以下、本発明を具体化した画像形成装置の一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、レーザプリンタ1の全体の構成について説明する。図1は、第1の実施の形態のレーザプリンタ1の中央断面図である。図1に示すように、レーザプリンタ1は、断面視、本体ケース2内に、被記録媒体としての用紙3を給紙するためのフィーダ部4や、給紙された用紙3に印刷するための画像形成部5を備えている。尚、レーザプリンタ1において、図中左手方向が前面となる。
排紙トレイ46は、本体ケース2の上部後端側に、印刷された用紙3を積層保持できるように、本体ケース2の上面の後寄り部位に凹部形成されている。また、本体ケース2の上面の前寄り部位には、プロセスカートリッジ17の挿入のための上面開放状の空間があり、排紙トレイ46の前端側に設けられた支軸54aを中心に、上下に回動する上面カバー54によって、プロセスカートリッジ17の挿入用の空間であるところのカートリッジ収納部57を覆うように構成されている。尚、この上面カバー54の開放時の位置を図中2点鎖線で示す。
本体ケース2内の後部(図中右手側)には、本体ケース内の下部後端側に設けられた画像形成部5の定着器18から排出された用紙3が上部後端側に設けられた排紙トレイ46に導かれるように、本体ケース2の背面に沿って上下方向に半弧を描くように排紙パス44が設けられ、この排紙パス44に、用紙3の搬送を行う排紙ローラ45が設けられている。
フィーダ部4は、本体ケース2内の底部に設けられた給紙ローラ8と、着脱可能に装着される給紙トレイ6と、給紙トレイ6内に設けられ、用紙3を積層保持して用紙3を給紙ローラ8に圧接する用紙押圧板7と、給紙トレイ6の一端側端部の上方に設けられ、給紙ローラ8に向かって押圧され、給紙時に給紙ローラ8と協働して用紙3を一枚毎に分離する分離パッド9と、給紙ローラ8に対して用紙3の搬送方向の下流側2カ所に設けられ、
用紙3の搬送を行う搬送ローラ11と、その搬送ローラ11のそれぞれに用紙3を介して接触して紙粉を除去するとともに搬送ローラ11と協働して用紙3の搬送を行う紙粉取りローラ10と、搬送ローラ11に対し用紙3の搬送方向の下流側に設けられ、印刷の際の用紙3の送り出しのタイミングを調整するレジストローラ12とを備えている。
用紙押圧板7は、用紙3を積層状にスタックすることができ、給紙ローラ8に対して遠い方の端部に設けられた支軸7aが給紙トレイ6の底面に支持されることによって、この支軸7aを回動中心として、近い方の端部が上下方向に移動可能とされており、また、その裏側から図示外のバネによって給紙ローラ8の方向に付勢されている。そのため、用紙押圧板7は、用紙3の積層量が増えるにともない、支軸7aを支点として、バネの付勢力に抗して下向きに揺動される。そして、給紙ローラ8および分離パッド9は、互いに対向するように配設され、分離パッド9の裏側に配設されるバネ13によって、分離パッド9が給紙ローラ8に向かって押圧されている。
また、このフィーダ部4には、本体ケース2の前面部(図中左手側)に設けられ、支軸14aを支点に前後方向(図中左右方向)に開閉し、その開放時に用紙3を積層することができるトレイ部14bと、トレイ部14bに対してスライド移動可能にスライド部(図示外)を支持し、トレイ部14bの閉鎖時に本体ケース2の一部となるように構成されたカバー部14cとからなる手差しトレイ14と、手差しトレイ14のトレイ部14b上に積層される用紙3を給紙するための手差しローラ15と、用紙3を一枚毎に分離する分離パッド25とを備えている。
手差しローラ15および分離パッド25は、互いに対向するように配設され、分離パッド25の裏側に配設されるバネ(図示外)によって、分離パッド25が手差しローラ15に向かって押圧されている。印刷時には、手差しトレイ14上に積層される用紙3が、回転する手差しローラ15と分離パッド25とによって一枚毎、レジストローラ12に搬送される。
また、画像形成部5と給紙トレイ6との間には低圧電源ユニット90と高圧電源ユニット95とが設けられており、低圧電源ユニット90は後述のスキャナユニット16および定着器18の下部に、高圧電源ユニット95はプロセスカートリッジ17の下部にそれぞれ配置されている。そして、本体ケース2の右側面(図中手前側)と、図示外の右手側の本体フレームとの間の位置には、レーザプリンタ1の各装置の制御を司る制御基板201(図4参照)が設けられている。この制御基板201は、その面方向が本体ケース2の右側面と略平行となる方向に配置されている。尚、低圧電源ユニット90が、本発明における「電源手段」である。
高圧電源ユニット95は、後述のプロセスカートリッジ17の各部に印加する高電圧のバイアスを発生するユニットである。内部に高圧電源回路基板202(図4参照)が配設されている。また、低圧電源ユニット90は、レーザプリンタ1の外部から供給された、例えば単相100Vの電圧を、レーザプリンタ1の内部の各部に供給するために、例えば24Vの電圧に降下させるためのユニットである。そのための回路を構成した低圧電源回路基板203(図4参照)が低圧電源ユニット90の底部に配置され、左右開放状の鉄板等でその外周を覆われて保護されている。
そして、低圧電源ユニット90の右手側にあたる図示外の本体フレーム(図中手前側)には、発熱量の大きい低圧電源ユニット90を冷却するために外気を導入する電源ファン120が設けられ、同様に、低圧電源ユニット90の左手側にあたる図示外の本体フレーム(図中奥側)には、主に低圧電源ユニット90内の空気をレーザプリンタ1の外部に排気するためのメインファン117が設けられている。尚、左側の本体フレーム(図中奥側
)には、メインファン117の他にオゾンファン108bおよびサブファン118も設けられており、これら各ファンと画像形成部5との位置関係については後述する。
次に、図2,図3を参照して、画像形成部5付近の構成について説明する。図2は、画像形成部5を側方より見た断面図である。図3は、画像形成部5および低圧電源ユニット90を右側面下部後方より見たファン108b,117,118,120の配置を示す斜視図である。図2,図3に示すように、画像形成部5は、フィーダ部4によって搬送された用紙3に印刷するように、スキャナユニット16、プロセスカートリッジ17、定着器18、ダクト100などで構成されている。
図2に示すように、スキャナユニット16は、本体ケース2内の上部のうち、排紙トレイ46(図1参照)の下方側に配置され、レーザ光を出射するレーザ発光部(図示外)、レーザ発光部より出射されたレーザ光を回転駆動して主走査方向に走査するポリゴンミラー19、そのポリゴンミラー19が発生する熱を放熱するためのヒートシンク130、ポリゴンミラー19に走査されたレーザ光の走査速度を一定にするfθレンズ20、走査されたレーザ光を反射する反射ミラー21、反射ミラー21で反射されたレーザ光を感光体ドラム27上で結像するために焦点位置を調整するリレーレンズ22等で構成されている。スキャナユニット16は、印刷データに基づいてレーザ発光部から出射されるレーザ光を、1点鎖線Aで示すように、ポリゴンミラー19、fθレンズ20、反射ミラー21、リレーレンズ22の順に通過あるいは反射させて、プロセスカートリッジ17の感光体ドラム27の表面上に露光走査するものである。
プロセスカートリッジ17は、ドラムカートリッジとドラムカートリッジに着脱可能な現像カートリッジとから構成されている。ドラムカートリッジは、感光体ドラム27、スコロトロン型帯電器29、転写ローラ30、クリーニングローラ51および2次ローラ52等を備えている。現像カートリッジは、現像ローラ31、供給ローラ33およびトナーボックス34等を備えている。尚、プロセスカートリッジ17が、本発明における「プロセス手段」である。
感光体ドラム27は、現像ローラ31の側方に感光体ドラム27の回転軸が現像ローラ31の回転軸と平行に配置され、その現像ローラ31と接触する状態で矢印方向(図2において反時計方向)に回転可能に配設されている。この感光体ドラム27は、導電性基材の上に、バインダ樹脂中にアゾ顔料やフタロシアニン顔料などの有機光電導体を電荷発生材料として分散した電荷発生層、ポリカーボネイト等の樹脂中にヒドラゾン系やアリールアミン系等の化合物が混合された電荷輸送層などが積層されたドラムである。感光体ドラム27はレーザ光等の照射を受けると、光吸収によって電荷発生層で電荷が発生され、電荷輸送層で感光体ドラム27の表面にその電荷が輸送されて、スコロトロン型帯電器29に帯電されたその表面電位をうち消すことで、照射を受けた部分の電位と、受けていない部分の電位との間に電位差を設けることができるようになっている。印刷データに基づいてレーザ光を露光走査することにより、感光体ドラム27には静電潜像が形成されるのである。
帯電手段としてのスコロトロン型帯電器29は、感光体ドラム27の上方に、感光体ドラム27に接触しないように、所定の間隔を隔てて配設されている。スコロトロン型帯電器29は、タングステンなどの放電用のワイヤからコロナ放電を発生させる正帯電用のスコロトロン型の帯電器であり、感光体ドラム27の表面を一様に正極性に帯電させるように構成されている。また、このスコロトロン型帯電器29は、高圧電源ユニット95の帯電バイアス回路部(図示外)によりオン・オフされる。そして、帯電の際に発生されるオゾン等の生成物をプロセスカートリッジ17の外方に排出できるように、スコロトロン型帯電器29の設けられた部位のプロセスカートリッジ17の筐体の上面には、外気連通す
る開口171が設けられている。
