JP2008241836A - サイン表示体およびサイン表示装置 - Google Patents

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JP2008241836A JP2007078793A JP2007078793A JP2008241836A JP 2008241836 A JP2008241836 A JP 2008241836A JP 2007078793 A JP2007078793 A JP 2007078793A JP 2007078793 A JP2007078793 A JP 2007078793A JP 2008241836 A JP2008241836 A JP 2008241836A
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Junya Kojima
淳也 小島
Fumio Jinno
文夫 神野
Tomoyuki Takada
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Abstract

【課題】サインの光輝的な表示および反射光による表示が可能で、遠くから見ても近くから見ても意匠性に優れ、しかも薄型化・軽量化を容易に実現できるサイン表示体およびサイン表示装置を提供する。
【解決手段】本発明のサイン表示体1は、サイン表示層10aと、サイン表示層10aの両面または片面に設けられた透光性樹脂製の外側層20とを備え、サイン表示層10aは、透光性樹脂製のシートに、直径20μm以下の気泡が集合した発泡ドットが、所定のサインのパターンで多数配置された層である。本発明のサイン表示装置100aは、上記サイン表示体1とサイン表示体1の側端面に隣接した光源2とを備える。
【選択図】図7

Description

本発明は、サイン表示体およびサイン表示装置に関する。
サイン表示体は、文字、図柄、絵画、模様、写真などのサインなどを表示する媒体であり、装飾、POP、工芸品、看板、玩具、教材などとして広く利用されている。これらは、用途の目的に応じて、アピール性、芸術性、意外性などが求められることがある。その効果をより促進させるために、サインを光輝的に表示させるサイン表示装置が用いられることがある。
サイン表示装置としては、例えば、光を入射するための光源と、サイン部が光源の波長に対して光輝性であり、サイン部を除く透明部分が光源の波長に対して透光性であるサイン表示体とを備えるものが知られている。このサイン表示装置では、光源からの入射光がサイン表示体の透明部分を全反射しながら伝播し、サイン部に当たった際に散乱してサイン表示体から出光する。その結果、サイン部を明るく表示させることができる。
このようなサイン表示装置によれば、暗い環境下でもサインを表示でき、また、反射光によるサイン表示体よりも意匠性、インパクト効果、宣伝効果などを発揮させることができる。そのため、デパートやスーパーマーケットなどの装飾、POP、看板、屋内照明、自動販売機あるいはショウウィンドウの広告媒体などに用いられる。
サイン表示装置を構成するサイン表示体の製造方法としては、透明体の内部あるいは表面にサイン模様に見えるように凹凸加工を施したものが知られている。その凹凸加工方法としては、レーザー描画加工法(特許文献1参照)、サンドブラスト加工法やエンドミル加工法(特許文献2参照)、ニードル状や錐状工具での加工法(特許文献3参照)が知られている。また、凹凸加工方法以外に、光拡散機能を有する白色または着色インキを透明体に印刷することによっても得られる(特許文献4参照)。
特開2002−244596号公報 特開2004−361628号公報 特開平10−222111号公報 特開2004−226437号公報
ところで、サイン表示体としては、光輝的な表示および反射光による表示が、遠くから見た場合でも近くから見た場合でも見栄えが良いことが求められる。特に、写真や複雑な絵柄のサインを表示する場合には、紙の印刷物と同様に、高い精細性が要求される。
しかし、上述した従来の凹凸加工方法で作製したサイン表示体では、凹凸の集合によりサインを表示しているため、反射光による表示を遠くから見た場合には視認できず表示機能に限界があった。
また、高い精細性を得るためには加工精度を向上させればよいが、最も精度が高いレーザー描画加工法でも加工精度50μm程度が限界であり、充分に高精度であるとはいえなかった。
また、光拡散機能を有する白色または着色インキを透明体に印刷する方法では、反射光による表示が遠くから見た場合には視認できるが、近くからサインを見ると印刷ドット自体が視認されやすくなるため、意匠性に乏しかった。さらには、透明体の表面に印刷しているため、印刷インクが剥離したり、インク自体の紫外線劣化や色温度変化による表示性能の低下も起こったりしていた。
さらに、サイン表示体においては、天井や壁などに容易に設置できるようにするために、薄型化・軽量化が強く求められている。
本発明は、サインの光輝的な表示および反射光による表示が可能で、遠くから見ても近くから見ても意匠性に優れ、しかも薄型化・軽量化を容易に実現できるサイン表示体およびサイン表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、透明体の表面また内部に発泡ドットの集合体からなるサインを有することで、上記課題を解決できることを見出し、以下のサイン表示体およびサイン表示装置を発明した。
本発明は、以下の構成を包含する。
[1] サイン表示層と、該サイン表示層の両面または片面に設けられた透光性樹脂製の外側層とを備えるサイン表示体であって、
サイン表示層は、透光性樹脂製のシートに、直径20μm以下の気泡が集合した発泡ドットが、所定のサインのパターンで多数配置された層であることを特徴とするサイン表示体。
[2] [1]に記載のサイン表示体と該サイン表示体の側端面に隣接した光源とを備えるサイン表示装置。
[3] [1]に記載のサイン表示体と該サイン表示体の側端面に隣接した光源とを備える表示ユニットを複数有し、各表示ユニット間に、サイン表示体の外側層より屈折率が小さい中間層が介在しているサイン表示装置。
本発明のサイン表示体およびサイン表示装置は、サインの光輝的な表示および反射光による表示が可能で、遠くから見ても近くから見ても意匠性に優れ、しかも薄型化・軽量化を容易に実現できる。
「第1の実施形態」
≪サイン表示体≫
本発明のサイン表示体およびサイン表示装置の第1の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態のサイン表示体を示す。このサイン表示体1は、一定厚みのサイン表示層10aと、サイン表示層10aの両面に設けられた外側層20,20とを備えるシート状のものである。
<サイン表示層>
サイン表示層10aは、透光性樹脂製のシートに、気泡11a,11a・・・が集合した発泡ドット11(図2参照)が星状のパターンで多数配置されてサインSが形成された層である。
サイン表示層10aを構成する透光性樹脂としては、例えば、後述する分解発泡性化合物のうちの、高分子系分解性化合物が挙げられる。
本実施形態における発泡ドット11は、視認した際に円形状になっている。発泡ドット11の直径はサインSのデザインにもよるため特に制限されないが、サインSを高精細にする場合には50μm以下であることが好ましく、10〜20μm以下であることがより好ましい。
発泡ドット11,11同士の間隔は、サインSのデザインにもよるため特に制限されないが、サインSを高精度にする場合には、10〜500μmであることが好ましい。また、発泡ドット径50μm以下において、サインSを高精度にする場合には、発泡ドット11,11同士の間隔は10〜100μmであることがより好ましい。発泡ドット11,11同士の間隔が10μm以上であれば、サイン表示層10aの一側端面から入射した光を反対側の側端面まで容易に到達させることができ、100μm以下であれば、発泡ドット11をサインS中で視認させにくくすることができる。
また、発泡ドット11,11は、一定の間隔で配置されていてもよいし、サイン表示層10aの一側端面から反対側の側端面に向かって間隔が漸次変化していてもよい。例えば、サイン表示層10aの一側端面から反対側の側端面に向かって間隔が漸次狭くなっていてもよい。間隔が漸次変化している場合には、間隔が広い側の側端面より光を入射させることにより、サインSを均一に光輝させることができる。
発泡ドット11における気泡11aの直径は20μm以下であり、10μm以下であることがより好ましく、さらには、サイン表示装置で一般的に使用される光源の波長に近い1μm以下であることがより好ましい。気泡11aの直径を20μm以下にすることで、光学機能を充分に発揮させることができる上に、サイン表示体1の薄型化も可能となる。
また、気泡11aの直径は0.1μm以上であることが好ましい。気泡11aの直径を0.1μm未満にすると、所望の色相が得られないおそれがある。
サイン表示層10aは、着色した透光性樹脂製シートが用いられて着色されていてもよい。また、サイン表示層10aは、光を入射する側端面のみが着色されていてもよい。 このように着色することで、有色のサインSとすることができる。
サイン表示層10aの厚さは、意匠性や光源によるため限定されないが、サイン表示体1および装置を薄型化する場合には、10μm〜2mmが好ましく、20μm〜1mmがより好ましい。サイン表示層10aの厚さが10μm以上であれば、充分に視認可能なサインを表示でき、2mm以下であれば、充分に薄型化・軽量化できる。
<外側層>
外側層20は透光性樹脂製の層である。外側層20を構成する透光性樹脂としては、サインS全体を均一に光輝的に表示させるために、サイン表示層10aを構成する透光性樹脂より屈折率が低いものが選択されることが好ましい。具体的には、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、メチルメタクリレートとスチレンの共重合体などが好ましい。
