JP2008240752A - スラストころ軸受の軌道輪およびスラストころ軸受 - Google Patents

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理之 冨加見
Shinji Oishi
真司 大石
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Abstract

【課題】潤滑油の通油性を向上することができるスラストころ軸受の軌道輪を提供する。
【解決手段】スラストころ軸受21の外輪22aは、その表面に外輪軌道面24aを有する外輪円板部23aと、外輪円板部23aの径方向端部から回転軸方向に延びる外輪鍔部25aとを含む。ここで、外輪鍔部25aには、径方向に貫通する油孔29が設けられている。
【選択図】図1

Description

この発明は、スラストころ軸受の軌道輪およびスラストころ軸受に関し、特に、回転軸方向に延びる鍔部を含むスラストころ軸受の軌道輪およびこのような軌道輪を備えるスラストころ軸受に関するものである。
自動車用オートマチックトランスミッションにおいて、スラスト荷重が負荷される部分については、スラスト荷重を支持するスラストころ軸受が配置される。昨今は、スラストころ軸受が要求される特性として、スラストころ軸受の破損の恐れの低減等の他、低燃費化の観点から、スラストころ軸受の低トルク化が要求されている。
スラストころ軸受は、一般的には、外輪や内輪といった軌道輪と、複数のころと、ころを保持する保持器とから構成される。ここで、従来におけるスラストころ軸受に含まれる外輪の構成について説明する。図11は、従来におけるスラストころ軸受に含まれる外輪を、板厚方向から見た図である。図12は、図11に示す外輪を、図11中のXII−XII断面で切断した場合の断面図である。図11および図12を参照して、スラストころ軸受の外輪101aは、環状であって、その中央に貫通穴102を有する。外輪101aは、その表面に外輪軌道面105aを有する外輪円板部104aと、外輪円板部104aの外径側端部から回転軸方向に延びる外輪鍔部103aとを含む。ころは、外輪軌道面105a上を転動する。
次に、従来におけるスラストころ軸受の構成について説明する。図13は、図11および図12に示す外輪101aを含む従来のスラストころ軸受の一部を示す断面図であり、図12中のXIIIで示す部分に対応する。図11〜図13を参照して、スラストころ軸受111は、外輪101aと、内輪101bと、外輪101aおよび内輪101bの間に配置される複数の針状ころ112と、複数の針状ころ112を保持する保持器113とからなる。内輪101bは、その表面に内輪軌道面105bを有する内輪円板部104bと、内径側端部から板厚方向に延びる内輪鍔部103bとを含む。針状ころ112は、外輪軌道面105aおよび内輪軌道面105bを転動する。針状ころ112を保持する保持器113は、その断面がW字形状となるように、保持器113の回転軸方向に複数回屈曲されている。外輪101aと内輪101bとの間に、針状ころ112を保持する保持器113が配置される。
上記と同様の構成のスラストころ軸受に関する技術が、特開2006−170369号公報(特許文献1)や特開2006−170370号公報(特許文献2)に開示されている。特許文献1および特許文献2によると、スラストころ軸受は、一対の軌道輪と、各軌道輪間に配置される針状ころと、針状ころを保持する保持器とを備える。保持器は、軸方向に複数回屈曲させ、断面W字形に形成されている。そして、外輪鍔部と保持器との接触面積を小さくすることにより、径方向の接触時における摩擦を低減し、低トルク化を図っている。
また、特開2006−118562号公報(特許文献3)や特開2006−189133号公報(特許文献4)によると、スラストころ軸受に備えられる保持器は、断面コの字形で全体を円環状に造られた一対の素子を、最中状に組み合わせて構成されている。特許文献3においても、軌道輪と保持器との径方向での接触面積を小さくして摩擦を低減し、低トルク化を図っている。特許文献4においては、接触部に耐摩耗性等の優れた表面硬化処理を施し、摩耗を低減させることにしている。
特開2006−170369号公報 特開2006−170370号公報 特開2006−118562号公報 特開2006−189133号公報
