JP2008241009A - ディスクブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ばね上とばね下間に相対変位が生じても、ばね上側の倍力装置等がばね下側の変位の影響を受けにくくでき、カム機構および自動隙間調整機構の嵩を低くしつつ、全方向の自由度を確保したブレーキアームへの出力をも増大できる。
【解決手段】 エアチャンバにより作動するカム機構4を、カム部6とストラット4Mとこれらの両端部を連結する一対の揺動リンク4E1、4E2とからなる四辺リンクにて構成するとともに、前記揺動リンク4E1、4E2に自動隙間調整機構8を介してロッド部材4T1、4T2を配設したことにより、ブレーキアーム2、3部のみが全方向に自由度を有して揺動するように構成できるものでありながら、ばね上とばね下間に相対変位が生じても揺動リンク4E1、4E2が変位を吸収して、ばね上側のカム部等の倍力装置等がばね下側の変位の影響を受けにくくできる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エアチャンバにより作動するカム機構の移動を自動隙間調整機構を介したロッド部材により、ハウジングに支持されて全方向に自由度を有して揺動するブレーキアームを押圧してブレーキパッドを押圧作動させるディスクブレーキ装置に関する。
車両において使用されるディスクブレーキ装置にあって、特に鉄道車両用のエアーディスクブレーキでは、ブレーキが取り付けられるばね上とディスクロータが取り付けられるばね下との相対移動が大きいことから、これに対応できる機構が要求され、一般的には大きな相対移動に容易に適応できるリンクの連結による梃子式のブレーキが知られている(に例えば下記特許文献1および2参照)。
特表平10−505038号公報(公報請求項1参照) 特開2006−315422号公報(公報要約書参照)
前記特許文献について、特許文献1を従来例1として提示説明する。該従来例1として図10示した特許文献1に開示された、特にレール車両のディスクブレーキのためのブレーキキャリパユニットは、ほぼ平行に並んで延びる2つのキャリパレバー101、102が設けられており、これらキャリパレバー101、102の、ディスクブレーキを緊締するための一方の端部に、ブレーキディスク105に圧着可能なブレーキパッド103、104が枢着されており、両キャリパブレーキの他方の端部および中央領域が互いにもしくはケーシング108に旋回可能に連結されており、連結装置内にはブレーキ力発生器と調整装置106とが組み込まれ、連結個所のうちの少なくとも一方が、ブレーキ力発生器によって緊締方向に操作可能な偏心体伝動装置111として形成されており、他方の連結個所が回転軸受け122として形成されたものである。
また、従来例2として図11に示した特許文献2に開示された鉄道車両用ディスクブレーキ装置は、ディスクDを挟圧するところのブレーキパッドを取着したブレーキヘッド207、207がそれぞれ取り付けられた2つのキャリパレバー206、206と、進出方向または退避方向の少なくともいずれか一方へ駆動される可動ロッド215を備えるアクチュエータ214とを備え、また、このディスクブレーキ装置201には、可動ロッド215に枢結される回転伝達アーム216と、この回転伝達アーム216に係合する伸縮軸210を備える。アクチュエータ214の進出に伴う回転伝達アーム216の押出し回転により、ネジ機構によってネジ体213が外方へ押し出されて、キャリパレバー206、206を支持ピン205の回りにて揺動させ、ブレーキヘッド207、207がディスクDを挟圧して、ブレーキ動作が行われる。ブレーキパッドが摩耗すると、回転伝達アーム216の超過ストロークにより、基体に固定された隙間調整棒221にカム板219の切欠部220の端部が接触して、ウォームギヤ217が回転し、隙間調整ギヤ218が回転して自動隙間調整がなされる。
