本明細書において、各図面は理解を容易にするために、また作図を容易にするため、省略および拡大あるいは縮小した箇所がある。また、同一番号または記号等を付した箇所は、同一もしくは類似の形態、構成もしくは材料あるいは機能もしくは動作を有する。
本発明の実施の形態では、図4、図6に図示するように、表示画面22に非表示領域45と、表示領域46を発生させる。表示領域46は図1の画素構成では、ゲート信号線17bに選択電圧(オン電圧)を印加し、選択された画素行のスイッチ用トランジスタ11dをオンさせている。非表示領域45は、ゲート信号線17bに非選択電圧(オフ電圧)を印加し、非選択された画素行のスイッチ用トランジスタ11dをオフさせている。
同様に図7(a)の画素構成では、表示領域46は、ゲート信号線17bに選択電圧(オン電圧)を印加し、選択された画素行のスイッチ用トランジスタ11eをオンさせている。非表示領域45は、ゲート信号線17bに非選択電圧(オフ電圧)を印加し、非選択された画素行のスイッチ用トランジスタ11eをオフさせている。
図7(b)の画素構成では、表示領域46は、ゲート信号線17bに選択電圧(オン電圧)を印加し、選択された画素行のスイッチ用トランジスタ11dをオンさせている。非表示領域45は、ゲート信号線17bに非選択電圧(オフ電圧)を印加し、非選択された画素行のスイッチ用トランジスタ11dをオフさせている。
電圧駆動方式の画素構成である図8(a)では、表示領域46は、ゲート信号線17bに選択電圧(オン電圧)を印加し、選択された画素行のスイッチ用トランジスタ11eをオンさせている。図8(b)では、表示領域46は、ゲート信号線17bに選択電圧(オン電圧)を印加し、選択された画素行のスイッチ用トランジスタ11dをオンさせている。非表示領域45は、ゲート信号線17bに非選択電圧(オフ電圧)を印加し、非選択された画素行のスイッチ用トランジスタ11dをオフさせている。
このように表示領域46と非表示領域45とを表示画面22に発生させ、非表示領域45または表示領域46を表示画面22の上下方向に移動させて表示する駆動方法をduty駆動方式と呼ぶ。
表示領域46/(表示領域46+非表示領域45)の割合をduty比と呼ぶ。あるいは、duty比は(オン電圧が印加されているゲート信号線17bの本数)/(全ゲート信号線17bの本数)でもある。また、ゲート信号線17bにオン電圧が印加され、(このゲート信号線17bに接続されている選択画素行数)/(表示画面22の全画素行数)でもある。
本実施の形態のEL表示装置は、表示領域46と非表示領域45との比を変化させる、あるいは表示画面22の面積に対し非表示領域45の面積を変化させる、あるいは表示状態の画素数を増減することにより画面の輝度または明るさを調整する、ことを特徴とする。また、表示画面22に書き込む映像信号の大きさあるいは振幅値を変化させる。一例として、画面の輝度は、duty比、基準電流、映像振幅値を、変化あるいは調整することにより実現する。
本実施の形態は、点灯率に対応させてduty比を変化させる。点灯率は、パネルのアノードまたはカソードに流れる最大電流に対する割合である。また、点灯率は、ある映像が表示されているときにパネルに流れる電流と、パネルの全EL素子に流れる最大電流の割合とも言い換えることができる。点灯率が高いときは、白ラスターに近い表示である。点灯率が低い場合は、画面全体的に黒表示部が多い。点灯率に対応させてduty比を変化させることにより、表示画面22で消費する電力を平均化することができる。また、一定の消費電力以下に抑制することができる。
低点灯率とは、表示画面22に流れる電流が小さいことを意味しているが、画像を構成する低階調表示の画素が多いことも意味する。つまり、表示画面22を構成する映像は、暗い画素(低階調の画素)が多い。したがって、低点灯率とは、画面を構成する映像データをヒストグラム処理した時、低階調の映像データが多い状態と言い換えることができる。
高点灯率とは、表示画面22に流れる電流が大きいことを意味しているが、画像を構成する高階調表示の画素が多いことも意味する。つまり、表示画面22を構成する映像は、明るい画素(高階調の画素)が多い。したがって、高点灯率とは、画面を構成する映像データをヒストグラム処理した時、高階調の映像データが多い状態と言い換えることができる。
点灯率に対応してduty比などを制御するとは、画素の階調分布状態あるいはヒストグラム分布に対応して制御することと同義あるいは類似の状態を意味することがある。
以上のことから、点灯率にもとづいて制御するとは、場合に応じて画像の階調分布状態(低点灯率=低階調画素が多い。高点灯率=高階調画素が多い。)にもとづいて制御すると言い換えることができる。たとえば、低点灯率になるにしたがって基準電流比を増加させることも有効である。高点灯率になるにしたがってduty比を小さくすることも、EL表示パネルで消費する電力を平均化するという点で有効である。また、ピーク電力を抑制できる点で有効である。
本実施の形態では、図13に図示するように、duty比は点灯率(%)に対応させて変化させている。点灯率は、EL表示装置に入力される映像信号から求められる。もしくは、点灯率は、EL表示装置のアノード配線231またはカソード配線232に流れる電流を計測することにより求められる。アノード配線231、カソード配線232に流れる電流は、図23〜図27で説明する本実施の形態の電源回路(電源IC)または、本実施の形態のEL表示装置または、本実施の形態のEL表示装置の駆動あるいは調整方法により取得できる。
点灯率およびduty比は、表示画面22に表示する表示画像により変化する。なお、点灯率およびduty比の変化はリアルタイムに実施するのではなく、一定の遅延もしくはヒステリシスを持たせて行う。duty比は、EL表示装置の外部環境照度に応じて、可変することも有効である。外部環境照度は、EL表示装置に付加したホトセンサで測定する。外部環境照度が一定以上の値より高い時は、duty比を最大値にして固定する。外部環境照度が低い時は、外部照度に合わせて、duty比を小さくする。
点灯率が高いほど、duty比は小さくなり、点灯率が低いほどduty比は大きくなる。また、点灯率は、EL表示装置の表示画面22で消費する電力もしくは電流と相関している。したがって、EL表示装置の表示画面22で消費する電力もしくは電流からduty比を求めてもよい。点灯率とduty比の関係は、一例として図13から求める。図13はあらかじめ求めておくか、あるいは演算によりリアルタイムに求める。
理解を容易にするため、本明細書では、主として、点灯率(%)に応じてduty比制御などを変化させるとして説明する。
本実施の形態のEL表示装置は、図6に図示するように、表示画面22に占める表示領域46を複数に分割できる。表示領域46の分割は、ゲートドライバ回路12bに入力するスタートパルス信号(ST2)の入力パターンにより実現できる。表示領域46を複数に分割することにより、低フレームレートでもフリッカの発生を抑制できる。また、表示領域46または非表示領域45の分割数を動画表示と静止画表示で異ならせる。また、点灯率に対応して、表示領域46の分割数を変化させてもよい。
表示画面22に占める非表示領域45または表示領域46が、帯状となって画面の上から下方向または画面の下から上方向に移動することを特徴とする。場合によっては、フレームごとに画面の上から下方向と、画面の下から上方向とを切り替えてもよい。
本明細書では、ゲートドライバ回路12aは、映像信号を書き込む画素行を選択するものとし、ゲートドライバ回路12bは、点灯させる画素行を選択するものとする。したがって、ゲートドライバ回路12とは画素行の選択回路である。ゲートドライバ回路12aとゲートドライバ回路12bとは明確に分離させて設ける必要がない。1つのゲートドライバ回路にゲートドライバ回路12aとゲートドライバ回路12bを形成あるいは配置したものであってもよい。この場合も、ゲートドライバ回路12aとゲートドライバ回路12bが形成あるいは配置しているとみなす。また、ゲートドライバ回路12は、画素行を選択あるいは指定する機能を有するものである。したがって、シフトレジスタ回路の機能を有していれば、ゲートドライバ回路12と同義である。また、特定の画素行を指定あるいは選択する機能があればゲートドライバ回路12である。以上のように、本明細書においてゲートドライバ回路12とは広義の意味で使用している。
本明細書では、オフ電圧をVGHとし、オン電圧をVGLとした。これは、スイッチ用トランジスタ11b、11c、11dなどが、Pチャンネルトランジスタである場合である。スイッチ用トランジスタ11b、11c、11dなどが、Nチャンネルトランジスタの場合は、オン電圧はVGHとなり、オフ電圧はVGLとなる。したがって、駆動用トランジスタ11a、スイッチ用トランジスタ11のチャンネル極性にあわせて、ゲート信号線17に印加するロジック電圧(VGH、VGL)を設定すればよい。
図9は、本実施の形態のEL表示装置のソースドライバ回路14のプログラム電流の発生回路の説明図である。ソースドライバ回路14は、赤(R)、緑(G)、青(B)に対応する基準電流回路93(93R、93G、93B)を有している。基準電流回路93は、抵抗R1(R1r、R1g、R1b)とオペアンプ91a、トランジスタ94aから構成される。抵抗R1(R1r、R1g、R1b)の値は、R、G、Bの階調電流に対応して独立に設定あるいは調整できるように構成されている。抵抗R1は、ソースドライバ回路14の外部に配置された外付け抵抗である。
オペアンプ91aの+端子には、電子ボリウム92により、電圧Viが印加されている。電圧Viは、安定した基準電圧Vbを抵抗Rで分圧することにより得られる。電子ボリウム92は、信号IDATAにより出力電圧Viを変化させるものである。基準電流Icは(Vs−Vi)/R1となる。RGBの基準電流Ic(Icr、Icg、Icb)は、それぞれ独立した基準電流回路93で調整あるいは可変される。可変は、RGBごとに形成された電子ボリウムで実施される。したがって、電子ボリウム92に印加される制御信号により、電子ボリウム92から出力される電圧Viの値が変化する。電圧ViによりRGBの基準電流の大きさが変化し、端子96から出力される階調電流(プログラム電流)Iwの大きさが比例して変化する。
発生した基準電流Ic(Icr、Icg、Icb)は、トランジスタ94aから94bに印加される。トランジスタ94bとトランジスタ群95とはカレントミラー回路を構成している。図9において、トランジスタ94b1は、1つのトランジスタで構成しているように図示しているが、実際には、トランジスタ群95と同様に、単位トランジスタ102の集合(トランジスタ群)として形成している。
トランジスタ群95からのプログラム電流Iwは出力端子96より出力される。トランジスタ群95の各単位トランジスタ102のゲート端子およびトランジスタ94bのゲート端子は、ゲート配線104で接続されている。
