JP2008209794A - マイクロレンズの製造方法 - Google Patents

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文夫 神野
Tomoyuki Takada
知行 高田
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Abstract

【課題】 レンズの形状と面内配置の精度が高いマイクロレンズを簡便に且つ安価に製造する方法を提供する。
【解決手段】活性エネルギー線の作用によって酸を発生する酸発生剤または塩基を発生する塩基発生剤を含有し、さらに、酸または塩基と反応して一種類以上の低沸点揮発性物質を分解脱離する分解性官能基を含有する樹脂に活性エネルギー線を照射した後に分解性官能基の分解反応温度以上で、且つ樹脂のガラス転移温度以下で加熱することにより分解反応させ、発生した低沸点揮発性物質を樹脂から揮散させることで樹脂の体積を減少させて凹凸を形成してマイクロレンズを製造する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光通信、デジタルカメラ、プロジェクトスクリーン用光拡散フィルムなどの分野で使用されるマイクロレンズに関し、特に、製造コストが低く、生産性に優れる平板マイクロレンズの製造方法を提供するものである。
近年、光通信技術の発展により、光部品の高集積化が進められてきており、それらを結ぶ光学レンズの微小化と高集積化のため、従来の球面レンズの代わりに、非球面レンズやマイクロレンズアレイが商品化されている。一方、急速に普及しているデジタルカメラに必須のデバイスであるCCDにおいても、ウエハ上に形成した多数の固体撮像素子のそれぞれにマイクロレンズを付設したものがカメラ等に実装されて実用化されている。それ以外にもプロジェクションスクリーンの光を均一化させるための光拡散フィルムにも使用されている。
これらに使用されているマイクロレンズの製造方法として様々な方法が提案されている。例えば、金型(スタンパ)により熱プレスして型を作る方法、光重合の程度を変えることで屈折率を変化させて形成する方法(特許文献1参照)、ガラスの表面をマスクで一部被覆してエッチングすることで形成する方法(特許文献2参照)、光反応性物質の移動を利用して光照射した部分の体積を増加させる方法(特許文献3参照)、レジスト材料で膜を形成後に光照射により反応させて照射部または非照射部を溶出させて形成する方法(特許文献4参照)、樹脂でパターンを形成後に熱溶融させてレンズ形状に加工する方法(特許文献5参照)などが挙げられる。
特許第3553929号公報 特公平7−23237号公報 特許第2541584号公報 特許第3003808号公報 特許第3317506号公報
金型でマイクロレンズを形成する方法では、熱可塑性樹脂の場合、加熱状態で作製されるため、金型、樹脂共に熱膨張の影響を受けるため、アレイの位置精度が出せないという欠点がある。リソグラフィ工程は、通常クリーンルーム内で管理された温度で行われるため熱膨張の影響がなく、高い位置精度のパターンが作製できるという利点があるが、上記公報に記載の方法においては、溶出の程度を精密に制御することが困難であり、結果として再現性良く製造することが難しい。
一方、光照射により重合度の変化によって屈折率変化を持たせたマイクロレンズを作製する方法では、屈折率変化の程度は微小であり、レンズとしての機能に限界が生じる。ガラスをエッチングする方法や、パターン化した樹脂を熱溶融させる方法ではレンズの形状を精密に制御することが難しく、用途に最適化された光学部品を設計することが困難である。
レンズの形状と面内配置の精度が高いマイクロレンズを簡便に且つ安価に製造する方法を提供することを課題とする。
上記課題について鋭意検討した結果、活性エネルギー線により酸および塩基を発生する物質と酸または塩基と反応して低沸点揮発物を分解脱離する化合物を含有する樹脂組成物に電子線照射や紫外線を部分的に照射後加熱して反応させ、発生したガスを樹脂のガラス転移温度以下で揮散させることで樹脂の体積を減少させてマイクロレンズを製造することで、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明にかかるマイクロレンズの製造方法は下記の構成を採用する。
本発明の第1は、活性エネルギー線の作用によって酸を発生する酸発生剤または塩基を発生する塩基発生剤を含有し、さらに、酸または塩基と反応して一種類以上の低沸点揮発性物質を分解脱離する分解性官能基を有する化合物を含有する樹脂に活性エネルギー線を照射した後に加熱することにより分解反応させ、発生した低沸点揮発性物質を樹脂から揮散させることで樹脂の体積を減少させて凹凸を形成することを特徴とするマイクロレンズの製造方法である。
本発明の第2は、上記第1の発明において、前記樹脂に活性エネルギー線を照射後に加熱する工程において、加熱温度が分解性官能基の分解反応温度以上で、且つ樹脂のガラス転移温度以下であることを特徴とするマイクロレンズの製造方法である。
上記のように、本発明では、活性エネルギー線の作用によって酸を発生する酸発生剤または塩基を発生する塩基発生剤を含有し、さらに、酸または塩基と反応して一種類以上の低沸点揮発性物質を分解脱離する分解性官能基を質量比で5〜70%含有する樹脂に活性エネルギー線を照射した後に分解性官能基の分解反応温度以上で、且つ樹脂のガラス転移温度以下で加熱することにより分解反応させ、発生した低沸点揮発性物質を樹脂から揮散させることで樹脂の体積を減少させて凹凸を形成することによって精度良く安価にマイクロレンズを製造出来る。
この方法によれば、照射する光の強度と反応させる熱の調整により微妙な体積変化を制御することが可能となり、従来の方法では困難であった精度と簡単な方法の両立を加納とすることが出来、コスト的にも従来の製造方法と比較して有利である。
本発明の実施について説明すると以下の通りである。
本発明を構成するマイクロレンズに用いられる樹脂の原料となる組成物について説明する。樹脂組成物は活性エネルギー線を照射して加熱処理を施すことで少なくとも一種類の低沸点揮発性物質が発現する組成物である。その樹脂組成物としては、少なくとも次の2つの構成要素を共存させた組成物であることが望ましい。その一つは、活性エネルギー線の作用によって酸を発生する酸発生剤、または塩基を発生する塩基発生剤であり、他のもう一つは、前記発生した酸または塩基と反応して一種類以上の低沸点揮発性を分解脱離する分解性化合物である。
<酸発生剤及び塩基発生剤>
本発明に使用する樹脂組成物に用いられる酸発生剤又は塩基発生剤には、一般的に化学増幅型フォトレジスト、及び光カチオン重合などに利用されている光酸発生剤や光塩基発生剤と呼ばれているものを用いることができる。
本発明に好適な光酸発生剤としては、
(1)ジアゾニウム塩系化合物
(2)アンモニウム塩系化合物
(3)ヨードニウム塩系化合物
(4)スルホニウム塩系化合物
(5)オキソニウム塩系化合物
(6)ホスホニウム塩系化合物
などから選ばれた芳香族もしくは脂肪族オニウム化合物のPF6 、AsF6 、SbF6 、CF3SO3 塩を挙げることができる。その具体例を下記に列挙するが、これら例示したものに限定されるものではない。
ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(p−メチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(4−クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(p−トリルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(2,4−キシリルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、
ベンゾイルフェニルスルホニルジアゾメタン、