これらの構成によって、前記図10に開示された第1従来例のものでは、ブレーキ力発生器によって緊締方向に操作可能な偏心体伝動装置111を採用した、改良されたブレーキキャリパユニットの採用によって、小さな所要スペースかつ小さな重量で、コンパクトな構造と高い伝達比を可能にするとともに、簡素な構造が実現されることとなった。また、前記図11に開示された第2従来例のものでは、可動ロッド215の進出動作は、回転伝達アーム216を介して伸縮軸210の伸張動作に変換され、かつ、その力を増力されてキャリパレバー206、206に伝達されることなった。しかも、増力変換機構を構成する回転伝達アーム216に、カム板219、切欠部220、ウォームギヤ217、隙間調整ギヤ218等からなる隙間調整機構が設けられているため、ディスクDとブレーキパッドとの隙間を自動調整できる高機能なディスクブレーキ装置201のコンパクトな構成が提供できる。
しかしながら、これらの従来例にあって、前記第1従来例のものでは、偏心体伝動装置111を採用して、小さな所要スペースかつ小さな重量で、コンパクトな構造と高い伝達比を可能にするものの、ブレーキシリンダ等のアクチュエータや倍力装置である偏心体伝動装置111はケーシングに予め組み付けられるもので、ケーシングへの組付けが面倒かつ困難であった。しかも、この従来例のものでは、鉄道車両のようにばね上とばね下との相対移動が大きく、レールに追随する車輪のあらゆる方向への動きに対する自由度が要求される機構に対して、前述した装置・機構に対して充分な配慮がなされているとは言い難いものであった。さらに、ばね上とばね下との間に大きな相対移動が生じた場合には、ばね上側の倍力装置等がばね下側の変位の影響を受け易く、不都合であった。
また、前記第2従来例のものにあっても、アクチュエータ214や倍力装置である回転伝達アーム216や隙間調整機構が外部に露呈する等、好ましい構造ではなく、また、これらの装置が取り付けられている基体(ケーシング)に対する取付形態についても、アクチュエータ214や倍力装置が、一対の回転伝達アーム216の間に位置していて、分解・保守点検が困難であった。また、パーキングブレーキ装置を追加設置するような事態が生じた場合にもスペースが限られており、不向きであった。さらには、前記第1従来例のものと同様に、ばね上とばね下との間に大きな相対移動が生じた場合にも、ばね上側の倍力装置等がばね下側の変位の影響を受け易く、不都合であった。そして、隙間調整機構の一部が一対の回転伝達アーム216の間に位置するため、その調整のために車体下部にもぐり込む必要があって面倒であった。
そこで本発明は、前記従来のディスクブレーキ装置の諸課題を解決して、ばね上とばね下間に相対変位が生じても、ばね上側の倍力装置等がばね下側の変位の影響を受けにくくでき、カム機構および自動隙間調整機構の嵩を低くしつつ、全方向の自由度を確保したブレーキアームへの出力をも増大でき、外部から簡便に自動隙間調整機構を調整できて組付け性に優れたディスクブレーキ装置を提供することを目的とする。
このため本発明は、エアチャンバにより作動するカム機構の移動を自動隙間調整機構を介したロッド部材により、ハウジングに支持されて全方向に自由度を有して揺動するブレーキアームを押圧してブレーキパッドを押圧作動させるディスクブレーキ装置において、前記カム機構を、カム部とストラットとこれらの両端部を連結する一対の揺動リンクとからなる四辺リンクにて構成するとともに、前記揺動リンクに自動隙間調整機構を介してロッド部材を配設したことを特徴とする。また本発明は、前記四辺リンクからなるカム機構が水平状で略同一平面上に配置されたことを特徴とする。また本発明は、前記四辺リンクからなるカム機構における対向する辺が作動状態で互いに略平行になるように配設されたことを特徴とする。また本発明は、前記カム機構において、前記エアチャンバにより作動するカムレバーを揺動中心で保持するガイドブラケットが、軸動する前記カムレバーによりカムガイドを移動可能に保持したことを特徴とする。また本発明は、前記ガイドブラケットにおけるガイド部が長孔から構成されたことを特徴とする。また本発明は、前記カムレバー、カムガイド、ガイドブラケットからなるカム部がサブアセンブリ化されたことを特徴とする。