トランジスタ群95は、図10に図示するように、単位トランジスタ102の集合として構成される。理解を容易にするため、映像データとプログラム電流は比例あるいは相関の関係で変換されるとして説明する。映像信号によりスイッチ101が選択され、スイッチ101の選択により、単位トランジスタ102の出力電流の集合(加算)としてのプログラム電流Iwが発生する。したがって、映像信号をプログラム電流Iwに変換できる。本実施の形態は単位トランジスタ102の単位電流が、映像データの1の大きさに該当するように構成されている。
単位電流とは、基準電流Icの大きさに対応して単位トランジスタ102が出力する1単位のプログラム電流の大きさである。基準電流Icが変化すると、単位トランジスタ102が出力する単位電流も比例して変化する。トランジスタ94bと単位トランジスタ102がカレントミラー回路を構成しているからである。
RGBの各トランジスタ群95は単位トランジスタ102の集合で構成されており、単位トランジスタ102の出力電流(単位プログラム電流)の大きさは、基準電流Icの大きさで調整できる。基準電流Icの大きさを調整すれば、RGBごとに各階調のプログラム電流(定電流)Iwの大きさを変更あるいは可変することができる。したがって、RGBの単位トランジスタ102の特性が同一であるような理想的状態では、RGBの基準電流回路93の基準電流Icの大きさを変化させることにより、EL表示装置の表示画像のホワイトバランスをとることができる。
以下、説明を容易にする、また作図を容易にするため、ソースドライバ回路(IC)14のトランジスタ群95は6ビットであるとして説明をする。図10において、各単位トランジスタ102は、定電流データ(D0〜D5)ごとに配置される。D0ビットには1個の単位トランジスタ102が配置される。D1ビットには2個の単位トランジスタ102が配置される。D2ビットには4個の単位トランジスタ102が配置され、D3ビットには8個の単位トランジスタ102が配置され、D4ビットには16個の単位トランジスタ102が配置される。同様に、D5ビットには32個の単位トランジスタ102が配置されている。
各ビットの単位トランジスタ102の出力電流が出力端子96に出力されるか否かは、アナログスイッチ101(101a〜101f)によるオンオフ制御で実現される。デコーダ回路105は、入力された映像データKDATAをデコードする。アナログスイッチは映像信号データKDATAに対応してオンオフ制御される。
プログラム電流Iwは内部配線103を流れる。内部配線103の電位は、ソース信号線18の電位となる。内部配線103の電位はAVdd以下GND電位以上である。ソース信号線18の電位は、定電流Iwをソース信号線18に印加し、定常状態とした時は、画素16の駆動用トランジスタ11aのゲート端子の電圧(図1の画素構成の場合)である。
図11は、電圧プログラム方式の階調電圧出力回路の説明図である。階調電圧出力回路で発生する電位の最低は、0V(GND電位)であり、電位の最大は、ソースドライバ回路14の電源電圧AVddである。なお、ガンマカーブの低電位は、階調アンプ112Lで規定する。ガンマカーブの高電位は、階調アンプ112Hで規定する。階調アンプ112Hが出力する電圧はVHとする。階調アンプ112Lが出力する電圧はVLとする。したがって、振幅幅は、VH−VLである。
階調アンプ112の出力電圧は、振幅調整レジスタ111で制御する。振幅調整レジスタ111の出力ビットは8ビットである。したがって、階調アンプ112は、256段階で出力変化が可能である。階調アンプ112Hの値を高く(高電位に)することにより、ガンマカーブの振幅値は大きくなる。階調アンプ112Hの値を低く(低電位に)することにより、ガンマカーブの振幅値は小さくなる。階調アンプ112Lの値を高く(高電位に)することにより、ガンマカーブの振幅値は小さくなる。階調アンプ112Hの値を低く(低電位に)することにより、ガンマカーブの振幅値は大きくなる。図11の構成では、階調アンプ112Hと階調アンプ112Lを独立で動作させることもできる。
階調アンプ112Hと階調アンプ112L間には、抵抗がラダー状に接続されている。それぞれの抵抗(VR1、VR2、VR3、VR4・・・・・、VRN)間には、配線端子113が引き出されている。配線端子113は、図12の電圧DAC回路123の各セレクタ回路と接続されている。なお、画素16の駆動用トランジスタ11aはPチャンネルトランジスタとし、低階調側はAVddに近く、高階調側はGNDに近いとしている。
抵抗ラダーの抵抗(VR1、VR2、VR3、VR4・・・・・、VRN)の抵抗値は、コマンド設定で可変できるように構成されている。コマンドにより、抵抗値が変化する。
図12に示すように、映像信号データKDATAは、電圧データラッチA回路121aに保持される。各データは、6ビットである。また、画素列は、240ドットで、各ドットにRGBの3データである。したがって、電圧データラッチA回路121aおよび電圧データラッチB回路121bのラインメモリは、6ビット×240RGBである。電圧データラッチA回路121aのデータは、水平同期信号(HD)に同期して、電圧データラッチB回路121bにコピーされる。
電圧DAC回路123は、スイッチ回路で構成されている。電圧データラッチB回路121bのデジタルデータから、階調電圧出力回路122の端子113の1つを選択する。選択した端子113の電圧をソース信号線18に出力する。
ゲートドライバ回路12aとゲートドライバ回路12bとの動作フレームレートが異なる場合に、同一の画素16に接続されたゲート信号線17aおよびゲート信号線17bにオン電圧(VGL)が印加される場合がある。
ソースドライバ回路14には、図9、図10のプログラム電流の出力回路と、図11、図12のプログラム電圧の出力回路の双方を構成する。プログラム電流方式は、低階調領域で映像信号の書き込み不足が発生するが、プログラム電圧方式は、低階調領域でも良好な映像信号の書き込みを実現できる。しかし、プログラム電圧方式では、駆動用トランジスタ11aのバラツキ特性の補償が完全でない。プログラム電流方式では、駆動用トランジスタ11aのバラツキ特性の補償が良好である。
ソースドライバ回路14にプログラム電流の出力回路と、プログラム電圧の出力回路の双方を構成し、動作させることにより、プログラム電流方式の欠点とプログラム電圧方式の欠点とを補うことができ、良好な画像表示を実現できる。本実施の形態では、印加された映像信号に対して、1画素行を選択する期間の前半にプログラム電圧を各画素に印加し、1画素行を選択する期間の後半にプログラム電流を印加した駆動方法を採用している。プログラム電圧を印加した後に、プログラム電流を印加する。なお、プログラム電圧は、対応する映像信号が高階調の場合は印加しない。プログラム電流で十分目標の階調信号が書き込めるからである。
ソースドライバ回路14にプログラム電流の出力回路と、プログラム電圧の出力回路の双方を構成すれば、印加された映像信号に対して、1画素行を選択する期間の前半に定電流を各画素に印加し、1画素行を選択する期間の後半にプログラム電圧を印加した駆動方法にも適用できる。定電流を印加することにより、駆動用トランジスタ11aの動作点をリセットする(オフセット位置を求める)。次にプログラム電圧を画素に印加する。画素構成は、図1と図23を組み合わせた構成などを用いる。
ソースドライバ回路14にプログラム電流の出力回路と、プログラム電圧の出力回路の双方を構成すれば、基準電流による映像信号の振幅あるいは大きさの変調が容易になる。また、ホワイトバランス調整、duty駆動方式も容易に実現できる。
本実施の形態のEL表示装置は、図14に図示するように、テストトランジスタ145を形成している。テストトランジスタ145は、画素のトランジスタ11が形成されたアレイ基板162に形成される。また、テストトランジスタ145の形成はトランジスタ11と同一プロセスで行われる。また、テストトランジスタ145は、ゲートドライバ回路12と同一のプロセスで、アレイ基板162に形成される。
テストトランジスタ145は、基本的には、画素16のトランジスタ11と同一構成である。トランジスタ145は、スイッチ用トランジスタ11cと同一のチャンネルトランジスタとする。スイッチ用トランジスタ11cがPチャンネルトランジスタであれば、テストトランジスタ145もPチャンネルトランジスタにする。スイッチ用トランジスタ11cがNチャンネルトランジスタであれば、テストトランジスタ145もNチャンネルトランジスタにする。
スイッチ用トランジスタ11cはゲート信号線17aの印加電圧(VGH1、VGL1)でオンオフ制御される。スイッチ用トランジスタ11cがPチャンネルトランジスタの場合は、VGH1でスイッチ用トランジスタ11cは、オフ状態となり、VGL1でスイッチ用トランジスタ11cは、オン状態となる。スイッチ用トランジスタ11cがNチャンネルトランジスタの場合は、VGH1でスイッチ用トランジスタ11cは、オン状態となり、VGL1でスイッチ用トランジスタ11cは、オフ状態となる。
テストトランジスタ145はゲート信号線17aのオフ電圧でオフさせる。テストトランジスタ145がPチャンネルトランジスタの場合は、VGH1でテストトランジスタ145は、オフ状態となる。テストトランジスタ145がNチャンネルトランジスタの場合は、VGL1でテストトランジスタ145は、オフ状態となる。
テストトランジスタ145はゲート信号線17aのオン電圧より大きい電圧でオンさせる。テストトランジスタ145がPチャンネルトランジスタの場合は、VGL1より低い電圧VGLt(負方向に大きい電圧)でオン状態にする。たとえば、VGL1=−3Vであれば、VGLt=−9Vとする。
VGHt、VGLtは、検査モードで使用する電圧である。VGH1(VGH)、VGL1(VGL)は、電源IC222で発生させる。VGHt、VGLtは検査用に作製した検査回路で発生させる。もしくは、VGHt、VGLtは、電源IC222で発生させる。電源IC222は、コマンド設定により出力電圧を変更する。
VGHt、VGLt電圧を可変し、可変した電圧設定値で表示状態、表示輝度を検査あるいは評価することにより、EL表示パネルの特性マージン、動作マージンを定量的に取得できる。Vdd(Vddt)、Vss(Vsst)に関しても同様である。
テストトランジスタ145はゲート信号線17aの印加電圧(VGH1、VGL1)でオンオフ制御される。テストトランジスタ145のW/L比は、スイッチ用トランジスタ11cのW/L比より大きくする。例えば、スイッチ用トランジスタ11cのチャンネル幅W=4μm、チャンネル長L=5μm(W/L=4/5=0.8)であれば、テストトランジスタ145のチャンネル幅W=10μm、チャンネル長L=5μm(W/L=10/5=2)とする。
図15に図示するように、テストトランジスタ145は、ドレイン端子がソース信号線18と接続されている。また、ソース信号線18の一端には、ソースドライバIC14の出力端子とCOG(チップ オン ガラス)接続するための出力端子パッド141が形成されている。また、ソースドライバIC14は、入力端子パッド143および出力端子パッド141とACF接続され、図14の点線で示すソースドライバIC実装位置144に実装される。
テストトランジスタ145のソース端子は、信号入力端子146と接続されている。信号入力端子146には、定電流源または定電圧源が接続される。