トリフルオロメタンスルホネート、
トリメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、
2,4,6−トリメチルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、p−トリルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、
4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、
1−(2−ナフトイルメチル)チオラニウムヘキサフルオロアンチモネート、
1−(2−ナフトイルメチル)チオラニウムトリフルオロメタンスルホネート、
4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、
4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
(2−オキソ−1−シクロヘキシル)(シクロヘキシル)メチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
(2−オキソ−1−シクロヘキシル)(2−ノルボルニル)メチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
ジフェニル−4−メチルフェニルスルホニウムパーフルオロメタンスルホネート、
ジフェニル−4−tert−ブチルフェニルスルホニウムパーフルオロオクタンスルホネート、
ジフェニル−4−メトキシフェニルスルホニウムパーフルオロブタンスルホネート、
ジフェニル−4−メチルフェニルスルホニウムトシレート、
ジフェニル−4−メトキシフェニルスルホニウムトシレート、
ジフェニル−4−イソプロピルフェニルスルホニウムトシレート
ジフェニルヨードニウム、
ジフェニルヨードニウムトシレート、
ジフェニルヨードニウムクロライド、
ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、
ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、
ジフェニルヨードニウムナイトレート、
ジフェニルヨードニウムパークロレート、
ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、
ビス(メチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、
ビス(メチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、
ビス(メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、
ビス(メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロブタンスルホネート、
2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2,4,6−トリ(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−フェニル−4,6−ジトリクロロメチル−1,3,5−トリアジン、
2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ジトリクロロメチル−1,3,5−トリアジン、
2−ナフチル−4,6−ジトリクロロメチル−1,3,5−トリアジン、
2−ビフェニル−4,6−ジトリクロロメチル−1,3,5−トリアジン、
2−(4’−ヒドロキシ−4−ビフェニル)−4,6−ジトリクロロメチル−1,3,5−トリアジン、
2−(4’−メチル−4−ビフェニル)−4,6−ジトリクロロメチル−1,3,5−トリアジン、
2−(p−メトキシフェニルビニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシ−1−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソラン−5−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(3,4,5−トリメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(3,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(2,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(2−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−ブトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−ペンチルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリリウムトリフロオロメタンスルホネート、
トリメチルオキシニウムテトラフロオロボレート、
トリエチルオキシニウムテトラフロオロボレート、
N−ヒドロキシフタルイミドトリフルオロメタンスルホネート、
N−ヒドロキシナフタルイミドトリフルオロメタンスルホネート、
(αベンゾイルベンジル)p−トルエンスルホネート、
(β−ベンゾイル−β−ヒドロキシフェネチル)p−トルエンスルホネート、
1,2,3−ベンゼントリイルトリスメタンスルホネート、
(2,6−ジニトロベンジル)p−トルエンスルホネート、
(2−ニトロベンジル)p−トルエンスルホネート、
(4−ニトロベンジル)p−トルエンスルホネート、
などが挙げられる。なかでも、ヨードニウム塩系化合物、スルホニウム塩系化合物が好ましい。
また、前記オニウム化合物以外にも、活性エネルギー線照射によりスルホン酸を光発生するスルホン化物、例えば2−フェニルスルホニルアセトフェノン、活性エネルギー線照射によりハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物、例えば、フェニルトリブロモメチルスルホン、及び1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン、並びに活性エネルギー線照射により燐酸を光発生するフェロセニウム化合物、例えば、ビス(シクロペンタジエニル)フェロセニウムヘキサフルオロフォスフェート、及びビス(ベンジル)フェロセニウムヘキサフルオロフォスフェートなどを用いることができる。
さらには、下記に挙げる酸発生能を有するイミド化合物誘導体も使用できる。
N−(フェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(10−カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフタルイミド、
N−(10−カンファースルホニルオキシ)ナフタルイミド。
本発明に好適な光塩基発生剤としては、
(1)オキシムエステル系化合物
(2)アンモニウム系化合物
(3)ベンゾイン系化合物
(4)ジメトキシベンジルウレタン系化合物
(5)オルトニトロベンジルウレタン系化合物
などが挙げられ、これらは活性エネルギー線の照射により塩基としてアミンを発生する。その他にも、光の作用によりアンモニアやヒドロキシイオンを発生する塩基発生剤を用いてもよい。これらは、例えばN−(2−ニトロペンジルオキシカルボニル)ピペリジン、1,3−ビス〔N−(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)−4−ピペリジル〕プロパン、N,N’−ビス(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)ジヘキシルアミン、及びO−ベンジルカルボニル−N−(1−フェニルエチリデン)ヒドロキシルアミンなどから選ぶことができる。さらには加熱により塩基が発生する化合物を上記光塩基発生剤と併用してもよい。
