JP2003066865A - 表示基板およびその検査方法と検査装置 - Google Patents

表示基板およびその検査方法と検査装置

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JP2003066865A
JP2003066865A JP2001254301A JP2001254301A JP2003066865A JP 2003066865 A JP2003066865 A JP 2003066865A JP 2001254301 A JP2001254301 A JP 2001254301A JP 2001254301 A JP2001254301 A JP 2001254301A JP 2003066865 A JP2003066865 A JP 2003066865A
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voltage
gate
pixel
signal line
transistor
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JP2001254301A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Takahara
博司 高原
Katsumi Adachi
克己 足達
Hitoshi Tsuge
仁志 柘植
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ELなどの表示パネルの検査方法および検査
装置を提供。 【解決手段】 駆動用のTFT11aのソース端子に、
Vdd電圧を印加し、EL素子15のカソード端子にV
s1電圧を印加する。ゲート信号線17a、17bにオ
ン電圧を印加すると、TFT11b、11c、11dが
オン状態をなる。ソース信号線18はオープン状態にす
る。電流Iwは流れず、駆動TFT11aを流れる電流
はすべてEL素子15に流れる電流Iddとなる。した
がって、表示パネルに表示されている画素はすべて点灯
状態となる。もし、非点灯状態の画素があればTFTが
壊れているか、能力が低いことを検出することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の主として自発光で画
像を表示するEL表示パネルとこれに用いるアレイ基板
およびこれらの検査装置と検査方法などに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】液晶表示パネルは、薄型で低消費電力と
いう利点から、携帯用機器等に多く採用されているた
め、ワードプロセッサやパーソナルコンピュータ、テレ
ビ(TV)などの機器や、ビデオカメラのビューファイ
ンダ、モニターなどにも用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、液晶表示パネ
ルは、自発光デバイスではないため、バックライトを用
いないと画像を表示できないという問題点がある。バッ
クライトを構成するためには所定の厚みが必要であるた
め、表示モジュールの厚みが厚くなるという問題があっ
た。
【0004】また、液晶表示パネルでカラー表示を行う
ためには、カラーフィルタを使用する必要がある。その
ため、光利用効率が低いという問題点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決するために、1画素あたり複数本のゲート信号線と少
なくとも1本のソース信号線を有し、かつ前記信号線を
制御することにより光変調を行うEL表示装置に用いる
アレイ基板にあって、前記複数の画素のソース信号線を
電気的に短絡する第1の短絡部と、前記複数の画素のゲ
ート信号線を電気的に短絡する第2の短絡部と、前記第
1の短絡部と第2の短絡部を電気的に接続する接続部を
有することを特徴とするアレイ基板を提供するものであ
る。
【0006】また、1画素あたり第1のゲート信号線と
第2のゲート信号線と少なくとも1本のソース信号線を
有し、かつ前記信号線を制御することにより光変調を行
うEL表示装置にあって、前記複数の画素のソース信号
線を電気的に短絡する第1の短絡部と、前記複数の画素
の第1のゲート信号線を電気的に短絡する第2の短絡部
と、前記複数の画素の第2のゲート信号線を電気的に短
絡する第3の短絡部と、前記第1の短絡部と第2の短絡
部を電気的に接続する第1の接続部と、前記第2の短絡
部と第3の短絡部を電気的に接続する第2の接続部とを
有することを特徴とするアレイ基板を提供するものであ
る。
【0007】さらに、各画素にスイッチング素子が配置
され、かつ画素がマトリックス状に配置され、1画素あ
たり複数本のゲート信号線と少なくとも1本のソース信
号線を有し、かつ前記信号線を制御することにより光変
調を行うEL表示装置に用いる検査装置にあって、前記
複数のゲート信号線に前記スイッチング素子を動作状態
にする電圧を印加するゲート電圧印加手段と、前記EL
表示装置のカソードに第1の電圧を印加するカソード電
圧印加手段と、前記EL表示装置のアノードに第2の電
圧を印加するアノード電圧印加手段と、前記EL表示装
置の点灯状態を光学的に検出または測定する光学的測定
手段とを具備することを特徴とする検査装置を提供する
ものであもある。
【0008】
【発明の実施の形態】本明細書において各図面は理解を
容易に、また作図を容易にするため、省略および拡大縮
小した箇所がある。たとえば、図7の表示パネルの断面
図では封止膜73などを十分厚く図示している。また、
図1等では画素電極に信号を印加する薄膜トランジスタ
(TFT)などは省略している。
【0009】また、本発明の表示パネルなどでは、位相
補償のためなどの位相フィルムなどを省略していが、適
時付加することが望ましい。以上のことは以下の図面に
対しても同様である。また、同一番号または、記号等を
付した箇所は同一もしくは類似の形態もしくは材料ある
いは機能もしくは動作を有する。
【0010】なお、各図面等で説明した内容は特に断り
がなくとも、他の実施例等と組み合わせることができ
る。たとえば、図1あるいは図35、図39の表示パネ
ルにタッチパネルなどを付加し、情報表示装置とするこ
とができる。また、拡大レンズを取り付けビデオカメラ
などのビューファインダを構成することもできる。
【0011】また、図25の検査装置は図24だけでな
く図28、図29などにも適用できることは言うまでも
ない。また、図33で説明するソースドライバ14のア
ナログスイッチ334はソースドライバ内に形成せず、
低温ポリシリ技術などを用いてアレイ基板49のソース
信号線18の一端に形成してもよいことは言うまでもな
い。
【0012】また、図33のソースドライバのインバー
タ23段数などに関する事項は図2で説明した事項を適
用することができる。また、本発明は各画素にTFTが
形成されたアクティブマトリックス型表示パネルを主に
説明するがこれに限定するものではなく、単純マトリッ
クス型にも適用することができることは言うまでもな
い。
【0013】このように特に明細書中に例示されていな
くとも、明細書、図面中で記載あるいは説明した事項、
内容、仕様は、互いに組み合わせて請求項に記載するこ
とができる。すべての組み合わせについて明細書などで
記述することは不可能であるからである。
【0014】低消費電力でかつ高表示品質であり、更に
薄型化が可能な表示パネルとして、有機エレクトロルミ
ネッセンス(EL)素子の複数をマトリクス状に配列し
て構成される有機EL表示パネルが注目されている。な
お、有機EL表示パネルあるいは有機EL素子はOEL
DあるいはOLEDと呼ぶこともある。
【0015】有機EL表示パネルは、図4に示すよう
に、画素電極としての透明電極48が形成されたガラス
板49(アレイ基板)上に、電子輸送層、発光層、正孔
輸送層などからなる少なくとも1層の有機機能層(EL
層)47、及び金属電極(反射膜)46が積層されたも
のである。
【0016】透明電極(画素電極)48の陽極(アノー
ド)にプラス、金属電極(反射電極)46の陰極(カソ
ード)にマイナスの電圧を加え、すなわち、透明電極4
8及び金属電極46間に直流を印加することにより、有
機機能層(EL層)47が発光する。良好な発光特性を
期待することのできる有機化合物を有機機能層に使用す
ることによって、EL表示パネルが実用に耐えうるもの
になっている。
【0017】なお、カソード電極あるいは反射膜はIT
O電極に誘電体多層膜からなる光学的干渉膜を形成して
構成してもよい。誘電体多層膜は低屈折率の誘電体膜と
高屈折率の誘電体膜とを交互に多層に形成したものであ
る。つまり、誘電体ミラーである。この誘電体多層膜は
有機EL構造から放射される光の色調を良好なもの(フ
ィルタ効果)にする機能を有する。
【0018】金属電極46には、アルミニウム、マグネ
シウム、インジウム、銅または各々の合金等の仕事関数
が小さなものを用いることが好ましい。特に、例えばA
l−Li合金を用いることが好ましい。また、透明電極
48には、ITO等の仕事関数の大きな導電性材料また
は金等を用いることができる。なお、金を電極材料とし
て用いた場合、電極は半透明の状態となる。
【0019】なお、画素電極46などに薄膜を蒸着する
際は、アルゴン雰囲気中で有機EL膜を成膜するとよ
い。また、画素電極46としてのITO上にカーボンを
2以上10nm以下を成膜することにより、界面の安定
性が向上し、発光輝度および発光効率も良好なものとな
る。
【0020】以下、本発明のEL表示パネル構造の理解
を容易とするため、まず、本発明の有機EL表示パネル
の製造方法について説明をする。
【0021】基板49の放熱性を良くするため、サファ
イアガラスで形成してもよい。また、熱伝導性のよい薄
膜あるいは厚膜を形成したりしてもよい。たとえば、ダ
イヤモンド薄膜を形成した基板を使用することが例示さ
れる。もちろん、石英ガラス基板、ソーダガラス基板あ
るいは鉛ガラス基板を用いてもよい。
【0022】その他、アルミナなどのセラミック基板を
使用したり、シリコンあるいは銅などからなる金属板を
使用したり、絶縁膜に金属膜を蒸着あるいは塗布などの
コーティングしたりしたものを用いてもよい。
【0023】画素電極を反射型とする場合は、基板材料
としては基板の表面方向より光が出射されるから、ガラ
ス、石英や樹脂等の透明ないし半透明材料に加えてステ
ンレスなどの非透過材料を用いることもできる。この構
成を図7に図示する。カソード電極をITOなどの透明
電極72で形成している。
【0024】基板はプラスチック基板を用いてもよいこ
とは言うまでもない。プラスチック基板はわれにくく、
また、軽量のため携帯電話の表示パネル用基板として最
適である。プラスチック基板は、芯材となるベース基板
の一方の面に補助の基板を接着剤で貼り合わせて積層基
板として用いることが好ましい。もちろん、これらの基
板321等は板に限定するものではなく、厚さ0.3m
m以下0.05mm以上のフィルムでもよい。
【0025】なお、有機ELは水分による劣化が早い。
樹脂は浸透性がよいため、これを防止することを目的と
して、基板表面にDLC(ダイヤモンド ライク カー
ボン)膜を形成することが好ましい。また、多数枚のフ
ィルムまたは基板をはり合わせて構成する場合は、構成
する多数枚のフィルムなどの1つ以上の表面にDLC膜
を形成したものを用いることが好ましい。また、1つ以
上の基板に薄いガラス基板を用いたり、金属フィルムま
たは板を構成する基板の中間層をして採用してもよい。
DLCの他、SiO2、SiNx、Al2O3などの無機物質
を蒸着したものを用いてもよい。また、金属薄膜を無機
薄膜を多層に蒸着あるいは塗布したものを中間層として
用いたり、基板の表面に形成してもよい。
【0026】ベース基板の基板として、脂環式ポリオレ
フィン樹脂を用いることが好ましい。このような脂環式
ポリオレフィン樹脂として日本合成ゴム社製ARTON
の厚さ200μmの1枚板が例示される。ベース基板の
一方の面に、耐熱性、耐溶剤性または耐透湿性機能を持
つハードコート層、および耐透気性機能を持つガスバリ
ア層が形成されたポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂
あるいはポリエーテルスルホン樹脂などからなる補助の
基板(あるいはフィルムもしくは膜)を配置する。
【0027】1画素には複数のスイッチング素子あるい
は電流制御素子としての薄膜トランジスタ(TFT)を
形成する。形成するTFTは、同じ種類のTFTであっ
てもよいし、Pチャンネル型とNチャンネル型のTFT
というように、違う種類のTFTであってもよいが望ま
しくはスイッチングトランジスタ、駆動用トランジスタ
とも同極性のものが望ましい。またTFTの構造は、プ
レーナー型のTFTで限定されるものではなく、スタガ
ー型でも、逆スタガー型でもよく、また、セルフアライ
ン方式を用いて不純物領域(ソース、ドレイン)が形成
されたものでも、非セルフアライン方式によるものでも
よい。
【0028】本発明のEL表示素子は、基板上に、ホー
ル注入電極(画素電極)となるITO、1種以上の有機
層と、電子注入電極とが順次積層されたEL構造体を有
する。前記基板にはTFTが設けられている。
【0029】本発明のEL表示素子を製造するには、ま
ず、基板上にTFTのアレイを所望の形状に形成する。
そして、平坦化膜上の画素電極として透明電極であるI
TOをスパッタ法で成膜、パターニングする。その後、
有機EL層、電子注入電極等を積層する。
【0030】TFTとしては、通常の多結晶シリコンT
FTを用いればよい。TFTは、EL構造体の各画素の
端部に設けられ、その大きさは10〜30μm程度であ
る。なお、画素の大きさは20μm×20μm〜300
μm×300μm程度である。
【0031】基板上には、TFTの配線電極が設けられ
る。配線電極は抵抗が低く、ホール注入電極を電気的に
接続して抵抗値を低く抑える機能があり、一般的にはそ
の配線電極は、Al、Alおよび遷移金属(ただしTi
を除く)、Tiまたは窒化チタン(TiN)のいずれか
1種または2種以上を含有するものが使われるが、本発
明においてはこの材料に限られるものではない。EL構
造体の下地となるホール注入電極とTFTの配線電極と
を併せた全体の厚さとしては、特に制限はないが、通常
100〜1000nm程度とすればよい。
【0032】TFTの配線電極とEL構造体の有機層と
の間には絶縁層を設ける。絶縁層は、SiO2等の酸化
ケイ素、窒化ケイ素などの無機系材料をスパッタや真空
蒸着で成膜したもの、SOG(スピン・オン・グラス)
で形成した酸化ケイ素層、フォトレジスト、ポリイミ
ド、アクリル樹脂などの樹脂系材料の塗膜など、絶縁性
を有するものであればいずれであってもよいが、ポリイ
ミドが好ましい。また、絶縁層は、配線電極を水分や腐
食から守る耐食・耐水膜の役割も果たす。
【0033】EL構造体の発光ピークは2つ以上であっ
てもかまわない。本発明のEL表示素子は、緑および青
色発光部は、例えば、青緑色発光のEL構造体と、緑色
透過層または青色透過層との組み合わせにより得られ
る。赤色発光部は、青緑色発光のEL構造体と、このE
L構造体の青緑発光を赤色に近い波長に変換する蛍光変
換層により得ることができる。
【0034】次に、本発明のEL表示素子を構成するE
L構造体について説明する。本発明のEL構造体は、透
明電極である電子注入電極と、1種以上の有機層と、ホ
ール注入電極とを有する。有機層は、それぞれ少なくと
も1層のホール輸送層および発光層を有し、例えば、電
子注入輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層を順次
有する。なお、ホール輸送層はなくてもよい。
【0035】本発明のEL構造体の有機層は、種々の構
成とすることができ、電子注入・輸送層を省略したり、
あるいは発光層と一体としたり、正孔注入輸送層と発光
層とを混合してもよい。電子注入電極は、蒸着、スパッ
タ法等、好ましくは蒸着法で成膜される仕事関数の小さ
い金属、化合物または合金で構成される。
【0036】ホール注入電極としては、ホール注入電極
側から発光した光を取り出す構造であるため、例えば、
ITO(錫ドープ酸化インジウム)、IZO(亜鉛ドー
プ酸化インジウム)、ZnO、SnO2、In2O3等が
挙げられるが、特にITO、IZOが好ましい。ホール
注入電極の厚さは、ホール注入を十分行える一定以上の
厚さを有すれば良く、通常、10〜500nm程度とする
ことが好ましい。
【0037】素子の信頼性を向上させるために駆動電圧
が低いことが必要であるが、好ましいものとして、10
〜30Ω/□(膜厚50〜300nm)のITOが挙げら
れる。実際に使用する場合には、ITO等のホール注入
電極界面での反射による干渉効果が、光取り出し効率や
色純度を十分に満足するように、電極の膜厚や光学定数
を設定すればよい。
【0038】ホール注入電極は、蒸着法等によっても形
成できるが、スパッタ法により形成することが好まし
い。スパッタガスとしては、特に制限するものではな
く、Ar、He、Ne、Kr、Xe等の不活性ガス、あ
るいはこれらの混合ガスを用いればよい。