また本発明は、前記カムガイドが所定移動量を超えると前記自動隙間調整機構が作動するように構成されたことを特徴とする。また本発明は、前記各揺動リンクが前記ガイドブラケットの両端部に重畳して組み込まれるとともに、前記各揺動リンクに軸支されたアジャストレバーの端部がガイドブラケット内に交差して保護されるとともに、前記カムガイドの所定移動量の超過によりガイドブラケットに規制されて自動隙間調整を開始するように構成されたことを特徴とする。また本発明は、前記各揺動リンクと前記自動隙間調整機構がサブアセンブリ化されたことを特徴とする。また本発明は、エアチャンバにより作動するカム機構の移動を自動隙間調整機構を介したロッド部材により、ハウジングに支持されて全方向に自由度を有して揺動するブレーキアームを押圧してブレーキパッドを押圧作動させるディスクブレーキ装置において、前記自動隙間調整機構とロッド部材とが球面ジョイントを介して接続されるとともに、ブレーキアームを貫通する前記ロッド部材が、回止め部材によりブレーキアームに締結されたことを特徴とするもので、これらを課題解決のための手段とする。
本発明によれば、エアチャンバにより作動するカム機構の移動を自動隙間調整機構を介したロッド部材により、ハウジングに支持されて全方向に自由度を有して揺動するブレーキアームを押圧してブレーキパッドを押圧作動させるディスクブレーキ装置において、前記カム機構を、カム部とストラットとこれらの両端部を連結する一対の揺動リンクとからなる四辺リンクにて構成するとともに、前記揺動リンクに自動隙間調整機構を介してロッド部材を配設したことにより、ブレーキアーム部のみが全方向に自由度を有して揺動するように構成できるものでありながら、ばね上とばね下間に相対変位が生じても揺動リンクが変位を吸収して、ばね上側のカム部等の倍力装置等がばね下側の変位の影響を受けにくくでき、全方向の自由度を確保したブレーキアームへの出力をも増大できる。
また、前記四辺リンクからなるカム機構が水平状で略同一平面上に配置された場合は、ユニットとしてハウジング内への組付けが容易で、カム機構および自動隙間調整機構の嵩を低くできる。さらに、前記四辺リンクからなるカム機構における対向する辺が作動状態で互いに略平行になるように配設された場合は、ブレーキアーム同士の近接する挙動に対して揺動リンクにほぼ直交させてそれらの力を入力することができて、カム部両側を支点とした揺動リンクの揺動が円滑となり、ブレーキアーム同士の近接する挙動も円滑となって、ばね上とばね下との相対変位に適切に対応できる。
さらにまた、前記カム機構において、前記エアチャンバにより作動するカムレバーを揺動中心で保持するガイドブラケットが、軸動する前記カムレバーによりカムガイドを移動可能に保持した場合は、ガイドブラケットに確実に保持された1つのカムレバーの揺動作動によって、カムガイドが互いの反作用によって反対側に円滑に軸動でき、揺動リンクを介して一対のブレーキアームに均等に制動力を伝達することができる。また、前記ガイドブラケットにおけるガイド部が長孔から構成された場合は、カムガイドの軸動がガイドブラケットにおける長孔にガイドされて確実かつ円滑に行われる。
さらに、前記カムレバー、カムガイド、ガイドブラケットからなるカム部がサブアセンブリ化された場合は、部品の紛失を伴うことなく簡便にハウジングに対して組み付けることが可能となる。さらにまた、前記カムガイドが所定移動量を超えると前記自動隙間調整機構が作動するように構成された場合は、カム部を自動隙間調整機構の一部として機能させることができ、比較的挙動誤差の少ないカム部に連動させて隙間調整の精度が向上する。
また、前記各揺動リンクが前記ガイドブラケットの両端部に重畳して組み込まれて配設されるとともに、前記各揺動リンクに軸支されたアジャストレバーの端部がガイドブラケット内に交差して保護されるとともに、前記カムガイドの所定移動量の超過によりガイドブラケットに規制されて自動隙間調整を開始するように構成された場合は、自動隙間調整機構におけるアジャストレバーの端部が揺動リンクとともにガイドブラケットの両端部によって効果的に保護されて妄りに外れることがなく、自動隙間調整の開始が静止部に固定されたガイドブラケットへの当接規制によって行われて高精度となる。さらに、前記各揺動リンクと前記自動隙間調整機構がサブアセンブリ化された場合は、部品の脱落を伴うことなく簡便に自動隙間調整機構をカム機構に対して組み付けることが可能となる。