また、光酸発生剤または光塩基発生剤の活性エネルギー線の波長領域をシフトまたは拡大するために、適宜光増感剤を併用してもよい。例えば、オニウム塩化合物に対する光増感剤には、アクリジンイエロー、ベンゾフラビン、アクリジンオレンジなどが挙げられる。
必要な酸を生成しながらも酸発生剤または塩基発生剤の添加量や光照射エネルギーを最小限に抑制する方法として、酸増殖剤や塩基増殖剤を酸発生剤または塩基発生剤とともに用いることができる。酸増殖剤は、常温付近で熱力学的に安定であるが、酸によって分解し、自ら強酸を発生し、酸触媒反応を大幅に加速させる。この反応を利用することにより、酸または塩基の発生効率を向上させて、低沸点揮発性物質生成速度をコントロールすることも可能である。
<分解性化合物>
本発明に用いられる分解性化合物は、酸または塩基と反応して一種類以上の低沸点揮発性物質(低沸点揮発性化合物)が分解脱離する。すなわち、この分解性化合物には、低沸点揮発性物質を発生し得る分解性官能基があらかじめ導入されていなければならない。低沸点とは発泡時にガス化する温度が上限になる。通常100℃以下、常温以下が好ましい。低沸点揮発性物質としては、例えばイソブテン(沸点;−7℃)、二酸化炭素(沸点;−79℃)、窒素(沸点;−196℃)などがあげられる。分解性官能基としては、酸と反応するものとしてtert−ブチル基、tert−ブチルオキシカルボニル基、ケト酸およびケト酸エステル基などが挙げられ、塩基と反応するものとしてウレタン基、カーボネート基などが挙げられる。酸と反応するものとしては、tert−ブチル基、tert−ブチルオキシカルボニル基、酸と反応して、tert−ブチル基はイソブテンガスを、tert−ブチルオキシカルボニル基はイソブテンガスと二酸化炭素を、ケト酸部位は二酸化炭素を、ケト酸エステルたとえばケト酸tert−ブチル基は二酸化炭素とイソブテンを発生する。塩基と反応するものとしては、ウレタン基、カーボネート基は二酸化炭素ガスを発生する。このようにして、それぞれのガスが分解性化合物から離脱する。酸と反応して分解する酸分解性化合物また塩基と反応して分解する塩基分解性化合物の形態としては、モノマー、オリゴマー、高分子化合物(ポリマー)等として使用することができ、例えば、以下のような化合物群に分類することができる。
(1)非硬化性低分子系の分解性化合物群
(2)硬化性モノマー系の分解性化合物群
(3)重合体系の分解性化合物群
硬化性モノマー系の分解性化合物に代表される例として、活性エネルギー線を照射したときに重合反応を生じるようなビニル基を含んだ活性エネルギー線硬化性化合物の場合には、均一に分解させることが容易であり、精度に優れたマイクロレンズを得ることが可能である。分解性化合物の具体例を下記に列挙するが、これら例示したものに限定されるものではない。
(1)−a、非硬化性低分子系の分解性化合物群
<酸分解性化合物>
1−tert−ブトキシ−2−エトキシエタン、
2−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)ナフタレン、
N−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)フタルイミド、
2,2−ビス[p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)フェニル]プロパンなど
(1)−b、非硬化性低分子系の分解性化合物群
<塩基分解性化合物>
N−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)ピペリジンなど
(2)−a、硬化性モノマー系の分解性化合物群
<酸分解性化合物>
tert−ブチルアクリレート、
tert−ブチルメタクリレート、
tert−ブトキシカルボニルメチルアクリレート、
2−(tert−ブトキシカルボニル)エチルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニル)フェニルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニルエチル)フェニルアクリレート、
1−(tert−ブトキシカルボニルメチル)シクロヘキシルアクリレート、
4−tert−ブトキシカルボニル−8−ビニルカルボニルオキシ−トリシクロ
[5.2.1.02,6]デカン、
2−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)エチルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)フェニルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)ベンジルアクリレート、
2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチルアクリレート、
6−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ヘキシルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ベンジルアクリレート、
p−(tert−ブトキシカルボニルアミノメチル)ベンジルアクリレート、
(2−tert−ブトキシエチル)アクリレート、
(3−tert−ブトキシプロピル)アクリレート、
(1−tert−ブチルジオキシ−1−メチル)エチルアクリレート、
3,3−ビス(tert−ブチルオキシカルボニル)プロピルアクリレート、
4,4−ビス(tert−ブチルオキシカルボニル)ブチルアクリレート、
p−(tert−ブトキシ)スチレン、
m−(tert−ブトキシ)スチレン、
p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン、
m−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン、
アクリロイル酢酸、メタクロイル酢酸
tert−ブチルアクロイルアセテート、
tert−ブチルメタクロイルアセテートなど
N−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)マレイミド
(2)−b、硬化性モノマー系の分解性化合物群
<塩基分解性化合物>
4−[(1、1−ジメチル−2−シアノ)エトキシカルボニルオキシ]スチレン、
4−[(1、1−ジメチル−2−フェニルスルホニル)エトキシカルボニルオキシ]スチレン、
4−[(1、1−ジメチル−2−メトキシカルボニル)エトキシカルボニルオキシ]スチレン、
4−(2−シアノエトキシカルボニルオキシ)スチレン、
(1、1−ジメチル−2−フェニルスルホニル)エチルメタクリレート、
(1、1−ジメチル−2−シアノ)エチルメタクリレートなど
(3)−a、重合体系の分解性化合物群
<酸分解性化合物>
ポリ(tert−ブチルアクリレート)、
ポリ(tert−ブチルメタクリレート)、
ポリ(tert−ブトキシカルボニルメチルアクリレート)、
ポリ[2−(tert−ブトキシカルボニル)エチルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニル)フェニルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルエチル)フェニルアクリレート]、
ポリ[1−(tert−ブトキシカルボニルメチル)シクロヘキシルアクリレート]、
ポリ{4−tert−ブトキシカルボニル−8−ビニルカルボニルオキシ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン}、