【0039】電子注入電極は、蒸着、スパッタ法等、好
ましくは蒸着法で成膜される仕事関数の小さい金属、化
合物または合金で構成される。成膜される電子注入電極
の構成材料としては例えば、K、Li、Na、Mg、L
a、Ce、Ca、Sr、Ba、Al、Ag、In、S
n、Zn、Zr等の金属元素単体、または安定性を向上
させるためにそれらを含む2成分、3成分の合金系を用
いることが好ましい。合金系としては、例えばAg・M
g(Ag:1〜20at%)、Al・Li(Li:0.3
〜14at%)、In・Mg(Mg:50〜80at%)、
Al・Ca(Ca:5〜20at%)等が好ましい。
【0040】電子注入電極薄膜の厚さは、電子注入を十
分行える一定以上の厚さとすれば良く、0.1nm以上、
好ましくは1nm以上とすればよい。また、その上限値に
は特に制限はないが、通常、膜厚は100〜500nm程
度とすればよい。
【0041】正孔注入層は、ホール注入電極からの正孔
の注入を容易にする機能を有し、正孔輸送層は、正孔を
輸送する機能および電子を妨げる機能を有し、電荷注入
層、電荷輸送層とも称される。
【0042】電子注入輸送層は、発光層に用いる化合物
の電子注入輸送機能がさほど高くないときなどに設けら
れ、電子注入電極からの電子の注入を容易にする機能、
電子を輸送する機能および正孔を妨げる機能を有する。
正孔注入層、正孔輸送層および電子注入輸送層は、発光
層へ注入される正孔や電子を増大・閉じ込めさせ、再結
合領域を最適化させ、発光効率を改善する。なお、電子
注入輸送層は、注入機能を持つ層と輸送機能を持つ層と
に別個に設けてもよい。
【0043】発光層の厚さ、正孔注入層と正孔輸送層と
を併せた厚さおよび電子注入輸送層の厚さは特に限定さ
れず、形成方法によっても異なるが、通常、5〜100
nm程度とすることが好ましい。
【0044】正孔注入層、正孔輸送層の厚さおよび電子
注入輸送層の厚さは、再結合・発光領域の設計による
が、発光層の厚さと同程度もしくは1/10〜10倍程
度とすればよい。正孔注入層、正孔輸送層の厚さ、およ
び、電子注入層と電子輸送層とを分ける場合のそれぞれ
の厚さは、注入層は1nm以上、輸送層は20nm以上とす
るのが好ましい。このときの注入層、輸送層の厚さの上
限は、通常、注入層で100nm程度、輸送層で100nm
程度である。このような膜厚については注入輸送層を2
層設けるときも同じである。
【0045】また、組み合わせる発光層や電子注入輸送
層や正孔注入輸送層のキャリア移動度やキャリア密度
(イオン化ポテンシャル・電子親和力により決まる)を
考慮しながら、膜厚をコントロールすることで、再結合
領域・発光領域を自由に設計することが可能であり、発
光色の設計や、両電極の干渉効果による発光輝度・発光
スペクトルの制御や、発光の空間分布の制御を可能にで
きる。
【0046】本発明のEL素子の発光層には、発光機能
を有する化合物である蛍光性物質を含有させる。この蛍
光性物質としては、例えば、特開昭63−264692
号公報等に開示されているようなトリス(8−キノリノ
ラト)アルミニウム〔Alq3〕等の金属錯体色素、特
開平6−110569号公報(フェニルアントラセン誘
導体)、同6−114456号公報(テトラアリールエ
テン誘導体)、特開平6−100857号公報、同特開
平2−247278号公報等に開示されているような青
緑色発光材料が挙げられる。
【0047】また、正孔注入層・正孔輸送層には、例え
ば、特開昭63−295695号公報、特開平2−19
1694号公報、特開平3−792号公報、特開平5−
234681号公報、特開平5−239455号公報、
特開平5−299174号公報、特開平7−12622
5号公報、特開平7−126226号公報、特開平8−
100172号公報、EP0650955A1等に記載
されている各種有機化合物を用いることができる。正孔
注入輸送層、発光層および電子注入輸送層の形成には、
均質な薄膜が形成できることから真空蒸着法を用いるこ
とが好ましい。以下、本発明のEL表示パネルの製造方
法および構造についてさらに詳しく説明をする。以前に
説明したように、まず、アレイ基板49に画素を駆動す
るTFT11を形成する。1つの画素は4個または5個
のTFTで構成される。また、画素は電流プログラムさ
れ、プログラムされた電流がEL素子に供給される。こ
のTFT11の組み合わせなど画素構成については後に
説明をする。次にTFT11に正孔注入電極としての画
素電極を形成する。画素電極48はフォトリソグラフィ
ーによりパターン化する。
【0048】なお、1画素に複数の画素電極を形成し、
これらを個別に制御することにより面積階調表示を実現
してもよい。また、R,G,Bの各画素電極の大きさを
変化させることにより、ホワイトバランスを良好なもの
にすることも有効である。
【0049】フォトリソ後の基板処理は市販のレジスト
剥離液(ジメチルスルホキシドとnメチル2ピロリドン
との混合溶液)に浸漬して剥離を行った後、アセトンで
リンスし、さらに発煙硝酸中に1分間浸漬して完全にレ
ジストを除去する。画素電極48であるITO表面の洗
浄は、基板の裏面表面の両面を十分に行い、テトラメチ
ルアンモニウムハイドロオキサイドの0.238%水溶
液を十分に供給しながら、ナイロンブラシによる機械的
な擦り洗浄を行うとよい。その後、純水で十分にすす
ぎ、スピン乾燥を行う。
【0050】また、有機薄膜EL素子の蒸着前には、市
販のプラズマリアクター(ヤマト科学株式会社製、PR
41型)中で、酸素流量20sccm、圧力0.2To
rr、高周波出力300Wの条件で1分間の酸素プラズ
マ処理を行ってから、EL蒸着槽内に配置するとよい。
【0051】しかし、洗浄時に酸素プラズマ、O2アッ
シャーを使用すると、画素電極48の周辺部の平坦化膜
71も同時にアッシングされ、画素電極48の周辺部が
えぐられてしまう。この課題を解決するために本発明で
は図8で示すように画素電極48周辺部をアクリル樹脂
からなるエッジ保護膜81を形成している。エッジ保護
膜81の構成材料としては、平坦化膜71を構成するア
クリル系樹脂、ポリイミド樹脂などの有機材料と同一材
料が例示され、その他、SiO2、SiNxなどの無機材料が
例示される。その他、Al2O3などであってもよいこと
は言うまでもない。
【0052】エッジ保護膜81は画素電極48のパター
ニング48後、画素電極48間を埋めるように形成す
る。もちろん、このエッジ保護膜81を2以上4μm以
下の高さに形成し、有機EL材料を塗り分ける際のメタ
ルマスクの土手(メタルマスクが画素電極48と直接接
しないようにするスペーサ)としてもよいことは言うま
でもない。
【0053】当然のことながら、洗浄後、このエッジ保
護膜81をエッチングなどにより除去してもよい。ま
た、ドーパント材料を加熱により膨らませてエッジ保護
膜81としてもよい。
【0054】真空蒸着装置は市販の高真空蒸着装置(日
本真空技術株式会社製、EBV−6DA型)を改造した
装置を用いる。主たる排気装置は排気速度1500リッ
トル/minのターボ分子ポンプ(大阪真空株式会社
製、TC1500)であり、到達真空度は約1×10e
-6Torr以下であり、全ての蒸着は2〜3×10e-6
Torrの範囲で行う。また、全ての蒸着はタングステ
ン製の抵抗加熱式蒸着ボートに直流電源(菊水電子株式
会社製、PAK10−70A)を接続して行うとよい。
【0055】このようにして真空層中に配置したアレイ
基板上に、カーボン膜を2以上10nm以下に成膜す
る。次に、正孔注入層として4−(N,N−ビス(p−
メチルフェニル)アミノ)−α−フェニルスチルベンを
0.3nm/sの蒸着速度で膜厚約5nmに形成する。
【0056】正孔輸送層として、N,N’−ビス(4’
−ジフェニルアミノ−4−ビフェニリル)−N,N’−
ジフェニルベンジジン(保土ヶ谷化学株式会社製)と、
4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベ
ンを、それぞれ0.3nm/sおよび0.01nm/s
の蒸着速度で共蒸着して膜厚約80nmに形成した。発
光層(電子輸送層)としてトリス(8−キノリノラト)
アルミニウム(同仁化学株式会社製)を0.3nm/s
の蒸着速度で膜厚約40nmに形成する。
【0057】次に、電子注入電極として、AlLi合金
(高純度化学株式会社製、Al/Li重量比99/1)
から低温でLiのみを、約0.1nm/sの蒸着速度で
膜厚約1nmに形成し、続いて、そのAlLi合金をさ
らに昇温し、Liが出尽くした状態から、Alのみを、
約1.5nm/sの蒸着速度で膜厚約100nmに形成
し、積層型の電子注入電極とした。
【0058】このようにして作成した有機薄膜EL素子
は、蒸着槽内を乾燥窒素でリークした後、乾燥窒素雰囲
気下で、コーニング7059ガラス製の封止フタ41を
シール接着剤(シール剤)45(アネルバ株式会社製、
商品名スーパーバックシール953−7000)で貼り
付けて表示パネルとした。
【0059】なお、封止フタ41とアレイ基板49との
空間には乾燥剤55を配置する。これは、有機EL膜は
湿度に弱いためである。乾燥剤55によりシール剤45
を浸透する水分を吸収し有機EL膜47の劣化を防止す
る。
【0060】ホストにゲストをドーピングした発光層に
おいて,ゲスト材料のナノスケール集合状態に着目し,
ゲスト分子同士の分子間相互作用を抑制することで,輝
度と色純度の向上を可能となる。
【0061】有機ELにおいて発光する役割を担うゲス
ト材料は、発光性能を決める上で最も重要な役割を果た
す。赤色ゲスト材料の開発に際しては、溶液中では高い
発光特性を示すものの、膜中において効率が低下すると
いう問題がある。この問題を解決するために、まず発光
層中に分散しているゲスト材料の集合状態に着目する。
ナノスケールの集合状態を形成するゲスト分子同士の分
子間相互作用が有機ELの発光特性に大きな影響を与え
ているからである。
【0062】ゲスト分子の構造と分子間相互作用の相関
を調べ分子設計にフィードバックすることにより、分子
間相互作用が抑制することができる。したがって、ゲス
ト材料が持つ溶液状態での高い発光特性を膜中において
も得られるようになる。さらに、ホストとゲストの間の
マッチングが最適になるよう、ゲストの発光波長にでき
るだけ近いホスト材料を使用するとよい。
【0063】シール剤45からの水分の浸透を抑制する
ためには外部からの経路(パス)を長くすることが良好
な対策である。このため、本発明の表示パネルでは、表
示領域の周辺部に微細な凹凸43、44を形成してい
る。アレイ基板49の周辺部に形成した凸部44は少な
くとも2重に形成する。凸と凸との間隔(形成ピッチ)
は100μm以上500μm以下に形成することが好ま
しく、また、凸の高さは30μm以上300μm以下と
することが好ましい。この凸部はスタンパ技術で形成す
る。このスタンパ技術はオムロン社がマイクロレンズ形
成の方法として採用している方式、松下電器がCDのピ
ックアップレンズで微小レンズの形成方式として用いて
いる方式を応用する。
【0064】一方、封止フタ41にも凸部43を形成す
る。凸部43の形成ピッチは凸部44の形成ピッチと同
一にする。このように凸部43と44との形成ピッチを
同一にすることにより凸部43に凸部44がちょうどは
まり込む。そのため、表示パネルの製造時に封止フタ4
1とアレイ基板49との位置ずれが発生しない。凸部4
3と44間にはシール剤45を配置する。シール剤45
は封止フタ41とアレイ基板49とを接着するととも
に、外部からの水分の浸入を防止する。
【0065】シール剤45としてはUV(紫外線)硬化
型でアクリル系の樹脂からなるものを用いることが好ま
しい。また、アクリル樹脂はフッ素基を有するものを用
いることが好ましい。その他、エポキシ系の接着剤ある
いは粘着剤を用いてもよい。
【0066】接着剤あるいは粘着剤の屈折率は1.47
以上1.54以下のものを用いることが好ましい。特に
シール接着剤は酸化チタンの微粉末、酸化シリコンなど
の微粉末を重量比で65%以上95%以下の割合で添加
することが好ましい。また、この微粉末の粒子径は平均
直径は20μm以上100μm以下をすることが好まし
い。微粉末の重量比が多くなるほど外部からの湿度の進
入を抑制する効果が高くなる。しかし、あまりに多いと
気泡などが入りやすく、かえって空間が大きくなりシー
ル効果が低下してしまう。
【0067】乾燥剤の重量はシールの長さ10mmあた
り0.04g以上0.2g以下をすることが好ましい。
特にシールの長さ10mmあたり0.06g以上0.1
5g以下をすることが望ましい。乾燥剤の量がすくなす
ぎると水分防止効果が少なくすぐに有機EL層が劣化す
る。多すぎると乾燥剤がシールをする際に障害となり、
良好なシールを行うことができない。
【0068】図4ではガラスのフタ41を用いて封止す
る構成であるが、図7のようにフィルムを用いた封止で
あってもよい。たとえば、封止フィルムとしては電解コ
ンデンサのフィルムにDLC(ダイヤモンド ライク
カーボン)を蒸着したものを用いることが例示される。
このフィルムは水分浸透性が極めて悪い(防湿)。この
フィルムを封止膜74して用いる。また、DLC膜を電
極72の表面に直接蒸着する構成ものよいことは言うま
でもない。
【0069】有機EL層47から発生した光の半分は、
反射膜46で反射され、アレイ基板49と透過して出射
される。しかし、反射膜46は外光を反射し写り込みが
発生して表示コントラストを低下させる。この対策のた
めに、アレイ基板49にλ/4板50および偏光板54
を配置している。なお、画素が反射電極の場合はEL層
47から発生した光は上方向に出射される。したがっ
て、位相板50および偏光板54は光出射側に配置する
ことはいうまでもない。
【0070】なお、反射型画素は、画素電極48を、ア
ルミニウム、クロム、銀などで構成して得られる。ま
た、画素電極48の表面に、凸部(もしくは凹凸部)を
設けることで有機EL層との界面が広くなり発光面積が
大きくなり、また、発光効率が向上する。
【0071】基板49と偏光板(偏光フィルム)54間
には1枚あるいは複数の位相フィルム(位相板、位相回
転手段、位相差板、位相差フィルム)が配置される。位
相フィルムとしてはポリカーボネートを使用することが
好ましい。位相フィルムは入射光を出射光に位相差を発
生させ、効率よく光変調を行うのに寄与する。
【0072】その他、位相フィルムとして、ポリエステ
ル樹脂、PVA樹脂、ポリサルホン樹脂、塩化ビニール
樹脂、ゼオネックス樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン
樹脂等の有機樹脂板あるいは有機樹脂フィルムなどを用
いてもよい。その他、水晶などの結晶を用いてもよい。
1つの位相板の位相差は一軸方向に50nm以上350
nm以下とすることが好ましく、さらには80nm以上
220nm以下とすることが好ましい。
【0073】なお、図7に図示するように位相フィルム
と偏光板とを一体化した円偏光板74(円偏光フィル
ム)を用いてもよいことはいうまでもない。
【0074】位相フィルム50は染料あるいは顔料で着
色しフィルタとしての機能をもたせることが好ましい。
特に有機ELは赤(R)の純度が悪い。そのため、着色
した位相フィルム50で一定の波長範囲をカットして色
温度を調整する。カラーフィルタは、染色フィルタとし
て顔料分散タイプの樹脂で設けられるのが一般的であ
る。顔料が特定の波長帯域の光を吸収して、吸収されな
かった波長帯域の光を透過する。なお、モザイク状のカ
ラーフィルタ自身を位相フィルムとしてもちいてもよ
い。この場合は、EL素子15は白色発光のものを用い
る。
【0075】以上のように位相フィルムの一部もしくは
全体を着色したり、一部もしくは全体に拡散機能をもた
せたりしてもよい。また、表面をエンボス加工したり、
反射防止のために反射防止膜を形成したりしてもよい。
また、画像表示に有効でない箇所もしくは支障のない箇
所に、遮光膜もしくは光吸収膜を形成し、表示画像の黒
レベルをひきしめたり、ハレーション防止によるコント
ラスト向上効果を発揮させたりすることが好ましい。
【0076】また、位相フィルムの表面に凹凸を形成す
ることによりかまぼこ状あるいはマトリックス状にマイ
クロレンズを形成してもよい。マイクロレンズは1つの
画素電極あるいは3原色の画素にそれぞれ対応するよう
に配置する。
【0077】なお、マイクロレンズの定義には、集光性
のあるレンズの他に、微細はプリズムなども含まれる。
その他、形状が針状のものも含まれる。つまり、マイク
ロレンズとは、1つの形状が画素サイズと略一致する
か、もしくは対応するか、あるいは画素サイズ以下のも
のであり、光を屈曲させるものはすべて含まれる。
【0078】先にも記述したが、位相フィルムの機能は
カラーフィルタに持たせてもよい。たとえば、カラーフ
ィルタの形成時に圧延し、もしくは光重合により一定の
方向に位相差が生じるようにすることにより位相差を発
生させることができる。その他、図7の平滑化膜71を
光重合させることにより位相差を持たせてもよい。この
ように構成すれば位相フィルムを基板外に構成あるいは
配置する必要がなくなり表示パネルの構成が簡易にな