なお、テストトランジスタ145のドレイン端子が、本発明の第1の端子の一例にあたる。また、テストトランジスタ145のソース端子が、本発明の第2の端子の一例にあたり、ソース端子と信号入力端子146を接続している配線が、本発明の第1の配線の一例にあたる。また、テストトランジスタ145のゲート端子とトランジスタ制御端子147を接続している配線が、本発明の第2の配線の一例にあたる。
定電流を発生させる回路の一例として、図18に図示する回路構成を用いる。図18では、オペアンプ181とトランジスタ182および抵抗Rで定電流回路を構成する。オペアンプ181の+端子には、電圧Viが印加される。電圧Viは、電子ボリウム183に印加されたデータ(IDAT)で設定される。電子ボリウム183は、DA変換回路である。定電流Iaは、Ia=Vi/Rで決定される。
図18の回路構成は、R用、G用、B用の3回路が構成されており、R用、G用、B用の定電流回路出力が出力する定電流は、独立に構成された電子ボリウム183で調整あるいは可変される。
図18のように、各画素16に定電流を印加する方式では、画素16は電流プログラム方式の画素構成であることが必要である。電流プログラム方式の画素構成は、駆動用トランジスタ11aまたは11bを流れる電流経路とソース信号線18間に直流電流が流れるように構成されている必要がある。
定電圧を発生させる回路の一例として、図20に図示する回路構成を用いる。図20では、オペアンプ181で定電圧回路を構成する。オペアンプ181の+端子には、電圧Viが印加される。電圧Viは、電子ボリウム183に印加されたデータ(IDAT、8ビット=256段階)で設定される。
図20の回路構成は、R用、G用、B用の3回路が構成されており、R用、G用、B用の定電圧回路出力が出力する定電圧は、独立に構成された電子ボリウム183で調整あるいは可変される。
図18、図20において、RGBの各画素で、印加する電流あるいは電圧は、必要に応じて、異ならせる。RGBでEL素子の発光効率が異なる場合があり、また、駆動用トランジスタ11aのサイズが異なる場合があるため、同一電流あるいは電圧で、各RGBでの発光輝度が異なるからである。本実施の形態のEL表示装置は、RGBで独立した電子ボリウム183を有しているため、柔軟に対応することができる。
図18、図20において、テストトランジスタ145は、パネル検査あるいはパネル調整時には、オン(クローズ)し、通常表示時は、図17に示すように電圧が印加され、オフ(オープン)する。
テストトランジスタ145のゲート端子は、ゲートドライバ回路12と同様に、シフトレジスタ回路333(図33などを参照のこと)を付加し、シフトレジスタ回路333の機能により順次、1つまたは複数のテストトランジスタ145を選択するように構成してもよい。以上のように構成することにより、テストトランジスタ145を単独でオンオフ制御することができるようになる。したがって、ゲートドライバ回路12aと個別にテストトランジスタ145をオンオフさせることにより、マトリックス状に配置された画素16を個別に選択あるいは画素列単位で選択して、電圧または電流を印加することができる。以上のことは、本実施の形態の他の実施例においても同様に適用することができる。
テストトランジスタ145は、パネル検査あるいはパネル調整工程が終了した後、切断して除去してもよい。たとえば、図23のBの箇所(ソースドライバIC14が実装された反対辺)にテストトランジスタ145を形成する。テストトランジスタ145は、図18、図19のaa’の箇所でアレイ基板162を切断する。以上のことは、本実施の形態の他の実施例においても同様に適用することができる。
以下の説明において、テストトランジスタ145は、Pチャンネルトランジスタであるとして説明をする。テストトランジスタ145がNチャンネルトランジスタの場合は、VGHとVGLを読み替えればよい。
テストトランジスタ145のゲート端子と接続されたトランジスタ制御端子G(GR、GG、GB)には、ゲートドライバ回路12aに印加される電圧(VGH、VGLt)が印加される。テストトランジスタ145がPチャンネルトランジスタの場合は、VGLt電圧の印加により、テストトランジスタ145がオンする。オンすると、信号入力端子146に印加された信号(定電流または定電圧)をソース信号線18に印加する。
なお、定電流とは一定のDC(直流)電流に限定されるものではない。矩形状に変化させてもよい。また、ステップ状に変化させてもよい。定電流とは、一定の期間(少なくとも1画素行を選択している期間に、一定の電流であればよい。同様に定電圧とは一定のDC(直流)電圧に限定されるものではない。矩形状に変化させてもよい。また、ステップ状に変化させてもよい。定電圧とは、一定の期間(少なくとも1画素行を選択している期間)に、一定の電圧であればよい。
信号入力端子146に印加する電圧は、テストトランジスタ145がオンすることにより、前記テストトランジスタ145が接続されたソース信号線18に印加される。テストトランジスタ145をオンさせる電圧は、VGLtである。たとえば、信号入力端子146に印加された定電圧が、−2Vであれば、−2Vが各ソース信号線18に印加される。信号入力端子146に印加された定電流が、10mAであれば、10mAが選択された各ソース信号線18に分流されて印加される。
画素構成が、図1、図7のように電流プログラム方式の場合は、信号入力端子146に定電流が印加される。画素行は1画素行ずつ選択され、選択された画素行に前記定電流が分流されて印加される。たとえば、選択したテストトランジスタ145が240本であれば、定電流10mAが240で分割されて、それぞれのソース信号線18に印加される。したがって、各画素16にはプログラム電流が印加され、比較的良好な画像表示を実現できる。
画素構成が、図8のように電圧プログラム方式の場合は、信号入力端子146に定電圧が印加される。画素行は1画素行ずつ選択され、選択された画素行に前記定電圧が印加される。たとえば、選択したテストトランジスタ145が240本であれば、定電圧の−2Vが、それぞれのソース信号線18に印加される。したがって、各画素16にはプログラム電圧が均一に印加される。
以下の実施例では、画素構成は、図1を例示し、テストトランジスタ145は、Pチャンネルトランジスタであるとして説明をする。ただし、画素構成は、図7、図8の構成であっても本実施の形態を適用できることは言うまでもない。
図14では、赤(R)用のテストトランジスタ145として、145Rが形成されている。テストトランジスタ145Rをオンオフさせる電圧は、トランジスタ制御端子147Rに印加され、定電流または定電圧は、信号入力端子146Rに印加される。
また、緑(G)用のテストトランジスタ145として、145Gが形成されている。テストトランジスタ145Gをオンオフさせる電圧は、トランジスタ制御端子147Gに印加され、定電流または定電圧は、信号入力端子146Gに印加される。青(B)用のテストトランジスタ145として、145Bが形成されている。テストトランジスタ145Bをオンオフさせる電圧は、トランジスタ制御端子147Bに印加され、定電流または定電圧は、信号入力端子146Bに印加される。
図14のように、RGBごとに選択するテストトランジスタ145を異ならせるように構成することにより、表示画面22にRGBの画像を表示することができ、欠陥検査など検査が実施しやすい。
ゲート信号線17aは水平同期信号に同期して、選択される画素行位置が1画素行ずつシフトされる。また、各画素行には、テストトランジスタ145からの電圧または電流が印加される。通常、テストトランジスタ145のゲート端子には常時オン電圧が印加される。
ゲート信号線17aにオン電圧が印加された画素行では、ゲート信号線17bには、オフ電圧が印加される。ゲート信号線17aにオフ電圧が印加された画素行では、ゲート信号線17bに、オン電圧が印加される。もしくは、図4、図6のように、duty駆動を実施する場合は、非表示領域45に該当する画素行のゲート信号線17aおよびゲート信号線17bにはオフ電圧が印加される。
なお、図14は、赤(R)、緑(G)、青(B)ごとにテストトランジスタ145(145R、145G、145B)を配置し、RGBで独立した所定電流あるいは所定電圧を印加する方式である。しかし、本実施の形態は、これに限定するものではない。たとえば、図34に図示するように、RGBの区別なく、テストトランジスタ145を配置してもよい。図34の実施例では、信号入力端子146に印加した電圧(電流)は、トランジスタ制御端子147に印加した制御電圧により制御され、ソース信号線18に印加される。なお、図14は、トランジスタ制御端子147に印加した制御電圧により、表示画面22全体に電圧(電流)が印加されるとした。しかし、本実施の形態はこれに限定するものではなく、表示画面22を複数の領域に分割し、それぞれ分割した領域に異なる電圧(電流)を印加できるように構成してもよい。
ゲート信号線17にオンオフ電圧を印加するために、ゲートドライバ回路12を動作させる(図14)。画像を表示させてテストを行うときは、図2のST1、CLKをフレームレート60Hzまたは、50Hzに一致するように制御する。点欠陥検出、画素の駆動用トランジスタ11aなどの特性を評価あるいは検査する場合は、ST1、CLKなどを制御してフレームレート1Hzなどに低減する。ゲートドライバ回路12には、VGH、VGL電圧を印加する。
ゲートドライバ回路12aは、順次、ゲート信号線17aを選択する。ゲート信号線17aの選択に同期して、テストトランジスタ145から、所定電流または所定電圧をソース信号線18に印加し、選択された画素行のスイッチ用トランジスタ11cによって、前記電圧などを画素に書き込む。
ゲートドライバ回路12bは、ゲート信号線17aが選択され、所定電圧(所定電流)を書き込んでいる画素行には、非選択電圧が印加される。その他の、画素行には、選択電圧が印加されるか、もしくは、図4、図6のduty比駆動が実施される。
なお、以上の実施例では、1画素行ずつ画素行を選択し、所定電圧(所定電流)を画素16に書き込むとしたが、本実施の形態はこれに限定されるものではない。たとえば、複数の画素行(たとえば、1画素行と2画素行、3画素行と4画素行、5画素行と6画素行、・・・・)を選択し、所定電圧(所定電流)を画素16に書き込んでもよい。また、すべてのゲート信号線17aを同時に選択し、所定電圧(所定電流)を画素16に書き込んでもよい。また、画面の上半分のゲート信号線17aを同時に選択し、所定電圧(所定電流)を画素16に書き込み、次に、画面の下半分のゲート信号線17aを同時に選択し、所定電圧(所定電流)を画素16に書き込んでもよい。
図14、図34の実施例は、ゲートドライバ回路12により、テスト用の所定電圧または所定電流を画素行に書き込む実施例であった。ゲートドライバ回路12は、ポリシリコン技術により、画素16のトランジスタと同時に形成する。