外側層20の厚さは、特に限定されないが、サイン表示体1のフレキシブル性や薄型化が要求される場合は、50μm〜1mmが好ましい。外側層20の厚さが50μm以上であれば、サイン表示体1が必要な強度を有し、1mm以下であれば、充分に薄型化・軽量化できる。
<サイン表示体の製造方法>
上述したサイン表示体1の製造方法について説明する。
サイン表示体1の製造方法としては、例えば、発泡性組成物を成形して成形体を得る成形工程と、成形体の両面に外側層20を積層する積層工程と、前記成形体の、発泡ドット11を形成しようとする部分を発泡させる発泡工程とを有する方法が挙げられる。
(成形工程)
[発泡性組成物]
成形工程にて成形される発泡性組成物としては、例えば、(A)光照射によってガスを発生させる光発泡性化合物、(B)光重合性化合物と熱発泡性化合物を組み合わせたもの(特許第3422384号公報、特開平5−477号公報参照)、(C)放射線エネルギーの作用によって酸を発生する酸発生剤または塩基を発生する塩基発生剤と、酸または塩基と反応して一種類以上の低沸点揮発性物質を分解脱離する分解発泡性官能基を有する分解発泡性化合物とを含有するもの(特開2004−2812号公報参照)を含む。
とりわけ、(C)の発泡性組成物(以下「組成物(C)」という。)は、気泡の直径を容易に10μm以下にすることができ、かつ、発泡ドットのパターンを広範囲に精密制御できるので好ましい。
組成物(C)は、放射線エネルギー及び熱エネルギーの作用により発泡性が発現する組成物である。その発泡性組成物は、少なくとも次の2つの成分を含有する。
その一つは、放射線エネルギーの作用によって酸を発生する酸発生剤、または塩基を発生する塩基発生剤である。他の一つは、前記発生した酸または塩基と反応して一種類以上の低沸点揮発性化合物を分解脱離する分解発泡性化合物である。
・酸発生剤及び塩基発生剤
組成物(C)に用いられる酸発生剤又は塩基発生剤には、一般的に化学増幅型フォトレジスト、及び光カチオン重合などに利用されている光酸発生剤や光塩基発生剤と呼ばれているものを用いることができる。
組成物(C)に好適な光酸発生剤としては、
(1)ジアゾニウム塩系化合物
(2)アンモニウム塩系化合物
(3)ヨードニウム塩系化合物
(4)スルホニウム塩系化合物
(5)オキソニウム塩系化合物
(6)ホスホニウム塩系化合物
などから選ばれた芳香族もしくは脂肪族オニウム化合物のPF6 、AsF6 、SbF6 、CF3SO3 塩を挙げることができる。その具体例を下記に列挙するが、これら例示したものに限定されるものではない。
ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(p−メチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(4−クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(p−トリルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(2,4−キシリルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、
ベンゾイルフェニルスルホニルジアゾメタン、
トリフルオロメタンスルホネート、
トリメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、
2,4,6−トリメチルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
p−トリルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、
4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、
1−(2−ナフトイルメチル)チオラニウムヘキサフルオロアンチモネート、
1−(2−ナフトイルメチル)チオラニウムトリフルオロメタンスルホネート、
4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、
4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
(2−オキソ−1−シクロヘキシル)(シクロヘキシル)メチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
(2−オキソ−1−シクロヘキシル)(2−ノルボルニル)メチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
ジフェニル−4−メチルフェニルスルホニウムパーフルオロメタンスルホネート、
ジフェニル−4−tert−ブチルフェニルスルホニウムパーフルオロオクタンスルホネート、
ジフェニル−4−メトキシフェニルスルホニウムパーフルオロブタンスルホネート、
ジフェニル−4−メチルフェニルスルホニウムトシレート、
ジフェニル−4−メトキシフェニルスルホニウムトシレート、
ジフェニル−4−イソプロピルフェニルスルホニウムトシレート
ジフェニルヨードニウム、
ジフェニルヨードニウムトシレート、
ジフェニルヨードニウムクロライド、
ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、
ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、
ジフェニルヨードニウムナイトレート、
ジフェニルヨードニウムパークロレート、
ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、
ビス(メチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、
ビス(メチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、
ビス(メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、
ビス(メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロブタンスルホネート、
2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2,4,6−トリ(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−フェニル−4,6−ジトリクロロメチル−1,3,5−トリアジン、
2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ジトリクロロメチル−1,3,5−トリアジン、
2−ナフチル−4,6−ジトリクロロメチル−1,3,5−トリアジン、
2−ビフェニル−4,6−ジトリクロロメチル−1,3,5−トリアジン、
2−(4′−ヒドロキシ−4−ビフェニル)−4,6−ジトリクロロメチル−1,3,5−トリアジン、
2−(4′−メチル−4−ビフェニル)−4,6−ジトリクロロメチル−1,3,5−トリアジン、
2−(p−メトキシフェニルビニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシ−1−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソラン−5−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(3,4,5−トリメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(3,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(2,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(2−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−ブトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−ペンチルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリリウムトリフロオロメタンスルホネート、
トリメチルオキシニウムテトラフロオロボレート、
トリエチルオキシニウムテトラフロオロボレート、
N−ヒドロキシフタルイミドトリフルオロメタンスルホネート、
N−ヒドロキシナフタルイミドトリフルオロメタンスルホネート、
(α−ベンゾイルベンジル)p−トルエンスルホネート、
(β−ベンゾイル−β−ヒドロキシフェネチル)p−トルエンスルホネート、
1,2,3−ベンゼントリイルトリスメタンスルホネート、
(2,6−ジニトロベンジル)p−トルエンスルホネート、
(2−ニトロベンジル)p−トルエンスルホネート、
(4−ニトロベンジル)p−トルエンスルホネート、
などが挙げられる。なかでも、ヨードニウム塩系化合物、スルホニウム塩系化合物が好ましい。
また、前記オニウム化合物以外にも、活性エネルギー線照射によりスルホン酸を光発生するスルホン化物、例えば2−フェニルスルホニルアセトフェノン、活性エネルギー線照射によりハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物、例えば、フェニルトリブロモメチルスルホン、及び1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン、並びに活性エネルギー線照射により燐酸を光発生するフェロセニウム化合物、例えば、ビス(シクロペンタジエニル)フェロセニウムヘキサフルオロフォスフェート、及びビス(ベンジル)フェロセニウムヘキサフルオロフォスフェートなどを用いることができる。
さらには、下記に挙げる酸発生能を有するイミド化合物誘導体も使用できる。