また、現像カートリッジがドラムカートリッジに装着された状態では、現像ローラ31は、感光体ドラム27の回転方向(図2において反時計方向)におけるスコロトロン型帯電器29の配置位置より下流に配設されており、矢印方向(図2において時計方向)に回転可能に配設されている。この現像ローラ31は、金属製のローラ軸に導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、高圧電源ユニット95の現像バイアス回路部(図示外)から現像バイアスが印加される。
次に、供給ローラ33は、現像ローラ31の側方位置で、現像ローラ31を挟んで感光体ドラム27の反対側の位置に回転可能に配設されており、現像ローラ31に対して圧縮するような状態で当接されている。この供給ローラ33は、金属製のローラ軸に、導電性の発泡材料からなるローラが被覆されており、現像ローラ31に供給するトナーを摩擦帯電するようになっている。
また、トナーボックス34は、供給ローラ33の側方位置に設けられており、その内部に供給ローラ33を介して現像ローラ31に供給されるトナーを充填している。本実施の形態では、現像剤として正帯電性の非磁性1成分のトナーが使用されており、このトナーは、重合性単量体、例えばスチレンなどのスチレン系単量体やアクリル酸、アルキル(C1〜C4)アクリレート、アルキル(C1〜C4)メタアクリレートなどのアクリル系単量体を、懸濁重合などの公知の重合方法によって共重合させることにより得られる重合トナーである。このような重合トナーには、カーボンブラックなどの着色剤やワックスなどが配合されるとともに、流動性を向上させるために、シリカなど外添剤が添加されている。その粒子径は、約6〜10μm程度である。
そして、トナーボックス34内のトナーは、トナーボックス34の中心に設けられた回転軸35に支持されたアジテータ36の矢印方向(図2において反時計方向)への回転により攪拌される。また、トナーボックス34の側壁には、トナーの残量検知用の窓38が設けられており、回転軸35に支持されたクリーナ39によって清掃されるようになっている。
また、感光体ドラム27の回転方向の現像ローラ31の下流で、感光体ドラム27の下方位置には、転写ローラ30が配設されており、矢印方向(図2において時計方向)に回転可能に支持されている。この転写ローラ30は、金属製のローラ軸に、イオン導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、転写時には、高圧電源ユニット95の転写バイアス回路部(図示外)から順転写バイアスが印加されるように構成されている。順転写バイアスとは、感光体ドラム27の表面上に静電付着したトナーが転写ローラ30の表面上に電気的に吸引される方向に電位差が生じるように転写ローラ30に印加するバイアスである。
次に、クリーニングローラ51は、感光体ドラム27の側方位置に配置されている。この配置位置は、感光体ドラム27の回転方向の転写ローラ30の下流位置、かつスコロトロン型帯電器29の上流位置になる。このクリーニングローラ51に接触するように、クリーニングローラ51を挟んで感光体ドラム27の反対側となる位置に2次ローラ52が設けられ、さらに、2次ローラ52には掻き取り部材53が当接されている。尚、クリーニングローラ51および2次ローラ52は、高圧電源ユニット95のクリーニングバイアス回路部(図示外)からバイアスが印加される。
このレーザプリンタ1では、転写ローラ30によって感光体ドラム27から用紙3にトナーが転写された後に、感光体ドラム27の表面上に残存する残存トナーや紙粉が、クリ
ーニングローラ51によって電気的に吸引される。そして、クリーニングローラ51は2次ローラ52によって電気的に紙粉のみが吸引され、2次ローラ52に吸引された紙粉が掻き取り部材53にからめ取られるようになっている。そして、バイアスが切り替えられて、クリーニングローラ51上のトナーが感光体ドラム27上に戻り、現像ローラ31によって、現像カートリッジ内に回収される。尚、このクリーニングバイアス切り替え時において、転写ローラ30には高圧電源ユニット95の転写バイアス回路部(図示外)から逆転写バイアスが印加される。逆転写バイアスとは、順転写バイアスとは逆に、転写ローラ30の表面上から感光体ドラム27の表面上へトナーが転写される方向に電位差が生じるように、転写ローラ30に印加するバイアスである。
また、ドラムカートリッジの感光体ドラム27の上部には、スキャナユニット16からのレーザ光が感光体ドラム27に直接照射されるように、露光窓69が設けられている。この露光窓69は、プロセスカートリッジ17の筐体の上面の、スコロトロン型帯電器29の開口171の部分よりもトナーボックス34寄りの部位に、感光体ドラム27がプロセスカートリッジ17の外部と連通するように開口されている。
定着器18は、プロセスカートリッジ17の側方下流側に配設され、加熱ローラ41、この加熱ローラ41を押圧する押圧ローラ42、およびこれら加熱ローラ41および押圧ローラ42の下流側に設けられる一対の搬送ローラ43を備えている。加熱ローラ41は、金属製で、筒状のローラの内部に加熱のためのハロゲンランプ41a(図4参照)を備えており、プロセスカートリッジ17において用紙3上に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ41と押圧ローラ42との間を通過する間に加圧加熱定着させ、その後、その用紙3を搬送ローラ43によって、排紙パス44に搬送するようにしている。尚、定着器18が、本発明における「定着手段」である。
また、後述のオゾンファン108b,メインファン117で吸引され、本体ケース2外に空気を排気するダクト100は、プロセスカートリッジ17の幅方向(挿入方向の直交方向)の長さの分、その幅方向に伸張された筒形状の排気通路であり、側方視、V字形の形状を有している。その内部は、前記幅方向を縦割りに2分する隔壁100dによって2室に分けられて、主にスコロトロン型帯電器29から発生されるオゾン等の生成物を排出するためのダクト100aと、主に定着器18から発生される熱を含む空気を排気するためのダクト100bとが構成されている。
さらに、本体ケース2内にプロセスカートリッジ17が装着された場合に、そのプロセスカートリッジ17の筐体の上面のうちスコロトロン型帯電器29の近傍に設けられた開口171の近傍を、シャッター103と、ダクト100aの下部の壁面と、ゴムやスポンジ等の弾性部材からなる仕切部材104と、後述のカートリッジ収納部57(図1参照)の左右の側面である左側面,右側面とで覆うように排気室101が構成されている。そして、スコロトロン型帯電器29から発生されたオゾンはこの排気室101に充満し、このオゾンを含む空気がダクト100aに吸引排気されるように、そのダクト100aの下面のうちスコロトロン型帯電器29に対向する部分に開口部105が形成されている。
尚、仕切部材104は、ダクト100aの下面において、プロセスカートリッジ17の装着時にその挿入方向の先端部分が当接するように、プロセスカートリッジ17の幅方向(挿入方向の直交方向)に延びるように設けられている。また、プロセスカートリッジ17の挿入時のショックの緩衝材としての役割も担う。
また、シャッター103は、プロセスカートリッジ17の幅方向に長い板形状の部材で、その長手方向の長さは、プロセスカートリッジ17の幅とほぼ同じとなっている。その短手方向の一方の縁端に設けられた支軸103aが、ダクト101aの下面に設けられた
支持部100cに支持されている。その支持部100cは、シャッター103が支持された場合、プロセスカートリッジ17の挿入方向においてシャッター103の支軸側が自由端側よりも下流側になるように配置され、自由端側が上下方向に移動可能となるように支持している。シャッター103の閉鎖時には、自由端が、プロセスカートリッジ17のスコロトロン型帯電器29の開口部分と露光窓69との間の部分に接触する。そして、図示外のリンク機構によって、上面カバー54の開閉と連動してシャッター103の開閉が行われるようになっている。
さらに、ダクト100bの下面にも開口部106が設けられ、装着されたプロセスカートリッジ17の挿入方向の先端部の壁面と、ダクト100bの下面と、定着器18と、除電板107となどで構成された排気室102の空気を排気するようになっている。尚、除電板107は、印刷時にプロセスカートリッジ17内を通過することで帯電される用紙3の除電を行うように、用紙3の搬送路上の、プロセスカートリッジ17と定着器18との間に設けられており、用紙3の搬送方向に複数の溝が列設された形状を有し、用紙ガイドとして機能する。
また、スキャナユニット16のヒートシンク130がダクト100の上面と対向する部分の壁面に開口部109が設けられている。この開口部109は、隔壁100dをまたいでダクト100aとダクト100bとの双方とスキャナユニット16とが連通されるように開口している。ヒートシンク130はスキャナユニット16の下部壁面に開口された露出口からスキャナユニット16とダクトの上面61との間の隙間に露出されている。そして、この露出したヒートシンク130を覆い、この隙間部分を他の隙間部分から隔離するように、スポンジ131が設けられている。そして、そのスポンジ131で囲まれた部分で排気室111が構成されている。
そして、図3に示すように、ダクト100の上面61には、スキャナユニット16の左側(図中奥側)の部位に接続孔(図示外)が開口され、その開口部分から本体ケース2外に外気連通した排気筒108が設けられている。この排気筒108の排気流路における下流部分には、排気室101の空気を吸引して本体ケース2外に排気するためのオゾンファン108bと、その空気に含まれるオゾンを除去するオゾンフィルタ108aとが設けられている。