図35は、ゲートドライバ回路12を用いず、ゲート信号線17の一端にプロービィングのパッドPa、Pbを形成した実施例である。プロービィングのパッドPa、Pbにプローブ234などを接触させ、VGH電圧、VGL電圧を印加する。プロービィングのパッドPa1、Pa2、・・・・・と順次VGL電圧(選択電圧)を印加し、選択していないプロービィングのパッドPaにVGH電圧(非選択電圧)を印加すれば、ゲートドライバ回路12aと同一の動作を実現できる。また、千鳥状(パッドPa1、Pa3、Pa5、・・・・・)に選択電圧を印加してもよい。
EL表示パネルの検査後、半導体で作製したゲートドライバIC12をゲート信号線17端に実装する。
図36は、ゲート信号線17a、17bを個別にプロービィングのパッドPa、Pbを形成し、プローブ234などを接触させ、VGH電圧、VGL電圧を印加する実施例である。複数のゲート信号線17aを短絡配線361で短絡し、プロービィングのパッドPaを配置した実施例である。また、複数のゲート信号線17bを短絡配線362で短絡し、プロービィングのパッドPbを配置した実施例である。プロービィングのパッドPa、Pbにプローブ234などを接触させ、VGH電圧、VGL電圧を印加することにより、表示画面22全体をオンオフ制御することができる。
テストトランジスタ145を動作させることにより、ソースドライバIC14を実装せずとも、表示画面22に画像を表示することができる。画像表示により、点欠陥、線欠陥、色ずれなどを容易に検出することができる。
検査モード以外(通常画像表示時)では、図17に図示するように、テストトランジスタ145のソース端子とゲート端子は電気的に短絡される。図17のように短絡することにより、テストトランジスタ145はダイオードと等価になる。したがって、テストトランジスタ145のソース端子とゲート端子にオフ電圧(VGH)を印加すれば、テストトランジスタ145からソース信号線18に電圧または電流が印加されることはない。また、テストトランジスタ145からなるダイオードは、静電気保護用の保護ダイオードとして機能し、EL表示パネルを保護する素子として機能する。
図17のようにテストトランジスタ145をダイオード結線とするのは、図16の方式を用いる。
以上の実施例では、Pチャンネルのテストトランジスタ145をソース信号線18に形成するとしたが、Nチャンネルのテストトランジスタ145をソース信号線18に形成してもよい。ただし、テストトランジスタ145のチャンネル極性は、画素16のスイッチ用トランジスタ11c(ソース信号線18に印加された電流あるいは電圧により、画素16との電流経路を発生させるトランジスタ)のチャンネル極性と一致させることが好ましい。スイッチ用トランジスタ11cをオフさせる電圧でテストトランジスタ145を確実にオフできるからである。なお、テストトランジスタ145は、PチャンネルとNチャンネルの2つのトランジスタを各ソース信号線18に形成してもよい。2つのチャンネル極性のテストトランジスタ145を形成することにより、よりテストに最適な電圧(電流)をソース信号線18に印加できるようになる。
アレイ基板162(EL表示パネル)に、フレキシブル基板(フレキ基板)161をACF接続することによりEL表示装置は完成する(図25も参照のこと)。フレキシブル基板(フレキ基板)161には、電源IC222、EEPROM253、フラッシュメモリ252などが実装される。テストトランジスタ145をオフさせる電圧VGH(テストトランジスタ145がNチャンネルトランジスタである場合は、電圧VGL)は、電源IC222から供給される。
図37は、アレイ基板162の端子とフレキ基板161をACF371で接続した断面図である。アレイ基板162の端子147、146とフレキ基板161の短絡電極配線165がACF371で接続されている。
図14の検査モードは、フレキシブル基板(フレキ基板)161をアレイ基板162に接続せずに行う。または、フレキシブル基板(フレキ基板)161をアレイ基板162に接続するが、ソースドライバIC14をアレイ基板162に未実装で行う。
検査モードでは、アレイ基板162のトランジスタ制御端子147、信号入力端子146にプローブを立てる。トランジスタ制御端子147に、VGHまたはVGLt電圧を印加する。
検査後、フレキシブル基板(フレキ基板)161をアレイ基板162にACF接続する。フレキシブル基板(フレキ基板)161の接続端子164と、アレイ基板162の接続端子163とを接続する。トランジスタ制御端子147、信号入力端子146は、フレキシブル基板(フレキ基板)161の短絡電極端子165で電気的に短絡する。短絡電極端子165には、VGH電圧を印加する。フレキシブル基板(フレキ基板)161には電源IC222が実装されているため、電源IC222からVGHを短絡電極端子165に印加する。
なお、短絡電極端子165が、本発明の配線短絡部の一例にあたる。
161はフレキシブル基板(フレキ基板)としたが、本実施の形態はこれに限定するものではない。たとえば、161はプリント基板であってもよい。また、本実施の形態は、トランジスタ制御端子147と信号入力端子146とを短絡電極端子165などを用いて、EL表示機器の出荷前に電気的に接続するものである。したがって、他の方法でトランジスタ制御端子147と信号入力端子146とを電気的に接続してもよい。たとえば、トランジスタ制御端子147と信号入力端子146とを銅ペーストの塗布により電気的に短絡してもよい。また、本実施の形態は、トランジスタ制御端子147と信号入力端子146とを、EL表示機器の製品出荷前に電気的に同電位にするものである。また、テストトランジスタ145をオフ状態にするものである。したがって、テストトランジスタ145の各端子に所定の電位を印加し、テストトランジスタ145をオフ状態にしてもよい。たとえば、トランジスタ制御端子147と信号入力端子146の両方に、電源IC222が出力するVGH電位を直接印加する方式が例示される。
以上の実施例は、図1の画素構成である。しかし、本実施の形態は図1の画素構成に限定されない。たとえば、図21は、図7(b)の画素構成の実施例である。当然のことながら、図7(a)、図8の画素構成においても本実施の形態を実施できる。
図22は、本実施の形態の電源ICの説明図である。本実施の形態の電源ICを用いることにより、検査、エージング、輝度調整などが容易に実現できるようになる。
電源IC222のVin端子には、からVin電圧(電圧2.3V以上)が印加される。電源IC222は、EL表示装置に必要な電圧をすべて発生させる。発生する電圧は、DCDC回路により、アノード電圧Vdd、カソード電圧Vssを発生させる。DCDC回路は、正極性の電圧Vddは、コイルLpを用いる。負極性の電圧Vssは、コイルLnを用いる。Vddは、ソースドライバIC14のアナログ電圧Avddと共通である(Vdd=Avdd)。画素16の駆動用トランジスタ11aはPチャンネルトランジスタである。Vdd=Avddとすることにより、階調電圧の電位とアノード電位Vddが連動して変化するので、良好な階調表示を実現できる。
また、電源IC222は、リニアレギュレータ回路により、ソースドライバICのロジック電圧Dvddを発生する。Dvdd=1.85Vである。また、チャージポンプ回路により、ゲートドライバ回路12の電源(VGH、VGL)を発生する。チャージポンプ回路は、正極性の電圧VGHには、コンデンサCpを使用する。チャージポンプ回路は、負極性の電圧VGLには、コンデンサCnを使用する。
なお、VGH、VGLなど、ゲートドライバ回路12で使用する電圧は、ソースドライバIC14に形成したチャージポンプ回路で発生させてもよい。この場合は、ソースドライバIC14のVGH、VGL出力回路に、オープンスイッチを形成する(ソースドライバIC14に出力オープン機能を持たせる)。以下の実施例では、電源IC222にVGH、VGL電圧発生回路を具備するとして説明する。VGL、VGH電圧発生回路がソースドライバIC14に具備される場合は、ソースドライバIC14と電源IC222とを同期を取っても本実施の形態を実施すればよい。
本実施の形態は、エージング工程、欠陥検査、輝度調整などの調整に対応するため、出力オープン機能を持っている。出力オープン機能は、図22に図示するように、各電圧発生回路の出力段にスイッチ(SW1、SW2、SW3、SW4、SW5、SW6)が形成されている。オープン機能とは、スイッチSWをオープン(ハイインピーダンス)にすることにより、電源IC222の出力端子に、別電圧を印加できる。たとえば、Vdd=5Vとし、Vdd出力端子のスイッチSW2をオープンにすることにより、Vdd出力端子に7Vの電圧を印加できるようになる。Vss=−3Vとし、Vss出力端子のスイッチSW1をオープンにすることにより、Vss出力端子に−5Vの電圧を印加できるようになる。各端子のスイッチSWをオープンさせることにより、各端子に外部電圧を印加したとき、オフリーク電流は10μA以下となるように構成されている。この構成は、各スイッチSWを構成するFETのゲート端子にバッファ回路を介して電圧を印加する回路構成を採用することにより実現できる。
スイッチSW1は、Vss電圧をオープン(ハイインピーダンス)にする機能を有する。スイッチSW2は、Vdd電圧をオープン(ハイインピーダンス)にする機能を有し、スイッチSW3は、Avdd電圧をオープン(ハイインピーダンス)にする機能を有する。同様に、スイッチSW4は、Dvdd電圧をオープン(ハイインピーダンス)にし、スイッチSW5は、VGH電圧をオープン(ハイインピーダンス)にする。スイッチSW6は、VGL電圧をオープン(ハイインピーダンス)にする機能を有する。
なお、スイッチ(SW1〜SW6)は、明確にスイッチ回路を形成する必要はない。たとえば、Vdd発生回路221bに印加する発振電圧を停止することにより、等価的に、Vdd出力がオープンとなる場合は、スイッチSW2の物理的形成は不要である。
電源電圧の出力回路にはトランジスタ(FET)を具備しており、このFET、ダイオードと外付けコイル(L)で共振させて所定の電圧を発生させる。この共振させるFETのゲート端子にオフ電圧を印加する、あるいはオープンにすることによりFETから電圧は出力されないようになる。結果的に、該当電源IC222の出力端子はオープン(ハイインピーダンス)になる。また、電源IC222に内蔵のダイオードに逆バイアスを印加して、ダイオードをオフさせてもよい。
つまり、本実施の形態のオープン(ハイインピーダンス)にする機能とは、等価的に、電源IC222の端子を外部から見たとき、ハイインピーダンス状態にする機能であれば足りる。また、ハイインピーダンス状態にした時、あるいはハイインピーダンス状態になった時、電源IC222の出力端子に外部から別の電圧を印加できる構成であれば足りる。
本実施の形態の電源IC222は、負電源側のダイオード、FETを内蔵している。また、SMBusなどの標準データバスを具備し、標準データバスに伝送するコマンドにより、出力電圧などを可変あるいは設定できる。
コマンドにより設定できる電圧は、VGH電圧、VGL電圧、Vss電圧である。これらの電圧は、0.5Vキザミで設定できるように構成されている。電圧の可変は、電源IC222内部に、DA変換回路を設けることにより容易に実現できる。また、出力オープン機能もコマンドで制御することができる。たとえば、標準データバス(SMBusなど)を介したコマンド制御により、Vss電圧端子をオープンにできる。