N−(フェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(10−カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフタルイミド、
N−(10−カンファースルホニルオキシ)ナフタルイミド。
組成物(C)に好適な光塩基発生剤としては、
(1)オキシムエステル系化合物
(2)アンモニウム系化合物
(3)ベンゾイン系化合物
(4)ジメトキシベンジルウレタン系化合物
(5)オルトニトロベンジルウレタン系化合物
などが挙げられ、これらは光エネルギーの照射により塩基としてアミンを発生する。その他にも、光の作用によりアンモニアやヒドロキシイオンを発生する塩基発生剤を用いてもよい。これらは、例えばN−(2−ニトロペンジルオキシカルボニル)ピペリジン、1,3−ビス〔N−(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)−4−ピペリジル〕プロパン、N,N′−ビス(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)ジヘキシルアミン、及びO−ベンジルカルボニル−N−(1−フェニルエチリデン)ヒドロキシルアミンなどから選ぶことができる。さらには加熱により塩基が発生する化合物を上記光塩基発生剤と併用してもよい。
また、光酸発生剤または光塩基発生剤が活性化する光エネルギーの波長領域をシフトまたは拡大するために、適宜光増感剤を併用してもよい。例えば、オニウム塩化合物に対する光増感剤には、アクリジンイエロー、ベンゾフラビン、アクリジンオレンジなどが挙げられる。
必要な酸を生成しながらも酸発生剤または塩基発生剤の添加量や光エネルギーを最小限に抑制するために、酸増殖剤や塩基増殖剤(K.Ichimuraら,Chemistry Letters,551−552(1995)や特開平8−248561号公報、特開2000−3302700号公報)を酸発生剤または塩基発生剤とともに用いることができる。酸増殖剤は、常温付近で熱力学的に安定であるが、酸によって分解し、自ら強酸を発生し、酸触媒反応を大幅に加速させる。この反応を利用することにより、酸または塩基の発生効率を向上させて、発泡生成速度や発泡構造をコントロールすることも可能である。
・分解発泡性化合物
組成物(C)に用いられる分解発泡性化合物(以下、分解性化合物と略す)は、酸または塩基と反応して一種類以上の低沸点揮発性物質(低沸点揮発性化合物)が分解脱離する化合物である。
低沸点とは、発泡時にガス化が可能な沸点、すなわち、発泡時の温度よりも低い沸点を有することを意味する。低沸点揮発性物質の沸点は、通常100℃以下であり、常温以下であることが好ましい。
低沸点揮発性物質としては、例えばイソブテン(沸点;−7℃) 、二酸化炭素(沸点;−79℃)、窒素(沸点;−196℃)などが挙げられる。
分解性化合物には、低沸点揮発性物質を発生し得る分解性官能基があらかじめ導入されていなければならない。
分解性官能基の内、酸と反応するものとしては、−O−tBuの構造式で示されるtert−ブチルオキシ基、−CO−O−tBuの構造式で示されるtert−ブチルオキシカルボニル基、−O−CO−O−tBuの構造式で示されるtert−ブチルカーボネート基、ケト酸およびケト酸エステル基などが挙げられる。ここで、−tBuは−C(CH)を表している。
tert−ブチルオキシ基およびtert−ブチルオキシカルボニル基は酸と反応して、イソブテンガスを、tert−ブチルカーボネート基はイソブテンガスと二酸化炭素を、ケト酸部位は二酸化炭素を、ケト酸エステルたとえばケト酸tert−ブチルオキシ基は二酸化炭素とイソブテンガスを発生する。
塩基と反応するものとしては、ウレタン基、カーボネート基などが挙げられる。塩基と反応して、ウレタン基、カーボネート基は二酸化炭素ガスを発生する。
分解性化合物の形態は、モノマー、オリゴマー、高分子化合物(ポリマー)の何れであってもよい。分解性化合物は、以下のような化合物群に分類することができる。
(1)非硬化性低分子系の分解性化合物群
(2)硬化性低分子系の分解性化合物群
(3)高分子系の分解性化合物群
(1)の非硬化性低分子系の分解性化合物群は、放射線エネルギーを付与しても、重合反応を生じない低分子系の分解性化合物群である。(2)の硬化性低分子系の分解性化合物群は、放射線エネルギーの付与により重合反応を生じて硬化するような化合物群であり、たとえばビニル基のような重合性基を含んでいる。また、(3)の高分子系の分解性化合物群は、すでに重合体となっている高分子化合物(ポリマー)である。
上記分解性化合物群は単独で用いてもよいし、異なる2種以上を混合併用してもよい。(2)の硬化性低分子系の分解性化合物群、または(3)の高分子系の分解性化合物群を用いると、均一な微細気泡の形成が容易であり、強度的に優れた発泡体を得ることが可能であり好ましい。以下に分解性化合物の具体例を列挙するが、これら例示したものに限定されるものではない。
(1)−a、非硬化性低分子系の分解性化合物群(酸分解性)
1−tert−ブトキシ−2−エトキシエタン、
2−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)ナフタレン、
N−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)フタルイミド、
2,2−ビス[p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)フェニル]プロパンなど
(1)−b、非硬化性低分子系の分解性化合物群(塩基分解性)
N−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)ピペリジンなど
(2)−a、硬化性低分子系の分解性化合物群(酸分解性)
tert−ブチルアクリレート、
tert−ブチルメタクリレート、
tert−ブトキシカルボニルメチルアクリレート、
2−(tert−ブトキシカルボニル)エチルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニル)フェニルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニルエチル)フェニルアクリレート、
1−(tert−ブトキシカルボニルメチル)シクロヘキシルアクリレート、
4−tert−ブトキシカルボニル−8−ビニルカルボニルオキシ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、
2−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)エチルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)フェニルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)ベンジルアクリレート、
2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチルアクリレート、
6−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ヘキシルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ベンジルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニルアミノメチル)ベンジルアクリレート、
(2−tert−ブトキシエチル)アクリレート、
(3−tert−ブトキシプロピル)アクリレート、
(1−tert−ブチルジオキシ−1−メチル)エチルアクリレート、
3,3−ビス(tert−ブチルオキシカルボニル)プロピルアクリレート、
4,4−ビス(tert−ブチルオキシカルボニル)ブチルアクリレート、
p−(tert−ブトキシ)スチレン、
m−(tert−ブトキシ)スチレン、
p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン、
m−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン、
アクリロイル酢酸、メタクロイル酢酸、
tert−ブチルアクロイルアセテート、
tert−ブチルメタクロイルアセテートなど
N−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)マレイミド
(2)−b:硬化性低分子系の分解性化合物群(塩基分解性)
4−[(1、1−ジメチル−2−シアノ)エトキシカルボニルオキシ]スチレン、
4−[(1、1−ジメチル−2−フェニルスルホニル)エトキシカルボニルオキシ]スチレン、
4−[(1、1−ジメチル−2−メトキシカルボニル)エトキシカルボニルオキシ]スチレン、4−(2−シアノエトキシカルボニルオキシ)スチレン、
(1、1−ジメチル−2−フェニルスルホニル)エチルメタクリレート、
(1、1−ジメチル−2−シアノ)エチルメタクリレートなど
(3)−a:高分子系の分解性化合物群(酸分解性)
ポリ(tert−ブチルアクリレート)、
ポリ(tert−ブチルメタクリレート)、
ポリ(tert−ブトキシカルボニルメチルアクリレート)、
ポリ[2−(tert−ブトキシカルボニル)エチルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニル)フェニルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルエチル)フェニルアクリレート]、
ポリ[1−(tert−ブトキシカルボニルメチル)シクロヘキシルアクリレート]、
ポリ{4−tert−ブトキシカルボニル−8−ビニルカルボニルオキシ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン}、