また、ダクト100の下部の最下面を構成する壁面1001には開口部106が形成されている。この開口部106は、ダクト100の最下面の中間位置からダクト100と定着器18との対向面にかけて、壁面に沿って開口されている。この壁面1001はダクトの全壁面のうち、定着器18に対向する部分1002とプロセスカートリッジ17に対向する部分1003とを接続するものである。開口部106の開口された壁面は、ダクト100内部の隔壁100d(図2参照)によって仕切られた2つのダクト100a,100bのうちのダクト100b側の下部壁面である。このダクト100bには4つの開口部106が設けられているが、その開口位置は、ダクト100bの幅方向において、本体ケース2の右手側寄りの位置である。
そして、このダクト100bの幅方向において、本体ケース2の左手寄りの位置には、排気用のメインファン117が設けられている。このメインファン117は、そのフィンの回転軸より下半分が低圧電源ユニット90に対して開放されており、前述した電源ファン120によって低圧電源ユニット90内に導入され、低圧電源回路基板203(図4参照)から発せられた熱を含む空気を排気するようになっている。また、このメインファン117と低圧電源ユニット90の右手側開放部分(図1中奥側)との間には間隙が設けられており、この部分を介して排気室102の空気の一部がメインファン117によりレーザプリンタ1の外部に排気されるようになっている。
また、メインファン117の上半分には、ダクト100bの幅方向の、開口部106とは反対側に開口された接続孔(図示外)からメインファン117へと導く連結ダクト112が設けられており、ダクト100b内の空気はこの連結ダクト112を介してメインファン117から本体ケース2外に排気されるようになっている。
そして、本体ケース2におけるメインファン117の配置部位より上部後方位置には、サブファン118が設けられている。このサブファン118は、定着器18の側面に対向する位置に設けられ、主に定着器18から発生される熱を含む空気を排気するが、特に排気室は設けられていないので、本体ケース2内部全体の空気を排気するようになっている。
次に、図4〜図6を参照して、レーザプリンタ1の電気的な構成について説明する。図4は、レーザプリンタ1の電気的な構成を示すブロック図である。図5は、ROM211の記憶エリアを示す模式図である。図6は、RAM212の記憶エリアを示す模式図である。図7は、フラッシュRAM217の記憶エリアを示す模式図である。
図4に示すように、レーザプリンタ1は、制御基板201上にはCPU210と、ROM211と、RAM212と、フラッシュRAM217と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)215と、インターフェース213と、駆動回路220,2
21,222とが設けられている。CPU210には、バス216を介してROM211と、RAM212と、フラッシュRAM217と、ASIC215とが接続されており、ASIC215には、インターフェース213と、駆動回路220〜222とが接続されている。CPU210は、ROM211に記憶された各種プログラム等を実行し、その際にRAM212に一時的なデータの記憶を行わせ、フラッシュRAM217に記憶された値を利用して、ASIC215を介して各装置を制御するためのコマンド等の送受信を行うようになっている。尚、ASICは、特定の使用目的に特化するように種々の基本回路を組み合わせて構成されたカスタムICであり、機器の制御回路の主要部分をワンチップで実現できるという手軽さがある。
また、ASIC215には、レーザプリンタ1の電源のON・OFFを行うための電源スイッチ214と、高圧電源回路基板202と、低圧電源回路基板203とが接続されている。さらに、駆動回路220には、オゾンファン108bと、サブファン118と、電源ファン120と、メインファン117とが接続されており、この駆動回路220から各ファンに印加される電圧がCPU210に制御されることによって、後述のファン制御が行われる。そして、駆動回路221には定着器18のハロゲンランプ41aが接続され、この駆動回路221よりハロゲンランプ41aに印加される電圧が制御されることによって、定着器18の定着温度が制御される。また、駆動回路222にはその他の装置、例えば図示外のモータや表示パネル等が接続されている。
そして、制御基板201のインターフェース213と接続されたホストコンピュータ300は、レーザプリンタ1に印刷データ等を送信することができる。
次に、図5に示すように、ROM211には、後述のオゾンファン108b、サブファン118、電源ファン120、およびメインファン117のそれぞれの回転速度を制御するためにCPU210が実行するプログラムが記憶されたファン制御プログラム記憶エリア211a、各種の初期設定値が記憶された初期設定記憶エリア211b、およびCPU210がレーザプリンタ1を制御するための様々なプログラムが記憶されたその他のプログラム記憶エリア211c等が設けられている。
また、図6に示すように、RAM212には、カウンタX記憶エリア212a、カウンタY記憶エリア212b、カウンタZ記憶エリア212c、サブファンモード記憶エリア212d、電源ファンモード記憶エリア212e、メインファンモード記憶エリア212f、定着温度モード記憶エリア212g等が設けられている。カウンタX,Y,Z記憶エリア212a,212b,212cには、それぞれカウンタX,Y,Zのカウント値が記憶される。また、サブ,電源,メインファンモード記憶エリア212d,212e,212fには、それぞれSF,PF,MFの変数の値として「0」,「1」,「2」のいずれかの値が記憶されるようになっており、後述のファン制御プログラムが実行されて各ファンの制御が行われる場合にこれら変数の値が参照される。そして、これら変数の値が「0」の場合は停止、「1」の場合は中速回転、「2」の場合は高速回転でそれぞれのファンが駆動されるように、駆動回路220(図4参照)から各ファンに駆動電圧が印加される。尚、各ファンがそれぞれ中速回転で駆動される状態が、本発明における「第2回転状態」であり、各ファンがそれぞれ高速回転で駆動される状態が、本発明における「第1回転状態」である。
尚、サブファン118,電源ファン120,メインファン117が高速回転で駆動される場合、各ファンに駆動回路220から印加される電圧はそれぞれ24Vであり、中速回転で駆動される場合、サブファン118および電源ファン120には12V、メインファン117には16Vの電圧がそれぞれ印加される。
また、定着温度モード記憶エリア212gに記憶される変数Fuの値として「0」,「1」,「2」のいずれかの値が記憶されるようになっており、前記と同様に定着温度モード記憶エリア212gの値が参照された場合に、「0」であれば停止(室温)、「1」であれば待機温度(約160度)、「2」であれば印刷温度(約200度)となるように、駆動回路221(図4参照)から定着器18のハロゲンランプ41aに電圧が印加される。
さらに、図7に示すように、フラッシュRAM217には、カウンタ設定値記憶エリア217a、その他の設定値記憶エリア217b等が設けられている。フラッシュRAM217はレーザプリンタ1の電源がオフとなった場合にも記憶内容が保持される。尚、フラッシュRAM217の記憶が初期化された場合には、ROM211の初期設定記憶エリア211bに記憶された各値が、カウンタ設定値記憶エリア217a、その他の設定値記憶エリア217bのそれぞれ対応する記憶エリアに記憶されるようになっている。また、カウンタ設定値記憶エリア217aには、利用者が図示外の入力パネル等からあらかじめ入力した、後述するレディモードの継続時間が記憶されるようになっている。この継続時間は、1分〜40分の範囲で選択されるようになっており、初期設定記憶エリア211bには初期値として20分が記憶されている。
次に、各カウンタについて説明する。各カウンタX,Y,Zは、それぞれレーザプリンタ1の各モード、すなわち印刷が行われるプリントモード、印刷データの受信を待機するレディモード、および定着器18の予熱をオフにした状態で印刷データの受信を待機するスリープモード中における所定の条件を判断するための経過時間を計測するためのカウンタである。
プリントモードカウンタXは、レーザプリンタ1の電源投入後、またはスリープモード中においてカウンタZがカウントアップされた後に初めて印刷データを受信した場合に「0」からカウントが開始され、1秒ごとに「1」加算される。そして、一度カウントが開始された後は、スリープモード中においてカウンタZがカウントアップされない限り、カウンタXは「0」クリアされない。尚、レーザプリンタ1は印刷が行われている間、プリントモードとなる。このプリントモード中、定着器18の温度が印刷温度に設定される。
レディモードカウンタYは、レーザプリンタ1の電源投入後印刷データを受信していなく、定着温度が待機温度に達した場合、またはレーザプリンタ1における印刷処理が終了した場合にカウントが開始され、1秒ごとに「1」加算される。そして、カウント中に印刷処理が行われた場合の印刷終了後、またはスリープモード中においてカウンタZがカウントアップされた後に「0」クリアされる。尚、レーザプリンタ1はレディモードはカウンタYのカウント開始よりレディモードとなり、印刷データの受信もしくはカウンタYのカウントアップをもってレディモードを終了する。このレディモード中、定着器18の温度は待機温度に設定される。
スリープモードカウンタZは、レディモードカウンタYのカウント値が、フラッシュRAM217のカウンタ設定値記憶エリア217aに記憶された値より大きくなった場合にカウントが開始され、1秒ごとに「1」加算される。そして、カウント値が「1200」より大きくなった場合、またはカウント中に印刷処理が行われた場合の印刷終了後に「0」クリアされる。尚、レーザプリンタ1はカウンタZのカウント開始時よりスリープモードとなり、カウンタZのカウントアップ後もスリープモードは継続され、印刷データの受信をもってスリープモードを終了する。このスリープモード中、定着器18のハロゲンランプ41aに電圧は印加されない。