出力オープン機能は、ハード端子による制御でオンオフしてもよい。たとえば、電源IC222の1番ピンをTEST1、2番ピンをTEST2とする。TEST1を’H’とすることにより、Vdd端子とVss端子を出力オープン状態にする。TEST1を’L’とすることにより、Vdd端子とVss端子を電圧出力状態にする。TEST2を’H’とすることにより、VGH端子とVGL端子を出力オープン状態にする。TEST2を’L’とすることにより、VGH端子とVGL端子を電圧出力状態にする。また、複数のピンにロジック電圧設定することにより、VGH電圧を5.0Vから8.0Vのいずれかの電圧に設定し、端子から出力できるように構成する。
VGH電圧は、5.0V以上9V以下であり、この範囲を0.5Vキザミで設定可能である。VGL電圧は、−6.0V以上−0.5V以下であり、この範囲を0.5Vキザミで設定可能である。Vss電圧は、−6.0V以上−0.5V以下であり、この範囲を0.5Vキザミで設定可能である。
また、本実施の形態の電源IC222は、DCDC回路の発振周波数も設定できる。発振周波数は、0.6KHz、1.2KHzの複数から1つを選択する。発振周波数も電源IC222に内蔵する複数の抵抗から1つを選択することにより容易に実現できる。なお、各電源の出力には、ディスチャージ回路が形成されている。
On/Off端子は、電源ICを起動させる端子である。On/Off端子にクロック信号が印加されると、Dvdd電圧を出力する。クロック信号は、信号の立ち上がりまたは立下りを検出し、複数回のクロック信号の立ち上がりまたは立ち上がりエッジを検出するとDvddを出力する。クロック信号は、本実施の形態のEL表示装置に印加される映像信号クロックまたは水平同期信号HDを用いる。映像信号は、本実施の形態のEL表示装置が組み込まれた機器のグラフィックコントローラが発生する。
Dvddが起動すると、ソースドライバIC14のロジック回路部が起動すると共に、SMBusなどの標準データバスにデータを送ることが可能になる。ソースドライバIC14は、標準データバス(SMBusなど)を用いて、電源IC222が出力する電圧(VGH、VGL、Vss)の値を設定する。また、発振周波数を設定する。また、Avdd(Vdd)、VGH、VGLを電源IC222から出力させる。
電源IC222は、図25に図示するように、フレキシブル基板(フレキ基板)161に実装されている。この状態では、フレキシブル基板(フレキ基板)161の短絡電極端子165でアレイ基板162の端子(信号入力端子146、トランジスタ制御端子147)を短絡している。また、短絡電極端子165には、VGH電圧(テストトランジスタ145のオフ電圧)が印加されている。電源IC222の各出力端子には、金バンプが形成されており、ACF(異方導電フィルムによる接続)によりフリップチップ実装されている。なお、図25の254はテストトランジスタ群である。テストトランジスタ145が各ソース信号線18に形成されている。テストトランジスタ145は、図23、図24に示すように、ソースドライバIC14が実装された反対側(B位置)に形成してもよい。なお、ソースドライバIC14は、ICに限定するものでなく、低温ポリシリコン技術などで形成されたソースドライバ回路であってもよい。
スイッチSW3、SW4、SW6は実際には形成されていない。あるいは省略できる。映像信号のクロック信号により、Dvdd=1.85Vが出力される。したがって、スイッチSW4は必要でない。また、AVddもDCDC回路の発振と同時に出力される。AVddは、ソースドライバIC14のアナログ電源であると同時に、ゲートドライバ回路12の内部シフトレジスタの電源電圧ともなる。
ソースドライバIC14からSMBus、I2CBusなどの標準データバスにより、各電源のオンオフ制御信号が電源IC222に送られる。コマンドのON1により、VGHのスイッチSW5とVGLのスイッチSW6がオンする。スイッチSW5、SW6がオンすることにより、VGH、VGL(VGL1)が出力され、ゲートドライバ回路12が動作する。ゲートドライバ回路12に印加するスタートパルス(ST1、ST2)、クロック(CLK1、CLK2)、アップダウン(UD)は、ソースドライバIC14により制御される。特に、ゲートドライバ回路12bの内部シフトレジスタは、クリアされ、すべてのゲート信号線17bは非選択状態とされる。
次に、コマンドのON2により、VddのスイッチSW2とVssのスイッチSW1がオンする。スイッチSW2、SW1がオンすることにより、アノード電圧Vdd、カソード電圧Vssが出力される。
電源IC222には、本体のバッテリーからの電圧Vinが供給される。Vin電圧は、コネクタ251を介して電源IC222に供給される。電源IC222は、1つのVin電圧から、EL表示パネルに必要な電圧(アノード電圧Vdd、カソード電圧Vss、VGH、VGL、AVdd、Dvdd=1.85V)を発生させる。フレキ基板161とアレイ基板162はACF(異方向性導電フィルム)接続される。つまり、フレキ基板161とEL表示装置162のアレイ基板は接着されるから、当然のことながら電源IC222が出力する電圧をEL表示パネル162に印加するのにコネクタは必要でない。
図38は従来のEL表示装置の構成図である。フレキ基板161とアレイ基板162とはACF接続されている。電源IC222は、本体のプリント基板381に実装されている。電源IC222には、バッテリー電圧Vinが印加される。電源IC222は、1つのVin電圧から、EL表示パネルに必要な電圧(アノード電圧Vdd、カソード電圧Vss、VGH、VGL、AVdd、Dvdd=1.85V)を発生させる。発生した電圧(アノード電圧Vdd、カソード電圧Vss、VGH、VGL、AVdd、Dvdd=1.85V)は、コネクタ251を介して、フレキ基板161に引き渡され、EL表示パネルに供給される。したがって、コネクタ251の必要ピン数は、電源IC222が発生する種類が多いため、多ピンとなる。また、ソースドライバIC14は、電源IC222をオンオフさせる信号を出力する。コネクタには、この信号用のピンも必要である。
以上のことから、従来の構成(電源IC222を本体のプリント基板381に実装する構成)では、本実施の形態の構成(図25)に比較して、コネクタ251の必要ピン数が多い。したがって、接触不良が発生しやすく、コストも高くなる。
電源IC222が発生する電圧には、一定範囲のバラツキがある。たとえば、Vdd=5.5Vが理想値としても、±0.2V程度のバラツキが発生する。電源IC222が出力する電圧が変化するとEL表示パネルの発光輝度が変化する。たとえば、上記した本実施の形態の調整方法で、EL表示パネルを理想値のアノード電圧5.5Vで表示輝度調整を行ったとする。しかし、図38の従来の構成では、表示輝度調整後に本体のプリント基板381をフレキ基板161に接続するため、プリント基板381に実装された電源IC222が出力するアノード電圧Vddが5.7Vであれば、EL表示パネルの発光輝度は、調整した値からずれてしまう。
つまり、図38の構成では、電源IC222が出力する電圧が理想値(この例では、アノード電圧5.5V)であれば調整が有効であるが、電源IC222が出力する電圧が理想値でない限り、EL表示パネルで調整しても、その調整が無意味となってしまう。
図25の本実施の形態および他の実施例では、電源ICをフレキ基板161に実装し、電源IC222を動作させて、輝度調整、ホワイトバランス調整などを実施する。したがって、電源IC222の発生電圧が個々でバラツキが発生してもバラツキを考慮してEL表示パネルの調整を実施するから問題とならない。また、エージングなどにおいても、実際に使用する電圧VGH、VGLなどを使用することにより、良好にエージングを実施できる。
特に、本実施の形態は、電源IC222とEL表示パネルを一体として動作させ(同時に動作させ)、調整、エージングなどを行う。本実施の形態のEL表示装置は、電源IC222とEL表示パネルが一体化(接続完了)したものである。
このように構成することにより、コネクタ251のピン数が少なくなり低コスト化を実現できる。また、理想的に輝度バラツキ、ホワイトバランス調整を実現できる。この実現のために、本実施の形態は電源IC222の出力オープン機能を有効に利用している。
以上の実施例では、電源IC222に出力オープン機能を搭載するとしたが、本実施の形態はこれに限定するものではない。たとえば、電源IC222のアノード出力端子とEL表示パネルのアノード配線231間にアナログスイッチ、リレー回路を配置してもよい。つまり、電源IC222の外部にスイッチ回路などを配置または形成してもよい。
ソースドライバIC14は、ゲートドライバ回路12に印加するスタートパルス(ST1、ST2)、クロック(CLK1、CLK2)、アップダウン(UD)を制御することにより、画像が表示される。ゲートドライバ回路12aには、1フレーム期間に1つのスタート信号ST1が印加され、ゲートドライバ回路12bには、duty駆動に対応するようにスタートパルスST2が印加される。
図23、図24は、本実施の形態の電源ICのオープン機能を用いたEL表示装置の検査、調整方法の説明図である。以下の実施例においても、画素構成は図1を例示して説明するが、本実施の形態はこれに限定するものではなく、図7の電流駆動方式の画素構成、図8の電圧駆動などのいずれの画素構成であってもよい。
図23は、EL表示装置の輝度およびホワイトバランス、コントラストの調整方法である。図23では、本実施の形態の電源IC222のオープン機能を用いてスイッチSW1をオープンにしている。つまり、カソード電圧Vssは、出力されず、出力端子はハイインピーダンス状態となる。カソード電圧Vssの出力端子のパッドP1に、プローブ234でプロービィングしている。プローブ234と外部電源Vsst間には、電流を測定する電流計233を配置している。なお、調整時のカソード電圧Vsst=画像表示時のカソード電圧Vssとする。
画素16の駆動用トランジスタ11aがPチャンネルトランジスタの場合は、カソード電極をオープンにして、カソード配線232の電流を測定する。画素16の駆動用トランジスタ11aがNチャンネルトランジスタの場合は、アノード電極をオープンにして、アノード配線231の電流を測定する。
ソースドライバIC14は、ゲートドライバ回路12を制御し、画像表示状態にする。基準電流Icの大きさは、通常の1倍とする。なお、図9で説明したように、基準電流Icの大きさに比例して、表示画面22の発光輝度が変化する。トランジスタ94bと単位トランジスタ102がカレントミラー回路を構成しているからである。なお、トランジスタ94bは複数のトランジスタから構成されている。基準電流の大きさが1から2に変化すると、表示画面22の輝度は、2倍になる。表示画面22で使用する電力も2倍となる。
本実施の形態のEL表示装置において、表示画面22のカソード電流Isはカソード配線232に流れる。表示画面22のアノード電流はアノード配線231に流れる。