さらにまた、エアチャンバにより作動するカム機構の移動を自動隙間調整機構を介したロッド部材により、ハウジングに支持されて全方向に自由度を有して揺動するブレーキアームを押圧してブレーキパッドを押圧作動させるディスクブレーキ装置において、前記自動隙間調整機構とロッド部材とが球面ジョイントを介して接続されるとともに、ブレーキアームを貫通する前記ロッド部材が、回止め部材によりブレーキアームに締結されたことにより、全方向の自由度を確保したブレーキアームの挙動への追随を可能にするとともに、ブレーキアームの外部からロッド部材の回止め機能の解除が可能となるので、ロッド部材を回転させることで、自動隙間調整機構の微調整やロッド部材とブレーキアームの遊嵌孔部との係合を開放して、ブレーキパッドの交換等が容易となる。
以下本発明に係るディスクブレーキ装置を実施するための好適な形態を図面に基づいて説明する。図1〜図9は本発明のディスクブレーキ装置の1つの実施例を示すもので、図1は上部ハウジングを取り外してカム機構が露呈した状態のディスクブレーキ装置の全体斜視図、図2は回止め機構を分解図で示すカム機構の全体斜視図、図3はカム機構の倒立側面図、平面図および断面図、図4はカム機構の分解斜視図、図5はカム機構におけるカム部の分解斜視図、図6はカム部の中心軸を含むディスクブレーキ装置の全体断面図、図7はアームシャフトの中心軸を含むディスクブレーキ装置の全体断面図、図8は上部ハウジングを取り付けた状態のディスクブレーキ装置の全体斜視図、図9はディスクブレーキ装置の全体側面図である。
本発明のディスクブレーキ装置の基本的な構成は、図1に示すように、エアチャンバ5(図示省略)により作動するカム機構4の移動を自動隙間調整機構8、8を介したロッド部材4T1、4T2により、ハウジング1に支持されて全方向に自由度を有して揺動するブレーキアーム2、3を押圧してブレーキパッドを押圧作動させるディスクブレーキ装置において、前記カム機構4を、カム部6とストラット4Mとこれらの両端部を連結する一対の揺動リンク4E1、4E2とからなる四辺リンクにて構成するとともに、前記揺動リンク4E1、4E2に自動隙間調整機構8、8を介してロッド部材4T1、4T2を配設したことを特徴とする。
本発明のディスクブレーキ装置は、図8に示すように、上下二分割構成とされた上部ハウジング1Aと下部ハウジング1Bとの間に装着して配設された主ブレーキ用エアチャンバ5により動力を得る。好適には空気圧等の流体圧(正圧あるいは負圧のいずれも可能)を動力源とする。前記上部ハウジング1Aと下部ハウジング1Bとが4本の締結ボルト1Cにより接続される。図1に示すように、前記主ブレーキ用エアチャンバ5(あるいはパーキング用エアチャンバを追加して装備することもできる)により揺動するカムレバー4Aによって、詳しくは後述するカム機構4および自動隙間調整機構8、8を介してロッド部材4T1、4T2を直線的に進出させ、下部ハウジング1Bにアームシャフト12にて支持されて全方向に自由度を有して揺動するブレーキアーム2、3の上部を押圧してブレーキパッド17、17にてディスクロータ(図示省略)を挟圧してブレーキ動作を行う。
符号9で示されるものは、下部ハウジング1Bに対するブレーキアーム2、3の初期位置を保持するための規制部材で、下部ハウジング1Bおよびブレーキアーム2、3のほぼ面一となるそれぞれの側面に当接する平板状の板ばね9を、前記ブレーキアーム2、3の下部ハウジング1Bに対する支軸であるアームシャフト12の両端部に装着して構成した。これにより、ブレーキアーム2、3のみが全方向に自由度を有して低質量部が揺動するように構成できるものでありながら、堅固なハウジング1部に支持されたアームシャフト12に装着した平板状の板ばね9によって、ブレーキアーム2、3の初期位置を確実に保持して、盲動させることがない。