り、低コスト化が望める。なお、以上の事項は偏光板に
適用してもよいことはいうまでもない。
【0079】偏光板(偏光フィルム)54を構成する主
たる材料としてはTACフィルム(トリアセチルセルロ
ースフィルム)が最適である。TACフィルムは、優れ
た光学特性、表面平滑性および加工適性を有するからで
ある。TACフィルムの製造については、溶液流延製膜
技術で作製することが最適である。
【0080】偏光板はヨウ素などをポリビニールアルコ
ール(PVA)樹脂に添加した樹脂フィルムのものが例
示される。一対の偏光分離手段の偏光板は入射光のうち
特定の偏光軸方向と異なる方向の偏光成分を吸収するこ
とにより偏光分離を行うので、光の利用効率が比較的悪
い。そこで、入射光のうち特定の偏光軸方向と異なる方
向の偏光成分(reflective polariz
er:リフレクティブ・ポラライザー)を反射すること
により偏光分離を行う反射偏光子を用いてもよい。この
ように構成すれば、反射偏光子により光の利用効率が高
まって、偏光板を用いた上述の例よりもより明るい表示
が可能となる。
【0081】また、このような偏光板や反射偏光子以外
にも、本発明の偏光分離手段としては、例えばコレステ
リック液晶層と(1/4)λ板を組み合わせたもの、ブ
リュースターの角度を利用して反射偏光と透過偏光とに
分離するもの、ホログラムを利用するもの、偏光ビーム
スプリッタ(PBS)等を用いることも可能である。
【0082】図4では図示していないが、偏光板54の
表面にはAIRコートを施している。AIRコートは誘
電体単層膜もしくは多層膜で形成する構成が例示され
る。その他、1.35〜1.45の低屈折率の樹脂を塗
布してもよい。たとえば、フッ素系のアクリル樹脂など
が例示される。特に屈折率が1.37以上1.42以下
のものが特性は良好である。
【0083】また、AIRコートは3層の構成あるいは
2層構成がある。なお、3層の場合は広い可視光の波長
帯域での反射を防止するために用いられ、これをマルチ
コートと呼ぶ。2層の場合は特定の可視光の波長帯域で
の反射を防止するために用いられ、これをVコートと呼
ぶ。マルチコートとVコートは表示パネルの用途に応じ
て使い分ける。なお、2層以上の限定するものではな
く、1層でもよい。
【0084】マルチコートの場合は酸化アルミニウム
(Al2O3)を光学的膜厚がnd=λ/4、ジルコニ
ウム(ZrO2)をnd1=λ/2、フッ化マグネシウ
ム(MgF2)をnd1=λ/4積層して形成する。通
常、λとして520nmもしくはその近傍の値として薄
膜は形成される。Vコートの場合は一酸化シリコン(S
iO)を光学的膜厚nd1=λ/4とフッ化マグネシウ
ム(MgF2)をnd1=λ/4、もしくは酸化イット
リウム(Y2O3)とフッ化マグネシウム(MgF2)
をn d1=λ/4積層して形成する。SiOは青色側
に吸収帯域があるため青色光を変調する場合はY2O3
を用いた方がよい。また、物質の安定性からもY2O3
の方が安定しているため好ましい。また、SiO2薄膜
を使用してもよい。もちろん、低屈折率の樹脂等を用い
てAIRコートとしてもよい。たとえばフッ素等のアク
リル樹脂が例示される。これらは紫外線硬化タイプを用
いることが好ましい。
【0085】なお、表示パネルに静電気がチャージされ
ることを防止するため、表示パネルなどの表面に親水性
の樹脂を塗布しておくことが好ましい。その他、表面反
射を防止するため、偏光板54の表面などにエンボス加
工を行ってもよい。また、表面をITOなどの透明導電
物を形成しておくことも有効である。
【0086】画素電極48にはTFTが接続されるとし
たがこれに限定されるものではない。アクティブマトリ
ックスとは、スイッチング素子として薄膜トランジスタ
(TFT)の他、ダイオード方式(TFD)、バリス
タ、サイリスタ、リングダイオード、PLZT素子など
でもよいことは言うまでもない。その他、プラズマアド
レッシング技術を用いてもよい。また、TFTはLDD
(ロー ドーピング ドレイン)構造を採用することが
好ましい。
【0087】なお、TFTとは、FETなどスイッチン
グなどのトランジスタ動作をするすべての素子一般を意
味する。また、EL膜の構成、パネル構造などは単純マ
トリックス型表示パネルにも適用できることは言うまで
もない。また、本明細書ではEL素子として有機EL素
子を例のあげて説明するがこれに限定するものではな
く、無機EL素子にも適用されることは言うまでもな
い。
【0088】有機ELパネルに用いられるアクティブマ
トリックス方式は、1.特定の画素を選択し、必要な表
示情報を与えられること。2、1フレーム期間を通じて
EL素子に電流を流すことができることという2つの条
件を満足させなければならない。
【0089】この2つの条件を満足させるため、図12
に示す従来の有機ELの素子構成では、第1のTFT1
1aは画素を選択するためのスイッチング用トランジス
タ、第2のTFT11bはEL15に電流を供給するた
めの駆動用トランジスタとする。
【0090】ここで液晶に用いられるアクティブマトリ
ックス方式と比較すると、スイッチング用トランジスタ
11aは液晶用にも必要であるが、駆動用トランジスタ
11bはEL15を点灯させるために必要である。この
理由は液晶の場合は、電圧を印加することでオン状態を
保持することができるが、EL15の場合は、電流を流
しつづけなければ画素16の点灯状態を維持できないか
らである。
【0091】したがって、ELパネルでは電流を流し続
けるためにトランジスタ11bをオンさせ続けなければ
ならない。まず、走査線、データ線が両方ともオンにな
ると、スイッチング用トランジスタ11aを通してキャ
パシタ19に電荷が蓄積される。このキャパシタ19が
駆動用トランジスタ11bのゲートに電圧を加え続ける
ため、スイッチング用トランジスタ11aがオフになっ
ても、電流供給線20から電流が流れつづけ、1フレー
ム期間にわたり画素16をオンできる。
【0092】この構成を用いて階調を表示させる場合、
駆動用トランジスタ11bのゲート電圧として階調に応
じた電圧を印加する必要がある。したがって駆動用トラ
ンジスタ11bのオン電流のばらつきがそのまま表示に
現れる。
【0093】トランジスタのオン電流は単結晶で形成さ
れたトランジスタであれば、きわめて均一であるが、安
価なガラス基板に形成することのできる形成温度が45
0度以下の低温ポリシリ技術で形成した低温多結晶トタ
ンジスタでは、そのしきい値のばらつきが±0.2V〜
0.5Vの範囲でばらつきを持つため、駆動用トランジ
スタ11bを流れるオン電流がこれに対応してばらつ
き、表示にムラが発生する。これらのムラは、しきい値
電圧のばらつきのみならず、TFTの移動度、ゲート絶
縁膜の厚みなどでも発生する。
【0094】したがって、アナログ的に階調を表示させ
る方法では、均一な表示を得るために、デバイスの特性
を厳密に制御する必要があり、現状の低温多結晶ポリシ
リコンTFTではこのバラツキを所定範囲以内の抑える
というスペックを満足できない。この問題を解決するた
め、1画素内に4つのトランジスタをもうけて、しきい
値電圧のばらつきをコンデンサにより補償させて均一な
電流を得る方法、定電流回路を1画素ごとに形成し電流
の均一化を図る方法などが考えられる。
【0095】これらの方法は、プログラムされる電流が
EL素子15を通じてプログラムされるため電流経路が
変化した場合に電源ラインに接続されるスイッチングト
ランジスタに対し駆動電流を制御するトランジスタがソ
ースフォロワとなり駆動マージンが狭くなる。従って駆
動電圧が高くなるという課題を有する。
【0096】また、電源に接続するスイッチングトラン
ジスタをインピーダンスの低い領域で使用する必要があ
り、この動作範囲がEL素子15の特性変動により影響
を受けるという課題もある。その上、飽和領域における
電圧電流特性に、キンク電流が発生する場合、トランジ
スタのしきい値電圧の変動が発生した場合、記憶された
電流値が変動するとう課題もある。
【0097】本発明のEL素子構造は、上記課題に対し
て、EL素子15に流れる電流を制御するトランジスタ
が、ソースフォロワ構成とならず、かつそのトランジス
タにキンク電流があっても、キンク電流の影響を最小に
抑えることが出来て記憶される電流値の変動を小さくす
ることが出来る構成である。
【0098】本発明のEL素子構造は、具体的には図1
(a)に示すように単位画素が最低4つからなる複数の
トランジスタ11ならびにEL素子により形成される。
なお、画素電極はソース信号線と重なるように構成す
る。つまり、ソース信号線18上に絶縁膜あるいはアク
リル材料からなる平坦化膜を形成して絶縁し、この絶縁
膜上に画素電極を形成する。このようにソース信号線1
8上に画素電極を重ねる構成をハイアパーチャ(HA)
構造と呼ぶ。つまり、ソース信号線のエッジ部と画素電
極のエッジ部とが略一致させるか、もしくはソース信号
線のエッジ部と画素電極のエッジ部とが重なるようにす
る(絶縁膜が中間層にある)。
【0099】第1のゲート信号線(第1の走査線)17
aをアクティブ(ON電圧を印加)とすることにより第
1のトランジスタ(TFTあるいはスイッチング素子)
11aおよび第3のトランジスタ(TFTあるいはスイ
ッチング素子)11cを通して、前記EL素子15に流
すべき電流値を流し、第1のトランジスタのゲートとド
レイン間を短絡するように第2のトランジスタ11bが
第1のゲート信号線17aアクティブ(ON電圧を印
加)となることにより開くと共に、第1のトランジスタ
11aのゲートとソース間に接続されたコンデンサ(キ
ャパシタ、蓄積容量)19に、前記電流値を流すように
第1のトランジスタ11aのゲート電圧(あるいはドレ
イン電圧)を記憶する。
【0100】なお、第1のトランジスタ11aのソース
−ゲート間容量(コンデンサ)19は0.2pF以上2
pF以下の容量とすることが好ましい。他の構成とし
て、別途、コンデンサを形成する構成も例示される。つ
まり、コンデンサ電極レイヤーとゲート絶縁膜およびゲ
ートメタルから蓄積容量を形成する構成である。M3ト
ランジスタ11cのリークによる輝度低下を防止する観
点、表示動作を安定化させるための観点からはこのよう
に別途コンデンサを構成するほうが好ましい。
【0101】コンデンサ19の容量は、基本的には1画
素サイズに比例して決定する。画素サイズ0.01平方
mmあたり0.2pF以上1.0pFの範囲とすること
が好ましい。さらに好ましくは、画素サイズ0.01平
方mmあたり0.3pF以上0.8pFの範囲とするこ
とが好ましい。コンデンサ19の容量が小さいと1フレ
ーム期間に一定電圧を保持できず、画像がフリッカとな
る。容量が大きすぎると画素の開口率と著しく低下させ
る。
【0102】なお、コンデンサ19は隣接する画素間の
非表示領域におおむね形成することがこのましい。一般
的に、フルカラー有機ELを作成する場合、有機EL層
をメタルマスクによるマスク蒸着で形成するためマスク
位置ずれによるEL層の形成位置が発生する。位置ずれ
が発生すると各色の有機EL層が重なる危険性がある。
そのため、各色の隣接する画素間の非表示領域は10μ
以上離れなければならない。この部分は発光に寄与しな
い部分となる。したがって、蓄積容量19をこの領域に
形成することは開口率向上のために有効な手段となる。
【0103】次に、第1のゲート信号線17aを非アク
ティブ(OFF電圧を印加)、第2のゲート信号線17
bをアクティブとして、電流の流れる経路を前記第1の
トランジスタ11a並びにEL素子15に接続された第
4のトランジスタ11dならびに前記EL素子15を含
む経路に切り替えて、記憶した電流を前記EL素子15
に流すように動作する。
【0104】この回路は1画素内に4つのトランジスタ
11を有しており、第1のトランジスタM1のゲートは
第2のトランジスタM2のソースに接続されており、第
2のトランジスタおよび第3のトランジスタM2のゲー
トは第1のゲート信号線17aに、M2のドレインはM
3のソースならびに第4のトランジスタM4のソースに
接続されM3のドレインはソース信号線18に接続され
ている。トランジスタM4のゲートは第2のゲート信号
線17bに接続され、トランジスタM4のドレインはE
L15のアノード電極に接続されている。
【0105】なお、図1ではすべてのTFTFはPチャ
ンネルで構成している。Pチャンネルは多少Nチャンネ
ルのTFTに比較してモビリティが低いが、耐圧が大き
くまた劣化も発生しにくいので好ましい。しかし、本発
明はEL素子構成をPチャンネルで構成することのみに
限定するものではない。Nチャンネルのみで構成しても
よく、また、NチャンネルとPチャンネルの両方を用い
て構成してもよい。
【0106】また、第3および第4のトランジスタは同
一の極性で構成し、かつNチャンネルで構成し、第1お
よび第2のトランジスタはPチャンネルで構成すること
が好ましい。一般的にPチャンネルトランジスタはNチ
ャンネルトランジスタに比較して、信頼性が高い、キン
ク電流が少ないなどの特長があり、電流を制御すること
によって目的とする発光強度をえるEL素子に対して
は、第1のトランジスタ11aをPチャンネルにする効
果が大きい。
【0107】以下、本発明のEL素子構成について図1
3を用いて説明する。本発明のEL素子構成は2つのタ
イミングにより制御される。第1のタイミングは必要な
電流値を記憶させるタイミングである。このタイミング
でTFT11bならびにTFT11cがONすることに
より、等価回路として図13(a)となる。ここで、信
号線より所定の電流I1が書き込まれる。これによりT
FT11aはゲートとドレインが接続された状態とな
り、このTFT11aとTFT11cを通じて電流I1
が流れる。従って、TFT11aのゲート−ソースの電
圧はI1が流れるような電圧V1となる。
【0108】第2のタイミングはTFT11aとTFT
11cが閉じ、TFT11dが開くタイミングであり、
そのときの等価回路は図13(b)となる。TFT11
aのソース−ゲート間の電圧V1は保持されたままとな
る。この場合、M1のトランジスタ11aは常に飽和領
域で動作するため、I1の電流は一定となる。
【0109】なお、トランジスタ11aのゲートとトラ
ンジスタ11cのゲートは同一のゲート信号線11aに
接続している。しかし、トランジスタ11aのゲートと
トランジスタ11cのゲートとを異なるゲート信号線1
1に接続してもよい(SA1とSA2とを個別に制御で
きるようにする)。つまり、1画素のゲート信号線は3
本となる(図1の構成は2本である)。トランジスタ1
1aのゲートのON/OFFタイミングとトランジスタ
11cのゲートのON/OFFタイミングを個別に制御
することにより、トランジスタ11のばらつきによるE
L素子15の電流値バラツキをさらに低減することがで
きる。
【0110】第1のゲート信号線17aと第2のゲート
信号線17bとを共通にし、第3および第4のトランジ
スタが異なった導電型(NチャンネルとPチャンネル)
とすると、駆動回路の簡略化、ならびに画素の開口率を
向上させることが出来る。
【0111】このように構成すれば本発明の動作タイミ
ングとしては信号線からの書きこみ経路がオフになる。
すなわち所定の電流が記憶される際に、電流の流れる経
路に分岐があると正確な電流値がM1のソース−ゲート
間容量(コンデンサ)に記憶されない。TFTM3とT
FTM4を異なった導電形にすることにより、お互いの
閾値を制御することによって走査線の切り替わりのタイ
ミングで必ずM3がオフしたのちにM4がオンすること
が可能になる。
【0112】ただし、この場合お互いの閾値を正確にコ
ントロールする必要があるのでプロセスの注意が必要で
ある。なお、以上述べた回路は最低4つのトランジスタ
で実現可能であるが、より正確なタイミングのコントロ
ールあるいは後述するように、ミラー効果低減のために
トランジスタ11e(M5)を図1(b)に示すように
カスケード接続してトランジスタの総数が4以上になっ
ても動作原理は同じである。このようにトランジスタ1
1eを加えた構成とすることにより、トランジスタM3
を介してプログラムした電流がより精度よくEL素子1
5に流すことができるようになる。
【0113】図1の構成において、第1のトランジスタ
11aの飽和領域における電流値Idsが下式の条件を
満足させることがさらに好ましい。なお、下式において
λの値は、隣接する画素間において0.06以下0.0
1以上の条件を満足させる。
【0114】 Ids=k*(Vgs−Vth)2(1+Vds*λ) 本発明では、トランジスタ11aの動作範囲を飽和領域
に限定するが、一般的に飽和領域におけるトランジスタ
特性は、理想的な特性より外れ、ソースードレイン間電
圧の影響を受ける。この効果をミラー効果という。
【0115】隣接する画素におけるそれぞれのトランジ
スタ11aにΔVtなる閾値のシフトが発生した場合を
考える。この場合記憶される電流値は同じである。閾値
のシフトをΔLとすれば、約ΔV×λがトランジスタ1
1aの閾値が変動することによる、EL素子15の電流
値のずれに相当する。したがって、電流のずれをx
(%)以下に抑えるためには、閾値のシフトの許容量を
隣接する画素間でy(V)を許容するとして、λは0.