スラストころ軸受111には、その内部に潤滑油が供給される。潤滑油は、例えば、回転軸が配置されるスラストころ軸受111の内径側から供給される。供給された潤滑油は、スラストころ軸受111内部を通過し、外径側に排出される。具体的には、図13を再び参照して、外輪101aと内輪101bとの内径側のすき間106aから図13中の矢印Zで示す方向に潤滑油が供給される。潤滑油は、スラストころ軸受111内を通過した後、外輪101aと内輪101bとの外径側のすき間106bから図13中の矢印Zで示す方向に排出される。このようにして、スラストころ軸受111内に潤滑油が供給される。
ここで、回転軸方向において、潤滑油供給側のすき間106aは保持器113の下側に位置し、潤滑油排出側のすき間106bは保持器113の上側に位置する。また、径方向においても、潤滑油供給側のすき間106aは保持器113の内径側に位置し、潤滑油排出側のすき間106bは保持器113の外径側に位置する。そうすると、スラストころ軸受111内に供給された潤滑油は、スラストころ軸受111内を径方向および回転軸方向に横切って通過する必要がある。したがって、潤滑油がスラストころ軸受111内に滞留する時間が長くなり、スラストころ軸受111の発熱を防止することができない恐れがある。また、潤滑油の攪拌抵抗が増大し、低トルク化を図ることが困難となる。特に、外輪101aと内輪101bとの間には保持器113が配置されるが、上記した構成では、潤滑油は、保持器113内を斜め方向に横切って通過する必要があるため、さらに潤滑油の通油性が悪くなる。
特許文献1および特許文献2によると、保持器は、板厚の薄い平板状部材を断面W形状となるように複数回屈曲させた形状である。また、特許文献3および特許文献4によると、保持器は、軸方向に屈曲された2枚の薄板上の素子から構成されている。これらのような形状の保持器は、形状が複雑であるため、潤滑油がより滞留しやすい。そうすると、上記した問題が顕著になる。
この発明の目的は、潤滑油の通油性を向上することができるスラストころ軸受の軌道輪を提供することである。
この発明の他の目的は、潤滑油の通油性を向上することができるスラストころ軸受を提供することである。
この発明に係るスラストころ軸受の軌道輪は、その表面に軌道面を有する円板部と、円板部の径方向端部から回転軸方向に延びる鍔部とを含む。ここで、鍔部には、径方向に貫通する油孔が設けられている。
このように構成することにより、径方向に貫通した油孔を利用して、スラストころ軸受内に供給された潤滑油をスラストころ軸受外に排出することができる。そうすると、スラストころ軸受内において、供給された潤滑油を回転軸方向に積極的に横切らせることなく排出することができる。したがって、スラストころ軸受内での潤滑油の滞留を低減することができ、通油性を向上することができる。
好ましくは、油孔は、鍔部と円板部とを構成する角部領域を含む。こうすることにより、供給された潤滑油を、回転軸方向に通過させることなく、積極的に径方向に通過させ、スラストころ軸受外に排出することができる。そうすると、スラストころ軸受内での潤滑油の滞留をさらに低減することができる。したがって、さらに通油性を向上することができる。
さらに好ましくは、油孔は、円周方向に略等配に複数設けられている。こうすることにより、円周方向において、効率的に潤滑油を排出することができる。したがって、さらに通油性を向上することができる。
この発明の他の局面においては、スラストころ軸受は、上記したいずれかのスラストころ軸受の軌道輪と、軌道面上を転動する複数のころと、ころを保持し、径方向端部が鍔部と当接する当接部を有する環状の保持器とを備える。ここで、油孔は、当接部よりも軌道面側に近づいた領域を含む。
こうすることにより、軌道輪に設けられる油孔は、保持器と鍔部が当接する当接部よりも軌道面側に近づいた領域を含むため、スラストころ軸受内を通過する距離を短くすることができる。そうすると、潤滑油の保持器内での滞留を低減することができる。したがって、さらに通油性を向上することができる。
好ましくは、保持器は、回転軸方向に折曲げられておらず、平板状である。このような保持器は、単純な形状であるため、保持器内での潤滑油の滞留は低減される。したがって、さらに通油性を向上することができる。
この発明によると、径方向に貫通した油孔を利用して、スラストころ軸受内に供給された潤滑油をスラストころ軸受外に排出することができる。そうすると、スラストころ軸受内において、供給された潤滑油を回転軸方向に積極的に横切らせることなく排出することができる。したがって、スラストころ軸受内での潤滑油の滞留を低減することができ、通油性を向上することができる。