図7はアームシャフトの中心軸を含むディスクブレーキ装置の全体断面図である。パワーユニットを構成するブレーキ用チャンバ5およびカム機構4を内部に配設した上部ハウジング1Aと下部ハウジング1Bとが、締結ボルト1C、1Cにより上下に連結され、下端部にブレーキパッド17がブレーキボルト13により上下に首振り自在(図6も参照)に支持されたブレーキアーム2が、下部ハウジング1Bに対してアームシャフト12により軸支されて組み付けられる。側面視で略門型形状のハウジング1に対して、ブレーキアーム2の上部2Aが、自動隙間調整機構8を介して接続される(球面ジョイント)ロッド部材4Tに連結され、その下方の中間部をアームシャフト12により軸支して取り付けられる。
アームシャフト12の両端部と下部ハウジング1Bの側面との間には前述した板ばね9の両端部がワッシャ11とともに共締めされる。アームシャフト12とブレーキアーム2の軸孔との間には隙間を配するとともに、アームシャフト12の中間部とブレーキアーム2の中間部との間には、ブーツ2E、プラグ2F、スリーブ2I等の各種軸受部材および球面ベアリング15が配設される。これらの軸受部材および球面ベアリング15の介在により、ブレーキアーム2がパワーユニットすなわちハウジング1に対して、前後、左右および上下方向の全方向に自在に僅かの揺動が可能に構成される。スリーブ2I等が可撓性を有する。
図6はカム部の中心軸を含むディスクブレーキ装置の全体断面図である。パーキング用エアチャンバのないタイプ、もしくはパーキング用エアチャンバを取り付ける前の全体断面図である。パワーユニットを構成する主ブレーキ用エアチャンバ5のロッドの先端のクレビスピン5Cにリンク5Aを介してカムレバー4Aの先端のクレビスピン5Bが連結される。カムレバー4Aの揺動動作がカム機構4を介してブレーキアーム2、3の上部を押圧して制動動作を行う。
図2は回止め機構を分解図で示すカム機構の全体斜視図である。図2全体で示されるカム機構4は、カム部6と該カム部6と略平行に対向して配置されたストラット4Mと、これらの両端部を連結する一対の揺動リンク4E1、4E2とからなる四辺リンクにて構成される。前記揺動リンク4E1、4E2の略中間部に設置された自動隙間調整機構8、8を介してロッド部材4T1、4T2を配設したものである。ロッド部材4T1、4T2が揺動リンク4E1、4E2の略中間部に設置されているので、詳しくは後述するカム部6におけるカムガイド4F1、4F2に伝達される制動力によって、揺動リンク4E1、4E2の端部がストラット4Mの両端部のリンクピン4J1、4J2を中心に揺動する際に、梃子の原理によってロッド部材4T1、4T2への出力制動力が増大する。
自動隙間調整機構8の末端部を構成するロッド部材4T1、4T2における外側端部に形成された非円形外周部分である二面幅部25は、ブレーキアーム2、3の上部にて遊嵌孔部から外側に貫通され(図1参照)、その二面幅部25に回止めプレート23の係合孔26(二面幅部25に整合)が嵌合され、ブレーキアーム2、3の外側においてスプリング20にて弾接してスプリングシート21(二面幅部25に整合する係合孔27が形成される)およびクリップ22により保持させる。回止めプレート23およびスプリングシート21はブレーキアーム2、3の外側面に回転不能に固定される。これら回止めプレート23、クリップ22およびスプリングシート21を外部から取り外すことでロッド部材4T1、4T2の回転を許容できるようにして、自動隙間調整機構8のアジャスタを戻して、ロッド部材4T1、4T2とブレーキアーム2、3の遊嵌孔部との係合を開放して、ブレーキパッドの交換等が容易となる。図9には、ブレーキアーム2の外側において、ロッド部材4T1の二面幅部25に嵌合されたスプリングシート21および回止めプレート23が、ブレーキアーム2の上部2Aに装着されたブラケットの切起し片18に当接させて回転不能に構成された状態が明確に示されている。
