3の材料としては、ITO(インジウムスズ複合酸化物)、IZO(インジウム亜鉛複合酸化物)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、亜鉛アルミニウム複合酸化物などの透明電極材料が使用できる。なお、低抵抗であること、耐溶剤性があること、透明性があることなどからITOが好ましい。ITOはスパッタ法により透光性基板上に形成され、フォトリソ法によりパターニングされライン状の画素電極3となる。
ライン状の画素電極3を形成後、隣接する画素電極の間に酸化シリコン膜絶縁層5が形成される。酸化シリコンは反応性スパッタ法で成膜した後、フォトレジストによりパターンを露光形成した後、リアクティブエッチングによりパターン形成される。
絶縁層5形成後、正孔輸送層2を形成する。正孔輸送層2を形成する正孔輸送材料としてはポリアニリン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾール(PVK)誘導体、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)などが挙げられる。これらの材料は溶媒に溶解または分散させ、スピンコーター等を用いた各種塗布方法や凸版印刷方法を用いて形成される。
正孔輸送層2形成後、有機発光層1を形成する。有機発光層1は電流を通すことにより発光する層であり、有機発光層1を形成する有機発光材料は、例えばクマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N‘−ジアルキ
ル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系、イリジウム錯体系などの発光性色素をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に分散させたものや、ポリアリーレン系、ポリアリーレンビニレン系やポリフルオレン系の高分子材料が挙げられる。
これらの有機発光材料は溶媒に溶解または安定に分散させ有機発光インキとなる。有機発光材料を溶解または分散する溶媒としては、トルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどの単独またはこれらの混合溶媒が上げられる。中でもトルエン、キシレン、アニソールといった芳香族有機溶媒が有機発光材料の溶解性の面から好適である。また、有機発光インキには必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等が添加されてもよい。
図5に有機発光材料からなる有機発光インキを、画素電極、絶縁層、正孔輸送層が形成された被印刷基板上にパターン印刷する際の凸版印刷装置の概略図を示した。本製造装置はインクタンク10とインキチャンバー11とアニロックスロール12と凸版が設けられた版13がマウントされた版銅14を有している。インクタンク10には、溶剤で希釈された有機発光インキが収容されており、インキチャンバー11にはインクタンク10より有機発光インキが送り込まれるようになっている。アニロックスロール12はインキチャンバー11のインキ供給部に接して回転可能に指示されている。
アニロックスロール12の回転に伴い、アニロックスロール12表面に供給された有機発光インキのインキ層12aは均一な膜厚に形成される。このインキ層のインキはアニロックスロール12に近接して回転駆動される版胴14にマウントされた版13の凸部に転移する。平台16には、透明電極及び正孔輸送層が形成された被印刷基板15が版13の凸部にあるインキは被印刷基板15に対して印刷され、必要に応じて乾燥工程を経て被印刷基板上に有機発光層が形成される。
有機発光層1形成後、被印刷基板15を対向電極層6を形成する場所かもしくは成膜場所へ真空一貫で搬送可能な真空下にて加熱する。この際加熱する方法として赤外線ヒーターなどの被接触型のヒーターや加熱機構が組み込まれたプレートに基板を接触させることによって加熱する接触型のヒーターが挙げられる。不活性ガスを導入して不活性ガス雰囲気中で加熱しても良い。十分加熱した後、対向電極層6を画素電極3のラインパターンと直交するラインパターンで形成される。対向電極層6の材料としては、有機発光層1の発光特性に応じたものを使用でき、例えばリチウム、マグネシウム、カルシウム、イッテルビウム、アルミニウムなどの金属単体やこれらと金、銀、などの安定な金属との合金などが挙げられる。また、インジウム、亜鉛、錫などの導電性酸化物を用いることも出来る。陰極層の形成方法としてはマスクを用いた真空蒸着法やスパッタリング法による形成方法が挙げられる。