01×x/y以下でなければならないことが判る。
【0116】この許容値はアプリケーションの輝度によ
り変化する。輝度が100cd/m2から1000cd/m2まで
の輝度領域においては、変動量が2%以上あれば人間は
変動した境界線を認識する。したがって、輝度(電流
量)の変動量が2%以内であることが必要である。輝度
が100cd/cm2より高い場合は隣接する画素の輝
度変化量は2%以上となる。本発明のEL表示素子を携
帯端末用ディスプレイとして用いる場合、その要求輝度
は100cd/m2程度である。実際に図1の画素構成を試
作し、閾値の変動を測定すると、隣接する画素のトラン
ジスタ11aおいては閾値の変動の最大値は0.3Vで
あることが判った。
【0117】したがって、輝度の変動を2%以内に抑え
るためにはλは0.06以下でなければならない。しか
し、0.01以下にする必要はない。人間が変化を認識
することができないからである。また、この閾値のバラ
ツキを達成するためにはトランジスタサイズを十分大き
くする必要があり、非現実的である。
【0118】また、第1のトランジスタ11aの飽和領
域における電流値Idsが下式を満足するように構成す
ることが好ましい。なお、λの変動が隣接する画素間に
おいて5%以下1%以上とする。
【0119】 Ids=k*(Vgs−Vth)2(1+Vds*λ) 隣接する画素間において、たとえ閾値の変動が存在しな
い場合でも上記式のλに変動があれば、ELを流れる電
流値が変動する。変動を±2%以内に抑えるためには、
λの変動を±5%に抑えなければならない。しかし、し
かし、1%以下にする必要はない。人間が変化を認識す
ることができないからである。また、1%以下を達成す
るためにはトランジスタサイズを相当に大きくする必要
があり、非現実的である。
【0120】また、実験、アレイ試作および検討によれ
ば第1のトランジスタ11aのチャンネル長が10μm
以上200μm以下とすることが好ましい。さらに好ま
しくは、第1のトランジスタ11aのチャンネル長が1
5μm以上150μm以下とすることが好ましい。これ
は、チャンネル長Lを長くした場合、チャンネルに含ま
れる粒界が増えることによって電界が緩和されキンク効
果が低く抑えられるためであると考えられる。
【0121】また、画素を構成するトランジスタ11
が、レーザ再結晶化方法(レーザアニ−ル)により形成
されたポリシリコンTFTで形成され、すべてのトラン
ジスタにおけるチャンネルの方向がレーザの照射方向に
対して同一の方向であることが好ましい。
【0122】本特許の発明の目的は、トランジスタ特性
のばらつきが表示に影響を与えない回路構成を提案する
ものであり、そのために4トランジスタ以上が必要であ
る。これらのトランジスタ特性により、回路定数を決定
する場合、4つのトランジスタの特性がそろわなけれ
ば、適切な回路定数を求めることが困難である。レーザ
照射の長軸方向に対して、チャンネル方向が水平の場合
と垂直の場合では、トランジスタ特性の閾値と移動度が
異なって形成される。
【0123】なお、どちらの場合もばらつきの程度は同
じである。水平方向と、垂直方向では移動度、閾値のあ
たいの平均値が異なる。したがって、画素を構成するす
べてのトランジスタのチャンネル方向は同一であるほう
が望ましい。
【0124】また、蓄積容量19の容量値をCs、第2
のトランジスタ11bのオフ電流値をIoffとした場
合、次式を満足させることが好ましい。
【0125】3 < Cs/Ioff < 24 さらに好ましくは、次式を満足させることが好ましい。
【0126】6 < Cs/Ioff < 18 トランジスタ11bのオフ電流を5pA以下とすること
により、ELを流れる電流値の変化を2%以下に抑える
ことが可能である。これはリーク電流が増加すると、電
圧非書き込み状態においてゲート−ソース間(コンデン
サの両端)に貯えられた電荷を1フィールド間保持でき
ないためである。したがって、コンデンサ19の蓄積用
容量が大きければオフ電流の許容量も大きくなる。前記
式を満たすことによって隣接画素間の電流値の変動を2
%以下に抑えることができる。
【0127】また、アクティブマトリックスを構成する
トランジスタがp−chポリシリコン薄膜トランジスタ
に構成され、トランジスタ11bがデュアルゲート以上
であるマルチゲート構造とすることが好ましい。トラン
ジスタ11bは、トランジスタ11aのソース−ドレイ
ン間のスイッチとして作用するため、できるだけON/
OFF比の高い特性が要求される。トランジスタ11b
のゲートの構造をデュアルゲート構造以上のマルチゲー
ト構造とすることによりON/OFF比の高い特性を実
現できる。
【0128】また、アクティブマトリックスを構成する
トランジスタがポリシリコン薄膜トランジスタで構成さ
れており、各トランジスタの(チャンネル幅W)*(チ
ャンネル長L)を54μm2以下とすることが好まし
い。(チャンネル幅W)*(チャンネル長L)とトラン
ジスタ特性のバラツキとは相関がある。
【0129】トランジスタ特性におけるばらつきの原因
は、レーザの照射によるエネルギーのばらつきなどに起
因するものが大きく、したがってこれを吸収するために
は、できるだけレーザの照射ピッチ(一般的には10数
μm)をチャンネル内により多く含む構造が望ましい。
各トランジスタの(チャンネル幅W)*(チャンネル長
L)を54μm2以下とすることによりレーザ照射に起
因するばらつきがなく、特性のそろった薄膜トランジス
タを得ることができる。
【0130】なお、あまりにもトランジスタサイズが小
さくなると面積による特性ばらつきが発生する。したが
って、各トランジスタの(チャンネル幅W)*(チャン
ネル長L)は9μm2以上となるようにする。なお、さ
らに好ましくは、各トランジスタの(チャンネル幅W)
*(チャンネル長L)は16μm2以上45μm2以下と
なるようにすることが好ましい。
【0131】また、隣接する単位画素での第1のトラン
ジスタ11aの移動度変動が20%以下であるようにす
ることが好ましい。移動度が不足することによりスイッ
チングトランジスタの充電能力が劣化し、時間内に必要
な電流値を流すまでに、M1のゲート−ソース間の容量
を充電できない。従って移動のばらつきを20%以内に
抑えることにより画素間の輝度のばらつきを認知限以下
にすることができる。
【0132】以上の説明は、画素構成が図1の構成とし
て説明したが、以上の事項は図20、図21に図示する
構成にも適用することができる。以下、図20などの画
素構成について、構成、動作などの説明をする。
【0133】EL素子15に流す電流を設定する時、T
FT11aに流す信号電流をIw、その結果TFT11
aに生ずるゲート・ソース間電圧をVgsとする。書き
込み時はTFT11dによってTFT11aのゲート・
ドレイン間が短絡されているので、TFT11aは飽和
領域で動作する。よって、Iwは、以下の式で与えられ
る。
【0134】 Iw=μ1・Cox1・W1/L1/2(Vgs−Vth1)2 … (1) ここで、Coxは単位面積当たりのゲート容量であり、
Cox=ε0・εr/dで与えられる。VthはTFT
の閾値、μはキャリアの移動度、Wはチャンネル幅、L
はチャンネル長、ε0は真空の移動度、εrはゲート絶
縁膜の比誘電率を示し、dはゲート絶縁膜の厚みであ
る。
【0135】EL素子15に流れる電流をIddとする
と、Iddは、EL素子15と直列に接続されるTFT
1bによって電流レベルが制御される。本発明では、そ
のゲート・ソース間電圧が(1)式のVgsに一致する
ので、TFT1bが飽和領域で動作すると仮定すれば、
以下の式が成り立つ。
【0136】 Idrv=μ2・Cox2・W2/L2/2(Vgs−Vth2)2 …(2 ) 絶縁ゲート電界効果型の薄膜トランジスタ(TFT)が
飽和領域で動作するための条件は、Vdsをドレイン・
ソース間電圧として、一般に以下の式で与えられる。
【0137】 |Vds|>|Vgs−Vth| … (3) ここで、TFT11aとTFT11bは、小さな画素内
部に近接して形成されるため、大略μ1=μ2及びCo
x1=Cox2であり、特に工夫を凝らさない限り、V
th1=Vth2と考えられる。すると、このとき
(1)式及び(2)式から容易に以下の式が導かれる。
【0138】 Idrv/Iw=(W2/L2)/(W1/L1) … (4) ここで注意すべき点は、(1)式及び(2)式におい
て、μ、Cox,Vthの値自体は、画素毎、製品毎、
あるいは製造ロット毎にばらつくのが普通であるが、
(4)式はこれらのパラメータを含まないので、Idr
v/Iwの値はこれらのばらつきに依存しないというこ
とである。
【0139】仮にW1=W2,L1=L2と設計すれ
ば、Idrv/Iw=1、すなわちIwとIdrvが同
一の値となる。すなわちTFTの特性ばらつきによら
ず、EL素子15に流れる駆動電流Iddは、正確に信
号電流Iwと同一になるので、結果としてEL素子15
の発光輝度を正確に制御できる。
【0140】以上の様に、変換用TFT11aのVth
1と駆動用TFT11bのVth2は基本的に同一であ
る為、両TFTお互いにの共通電位にあるゲートに対し
てカットオフレベルの信号電圧が印加されると、TFT
11a及びTFT11b共に非導通状態になるはずであ
る。ところが、実際には画素内でもパラメータのばらつ
きなどの要因により、Vth1よりもVth2が低くな
ってしまうことがある。この時には、駆動用TFT11
bにサブスレッショルドレベルのリーク電流が流れる
為、EL素子15は微発光を呈する。この微発光により
画面のコントラストが低下し表示特性が損なわれる。
【0141】本発明では特に、駆動用TFT11bの閾
電圧Vth2が画素内で対応する変換用TFT11aの
閾電圧Vth1より低くならない様に設定している。例
えば、TFT11bのゲート長L2をTFT11aのゲ
ート長L1よりも長くして、これらの薄膜トランジスタ
のプロセスパラメータが変動しても、Vth2がVth
1よりも低くならない様にする。これにより、微少な電
流リークを抑制することが可能である。以上の事項は図
1のTFT11aとTFT11dの関係にも適用され
る。
【0142】図21に示すように、信号電流が流れる変
換用トランジスタTFT11a、EL素子15等からな
る発光素子に流れる駆動電流を制御する駆動用トランジ
スタTFT11bの他、第1の走査線scanA(S
A)の制御によって画素回路とデータ線dataとを接
続もしくは遮断する取込用トランジスタTFT11c、
第2の走査線scanB(SB)の制御によって書き込
み期間中にTFT1111aのゲート・ドレインを短絡
するスイッチ用トランジスタTFT11d,TFT11
aのゲート・ソース間電圧を、書き込み終了後も保持す
るための容量C19および発光素子としてのEL素子1
5などから構成される。したがって、ゲート信号線は各
画素2本であることから、以前に説明した図1、図2、
図3などで説明した本発明の明細書全体の構成、機能、
動作などが適用することができる。
【0143】図21でTFT11cはNチャンネルMO
S(NMOS)、その他のトランジスタはPチャンネル
MOS(PMOS)で構成しているが、これは一例であ
って、必ずしもこの通りである必要はない。容量Cは、
その一方の端子をTFT11aのゲートに接続され、他
方の端子はVdd(電源電位)に接続されているが、V
ddに限らず任意の一定電位でも良い。EL素子15の
カソード(陰極)は接地電位に接続されている。したが
って、以上の事項は図1などにも適用されることは言う
までもない。
【0144】図21の構成は、走査線scanA及びs
canBを順次選択する走査線駆動回路と、輝度情報に
応じた電流レベルを有する信号電流Iwを生成して逐次
データ線dataに供給する電流源CSを含むデータ線
駆動回路と、各走査線scanA,scanB及び各デ
ータ線dataの交差部に配されていると共に、駆動電
流の供給を受けて発光する電流駆動型のEL素子15を
含む複数の画素とを備えている。
【0145】特徴事項として、図21に示した画素構成
は、当該走査線scanAが選択された時当該データ線
dataから信号電流Iwを取り込む受入部と、取り込
んだ信号電流Iwの電流レベルを一旦電圧レベルに変換
して保持する変換部と、保持された電圧レベルに応じた
電流レベルを有する駆動電流を当該発光素子OLEDに
流す駆動部とからなる。具体的には、前記受入部は取込
用トランジスタTFT11cからなる。
【0146】前記変換部は、ゲート、ソース、ドレイン
及びチャネルを備えた変換用薄膜トランジスタTFT1
1aと、そのゲートに接続した容量Cとを含んでいる。
変換用薄膜トランジスタTFT11a、受入部によって
取り込まれた信号電流Iwをチャネルに流して変換され
た電圧レベルをゲートに発生させ、容量C19ートに生
じた電圧レベルを保持する。
【0147】更に前記変換部は、変換用薄膜トランジス
タTFT11aドレインとゲートとの間に挿入されたス
イッチ用薄膜トランジスタTFT11dを含んでいる。
スイッチング用薄膜トランジスタTFT11dは、信号
電流Iwの電流レベルを電圧レベルに変換する時に導通
し、変換用薄膜トランジスタTFT11aのドレインと
ゲートを電気的に接続してソースを基準とする電圧レベ
ルをTFT11aのゲートに生ぜしめる。又、スイッチ
用薄膜トランジスタTFT11dは、電圧レベルを容量
Cに保持する時に遮断され、変換用薄膜トランジスタT
FT11aのゲート及びこれに接続した容量C19をT
FT11aのドレインから切り離す。
【0148】また、前記駆動部は、ゲート、ドレイン、
ソース及びチャネルを備えた駆動用薄膜トランジスタT
FT11bを含んでいる。駆動用薄膜トランジスタTF
Tbは、容量C19に保持された電圧レベルをゲートに
受け入れそれに応じた電流レベルを有する駆動電流をチ
ャネルを介してEL素子15に流す。変換用薄膜トラン
ジスタTFT11aのゲートと駆動用薄膜トランジスタ
TFT11bのゲートとが直接に接続されてカレントミ
ラー回路を構成し、信号電流Iwの電流レベルと駆動電
流の電流レベルとが比例関係となる様にしている。
【0149】駆動用薄膜トランジスタTFT11bは飽
和領域で動作し、そのゲートに印加された電圧レベルと
閾電圧との差に応じた駆動電流をEL素子15に流す。
【0150】駆動用薄膜トランジスタTFT11bは、
その閾電圧が画素内で対応する変換用薄膜トランジスタ
TFT11aの閾電圧より低くならない様に設定されて
いる。具体的には、TFT11bは、そのゲート長がT
FT11Aのゲート長より短くならない様に設定されて
いる。あるいは、TFT11bは、そのゲート絶縁膜が
画素内で対応するTFT11aのゲート絶縁膜より薄く
ならないように設定しても良い。
【0151】あるいは、TFT11bは、そのチャネル
に注入される不純物濃度を調整して、閾電圧が画素内で
対応するTFT11aの閾電圧より低くならない様に設
定してもよい。仮に、TFT11aとTFT11bの閾
電圧が同一となる様に設定した場合、共通接続された両
薄膜トランジスタのゲートにカットオフレベルの信号電
圧が印加されると、TFT11a及びTFT11bは両
方共オフ状態になるはずである。ところが、実際には画
素内にも僅かながらプロセスパラメータのばらつきがあ
り、TFT11aの閾電圧よりTFT11bの閾電圧が
低くなる場合がある。
【0152】この時には、カットオフレベル以下の信号
電圧でもサブスレッショルドレベルの微弱電流が駆動用
TFT11bに流れる為、EL素子15は微発光し画面
のコントラスト低下が現れる。そこで、TFT11bの
ゲート長をTFT11aのゲート長よりも長くしてい
る。これにより、薄膜トランジスタのプロセスパラメー
タが画素内で変動しても、TFT11bの閾電圧がTF
T11aの閾電圧よりも低くならない様にする。
【0153】ゲート長Lが比較的短い短チャネル効果領
域Aでは、ゲート長Lの増加に伴いVthが上昇する。
一方、ゲート長Lが比較的大きな抑制領域Bではゲート
長Lに関わらずVthはほぼ一定である。この特性を利
用して、TFT11bのゲート長をTFT11aのゲー
ト長よりも長くしている。例えば、TFT11aのゲー
ト長が7μmの場合、TFT11bのゲート長を10μ
m程度にする。
【0154】TFT11aのゲート長が短チャネル効果
領域Aに属する一方、TFT11bのゲート長が抑制領
域Bに属する様にしても良い。これにより、TFT11
bにおける短チャネル効果を抑制することができるとと
もに、プロセスパラメータの変動による閾電圧低減を抑
制可能である。
【0155】以上により、TFT11bに流れるサブス
レッショルドレベルのリーク電流を抑制してEL素子1
5の微発光を抑え、コントラスト改善に寄与可能であ
る。
【0156】図21に示した画素回路の駆動方法を簡潔
に説明する。先ず、書き込み時には第1の走査線sca
nA、第2の走査線scanBを選択状態とする。両走
査線が選択された状態でデータ線dataに電流源CS
を接続することにより、TFT11aに輝度情報に応じ
た信号電流Iwが流れる。電流源CSは輝度情報に応じ
て制御される可変電流源である。このとき、TFT11
aのゲート・ドレイン間はTFT11dによって電気的
に短絡されているので(3)式が成立し、TFT11a
は飽和領域で動作する。従って、そのゲート・ソース間
には(1)式で与えられる電圧Vgsが生ずる。
【0157】次に、scanA,scanBを非選択状
態とする。詳しくは、まずscanBを低レベルとして
TFT11dをoff状態とする。これによってVgs
が容量C19によって保持される。次にscanAを高
レベルにしてoff状態とすることにより、画素回路と
データ線dataとが電気的に遮断されるので、その後
はデータ線dataを介して別の画素への書き込みを行
うことができる。ここで、電流源CSが信号電流の電流
レベルとして出力するデータは、scanBが非選択と
なる時点では有効である必要があるが、その後は任意の
レベル(例えば次の画素の書き込みデータ)とされて良
い。
【0158】TFT11bはTFT11aとゲート及び
ソースが共通接続されており、かつ共に小さな画素内部
に近接して形成されているので、TFT11bが飽和領
域で動作していれば、TFT11bを流れる電流は
(2)式で与えられ、これがすなわちEL素子15に流
れる駆動電流Iddとなる。TFT11bを飽和領域で
動作させるには、EL素子15での電圧降下を考慮して
もなお(3)式が成立するよう、十分な電源電位をVd
dに与えれば良い。
【0159】図21および図22において、カレントミ
ラーをこうせいするTFT(11a、11b)のカレン
トミラー比は3以上15以下にするとよい。特に5以上
10以下とすることがよい。ここで、たとえば、カレン
トミラー比5とはTFT11aのソース−ドレインに流
れる電流が5μAとすると、TFT11bのソース−ド
レインに流れる電流を1μAに設計することを言う。カ
レントミラー比はTFT11aと11bのトランジスタ
サイズにより自由に設計できる。
【0160】以上の容易カレントミラー比を1以上にす
るのは、ソース信号線18の寄生容量の影響を小さくす
るためである。図1、図21などのように電流駆動を行
う場合、黒表示ではソース信号線18に流れる電流が小
さくなる。そのため、ソース信号線18に寄生容量(ソ
ース−ゲート信号線クロス容量など)が大きいと、この
寄生容量の充放電に時間を必要とし、画素のコンデンサ
19に規定の電圧を1H(1水平走査期間)期間に書き
込めなくなるからである。
【0161】この課題を解決するためには、ソース信号
線に流れる電流を大きくするとよい。したがって、カレ
ントミラー比を1以上とすることにより寄生容量も十分
に充放電できるようになる。しかし、カレントミラー比
をあまりに大きくすると、ソースドライバIC14の消
費電力が大きくなってしまう。
【0162】カレントミラー比をKとしたとき、ソース
ドライバIC(回路)14の出力段からみた1本のソー
ス信号線の容量をApFとし、書き込み最大電流をIμ
Aとした時、Kは、C/(I・10)以上C/I以下の
範囲にすることが好ましい。
【0163】また、図1の構成では、ソースドライバI
C(回路)14の出力段からみた1本のソース信号線の
容量をApFとし、書き込み最大電流をIμAとし、1
水平走査時間(1H)をTμsecとした時、Tは、(4
・C)/I以上(20・C)/I以下の範囲にすること
が好ましい。
【0164】なお、図1(b)などと同様に、インピー
ダンスを増大させるためなどを目的として、図22に図
示するように、TFT11e、11fを付加しても良い
ことはいうまでもない。このようにTFT11e,11
fを付加することによりより良好な電流駆動を実現でき
る。他の事項は図1で説明しているで省略する。
【0165】このようにして作製した図1、図21など
で説明したEL表示素子に直流電圧を印加し、10mA/c
m2の一定電流密度で連続駆動させた。EL構造体は、
7.0V、200cd/cm2の緑色(発光極大波長λmax=4
75nm)の発光が確認できた。
【0166】青色発光部は、輝度100cd/cm2で、色
座標がx=0.15,y=0.17、緑色発光部は、輝
度250cd/cm2で、色座標がx=0.34,y=0.