以下、図3、図4および図5を参照しつつ、カム部6、自動隙間調整機構8から構成されるカム機構4について説明する。本発明の特徴である、ブレーキアーム2、3部のみが低質量にて全方向に自由度を有して揺動するように構成できるものでありながら、ばね上とばね下間に相対変位が生じてもカム機構4における四辺リンクから構成された揺動リンク4E1、4E2がこれらの変位を吸収して、全方向の自由度を確保したブレーキアームへの出力を増大しつつばね上側のカム部6等の倍力装置等がばね下側の変位の影響を受けにくくできる。本発明のカム機構4は、四辺リンクからなり水平状で略同一平面上に配置される。図1に示したように、ユニットとして下部ハウジング1B内への組付けが容易で、自動隙間調整機構8を含めて嵩を低くできる。さらに、四辺リンクからなるカム機構4における対向する辺、カム部6とストラット4M、および揺動リンク4E1、4E2が互いに略平行に配設され、ブレーキアーム2、3同士の近接する挙動に対して揺動リンク4E1、4E2にほぼ直交させてそれらの力を入力することができて、カム部6両側を支点としたストラット3Mを含んだ揺動リンク4E1、4E2の揺動が円滑となり、ブレーキアーム2、3同士の近接する挙動も円滑となって、ばね上とばね下との相対変位に適切に対応できる。
図5はカム部6の分解斜視図で、カム部6はユニット化されてサブアセンブリされる。エアチャンバ(図6)により作動するカムレバー4Aは、静止部に堅固に固定されたガイドブラケット4D1、4D2にカムボルト4B1、カムナット4B2にて揺動中心部が保持される。カムレバー4Aの揺動方向(図面左右)の両側にはスライド自在な一対のカムガイド4F1、4F2が配設される。これらのカムガイド4F1、4F2の内部にはそれぞれカムベアリング4C1、4C2が回転自在に軸支される。前記カムレバー4Aの揺動中心に配置されるカムボルト4B1は、カムガイド4F1、4F2の対向する長孔内に支持される。かくして、ガイドブラケット4D1、4D2に確実に保持された1つのカムレバー4Aの揺動作動によって、カムガイド4F1、4F2が互いの反作用によって反対側に円滑に軸動できる。また、前記ガイドブラケット4D1、4D2におけるカムベアリング4C1、4C2を支持したカムガイド4F1、4F2のガイド部が長孔から構成される。これにより、カムガイド4F1、4F2の軸動(カムレバー4Aの揺動方向)がガイドブラケット4D1、4D2における長孔にガイドされて確実かつ円滑に行われる。
図4は、カム部6がユニット化されてサブアセンブリされたものを含むカム機構4の分解斜視図で、各揺動リンク4E1、4E2が前記ガイドブラケット4D1、4D2の両端部に重畳して組み込まれて配設される。これらの端部は各カムガイド4F1、4F2の外側端部に形成された上下板部間に挿入されて、それぞれに形成されたピン孔にリンクピン4G1、4G2により揺動自在に連結される。そして、各揺動リンク4E1、4E2にはアジャストレバー4N1、4N2の端部近傍が軸支され、その端部がガイドブラケット4D1内に交差して保護されるとともに、前記カムガイド4F1、4F2の所定移動量の超過(図2において、例えば揺動リンク4E1とともに反時計方向に揺動して、ガイドブラケット4D1のストッパ片4Pに当接する)によりガイドブラケット4D1に規制されて自動隙間調整が開始されるように構成される。
自動隙間調整機構8では、前述したように、ブレーキパッドの摩耗等によりパワーユニットのストロークが所定値を超えると、すなわちカムガイド4F1、4Fが所定移動量を超えて、揺動リンク4E1、4E2が所定揺動量を超え、揺動リンク4E1、4E2に軸支されたアジャストレバー4N1、4N2が前記ガイドブラケット4D1のストッパ片4Pに当接するので支軸を中心に揺動する。揺動リンク4E1側では反時計方向に、揺動リンク4E2側では時計方向に揺動する。これによって、アジャストレバー4N1、4N2の基部のアジャストギヤ4I1、4I2の歯との係合位置が変更される。次いで、ブレーキの開放時に、アジャストレバー4N1、4N2がアジャストスプリング4L1、4L2により引っ張られて復元する過程で、アジャストギヤ4I1、4I2を回転させ、これに螺合する回転不能なロッド部材4T1、4T2における内側の螺子部に対する軸方向長さを伸長させることで、自動隙間調整がなされる。このように、自動隙間調整の開始が静止部に固定されたガイドブラケット4D1への当接規制によって行われて高精度となる。さらに、前記各揺動リンク4E1、4E2と前記自動隙間調整機構8、8がサブアセンブリ化されて、部品の脱落を伴うことなく簡便に自動隙間調整機構8をカム機構4に対して組み付けることが可能となる。