次に、図1,図2,図4を参照して、レーザプリンタ1の印刷時の動作について説明する。給紙トレイ6の用紙押圧板7上に積層されたうちの最上位にある用紙3は、用紙押圧板7の裏側から図示外のバネによって給紙ローラ8に向かって押圧されている。ホストコンピュータ300からの印刷データの受信に基づいて印刷が開始されると、用紙3は、回転する給紙ローラ8との間の摩擦力によって送られ、給紙ローラ8と分離パッド9との間に挟まれる。単葉に分離された用紙3は、紙粉取りローラ10を通過の際に表面上に付着している紙粉が取り払われ、対向する搬送ローラ11によってレジストローラ12に送られる。
一方、スキャナユニット16では、エンジンコントローラ(図示外)で生成されたレーザ駆動信号に基づいてレーザ発光部(図示外)で発生されたレーザ光が、ポリゴンミラー19に対して出射される。ポリゴンミラー19は入射したレーザ光を主走査方向(用紙3の搬送方向と直交する方向)に走査し、fθレンズ20に対して出射する。fθレンズ20は、ポリゴンミラー19で等角速度に走査されたレーザ光を等速度走査に変換する。そして、レーザ光は、反射ミラー21で進行方向を変化され、リレーレンズ22によって収束されて感光体ドラム27の表面上で結像する。
また、感光体ドラム27は、スコロトロン型帯電器29によって、その表面電位が、例えば約1000Vに帯電される。矢印方向(図中反時計方向)に回転する感光体ドラム27は、次に、レーザ光の照射を受ける。レーザ光は用紙3の主走査線上において、現像を行う部分は照射、行わない部分は非照射となるように出射されており、レーザ光の照射を受けた部分(明部)は、その表面電位が、例えば約100Vに下がる。そして、感光体ドラム27の回転によって、レーザ光は副走査方向(用紙3の搬送方向)にも照射され、レーザ光が照射されなかった部分(暗部)と明部とで、感光体ドラム27表面上には電気的な不可視画像、すなわち静電潜像が形成される。
また、トナーボックス34内のトナーは、供給ローラ33の回転により、現像ローラ31に供給される。このとき、供給ローラ33と現像ローラ31との間で正に摩擦帯電され、さらに、一定厚さの薄層となるように調整されて現像ローラ31上に担持される。この現像ローラ31には、例えば約300〜400Vの正のバイアスが印加されている。現像ローラ31の回転により、現像ローラ31上に担持され、かつ正帯電されているトナーが
、感光体ドラム27に対向して接触するときに、感光体ドラム27の表面上に形成されている静電潜像に転写する。すなわち、現像ローラ31の電位は、暗部の電位(+1000V)より低く、明部の電位(+100V)より高いので、トナーは電位の低い明部に対して選択的に転写する。こうして、感光体ドラム27の表面上に、トナーによる現像剤像としての可視像が形成され、現像が行われる。
レジストローラ12は用紙3をレジストし、回転する感光体ドラム27の表面上に形成された可視像の先端と用紙3の先端とが一致するタイミングで用紙3を送り出す。そして、感光体ドラム27と転写ローラ30との間を用紙3が通過する際に、明部の電位(+100V)よりさらに低い、例えば約−200Vの負のバイアスが転写ローラ30に印加されて、感光体ドラム27表面上に形成された可視像が用紙3上に転写される。
そして、トナーが転写された用紙3は、定着器18に搬送される。そこを通過する、接地された除電板107によって、トナーや用紙3の残留電荷は除去される。そして、定着器18は、トナーの載った用紙3に、加熱ローラ41による約200度の熱と押圧ローラ42による圧力とを加え、トナーを用紙3上に溶着させて永久画像を形成する。尚、加熱ローラ41と押圧ローラ42とはそれぞれダイオードを介して接地されており、加熱ローラ41の表面電位より押圧ローラ42の表面電位が低くなるように構成されている。そのため、用紙3の加熱ローラ41側に載置されている正帯電性のトナーは、用紙3を介して押圧ローラ42に電気的に吸引されるので、定着時に加熱ローラ41にトナーが引き寄せられることによる画像の乱れが防止されている。
トナーが加圧加熱定着された用紙3は、排紙ローラ45によって排紙パス44上を搬送され、印刷面を下向きにして排紙トレイ46に排出される。次に印刷される用紙3も同様に、先に排出された用紙3の上に印刷面を下にして排紙トレイ46に積層される。こうして、利用者は、印刷順に整列された用紙3を得ることができる。
次に、図4〜図7を参照し、図8〜図10に示すフローチャートに従って、レーザプリンタ1におけるメインファン117,サブファン118,電源ファン120の制御について説明する。図8は、ファン制御のメインルーチンである。図9は、印刷処理のサブルーチンのフローチャートである。図10は、ファン制御処理のサブルーチンのフローチャートである。以下、フローチャートの各ステップについては「S」と略記する。尚、オゾンファン108bは、メインファン117が動作中の場合は高速回転で駆動され、非動作中の場合は停止されるようになっている。
尚、以下に示す本実施の形態のフローチャートでは、各カウンタX,Y,Zを利用してあらかじめ設定された所定期間の経過を計測し、これを判断条件としてファン制御が行われるが、前記所定期間は、レーザプリンタ1のプロセスカートリッジ17や低圧電源ユニット90などに熱の影響が生じないようにするための各ファンを駆動させる期間が、あらかじめ実験等によって導出されている。プロセスカートリッジ17において熱の影響が生ずると、例えば、収容されたトナーが熱によって溶けることで用紙3上に形成される画像の品質が損なわれたり、熱によって温度が上昇したクリーニングローラ51上に電気的に吸引されるトナーがクリーニングローラ51上で溶け出すなどしてクリーニング性能に変化が生じたりする。また、低圧電源ユニット90において熱の影響が生ずると、例えば、低圧電源回路基板203上に配置された素子が熱破壊されたり、低圧電源回路基板203の温度が、これら素子のそれぞれに規格として定められている温度範囲を超える温度となったりする。「熱の影響が生じない」状態というのは、このような状況が発生されないように、プロセスカートリッジ17や低圧電源回路基板203の任意の部位の温度を所定の温度範囲内に保つ状態である。
図8〜図10に示すファン制御のフローチャートは、ROM211のファン制御プログラム記憶エリア211aに記憶されたプログラムをCPU210が実行することで処理される。このプログラムは、レーザプリンタ1の電源が投入された場合、またはレーザプリンタ1のリセットが行われた場合に実行されるようになっている。
図8に示すように、CPU210は、ファン制御プログラムを実行すると、まず、「X,Y,Z,SF,PF,MF,Fu=0」の処理を行う(S1)。すなわち、RAM212のカウンタX,Y,Z記憶エリア212a,212b,212c、サブ,電源,メインファンモード記憶エリア212d,212e,212f、定着温度モード記憶エリア212gのそれぞれに「0」が記憶される。次いで、CPU210が、「Fu=1、定着温度制御処理」の処理を行う(S2)ことによって、定着温度モード記憶エリア212gに「1」が記憶され、定着器18の加熱ローラ41が待機温度となるように、駆動回路221からハロゲンランプ41aに電圧が印加される。
次に、CPU210は、「ファン制御処理」のサブルーチンを実行する(S3)。このファン制御処理では、図10に示すフローチャートの処理が行われる。図10に示すように、ファン制御処理のサブルーチンが実行されると、まず、「SF,PF,MF=0」の処理が行われ(S61)、RAM212のサブ,電源,メインファンモード記憶エリア212d,212e,212fのそれぞれに「0」が記憶される。この処理は、ファン制御処理で各条件に基づいて各ファンの動作を決定するため、各ファンの動作の初期値として設定される。
次いで、CPU210は、「Fu=2か?」どうかの確認を行うため(S62)、RAM212の定着温度モード記憶エリア212gの値を参照する。この処理のタイミングにおいては、図8のS2でFu=1と設定されているのでS63へ進み(S62:NO)、「Fu=1か?」どうかの確認が行われる(S63)。S62と同様にRAM212の定着温度モード記憶エリア212gの値が参照され、この場合Fu=1であるので(S63:YES)、「PF=1」の処理と(S65)、「MF=1」の処理とが順に行われ(S66)、RAM212の電源,サブファンモード記憶エリア212e,212dにそれぞれ「1」が記憶される。
次に、CPU210は、「ファン駆動処理」を実行する(S74)。すなわち、RAM212のサブ,電源,メインファンモード記憶エリア212d,212e,212fのそれぞれの値を参照し、S61においてMF=0、S65においてPF=1、S66においてSF=1がそれぞれ設定されているので、CPU210は駆動回路220に制御信号を伝達し、駆動回路220はその制御信号に基づいてサブファン118,電源ファン120,メインファン117の駆動がそれぞれ中速回転,中速回転,停止となるように、それぞれのファンに駆動電圧を印加する。そしてファン制御処理が終了し、図8に示すファン制御のメインルーチンに戻る。
尚、S62の判断処理で、CPU210が参照したRAM212の定着温度モード記憶エリア212gの値が「2」である場合(S62:YES)、CPU210はRAM212のカウンタX記憶エリア212aの値を参照し、「X>240か?」どうかを確認する(S71)。CPU210は、カウンタXのカウント値が「240」より大きい場合はS73に進み(S71:YES)、「SF,PF,MF=2」の処理を行い(S73)、RAM212のサブ,電源,メインファンモード記憶エリア212d,212e,212fのそれぞれに「2」が記憶される。そして、S74で前述と同様のファン駆動処理が行われ、サブファン118,電源ファン120,メインファン117はそれぞれ高速回転で駆動される(S74)。ファン制御処理が終了すると、図8に示すファン制御のメインルーチンに戻る。