63、赤色発光部は、輝度150cd/cm2で、色座標が
x=0.65,y=0.34の発光色が得られた。
【0167】以下、図1、図21などで説明した構成に
ついて、その検査方法および検査装置について順次説明
をする。
【0168】まず、表示パネルを構成するアレイ基板
(スイッチング素子が形成された基板)49は図23に
図示するように、1枚の基板231(たとえば、ガラス
基板)に多数個が同時に形成(作製)される。各アレイ
基板49は画素などを構成するスイッチング素子あるい
はゲートドライバ回路12などを静電気から防止するた
めにシートリング232が形成されている。
【0169】ショートリング232はゲート信号線17
およびソース信号線18共通に電気的短絡するものであ
る。構成材料としては、クロム(Cr)、アルミニウム
(Al)などの金属薄膜からなる。
【0170】図23では、各アレイ基板49のショート
リングは独立しているように図示しているがこれに限定
するものではなく、複数のショートリングが短絡状態に
形成してもよい。また、ショートリングはすべての辺を
短絡状態にする必要はなく、2辺だけであってもよい。
また、各辺のショートリングと他辺のショートリング間
はダイオードを用いて接続状態としてもよい。このよう
な構成も電気的短絡状態である。
【0171】図24は1枚のアレイ基板49の構成図で
ある。なお、各画素16は図1、図21あるいは図22
に図示した構成を例示しているがこれに限定するもので
はなく、たとえば、図38の構成でもよい。
【0172】ショートリング232bはゲート信号線1
7を電気短絡状態にしている。また、ショートリング2
32aはソース信号線18を電気短絡状態にしている。
ショートリング232aとショートリング232bとは
切断部241で接続されている。この切断部241と
は、クロム(Cr)の単層膜、あるいはモリブデンなど
の単層膜で形成され、レーザ光の照射などにより、容易
にショートリング232aと232bとを電気的に切断
状態にできるように構成されている。また、容易に切断
とは、切断箇所の幅を他の部分より狭めた構成でもよい
ことは言うまでもない。
【0173】その他、切断部に画素のスイッチング素子
の形成と同時にダイオードを形成し、電圧の印加方向に
対応して電気的断線状態にする構成であってもよい。そ
の他、切断部に比較的高抵抗の抵抗体を形成し、たとえ
ば、ショートリング232bに印加した電圧が抵抗体の
電圧降下によりショートリング232aに伝達されない
ように構成してもよい。
【0174】なお、242はソースドライバIC14の
端子電極と接続するための端子電極である。端子電極2
42とソースドライバIC14の端子とはCOG(チッ
プオンガラス)技術で接続される。端子電極242はシ
ョートリング232aをカットすることにより、個々に
分離される。
【0175】アレイ基板49または表示パネルとしてか
ら検査するためには、まず、切断部241が切断され
る。端子62にはVdd電圧(アノード電圧)が印加さ
れる。端子61にはVs1電圧(カソード電圧)が印加
される。
【0176】図25は検査装置および検査方法の説明図
である。ショートリング232bにはスイッチング素子
11bなどをオンする電圧(以下、オン電圧と呼ぶ)が
印加される。253は信号源である。信号源253bは
オン電圧またはスイッチング素子をオフにするオフ電圧
を出力する。具体的には図1の場合、オン電圧は12
(V)、オフ電圧は−2(V)である。前記オン電圧は
プローブ251bによりショートリング232bに印加
される。したがって、すべてのゲート信号線17にはオ
ン電圧が印加される。
【0177】一方、信号源253cはVdd電圧を発生
し、プローブ251cを介して端子62に印加される。
具体的にはVdd電圧は12(V)である。また、信号
源253aはVs1電圧を発生し、プローブ251aを
介して端子61に印加される。具体的には、Vs1電圧
は0(V)である。なお、EL素子の点灯状態は、図2
5に示すように観察者252が直接に目により光学的に
観察するほか、CCDカメラで観察あるいは測定した
り、スキャナで走査することにより観察あるいは測定も
しくは検出したり、ホトセンサで検出、観察したりのい
ずれでもよい。
【0178】一方、ショートリング232aはオープン
状態にする。つまり、開放状態である。開放状態とは高
抵抗でもよいし、リレーなどのメカニカルなスイッチに
より開放でもよいし、ホトダイオード、ホトトランジス
タなどによる電気的な開放状態でもよい。
【0179】なお、明細書ではすべてのゲート信号線1
7に同一の電圧を印加し、すべてのソース信号線をオー
プン状態にするとして説明するが、これは説明を容易に
するためである。したがって、検査にあたっては、必要
な部位のみの信号線を制御すればよいことは言うまでも
ない。
【0180】図1の構成において、ゲート信号線17
a、17bにオン電圧を印加すると、TFT11b、1
1c、11dがオン状態をなる。したがって、画素の等
価回路は図26のごとくなる。ソース信号線18はオー
プン状態のため、電流Isは流れず、駆動TFT11a
を流れる電流IはすべてEL素子15に流れる電流Id
dとなる。
【0181】図25の状態では、すべてのゲート信号線
17にオン電圧が印加されているため、すべての画素は
図26の状態となる。したがって、表示パネルに表示さ
れている画素はすべて点灯状態となる。もし、非点灯状
態の画素があればTFTが壊れているか、能力が低いこ
とになる。
【0182】以上のように電圧などを印加することによ
り表示領域の画素は点灯状態にすることができ、検査を
行うことができる。また、Vdd電圧を変化させること
により、EL素子15の特性などを直接光学的に観察す
ることができる。また、TFT11aの能力も観察する
ことが容易である。
【0183】なお、図1においてTFT11bのゲート
端子とTFT11cのゲート端子とを個別に制御できる
ように構成すれば、図26の状態において、TFT11
bをオンさせ、同時にTFT11cをオフに維持するこ
とができる。したがって、ソース信号線18に電圧ある
いは電流などが印加されていても良好な検査を行うこと
ができる。
【0184】図27に示すようにゲート信号線に印加す
る電圧を変化させることによりより、EL素子15およ
び駆動TFT11aの特性などを的確に性能判断するこ
とができる。図27(a)はアノード電圧を示す。図2
7(b)がようにゲート信号線17a,17bに電圧を
印加すれば図26の状態となる。ゲート信号線17に対
し、図27(c)のように印加すればコンデンサ19は
充電と放電とを繰り返すことになる。
【0185】したがって、図28(d)のようにゲート
信号線に印加する駆動波形の周期を変化させることによ
り、EL表示パネルの表示状態を変化させることができ
る。また、コンデンサ19に充電してからその後、図2
7(e)に示すようにゲート信号線17にオフ電圧を印
加すれば、コンデンサ19の電荷は放電し、EL表示パ
ネルの表示輝度はだんだんと低下する。この低下の状態
を観察あるいは測定するとにより表示パネルの保持率な
どを測定することができる。
【0186】図27(c)(d)(e)に示すようにゲ
ート電圧波形を変化させれば作製されたEL素子の能力
あるいは欠陥などを短期間で検出あるいは検査すること
ができる。また、Vdd電圧あるいはVs1電圧を変化
させてもELパネルの表示能力あるいは欠陥状態などを
測定あるいは検査できることは言うまでもない。
【0187】図28は低温ポリシリコン技術あるいは高
温ポリシリコン技術などでアレイ基板49にゲートドラ
イバ回路12を直接形成した構成である。図24との差
異は、切断部241がない点である。図2でも説明した
ようにゲートドライバ12はシフトレジスタ回路あるい
はイネーブル回路を動作させることのより、ゲート信号
線17a,17bの任意の端子にオン電圧またはオフ電
圧を印加することができる。
【0188】なお、低温ポリシリコン技術あるいは高温
ポリシリコン技術などでアレイ基板49にソースドライ
バ回路14を直接形成してもよいことは言うまでもな
い。
【0189】したがって、図28の構成において、ゲー
トドライバ回路12を制御することにより図26、図2
7で説明した検査方法を容易に実施することができる。
また、ショートリング232bへのプロ−ビングは必要
でなくなる。他の構成あるいは方法は図25、図26、
図27などで説明しているので説明を省略する。
【0190】図29はゲート信号線17aをショートリ
ング232aでショートし、ゲート信号線17bはショ
ートリング232cでショートした構成である。アレイ
基板49あるいはEL表示装置を検査する時は、図24
と同様に切断箇所241a、241bを切断する。
【0191】図29のゲート信号線17aとゲート信号
線17bとを個別に制御できるようになる。したがっ
て、図26の構成では、TFT11b、11c(ゲート
信号線17aに接続されている)と、TFT11d(ゲ
ート信号線17bに接続されている)とを独立して制御
することができる。この検査方法は図30を用いて説明
をする。
【0192】図29の構成ではソース信号線には電流あ
るいは電圧を印加する。印加手段としてはソースドライ
バ回路14を用いてもよいし、別途信号発生手段を用い
てもよい。ここでは、説明を容易にするため、電圧を印
加するとして説明をする。
【0193】まず、図30(a)に示すようにソース信
号線18に電圧V1を印加する。この際、ゲート信号線
17aにはオン電圧を印加し、図1に示すTFT11b
およびTFT11cをオンさせる。また、ゲート信号線
17bにはオフ電圧を印加し、EL素子15に接続され
たTFT11dをオフさせておく。すると、電圧V1が
コンデンサ19に印加される。所定時間後、コンデンサ
19に保持されている電圧V2を読み出す。この動作を
実施することにより、コンデンサの保持能力およびTF
T11b、TFT11cの欠陥の有無を検査することが
できる。
【0194】TFT11dの検査を行う場合には、図3
0(a)に示すようにコンデンサ19に電圧を保持させ
た後、ゲート信号線17aにはオフ電圧を印加し、図1
に示すTFT11bおよびTFT11cをオフさせる。
また、ゲート信号線17bにはオン電圧を印加し、EL
素子15に接続されたTFT11dをオンさせる。する
と、電流Iddのパスが発生し、EL素子15に電流が
流れるため、EL素子15が点灯する。したがって、T
FT11dの欠陥の有無、EL素子の能力あるいは欠陥
の有無を検出することができる。
【0195】なお、以上に説明した事項は図1(b)の
構成でも同様である。Vbb端子にオン電圧を印加し、
TFT11eをオンさせておけば、図1(a)の構成と
なるからである。
【0196】TFT11bを制御するゲート信号線と、
TFT11cを制御するゲート信号線およびTFT11
dを制御するゲート信号線とを個別に制御するように構
成すれば、さらに良好な検査を行うことができる。この
場合は、各画素のゲート信号線は3本となる。
【0197】図31はゲート信号線が3本の場合の検査
方法の説明図である。当然のことながら、図30で説明
した検査方法を実施できることは言うまでもない。
【0198】図29の構成ではソース信号線には電流あ
るいは電圧を印加する。印加手段としてはソースドライ
バ回路14を用いてもよいし、別途信号発生手段を用い
てもよい。ここでは、説明を容易にするため、電圧を印
加するとして説明をする。
【0199】まず、図31(a)に示すようにソース信
号線18に電圧V1を印加する。この際、ゲート信号線
17aにはオン電圧を印加することにより、図1に示す
TFT11bおよびTFT11cをオンさせる。また、
ゲート信号線17bにはオフ電圧を印加することによ
り、EL素子15に接続されたTFT11dをオフさせ
ておく。
【0200】以上のようにTFT11を制御することに
より、ソース信号線からEL素子15が切り離され、E
L素子15の影響を受けずに検査を実施することができ
る。なお、電圧V1を印加するとしたが、これは、ソー
ス信号線18に電流を印加すると考えてもよい。以上の
事項は図30(a)でも同様である。
【0201】電圧V1がコンデンサ19に印加される。
所定時間後、コンデンサ19に保持されている電圧V2
(変化していることを想定)を読み出す。この動作を実
施することにより、コンデンサの保持能力およびTFT
11b、TFT11cの欠陥の有無を検査することがで
きる。電圧V2を読み出すとしたが、具体的に電圧を測
定することの他、電流の流れる方向、大きさを測定する
ことも含まれる。また、単に、電圧があるかいなかの有
無を検出することも含まれる。以上の事項は図30
(a)でも同様である。
【0202】TFT11cの検査を行う場合には、図3
1(b)に示すようにコンデンサ19に電圧を保持させ
た後、TFT11b、TFT11dにオフ電圧を印加
し、TFT11cをオンさせる。すると、電流Iddの
パスが発生させることができる。この場合、EL素子1
5は点灯せずに測定を行うことができる。この検査によ
りTFT11aの駆動能力を測定することができ、ま
た、TFT11cの欠陥の有無も検査することができ
る。さらに流れる電流Idd(もしくは出力される電
圧)をモニターすることにより、コンデンサ19の保持
能力あるいは保持特性を検査することができる。
【0203】TFT11dの検査を行う場合には、図3
0(b)に示すようにコンデンサ19に電圧を保持させ
た後、TFT11bおよびTFT11cをオフさせる。
また、ゲート信号線17bにはオン電圧を印加し、EL
素子15に接続されたTFT11dをオンさせる。する
と、電流Iddのパスが発生し、EL素子15に電流が
流れるため、EL素子15が点灯する。したがって、T
FT11dの欠陥の有無、EL素子の能力あるいは欠陥
の有無を検出することができる。
【0204】EL素子15を検査するためには、図31
(c)に示すように、TFT11cおよびTFT11d
をオフさせる。ソース信号線18からEL素子15に直
接電流を流せるパスができる。したがって、電流Idd
をEL素子に流すことができる。また、EL素子15の
アノードの電圧を直接モニターできるようになる。
【0205】EL素子15に電流を流し、また、電流の
オンオフを実施することによりEL素子15の特性を評
価でき、TFT11cおよび11dの欠陥の有無、EL
素子の能力あるいは欠陥の有無を検出することができ
る。
【0206】図32は低温ポリシリコン技術あるいは高
温ポリシリコン技術などでアレイ基板49にゲートドラ
イバ回路12およびソースドライバ回路14を直接形成
した構成である。
【0207】したがって、図32の構成において図28
と同様に、ゲートドライバ回路12を制御することによ
り図26、図27で説明した検査方法を容易に実施する
ことができる。また、ショートリング232bへのプロ
−ビングは必要でなくなる。また、ソースドライバ回路
14の制御により図30、図31で説明したように、ソ
ース信号線18に任意の電圧を容易に印加することがで
きるようになる。
【0208】ソースドライバ回路14は図33で図示し
ているように、シフトレジスタ22bとPチャンネルと
NチャンネルのTFTが組となることにより構成された
トランスファーゲート(TG)、インバータ回路23、
アナログスイッチなどのスイッチ回路334などから構
成される。インバータ回路23、TGの構成(段数、大
きさ、能力など)については図2で説明した事項が適用
されるので説明を省略する。
【0209】TG333に接続されるインバータ23の
段数はTG333のPチャンネルとNチャンネルとで1
段異なるように構成されている。したがって、シフトレ
ジスタ22bの出力により1つのTGはオンオフする。
TG333のソース端子には映像信号線331により映
像信号が印加される。図33では映像信号線は1本であ
るが、カラー表示を行う場合はR,G,Bの映像信号が
形成され、また、TGあるいはシフトレジスタの能力
(モビリティなど)が低い場合は、複数に分割されて駆
動される。したがって、各映像信号線も複数本となる。
【0210】なお、図33で説明しているソースドライ
バ回路14は点順次駆動を想定して説明しているが、こ
れに限定するものではなく、線順次駆動であってもよ
く、またR−DA方式などDA回路を用いたもの、ある
いはサンプルホールド回路を用いたもののなどのいずれ
でもよいことは言うまでもない。他の構成あるいは方法
は図25、図26、図27などで説明しているので説明
を省略する。
【0211】図33の特徴はソース信号線18との接続
箇所にスイッチ334を具備する点である。スイッチ3
34はTFTからなるアナログスイッチの他、メカニカ
ルリレー、ホトリレーなど2つの接点間をオンオフさせ
るすべてのものを意味する。また、スイッチ制御線33
2によりすべてのスイッチ334を制御できるように図
示したがこれに限定されるものではなく、各ソース信号
線18に配置されたスイッチ334が個別に制御できる
ように構成してもよいことは言うまでもない。
【0212】また、スイッチはソースドライバ14内に
形成したように図示したがこれに限定するものではな
く、アレイ基板49に画素TFTを同時に形成してもよ
いことは言うまでもない。また、別途、IC化してアレ
イ基板に実装してもよい。
【0213】図33のように構成することにより、スイ
ッチ334をオープンにすることによりソースドライバ
回路14をアレイのソース信号線18から切り離すこと
ができる。また、検査時には、任意のソース信号線18
に任意(所定)の電圧または電流を印加することができ
る。したがって、アレイ基板49あるいはEL表示パネ
ルの検査、評価を容易に実施することができる。
【0214】以上の事項は図1を中心として説明をした
が、本発明の検査装置および検査方法は図21、図22
の構成であっても実施することができる。このことは図
34を用いて説明をする。説明を容易にするため、アレ
イの構成状態は図29を例にあげて説明をする(もちろ
ん、図24、図32などであってもよいことはいういま
でもない)。
【0215】図29はゲート信号線17aをショートリ
ング232aでショートし、ゲート信号線17bはショ
ートリング232cでショートした構成である。アレイ
基板49あるいはEL表示装置を検査する時は、図24
と同様に切断箇所241a、241bを切断する。
【0216】図29のゲート信号線17aとゲート信号
線17bとを個別に制御できるようになる。したがっ
て、図26の構成では、TFT11b、11c(ゲート
信号線17aに接続されている)と、TFT11d(ゲ
ート信号線17bに接続されている)とを独立して制御
することができる。
【0217】図29の構成ではソース信号線には電流あ