図23の構成では、電源IC222のカソード電圧の出力端子は、オープンであり、外部カソード電圧Vsstが接続されているため、カソード配線232を流れる電流は、プローブ234、電流計233を経由して外部カソード電圧Vsstに流れる。したがって、電流計233で、表示画面22で使用する電流を測定することができる。カソード電流Isを測定するのは、カソード配線232を流れる電流は、表示画面22を流れる電流であるからである。アノード配線231を流れるアノード電流Ipの一部は、ソースドライバIC14にプログラム電流として流れる。
EL表示装置では、カソード電流Isの大きさと発光輝度は比例の関係になる。したがって、カソード電流を測定することにより、表示画面22の発光輝度を把握することができる。以上のことから、カソード電流を所定の電流となるように調整することにより、表示画面22の発光輝度を調整することができる。
図23の実施例では、表示画面22全体に流れるカソード電流を測定するとしたが、本実施の形態はこれに限定するものではない。たとえば、表示画面22の一部もしくは所定面積に含まれる画素のカソード電流を測定するようにしてもよい。このカソード電流で表示画面22全体に流れるカソード電流を推定することができるし、また、白ラスター表示では、画面全体が同一輝度で表示されるため、一部であっても表示画面22全体の推定は容易だからである。また、表示画面22を所定面積で分割し、各分割した領域でのカソード電流を測定することにより、表示画面22の特性分布を測定することができる。分割とは、画素列、画素行、マトリックス状が例示される。この実施例は、図26、図27、図33などでも説明している。
画素16が電流プログラム方式の場合について説明する。カソード電流Isの大きさの調整(表示輝度の調整)は、表示画面22に印加する映像信号の階調番号(映像信号の大きさ)を一定値に設定し、基準電流の大きさを変化させることにより行う。映像信号の階調番号(映像信号の大きさ)を設定する一定値とは、通常最大階調番号である。基準電流の大きさを大きくすれば、カソード電流Isも大きくなり、発光輝度も高くなる。したがって、カソード電流Isの大きさを電流計233で測定し、電流が所定値となったときに、調整完了とする。以上のことを、RGBで行うことにより、ホワイトバランスの調整が可能になる。ホワイトバランス調整(輝度調整)を完了した基準電流をIkとする。基準電流Ikは、RGBで個別設定(赤(R)はIkr、緑(G)はIkg、青(B)はIkb)する。
次に、画素16が電圧プログラム方式の場合について説明する。カソード電流の大きさの調整(表示輝度の調整)は、表示画面22に印加する映像信号の階調番号(映像信号の大きさ)を一定値に設定し、図11で説明した振幅調整レジスタ111を制御させることにより行う。振幅調整レジスタ111の制御により、階調アンプ112H、112Lを変化させる。階調アンプ112Hを高く(Vdd電圧に近く)すると、低階調が対応する黒レベルを調整することができる。階調アンプ112Lを低く(GND電圧に近く)すると、高階調が対応する白レベルを調整することができる。本実施の形態では、出力階調を最大階調に設定し、階調アンプ112Lを変化させる。カソード電流の値が、所望値となるように階調アンプ112Lの値を調整する。
階調アンプ112Lを低くすれば、カソード電流Isも大きくなり、発光輝度も高くなる。したがって、カソード電流の大きさを電流計233で測定し、電流が所定値となったときに、調整完了とする。以上のことを、RGBで行うことにより、ホワイトバランスの調整が可能になる。
なお、電源IC222が出力する電圧VGH、VGL、Vddは通常表示時の電圧にする。また、本実施の形態では、ゲートドライバ回路12aは、VGH1、VGL1電圧で動作させ、ゲートドライバ回路12bは、VGH2、VGL2=GND電圧で動作させ、VGH1=VGH2とする。
以上の調整により、ホワイトバランス調整を実現でき、また、表示画面22の発光輝度調整を実現できる。EL表示装置のコントラスト調整は、黒表示時に流れるカソード電流を調整することにより実現できる。
まず、画素16が電流プログラム方式の場合について説明する。カソード電流Isの大きさの調整(表示輝度の調整)は、表示画面22に印加する映像信号の階調番号(映像信号の大きさ)を一定値に設定する。
基準電流の大きさは、ホワイトバランスを調整した設定値Ik(赤(R)はIkr、緑(G)はIkg、青(B)はIkb)を維持(保持)したまま行う。
黒レベルでの映像信号の階調番号(映像信号の大きさ)は最低階調である。電流駆動では、最低階調では、プログラム電流は0である。黒レベルの調整は、図11の電圧発生回路から最低階調の電圧を画素16に印加する。最低階調の電圧は、階調アンプ112Hが出力する電位を変化させて行う。この状態で、カソード電流の大きさを電流計233で測定し、電流が所定値となったときに、調整完了とする。
次に、画素16が電圧プログラム方式の場合について説明する。カソード電流Isの大きさの調整(表示輝度の調整)は、表示画面22に印加する最低階調番号に設定し、図11で説明した振幅調整レジスタ111を制御させることにより行う。振幅調整レジスタ111の制御により、階調アンプ112Hを変化させる。階調アンプ112Hを高く(Vdd電圧に近く)すると、黒レベルでのカソード電流Isが減少する。階調アンプ112Hを低くすると、カソード電流が増大する。カソード電流Isの値が、所望値となったときに、調整完了とする。
本実施の形態のEL表示装置は、図9、図10の電流駆動回路と、図11、図12の電圧出力回路の両方を具備している。電流駆動回路と電圧出力回路の両方を有する場合は、1水平走査期間(1画素行を選択する期間)の前半に電圧出力回路からプログラム電圧を画素16に印加し、1水平走査期間(1画素行を選択する期間)の後半に電流駆動回路からプログラム電流を画素16に印加する。また、各画素にプログラム電圧を印加するか、プログラム電流を印加するか、または、プログラム電圧とプログラム電流の両方を印加するかの判定回路(図示せず)を有している。判定回路は、映像信号の大きさ(階調番号)、ソース信号線に印加される映像信号の大きさ(階調番号)から、各画素にプログラム電圧を印加するか、プログラム電流を印加するか、または、プログラム電圧とプログラム電流の両方を印加するかを判定する。
なお、図23では、カソード電流は電流計233で測定するとしたが、本実施の形態はこれに限定するものではない。たとえば、カソード電流の電流経路にピックアップ抵抗を直列に配置し、前記ピックアップ抵抗の端子電圧を電圧計で測定してもよい。
また、図23では、電源IC222のカソード端子をオープンにし、カソード電流を測定するとしたが、本実施の形態はこれに限定するものではない。電源IC222のアノード端子をオープンにし、アノード電流を測定してもよい。以上の事項は、図19においても同様である。
本実施の形態の技術的思想は、カソード配線あるいはアノード配線を流れる電流を測定あるいは取得して所定値にすることである。また、本実施の形態の技術的思想は、電源IC222をフレキシブル基板(フレキ基板)161などに実装した状態で、かつ、EL素子15に流れる電流を供給する配線(カソード配線あるいはアノード配線)と電源IC222の出力端子とが接続された状態で、パネルの検査、評価、エージングなどを実施する方式である。電源IC222の出力オープン機能を使用し、オープンした端子には、外部から電圧をパネルに供給する。電源IC222の各端子は必要に応じて、標準データバス(SMBusなど)を用いて電圧値を変更して出力する。また、テストトランジスタ145を使用する。
図24は、エージング方法の説明図である。エージング工程では、EL表示装置の表示画面22を通常の表示輝度より高い輝度で発光させる。一例として、表示画面22の発光輝度を2倍または4倍の輝度にする。EL素子の初期劣化を引き起こし、’焼付け’を抑制するためである。
表示輝度を2倍または4倍に設定するのは、基準電流の変更により行う。ホワイトバランスを調整した基準電流の設定値Ik(赤(R)はIkr、緑(G)はIkg、青(B)はIkb)を2倍または4倍にする。たとえば、表示輝度を2倍にするには、基準電流Ik×2にする。エージング時に使用するn倍(nは1以上4以下の実数)の基準電流の設定値をIkm(赤(R)はIkmr、緑(G)はIkmg、青(B)はIkmb)とする。
基準電流を大きくすると、アノード配線231、カソード配線232に流れる電流(アノード電流Ip、カソード電流Is)が増大する。アノード電流Ip、カソード電流Isが増大すると、EL素子15の端子間電圧、駆動用トランジスタ11aのチャンネル電圧が大きくなる。
エージング時は、基準電流を通常表示時よりは大きくする。したがって、アノード電圧Vddを高く(たとえば、通常の画像表示時5V(Vdd)をエージング時は7V(Vddt)にする)、カソード電圧Vssを低く(たとえば、通常の画像表示時−3V(Vss)をエージング時は−5V(Vsst)にする)する。アノード電圧を高くすると、ゲート信号線17aに印加する電圧(VGH1、VGL1)も変化させる必要がある。VGH1電圧を高く(たとえば、通常の画像表示時VGH=6.5Vをエージング時は7.5Vにする)、VGL1電圧を低く(たとえば、通常の画像表示時VGL1=−3Vをエージング時は−5Vにする)する。
エージング時は、画素構成が電流駆動の場合(図1、図7)は、基準電流をIkmとし、電流駆動方式で画像(白ラスター)を表示する。画素構成が電圧駆動の場合(図8)は、振幅調整レジスタ111を制御して、階調アンプ112Lの電位を低く(GNDに近づけるか、GND以下にする)し、白ラスター表示にする。
電源IC222は、VGL、VGH、Avdd、DvddをEL表示パネルに供給する。外部電源から、Vddt、Vsstを供給する。エージング中は、表示画面22の輝度をホトセンサでモニターし、初期の輝度から一定値を低下した時点で、エージングを終了させる。
このように本実施の形態の電源ICは、電圧出力端子のオープン(ハイインピーダンス)機能をもつ。エージング工程などにおいて、出力端子をオープンにし、オープンにした端子に別の電源電圧を印加してエージングを行う。また、オープンにした端子に電流計を接続し、所定電源電圧間に流れる電流を測定することにより、ホワイトバランス調整や表示輝度調整を行う。
なお、以上の実施例では、Vdd、Vssを外部から供給し、VGH、VGLは、出力電圧を変化させて電源IC222から供給するとした。しかし、本実施の形態はこれに限定するものではない。たとえば、Vdd、Vss、VGH、VGLを外部から供給し、Avdd、Dvddのみを電源IC222から供給してもよい。
図14、図18、図20はソース信号線18にテストトランジスタ145を形成した実施例であった。テストトランジスタ145は、図19に図示するように、カソード配線232またはアノード配線231にテストトランジスタ145を形成してもよい。テストトランジスタ145をオンさせることにより、カソード配線232に電流が流れ、また流れる電流を電流計233で測定することができる。ソース信号線18にはソースドライバ回路14より映像信号(プログラム電流またはプログラム電圧)を印加する。