ポリ[2−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)エチルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)フェニルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)ベンジルアクリレート]、
ポリ[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチルアクリレート]、
ポリ[6−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ヘキシルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ベンジルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルアミノメチル)ベンジルアクリレート]、
ポリ(2−tert−ブトキシエチルアクリレート)、
ポリ(3−tert−ブトキシプロピルアクリレート)、
ポリ[(1−tert−ブチルジオキシ−1−メチル)エチルアクリレート]、
ポリ[3,3−ビス(tert−ブチルオキシカルボニル)プロピルアクリレート]、
ポリ[4,4−ビス(tert−ブチルオキシカルボニル)ブチルアクリレート]、
ポリ[p−(tert−ブトキシ)スチレン]、
ポリ[m−(tert−ブトキシ)スチレン]、
ポリ[p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン]、
ポリ[m−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン]、
ポリアクリロイル酢酸、ポリメタクロイル酢酸、
ポリ[tert−ブチルアクロイルアセテート]、
ポリ[tert−ブチルメタクロイルアセテート]
N−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)マレイミド/スチレン共重合体など
(3)−b、重合体系の分解性化合物群
<塩基分解性化合物>
ポリ{p−[(1、1−ジメチル−2−シアノ)エトキシカルボニルオキシ]スチレン}、
ポリ{p−[(1、1−ジメチル−2−フェニルスルホニル)エトキシカルボニルオキシ]スチレン}、
ポリ{p−[(1、1−ジメチル−2−メトキシカルボニル)エトキシカルボニルオキシ]スチレン}、
ポリ[p−(2−シアノエトキシカルボニルオキシ)スチレン]、
ポリ[(1、1−ジメチル−2−フェニルスルホニル)エチルメタクリレート]、
ポリ[(1、1−ジメチル−2−シアノ)エチルメタクリレート]、
などを挙げることができる。
分解性官能基を導入したポリエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、デンドリマーなどの有機系高分子化合物を酸分解性又は塩基分解性重合体系化合物として用いることができる。さらには、シリカなどの無機系化合物に分解性官能基を導入した酸分解性又は塩基分解性重合体系化合物も含む。なかでも、分解性官能基は、カルボン酸基または水酸基、アミン基からなる群の中から選ばれる官能基を有する化合物群に導入されることが好ましい。
これらの分解性官能基を導入した高分子化合物の中で、マイクロレンズ用途で特に好適なのは光学特性に優れ、耐熱性を有する高分子化合物である。例としては、ポリイミド、ポリカーボネート、フッ素系樹脂(特にフッ素系脂肪族環構造含有重合体)、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリシラン、シアン酸エステル樹脂を好ましくが挙げることができる。
上記分解性化合物群は単独で用いてもよいし、異なる2種以上を混合併用してもよい。また、上記分解性化合物は他の樹脂と混合して用いることもできる。混合した時に分解性化合物と他樹脂とが相溶でも非相溶でもどちらでもかまわない。他の樹脂としてはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系複合樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、アクリロイル樹脂、ABS樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリサルホン樹脂、塩化ビニル樹脂、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、でんぷん、ポリビニルアルコール、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、及びシリコーン樹脂など一般に用いられる樹脂から適宜選択して用いることができる。
分解性発泡化合物のうち、硬化性モノマー系の分解性化合物群および重合体系の分解性化合物群は単独で用いてもよいし、上記の一般に用いられる樹脂と混合して用いてもよい。これに対して、非硬化性低分子系の分解性化合物群は単独では成形できないので、上記の一般に用いられる樹脂と混合して用いる必要がある。
本発明のマイクロレンズの耐湿性をあげるためには、分解性組成物として少なくとも一種類以上の疎水性官能基を含む化合物に分解性官能基を導入した化合物を用いることもできる。本発明に用いられる疎水性官能基は、主に脂肪族基、脂肪環族基、芳香族基、ハロゲン基、ニトリル基からなる群の中から選ばれることが好ましい。分解発泡性官能基は、主にカルボン酸基または水酸基、アミン基からなる群の中から選ばれる親水性官能基に導入されやすい。したがって、本発明の分解性化合物としては、前記親水性官能基に分解性官能基を導入した分解性ユニットと、疎水性官能基を含む疎水性ユニットからなる複合化合物が好ましい。より好ましい前記複合化合物は、分解性ユニットおよび疎水性ユニットがビニル系重合体である。疎水性ユニットは、メチル(メタ)アクリレートやエチル(メタ)アクリレートなどの脂肪族(メタ)アクリレート群、スチレン、メチルスチレン、ビニルナフタレンなどの芳香族ビニル化合物群、(メタ)アクリロニトリル化合物群、酢酸ビニル化合物群、塩化ビニル化合物群などが挙げられる。分解性化合物の代表的な例としては、分解性ユニットが、親水性官能基のカルボン酸基を有するアクリル酸に分解性官能基であるtert−ブチル基を導入したtert−ブチルアクリレートであり、そして疎水性ユニットが疎水性官能基のメチル基を有するメチルアクリレートである組合わせからなるビニル系共重合体が挙げられる。分解性ユニット/疎水性ユニットの組合わせからなる分解性化合物の具体例を以下に示す。
tert−ブチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体
tert−ブチルメタクリレート/メチルアクリレート共重合体
tert−ブチルメタアクリレート/メチルメタクリレート共重合体
tert−ブチルアクリレート/エチルアクリレート共重合体
tert−ブチルアクリレート/エチルメタクリレート共重合体
tert−ブチルメタクリレート/エチルアクリレート共重合体
tert−ブチルメタクリレート/エチルメタクリレート共重合体
tert−ブチルアクリレート/スチレン共重合体
tert−ブチルアクリレート/塩化ビニル共重合体
tert−ブチルアクリレート/アクリロニトリル共重合体
p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン/スチレン共重合体
また、分解性化合物中の分解性ユニットおよび疎水性ユニットは、一種単独でまたは2種以上併用することができる。共重合の形式は、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合などの任意に行なうことができる。また、疎水性ユニットの共重合比は、分解性化合物全量に対して1〜95質量%であることが好ましく、分解性化合物の分解発泡性および発泡構造の環境保存性を勘案すると、5〜80質量%がより好ましい。