るいは電圧を印加する。印加手段としては図33で説明
したソースドライバ回路14を用いてもよいし、別途信
号発生手段を用いてもよい。ここでは、説明を容易にす
るため、電圧を印加するとして説明をする。
【0218】まず、図34(a)に示すように、ゲート
信号線17a、17bにオン電圧を印加し、TFT11
cおよびTFT11dをオンさせる。ソース信号線18
に電圧V1(もしくは電流)を印加する。するとコンデ
ンサ19に電圧V1が印加され、TFT11aがオンし
て電流が流れ、同時にカレントミラーの効果によりTF
T11bにも電流が流れてEL素子15が点灯する。印
加する電圧V1を変化させることにより、EL素子15
の点灯状態を変化させることができる。
【0219】所定時間後、コンデンサ19に保持されて
いる電圧V2を読み出す。この動作を実施することによ
り、コンデンサの保持能力およびTFT11c、TFT
11dの欠陥の有無を検査することができる。
【0220】TFT11dの検査を行う場合には、図3
4(b)に示すようにコンデンサ19に電圧を保持させ
た後、ゲート信号線17a、17bにはオフ電圧を印加
し、図21に示すTFT11cおよびTFT11dをオ
フさせる。すると、コンデンサ19に保持された電荷に
より、EL素子15に接続されたTFT11dがオンす
る。すると、電流Iddのパスが発生し、EL素子15
に電流が流れるため、EL素子15が点灯する。したが
って、TFT11bの欠陥の有無、EL素子の能力ある
いは欠陥の有無を検出することができる。
【0221】なお、以上に説明した事項は図22の構成
でも同様である。Vbb端子にオン電圧を印加し、TF
T11eおよびTFT11fをオンさせておけば、図2
1の構成となるからである。他の検査方法、検査装置な
どに関する事項は図1を中心として説明した事項と同一
あるいは同様であるので説明を省略する。
【0222】以上の実施例ではコンデンサ19の一端は
Vdd電圧に接地していたが、図35に図示するように
構成してもよい。図35ではコンデンサ19の一端子を
コンデンサ信号線351と接続している。コンデンサ信
号線351はゲート信号線17と同一方向に引き出され
ており、ゲート信号線17と同期を取って、1信号線こ
とに印加する電圧値を制御できるように制御されてい
る。一般的にPチャンネルのTFTはVddに対しゲー
ト電圧Vgが−4(V)以下にならないと電流が流れな
い。この状態では、ソース信号線18に印加する電圧は
−4(V)を基底として駆動する必要がある。したがっ
て、振幅が大きくなる。
【0223】この課題を解決するため、図36(a)に
図示するように、TFT11b、11cとオンさせた状
態の時、コンデンサ信号線351にはVdd電圧を印加
しておく。ソース信号線18にはPチャンネルTFT1
1aがオンする電圧V0を基準として所定の電流が得ら
れる電圧V3を印加する。
【0224】次にTFT11b、TFT11cをオフ
し、コンデンサ信号線351の電圧をV0電圧にする。
するとPチャンネルのTFT11aのVg電圧はV0+
V3となり、所望の電流をえることができる。
【0225】検査方法は、図36(a)に示すようにソ
ース信号線18に電圧V1を印加する。この際、ゲート
信号線17aにはオン電圧を印加し、図1に示すTFT
11bおよびTFT11cをオンさせる。また、ゲート
信号線17bにはオフ電圧を印加し、EL素子15に接
続されたTFT11dをオフさせておく。すると、電圧
V1がコンデンサ19に印加される。
【0226】所定時間後、コンデンサ19に保持されて
いる電圧V2を読み出す。この動作を実施することによ
り、コンデンサの保持能力およびTFT11b、TFT
11cの欠陥の有無を検査することができる。また、コ
ンデンサ信号線351の電圧値を変化させることにより
出力電圧V2を変化させることができ、コンデンサ19
の能力を判定することができる。
【0227】TFT11dの検査を行う場合には、図3
6(a)に示すようにコンデンサ19に電圧を保持させ
た後、ゲート信号線17aにはオフ電圧を印加し、図1
に示すTFT11bおよびTFT11cをオフさせる。
また、ゲート信号線17bにはオン電圧を印加し、EL
素子15に接続されたTFT11dをオンさせる。する
と、電流Iddのパスが発生し、EL素子15に電流が
流れるため、EL素子15が点灯する。したがって、T
FT11dの欠陥の有無、EL素子の能力あるいは欠陥
の有無を検出することができる。
【0228】TFT11cの検査を行う場合には、図3
6(b)に示すようにコンデンサ19に電圧を保持させ
た後、TFT11b、TFT11dにオフ電圧を印加
し、TFT11cをオンさせる。すると、電流Iddの
パスが発生させることができる。この場合、EL素子1
5は点灯せずに測定を行うことができる。この検査によ
りTFT11aの駆動能力を測定することができ、ま
た、TFT11cの欠陥の有無も検査することができ
る。
【0229】さらに流れる電流Idd(もしくは出力さ
れる電圧)をモニターすることにより、コンデンサ19
の保持能力あるいは保持特性を検査することができる。
また、コンデンサ信号線351の電圧値を変化させるこ
とにより出力電流Iddを変化させることができ、TF
T11aの能力を判定することができる。
【0230】TFT11dの検査を行う場合には、図3
6(b)に示すようにコンデンサ19に電圧を保持させ
た後、TFT11bおよびTFT11cをオフさせる。
また、ゲート信号線17bにはオン電圧を印加し、EL
素子15に接続されたTFT11dをオンさせる。する
と、電流Iddのパスが発生し、EL素子15に電流が
流れるため、EL素子15が点灯する。したがって、T
FT11dの欠陥の有無、EL素子の能力あるいは欠陥
の有無を検出することができる。また、コンデンサ信号
線351の電圧値を変化させることにより出力電圧V2
を変化させることができ、コンデンサ19の能力などを
判定することができる。
【0231】EL素子15を検査するためには、図36
(c)に示すように、TFT11cおよびTFT11d
をオフさせる。ソース信号線18からEL素子15に直
接電流を流せるパスができる。したがって、電流Idd
をEL素子に流すことができる。また、EL素子15の
アノードの電圧を直接モニターできるようになる。
【0232】EL素子15に電流が流し、また、電流の
オンオフを実施することによりEL素子15の特性を評
価でき、TFT11cおよび11dの欠陥の有無、EL
素子の能力あるいは欠陥の有無を検出することができ
る。また、コンデンサ信号線351の電圧値を変化させ
ることにより出力電圧V2を変化させることができ、コ
ンデンサ19の能力を判定することができる。
【0233】なお、図35において、コンデンサ信号線
351はゲート信号線17と同一方向に引き出されてお
り、ゲート信号線17と同期を取って、1信号線ことに
印加する電圧値を制御できるように制御されているとし
たがこれに限定するのものではない。コンデンサ信号線
351は複数の画素行に共通にしてもよい。したがって
複数の画素行のコンデンサ信号線351に同一に電圧を
印加するように構成することによっても、前述の駆動あ
るいは検査などを実施することができる。
【0234】以上の実施例は図1の構成に関するもので
あったが、図21および図22に関しても同様である。
動作は図36と同様であるので説明を省略する。また、
図38に示すように画素が2つのTFTで構成される場
合も同様である。この場合は図39のように構成すれば
よい。
【0235】なお、本発明の検査装置あるいは検査方法
において、EL素子15を点灯させて検査するとした
が、これに限定するものではない。たとえば、図26に
おいて、EL素子15がなくともTFT11b、11c
のオンオフを制御することにより、TFT11a、11
b、11cの良否、コンデンサCの特性を検査などする
ことができる。つまり、アレイ状態であっても検査など
を行うことができる。図30、図31、図35において
も同様である。また、図34においても、EL素子15
がなくともTFT11d、11cのオンオフを制御する
ことにより、TFT11a、11b、11cの良否、コ
ンデンサCの特性を検査などすることができる。つま
り、アレイ状態であっても十分な検査を行うことができ
る。図37においても同様である。したがって、まず、
EL素子15(EL膜を蒸着する前)を形成する前にア
レイ状態でTFTの検査を実施し、EL素子15を形成
してパネル化状態で検査を再度実施することは有効であ
る。
【0236】以下、図1、図21、図22などを用いた
表示装置、表示モジュール、情報表示装置およびその駆
動回路と駆動方法などについて説明をする。
【0237】フルカラー有機ELパネルでは,開口率の
向上が重要な開発課題になる。開口率を高めると光の利
用効率が上がり,高輝度化や長寿命化につながるためで
ある。開口率を高めるためには,有機EL層からの光を
遮るTFTの面積を小さくすればよい。
【0238】低温多結晶Si−TFTはアモルファスシ
リコンに比較して10−100倍の性能を持ち,電流の
供給能力が高いため、TFTの大きさを非常に小さくで
きる。したがって、有機ELパネルでは、画素トランジ
スタ、周辺駆動回路を低温ポリシリコン技術で作製する
ことが好ましい。もちろん、アモルファスシリコン技術
で形成してもよいが画素開口率はかなり小さくなってし
まう。
【0239】ゲートドライバ12あるいはソースドライ
バ14などの駆動回路をガラス基板46上に形成するこ
とにより、電流駆動の有機ELパネルで特に問題になる
抵抗を下げることができる。TCPの接続抵抗がなくな
るうえに,TCP接続の場合に比べて電極からの引き出
し線が2〜3mm短くなり配線抵抗が小さくなる。さら
に、TCP接続のための工程がなくなる,材料コストが
下がるという利点があるとする。
【0240】次に、本発明のEL表示パネルあるいはE
L表示装置について説明をする。図2はEL表示装置の
回路を中心とした説明図である。画素16がマトリック
ス状に配置または形成されている。各画素16には各画
素の電流プログラムを行う電流を出力するソースドライ
バ14が接続されている。ソースドライバ14の出力段
は映像信号のビット数に対応したカレントミラー回路が
形成されている。
【0241】たとえば、64階調であれば、63個のカ
レントミラー回路が各ソース信号線ごとに形成され、こ
れらのカレントミラー回路の個数を選択することにより
所望の電流をソース信号線18に印加できるように構成
されている。なお、カレントミラー回路の最小出力電流
は2nA以上10nAにしている。また、ソース信号線
18の電荷を強制的に放出または充電するプリチャージ
あるいはディスチャージ回路を内蔵する。
【0242】有機EL素子は大きな温度依存性特性(温
特)があることが知られている。この温特による発光輝
度変化を調整するため、カレントミラー回路に出力電流
を変化させるサーミスタあるいはポジスタなどの非直線
素子を付加し、温特による変化を前記サーミスタなどで
調整することによりアナログ的に基準電流を作成する。
【0243】この場合は、選択するEL材料で一義的に
決定されるから、マイコン652などのソフト制御する
必要がない場合が多い。つまり、液晶材料により、一定
のシフト量などに固定しておいてもよい。重要なのは発
光色材料により温特が異なっている点であり、発光色ご
とに最適な温特補償を行う必要画ある点である。
【0244】また、温特補償はマイコンでおこなっても
よい。温度センサでEL表示パネルの温度を測定し、測
定した温度によりマイコン(図示せず)などで変化させ
る。また、切換時に基準電流などをマイコン制御などに
より自動的に切り替えてもよいし、また、特定のメニュ
ー表示を表示できるように制御してもよい。また、マウ
スなどを用いて切り替えたり、EL表示装置の表示画面
をタッチパネルにし、かつメニューを表示して特定箇所
を押さえることにより切り替えできるように構成しても
よい。
【0245】本発明ではソースドライバは半導体シリコ
ンチップで形成し、ガラスオンチップ(COG)技術で
基板46のソース信号線18の端子と接続されている。
ソース信号線18などの信号線の配線はクロム、アルミ
ニウム、銀などの金属配線が用いられる。細い配線幅で
低抵抗の配線が得られるからである。配線は画素が反射
型の場合は画素の反射膜を構成する材料で、反射膜と同
時に形成することが好ましい。工程が簡略できるからで
ある。
【0246】本発明はCOG技術に限定するものではな
く、チップオンフィルム(COF)技術に前述のドライ
バIC14などを積載し、表示パネルの信号線と接続し
た構成としてもよい。また、ドライブICは電源IC1
02を別途作製し、3チップ構成としてもよい。
【0247】また、TCFテープを用いてもよい。TC
Fテープ向けフィルムは,ポリイミド・フィルムと銅
(Cu)箔を,接着剤を使わずに熱圧着することができ
る。接着剤を使わずにポリイミド・フィルムにCuを付
けるTCPテープ向けフィルムにはこのほか,Cu箔の
上に溶解したポリイミドを重ねてキャスト成型する方式
と,ポリイミド・フィルム上にスパッタリングで形成し
た金属膜の上にCuをメッキや蒸着で付ける方式があ
る。
【0248】これらのいずれでもよいが、接着剤を使わ
ずにポリイミド・フィルムにCuを付けるTCPテープを用
いる方法が最も好ましい。30μm以下のリード・ピッ
チには、接着剤を使わないCuはり積層板で対応する。
接着剤を使わないCuはり積層板のうち、Cu層をメッキや
蒸着で形成する方法はCu層の薄型化に適しているため,
リード・ピッチの微細化に有利である。
【0249】一方、ゲートドライバ回路12は低温ポリ
シリコン技術で形成している。つまり、画素のTFTと
同一のプロセスで形成している。これは、ソースドライ
バ14に比較して内部の構造が容易で、動作周波数も低
いためである。
【0250】したがって、低温ポリシリ技術で形成して
も容易に形成することができ、また、狭額縁化を実現で
きる。もちろん、ゲートドライバ12をシリコンチップ
で形成し、COG技術などを用いて基板46上に実装し
てもよいことは言うまでもない。また、画素TFT、ゲ
ートドライバなどは高温ポリシリコン技術で形成しても
よく、有機材料で形成(有機TFT)してもよい。
【0251】ゲートドライバ12はゲート信号線17a
用のシフトレジスタ22aと、ゲート信号線17b用の
シフトレジスタ22bとを内蔵する。各シフトレジスタ
22は正相と負相のクロック信号(CLKxP、CLK
xN)、スタートパルス(STx)で制御される。その
他、ゲート信号線の出力、非出力を制御するイネーブル
(ENABL)信号、シフト方向を上下逆転するアップ
ダウン(UPDWM)信号を付加することが好ましい。
他に、スタートパルスがシフトレジスタにシフトされ、
そして出力されていることを確認する出力端子などを設
けることが好ましい。
【0252】なお、シフトレジスタのシフトタイミング
はコントロールIC(図示せず)からの制御信号で制御
される。また、外部データのレベルシフトを行うレベル
シフト回路を内蔵する。また、検査回路を内蔵する。
【0253】シフトレジスタ22のバッファ容量は小さ
いため、直接にはゲート信号線17を駆動することがで
きない。そのため、シフトレジスタ22の出力とゲート
信号線17を駆動する出力ゲート24間には少なくとも
2つ以上のインバータ回路23が形成されている。
【0254】ソースドライバ14を低温ポリシリなどの
ポリシリ技術で基板46上に直接形成する場合も同様で
あり、ソース信号線を駆動するトランスファーゲートな
どのアナログスイッチのゲートとソースドライバのシフ
トレジスタ間には複数のインバータ回路が形成される。
以下の事項(シフトレジスタの出力と、信号線を駆動す
る出力段(出力ゲートあるいはトランスファーゲートな
どの出力段間に配置されるインバータ回路に関する事
項)は、ソースドライブおよびゲートドライブ回路に共
通の事項である。
【0255】たとえば、図2ではソースドライバ14の
出力が直接ソース信号線18に接続されているように図
示したが、実際には、ソースドライバのシフトレジスタ
の出力は多段のインバータ回路が接続されて、インバー
タの出力がトランスファーゲートなどのアナログスイッ
チのゲートに接続されている。
【0256】インバータ回路23はPチャンネルのMO
SトランジスタとNチャンネルのMOSトランジスタか
ら構成される。先にも説明したようにゲートドライバ回
路12のシフトレジスタ回路22の出力端にはインバー
タ回路23が多段に接続されており、その最終出力が出
力ゲート24に接続されている。なお、インバータ回路
23はPチャンネルのみで構成してもよい。ただし、こ
の場合は、インバータではなく単なるゲート回路として
構成してもよい。
【0257】各インバータ回路23を構成するPチャン
ネルまたはNチャンネルのTFTのチャンネル幅をW、
チャンネル長をL(ダブルゲート以上の場合は構成する
チャンネルの幅もしくはチャンネル長を加算する)と
し、シストレジスタに近いインバータの次数を1、表示
側に近いインバータの次数をN(N段目)とする。
【0258】インバータ回路23の接続段数が多いと接
続されているインバータ23の特性差が多重(積み重な
り)され、シフトレジスタ22から出力ゲート24まで
の伝達時間に差が生じる(遅延時間バラツキ)。たとえ
ば、極端な場合では、図2において出力ゲート24aは
1.0μsec後(シフトレジスタからパルスが出力さ
れてから起算して)にオンしている(出力電圧が切り替
わっている)のに、出力ゲート24bは1.5μsec
後(シフトレジスタからパルスが出力されてから起算し
て)にオンしている(出力電圧が切り替わっている)と
いう状態が生じる。
【0259】したがって、シフトレジスタ22と出力ゲ
ート24間に作製するインバータ回路23数は少ない方
がよいが、出力ゲート24を構成するTFTのチャンネ
ルのゲート幅Wは非常に大きい。また、シストレジスタ
22の出力段のゲート駆動能力は小さい。そのため、シ
フトレジスタを構成するゲート回路(NAND回路な
ど)で直接に出力ゲート24を駆動することは不可能で
ある。そのため、インバータを多段接続する必要がある
が、たとえば、図2のインバータ23dのW4/L4
(Pチャンネルのチャンネル幅/Pチャンネルのチャン
ネル長)の大きさと、インバータ23cのW3/L3の
大きさの比が大きいと遅延時間が長くなり、また、イン
バータの特性がバラツキも大きくなる。
【0260】図3に遅延時間バラツキ(点線で示す)と
遅延時間比(実線で示す)の関係を示す。横軸は(Wn-
1/Ln-1)/(Wn/Ln)で示す。たとえば、図2でイ
ンバータ23dとインバータ23cのLが同一で2W3
=W4であれば(W3/L3)/(W4/L4)=0.