図面では断面が示されていないが、前記自動隙間調整機構とロッド部材とが球面ジョイントを介して接続される。つまり、図3において、ロッド部材4T1、4T2がブレーキアーム2、3の内側面に当接する球面プラグ4S1、4S2を貫通する部位において、これらの2部材の当接面が球面を呈しており、全方向の自由度を確保したブレーキアーム2、3の挙動への追随が可能になる。このように、前記カム部6、揺動リンク4Eと自動隙間調整機構8、カム機構4がサブアセンブリ化されるので、部品の脱落を伴うことなく簡便にハウジングに対して組み付けることが可能となる。
以上、本発明の実施例について説明してきたが、本発明の趣旨の範囲内で、ハウジングの形状、形式、およびそれらへのエアチャンバおよびカム機構の装着・配設形態、パワーユニットのアクチュエータを構成する主ブレーキ用およびパーキング用のエアチャンバ(正圧型、負圧型のいずれもが採用可能である)の形状、形式(ダイヤフラム型、ピストン型等および配設部位、ブレーキアームの形状(自動隙間調整機構からの出力部であるロッド部材との連結のための球面部材等の介設のための端部形状、断面および側面視形状についても適宜採用できる)、形式およびハウジングへの全方向に自由度を有しての揺動軸支形態(隙間、球面ベアリング、可撓性のあるスペーサおよびアンカプラグ等の採用等)、ロッド部材の回止め形態(ロッド部材の非円形外周部に嵌合する回止めプレートをブレーキアームの外側に回転不能に係止する形態として、切起し片への回止めプレートの係止、ブレーキアームの穴への回止めプレートの止片の係止等)、ブレーキパッドの形状、形式およびブレーキアームへの軸支形態(上下首振り形態等)、パワーユニットとしてのエアチャンバからカムレバー、自動隙間調整機構、ロッド部材までのサブアセンブリ化するユニット化形態(直線状配列のエアチャンバのロッドとカムレバーとが略同一面内に配置されるが、場合によってはロッドとカムレバーとが同一面からずれて配設されてもよい)、カム機構の形状、カム部の形状、形式、揺動リンクの形状(好適には平板状)、形式および自動隙間調整機構のアジャストレバーの軸支形態、ストラットの形状、形式およびそれらの関連構成、およびそれらのサブアセンブリ化形態(カムベアリングを含む直線状配列のカムガイドの形状、形式、カムブラケットの形状、形式、カムピンの形状、形式、カムベアリングの形状、形式、)ならびにカム機構のハウジングへの組付け形態(四辺リンク機構としてのカム機構が同一平面内で揺動するようにほぼ同一平面内に組み付けられる)等については適宜選定できる。実施例に記載の諸元はあらゆる点で単なる例示に過ぎず限定的に解釈してはならない。
本発明のディスクブレーキ装置の1つの実施例を示すもので、上部ハウジングを取り外してカム機構が露呈した状態のディスクブレーキ装置の全体斜視図である。 同、回止め機構を分解図で示すカム機構の全体斜視図である。 同、カム機構の倒立側面図、平面図および断面図である。 同、カム機構の分解斜視図である。 同、カム機構におけるカム部の分解斜視図である。 同、カム部の中心軸を含む全体断面図である。 同、アームシャフトの中心軸を含む全体断面図である。 同、上部ハウジングを取り付けた状態の全体斜視図である。 同、ディスクブレーキ装置の全体側面図である。 第1従来例のレール車両のディスクブレーキのためのブレーキキャリパユニットの説明図である。 第2従来例の鉄道車両用ディスクブレーキ装置の説明図である。
符号の説明
1 ハウジング
1A 上部ハウジング
1B 下部ハウジング
2 ブレーキアーム