上記分解性化合物は、単独で用いてもよいし、異なる2種以上を混合併用してもよい。 上記分解性化合物は、分解性官能基が分解脱離して低沸点揮発性物質を発生した後に、少なくとも一種類以上の疎水性官能基を含む化合物となる。
本発明のマイクロレンズの耐湿性をあげるためには、分解性組成物として、温度30℃相対湿度60%の環境雰囲気下においてJIS K−7209D法で測定した平衡吸水率が10%未満低の吸湿性化合物に分解性官能基を導入した化合物を用いることもできる。分解性官能基を導入しやすい構造を有する低吸湿性化合物としては、例えばp−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレンなどが挙げられる。したがって、分解性化合物は、p−(tert−ブトキシ)スチレン、m−(tert−ブトキシ)スチレン、p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン、m−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレンが挙げられる。これらは硬化性モノマーでも一種類以上を混合した重合体でもよい。
また、吸水率が10%以上の高吸湿性化合物と、吸水率10%未満の低吸湿性化合物との組合わせからなる複合化合物に分解性官能基を導入してもよい。ただし、複合化合物は、適切な組合わせにより10%未満の吸水率を有していることが好ましい。例えば、高吸湿性化合物であるアクリル酸と低吸湿性化合物であるp−ヒドロキシスチレンの共重合体(複合化合物)は、その共重合比がアクリル酸/p−ヒドロキシスチレン=90/10〜0/100であることが好ましい。分解性化合物の具体的な例としては、
tert−ブチルアクリレート/p−(tert−ブトキシ)スチレン共重合体
tert−ブチルアクリレート/m−(tert−ブトキシ)スチレン共重合体
tert−ブチルアクリレート/p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン共重合体
tert−ブチルアクリレート/m−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン共重合体
tert−ブチルメタクリレート/p−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スチレン共重合体
さらには、ポリエステル、ポリイミド、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、デンドリマーからなる群の中から選ばれた低吸湿性高分子材料などに分解性官能基を導入してもよい。
上記分解性化合物は、単独で用いてもよいし、異なる2種以上を混合併用してもよい。上記分解性化合物は、分解性官能基が分解脱離して低沸点揮発性物質を発生した後に、低吸湿性化合物となる。
<分解性組成物>
本発明に使用する分解性組成物には、酸発生剤または塩基発生剤と分解性化合物以外に、他の活性エネルギー線硬化性不飽和有機化合物を組み合わせて用いてもよい。併用化合物の例としては、
(1)脂肪族、脂環族、芳香族の1〜6価のアルコール及びポリアルキレングリコールの(メタ)アクリレート類
(2)脂肪族、脂環族、芳香族の1〜6価のアルコールにアルキレンオキサイドを付加させて得られた化合物の(メタ)アクリレート類
(3)ポリ(メタ)アクリロイルアルキルリン酸エステル類
(4)多塩基酸とポリオールと(メタ)アクリル酸との反応生成物
(5)イソシアネート、ポリオール、(メタ)アクリル酸の反応生成物
(6)エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸の反応生成物
(7)エポキシ化合物、ポリオール、(メタ)アクリル酸の反応生成物
(8)メラミンと(メタ)アクリル酸の反応生成物
等を挙げることができる。
併用できる化合物の中で、硬化性モノマーや樹脂は、マイクロレンズの強度や耐熱性といった物性の向上効果や体積収縮性の制御効果などが期待できる。また分解性化合物および併用化合物に硬化性モノマーを用いれば、無溶剤成形ができ、環境負荷の少ない製造方法を提供できる。例としては次のような材料を挙げることが出来る。
併用化合物の具体的な例として、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、 2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロヘキシルアクリレート、イソボロニルアクリレート、イソボロニルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリプロピレングリコールアクリレート、エチレンオキシド変性フェノキシアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸ダイマー、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、アクリル酸−9,10−エポキシ化オレイル、マレイン酸エチレングリコールモノアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチレンアクリレート、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソランのカプロラクトン付加物のアクリレート、3−メチル−5,5−ジメチル−1,3−ジオキソランのカプロラクトン付加物のアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、エチレンオキシド変性フェノキシ化リン酸アクリレート、エタンジオールジアクリレート、エタンジオールジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、2−ブチル−2−エチルプロパンジオールジアクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリエチレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリエチレンオキシド変性水添ビスフェノールAジアクリレート、プロピレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリプロピレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、ポリオキシエチレンエピクロロヒドリン変性ビスフェノールAジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリエチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリプロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸トリアクリレート、エチレンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、ポリエチレンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、プロピレンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、ポリプロピレンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ポリカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等を挙げることが出来るが、これらに限られるものではない。