さらに、S71でカウンタXのカウント値が「240」以下の場合(S71:NO)、「SF,PF,MF=1」の処理が行われ(S72)、RAM212のサブ,電源,メインファンモード記憶エリア212d,212e,212fのそれぞれに「1」が記憶される。そして、S74で前述と同様のファン駆動処理が行われ、サブファン118,電源ファン120,メインファン117はそれぞれ中速回転で駆動される(S74)。ファン制御処理が終了すると、図8に示すファン制御のメインルーチンに戻る。
また、S63の判断処理で、CPU210が参照したRAM212の定着温度モード記憶エリア212gの値が「0」である場合(S63:NO)、CPU210は、「Z=0か?」どうかの確認を行う(S64)。前述したようにCPU210は、レーザプリンタ1がスリープモードが開始されなければカウンタZのカウントを行わず、さらに、後述する図8のS25,S31で、カウンタZのカウント開始より1200秒(20分)が経過すると、カウンタZをリセットする。従って、レーザプリンタ1がスリープモードとなってから1200秒以内にS64の判断処理が行われた場合(S64:NO)、S66,S74に進み、サブファン118が中速回転で駆動され、電源ファン120,メインファン117がそれぞれ停止される(S74)。また、スリープモードとなってから1200秒経過してカウンタZがリセットされた後にS64の判断処理が行われた場合(S64:YES)、S74に進み、サブファン118,電源ファン120,メインファン117はそれぞれ停止される(S74)。そして、ファン制御処理が終了すると、図8に示すファン制御のメインルーチンに戻る。
図8に示すように、S3のファン制御処理のサブルーチンから戻ると、CPU210は、「印刷データを受信したか?」どうかの確認を行う(S4)。利用者がレーザプリンタ1での印刷を行おうとしてホストコンピュータ300から印刷データを送信すると、レーザプリンタ1ではインターフェース213を介し、ASIC215に印刷データが伝達される。CPU210は、S4においてASIC215が印刷データを受信したかどうかの確認を行い、ASIC215が印刷データを受信していなかった場合(S4:NO)、S2で電圧の印加されたハロゲンランプ41aの温度が待機温度に達しかどうか、すなわち「定着器は待機温度以上か?」どうかの確認を、図示外の温度センサを利用して行う(S6)。そして、定着器が待機温度に達していなかった場合(S6:NO)、S4の処理に戻り、同様の判断処理が繰り返される。
S4でCPU210が印刷データの受信の確認を行った際にASIC215が印刷データを受信していた場合(S4:YES)、「印刷処理」のサブルーチンが実行される(S5)。この印刷処理では、図9に示すフローチャートの処理が行われる。また、この印刷処理の間、レーザプリンタ1はプリントモードとなる。
図9に示すように、印刷処理のサブルーチンが実行されると、CPU210はRAM212のカウンタX記憶エリア212aの値を参照し、「X=0か?」どうかの確認を行う(S41)。CPU210は、カウンタXのカウント値が「0」であれば(S41:YES)、「カウンタXのカウントを開始」し(S42)、カウンタXがカウント中であれば(S41:NO)、カウンタXのカウントを継続したままS43に進む。
そして、CPU210は、「Fu=2、定着温度制御処理」の処理を行う(S43)。すなわち、定着温度モード記憶エリア212gに「2」が記憶され、定着器18の加熱ローラ41が印刷温度となるように、駆動回路221からハロゲンランプ41aに電圧が印加される。
次いで、CPU210は、「ファン制御処理」のサブルーチンを実行し(S44)、前
述と同様に図10に示すフローチャートの処理を行う。電源投入後初めて、あるいはカウンタXのカウント値のリセット後初めてこの印刷処理が行われた場合には、図9のS41の判断処理でS42に進んでカウンタXのカウントがスタートした直後にファン制御処理のサブルーチンが行われることになる。従って、図10に示すようにS61,S62の処理が行われた後のS71の判断処理では、カウンタXが「240」以下であるのでS72に進み、次いでS74のファン駆動処理が行われるので、サブファン118,電源ファン120,メインファン117はそれぞれ中速回転で駆動されることになる。
そして、図9の印刷処理に戻り、「定着器は印刷温度以上か?」どうかの確認が、図示外の温度センサを利用して行われる(S45)。CPU210は、定着器18の温度が印刷温度に達するまで処理を待機し(S45:NO)、印刷温度に達した場合(S45:YES)、「印刷開始」される(S51)。
S45で定着器が印刷温度に達するまでの待機中にもカウンタXのカウントは継続されている。そして、CPU210は、「X>240か?」どうかの確認を行い(S52)、カウンタXのカウント値が「240」以下ならばS53に進み(S52:NO)、「印刷終了か?」否かの確認を行う(S53)。そして、印刷中の場合は(S53:NO)、S52に戻り、カウンタXのカウント値の確認を行う。このようにカウンタXのカウント値が「240」以下である印刷中の間、S52とS53の処理が交互に行われ、ファン制御は行われない。
そして、カウンタXのカウント値が「240」より大きくなった場合(S52:YES)、CPU210は「ファン制御処理」のサブルーチンを実行し(S54)、前述同様、図10に示すフローチャートの処理を行う。図10に示すファン制御処理では、このとき印刷中であるので、S61,S62,S71の順に処理が行われ、S71の判断処理でS73へ進むので、SF,PF,MF=2に設定されてS74のファン駆動処理が行われる。従って、カウンタXのカウント開始、すなわち電源投入後、あるいはカウンタXのカウント値のリセット後初めて印刷処理が行われた時より240秒(4分)の経過後は、サブファン118,電源ファン120,メインファン117のそれぞれが高速回転で駆動されることになる。
S54のファン制御処理のサブルーチンの実行が終了すると、CPU210は、図9に示すように「印刷終了か?」否かの確認を行い(S55)、印刷中の場合は印刷が終了するまで待機する(S55:NO)。そして、印刷が終了すると(S55:YES)、CPU210は「Y,Z=0、Fu=1、定着温度制御処理」の処理を行う(S56)。すなわち、RAM212のカウンタY,Z記憶エリア212b,212cに「0」、定着温度モード記憶エリア212gに「1」が記憶され、定着器18の加熱ローラ41が待機温度となるように、駆動回路221からハロゲンランプ41aに電圧が印加される。その後、図8に示すファン制御のメインルーチンに戻る。尚、S53,S55の印刷終了とは、用紙3を排紙トレイ46に排紙して、感光体ドラム27や排紙ローラ45の駆動を停止したことを示す。
図8のS6において定着器18が待機温度に達した場合や(S6:YES)、S5の印刷処理のサブルーチンの処理が終了した場合、CPU210は、「カウンタYのカウントを開始」する(S11)。すなわち、定着器18が待機温度で制御された状態で印刷データの受信を待機するレディモードが開始される。そして、CPU210は、このレディモードにおける各ファンの回転速度を設定するため「ファン制御処理」のサブルーチンを実行し(S12)、図10に示すフローチャートの処理を行う。このとき、印刷は行われておらずFu=1に設定されているので、図10のファン制御処理のサブルーチンはS61,S62,S63,S64,S65,S66の順に進行され、SF,PF=1、MF=0
に設定される。そして、S74の処理が行われて、サブファン118,電源ファン120のそれぞれが中速回転で駆動され、メインファン117が停止される。
次に、図8に示すファン制御のメインルーチンに戻ると、CPU210は、「印刷データを受信したか?」どうかの確認を行う(S13)。前述したS4での処理と同様に、CPU210はASIC215が印刷データを受信したかどうかの確認を行い、ASIC215が印刷データを受信していなかった場合(S13:NO)、「Y>設定値か?」どうかの確認を行う(S14)。CPU210は、フラッシュRAM217のカウンタ設定値記憶エリア217aに記憶された設定値と、RAM212のカウンタY記憶エリア212bの値とを比較し、カウンタYのカウント値が設定値以下の場合は(S14:NO)、S13に戻ってS13,S14の判断処理を繰り返す。
ここで、S13の処理において、CPU210が、ASIC215が印刷データを受信したことを確認できた場合(S13:YES)、CPU210はS5の印刷処理のサブルーチンを実行する。そして、前述と同様に図9に示すフローチャートの処理が行われ、レーザプリンタ1がプリントモードとなり、印刷が開始される。そして、このサブルーチンの終了前のS56の処理においてカウンタYのカウント値がリセットされてから図8に示すファン制御のメインルーチンに戻り、S11以降の処理が行われる。すなわち、レーザプリンタ1は、印刷終了後にレディモードとなる。