ポリ[2−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)エチルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)フェニルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)ベンジルアクリレート]、
ポリ[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチルアクリレート]、
ポリ[6−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ヘキシルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ベンジルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルアミノメチル)ベンジルアクリレート]、
ポリ(2−tert−ブトキシエチルアクリレート)、
ポリ(3−tert−ブトキシプロピルアクリレート)、
ポリ[(1−tert−ブチルジオキシ−1−メチル)エチルアクリレート]、
ポリ[3,3−ビス(tert−ブチルオキシカルボニル)プロピルアクリレート]、
ポリ[4,4−ビス(tert−ブチルオキシカルボニル)ブチルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシ)スチレン]、
ポリ[m−(tert−ブトキシ)スチレン]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン]、
ポリ[m−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン]、
ポリアクリロイル酢酸、ポリメタクロイル酢酸、
ポリ[tert−ブチルアクロイルアセテート]、
ポリ[tert−ブチルメタクロイルアセテート]
N−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)マレイミド/スチレン共重合体など
(3)−b、高分子系の分解性化合物群(塩基分解性)
ポリ{p−[(1、1−ジメチル−2−シアノ)エトキシカルボニルオキシ]スチレン}、
ポリ{p−[(1、1−ジメチル−2−フェニルスルホニル)エトキシカルボニルオキシ]スチレン}、
ポリ{p−[(1、1−ジメチル−2−メトキシカルボニル)エトキシカルボニルオキシ]スチレン}、
ポリ[p−(2−シアノエトキシカルボニルオキシ)スチレン]、
ポリ[(1、1−ジメチル−2−フェニルスルホニル)エチルメタクリレート]、
ポリ[(1、1−ジメチル−2−シアノ)エチルメタクリレート]、
分解性官能基を導入したポリエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、デンドリマーなどの有機系高分子化合物も酸分解性又は塩基分解性重合体系化合物として用いることができる。さらには、シリカなどの無機系化合物に分解性官能基を導入した酸分解性又は塩基分解性重合体系化合物も用いることができる。なかでも、分解性官能基は、カルボン酸基または水酸基、アミン基からなる群の中から選ばれる官能基を有する化合物群に導入されることが好ましい。
サイン表示層10aの耐水性を向上させるために、少なくとも一種類以上の疎水性官能基を含む化合物に分解発泡性官能基を導入した化合物を用いることもできる。疎水性官能基は、主に脂肪族基、脂肪環族基、芳香族基、ハロゲン基、ニトリル基からなる群の中から選ばれることが好ましい。
ただし、分解発泡性官能基は、主にカルボン酸基または水酸基、アミン基からなる群の中から選ばれる親水性官能基に導入されやすいので、分解性化合物としては、親水性官能基に分解発泡性官能基を導入した分解性ユニットと、疎水性官能基を含む疎水性ユニットからなる複合化合物が好ましい。特に、ビニル系の共重合体であることが好ましい。
疎水性ユニットとしては、メチル(メタ)アクリレートやエチル(メタ)アクリレートなどの脂肪族(メタ)アクリレート群、スチレン、メチルスチレン、ビニルナフタレンなどの芳香族ビニル化合物群、(メタ)アクリロニトリル化合物群、酢酸ビニル化合物群、塩化ビニル化合物群などが挙げられる。
分解性ユニットと疎水性ユニットの複合化合物からなる分解性化合物の具体例を以下に示す。
tert−ブチルアクリレート/メチルアクリレート共重合体、
tert−ブチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体、
tert−ブチルメタクリレート/メチルアクリレート共重合体、
tert−ブチルメタアクリレート/メチルメタクリレート共重合体、
tert−ブチルアクリレート/エチルアクリレート共重合体、
tert−ブチルアクリレート/エチルメタクリレート共重合体、
tert−ブチルメタクリレート/エチルアクリレート共重合体、
tert−ブチルメタクリレート/エチルメタクリレート共重合体、
tert−ブチルアクリレート/スチレン共重合体、
tert−ブチルアクリレート/塩化ビニル共重合体、
tert−ブチルアクリレート/アクリロニトリル共重合体、
p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン/スチレン共重合体。
また、分解性化合物中の分解性ユニットおよび疎水性ユニットは、一種単独でまたは2種以上併用することができる。共重合の形式は、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合などの任意の形式をとることができる。また、疎水性ユニットの共重合比は、分解性化合物全量に対して5〜95質量%であることが好ましく、分解性化合物の分解発泡性および発泡構造の環境保存性を勘案すると、20〜80質量%がより好ましい。上記分解性化合物は、単独で用いてもよいし、異なる2種以上を混合併用してもよい。上記分解性化合物は、分解発泡性官能基が分解脱離して気泡形成ガスを発生した後に、少なくとも一種類以上の疎水性官能基を含む化合物となる。
サイン表示層10aの耐水性を向上させるためには、発泡性組成物に、温度30℃、相対湿度60%の環境雰囲気下においてJIS K 7209D法で測定した平衡吸水率が10%未満の吸湿性化合物に分解発泡性官能基を導入した化合物を用いることもできる。
分解発泡性官能基を導入しやすい構造を有する低吸湿性化合物としては、例えば、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレンなどが挙げられる。したがって、分解性化合物は、p−(tert−ブトキシ)スチレン、m−(tert−ブトキシ)スチレン、p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン、m−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレンが挙げられる。これらは硬化性モノマーでも一種類以上を混合した重合体でもよい。
また、平衡吸水率が10%以上の高吸湿性化合物と、平衡吸水率10%未満の低吸湿性化合物との組み合わせからなる複合化合物に分解発泡性官能基を導入してもよい。ただし、耐水性の向上という目的を達成するためには、複合化合物は、適切な組み合わせにより、平衡吸水率が10%未満とすることが好ましい。例えば、高吸湿性化合物であるアクリル酸と低吸湿性化合物であるp−ヒドロキシスチレンの共重合体(複合化合物)は、その共重合比がアクリル酸/p−ヒドロキシスチレン=90/10〜0/100であることが好ましい。
高吸湿性化合物と低吸湿性化合物との組み合わせからなる分解性化合物の具体的な例を以下に示す。
tert−ブチルアクリレート/p−(tert−ブトキシ)スチレン共重合体、
tert−ブチルアクリレート/m−(tert−ブトキシ)スチレン共重合体、
tert−ブチルアクリレート/p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン共重合体、
tert−ブチルアクリレート/m−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン共重合体、
tert−ブチルメタクリレート/p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン共重合体。
さらには、ポリエステル、ポリイミド、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、デンドリマーからなる群の中から選ばれた低吸湿性高分子材料などに分解発泡性官能基を導入してもよい。上記分解性化合物は、単独で用いてもよいし、異なる2種以上を混合併用してもよい。上記分解性化合物は、分解発泡性官能基が分解脱離して気泡形成ガスを発生した後に、低吸湿性化合物となる。
・バインダ樹脂
組成物(C)には、酸発生剤または塩基発生剤と分解発泡性化合物以外に、成形体の骨格となるバインダ樹脂を混合する必要がある場合がある。即ち、非硬化性低分子系の分解性化合物群を用いる場合は単独では成形できないので、下記のバインダ樹脂と混合して用いる必要がある。バインダ樹脂は、分解性化合物と混合した時に相溶でも非相溶でもどちらでもかまわない。ただし、気泡を除く樹脂マトリックス部分の透光性を阻害しない程度とすることが好ましい。
バインダ樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、不飽和ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリオレフィン系複合樹脂、ポリスチレン、ポリブタジエン、(メタ)アクリル樹脂、アクリロイル樹脂、ABS樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアセタール、ポリサルホン、ポリ塩化ビニル、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、でんぷん、ポリビニルアルコール、ポリアミド、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、及びシリコーン樹脂などが挙げられる。