さらに、前記の併用活性エネルギー線硬化性不飽和有機化合物の一部または全部として、分子鎖末端に(メタ)アクリロイル基を有する分子量が400〜5000程度の活性エネルギー線硬化性樹脂を組み合わせることもできる。このような硬化性樹脂として、例えば、ポリウレタン変性ポリエーテルポリ(メタ)アクリレートやポリウレタン変性ポリエステルポリ(メタ)アクリレートなどのポリウレタンポリ(メタ)アクリレートポリマー類を用いることが好ましい。
本発明に使用する分解性組成物中の分解性官能基の割合によって、反応・揮散後の体積収縮率が変わってくる。好適な分解性官能基の質量比は5〜50%であり、より好ましくは10〜30%である。50%以上になると親水性が強くなりすぎて耐湿性が非常に低下し、5%より少ないと反応に時間を要するようになり、体積変化が少なくなる。
本発明に使用する分解性組成物は、必要により、分解性化合物以外の添加物を含ませることができる。添加物としては、多価イソシアネート化合物、エポキシ化合物、有機金属化合物などの反応性化合物および酸化防止剤、シリコーンオイルや加工助剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、スリップ防止剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、防曇剤、光安定剤、滑剤、軟化剤、有色染料、その他の安定剤等が一種類以上を含ませてもよい。添加剤を用いることにより、成形性や均一性などの向上が期待できる。
紫外線吸収剤の具体例としては、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤から選ばれる。サリチル酸系紫外線吸収剤としては、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレートなどが挙げられる。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
酸化防止剤の具体例としては、モノフェノール系、ビスフェノール系、高分子型フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが挙げられる。
光安定剤としては、代表的なものにヒンダードアミン系化合物が挙げられる。
軟化剤は、成形性または成形体の加工性を向上させる目的で使用でき、具体的には、エステル化合物類、アミド化合物類、側鎖を有する炭化水素重合体類、鉱油類、流動パラフィン類、ワックス類などが挙げられる。
エステル化合物としては、アルコールとカルボン酸からなる構造のモノまたはポリエステルであれば特に制限はなく、ヒドロキシル基およびカルボニル基末端を分子内に残した化合物でも、エステル基の形で封鎖された化合物でもよい。具体的には、ステアリルステアレート、ソルビタントリステアレート、エポキシ大豆油、精製ひまし油、硬化ひまし油、脱水ひまし油、エポキシ大豆油、極度硬化油、トリメリット酸トリオクチル、エチレングリコールジオクタノエート、ペンタエリスリトールテトラオクタノエートなどが挙げられる。
アミド化合物としては、アミンとカルボン酸からなる構造のモノまたはポリアミド化合物であれば特に制限はなく、アミノ基およびカルボニル基末端を分子内に残した化合物でも、アミド基の形で封鎖された化合物でもよい。具体的には、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、トリメチレンビスオクチル酸アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、トリオクタトリメリット酸アミド、ジステアリル尿素、ブチレンビスステアリン酸アミド、キシリレンビスステアリン酸アミド、ジステアリルアジピン酸アミド、ジステアリルフタル酸アミド、ジステアリルオクタデカ二酸アミド、イプシロンカプロラクタム、およびこれらの誘導体が挙げられる。
側鎖を有する炭化水素重合体としては、ポリα−オレフィン類で、炭素数4以上の側鎖を有する通常オリゴマーに分類されるものが好ましい。具体的には、エチレン−プロピレンの共重合体やそのマレイン酸誘導体、イソブチレンの重合体、ブタジエン、イソプレンのオリゴマーおよびその水添物、1−ヘキセンの重合物、ポリスチレンの重合物およびこれらから誘導される誘導体、ヒドロキシポリブタジエンやその水添物、末端ヒドロキシポリブタジエン水添物などが挙げられる。
本発明に使用する分解性組成物は、一般的な混練機を用いて調製することができる。例えば、二本ロール、三本ロール、カウレスデゾルバー、ホモミキサー、サンドグラインダー、プラネタリーミキサー、ボールミル、ニーダー、高速ミキサー、ホモジナイザーなどである。また超音波分散機などを使用することもできる。
<マイクロレンズの製造工程>
本発明のマイクロレンズの製造工程は、分解性組成物に活性エネルギー線を照射する工程と、分解性組成物から低沸点揮発性物質が分解脱離する温度領域で温度制御して揮発性物質を揮散させる工程とを含む。
所望の厚さ、形状及び構造を有するマイクロレンズを安定的に得るために、本発明の製造方法では予備成形工程を含むことが出来る。予備成形工程とは、活性エネルギー線を照射する工程の前に設けた成形工程で、分解前の樹脂である分解性組成物を成形する工程である。
まず、分解性組成物に活性エネルギー線を照射する工程について説明する。本発明で使用する活性エネルギー線としては、電子線、紫外線、可視光線、γ線等の電離性放射線などが挙げられる。これらの中では電子線および紫外線を用いることが好ましい。
電子線照射を用いる場合は、分解性組成物の厚さに応じて加速電圧を20〜1000kVで調整すると良く、より好ましくは30〜300kVの条件で、カーテン型電子線照射装置、あるいは電子線描画装置を用いることが好ましい。加速電圧が上記範囲より低いと、電子線の透過力が不十分になり、成形体の内部まで十分に透過することができず、またこの範囲より大きすぎると、エネルギー効率が悪化するばかりでなく、得られた成形体の強度が不十分になり、それに含まれる樹脂及び添加剤の分解を生じ、得られる発泡体の品質が不満足なものになることがある。電子線照射に際しては照射雰囲気の酸素濃度が高いと、酸もしくは塩基の発生、および/または硬化性分解性化合物の硬化が妨げられることがあり、このため照射雰囲気の空気を、窒素、ヘリウム、二酸化炭素等の不活性ガスにより置換することが好ましい。照射雰囲気の酸素濃度は1000ppm以下であることが好ましく、さらに安定的な電子線エネルギーを得るため、500ppm以下に抑制されることがより好ましい。
紫外線照射の場合は、半導体・フォトレジスト分野や紫外線硬化分野などで一般的に使用されている紫外線ランプを用いることができる。一般的な紫外線ランプとしては、例えば、ハロゲンランプ、ハロゲンヒーターランプ、キセノンショートアークランプ、キセノンフラッシュランプ、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、ディープUVランプ、メタルハライドランプ、希ガス蛍光ランプ、クリプトンアークランプ、エキシマランプなどがあり、近年では、極短波長(214nmにピーク)を発光するY線ランプもある。これらのランプには、オゾン発生の少ないオゾンレスタイプもある。これらの紫外線は、散乱光であっても、直進性の高い平行光であってもよい。部分発泡を精度よく形成するためには、平行光が好ましい。また、紫外線照射には、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザーや、非線形光学結晶を含む高調波ユニットを介したYAGレーザーなどに挙げられる種々のレーザーや、紫外発光ダイオードを用いることもできる。紫外線ランプやレーザー、紫外発光ダイオードの発光波長は、分解性組成物の発泡性を妨げないものであれば限定はないが、好ましくは、光酸発生剤または光塩基発生剤が酸または塩基を効率よく発生させられる発光波長がよい。すなわち、使用する光酸発生剤または光塩基発生剤の感光波長領域と重なる発光波長が好ましい。さらには、それら発生剤の感光波長領域における極大吸収波長または最大吸収波長と重なる発光波長がより好ましく、発生効率が高くなりやすい。紫外線のエネルギー照射強度は、分解性組成物によって適宜決められる。種々の水銀ランプやメタルハライドランプなどに代表される照射強度が高い紫外線ランプを使用する場合は、生産性を高めることができ、その照射強度(ランプ出力)はロングアークランプのときは30W/cm以上が好ましい。紫外線の積算照射光量(J/cm2)は、エネルギー照射強度に照射時間を積算したものであり、発泡組成物および所望の気泡分布によって適宜決められる。酸発生剤や塩基発生剤の吸光係数に応じて設定することもある。安定かつ連続的に製造する上では、1.0mJ/cm2〜20J/cm2の範囲が好ましい。紫外線ランプを使用する場合は、照射強度が高いため、照射時間を短縮することができる。エキシマランプやエキシマレーザーを使用する場合は、その照射強度は弱いが、ほぼ単一光に近いため、発光波長が発生剤の感光波長に最適化したものであれば、より高い発生効率および発泡性が可能となる。照射光量を多くした場合、紫外線ランプによっては熱の発生が発泡性を妨げる場合がある。そのときは、コールドミラーなどの冷却処置を行なうことができる。