S14でカウンタYのカウント値が設定値よりも大きいと判断された場合(S14:YES)、CPU210は、「カウンタZのカウントを開始」する(S21)。さらに、CPU210は、「Fu=0、定着温度制御処理」を行い(S22)、定着温度モード記憶エリア212gに「0」が記憶され、定着器18のハロゲンランプ41aへの電圧の印加が停止される。すなわち、定着器18の予熱をオフにした状態で印刷データの受信を待機するスリープモードが開始される。そして、CPU210は、このスリープモードにおける各ファンの回転速度を設定するため「ファン制御処理」のサブルーチンを実行し(S23)、図10に示すフローチャートの処理を行う。このとき、S22の処理でFu=0に設定されており、また、カウンタZのカウントが開始されている。従って、図10のファン制御処理のサブルーチンはS61,S62,S63,S64,S66の順に進行され、SF=1、PF,MF=0に設定される。そして、S74の処理が行われて、サブファン118が中速回転で駆動され、電源ファン120,メインファン117がそれぞれ停止される。
次に、図8に示すファン制御のメインルーチンに戻ると、CPU210は、「印刷データを受信したか?」どうかの確認を行う(S24)。前述したS13での処理と同様に、CPU210はASIC215が印刷データを受信したかどうかの確認を行い、ASIC215が印刷データを受信していなかった場合(S24:NO)、「Z>1200か?」どうかの確認を行う(S25)。CPU210は、RAM212のカウンタY記憶エリア212bの値が「1200」以下の場合は(S25:NO)、S24に戻ってS24,S25の判断処理を繰り返す。
ここで、S24の処理において、CPU210が、ASIC215が印刷データを受信したことを確認できた場合(S24:YES)、CPU210はS5の印刷処理のサブルーチンを実行する。そして、前述と同様に図9に示すフローチャートの処理が行われ、レーザプリンタ1がプリントモードとなり、印刷が開始される。印刷が終了すると、図8に示すファン制御のメインルーチンに戻り、S11以降の処理が行われる。すなわち、レーザプリンタ1は、印刷終了後にはレディモードとなる。
S25でカウンタZのカウント値が「1200」よりも大きいと判断された場合(S2
5:YES)、すなわち、レーザプリンタ1がスリープモードとなってから1200秒(20分)が経過した場合、CPU210は、「X,Y,Z=0」の処理を行う(S31)。RAM212のカウンタX,Y,Z記憶エリア212a,212b,212cのそれぞれに「0」が記憶される。そして、CPU210は、「ファン制御処理」のサブルーチンを実行し(S32)、図10に示すフローチャートの処理を行う。このとき、S22の処理でFu=0に設定されているので、図10のファン制御処理のサブルーチンはS61,S62,S64の順に進行され、SF,PF,MF=0に設定される。そして、S74の処理が行われて、サブファン118,電源ファン120,メインファン117がそれぞれ停止される。
次に、図8に示すファン制御のメインルーチンに戻ると、CPU210は、「印刷データを受信したか?」どうかの確認を行う(S33)。そして、CPU210はASIC215が印刷データを受信したかどうかの確認を行い、ASIC215が印刷データを受信していなかった場合(S33:NO)、この印刷データの受信確認の処理を継続する。そして、CPU210が、ASIC215が印刷データを受信したことを確認できた場合(S33:YES)、S5の印刷処理のサブルーチンが実行され、前述と同様に図9に示すフローチャートの処理が行われてレーザプリンタ1がプリントモードとなり、印刷が開始される。印刷が終了すると、図8に示すファン制御のメインルーチンに戻りS11以降の処理が行われるので、レーザプリンタ1は、印刷終了後にはレディモードで動作される。
次に、図8〜図11を参照して、各ファンの駆動制御のタイミングの一例について説明する。図11は、各ファンの駆動制御のタイミングチャートの一例である。
図11に示す、T0タイミングで、レーザプリンタ1の電源が投入されると、まず、図8のS2において、定着器18を待機温度にするための電圧が、ハロゲンランプ41aに印加される。次いで、S3の処理が行われ、サブファン118および電源ファン120がそれぞれ中速回転で駆動される。そして、定着器18の温度が待機温度に達するまでのT0〜T1タイミングの間、S4,S5の処理が繰り返される。
次に、T1タイミングで、S11,S12の処理が行われてカウンタYのカウントが開始され、レーザプリンタ1はレディモードとなり、このT1タイミング以降S13,S14の処理が繰り返される。そして、T2タイミングで、CPU210がASIC215の印刷データの受信を確認すると、S5の印刷処理が行われ、レーザプリンタ1がプリントモードとなり、印刷が開始される。この印刷処理は電源投入後の初回の印刷処理であるので、このT2タイミングよりカウンタXのカウントが開始される。また、定着器18の温度が印刷温度になるようにハロゲンランプ41aに印加される電圧が制御され、サブファン118,電源ファン120,メインファン117は、それぞれ中速回転で駆動される。尚、カウンタXのカウントが開始されるT2タイミングから240秒経過後がT5タイミングである。
T3タイミングでS5の印刷処理が終了するとカウンタYのカウントが開始され、レーザプリンタ1はレディモードとなる。このT3タイミングでは、カウンタXのカウント開始のT2タイミングから240秒が経過しておらず、S12のファン制御処理によって、サブファン118,電源ファン120はそれぞれ中速回転で駆動され、メインファン117は停止される。また、定着器18の定着温度が待機温度となるように、ハロゲンランプ41aに印加される電圧が制御される。さらに、T3タイミング以降、S13,S14の処理が繰り返される。そして、T4タイミングで、CPU210がASIC215の印刷データの受信を確認すると、S5の印刷処理が行われ、レーザプリンタ1はプリントモードとなり、印刷が開始される。
図9に示す印刷処理が行われている間のT5タイミングで、カウンタXのカウント値が「240」より大きくなると、S52の判断処理からS54の処理に進み、ファン制御処理が行われる。このT5タイミングでは、プリントモード中であり、かつカウンタXのカウント値が「240」秒以上であるので、サブファン118,電源ファン120,メインファン117は、それぞれ高速回転で駆動される。そして、T6タイミングで、レーザプリンタ1の印刷処理が終了する。
このT6タイミングにおいて、S5の印刷処理の終了時にリセットされたカウンタYは、S11から再度カウントが開始され、レーザプリンタ1はレディモードとなる。そして、S12のファン制御処理によってサブファン118,電源ファン120はそれぞれ中速回転で駆動され、メインファン117は停止される。このレディモード中にCPU210がASIC215の印刷データの受信を検知しなかった場合、T7タイミングにおいてカウンタYのカウント値がフラッシュRAM217のカウンタ設定値記憶エリア217aに記憶された設定値に達し、S21の処理に従ってカウンタZのカウントが開始され、レーザプリンタ1はスリープモードとなる。また、S22で定着器18のハロゲンランプ41aへの電圧の印加が停止され、さらに、S23でファン制御処理が行われて、サブファン118は中速回転で駆動され、電源ファン120,メインファン117は、それぞれ停止される。
T7タイミング以降のスリープモード中は、S24,S25の処理が繰り返される。このスリープモード中のT8タイミングに、CPU210がASIC215の印刷データの受信を確認すると、前記と同様S5の印刷処理が行われ、レーザプリンタ1がプリントモードとなり、印刷が開始される。このときの各ファンのモードはT5タイミングの場合と同様であり、サブファン118,電源ファン120,メインファン117は、それぞれ高速回転で駆動される。
そして、T9タイミングにレーザプリンタ1の印刷処理が終了すると、T6タイミングと同様にレーザプリンタ1はレディモードとなる。すなわち、S11,S12の処理を経てサブファン118,電源ファン120のそれぞれが中速回転で駆動され、メインファン117が停止されるとともに、定着器18の定着温度が待機温度となるようにハロゲンランプ41aに電圧が印加される。尚、T6タイミングよりカウントが開始されたカウンタYは、T7タイミングでカウントアップしてカウンタZのカウントが開始されるものの、カウンタZがカウントアップする前のT8タイミングにおいてレーザプリンタ1がプリントモードとなるので、T9タイミングにプリントモードが終了するまでカウントが継続される。
さらに、T10タイミングでカウンタYのカウント値がカウンタ設定値記憶エリア217aに記憶された設定値に達すると、S21の処理に従ってカウンタZのカウントが開始され、レーザプリンタ1はスリープモードとなる。そして、S22で定着器18のハロゲンランプ41aへの電圧の印加が停止され、さらに、S23でファン制御処理が行われて、サブファン118は中速回転で駆動され、電源ファン120,メインファン117は、それぞれ停止される。
次に、T11タイミングでカウンタZがカウントアップすると、S31の処理によって、各カウンタX,Y,Zがリセットされる。そしてS32のファン制御処理が行われ、サブファン118,電源ファン120,メインファン117は、それぞれ停止される。このスリープモードは、CPU210がASIC215の印刷データの受信をT12タイミングに確認するまで、S33の判断処理が繰り返されることで継続される。このT12タイミングより、レーザプリンタ1はプリントモードとなる。カウンタXのカウント値はT11タイミングにリセットされて「0」となっているので、このT12タイミングでは、カ
ウンタXのカウントが再度開始されるとともに、サブファン118,電源ファン120,メインファン117のそれぞれが、中速回転で駆動される。そして、T13タイミングに印刷処理が終了した後はS11の処理に戻り、以降同様に各ファンの制御が行われる。