また、分解性化合物から分解してガス化する低沸点揮発性物質を成形体内に内在させることを目的として、ガスバリヤ性樹脂を用いることもできる。ガスバリヤ性樹脂は、混合しても被覆または積層してもよく、低沸点揮発性物質を成形体内により内在させるには、成形体表面に被覆または積層するのが好ましい。
分解性発泡化合物として、硬化性低分子系の分解性化合物群または高分子系の分解性化合物群を用いる場合には、上記バインダ樹脂に混合してもよいし、混合しなくてもよい。
上記バインダ樹脂を用いる場合でも、そうでない場合でも、放射線エネルギーで硬化する他の不飽和有機化合物を併用することができる。併用できる不飽和有機化合物の例としては、特開平8−17257号公報および特開平9−102230号公報に記載のものが挙げられ、例えば、
(1)脂肪族、脂環族、芳香族の1〜6価のアルコール及びポリアルキレングリコールの
(メタ)アクリレート類
(2)脂肪族、脂環族、芳香族の1〜6価のアルコールにアルキレンオキサイドを付加させて得られた化合物の(メタ)アクリレート類
(3)ポリ(メタ)アクリロイルアルキルリン酸エステル類
(4)多塩基酸とポリオールと(メタ)アクリル酸との反応生成物
(5)イソシアネート、ポリオール、(メタ)アクリル酸の反応生成物
(6)エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸の反応生成物
(7)エポキシ化合物、ポリオール、(メタ)アクリル酸の反応生成物
(8)メラミンと(メタ)アクリル酸の反応生成物
等を挙げられる。
併用できる化合物の中で、硬化性モノマーや樹脂は、サイン表示層10aの強度や耐熱性といった物性の向上効果や発泡性の制御効果などが期待できる。また分解性化合物および併用化合物に硬化性モノマーを用いれば、無溶剤成形ができ、環境負荷の少ない製造方法を提供できる。
不飽和有機化合物の具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、 2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロヘキシルアクリレート、イソボロニルアクリレート、イソボロニルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリプロピレングリコールアクリレート、エチレンオキシド変性フェノキシアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸ダイマー、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、アクリル酸−9,10−エポキシ化オレイル、マレイン酸エチレングリコールモノアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチレンアクリレート、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソランのカプロラクトン付加物のアクリレート、3−メチル−5,5−ジメチル−1,3−ジオキソランのカプロラクトン付加物のアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、エチレンオキシド変性フェノキシ化リン酸アクリレート、エタンジオールジアクリレート、エタンジオールジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、2−ブチル−2−エチルプロパンジオールジアクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリエチレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリエチレンオキシド変性水添ビスフェノールAジアクリレート、プロピレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリプロピレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、ポリオキシエチレンエピクロロヒドリン変性ビスフェノールAジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリエチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリプロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸トリアクリレート、エチレンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、ポリエチレンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、プロピレンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、ポリプロピレンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ポリカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等を挙げられる。
さらに、前記不飽和有機化合物として、分子鎖末端に(メタ)アクリロイル基を有する分子量が400〜5000程度の活性エネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。このような硬化性樹脂としては、例えば、ポリウレタン変性ポリエーテルポリ(メタ)アクリレートやポリウレタン変性ポリエステルポリ(メタ)アクリレートなどのポリウレタンポリ(メタ)アクリレートポリマー類が挙げられる。
・添加物
発泡性組成物は、必要に応じて、酸発生剤又は塩基発生剤と分解性化合物以外の添加物を含ませることができる。添加物としては、紫外線吸収剤、酸化防止剤、軟化剤、無機系または有機系化合物充填剤、各種界面活性剤などの分散剤、多価イソシアネート化合物、エポキシ化合物、有機金属化合物などの反応性化合物、シリコーンオイル、加工助剤、蛍光増白剤、スリップ防止剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、防曇剤、光安定剤、滑剤、有色染料などが挙げられる。
添加剤が含まれることにより、成形性、発泡性、光学的物性などの向上が期待できる。ただし、気泡を除く樹脂マトリックス部分の透光性を阻害しない程度とすることが好ましい。
上記添加剤のうち、成形性、発泡性、光学的物性が特に向上することから、紫外線吸収剤、酸化防止剤、軟化剤を用いることが好ましい。
紫外線吸収剤の具体例としては、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤などが挙げられる。サリチル酸系紫外線吸収剤としては、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレートなどが挙げられる。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−5′−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
酸化防止剤の具体例としては、モノフェノール系、ビスフェノール系、高分子型フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが挙げられる。光安定剤の代表的なものとしては、ヒンダードアミン系化合物が挙げられる。
軟化剤は、加工性を向上させる目的で使用でき、具体的には、エステル化合物類、アミド化合物類、側鎖を有する炭化水素重合体類、鉱油類、流動パラフィン類、ワックス類などが挙げられる。
軟化剤として用いるエステル化合物としては、アルコールとカルボン酸からなる構造のモノまたはポリエステルであれば特に制限はなく、ヒドロキシ基およびカルボニル基末端を分子内に残した化合物でも、エステル結合の形で封鎖された化合物でもよい。具体的には、ステアリルステアレート、ソルビタントリステアレート、エポキシ大豆油、精製ひまし油、硬化ひまし油、脱水ひまし油、エポキシ大豆油、極度硬化油、トリメリット酸トリオクチル、エチレングリコールジオクタノエート、ペンタエリスリトールテトラオクタノエートなどが挙げられる。
アミド化合物としては、アミンとカルボン酸からなる構造のモノまたはポリアミド化合物であれば特に制限はなく、アミノ基およびカルボニル基末端を分子内に残した化合物でも、アミド基の形で封鎖された化合物でもよい。具体的には、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、トリメチレンビスオクチル酸アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、トリオクタトリメリット酸アミド、ジステアリル尿素、ブチレンビスステアリン酸アミド、キシリレンビスステアリン酸アミド、ジステアリルアジピン酸アミド、ジステアリルフタル酸アミド、ジステアリルオクタデカ二酸アミド、イプシロンカプロラクタム、およびこれらの誘導体が挙げられる。
側鎖を有する炭化水素重合体としては、ポリα−オレフィン類で、炭素数4以上の側鎖を有する通常オリゴマーに分類されるものが挙げられる。具体的には、エチレン−プロピレンの共重合体やそのマレイン酸誘導体、イソブチレンの重合体、ブタジエン、イソプレンのオリゴマーおよびその水添物、1−ヘキセンの重合物、ポリスチレンの重合物およびこれらから誘導される誘導体、ヒドロキシポリブタジエンやその水添物、末端ヒドロキシポリブタジエン水添物などが挙げられる。
・光散乱性微粒子
組成物(C)等の発泡性組成物には、輝度向上や輝度ムラ抑制のために、補助的に光散乱性微粒子を添加してもよい。光散乱性微粒子としては、例えば、アクリル系、スチレン−アクリル系、ポリエチレン系の有機架橋ポリマービーズや、シリコンビーズ、中空粒子などが挙げられる。