本発明のマイクロレンズの製造方法では、パターン化されたレンズ部を得るために、照射工程において活性エネルギーの強度分布が生じるようにフォトマスクを使用して活性エネルギー線を照射することができる。描画パターンが含まれるフォトマスクを使用した場合は、その描画パターンを転写した活性エネルギー線の強度分布を得ることができる。フォトマスクの描画パターンとしては、樹脂の体積を維持する部分をマスクで遮蔽し、体積を低減させる部分に活性エネルギー線が当たるようにパターンを作成し、体積を低減させる部分の減少率を調整する手段としてエネルギー透過性が階調になっているものなど様々なものを用途によって適宜設計できる。フォトマスクには、クロムマスクやメタルマスク、銀塩ガラスマスク、銀塩フィルム、スクリーンマスク、ガラスをイオンエッチングしたマスク、及び集光機能を有する平面レンズの干渉縞を電子線描画したマスクなどが利用できる。フォトマスク基材上に、インクジェットプリンターや紫外線硬化インクを用いた印刷機などで描画パターンを印刷したものをマスクとして利用することもできる。印刷は基材の片面でも両面でも構わない。
また、描画パターンの印刷精度を高めるために、印刷する基材表面側を改質処理することが好ましい。改質処理の具体例としては、印刷するインクの吸収性を高める機能層を基材表面に塗工法や接着法などで設けることが挙げられる。ただし、この機能層はフォトマスクの光学的な基本的性能を大きく損なわないようにしなければならない。さらに、使用するインクは活性エネルギー線を吸収あるいは散乱、反射する材質が好ましく、一方、フォトマスク基材には活性エネルギー線を透過する材質であることが好ましい。波長300nm以下の紫外線を照射する場合は、フォトマスクの基材は石英ガラスを使用することが好ましい。フォトマスクを使用した照射方法は、密着照射、投影照射など方式が採用できる。フォトマスクのパターンを精度良く転写させるためには、照射する光が均一平行光であることが好ましい。平行光を照射するための露光システムとしては、例えば、インテグレーターと放物鏡を利用した光学系、フレネルレンズを利用した光学系、ハニカムボードと拡散板を利用した光学系などが挙げられる。高い均一性を得るには、インテグレーターと放物鏡を利用した光学系が一般的に好ましく、この光学系に用いる光源としては、ショートアークランプが好ましい。ショートアークランプには、メタルハライドランプや超高圧水銀ランプ、水銀キセノンランプ、ナトリウムランプ、Y線ランプが挙げられる。また、干渉縞を発生させた放射線を照射する方法も可能である。
次に、揮発性物質を揮散させる工程では分解性組成物にかかる温度が高いほど、低沸点揮発物質が分解脱離する反応速度が高いので生産効率が高くなる。ところが樹脂のガラス転移温度より高い温度で加熱した場合、発生した低沸点揮発性物質が揮散する前に発泡してしまい、マイクロレンズとしての機能を果たさなくなる。従って、この工程での温度は、通常は、分解反応を発生させる温度以上で、且つ樹脂のガラス転移温度以下である必要がある。ただし、温度があがるまでに十分に時間をかけるとか、減圧下あるいは加圧下で加熱するなどの工夫により、ガラス転移温度以上の温度であっても揮発性物質を揮散させることは可能である。
本発明のマイクロレンズの製造方法における工程はこれらに限定されるものではなく、これら以外にもさまざまな工程を適宜の所望の部分で付加できる。例えば延伸工程、洗浄工程、乾燥工程及び緩和工程などの工程を適宜導入してもかまわない。本発明の製造方法はこれらの工程の組合せにより成り、各工程を不連続若しくは連続に組み合わせたり、又は少なくとも二つ以上の工程を同時工程とすることもできる。バッチ法でも連続法どちらの方法となってもかまわない。さらに本発明のマイクロレンズの製造方法において、活性エネルギーの強度分布、熱エネルギーの強度分布、分解性組成物の濃度分布などをつけることができるので,マイクロレンズの形状の制御が任意可変となる。以下に各工程の具体例について説明するが、本発明を限定するものではない。
はじめに、低沸点揮発性物質が分解脱離する温度領域にするためには、加熱器を用いて加熱したり、または前工程で熱がかかる場合、その余熱を利用したりすることができる。分解性組成物から低沸点揮発性物質が分解脱離する温度領域とは、低沸点揮発性物質が分解脱離する最低温度より高く、さらに低沸点揮発性物質が分解脱離した後の樹脂(すなわち分解性樹脂)のガラス転移温度若しくは強度などの諸物性を損なわない温度より低い範囲の温度領域をいう。この温度領域は分解性組成物の種類により変化する。例えば、アクリル系分解性組成物の場合は分解脱離最低温度は約75〜85℃、分解性樹脂のガラス転移温度は約130〜160℃であり、スチレン系分解性組成物の場合は分解脱離最低温度は約65〜80℃、発泡体樹脂のガラス転移温度は約160〜180℃である。分解反応時の温度は高い方が低沸点揮発性物質の分解脱離速度が大きくなり製造効率面から一見好ましく思える。しかし、高温になるほど過飽和度が高くなって発泡することがある。しがたって分解工程に適した温度領域が存在する。その領域は分解性組成物の種類によって異なるが、65〜150℃、好ましくは80〜130℃、さらに好ましくは90〜120℃である。
加熱器としては特に制限はないが、誘導加熱、抵抗加熱、誘電加熱(およびマイクロ波加熱)、赤外線加熱により加熱ができるもの等が例示できる。放射熱を利用した電気あるいはガス式の赤外線ドライヤーや、電磁誘導を利用したロールヒーター、油媒を利用したオイルヒーター、電熱ヒーター、およびこれらの熱風を利用した熱風ドライヤーなどが挙げられる。誘電加熱や赤外線加熱の場合,材料内部を直接加熱する内部加熱方式なので,熱風ドライヤーなどの外部加熱法よりも瞬時に均一な加熱を行うことができるが、圧力制御に用いる板や型の材質を適宜選択する必要がある。誘電加熱の場合,周波数1MHzから300MHz(波長30m〜1m)の高周波エネルギーを用いる。6MHz〜40MHzの周波数が用いられることが多い。誘電加熱のうち特にマイクロ波加熱では周波数が300MHzから300GHz(波長が1m〜1mm)のマイクロ波をもちいるが、2450MHz、915MHz(電子レンジと同じ)を使うことが多い。赤外線加熱の場合,赤外領域の波長0.76〜1000μmの電磁波を利用する。ヒータ表面温度および被加熱材料の赤外吸収スペクトルなどから、状況により選択される波長の最適帯は変化するが、好ましくは1.5〜25μm、さらに好ましくは2〜15μmの波長帯を用いることができる。
本発明の製造方法では、レンズ形状を任意に変化させたマイクロレンズを得るために、熱エネルギーの強度分布が生じるように加熱処理を施すこともできる。熱エネルギーの強度分布は、加熱温度により調整することが好ましい。熱エネルギーの強度分布を作り出す方法としては、一般の熱記録用プリンターに使用されている加熱方式を応用した方法、すなわち感熱プリンターに用いられるプリントヘッドのような電流を流すことで発熱する微細な発熱体を多数並べた加熱体により加熱部位を制御する方式、レーザープリンターに用いられるレーザー加熱ヘッドのようなレーザー照射により加熱部位を制御する方式などがあげられる。