5である。図3のグラフにおいて遅延時間比は(Wn-1
/Ln-1)/(Wn/Ln)=0.5のときを1とし、遅
延同様に時間バラツキも1としている。
【0261】図3では(Wn-1/Ln-1)/(Wn/Ln)
が大きくなるほどインバータ23の接続段数が多くなり
遅延時間バラツキが大きくなることを示しており、ま
た、(Wn-1/Ln-1)/(Wn/Ln)が小さくなるほど
インバータ23から次段へのインバータ23への遅延時
間が長くなることを示している。このグラフから遅延時
間比および遅延時間バラツキを2以内にすることが設計
上有利である。したがって、次式の条件を満足させれば
よい。
【0262】0.25 ≦(Wn-1/Ln-1)/(Wn/
Ln) ≦0.75 また、各インバータ23のPチャンネルのW/L比(W
p/Lp)とnチャンネルのW/L比(Ws/Ls)とは以
下の関係を満足させる必要がある。
【0263】 0.4 ≦(Ws/Ls)/(Wp/Lp) ≦0.8 さらに、シフトレジスタの出力端から出力ゲート(ある
いはトランスファーゲート)間に形成するインバータ2
3の段数nは次式を満足させると遅延時間のバラツキも
少なく良好である。
【0264】3 ≦ n ≦ 8 モビリティμにも課題がある。nチャンネルトランジス
タのモビリティμnは小さいとTGおよびインバータの
サイズが大きくなり、消費電力等が大きくなる。また、
ドライバの形成面積が大きくなる。そのため、パネルサ
イズが大きくなってしまう。一方、大きいとトランジス
タの特性劣化をひきおこしやすい。そのため、モビリテ
ィμnは以下の範囲がよい。
【0265】50 ≦ μn ≦ 150 また、シフトレジスタ22内のクロック信号のスルーレ
ートは、500V/μsec以下にする。スルーレート
が高いとnチャンネルトランジスタの劣化が激しい。
【0266】なお、図2でシフトレジスタの出力にはイ
ンバータ23を多段に接続するとしたが、NAND回路
でもよい。NAND回路でもインバータを構成すること
ができるからである。つまり、インバータ23の接続段
数とはゲートの接続段数と考えればよい。この場合もい
ままで説明したW/L比等の関係が適用される。
【0267】図1で図示した構成ではEL素子15のカ
ソードはVs1電位に接続されている。しかし、各色を
構成する有機ELの駆動電圧が異なるという問題があ
る。たとえば、単位平方センチメートルあたり0.01
(A)の電流を流した場合、青(B)ではEL素子の端
子電圧は5(V)であるが、緑(G)および赤(R)で
は9(V)である。つまり、端子電圧が、BとG、Rで
異なる。したがって、BとG、Rでは保持するトランジ
スタ11c11dのソース−ドレイン電圧(SD電圧)
が異なる。そのため、各色でトランジスタのソース−ド
レイン電圧(SD電圧)間オフリーク電流が異なること
になる。オフリーク電流が発生し、かつオフリーク特性
が各色で異なると、色バランスのずれた状態でフリッカ
が発生する、発光色に相関してガンマ特性がずれるとい
う複雑な表示状態をなる。
【0268】この課題に対応するため、本発明では図5
に図示するように、少なくともR、G、B色のうち、1
つのカソード電極の電位を他色のカソード電極の電位と
異ならせるように構成している。具体的には図5では、
Bをカソード電極53aとし、GとRをカソード電極5
3bとしている。
【0269】カソード電極53aは、各色の有機ELを
塗り分けたメタルマスク技術を用いて形成する。メタル
マスクを用いるのは、有機ELが水に弱くエッチングな
どを行うことができないからである。メタルマスク(図
示せず)を用いて、カソード電極53aを蒸着し、同時
にコンタクトホール52aで接続を取る。コンタクトホ
ール52aによりBカソード配線51aと電気的接続を
取ることができる。
【0270】カソード電極53bも同様に、各色の有機
ELを塗り分けたメタルマスク技術を用いて形成する。
メタルマスク(図示せず)を用いて、カソード電極53
bを蒸着し、同時にコンタクトホール52bで接続を取
る。コンタクトホール52bによりRGカソード配線5
1bと電気的接続を取ることができる。なお、カソード
電極のアルミ膜厚は70nm以上200nm以下となる
ように形成するとよい。
【0271】以上の構成により、カソード電極51aと
51bには異なる電圧を印加することができるから、図
1のVdd電圧が各色共通であっても、RGBのうち、
少なくとも1色のELに印加する電圧を変化させること
ができる。なお、図5ではRGでは同一のカソード電極
53bとしたがこれに限定するものではなく、RとGで
異なるカソード電極となるように構成してもよい。
【0272】以上のように構成することにより、各色で
トランジスタのソース−ドレイン電圧(SD電圧)間の
オフリーク電流が発生、キンク現象を防止することがで
きる。したがって、フリッカが発生なく、発光色に相関
してガンマ特性がずれるということもなく、良好な画像
表示を実現できる。
【0273】また、図1のVs1をカソード電圧とし、
このカソード電圧を各色で異なるようにするとしたがこ
れに限定するものではなく、アノード電圧Vddを各色
で異なるように構成してもよいことは言うまでもない。
たとえば、Rの画素のVddを電圧8(V)にし、Gを
6(V)、Bを10(V)とする構成である。これらの
アノード電圧、カソード電圧は±1(V)の範囲で調整
できるように構成することが好ましい。
【0274】パネルサイズが2インチ程度であっても、
Vddと接続されるアノードからは100mA近く電流
が出力される。そのため、アノード配線20(電流供給
線)の低抵抗化は必須である。この課題に対応するた
め、本発明では図6で図示するようにアノード63配線
を表示領域の上側と下側から供給している(両端給
電)。以上のように両端給電することにより画面の上下
での輝度傾斜の発生がなくなる。
【0275】発光輝度を高めるためには画素48を粗面
化するとよい。この構成を図7に示す。まず、画素電極
48を形成する箇所にスタンパ技術を用いて微細な凹凸
を形成する。画素が反射型の場合は、スパッタリング法
で約200nmのアルミニウムの金属薄膜を形成して画
素電極48を形成する。画素電極48が有機ELと接す
る箇所には凸部が設けられ、粗面化される。なお、単純
マトリックス型表示パネルの場合は、画像電極48はス
トライプ状電極状とする。また、凸部は凸状だけに限定
するものではなく、凹状でもよい。また、凹と凸とを同
時に形成してもよい。
【0276】突起の大きさは直径4μm程度にして隣接
間距離の平均値を10μm、20μm、40μmにし
て、それぞれ突起の単位面積密度を1000から120
0個/平方ミリメートル、100から120個/mm
2、600から800個/平方ミリメートルとして輝度
測定を行った。すると、突起の単位面積密度が大きくな
るほど発光輝度が強くなることがわかった。したがっ
て、画素電極48上の突起の単位面積密度を変えること
で、画素電極の表面状態を変えて発光輝度を調整できる
ことがわかった。検討によれば、突起の単位面積密度を
800個/平方ミリメートル以下100個/平方ミリメ
ートル以下で良好な結果を得ることができた。
【0277】有機ELは自己発光素子である。この発光
による光がスイッチング素子としてのTFTに入射する
とホトコンダクタ現象(ホトコン)が発生する。ホトコ
ンとは、光励起によりTFTなどのスイッチング素子の
オフ時でのリーク(オフリーク)が増える現象を言う。
【0278】この課題に対処するため、本発明では図9
に示すようにゲートドライバ12(場合によってはソー
スドライバ14)の下層、画素トランジスタ11の下層
の遮光膜91を形成している。遮光膜91はクロムなど
の金属薄膜で形成し、その膜厚は50nm以上150n
m以下にする。膜厚が薄いと遮光効果が乏しく、厚いと
凹凸が発生して上層のTFT11A1のパターニングが
困難になる。
【0279】遮光膜91上に20以上100nm以下の
無機材料からなる平滑化膜71aを形成する。この遮光
膜91のレイヤーを用いて蓄積容量19の一方の電極を
形成してもよい。この場合、平滑膜71aは極力薄く作
り蓄積容量の容量値を大きくすることが好ましい。また
遮光膜91をアルミで形成し、陽極酸化技術を用いて酸
化シリコン膜を遮光膜91の表面に形成し、この酸化シ
リコン膜を蓄積容量19の誘電体膜として用いてもよ
い。平滑化膜71b上にはHA構造の画素電極が形成さ
れる。
【0280】ドライバ回路12などは裏面だけでなく、
表面からの光の進入も抑制するべきである。ホトコンの
影響により誤動作するからである。したがって、本発明
では、カソード電極が金属膜の場合は、ドライバ12な
どの表面にもカソード電極を形成し、この電極を遮光膜
として用いている。
【0281】しかし、ドライバ12の上にカソード電極
を形成すると、このカソード電極からの電界によるドラ
イバの誤動作あるいはカソード電極とドライバ回路の電
気的接触が発生する可能性がある。この課題に対処する
ため、本発明ではドライバ回路12などの上に少なくと
も1層、好ましくは複数層の有機EL膜を画素電極上の
有機EL膜形成と同時に形成する。
【0282】基本的に有機EL膜は絶縁物であるから、
ドライバ上に有機EL膜を形成することにより、カソー
ドとドライバ間が隔離される。したがって、前述の課題
を解消することができる。
【0283】一方、カソード電極が透明電極の場合は、
透明電極のシート抵抗値が問題となる。透明電極は高抵
抗であるが、有機ELのカソードには高い電流密度で電
流を流す必要がある。しがたって、ITO膜の単層でカ
ソード電極を形成すると発熱により加熱状態となった
り、表示画面に極度の輝度傾斜が発生したりする。
【0284】この課題に対応するため、カソード電極の
表面に金属薄膜からなる低抵抗化配線92を形成してい
る。低抵抗化配線92は液晶表示パネルのブラックマト
リックス(BM)と同様の構成(クロムまたはアルミ材
料で50nm〜200nmの膜厚)で、かつ同様の位置
(画素電極間、ドライバ12の上など)である。しか
し、有機ELではBMを形成する必要はないから機能は
全く異なる。なお、低抵抗化配線92は透明電極72の
表面に限定するものではなく、裏面(有機EL膜と接す
る面)に形成してもよい。
【0285】図10は有機ELモジュールの構成図であ
る。プリント基板103にはコントロールIC101と
電源IC102が実装されている。プリント基板103
とアレイ基板49とはフレキシブル基板104で電気的
に接続される。このフレキシブル基板104を介して電
源電圧、電流、制御信号、映像データがアレイ基板49
のソースドライバ14およびゲートドライバ12に供給
される。
【0286】この際問題となるのは、ゲートドライバ1
2の制御信号である。ゲートドライバ12には少なくと
も5(V)以上の振幅の制御信号を印加する必要があ
る。しかし、コントロールIC101の電源電圧は2.
5(V)あるいは3.3(V)であるため、コントロー
ルIC101から直接にゲートドライバ12に制御信号
を印加することができない。
【0287】この課題に対して、本発明は高い電圧で駆
動される電源IC102からゲートドライバ12の制御
信号を印加する。電源IC102はゲートドライバ12
の動作電圧も発生させるのであるから、当然ながらゲー
トドライバ12に最適な振幅の制御信号を発生させるこ
とができる。
【0288】図11ではゲートドライバ12の制御信号
はコントロールICで発生させ、ソースドライバ14で
一旦、レベルシフトを行った後、ゲートドライバ12に
印加している。ソースドライバ14の駆動電圧は5〜8
(V)であるから、コントロールIC101から出力さ
れた3.3(V)振幅の制御信号を、ゲートドライバ1
2が受け取れる5(V)振幅に変換することができる。
【0289】図14、図15は本発明の表示モジュール
装置の説明図である。図14はソースドライバ14内に
内蔵RAM151を持たせた構成である。内蔵RAMは
8色表示(各色1ビット)、256色表示(RGは3ビ
ット、Bは2ビット)、4096色表示(RGBは各4
ビット)の容量を有する。この8色、256色または4
096色表示で、かつ静止画の時は、ソースドライバ1
4内に配置されたドライバコントローラはこの内蔵RA
M151の画像データを読み出す。したがって、超低消
費電力化を実現できる。もちろん、内蔵RAM151は
26万色以上の多色のRAMであってもよい。また、動
画の時も内蔵RAM151の画像データを用いてもよ
い。
【0290】内蔵RAM151の画像データは誤差拡散
処理あるいはディザ処理を行った後のデータをメモリし
てもよい。誤差拡散処理、ディザ処理などを行うことに
より、26万色表示データを4096色などに変換する
ことができ、内蔵RAM151の容量を小さくすること
ができる。誤差拡散処理などは誤差拡散コントローラ1
41で行うことができる。
【0291】なお、図14などにおいて14をソースド
ライバと記載したが、単なるドライバだけでなく、電源
回路102、バッファ回路154(シフトレジスタなど
の回路を含む)、データ変換回路、ラッチ回路、コマン
ドデコーダ、シフト回路、アドレス変換回路、内蔵RA
M151からの入力を処理してソース信号線に電圧ある
いは電流を出力するさまざまな機能あるいは回路が構成
されたものである。この事項などは、本発明の他の実施
例でも同様である。
【0292】フレームレートはパネルモジュールの消費
電力と関係する。つまり、フレ−ムレートを高くすれば
ほぼ比例して消費電力は増大する。携帯電話などは待ち
受け時間を長くするなどの観点から消費電力の低減を図
る必要がある。一方、表示色を多くする(階調数を多く
する)ためにはソースドライバIC14などの駆動周波
数を高くしなければならない。しかし、消費電力の問題
から消費電力を増大させることは困難である。
【0293】一般的に、携帯電話などの情報表示装置で
は、表示色数よりも低消費電力化が優先される。表示色
数を増加させる回路の動作周波数が高くなる、あるいは
EL素子に印加する電圧(電流)波形の変化が多くなる
など理由から、消費電力が増加する。したがって、あま
り表示色数を多くすることはできない。この課題に対し
て、本発明は画像データを誤差拡散処理あるいはディザ
処理を行って画像を表示する。
【0294】図19で説明した本発明の携帯電話では図
示していないが、筐体の裏側にCCDカメラを備えてい
る。CCDカメラで撮影し画像は即時に表示パネルの表
示画面21に表示できる。CCDカメラで撮影したデー
タは、表示画面21に表示することができる。CCDカ
メラの画像データは24ビット(1670万色)、18
ビット(26万色)、16ビット(6.5万色)、12
ビット(4096色)、8ビット(256色)をキー入
力265で切り替えることができる。
【0295】表示データが12ビット以上の時は、誤差
拡散処理を行って表示する。つまり、CCDカメラから
の画像データが内蔵メモリの容量以上の時は、誤差拡散
処理などを実施し、表示色数を内蔵メモリ151の容量
以下となるように画像処理を行う。
【0296】今、ソースドライバIC14には4096
色(RGB各4ビット)で1画面の内蔵RAM151を
具備しているとして説明する。モジュール外部から送ら
れてくる画像データが4096色の場合は、直接ソース
ドライバIC14の内蔵RAM151に格納され、この
内蔵RAM151から画像データを読み出し、表示画面
21に画像を表示する。
【0297】画像データが26万色(G:6ビット、
R,B:5ビットの計16ビット)の場合は、図14お
よび図15に示すように誤差拡散コントローラ141の
演算メモリ152に一旦格納され、かつ同時に誤差拡散
あるいはディザ処理を行う演算回路153で誤差拡散あ
るいはディザ処理が行われる。この誤差拡散処理などに
より16ビットの画像データは内蔵RAM151のビッ
ト数である12ビットに変換されてソースドライバIC
14に転送される。ソースドライバIC14はRGB各
4ビット(4096色)の画像データを出力し、表示画
面21に画像を表示する。
【0298】また、図15の構成などにおいて、垂直同
期信号VDを用いて(垂直同期信号VDで処理方法を変
化させて)、フィールドあるいはフレームごとに誤差拡
散処理あるいはディザ処理方法を変化させてもよい。た
とえば、ディザ処理では、第1フレームでBayer型
を用い、次の第2フレームではハーフトーン型を用いる
などである。このようにフレームごとにディザ処理を変
化させ、切り替えるようにすることにより誤差拡散処理
などに伴うドットむらが目立ちにくくなるという効果が
発揮される。
【0299】また、第1フレームと第2フレームで誤差
拡散処理などの処理係数を変化させてもよい。また、第
1フレームで誤差拡散処理をし、第2フレームでディザ
処理をし、さらに第3フレームで誤差拡散処理をするな
ど処理とを組み合わせても良い。また、乱数発生回路を
具備し、乱数の値でフレームごとに処理を実施する処理
方法を選択してもよい。
【0300】フレームレートなどの情報を伝送されるフ
ォーマットに記載するようにしておけば、この記載され
たデータをデコードあるいは検出することにより、自動
でフレームレートなどを変更できるようになる。特に、
伝送されてくる画像が動画か静止画かを記載しておくこ
とが好ましい。また、動画場合は、動画の1秒あたりの
コマ数を記載しておくことが好ましい。また、伝送パケ
ットに携帯電話の機種番号を記載しておいたりしておく
ことが好ましい。なお、本明細書では伝送パケットとし
て説明するがパケットである必要なない。つまり、送信
あるいは発信するデータ中に図18などで説明する情報
(表示色数、フレームレートなど)が記載されたもので
あればいずれでもよい。
【0301】図17は本発明の携帯電話などに送られて
くる伝送フォーマットである。伝送とは受信するデータ
と、送信するデータの双方を含む。つまり、携帯電話は
受話器からの音声あるいは携帯電話に付属のCCDカメ
ラで撮影した画像を他の携帯電話などに送信する場合も
あるからである。したがって、図18などで説明する伝
送フォーマットなどに関連する事項は送信、受信の双方
に適用される。
【0302】本発明の携帯電話などではデータはデジタ
ル化されてパケット形式で伝送される。図16および図
17で記載しているように、フレームの中は、フラグ部
(F)、アドレス部(A)、コントロール部(C)、情
報部(I)、フレームチェックシーケンス(FCS)及
びフラグ部(F)からなる。コントロール部(C)のフ
ォーマットは図のように情報転送(Iフレーム)、関し
(Sフレーム)、及び非番号制(Uフレーム)の3つの
形式をとる。
【0303】まず、情報転送形式は情報(データ)を転
送する時に使用するコントロールフィールドの形式で、
非番号性形式の一部を除けば、情報転送形式がデータフ
ィールドを有する唯一の形式である。この形式によるフ
レームを情報フレーム(Iフレーム)という。
【0304】また、監視形式は、データリンクの監視制
御機能、すなわち情報フレームの受信確認、情報フレー
ムの再送要求などを行うために使用する形式である。こ
の形式によるフレームを、監視フレーム(Sフレーム)
という。
【0305】次に非番号制形式は、その他のデータリン
グ制御機能を遂行するために使用するコントロールフィ
ールドの形式で、この形式によるフレームを非番号制フ
レーム(Uフレーム)という。
【0306】端末及び網は送受信する情報フレームを送
信シーケンス番号(S)と受信シーケンスN(R)で管
理する。N(S)、N(R)とも3ビットで構成され、
0〜7までの8個を循環番号として使い、7の次は0と
なるモジュラス構成をとっている。したがって、この場
合のモジュラスは8であり、応答フレームを受信せず
に、連続送信できるフレーム数は7である。
【0307】データ領域には色数データを示す8ビット
のデータとフレームレートを示す8ビットのデータが記
載される。これらの例を図18(a)(b)に示す。ま
た、表示色の色数には静止画と動画の区別を記載してお
くことが好ましい。また、携帯電話の機種名、送受信す
る画像データの内容(人物などの自然画、メニュー画
面)などを図17のパケットに記載しておくことが望ま
しい。
【0308】データを受け取った機種はデータをデコー
ドし、自身(該当機種番号)のデータであるとき、記載
された内容によって、表示色、フレームレートなど自動
的に変更する。また、記載された内容を表示装置の表示
領域21に表示するように構成してもよい。ユーザーは
画面21の記載内容(表示色、推奨フレームレート)を
見て、キーなどを操作し、最適な表示状態にマニュアル
で変更する。
【0309】なお、一例として、図18(b)では数値
の3はフレームレート80Hzと一例をあげて記載して
いるがこれに限定するものではなく、40−60Hzな
どの一定範囲を示すものであってもよい。また、データ
領域に携帯電話の機種などを記載しておいてもよい。機
種により性能などが異なり、フレームレートを変化させ
る必要も発生するからである。また、画像が漫画である
とか、宣伝(CM)であるとかの情報を記載しておくこ
とも好ましい。また、パケットに視聴料金などの情報を
記載する。パケット長などの情報を記載しておいてもよ
い。ユーザーは視聴料金の確認して情報を受信するか否
かを判断する。また、画像データが誤差拡散処理をされ
ているか否かのデータも記載しておくことが好ましい。
【0310】また、画像処理方法(誤差拡散処理、ディ
ザ処理などの種別、重み付け関数の種類とそのデータ、
ガンマの係数など)、機種番号などの情報を伝送される
フォーマットに記載するようにしておけばよい。また、