気泡11aを除く樹脂マトリックス部分の透光性を維持させるためには、光散乱微粒子をナノスケールで相分離させた方が好ましい。その場合、発泡性組成物から形成される気泡の微小化や数密度増加の効果が得られる。
・調製方法
発泡性組成物は、周知の混練機を用いて調製することができる。例えば、二本ロール、三本ロール、カウレスデゾルバー、ホモミキサー、サンドグラインダー、プラネタリーミキサー、ボールミル、ニーダー、高速ミキサー、ホモジナイザーなどの混練機を用いることができる。また、超音波分散機などを使用することもできる。
[成形体、成形方法]
成形体の形状としては、サイン表示体1の使用形態を考慮すると、シート状物(フィルム状を含む)が好ましい。シート状物としては、支持体を用いない独立のシートであってもよいし、支持体上に密着したシート層であってもよい。
成形工程の段階における成形体は、固体でなく流動体であってもよい。例えば、特定の型に流し込んだ液状物も成形体に含まれる。
シート状物の成形方法は、特開2004−2812号公報や、特開2005−54176号公報、特開2005−55883号公報に記載される方法を適用することができる。例えば、押出成形、射出成形、塗工成形、プレス成形などが挙げられる。これらの中でも、特に、塗工成形および押出成形は、サイン表示体自身の薄型化が可能となり、また外側層の表面上に容易に積層できるので好ましい。
また、成形方法は、バッチ式でも連続式でもかまわない。発泡性組成物が溶液の場合には、溶剤の乾燥処理を加えてもよい。また、複数の成形体を積層することも可能である。
・塗工成形
塗工成形の場合には、支持体に発泡性組成物を塗工した後、発泡性組成物が溶剤等で希釈された溶液であれば、乾燥機にて溶剤分を除去することで、支持体上に発泡性組成物からなるシート層を得ることができる。このとき、支持体からシート層を剥離することで、発泡性組成物からなる単独のシート状物を得ることもできる。
塗工方法としては、バーコート法、エアードクターコート法、ブレードコート法、スクイズコート法、エアーナイフコート法、ロールコート法、グラビアコート法、トランスファーコート法、コンマコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、マルチロールコート法、ディップコート法、ロッドコート法、キスコート法、ゲートロールコート法、落下カーテンコート法、スライドコート法、ファウンテンコート法、スリットダイコート法などが挙げられる。
支持体の具体例としては、紙、合成紙、プラスチックシート、金属シート、金属蒸着シート等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、互いに積層されていてもよい。
プラスチックシートとしては、例えば、ポリスチレンシート、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンシート、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルシート等の汎用プラスチックシートやポリイミドシート、ABS樹脂シート、ポリカーボネートシート等のエンジニアリングプラスチックシートなどが挙げられる。
また、金属シートを構成する金属としては、アルミニウムおよび銅などが挙げられる。
金属蒸着シートとしては、アルミ蒸着シート・金蒸着シート・銀蒸着シートなどが挙げられる。
このとき、支持体を発泡工程シートとしてだけではなく、外側層20としても機能させるためには、透光性支持体であることが好ましく、さらには透光性樹脂シートであることが好ましい。透光性の光透過特性は、使用により適切に調整されたものであれば限定はされないが、可視光領域での光透過率で90%以上であることが好ましい。
また、光反射シートや導光シート(あるいは導光板)、プリズムシートのような光学機能シートを支持体とすれば、発泡体からなる光拡散部とこれらの機能性シートとの一体化を容易に行うことができる。
なお、外側層20の一方を支持体として用いる場合には、積層工程において、外側層20の他方のみを積層すればよい。
・押出成形
押出成形としては、スクリュー状の押出軸を用いた一般の押出成形法、ピストン状押出軸を用いたラム押出成形法などが挙げられる。例えば、押出成形法の具体例としては、押出成形機に取り付けられたダイから発泡性組成物を押し出し、その押し出し物をロールなどで挟持してシート状物とすることができる。
発泡性組成物は、組成によって、例えば150℃以上の加熱により分解してしまう場合もある。そのため、発泡工程の前に本来持つ発泡性能を失わないよう留意する必要がある。例えば、押出成形において、樹脂の溶融粘度まで加熱してしまうと発泡性能が損なわれる場合には、塗工成形と同様に溶媒を用いて発泡性組成物の溶液を調整し、常温で成形する溶液キャスト法のような方法を採ることもできる。
(積層工程)
成形体に外側層20を積層する際には、接着剤を用いて貼り合わせてもよいし、接着剤を用いずに熱圧着してもよい。なお、熱圧着する場合には、製造工程を簡略化できることから、後述の発泡工程の加熱工程にて熱圧着することが好ましい。
(発泡工程)
発泡工程において、発泡ドット11を形成しようとする部分を発泡させる際には、その部分に放射線エネルギーと熱エネルギーとを付与する。すなわち、発泡工程は、成形体に放射線を照射する放射線照射工程と、成形体を加熱する加熱工程とを含み、微細な気泡のみを作るときには、放射線照射工程後に加熱工程が行われることが好ましい。放射線照射工程と加熱工程とを順次行うことにより、安定した発泡体が形成できる。これは、組成物(C)の発泡機構が、放射線により酸又は塩基を発生させ、その酸又は塩基と加熱とにより分解発泡性化合物が分解し発泡するという機構であるためである。組成物(C)は比較的低い温度で気泡核を多数発生させ、更に温度を上げて気泡を成長させると微細な気泡が均一にできる。しかし、初めから高温にしておきそこに放射線を当てると、大きな気泡ができてしまう。
なお、各工程は、連続的に行っても不連続的に行ってもよい。
[放射線照射工程]
放射線照射工程で使用する放射線としては、電子線、紫外線、可視光線、γ線等の電離性放射線などが好ましい。これらの中では電子線又は紫外線を用いることが特に好ましい。
電子線を照射する場合には、充分な透過力を得るために、加速電圧が好ましくは30〜1000kV、より好ましくは30〜300kVである電子線加速器を用い、ワンパスの吸収線量を0.5〜20Mradに調整することが好ましい(1rad=0.01Gy)。加速電圧あるいは電子線照射量が上記範囲より低いと、電子線の透過力が不充分になり、成形体の内部まで充分に透過することができないことがある。また、この範囲より大きすぎると、エネルギー効率が悪化するばかりでなく、得られた成形体の強度が不充分になることがある。また、それに含まれる樹脂及び添加剤の分解を生じ、得られる発泡体の品質が不満足なものになることがある。
電子線加速器としては、例えば、エレクトロカーテンシステム、スキャンニングタイプ、ダブルスキャンニングタイプ等を用いることができる。電子線照射に際しては照射雰囲気の酸素濃度が高いと、酸もしくは塩基の発生、および/または硬化性分解性化合物の硬化が妨げられることがある。そのため照射雰囲気の空気を、窒素、ヘリウム、二酸化炭素等の不活性ガスにより置換することが好ましい。照射雰囲気の酸素濃度は1000ppm以下であることが好ましく、さらに安定的な電子線エネルギーを得るため、500ppm以下に抑制されることがより好ましい。
紫外線を照射する場合は、半導体・フォトレジスト分野や紫外線硬化分野などで一般的に使用されている紫外線ランプを用いることができる。一般的な紫外線ランプとしては、例えば、ハロゲンランプ、ハロゲンヒーターランプ、キセノンショートアークランプ、キセノンフラッシュランプ、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、ディープUVランプ、メタルハライドランプ、希ガス蛍光ランプ、クリプトンアークランプ、エキシマーランプ、極短波長(214nmにピーク)を発光するY線ランプが挙げられる。これらのランプには、オゾン発生の少ないオゾンレスタイプもある。
また、紫外線照射には、ArFエキシマーレーザー、KrFエキシマーレーザーや、非線形光学結晶を含む高調波ユニットを介したYAGレーザーなどに挙げられる種々のレーザーや、紫外発光ダイオードを用いることもできる。紫外線ランプやレーザー、紫外発光ダイオードの発光波長は、発泡性組成物の発泡性を妨げないものであれば限定はないが、好ましくは、光酸発生剤または光塩基発生剤が酸または塩基を効率よく発生させられる発光波長がよい。すなわち、使用する光酸発生剤または光塩基発生剤の感光波長領域と重なる発光波長が好ましい。さらには、それら発生剤の感光波長領域における極大吸収波長または最大吸収波長と重なる発光波長が、発生効率が高くなるためより好ましい。紫外線のエネルギー照射強度は、発泡性組成物によって適宜決められる。
種々の水銀ランプやメタルハライドランプなどに代表される照射強度が高い紫外線ランプを使用する場合には、生産性を高めることができることから、その照射強度(ランプ出力)は30W/cm以上が好ましい。紫外線の積算照射光量(J/cm2)は、エネルギー照射強度に照射時間を積算したものであり、発泡性組成物および形成しようとするパターンによって適宜決められる。酸発生剤や塩基発生剤の吸光係数に応じて設定することもある。安定かつ連続的に製造するためには、1.0mJ/cm2〜20J/cm2の範囲が好ましい。
エキシマーランプやエキシマーレーザーを使用する場合には、その照射強度は弱いが、ほぼ単一光に近いため、発光波長が発生剤の感光波長に最適化したものであれば、より高い発生効率および発泡性が可能となる。
照射光量を多くした場合、紫外線ランプによっては熱の発生が発泡性を妨げる場合がある。そのときは、コールドミラーなどの冷却処置を行なうことができる。