テストトランジスタ145のゲート端子は、ゲートドライバ回路12と同様に、シフトレジスタ333(図33などを参照のこと)を付加し、シフトレジスタ333の機能により順次、1つまたは複数のテストトランジスタ145を選択するように構成してもよい。
以上のように構成することにより、テストトランジスタ145を単独でオンオフ制御することができるようになる。したがって、ゲートドライバ回路12aと個別にテストトランジスタ145をオンオフさせることにより、マトリックス状に配置された画素16を個別あるいは画素列単位で選択して、カソード電流またはアノード電流を測定あるいは制御することができる。テストトランジスタ145はアノード配線231に形成してもよいことは言うまでもない。また、テストトランジスタ145を、アノード配線とカソード配線とソース信号線18のうちのいずれか2つ以上に形成してもよいことは言うまでもない。以上のことは、本実施の形態の他の実施例においても同様に適用することができる。
図19は、本実施の形態の電源IC222を用いて、画素16の特性を測定あるいは把握することができる。
画素16の駆動用トランジスタ11aは、図31(a)の特性がある。なお、駆動用トランジスタ11aは、Pチャンネルトランジスタとして説明をする。図31において、横軸は、駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧である。縦軸はトランジスタのチャンネル間を流れる電流(EL素子15に流す電流)である。ゲート端子電圧がV1であれば、電流はI1となる。ゲート端子電圧がV0であれば、電流は0である。つまり、電流I1を流せば、ゲート端子電圧はV1となる。逆にゲート端子にV1を印加すれば、出力電流はI1となる。
たとえば、図31(a)の特定の駆動用トランジスタ11aに、ソースドライバ回路(IC)14から1μA、0.5μAなどの定電流I1を供給し、画素16の駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧を測定する。この測定したV1駆動用トランジスタ11aの特性カーブを求め、各階調に対応する電圧プログラムデータを作成する。特性カーブは略2乗カーブである。最終データとしては、電流が0となるV0を求める。このV0は、フラッシュメモリなどのROMに各画素の特性バラツキデータとして保持する。この保持したV0データに映像信号の階調データを加算あるいは演算し、画素の特性バラツキ(駆動用トランジスタ11aの特性バラツキ)を加味した映像信号(プログラム電圧またはプログラム電流)を発生させる。発生させた映像データプログラム電圧またはプログラム電流が該当画素に印加される。そのため、駆動用トランジスタ11aの特性バラツキによる表示不良は表示されない。
また、図31(b)に図示するように、画素16の駆動用トランジスタ11aにI2電流を供給し、I2電流に対するゲート端子電圧V2を測定し、V2、V1から階調電圧を求めてもよい。つまり、少なくとも1つの定電流(電流0を含む)からソース信号線18の電位を測定し、測定した電位から、階調に対応する電圧(プログラム電圧)を求める。もしくは、駆動用トランジスタ11aのゲート端子に所定電圧(V2、V1)を印加し、出力される電流(I2、I1)から駆動用トランジスタ11aの特定を推定あるいは求め、V0データとしてメモリに保持させ、保持したデータから映像信号(プログラム電圧またはプログラム電流)を求める。
図32は、取得されたV0電圧から映像データDATAを補正し、適正な映像信号(プログラム電圧またはプログラム電流)を得る方法の説明図である。V0電圧とは、画素16の駆動用トランジスタ11aの特性バラツキを示す補正量と考えることができる。
補正する大きさV0はフラッシュメモリ252に保持されている。フラッシュメモリ252のROMデータは、RDaTaとして、外部より書き換えることができる。
フラッシュメモリ252に保持されたデータも8ビットである。このフラッシュメモリ252のROMデータと階調データDATAが加算(減算の場合もある)回路321で加算される。一般的に加算処理により、階調データDATAは補正データV0により、アノード電圧側に電位シフトされる。
加算されたデータは9ビットになる。このデータはパネル温度を検出する温度補償回路323で温度補償されて、ソースドライバ回路(IC)14に印加される。温度補償回路323を必要とするのは、フラッシュメモリ252に格納された補正データは、温度依存性があるからである。
以上のように、駆動用トランジスタ11aのゲート端子に定電圧を印加し、前記駆動用トランジスタ11aから出力される電流を測定することにより、駆動用トランジスタ11aの特性バラツキを取得することができる。取得した特性バラツキデータを補償データとしてフラッシュメモリ252などに保存し、EL表示装置の外部から入力される階調データをフラッシュメモリ252の補償データを用いて補正すれば、画素16の駆動用トランジスタ11aの特性バラツキがなく、良好な画像表示を実現できる。
図26は、画素16の特性を測定あるいは取得する方法の説明図である。電源IC222のVss出力端子はオープンにされ、端子パッドP1にプローブ234が接続される。アノード電圧Vddは、電源IC222から供給される。テスト用カソード電圧Vsstとアノード電圧Vddは、通常の画像表示を行う電圧値に設定される。
この状態で、ソースドライバ回路14から、各ソース信号線18に所定の電圧V1が出力される。また、ゲート信号線17(1)にNチャンネルトランジスタ11bをオンさせるオン電圧(VGH)を印加し、他のゲート信号線17にオフ電圧(VGL)を印加する。図31で説明したように、駆動用トランジスタ11aのゲート端子にV1の電圧が印加されるとI1の大きさの電流が出力される。1画素行にm個の画素16とすると、各ソース信号線18にV1電圧を印加すると、m×I1なる電流がカソード配線232に出力される。しかし、実際には、表示画面22の面内で画素の特性バラツキがあり、カソード配線232に流れる電流は、m×I1とはならない。
本実施の形態では、各ソース信号線18に印加する電圧V1を変化させ、カソード配線232に流れる電流をm×I1となるように調整する。このm×I1になったときの電圧をVxとする。この電圧Vxが選択した1画素行の特性を示すことになる。Vx電圧は、AD変換(アナログ−デジタル変換)され、所定の演算処理がされて補正データとなり、補正データは、フラッシュメモリ252に格納される。
次に、ゲート信号線17(1)にNチャンネルトランジスタ11bをオフさせるオフ電圧(VGL)を印加し、ゲート信号線17(2)にオン電圧(VGH)を印加し、他のゲート信号線17にオフ電圧(VGL)を印加する。
この状態で、ソースドライバ回路14から、各ソース信号線18に所定の電圧が出力される。各ソース信号線18に印加する電圧V1を変化させ、カソード配線232に流れる電流をm×I1となるように調整する。このm×I1(mは整数で、1画素行の画素数である)になったときの電圧をVxとする。この電圧Vxが選択した2画素行目の画素行の特性を示すことになる。Vx電圧は、AD変換(アナログ−デジタル変換)され、所定の演算処理がされて補正データとなり、補正データは、フラッシュメモリ252に格納される。以上の動作を最終画素行番目まで実施する。
以上のように、順次画素行を選択し、カソード配線232を流れる電流を一定値となるようにソースドライバ回路14から各ソース信号線18に印加する電圧を調整することにより、全画素行の特性バラツキを取得することができる。取得したデータは演算処理などを施して、補正データとし、フラッシュメモリ252に格納される。これ以降の処理は、図31、図32で説明した方式が実施されるので、説明を省略する。
以上の実施例では、画素16または画素行の特性バラツキを測定するとしたが、検査方法にも適用することができる。図26の実施例では、各ソース信号線18にV1電圧を印加し、カソード配線232に流れる電流を所定値になるようにV1電圧を調整して、特性を示すVx電圧を取得するという方式であった。しかし、V1電圧を一定の範囲内で変化させても、カソード配線232に流れる電流が所定値にならない場合がある。この場合は、画素16に欠陥が発生している場合がほとんどである。したがって、ソース信号線18に印加する電圧の範囲外となった場合に、選択した画素行のいずれかの画素16の欠陥などが発生していることを検出することができる。また、欠陥の程度も電圧可変範囲の大きさにより把握することができる。
たとえば、最初の電圧V1=2.0Vとし、可変範囲が±0.5Vとする。1.5V〜2.5Vの範囲でカソード配線232に流れる電流をm×I1に設定できなければ欠陥が発生しているとする。さらに、可変範囲が±0.8Vとし、この範囲でもカソード配線232に流れる電流をm×I1に設定できなければ重大な欠陥が発生しているとする。以上の事項は、図27などにも適用できることは言うまでもない。
図26は、ソース信号線18に電圧を印加する手段として、ソースドライバIC14を用いた方式であった。図27はソースドライバIC14の代わりにテストトランジスタ145を用いた実施例である。テストトランジスタ145を用いることより、ソースドライバIC14を用いずに、各ソース信号線18に電圧を印加できる。
図27は、図26と同様に画素16の特性を測定あるいは取得する方法の説明図である。また、図26と同様に欠陥検査も実現できる。電源IC222のVss出力端子はオープンにされ、端子パッドP1にプローブ234が接続される。アノード電圧Vddは、電源IC222から供給される。テスト用カソード電圧Vsstとアノード電圧Vddは、通常の画像表示を行う電圧値に設定される。
この状態で、端子146に所定電圧V1が印加され、テストトランジスタ145を介して各ソース信号線18にV1電圧が印加される。また、ゲート信号線17(1)にNチャンネルトランジスタ11bをオンさせるオン電圧(VGH)を印加し、他のゲート信号線17にオフ電圧(VGL)を印加する。図31に説明したように、駆動用トランジスタ11aのゲート端子にV1の電圧が印加されるとI1の大きさの電流が出力される。しかし、実際には、表示画面22の面内で画素の特性バラツキがあり、カソード配線232に流れる電流は、m×I1とはならない。
テストトランジスタ145を介して各ソース信号線18に印加する電圧V1を変化させ、カソード配線232に流れる電流をm×I1となるように調整する。このm×I1になったときの電圧をVxとする。この電圧Vxが選択した1画素行の特性を示すことになる。Vx電圧は、AD変換(アナログ−デジタル変換)され、所定の演算処理がされて補正データとなり、補正データは、フラッシュメモリ252に格納される。以下、図26と同様であるので説明を省略する。
図26、図27の実施例では、カソード配線232を流れる電流を測定することにより、駆動用トランジスタ11aあるいは画素16の特性バラツキを求めるとした。しかし、本実施の形態はこれに限定するものではない。アノード配線231を流れる電流を測定することにより、駆動用トランジスタ11aあるいは画素16の特性バラツキを求めてもよい。