画像データがCCDで撮影されたデータとか、JPEG
データか、またその解像度、MPEGデータか、BIT
MAPデータかなどの情報を記載しておく。この記載さ
れたデータをデコードあるいは検出することにより、自
動で受信した携帯電話などで最適な状態に変更できるい
ようになる。
【0311】もちろん、伝送されてくる画像が動画か静
止画かを記載しておくことが好ましい。また、動画の場
合は、動画の1秒あたりのコマ数を記載しておくことが
好ましい。また、受信端末で推奨する再生コマ数/秒な
どの情報も記載しておくことが好ましい。
【0312】以上の事項は、伝送パケットが送信の場合
でも同様である。また、本明細書では伝送パケットとし
て説明するがパケットである必要なない。つまり、送信
あるいは発信するデータ中に図18などで説明する情報
が記載されたものであればいずれでもよい。
【0313】誤差拡散処理コントローラ141は、誤差
処理されて送られてきたデータを、逆誤差拡散処理を行
い、元データにもどしてから再度、誤差拡散処理を行う
機能を付加することが好ましい。誤差拡散処理の有無は
図17のパケットデータに載せておく。また、誤差拡散
(ディザなどの方式も含む)の処理方法、形式など逆誤
差拡散処理に必要なデータも載せておく。
【0314】逆誤差拡散処理を実施するのは、誤差拡散
処理はその処理の過程において、ガンマカーブの補正も
実現できるからである。データを受けたEL表示装置な
どのガンマカーブと、送られてきたガンマカーブとが適
応しない場合がある。また、送信親されてきたデータは
誤差拡散などの処理がすでに実施された画像データであ
る場合がある。
【0315】この事態に対応するために、逆誤差拡散処
理を実施し、元データに変換してガンマカーブ補正の影
響がないようにする。その後、受信したEL表示装置な
どで誤差拡散処理を行い、受信表示パネルに最適なガン
マカーブになり、かつ最適な誤差拡散処理となるように
誤差拡散処理などを実施する。
【0316】また、表示色により、フレームレートを切
り替えたい場合は、携帯電話などの装置にユーザボタン
と配置し、ボタンなどを用いて表示色などを切り替えら
れるようにすればよい。
【0317】図19は情報端末装置の1例としての携帯
電話の平面図である。筐体193にアンテナ191、テ
ンキー192などが取り付けられている。194などが
表示色切換キーあるいは電源オンオフ、フレームレート
切換キーである。
【0318】携帯電話などの内部回路ブロックを図20
に示す。回路は主としてアップコンバータ205とダウ
ンコンバータ204のブロック、デェプレクサ201の
ブロックLOバッファ203などのブロックから構成さ
れる。
【0319】キー194を1度押さえると表示色は8色
モードに、つづいて同一キー194を押さえると表示色
は256色モード、さらにキー194を押さえると表示
色は4096色モードとなるようにシーケンスを組んで
もよい。キーは押さえるごとに表示色モードが変化する
トグルスイッチとする。なお、別途表示色に対する変更
キーを設けてもよい。この場合、キー194は3つ(以
上)となる。
【0320】キー194はプッシュスイッチの他、スラ
イドスイッチなどの他のメカニカルなスイッチでもよ
く、また、音声認識などにより切換るものでもよい。た
とえば、4096色を受話器に音声入力すること、たと
えば、「高品位表示」、「256色モード」あるいは
「低表示色モード」と受話器に音声入力することにより
表示パネルの表示画面21に表示される表示色が変化す
るように構成する。これは現行の音声認識技術を採用す
ることにより容易に実現することができる。
【0321】また、表示色の切換は電気的に切換るスイ
ッチでもよく、表示パネルの表示部21に表示させたメ
ニューを触れることにより選択するタッチパネルでも良
い。また、スイッチを押さえる回数で切換る、あるいは
クリックボールのように回転あるいは方向により切換る
ように構成してもよい。
【0322】194は表示色切換キーとしたが、フレー
ムレートを切換るキーなどとしてもよい。また、動画と
静止画とを切換るキーなどとしてもよい。また、動画と
静止画とフレームレートなどの複数の要件を同時に切り
替えてもよい。また、押さえ続けると徐々に(連続的
に)フレームレートが変化するように構成してもよい。
この場合は発振器を構成するコンデンサC、抵抗Rのう
ち、抵抗Rを可変抵抗にしたり、電子ボリウムにしたり
することにより実現できる。
【0323】また、コンデンサはトリマコンデンサとす
ることにより実現できる。また、半導体チップに複数の
コンデンサを形成しておき、1つ以上のコンデンサを選
択し、これらを回路的に並列に接続することにより実現
してもよい。
【0324】なお、表示色などによりフレームレートを
切換るという技術的思想は携帯電話に限定されるもので
はなく、パームトップコンピュータや、ノートパソコ
ン、ディスクトップパソコン、携帯時計など表示画面を
有する機器に広く適用することができる。また、液晶表
示装置(液晶表示パネル)に限定されるものではなく、
液晶表示パネル、有機ELパネルや、TFTパネル、P
LZTパネルや、CRTにも適用することができる。
【0325】本発明の実施例で説明した技術的思想は、
ビデオカメラ、液晶プロジェクター、立体テレビ、プロ
ジェクションテレビなどに適用できる。また、ビューフ
ァインダ、携帯電話のモニター、PDA、PHS、携帯
情報端末およびそのモニター、デジタルカメラおよびそ
のモニターにも適用できる。また、電子写真システム、
ヘッドマウントディスプレイ、直視モニターディスプレ
イ、ノートパーソナルコンピュータ、ビデオカメラ、電
子スチルカメラにも適用できる。
【0326】また、現金自動引き出し機のモニター、公
衆電話、テレビ電話、パーソナルコンピュータ、液晶腕
時計およびその表示装置にも適用できる。さらに、家庭
電器機器の液晶表示モニター、ポケットゲーム機器およ
びそのモニター、表示パネル用バックライトなどにも適
用あるいは応用展開できることは言うまでもない。
【0327】
【発明の効果】以上のように、本発明により、作製され
たアレイ基板または表示パネルの検査あるいは評価を容
易に実現できるため信頼性の高い表示装置を提供でき
る。
【0328】また、本発明の表示パネル、表示装置等
は、高画質、低消費電力、低コスト化、高輝度化等のそ
れぞれの構成に応じて特徴ある効果を発揮する。
【0329】なお、本発明を用いれば、低消費電力の情
報表示装置などを構成できるので、電力を消費しない。
また、小型軽量化できるので、資源を消費しない。した
がって、地球環境、宇宙環境に優しいこととなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表示パネルの回路構成図
【図2】本発明の表示装置の回路構成図
【図3】本発明の表示装置の説明図
【図4】本発明の表示装置の断面図
【図5】本発明の表示装置の説明図
【図6】本発明の表示装置の説明図
【図7】本発明の表示装置の断面図
【図8】本発明の表示装置の断面図
【図9】本発明の表示装置の断面図
【図10】本発明の表示装置の構成図
【図11】本発明の表示装置の構成図
【図12】従来の表示パネルの回路構成図
【図13】本発明の表示パネルの説明図
【図14】本発明の表示装置の説明図
【図15】本発明の表示装置の説明図
【図16】本発明の表示装置のデータ伝送方法の説明図
【図17】本発明の表示装置のデータ伝送方法の説明図
【図18】本発明の表示装置のデータ伝送方法の説明図
【図19】本発明の情報表示装置の平面図
【図20】本発明の情報表示装置の説明図
【図21】本発明の表示パネルの説明図
【図22】本発明の表示パネルの説明図
【図23】本発明の検査方法の説明図
【図24】本発明の検査方法の説明図
【図25】本発明の検査装置の説明図
【図26】本発明の検査方法の説明図
【図27】本発明の検査方法の説明図
【図28】本発明の検査方法の説明図
【図29】本発明の検査方法の説明図
【図30】本発明の検査方法の説明図
【図31】本発明の検査方法の説明図
【図32】本発明の検査方法の説明図
【図33】本発明のソースドライバの説明図
【図34】本発明の検査方法の説明図
【図35】本発明の表示パネルの説明図
【図36】本発明の検査方法の説明図
【図37】本発明の表示パネルの説明図
【図38】本発明の表示パネルの説明図
【図39】本発明の表示パネルの説明図
【符号の説明】
11 TFT 12 ゲートドライバ 14 ソースドライバ 15 EL素子 16 画素 17 ゲート信号線 18 ソース信号線 19 キャパシタ(蓄積容量、コンデンサ) 20 電流供給線(電力供給線、電圧供給線) 21 表示領域(表示画面、有効表示領域) 41 封止フタ(封止材) 43,44 凸部 45 シール剤(材) 46 反射膜 47 有機EL(EL素子) 48 画素電極 49 アレイ基板 50 λ/4板(λ/4シート) 51 カソード配線 52 コンタクト 53 カソード 54 偏光板 55 乾燥剤(乾燥材、吸湿手段) 61,62 接続端子 63 アノード 71 平滑化膜 72 透明電極 73 封止膜 74 円偏光板 81 エッジ保護膜 91 遮光膜 92 低抵抗化配線(金属膜) 101 コントロールIC 102 電源IC 103 プリント基板 104 フレキシブル基板 105 データ信号 141 誤差拡散コントローラ 151 内蔵表示メモリ 152 演算メモリ 153 演算回路 154 バッファ回路 191 アンテナ 192 テンキー 193 筐体 194 ボタン 201 デェプレクサ 202 LNA 203 LOバッファ 204 ダウンコンバータ 205 アップコンバータ 206 PAプリドライバ 207 PA 231 ガラス基板 232 ショートリング 241 切断部 242 端子電極 251 プローブ 252 観察者(光学的検出手段) 253 信号源(電圧または電流源) 331 映像信号線 332 スイッチ制御手段 333 トランスファーゲート(TG) 334 アナログスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09G 3/20 624 G09G 3/20 624B 670 670Q 3/30 3/30 J H05B 33/14 H05B 33/14 A (72)発明者 柘植 仁志 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2G036 AA19 AA27 BA32 BB12 3K007 AB00 AB04 AB05 AB13 AB18 BA06 BB05 CA01 CA02 CA05 CB01 DA00 DB03 EB00 FA01 FA02 5C080 AA06 BB05 DD15 DD25 FF11 JJ02 JJ03 JJ06 KK47 5C094 AA02 AA10 AA15 AA22 AA44 BA03 BA29 CA19 CA24 DA14 DA15 DB01 DB04 EA03 EA04 EA07 5G435 AA00 AA01 AA03 AA17 AA18 BB05 CC09 CC12 EE33 KK05

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1画素あたり複数本のゲート信号線と少
    なくとも1本のソース信号線を有し、かつ前記信号線を
    制御することにより光変調を行うEL表示装置に用いる
    アレイ基板にあって、 前記複数の画素のソース信号線を電気的に短絡する第1
    の短絡部と、 前記複数の画素のゲート信号線を電気的に短絡する第2
    の短絡部と、 前記第1の短絡部と第2の短絡部を電気的に接続する接
    続部を有することを特徴とするアレイ基板。
  2. 【請求項2】 1画素あたり第1のゲート信号線と第2
    のゲート信号線と少なくとも1本のソース信号線を有
    し、かつ前記信号線を制御することにより光変調を行う
    EL表示装置にあって、 前記複数の画素のソース信号線を電気的に短絡する第1
    の短絡部と、 前記複数の画素の第1のゲート信号線を電気的に短絡す
    る第2の短絡部と、 前記複数の画素の第2のゲート信号線を電気的に短絡す
    る第3の短絡部と、 前記第1の短絡部と第2の短絡部を電気的に接続する第
    1の接続部と、 前記第2の短絡部と第3の短絡部を電気的に接続する第
    2の接続部とを有することを特徴とするアレイ基板。
  3. 【請求項3】 各画素にスイッチング素子が配置され、
    かつ画素がマトリックス状に配置され、1画素あたり複
    数本のゲート信号線と少なくとも1本のソース信号線を
    有し、かつ前記信号線を制御することにより光変調を行
    うEL表示装置に用いる検査装置にあって、 前記複数のゲート信号線に前記スイッチング素子を動作
    状態にする電圧を印加するゲート電圧印加手段と、 前記EL表示装置のカソードに第1の電圧を印加するカ
    ソード電圧印加手段と、 前記EL表示装置のアノードに第2の電圧を印加するア
    ノード電圧印加手段と、 前記EL表示装置の点灯状態を光学的に検出または測定
    する光学的測定手段とを具備することを特徴とする検査
    装置。
  4. 【請求項4】 各画素にスイッチング素子が配置され、
    かつ画素がマトリックス状に配置され、1画素あたり複
    数本のゲート信号線と少なくとも1本のソース信号線を
    有し、かつ前記信号線を制御することにより光変調を行
    うEL表示装置を構成するアレイに用いる検査装置にあ
    って、 前記複数のゲート信号線に前記スイッチング素子を動作
    状態にする電圧を印加するゲート電圧印加手段と、 前記アレイのカソードに第1の電圧を印加するカソード
    電圧印加手段と、 前記アレイのアノードに第2の電圧を印加するアノード
    電圧印加手段と、 前記アレイのソース信号線から出力される電流を検出ま
    たは測定する検査手段とを具備することを特徴とする検
    査装置。
  5. 【請求項5】 各画素にスイッチング素子が配置され、
    かつ画素がマトリックス状に配置され、1画素あたり複
    数本のゲート信号線と少なくとも1本のソース信号線を
    有し、かつ前記信号線を制御することにより光変調を行
    うEL表示装置に用いる検査方法であって、 前記複数のゲート信号線に前記スイッチング素子を動作
    状態にする電圧を印加するゲート電圧印加手段と、 前記EL表示装置の各画素の複数のゲート信号線に、前
    記スイッチング素子を動作状態にする電圧を印加し、 前記各画素のソース信号線をオープン状態にし、 前記EL表示装置のアノードに第1の電圧を印加し、 前記EL表示装置のカソードに前記第1の電圧よりも低
    い第2の電圧を印加することを特徴とするEL表示装置
    の検査方法。
  6. 【請求項6】 1つの画素は、少なくとも、EL膜に流
    す電流を制御する駆動トランジスタと、前記駆動トラン
    ジスタのゲート電位を保持するコンデンサと、ドライバ
    から出力した電流を前記駆動トランジスタに流す経路を
    構成する第1のスイッチングトランジスタと、前記駆動
    トランジスタからの電流を前記EL膜に流す経路を構成
    する第2のスイッチングトランジスタから構成されてい
    るEL表示パネルであって、 前記第1のスイッチングトランジスタを動作状態にし、
    かつ前記第2のスイッチングトランジスタを非動作状態
    にして、前記コンデンサを所定電圧に充電する第1の動
    作と、 前記第2のスイッチングトランジスタを動作状態にし、
    かつ前記第2のスイッチングトランジスタを非動作状態
    にして、前記EL素子に電流を流す第2の動作とを実施
    することを特徴とするEL表示パネルの検査方法。
  7. 【請求項7】 1つの画素は、少なくとも、EL膜に流
    す電流を制御する駆動トランジスタと、前記駆動トラン
    ジスタのゲート電位を保持するコンデンサと、ドライバ
    から出力した電流を前記駆動トランジスタに流す経路を
    構成する第1のスイッチングトランジスタと、前記駆動
    トランジスタからの電流を前記EL膜に流す経路を構成
    する第2のスイッチングトランジスタから構成されてい
    るEL表示パネルであって、 前記第1のスイッチングトランジスタを動作状態にし、
    かつ前記第2のスイッチングトランジスタを非動作状態
    にして、前記コンデンサを所定電圧に充電する第1の動
    作と、 前記第2のスイッチングトランジスタを動作状態にし、
    かつ前記第2のスイッチングトランジスタを非動作状態
    にして、前記EL素子に電流を流す第2の動作とを実施
    し、 前記第1の動作と前記第2の動作とを切り替える周期を
    可変することを特徴とするEL表示パネルの検査方法。
  8. 【請求項8】 1つの画素は、少なくとも、EL膜に流
    す電流を制御する駆動トランジスタと、前記駆動トラン
    ジスタのゲート電位を保持するコンデンサと、前記コン
    デンサに充電するスイッチングトランジスタから構成さ
    れ、かつ前記スイッチングトランジスタを選択するゲー
    トドライバ回路を有するEL表示パネルであって、 複数の画素に接続されたソース信号線端を電気的オープ
    ン状態にし、 前記ゲートドライバ回路を動作させ、前記スイッチング
    トランジスタを動作状態にし、かつ前記EL表示パネル
    のアノードに第1の電圧を印加するとともに、前記EL
    表示パネルのカソードに前記第1の電圧よりも低い第2
    の電圧を印加することを特徴とするEL表示パネルの検
    査方法。
  9. 【請求項9】 各画素にスイッチング素子が配置され、
    かつ画素がマトリックス状に配置され、少なくとも1画
    素あたり第1および第2のゲート信号線とソース信号線
    を有し、かつ前記信号線を制御することにより光変調を
    行うEL表示パネルであって、 前記複数の第1のゲート信号線にスイッチング素子を動
    作状態にする電圧を印加する第1のゲート電圧印加手段
    と、 前記複数の第2のゲート信号線にスイッチング素子を動
    作状態にする電圧を印加する第2のゲート電圧印加手段
    と、 前記EL表示パネルのアノードに電圧を印加するアノー
    ド電圧印加手段と、 前記EL表示装置のカソードに電圧を印加するカソード
    電圧印加手段とを具備することを特徴とするEL表示パ
    ネルの検査装置。
  10. 【請求項10】 各画素にスイッチング素子が配置さ
    れ、かつ画素がマトリックス状に配置され、少なくとも
    1画素あたり第1のゲート信号線と第2のゲート信号線
    と第3のゲート信号線とソース信号線を有し、かつ前記
    信号線を制御することにより光変調を行うEL表示パネ
    ルであって、 前記の第1のゲート信号線にスイッチング素子を動作状
    態にする電圧を印加する第1のゲート電圧印加手段と、 前記複数の第2のゲート信号線にスイッチング素子を動
    作状態にする電圧を印加する第2のゲート電圧印加手段
    と、 前記複数の第3のゲート信号線にスイッチング素子を動
    作状態にする電圧を印加する第3のゲート電圧印加手段
    と、 前記EL表示パネルのアノードに電圧を印加するアノー
    ド電圧印加手段と、 前記EL表示装置のカソードに電圧を印加するカソード
    電圧印加手段とを具備することを特徴とするEL表示パ
    ネルの検査装置。
  11. 【請求項11】 1つの画素は、少なくとも、EL膜に
    流す電流を制御する駆動トランジスタと、前記駆動トラ
    ンジスタのゲート電位を保持するコンデンサと、前記コ
    ンデンサに充電するスイッチングトランジスタから構成
    され、かつ前記スイッチングトランジスタを選択するゲ
    ートドライバ回路と、映像信号を出力するソースドライ
    バ回路とを有するEL表示パネルであって、 前記ゲートドライバ回路を動作させ、前記スイッチング
    トランジスタを動作状態にし、かつ前記EL表示パネル
    のアノードに第1の電圧を印加するとともに、前記EL
    表示パネルのカソードに前記第1の電圧よりも低い第2
    の電圧を印加し、 前記ソースドライバ回路の出力をオープン状態にするこ
    とを特徴とするEL表示パネルの検査方法。
  12. 【請求項12】 1つの画素は、少なくとも、EL膜に
    流す電流を制御する駆動トランジスタと、前記駆動トラ
    ンジスタのゲート電位を保持するコンデンサと、前記コ
    ンデンサに充電するスイッチングトランジスタから構成
    され、 前記スイッチングトランジスタを選択する信号を伝達す
    るゲート信号線と、 前記画素に印加する映像信号を伝達するソース信号線
    と、 前記コンデンサの一端の電位を設定する電圧を伝達する
    コンデンサ信号線とを具備することを特徴とするEL表
    示パネル。
  13. 【請求項13】 請求項12記載のEL表示パネルと、 ダウンコンバータと、 アップコンバータと、 受話器と、 スピーカとを具備することを特徴とする情報表示装置。
  14. 【請求項14】 表示領域にタッチパネルを具備するこ
    とを特徴とする請求項13記載の情報表示装置。
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