紫外線は、散乱光であってもよいし、直進性の高い平行光であってもよい。
気泡分布の位置制御を精度よく行うためには、放射線として平行光を用いることが好ましい。
・フォトマスク
本実施形態では、発泡ドット11を形成させようとする部分のみに放射線を照射するために、図3,4に示すフォトマスクを使用する。このフォトマスク30は、ドット31a,31a・・・の星型パターン31を有するものであり、ドット31aの部分には放射線が透過するようになっている。
フォトマスク30の材質としては、例えば、クロムマスク、メタルマスク、銀塩ガラスマスク、銀塩フィルム、スクリーンマスクなどが使用できる。また、ガラスをイオンエッチングしたマスクや、集光機能を有する平面レンズの干渉縞を電子線描画したマスクなども利用できる。
好ましいフォトマスク30としては、形成しようとするドットに対応する部分が金属蒸着(例えば、クロム蒸着)されておらず、それ以外の部分が金属蒸着されたクロムマスクが挙げられる。このようなフォトマスク30を使用すれば、放射線露光を一回で済ますことができる。
波長300nm以下の紫外線を照射する場合には、石英ガラスにクロムが蒸着されたクロムマスクが好ましい。
フォトマスク30を使用して照射する場合、密着照射、投影照射など方式が採用できる。フォトマスク30のパターンを精度良く転写させるためには、照射する光が均一平行光であることが好ましい。
平行光を照射するための露光システムとしては、例えば、インテグレーターと放物鏡を利用した光学系、フレネルレンズを利用した光学系、ハニカムボードと拡散板を利用した光学系などが挙げられる。高い均一性を得るには、インテグレーターと放物鏡を利用した光学系が一般的に好ましい。この光学系に用いる光源としては、ショートアークランプが好ましい。ショートアークランプとしては、メタルハライドランプや超高圧水銀ランプ、水銀キセノンランプ、ナトリウムランプ、Y線ランプが挙げられる。
フォトマスク30を使用する場合、発泡性組成物からなる成形体にフォトマスク30を密着させた後、紫外線の平行光を照射する。
また、干渉縞を発生させた放射線を照射する方法も可能である。
[加熱工程]
加熱工程で用いることのできる加熱器に特に制限はないが、接触加熱、誘導加熱、抵抗加熱、誘電加熱(およびマイクロ波加熱)、赤外線加熱により加熱できるもの等が例示される。具体的には、放射熱を利用した電気あるいはガス式の赤外線ドライヤーや、電磁誘導を利用したロールヒーター、油媒を利用したオイルヒーター、電熱ヒーター、およびこれらの熱風を利用した熱風ドライヤーなどが挙げられる。成形体に加熱体を接触させて加熱する接触加熱では、金属ブロック、金属板、金属ロールなどの加熱体が使用できる。接触加熱では加圧しながら加熱してもよい。この場合、プレス成形の際に使用する加熱プレス機を用いることができる。
誘電加熱や赤外線加熱は、材料内部を直接加熱する内部加熱方式であるため、熱風ドライヤーなどの外部加熱法よりも瞬時にかつ均一に加熱できるため、好ましい。誘電加熱の場合には、周波数1MHzから300MHz(波長30m〜1m)の高周波エネルギーを用いる。加熱しやすい点では、とりわけ6MHz〜40MHzの周波数の高周波エネルギーが好ましい。誘電加熱のうち、マイクロ波加熱では周波数が300MHzから300GHz(波長が1m〜1mm)のマイクロ波を用い、マイクロ波を照射する装置を容易に入手できる点では、とりわけ、2450MHz、915MHz(電子レンジと同じ)が好ましい。
赤外線加熱では、赤外領域の波長0.76〜1000μmの電磁波を利用する。ヒーター表面温度および被加熱材料の赤外吸収スペクトルなどにより、選択される波長の最適帯は異なるが、多くのものに適用できる点では、1.5〜25μmの波長帯が好ましく、2〜15μmの波長帯がさらに好ましい。
さらに、一般の熱記録用プリンターに使用されている加熱方式も利用できる。例えば、電流を流すことで発熱する感熱ヘッドやレーザー熱転写を適用して、熱の書き込みによって同パターンの発泡体を得ることができる。高精細や高解像度を得るときは、感熱ヘッドよりもレーザー熱転写の方が好ましい。
<サイン表示体の作用機能>
上述したサイン表示体1では、図5に示すように、外側層20の表面21からサイン表示層10aに、照明の光や太陽光等の自然光Lが入り込むと、その光Lが、発泡ドット11の気泡11aに当たって散乱、反射する。一方、気泡11aに当たらなかった光Lはそのまま透過する。その結果、サインSの部分が不透明に見えるため、光源より光を入射しない状態でも星型のサインが表示される。
また、サイン表示体1では、光源等を用いて、図6に示すように、サイン表示層10aの一側端面12aから光Lを入射すると、サイン表示体1の屈折率より空気の屈折率が低いため、入射した光Lが空気との界面にて全反射し、サイン表示体1内を伝播する。そして、伝播した光が発泡ドット11の気泡11aに当たった際に散乱する。その結果、サインSの部分から出光するため、星型のサインSが光輝的に見える。
したがって、サイン表示体1では、サインSの光輝的な表示および反射光による表示が可能である。しかも、サイン表示体1では、微小な気泡11aの集合体である発泡ドット11によりサインSを形成しているため、高精細にすることができ、遠くから見ても近くから見ても意匠性に優れる。
また、サイン表示体1ではサイン表示層10aを薄くできるため、薄型化・軽量化を容易に実現できる。
≪サイン表示装置≫
本実施形態のサイン表示体について説明する。
図7に、本実施形態のサイン表示装置を示す。このサイン表示装置100aは、上述したサイン表示体1と、サイン表示体1の一側端面12aに隣接した光源2とを備えるものである。
光源2としては、例えば、発光ダイオード、冷陰極管などが挙げられる。光源2は白色光であってもよいし、着色光であってもよい。
サイン表示体1における光源2が隣接した側端面12aと反対側の側端面12bには、光を反射させて有効利用するために、反射体が取り付けられてもよい。
このサイン表示装置100aでは、光源2により光をサイン表示体1に照射して、サイン表示体1のサイン表示層10aに入射する。光源2からサイン表示層10aに入射した光は外側層20との界面にて全反射しながら伝播し、発泡ドット11の気泡11aに当たった際に散乱する。その散乱により、サイン表示体1のサインSの部分から出光する。その結果、サインSを明るく表示させることができる。
「第2の実施形態」
本発明のサイン表示装置の第2の実施形態について説明する。
図8に、本実施形態のサイン表示装置を示す。このサイン表示装置100bは、第1のサイン表示体1aと第1のサイン表示体1aの一側端面に隣接した第1の光源2aとを備え、表面側に配置された第1の表示ユニット110と、第2のサイン表示体1bと第2のサイン表示体1bの一側端面に隣接した第2の光源2bとを備え、第1の表示ユニット110より内側に配置された第2の表示ユニット120と、第3のサイン表示体1cと第3のサイン表示体1cの一側端面に隣接した第3の光源2cとを備え、最も内側に配置された第3の表示ユニット130とを有する。第1のサイン表示体1aと第2のサイン表示体1bとの間、第2のサイン表示体1bと第3のサイン表示体1cとの間には中間層40が介在している。なお、サイン表示体1a,1b,1cは、第1の実施形態のサイン表示体と同様である。
また、第1のサイン表示体1aの発泡ドット13a、第2のサイン表示体1bの発泡ドット13b、第3のサイン表示体1cの発泡ドット13cは、表面側から見た際に互いに重ならないように配置されている。さらに、発泡ドット13a,13b,13cのパターンが合成されることによって、サインが形成されるようになっている。
中間層40は、サイン表示体1a,1b,1cの外側層20より屈折率が低い層である。
各光源2a,2b,2cの光を有効利用できる点では、各光源2a,2b,2cから外側層20に入射した光が、中間層40との界面にて全反射するように、外側層20と中間層40を選択することが好ましい。
外側層20に入射した光が中間層40にて全反射する条件は、中間層40の面に対する光の角度が臨界角θMAX以下になることである。外側層20の屈折率をnとし、中間層40の屈折率をnとした際に、外側層20を伝播する光が中間層40との界面で全反射する際の臨界角θMAXと各屈折率の関係は式1で表される。
式1:sinθmax =(n −n 1/2
式1は、外側層20の屈折率nと中間層40の屈折率nとを適宜組み合わせることによって、全反射可能になることを示している。
ところで、外側層20の屈折率nと、中間層40の屈折率nとにより比屈折率差△が、式2のように定義される。
式2:△=(n−n)/n
この式2をn=n−n・△に変形し、これを式1に代入し、△を0に近似することにより、臨界角θMAXと比屈折率差との関係が式3で表される。
式3:sinθmax =n×(2×△)1/2
光源からの入射角をおよそ4〜45度とした場合に、その角度を臨界角とすると、外側層20が、ポリメチルメタクリレート(屈折率:1.49)、ポリカーボネート(屈折率;1.59)、シクロオレフィンポリマー(屈折率;1.53)、ポリエチレンテレフタレート(屈折率;1.57)、ポリプロピレン(屈折率;1.49)、ポリスチレン(屈折率;1.59)、メチルメタクリレートとスチレンの共重合体のいずれかである場合(1.49≦n≦1.59)は、式3を満たすために、0.001≦△≦0.102となるように、中間層40の材料を選択することが好ましい。
サイン表示装置100bのサイン表示機能を、第2の表示ユニット120を例にとって説明する。光源2bから外側層20に光を入射すると、その光は中間層40との界面にて反射しながら第2のサイン表示体1b内を伝播する。伝播した光が発泡ドット13bの気泡に当たると散乱し、散乱光の一部は中間層40および第1のサイン表示体1aを透過して、視認可能になる。したがって、第2のサイン表示体1bのサインSを光輝的に表示させることができる。
本実施形態のサイン表示装置100bでは、サイン表示体1a,1b,1cの発泡ドット13a,13b,13cが、表面側から見た際に互いに重ならないようになっているから、光源2a,2b,2cの光の色を各々異なる三色(例えば、赤、青、緑)とすることによって、三色からなるサインを光輝的に表示させることができる。