本発明のマイクロレンズの製造方法に含まれる予備成形工程について説明する。予備成形工程で用いられる成形方法としては、成形したい形状に応じて、塗工成形、押出成形、射出成形、キャスト成形、プレス成形など選択することができる。成形工程で得られる樹脂形状はとくに限定されず、マイクロレンズの使用目的によって適宜決められる。シート状物(フィルム状を含む)、ファイバー状物、ロッド状物、それ以外の所望の形状を有した物などが挙げられる。シート状物においては、単独のシート状物であっても支持体上に密着したシート層であってもよいし、複数の樹脂の積層構造物であってもよい。更に、マイクロレンズの最終形状もしくはそれに近い形状に多段階で成形する方法を用いることもできる。
塗工成形の例としては、支持体に分解性組成物を塗工した後、分解性組成物が溶剤等で希釈された溶液ならば、乾燥器にて溶剤分を除去し、支持体上に分解性組成物からなるシート層を得る方法などが挙げられる。このとき、支持体からシート層を剥離することで、分解性組成物からなる単独のシート状物を得ることもできる。塗工方法には、スピンコート法、バーコート法、エアードクターコート法、ブレードコート法、スクイズコート法、エアーナイフコート法、ロールコート法、グラビアコート法、トランスファーコート法、コンマコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、マルチロールコート法、ディップコート法、ロッドコート法、キスコート法、ゲートロールコート法、落下カーテンコート法、スライドコート法、ファウンテンコート法、およびスリットダイコート法などがあげられる。支持体のとしては、Siウェハー基板、紙、合成紙、プラスチック樹脂シート、金属シート、金属蒸着シート等が挙げられ、これらは単独で用いられてもよく、或は、互いに積層されていてもよい。プラスチック樹脂シートは、例えば、ポリスチレン樹脂シート、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂シート、並びにポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂シート等の汎用プラスチックシートやポリイミド樹脂シート、ABS樹脂シート、ポリカーボネート樹脂シート等のエンジニアリングプラスチックシートなどが挙げられ、また金属シートを構成する金属としては、アルミニウムおよび銅などが挙げられる。金属蒸着シートとしては、アルミ蒸着シート・金蒸着シート・銀蒸着シートなどが挙げられる。
押出成形法としては、スクリュー状の押出軸を用いた一般の押出成形法、ピストン状押出軸を用いたラム押出成形法などがあげられる。
射出成形法の例としては、通常の射出成形方法に加えて、真空充填成形法、射出圧縮成形法、高速真空充填成形法、ガス吸収溶融成形法、型温冷熱サイクル成形法、低圧低速充填成形法、射出プレス成形法、スタックモールド成形法等があげられる。最近の動向である薄肉成形および微細形状の高転写率成形に向けた方法として、断熱金型成形法、射出速度が1000〜2000mm/sec.という超高速射出成形法、二酸化炭素や窒素などの不活性ガスを超臨界状態で溶融樹脂に溶解させて発泡させずに成形する超臨界流体を利用した射出成形法なども挙げられる。
キャスト成形の例としては、活性エネルギー線硬化型モノマーを含む液状分解性組成物を任意の型にキャストし、活性エネルギー線を照射して硬化して脱型することで、任意形状マイクロレンズを得る方法などが挙げられる。活性エネルギー線の光源および波長等の照射条件を適宜選択することにより、樹脂硬化と酸及び塩基発生剤からの酸及び塩基発生を分離させることも可能である。
本発明を下記実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。また、特に断らない限り、例中の「部」および「%」は各々「質量部」および「質量%」を表わす。
<実施例1>
(1)分解性組成物
分解性化合物としてtert−ブチルアクリレート(20%)とtert−ブチルメタクリレート(40%)とメタクリル酸メチル(40%)との共重合体100部に対して、ヨードニウム塩系酸発生剤としてビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロブタンスルホネート(商標:BBI−109、ミドリ化学製)3部の配合比した分解性組成物Aを用いた。
(2)予備成形工程
前記配合比の分解性組成物をMEK/酢酸エチル=65/35(質量比)の希釈液で25%の溶液を調製し、これを塗布液として用いた。この塗布液(図1a)を、厚さ75μmのシリコーンPET(図1b)(商標:MR−75:三菱ポリエステル製)からなる支持体のシリコーン処理面上に300μmのクリアランスをもつアプリケーターを用いてコーティングし、温度110℃の恒温乾燥機内で10分間放置して希釈液を蒸発除去した。サンプルを恒温乾燥機から取り出した後、塗布層をシリコーンPETから剥離して、厚さ45μmの分解性組成物フィルムを得た。
(3)紫外線照射
前記工程(2)の分解性組成物フィルムに、マイクロレンズの凹部となる部分に紫外線が当たるようにクロムメッキによるマスクが施された石英板(図1c)をフィルムに重ね、メタルハライドランプ(商標:アイグラフィック(株)製 紫外線硬化用マルチメタルランプM03−L31)を光源として、照射線量2000mJ/cm2で紫外線照射したものを照射済みシート(図1d)とする。
(4)発泡工程
前記工程(3)によって得られた照射済みシートを恒温槽に入れ、100℃で2時間処理をして取り出し、自然空冷してマイクロレンズ(図1e)を得た。
このように、本発明では、活性エネルギー線の作用によって酸を発生する酸発生剤または塩基を発生する塩基発生剤を含有し、さらに、酸または塩基と反応して一種類以上の低沸点揮発性物質を分解脱離する分解性官能基を質量比で5〜70%含有する樹脂に活性エネルギー線を照射した後に分解性官能基の分解反応温度以上で、且つ樹脂のガラス転移温度以下で加熱することにより分解反応させ、発生した低沸点揮発性物質を樹脂から揮散させることで樹脂の体積を減少させて凹凸を形成することにより精密に且つ安価にマイクロレンズを製造することができる。それゆえ、本発明は、マイクロレンズアレイの小型化に寄与が大であり、高分子材料をマイクロレンズに加工する樹脂産業や、素材産業に利用できるだけでなく、具体的な光部品を製造する光学機器関連の産業や、ディスプレイ機器に関わる光電子機器関連の産業に広く応用することができる。
本発明にかかるマイクロレンズの製造方法を示す模式図である。
符号の説明
a 分解性組成物
b 基材(フィルムなど)
c 紫外線遮蔽マスク
d 照射済みシート(凹部紫外線照射)
e マイクロレンズシート

Claims (2)

  1. 活性エネルギー線の作用によって酸を発生する酸発生剤または塩基を発生する塩基発生剤を含有し、さらに、酸または塩基と反応して一種類以上の低沸点揮発性物質を分解脱離する分解性官能基を有する化合物を含有する樹脂に、活性エネルギー線を照射した後に加熱することにより分解反応させ、発生した低沸点揮発性物質を樹脂から揮散させることで樹脂の体積を減少させて凹凸を形成することを特徴とするマイクロレンズの製造方法。
  2. 前記樹脂に活性エネルギー線を照射後に加熱する工程において、加熱温度が分解性官能基の分解反応温度以上で、且つ樹脂のガラス転移温度以下であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロレンズの製造方法。
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