不活性ガスとしては、例えば窒素ガス等が挙げられるが、このような不活性ガス中で処理することで、真空引き等の前準備を行う必要がなく、酸素や水分の無い雰囲気下での加熱処理が可能となり、生産性を向上させることができる。
なお、正孔輸送層や正孔注入層、電子ブロック層とは、正孔輸送性及び/若しくは、電子ブロック性を有する材料を有する層であり、それぞれ陽極層から有機発光層への正孔注入の障壁を下げる。陽極層から注入された正孔を陰極層の方向へ進め、正孔を通しながらも電子が陽極層の方向へ進化するのを妨げる役割を担う層である。正孔ブロック層、電子輸送層とは電子輸送性及び/若しくは正孔ブロック性を有する材料を有する層であり、それぞれ陰極層から注入された電子を陽極層の方向へ進める。電子を通しながらも正孔が陰極層の方向へ進行するのを妨げる役割を担う層である。
最後にこれらの有機EL構成体を、外部の酸素や水分から保護するために、ガラスキャップ7と接着剤8を用いて密閉封止し、有機ELディスプレイパネルを得ることができる。また、透光性基板が可撓性を有する場合は封止材と可撓性フィルムを用いて封止をおこなう。
本発明の実施例について述べる。
<実施例1>
対角1.8インチサイズのパネルが16パネルレイアウトされた300mm□のガラス基板の上にスパッタ法を用いてITO(インジウム−錫酸化物)薄膜を形成し、フォトリソ法と酸溶液によるエッチングでITO膜をパターニングして、画素電極を形成した。1パネルの画素電極のラインパターンは、線幅136um、スペース30umでラインが約32mm角の中に192ライン形成されるパターンとした。
次に絶縁性媒体を以下のように形成した。画素電極を形成したガラス基板上に絶縁層をとして酸化シリコン膜をRFマグネトロンスパッタリングによって400nm形成した。製造条件として反応性スパッタ法で以下の条件で成膜を行った。成膜真空度3.8×10-4Torr、導入アルゴンガス流量17sccM、導入酸素ガス流量5sccM、放電圧力0.2kWとした。その後、酸化シリコンのパターンニングはフォトレジストによりパターンを露光形成した後、リアクティブエッチングにより行った。ここで、エッチングガスにはCF4ガスを用いた。
次にこの基板を酸素ガス流量が500SCCM、パワー1.0W/cm2、圧力1torrという条件で酸素プラズマ処理を2分行う。その後、大気中で以下の成膜を行った。基板上に正孔輸送層としてPEDOTから成る高分子膜をスピンコート法で形成した。更に、有機発光材料であるポリフェニレンビニレン誘導体を濃度1%になるようにトルエンに溶解させた有機発光インキを用い、絶縁層に挟まれた画素電極の真上にそのラインパターンに合わせて有機発光層を凸版印刷法で印刷を行った。このとき150線/インチのアニロックスロールおよび水現像タイプの感光性樹脂版を使用した。印刷、乾燥後の有機発光層の膜厚は80nmとなった。
印刷インキの乾燥後の基板を、対向電極層を形成する真空蒸着機に真空一貫で搬送可能なチャンバーへ搬送した。赤外線ヒーターにより基板温度上昇させ、基板温度130℃で60分加熱を行った。その後赤外線ヒーターを切りその場に基板を30分放置して基板温度を低下させた。その後対向電極を成膜するチャンバに基板を搬送し、パターン形成用マスクと基板を所定の位置にセッティングした。
Al、Caからなる対向電極層を画素電極のラインパターンと直交するようなラインパターンで抵抗加熱方式の真空蒸着法によりマスク蒸着して200nm形成した。最後にこれらの有機EL構成体を、外部の酸素や水分から保護するために、ガラスキャップと接着剤を用いて密閉封止し、有機ELディスプレイパネルを得た。得られた有機ELディスプレイパネルの表示部の周辺部には各画素電極に接続されている陽極側の取り出し電極と、陰極側の取り出し電極があり、これらを電源に接続することにより得られた有機ELディスプレイパネルの発光特性のチェックを行ったところ電流に対する輝度の割合である発光効率の良好なディスプレイを得ることができた。また輝度の経時変化を評価したところ良好な結果を得ることができた。
<実施例2>
本発明の実施例について述べる。対角1.8インチサイズのパネルが16パネルレイアウトされた300mm□のガラス基板の上にスパッタ法を用いてITO(インジウム−錫
酸化物)薄膜を形成し、フォトリソ法と酸溶液によるエッチングでITO膜をパターニングして、画素電極を形成した。1パネルの画素電極のラインパターンは、線幅136um、スペース30umでラインが約32mm角の中に192ライン形成されるパターンとした。
次に絶縁性媒体を以下のように形成した。画素電極を形成したガラス基板上に絶縁層として東京応化社製の感光性レジストOFPR−800(粘度500cp)を1200rpmでスピンコート、110℃でプレベーク後、フォトマスクを用いて露光、現像を行ない、240℃でポストベークして形成した。上記の条件で絶縁性媒体の高さ(膜厚)を5μmに形成した。