なお、本発明のサイン表示体およびサイン表示装置は上述した実施形態に限定されない。例えば、サイン表示層10aは厚みが一定でなくてもよい。例えば、サイン表示層は、図9に示すように、一側端面12cから反対側の側端面12dにかけて漸次厚くなっているサイン表示層10bであってもよい。サイン表示層10bにおいて、厚い方の側端面12dから光を入射する場合には、側端面12dを光源の幅と同じに合わせることにより、光をサイン表示体1の全体に入射させることができる。その結果、光源の光を効率的に利用して、サインSを均一に光輝させることができ、しかも薄型化・軽量化することができる。特に、要求されるサイン表示体1の厚さより光源が厚い場合は、有効な形態となる。
また、サイン表示層は、側端面12e,12f側が厚くなっているサイン表示層10c(図10参照)であってもよい。このサイン表示層10cでは、一側端面12eまたは側端面12fに光源を隣接させて光を入射する。サイン表示層10cにおいて、側端面12eまたは側端面12fから光を入射する場合には、側端面12e,12fを光源の幅と同じに合わせることにより、光をサイン表示体1の全体に入射させることができる。その結果、光源の光を効率的に利用して、サインSを均一に光輝させることができ、しかも薄型化・軽量化することができる。特に、要求されるサイン表示体1の厚さより光源が厚い場合は、有効な形態となる。
また、サイン表示層は、一側端面12gの一部分12hが厚くなっているサイン表示層10dであってもよい(図11参照)。このサイン表示層10dでは、側端面12gの厚くなっている部分12hに光源を隣接させて光を入射する。サイン表示層10dにおいて、側端面12gの厚くなっている部分12hから光を入射する場合には、側端面12gの厚くなっている部分12hを光源の幅と同じに合わせることにより、光をサイン表示体1の全体に入射させることができる。その結果、光源の光を効率的に利用して、サインSを均一に光輝させることができ、しかも薄型化・軽量化することができる。特に、要求されるサイン表示体1の厚さより光源が厚い場合は、有効な形態となる。
外側層20はサイン表示層10aの片面のみに設けられていてもよい。サイン表示層10aの外側層が設けられていない側の面には空気が接することになるが、空気の屈折率はサイン表示層の屈折率より低いため、その場合でもサイン表示層10aに入射した光はサイン表示層10a内を伝播する。
また、外側層20の両面に、サイン表示層が複数設けられてもよい。すなわち、外側層20の片面にサイン表示層が設けれ、もう片側面に別のサイン表示層(サインは前述のサイン表示層と同一でも異なっても構わない)を設けることができる。さらには、外側層20とサイン表示層を交互に繰り返すような構成でも構わない。このときは図8で示す中間層40を設けないため、各サイン表示層に備えた光源の光が隣接する別のサイン表示層に混じってしまう可能性があるが、上記の交互に繰り返す構成の選択は、要求される意匠やデザインによる。
発泡ドット11の形状は、円形状に限らず、三角形状、四角形状などの多角形状であってもよい。
サインSを形成する際の放射線照射工程ではフォトマスクを使用したが、紫外線レーザーまたは電子線の描画装置を使用し、フォトマスクを省略してもよい。
サインのパターンは、星型に限定されず、他の図柄、文字、絵柄、模様、写真などであってもよく、それらの組み合わせであってもよい。
サイン表示装置100bにおいて、光源2a,2b,2cはサイン表示体1a,1b,1cの一側端面のみに隣接していなくてもよく、複数の側端面に隣接していてもよい。複数の側端面に光源が隣接する場合には光源が複数個であってもよい。
また、サイン表示装置100bにおいて、各サイン表示体1a,1b,1cの発泡ドット13a,13b,13cは、表面側から見た際に重なっていてもよい。発泡ドット13a,13b,13cが重なっている場合に、光源2a,2b,2cの光の色を各々異なる三色とすれば、光源2a,2b,2cの合成色からなるサインを光輝的に表示させることができる。
また、サイン表示装置100bにおけるサイン表示体は、サイン表示層10aの片面のみに外側層20が設けられたものであっても構わない。サイン表示層10aの片面のみに外側層20が設けられたものである場合には、サイン表示体に入射した光を、空気との界面または中間層40との界面にて反射させて、伝播させることができる。そして、その伝播した光が気泡に当たり、散乱することによって、出光させることができる。
以上説明した本発明のサイン表示体およびサイン表示装置は、例えば、装飾、POP、看板、屋内照明、広告媒体、工芸品、看板、玩具、教材などに用いることができる。
(1)発泡性組成物のシート化
分解性化合物であるtert−ブチルアクリレート(60質量%)とメチルメタクリレート(40質量%)とメタクリル酸(10質量%)の共重合体100質量部に対して、ヨードニウム塩系酸発生剤としてビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロブタンスルホネート(商品名:BBI−109、ミドリ化学製)3質量部を混合し、それらを酢酸エチルとメチルエチルケトンの混合溶媒に溶かして発泡性組成物溶液を調製した(固形分濃度:25質量%)。
次いで、この発泡性組成物溶液を、シリコーン処理PETシート(商品名:ルミラーSP−PET−01−75BU、パナック製)のシリコーン処理表面上に、塗布厚300μmのアプリケーターバー(商品名:ドクターブレードTD型、YOSHIMITSU SEIKI製)を用いて塗工した。その後、温度110℃の恒温乾燥機内で溶媒を蒸発除去させて、無色透明な塗布層を得た。この塗布層を、シリコーンPETシートから剥離させて、厚さ40μmの発泡性シートを得た。
(2)紫外線照射
図3,4に示すような、直径20μmのドット31a,31a・・・の星型パターン31を有する石英ガラス製のフォトマスク30を、そのフォトマスクと同一寸法に裁断した前記工程(1)で得られた発泡性シートの全面に重ねた。フォトマスク30のドット31a部分は、クロム蒸着されていない部分であり、ドット31a以外の部分はクロム蒸着されている。
次いで、フォトマスク30の上から紫外線を、照射線量が2000mJ/cm2となるように照射した。紫外線の光源としては、メタルハライドランプ(商品名;紫外線硬化用マルチメタルランプM03−L31、アイグラフィック(株)製)を用いた。
そして、照射後にフォトマスク30を取り去った。この時点では発泡性シートは発泡していない。
(3)加熱発泡とサイン表示体の作製
前記工程(3)で紫外線照射した発泡性シートを、透明アクリル樹脂シート(厚さ400μm)で挟み、さらに、それらを平押し金型に挟んで、ハンドプレス機で加熱プレスした(プレス圧力;10MPa、プレス温度;130℃、2分)。このときの加熱により、発泡性シートと透明アクリル樹脂シートを圧着すると同時に、紫外線を照射した部分を発泡させた。
その後、加圧したまま直ちに金型内部に冷却水を循環させて50℃にまで急冷した後、常圧に戻した。そして、金型を取り去ることにより、発泡ドットによってパターンが形成されたサインを有するサイン表示層と、サイン表示層の両面に設けられた外側層とを備えるサイン表示体を得た。得られたサイン表示体の厚さは全体で0.8mm程度であった。
得られたサイン表示体は、遠くから見ても近くから見ても反射光により星型サインが白く表示されるサイン表示体であった。また、発泡ドットは視認されず、高精細なサインであった。
(4)サイン表示装置の作製
図7に示すように、前記工程(4)で得られたサイン表示体1の一側端面12aに、直径1mmの冷陰極管からなる光源2が接触するように配置させてサイン表示装置100aを得た。
このサイン表示装置100aでは、冷陰極管からサイン表示体1に光を入射させることにより、星型サインSが光輝的に表示された。この場合も発泡ドットは視認されず、高精細なサインであった。
以上のことから、得られたサイン表示体1およびサイン表示装置100aは、サインの光輝的な表示および反射光による表示が可能であった
本発明のサイン表示体の第1の実施形態を示す図であって、(a)は平面図、(b)は断面図である。 図1のサイン表示体における発泡ドットを拡大した図である。 図1のサイン表示体を製造する際に使用するフォトマスクを示す上面図である。 図3のフォトマスクを拡大した図である。 サイン表示体のサイン表示を説明する図である。 サイン表示体のサイン表示を説明する図である。 本発明のサイン表示装置の第1の実施形態を示す斜視図である。 本発明のサイン表示装置の第2の実施形態を示す断面図である。 サイン表示層の他の例を示す斜視図である。 サイン表示層の他の例を示す斜視図である。 サイン表示層の他の例を示す斜視図である。
符号の説明
1,1a,1b,1c サイン表示体
2,2a,2b,2c 光源
10a,10b,10c,10d サイン表示層
11,13a,13b,13c 発泡ドット
11a 気泡
20 外側層
30 フォトマスク
31 星型パターン
31a ドット
40 中間層
100a,100b サイン表示装置
S サイン

Claims (3)

  1. サイン表示層と、該サイン表示層の両面または片面に設けられた透光性樹脂製の外側層とを備えるサイン表示体であって、
    サイン表示層は、透光性樹脂製のシートに、直径20μm以下の気泡が集合した発泡ドットが、所定のサインのパターンで多数配置された層であることを特徴とするサイン表示体。
  2. 請求項1に記載のサイン表示体と該サイン表示体の側端面に隣接した光源とを備えるサイン表示装置。
  3. 請求項1に記載のサイン表示体と該サイン表示体の側端面に隣接した光源とを備える表示ユニットを複数有し、各表示ユニット間に、サイン表示体の外側層より屈折率が小さい中間層が介在しているサイン表示装置。
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