3 ブレーキアーム
4 カム機構
4A カムレバー
4D1 ガイドブラケット
4D2 ガイドブラケット
4E1 揺動リンク
4E2 揺動リンク
4F1 カムガイド
4F2 カムガイド
4M ストラット
4N1 アジャストレバー
4N2 アジャストレバー
4T ロッド部材
5 エアチャンバ
6 カム部
8 自動隙間調整機構
12 アームシャフト
17 ブレーキパッド

Claims (10)

  1. エアチャンバにより作動するカム機構の移動を自動隙間調整機構を介したロッド部材により、ハウジングに支持されて全方向に自由度を有して揺動するブレーキアームを押圧してブレーキパッドを押圧作動させるディスクブレーキ装置において、前記カム機構を、カム部とストラットとこれらの両端部を連結する一対の揺動リンクとからなる四辺リンクにて構成するとともに、前記揺動リンクに自動隙間調整機構を介してロッド部材を配設したことを特徴とするディスクブレーキ装置。
  2. 前記四辺リンクからなるカム機構が略同一平面上に配置されたことを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ装置。
  3. 前記四辺リンクからなるカム機構における対向する辺が作動状態で互いに略平行になるように配設されたことを特徴とする請求項1または2に記載のディスクブレーキ装置。
  4. 前記カム機構において、前記エアチャンバにより作動するカムレバーを揺動中心で保持するガイドブラケットが、軸動する前記カムレバーによりカムガイドを移動可能に保持したことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のディスクブレーキ装置。
  5. 前記ガイドブラケットにおけるガイド部が長孔から構成されたことを特徴とする請求項4に記載のディスクブレーキ装置。
  6. 前記カムレバー、カムガイド、ガイドブラケットからなるカム部がサブアセンブリ化されたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のディスクブレーキ装置。
  7. 前記カムガイドが所定移動量を超えると前記自動隙間調整機構が作動するように構成されたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のディスクブレーキ装置。
  8. 前記各揺動リンクが前記ガイドブラケットの両端部に重畳して組み込まれるとともに、前記各揺動リンクに軸支されたアジャストレバーの端部がガイドブラケット内に交差して保護されるとともに、前記カムガイドの所定移動量の超過によりガイドブラケットに規制されて自動隙間調整を開始するように構成されたことを特徴とする請求項7に記載のディスクブレーキ装置。
  9. 前記各揺動リンクと前記自動隙間調整機構がサブアセンブリ化されたことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のディスクブレーキ装置。
  10. エアチャンバにより作動するカム機構の移動を自動隙間調整機構を介したロッド部材により、ハウジングに支持されて全方向に自由度を有して揺動するブレーキアームを押圧してブレーキパッドを押圧作動させるディスクブレーキ装置において、前記自動隙間調整機構とロッド部材とが球面ジョイントを介して接続されるとともに、ブレーキアームを貫通する前記ロッド部材が、回止め部材によりブレーキアームに締結されたことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のディスクブレーキ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102013014829A1 (de) * 2013-09-10 2015-03-12 Hubl Gmbh Scheibenbremsvorrichtung für Fahrzeuganhänger

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