次にこの基板を酸素ガス流量が500SCCM、パワー1.0W/cm2、圧力1torrという条件で酸素プラズマ処理を1.5分行う。その後以下の成膜を大気中で行った。基板上に正孔輸送層としてPEDOTから成る高分子膜をスピンコート法で形成した。更に、有機発光材料であるポリフェニレンビニレン誘導体を濃度1%になるようにトルエンに溶解させた有機発光インキを用い、絶縁層に挟まれた画素電極の真上にそのラインパターンに合わせて有機発光層を凸版印刷法で印刷を行った。このとき150線/インチのアニロックスロールおよび水現像タイプの感光性樹脂版を使用した。印刷インキの乾燥後の基板を、対向電極層を形成する真空蒸着機に真空一貫で搬送可能なチャンバーへ搬送した。130℃まですでに上昇して安定しているホットプレート上に基板をのせ、60分加熱を行った。加熱終了後基板をホットプレートから離した状態で30分放置して基板温度を低下させた。その後対向電極を成膜するチャンバに基板を搬送し、パターン形成用マスクと基板を所定の位置にセッティングした。
Al、Caからなる対向電極層を画素電極のラインパターンと直交するようなラインパターンで抵抗加熱方式の真空蒸着法によりマスク蒸着して200nm形成した。最後にこれらの有機EL構成体を、外部の酸素や水分から保護するために、ガラスキャップと接着剤を用いて密閉封止し、有機ELディスプレイパネルを得た。得られた有機ELディスプレイパネルの表示部の周辺部には各画素電極に接続されている陽極側の取り出し電極と、陰極側の取り出し電極があり、これらを電源に接続することにより得られた有機ELディスプレイパネルの発光特性のチェックを行ったところ電流に対する輝度の割合である発光効率の良好なディスプレイを得ることができた。また輝度の経時変化を評価したところ良好な結果を得ることができた。
<比較例1>
比較例として従来の方法で製造された有機ELディスプレイパネルについて述べる。使用した基板は実施例1と同じもので、有機発光層を大気中で成膜する工程までは共通とした。その後、真空中でのベーキングを行わずに対向電極の成膜を実施例1と同様に行い同様の封止工程を経て有機ELディスプレイを得た。発光特性のチェックを行ったところ、発光効率のばらつきが大きく、また低下しているものも得られた。
実施例1、2と比較例1で作製した各々16パネルに駆動回路を接続し定電流駆動しパネル内の中央部約5mm×5mmを点灯させ、その箇所の面輝度をトプコン社製BM-7を用いて測定した。面輝度は開口率と点灯時間から実際の定電流を流したときの輝度に換算され、この値と電流値から電流効率を計算した。
結果を表1に示す。
その結果、実施例1及び2の製造方法を用いて作製されたパネルの電流効率のばらつき
は非常に少なく良好であった。それに対して比較例1の従来の製造方法を用いて作製されたパネルの電流効率は、ばらつきが大きく効率の低下が顕著に現れた。
従来の有機EL素子の説明断面図 従来の有機EL素子の対抗電極形成前の説明断面図 本発明の有機EL素子の説明断面図 本発明の有機EL素子の説明断面拡大図 凸版印刷装置の概略図
符号の説明
1…有機発光層
2…正孔輸送層
3…画素電極
4…透光性基板
5…絶縁性媒体
6…対向電極
7…ガラスキャップ
8…接着剤
10…インクタンク
11…インキチャンバー
12…アニロックスロール
12a…インキ層
13…版
14…版胴
15…被印刷基板
16…平台
17…吸着物質
18…酸化膜

Claims (3)

  1. 基板と少なくとも画素電極とその対向電極と正孔輸送層と有機発光層を含む有機発光媒体層からなり、少なくとも一層は薄膜材料液が湿式成膜法を用いて形成され、電極から有機発光層に電流を流すことにより有機発光層を発光させる有機ELディスプレイパネルの製造方法において、対向電極を成膜する前に真空中で基板を加熱処理することによって、対向電極が成膜される面の吸着物質を取り除くことを特徴とする有機ELディスプレイパネルの製造方法。
  2. 基板と少なくとも画素電極とその対向電極と正孔輸送層と有機発光層を含む有機発光媒体層からなり、少なくとも一層は薄膜材料液が湿式成膜法を用いて形成され、電極から有機発光層に電流を流すことにより有機発光層を発光させる有機ELディスプレイパネルの製造方法において、対向電極を成膜する前に不活性ガス雰囲気中で基板を加熱処理することによって、対向電極が成膜される面の吸着物質を取り除くことを特徴とする有機ELディスプレイパネルの製造方法。
  3. 薄膜材料液を湿式法で成膜する環境が大気中であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法。
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