特性バラツキは、駆動用トランジスタ11aに定電流を流し、前記定電流を流した状態で、前記駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧を測定することによっても、駆動用トランジスタ11aあるいは画素16の特性バラツキを求めることもできる。たとえば、図33の構成において、テストトランジスタ145はシフトレジスタ回路333などを介して、それぞれ単独でオンオフ制御できるように構成する。アノード電圧Vddを一定電圧とする。ゲート信号線17(1)にNチャンネルトランジスタ11bをオンさせるオン電圧(VGH)を印加し、他のゲート信号線17にオフ電圧(VGL)を印加する。この状態で、テスト用のカソード電圧Vsstを操作し、カソード配線232に流れる電流を所定値になるようにする。所定値とは、選択された1画素行分の電流値である。
なお、図33では、333はシフトレジスタ回路としたが、これはテストトランジスタ145を選択する機能(テストトランジスタ145をオンさせる)を有するものである。したがって、順次、1つのテストトランジスタ145を選択する機能を有する。さらに、任意のテストトランジスタ145を選択できる機能を有している。また、選択するテストトランジスタ145の数は、1つに限定されない。複数のテストトランジスタ145を同時に選択してもよい。たとえば、赤(R)の画素16を選択し、GBの画素を非選択とする方式が例示される。
カソード電流が所定値になった状態で、テストトランジスタ145(1)をオンさせ、他のテストトランジスタ145はオフ状態を維持する。テストトランジスタ145(1)をオンさせることにより、画素16(11)の駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧が、端子146に出力される。端子146に出力された電圧は、AD変換(アナログ−デジタル変換)されて、画素16(11)の特性バラツキを示すデータとなる。
つぎに、テストトランジスタ145(2)をオンさせ、他のテストトランジスタ145をオフさせることにより、画素16(12)の駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧が、端子146に出力される。端子146に出力された電圧は、AD変換(アナログ−デジタル変換)されて、画素16(12)の特性バラツキを示すデータとなる。
同様にゲート信号線17(1)を選択した状態で、テストトランジスタ145を順次オンさせ、1つのテストトランジスタ145以外の他のテストトランジスタ145をオフさせることにより、画素16の駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧が、端子146に出力される。端子146に出力された電圧は、AD変換(アナログ−デジタル変換)されて、各画素16の特性バラツキを示すデータとなる。
テストトランジスタ145(m)まで完了すると、ゲート信号線17(2)を選択し、他のゲート信号線17にはオフ電圧(VGL)を印加する。
この状態で、先の第1画素行と同様にテスト用のカソード電圧Vsstを操作し、カソード配線232に流れる電流を所定値になるようにする。
カソード電流が所定値になった状態で、テストトランジスタ145(1)をオンさせ、他のテストトランジスタ145はオフ状態を維持する。テストトランジスタ145(1)をオンさせることにより、画素16(21)の駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧が、端子146に出力される。端子146に出力された電圧は、AD変換(アナログ−デジタル変換)されて、画素16(21)の特性バラツキを示すデータとなる。
つぎに、テストトランジスタ145(2)をオンさせ、他のテストトランジスタ145をオフさせることにより、画素16(22)の駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧が、端子146に出力される。端子146に出力された電圧は、AD変換(アナログ−デジタル変換)されて、画素16(22)の特性バラツキを示すデータとなる。
同様にゲート信号線17(2)を選択した状態で、テストトランジスタ145を順次オンさせ、1つのテストトランジスタ145以外の他のテストトランジスタ145をオフさせることにより、画素16の駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧が、端子146に出力される。端子146に出力された電圧は、AD変換(アナログ−デジタル変換)されて、各画素16の特性バラツキを示すデータとなる。
以上のように、順次画素を選択し、画素16の駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧を測定することにより、全画素の特性バラツキを取得することができる。取得したデータは演算処理などを施して、補正データとし、フラッシュメモリ252に格納される。これ以降の処理は、図31、図32で説明した方式が実施されるので、説明を省略する。
図33は、カソード配線232の電流を測定し、画素も電圧駆動の画素構成であった。図39は、アノード配線231の電流を測定し、画素は図1で説明した電流駆動の画素構成である。図39の方法(動作)は、図33と同様であるので説明を省略する。以上のように本実施の形態は、いずれの画素構成であっても対応することができる。
図26、図33の実施例は、検査方法にも適用することができるとして説明した。図33で説明した方式も検査方法に適用できる。
図33の実施例では、テスト用のカソード電圧Vsstを操作し、カソード配線232に流れる電流を所定値になるようにする。しかし、Vsstを所定範囲、変化させてもカソード配線232に流れる電流が所定値にならない場合がある。
この場合は、画素16に欠陥が発生している場合がほとんどである。したがって、Vsstの変化あるいは調整範囲が範囲外となった場合に、選択した画素行のいずれかの画素16の欠陥などが発生していることを検出することができる。また、欠陥の程度も電圧可変範囲の大きさにより把握することができる。
たとえば、最初の電圧Vsst=−3.0Vとし、可変範囲が±0.5Vとする。−3.5V〜−2.5Vの範囲でカソード配線232に流れる電流をm×I1に設定できなければ欠陥が発生しているとする。さらに、可変範囲が±0.8Vとし、この範囲でもカソード配線232に流れる電流をm×I1に設定できなければ重大な欠陥が発生しているとする。
図25、図27、図33においてテストトランジスタ145は、パルス状にオンオフ制御させたり、周期的にオンオフさせたりすることにより、より多種多様な検査を行うことができる。図25において、テストトランジスタ145をオンさせる場合は、ソースドライバIC14の最終出力段に形成されたスイッチをオープン(ハイインピーダンス)にし、ソースドライバIC14をソース信号線から切り離し、テストトランジスタ145によりソース信号線18に印加された電圧(電流)から保護する。
また、図25、図27、図33などにおいて、電源IC222から出力されるVdd、Vss電圧または外部電源Vddt、Vsstを可変あるいは調整し、可変あるいは調整した状態と、テストトランジスタ145のオンオフとを同期させることにより、より多種多様な検査調整を実現できる。たとえば、エージング工程において、Vddt、Vsstを印加し、テストトランジスタ145で1フレームあるいは複数フレーム周期で画素16をオン(表示)、オフ(非表示)する電圧または電流を印加する。すると、エージング構成でEL表示パネルはフラッシュ表示となり、大きなストレスをかけることができるため、エージング工程を短縮することができる。EL表示装置をフラッシュ表示させることにより、EL素子15のEL構成膜に将来発生するであろう欠陥をエージング構成で発生させることができる。なお、以上の方式は、テストトランジスタ145の制御だけでなく、ソースドライバIC14を制御することによっても実現できる。
図26、図27、図33では、電圧駆動方式の画素構成を例示して説明した。しかし、本実施の形態はこれに限定するものではなく、図1、図7の電流駆動の画素構成であっても適用することができる。また、図8などに示す他の電圧駆動の画素構成であっても適用することができる。
本実施の形態の駆動方式は、有機EL表示パネルの駆動方法および駆動回路などに限定されるものではない。たとえば、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、無機ELディスプレイなどの他のディスプレイにも適用できることは言うまでもない。
つぎに、本実施の形態の駆動方式を実施するEL表示装置を表示ディスプレイとして用いた本実施の形態の表示機器について説明をする。
図28は情報端末装置の一例としての携帯電話の平面図である。筐体283にアンテナ281などが取り付けられている。282aは、duty比を変化させる切換キー、282bは電源オンオフキー、282cがゲートドライバ回路12bの動作フレームレートを切り替えるキーである。285はホトセンサである。ホトセンサ285は、外光の強弱にしたがって、duty比などを変化させて、表示画面22の輝度を自動調整する。
図29はビデオカメラの斜視図である。ビデオカメラは撮影(撮像)レンズ部293とビデオカメラ本体283を具備している。本実施の形態のEL表示装置は表示モニター284としても使用されている。表示画面22は支点291で角度を自由に調整できる。表示画面22を使用しない時は、格納部294に格納される。
図28、図29などの本実施の形態の表示機器では、キー282aの操作により、duty比を切り替えることができる。キー282aの操作は、ユーザーが切り替えできるようにしておく。また、設定モードで自動的に変更できるかを切り替えられるようにしている。自動の場合は、外光の明るさを検出して自動的に、表示輝度を50%、60%、80%などと設定できるように構成している。
本実施の形態のEL表示装置などはビデオカメラだけでなく、図30に示すような電子カメラにも適用することができる。本実施の形態のEL表示装置はカメラ本体301に付属された表示画面22として用いる。カメラ本体301にはシャッタスイッチ303の他、スイッチ282aが取り付けられている。
以上に説明したように、本実施の形態のEL表示装置は、テストトランジスタを介して、ソース信号線18に電圧または定電流を印加できる。したがって、画素16などの検査を他の手段を用いることなく容易に実現できる。
また、本実施の形態のEL表示装置は、電源ICに出力オープン機能があるため、エージング工程では、通常状態よりも高い電圧をEL表示パネルに印加することができ、効率よくエージングを実施できる。この出力オープン機能を用いることにより、電源ICを基板などに実装したまま、カソード配線からの電流を測定することができる。したがって、EL表示装置のホワイトバランス、輝度調整を容易に実施できる。また、画素を順次選択し、選択した画素から出力される電流を測定することにより、画素の欠陥を検出することができ、画素の駆動用トランジスタの特性バラツキを測定することができる。