次に、図12〜図14を参照して、第2の実施の形態のレーザプリンタ1について説明する。図12は、第2の実施の形態のRAM212の記憶エリアを示す模式図である。第2の実施の形態のレーザプリンタ1は、第1の実施の形態のレーザプリンタ1と同様に、印刷が行われるプリントモード、定着器18が待機温度に制御された状態で印刷データの受信を待機するレディモード、および定着器18の予熱をオフにした状態で印刷データの受信を待機するスリープモードを有する。この実施の形態のレーザプリンタ1では、レディモード中に間欠ファン制御が実行される。
図12に示すように、第2の実施の形態のレーザプリンタ1のRAM212には、第1の実施の形態のRAM212の記憶エリアの構成に加え、カウンタA記憶エリア212hおよび間欠フラグB記憶エリア212iが設けられている。カウンタA記憶エリア212hには、カウンタAのカウント値が記憶され、間欠フラグB記憶エリア212iには、後述する間欠ファン制御における所定の条件を判断するためのフラグ、すなわち「0」または「1」の値が記憶されるようになっている。
サブ,電源,メインファンモード記憶エリア212d,212e,212fには、それぞれSF,PF,MFの変数の値として「0」,「1」,「2」のいずれかの値が記憶されるようになっており、後述の間欠ファン制御プログラムが実行されて各ファンの制御が行われる場合にこれら変数の値が参照される。そして、これら変数の値が「0」の場合は停止、「1」の場合は中速回転、「2」の場合は高速回転でそれぞれのファンが駆動されるように、駆動回路220(図4参照)から各ファンに駆動電圧が印加される。
尚、サブファン118,電源ファン120,メインファン117が高速回転で駆動される場合、各ファンに駆動回路220から印加される電圧はそれぞれ24Vであり、中速回転で駆動される場合、サブファン118および電源ファン120には12V、メインファン117には16Vの電圧がそれぞれ印加されるが、本実施の形態のレーザプリンタ1では、この間欠ファン制御が行われている間の各ファンの駆動速度として、高速回転は選択されない。
カウンタAは、レーザプリンタ1のレディモード中における所定の条件を判断するための経過時間を計測するためのカウンタである。カウンタAは、レーザプリンタ1がレディモードとなった場合にカウントが開始され、1秒ごとに「1」加算される。そして、カウント中に印刷処理が行われた場合の印刷終了後、またはカウンタAがカウントアップされた後に「0」クリアされ、再度「0」からカウントが開始される。そして、間欠ファン制御は、カウンタYのカウントアップをもって終了する。
また、第2の実施の形態のレーザプリンタ1の他の部分の構成は、第1の実施の形態のものと同様である。
次に、図13,図14に示すフローチャートに従って、第2の実施の形態のレーザプリンタ1におけるメインファン117,サブファン118,電源ファン120の制御について説明する。図13は、第2の実施の形態の間欠ファン制御のメインルーチンである。図14は、間欠ファン制御処理のサブルーチンのフローチャートである。図13,図14に示す間欠ファン制御のフローチャートは、前記実施の形態と同様に、ROM211のファン制御プログラム記憶エリア211aに記憶されたプログラムをCPU210が実行することで処理される。このプログラムは、レーザプリンタ1の電源が投入された場合に実行
されるようになっている。
図13に示すように、CPU210は、間欠ファン制御プログラムを実行すると、まず、「Y,SF,PF,MF=0」の処理を行い(S79)、RAM212のカウンタY記憶エリア212b、サブ,電源,メインファンモード記憶エリア212d,212e,212fのそれぞれに「0」を記憶する。そして、CPU210は、「定着器は待機温度以上か?」どうかの確認を行う(S80)。すなわち、CPU210は、図示外の温度センサを利用して、駆動回路221からハロゲンランプ41aに電圧が印加された定着器18の温度が待機温度に達したかどうかの確認を行う。CPU210は、定着器18の温度が待機温度に達するまで処理を待機し(S80:NO)、待機温度に達した場合(S80:YES)、S81の処理に進む。尚、本実施の形態では、定着器18の温度制御は他のプログラムによって行われる。
そして、CPU210は、「カウンタYのカウントを開始」し(S81)、レーザプリンタ1が印刷データの受信を待機するレディモードが開始される。そして、CPU210は、「A,B=0」の処理を行い(S82)、RAM212のカウンタA記憶エリア212hおよび間欠フラグB記憶エリア212iのそれぞれに「0」を記憶する。
次に、CPU210は、「A=0か?」どうかの判断処理を行う(S83)。CPU210は、カウンタA記憶エリア212hの値が参照され、カウンタAのカウント値が「0」であれば(S83:YES)、「カウンタAのカウントを開始」して(S84)、各ファンの回転速度を設定するため「間欠ファン制御処理」のサブルーチンを実行し(S85)、図14に示すフローチャートの処理を行う。
図14に示すように、間欠ファン制御処理のサブルーチンが実行されると、まず、「SF=1、PF,MF=0」の処理が行われ(S111)、RAM212のサブファンモード記憶エリア212dに「1」が記憶され、電源,メインファンモード記憶エリア212e,212fのそれぞれに「0」が記憶される。この処理は、ファン制御処理で各条件に基づいて各ファンの動作を決定するため、各ファンの動作の初期値として設定される。
次いで、CPU210は、「A>60か?」どうかの確認を行うため(S112)、RAM212のカウンタA記憶エリア212hの値を参照する。この処理のタイミングにおいては、S84でカウンタAのカウントが開始された直後であってカウンタAのカウント値は「60」以下であるので(S112:NO)、CPU210は「Y>1800か?」どうかの確認を行う(S114)。この処理のタイミングでは、図13のS81の処理においてカウンタYのカウントが開始された直後であってカウンタYのカウント値は「1800」以下であるので(S114:NO)、CPU210は「ファン駆動処理」を行う(S116)。S111の処理でSF=1、PF,MF=0と設定された後にS112,S114と進み、ファンモードの設定値はそのままの状態でS116のファン駆動処理が行われるので、サブファン118は中速回転で駆動され、電源ファン120,メインファン117のそれぞれは停止されるように駆動回路220から駆動電圧が印加される。その後、図13に示す間欠ファン制御のメインルーチンに戻る。
尚、S112でカウンタAのカウント値が「60」より大きい場合(S112:YES)、すなわちカウンタAのカウント開始後60秒が経過した場合、「PF=1」の処理が行われ(S113)、RAM212の電源ファンモード記憶エリア212eに「1」が記憶される。そして、SF,PF=1、MF=0に基づいたファン駆動処理が行われるので(S116)、サブファン118および電源ファン120のそれぞれが中速回転で駆動され、メインファン117が停止される。その後、図13に示す間欠ファン制御のメインルーチンに戻る。
また、カウンタAのカウント値が「60」より小さい場合でも、S114でカウンタYのカウント値が「1800」より大きい場合(S112:NO,S114:YES)、すなわちカウンタYのカウント開始後1800秒(30分)が経過した場合、「MF=1」の処理が行われ(S115)、RAM212のメインファンモード記憶エリア212fに「1」が記憶される。そして、SF,MF=1、PF=0に基づいたファン駆動処理が行われるので(S116)、サブファン118およびメインファン117のそれぞれが中速回転で駆動され、電源ファン120が停止される。その後、図13に示す間欠ファン制御のメインルーチンに戻る。
図13に示すように、S85の間欠ファン制御処理のサブルーチンから戻ると、CPU210は、「印刷データを受信したか?」どうかの確認を行う(S103)。第1の実施の形態と同様に、CPU210はASIC215が印刷データを受信したかどうかの確認を行い、ASIC215が印刷データを受信していた場合(S103:YES)、CPU210は「印刷」の処理を行う(S105)。この印刷処理では、各ファンは印刷時の動作状態に制御されて、すべてのファンが中速回転で駆動される。そして、印刷処理の終了時にカウンタYのカウント値がリセットされてからS81の処理に戻る。
S103で、CPU210はASIC215が印刷データを受信したかどうかの確認を行い、ASIC215が印刷データを受信していなかった場合(S103:NO)、「Y>設定値か?」どうかの確認を行う(S104)。CPU210は、フラッシュRAM217のカウンタ設定値記憶エリア217aに記憶された設定値と、RAM212のカウンタY記憶エリア212bの値とを比較し、カウンタYのカウント値が設定値以下の場合は(S104:NO)、S83に戻り、カウンタYのカウント値が設定値より大きい場合は(S104:YES)、間欠ファン制御を終了する。この場合、レーザプリンタ1は、レディーモードにおいて設定値として規定された時間が経過するので、スリープモードとなる。尚、スリープモード中の各ファンの制御は、第1の実施の形態と同様であり、すなわち、印刷データの受信がない状態で、スリープモード開始後1200秒(20分)以内は、サブファン118のみが中速回転で駆動され、1200秒経過後はすべてのファンが停止される。
S104の判断処理で、カウンタYのカウント値が設定値以下である場合(S104:NO)、S83に戻り、カウンタAのカウント値が参照される。この場合、S84の処理が行われた後であるのでカウンタAのカウントは開始されているので(S83:NO)、S91に進む。そして、CPU210は、「A>60か?」どうかの確認を行う(S91)。CPU210は、前述と同様にカウンタAのカウント値を参照し、カウンタAのカウント開始後60秒以内であればS103に進み(S91:NO)、印刷データの受信やカウンタYのカウントアップなどの条件が満たされない限り、S103,S104,S83,S91の処理が繰り返される。
そして、カウンタAのカウント値が「60」より大きくなった場合(S91:YES)、CPU210は、「B=0か?」どうかの確認を行い(S92)、RAM212の間欠フラグB記憶エリア212iの値を参照する。初めてカウンタAのカウント値が「60」より大きくなった場合、間欠フラグBは、S82の処理で「0」となっており(S92:YES)、「間欠ファン制御処理」のサブルーチンが実行され(S93)、図14に示すフローチャートの処理が行われる。このとき、S112でカウンタAが「60」より大きいので(S112:YES)、SF,PF=1、MF=0、すなわちサブファン118および電源ファン120のそれぞれが中速回転で駆動され、メインファン117が停止される。
次に、図13に示す間欠ファン制御のメインルーチンに戻ると、CPU210は、「B=1」を処理し(S94)、RAM212の間欠フラグB記憶エリア212iに「1」を記憶させる。そして、CPU210は、「A>900か?」どうかの確認を行う(S101)。CPU210は、カウンタAのカウント値が「900」以下の場合(S101:NO)、S103,S104に進み、印刷データの受信やカウンタYのカウントアップなどの条件が満たされない限りS83の処理に戻る。
このとき、S92の判断処理において、前回の処理が行われたときに間欠フラグBの値がS94で「1」とされているため(S92:NO)、S101に進む。このように、間欠ファン制御処理のサブルーチンは、処置の条件が満たされた場合に一度だけ実行される。
そして、カウンタAのカウント値が「900」より大きくなった場合(S101:YES)、CPU210は「A,B=0」の処理を行い(S102)、RAM212のカウンタA記憶エリア212hおよび間欠フラグB記憶エリア212iのそれぞれに「0」を記憶させる。さらに、CPU210は、印刷データの受信やカウンタYのカウントアップなどの条件が満たされない限りS83の処理に戻る。
次に、図13〜図15を参照して、第2の実施の形態のレーザプリンタ1における各ファンの駆動制御のタイミングの一例について説明する。図15は、各ファンの駆動制御のタイミングチャートの一例である。
図15に示すように、レーザプリンタ1の電源が投入され、定着器18の温度が待機温度に達したT0タイミングで、図13のS81が処理され、カウンタYのカウントが開始される。そして、S82でカウンタAがリセットされるのでS83,S84と進み、カウンタAのカウントが開始される。さらに、S85の間欠ファン制御処理が行われ、このT0タイミングでは、カウンタAのカウント値が「60」以下であり、カウンタYのカウント値が「1800」以下であるので、サブファン118のみが中速回転で駆動される。
以後、S83,S91,S103,S104の処理が繰り返され、T1タイミングで、T0タイミングから60秒が経過してカウンタAのカウント値が「60」より大きくなると、S91の判断処理からS92に進む。このT1タイミングでは間欠フラグBの値は「0」となっており、S93の間欠ファン制御処理が実行される。このとき、カウンタAのカウント値が「60」より大きいので、サブファン118および電源ファン120がそれぞれ中速回転で駆動される。そして、間欠フラグBの値が「1」となるので、T1タイミング以後、S83,S91,S92,S101,S103,S104の処理が繰り返され、T2タイミングで、T0タイミングから900秒(15分)が経過してカウンタAのカウント値が「900」より大きくなると、S101の判断処理からS102に進む。
T2タイミングでは、S102でカウンタAと間欠フラグBがリセットされるので、S83の処理からS84,S85の処理に進む。このS85の間欠ファン制御処理では、T1タイミングと同様にカウンタAのカウント値が「60」以下であり、カウンタYのカウント値が「1800」以下であるので、サブファン118のみが中速回転で駆動される。そして、T3タイミングでもT1タイミングと同じ判断条件での処理が行われるので、サブファン118および電源ファン120がそれぞれ中速回転で駆動される。
T4タイミングで、T2タイミングから900秒(15分)が経過してカウンタAのカウント値が「900」より大きくなると、S101,S102が処理されることで、T2タイミングと同様にカウンタAと間欠フラグBがリセットされ、S83,S84の処理を経てS85の処理に進む。このS85の間欠ファン制御処理では、T1タイミングと同様
にカウンタAのカウント値が「60」以下であるが、T0タイミングから1800秒(30分)が経過しており、カウンタYのカウント値が「1800」より大きくなっているので、サブファン118およびメインファン117がそれぞれ中速回転で駆動される。
以後、S83,S91,S103,S104の処理が繰り返され、T5タイミングで、T4タイミングから60秒が経過してカウンタAのカウント値が「60」より大きくなると、S91,S92の処理を経てS93の間欠ファン制御処理のサブルーチンが実行される。この間欠ファン制御処理のサブルーチンでは図14のS111,S112,S113,S116の処理が行われ、サブファン118および電源ファン120がそれぞれ中速回転で駆動される。以後、T4タイミングから900秒(15分)が経過するT6タイミングまでの間、S83,S91,S92,S101,S103,S104の処理が繰り返される。
以降、T4〜T6タイミングと同様の間欠ファン制御の処理が、T6〜T8タイミング、T8〜T10タイミングおよびT10〜T12タイミングのそれぞれの期間において繰り返されることで、電源ファン120とメインファン117とが交互に、電源ファン120が60秒間、メインファン117が840秒(14分)間、中速回転で駆動される。
そして、T12タイミングにおいて、T0タイミングから所定の期間が経過し、カウンタYのカウント値がカウンタ設定値記憶エリア217aに記憶された設定値に達すると、レーザプリンタ1のレディモードが終了し、この間欠ファン制御は終了する。尚、T12〜T13タイミングまでの期間、レーザプリンタ1はスリープモードであり、この期間はサブファン118のみが中速回転で駆動される。
以上説明したように、第1の実施の形態のレーザプリンタ1では、電源投入後またはリセット後の初回の印刷処理の開始時より所定の期間、例えば4分が経過する前であって、定着器18や低圧電源ユニット90等から発生される熱の影響が生じないうちは、サブファン118,電源ファン120,メインファン117の各ファンを中速回転で駆動させることによって、ファンの風切り音に起因する騒音を低減することができる。そして、印刷処理が行われない場合にも各ファンの回転速度をそれぞれ制御して騒音を低減することができる。また、第2の実施の形態のレーザプリンタ1では、印刷データの受信を待機するレディモード中に電源ファン120とメインファン117とを交互に駆動させることによって、ファンの風切り音に起因する騒音を低減することができる。
尚、本発明は、各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、第2の実施の形態のレーザプリンタ1の間欠ファン制御を、第1の実施の形態のレーザプリンタ1のレディモード中に行ってもよい。この場合、図13のS81〜S104までの処理を、図8のS11〜S14の処理の代わりに実行すればよい。このとき、S105の「印刷」の処理では、図9に示す印刷処理のサブルーチンを実行することで、第1の実施の形態のレーザプリンタ1において間欠ファン制御処理を実現できる。
また、第1の実施の形態のレーザプリンタ1のスリープモード中において、カウンタXのカウント開始後4分以内であれば、サブファン118,電源ファン120を中速回転で駆動させ、メインファン117を停止させてもよい。前述したように、レディモードは1分〜40分の範囲で利用者が選択可能となっており、レーザプリンタ1での初回の印刷開始後4分以内にスリープモードとなる場合もあり、定着器18や低圧電源ユニット90等から発生される熱の影響を低減できる。この場合、図10のS63の判断処理で「NO」となった場合に「X>240か?」の判断処理が行われ、「YES」であればS64の処理が行われ、「NO」であればS65の処理が行われるようにすればよい。
また、カウンタYだけでなく、カウンタX,Z,Aがカウントアップするカウント値をそれぞれ任意に設定可能としてもよい。また、カウンタXのカウントが開始されるタイミングは、ASIC215が印刷データを受信したことをCPU210が確認することで実行される印刷処理のサブルーチン(図9参照)の開始であるが、例えば、ASIC215が受信した印刷データが印刷可能なデータとして展開処理された場合、定着器18の温度が印刷温度に達した場合、または給紙が開始された場合など、所定の条件が成立した場合に開始されてもよい。
また、カウンタYのカウントが開始されるタイミングは、レーザプリンタ1の電源投入後に定着温度が待機温度に達した場合、またはレーザプリンタ1における印刷処理が終了した場合であるが、例えば、レーザプリンタ1のメインモータ(図示外)が停止された場合や、定着器18の温度が待機温度に設定されて所定期間が経過した場合など、所定の条件が成立した場合に開始されてもよい。
また、各ファンの高速回転や中速回転の回転速度は、任意に設定可能としてもよい。また、図10に示すファン制御処理のサブルーチンで、S74のファン駆動処理において、各ファンの駆動開始のタイミングは同時ではなく、それぞれ任意のタイミングに駆動が開始されてもよい。さらに、各ファンの回転速度は、高速、中速の2つの速度であったが、3つ以上であってもよい。