また、このようなスラストころ軸受は、軌道輪に設けられる油孔は、保持器と鍔部が当接する当接部よりも軌道面側に近づいた領域を含むため、スラストころ軸受内を通過する距離を短くすることができる。そうすると、潤滑油の保持器内での滞留を低減することができる。したがって、さらに通油性を向上することができる。
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、この発明の一実施形態に係るスラストころ軸受の軌道輪のうち、外輪の構成について説明する。図2は、この発明の一実施形態に係るスラストころ軸受に備えられる外輪を、板厚方向から見た図である。図3は、図2に示す外輪22aを、図2中のIII−III断面で切断した場合の断面図である。図4は、図2に示す外輪22aを、図2中のIV−IV断面で切断した場合の断面図である。
図2〜図4を参照して、軌道輪としての外輪22aは、その中央に貫通穴28を有し、環状である。外輪22aは、その表面に外輪軌道面24aを有する外輪円板部23aと、外輪円板部23aの外径側端部から回転軸方向に延びる外輪鍔部25aとを含む。スラストころ軸受の運転状態において、外輪22aは、回転軸線20aを中心に回転する。外輪鍔部25aは、回転軸方向の端部が内径側に若干折曲げられたステーキング部27aを含む。ステーキング部27aは、円周方向に約90度間隔で4つ設けられている。ステーキング部27aにより、スラストころ軸受21を構成する各構成部材の分離を防止している。
ここで、外輪鍔部25aには、径方向に貫通する油孔29が設けられている。油孔29は、外輪鍔部25aと外輪円板部23aとを構成する角部領域を含むように形成されている。油孔29は、円周方向に略等配となるように複数設けられている。この場合、油孔29は、円周方向に約90度間隔となるよう4つ設けられている。また、油孔29は、円周方向に延びる長孔状である。
次に、この発明の一実施形態に係るスラストころ軸受に備えられる保持器の構成について説明する。図5は、この発明の一実施形態に係るスラストころ軸受に備えられる保持器を、板厚方向から見た図である。図6は、図5に示す保持器の側面図である。図7は、図5に示す保持器のうち、図5中のVIIで示すポケット部分の拡大図である。図8は、図5に示す保持器を、図5中のVIII−VIII断面で切断した場合の断面図である。図9は、図7に示す保持器のポケット部分を、図7中のIX−IX断面で切断した場合の断面図である。図10は、図7に示す保持器のポケット部分を、図7中のX−X断面で切断した場合の断面図である。
図5〜図10を参照して、この発明の一実施形態に係るスラストころ軸受に備えられる保持器の構成について説明する。スラストころ軸受の保持器11は、図5および図6に示すように、板厚方向に折曲げられておらず、環状である。保持器11は、板厚方向に貫通する貫通穴12をその中央部に有する。保持器11は、ころを収容する複数のポケット14を有する。ポケット14は、略放射状に配置される。保持器11は、径の異なる一対の環状部、ここでは外径側の環状部13aおよび内径側の環状部13bと、ポケット14を形成するようにそれぞれの環状部13a、13bを連結する複数の柱部15とを含む。スラストころ軸受の運転状態において、保持器11は、回転軸線20bを中心に回転する。
保持器11には、ポケット14内に収容するころの脱落を防止する第一および第二のころ止め部16a、16bと、ころを案内する第一および第二のころ案内部17a、17bが設けられている。第一のころ止め部16aにより、図8中の矢印Aで示す方向と逆の方向へのころの脱落を防止する。第二のころ止め部16bにより、図8中の矢印Aで示す方向へのころの脱落を防止する。
保持器11は、第一および第二のころ案内部17a、17bによって案内される。第一および第二のころ案内部17a、17bは、その断面が円弧状である(図9、図10参照)。第一および第二のころ止め部16a、16b、第一および第二のころ案内部17a、17bは、冶具によるコイニング加工等により設けられる。
図8に示す断面、すなわち、保持器11の回転軸線20bと平行であって回転軸線20bを含む平面で切断した断面において、保持器11の外径側端面および内径側端面は、径方向に突出する凸形状部18a、18bを含む。凸形状部18a、18bは、略円弧形状である。この場合、凸形状部18a、18bの全体が、略円弧形状である。
次に、上記した外輪22aおよび保持器11を備え、この発明の一実施形態に係るスラストころ軸受の構成について説明する。この発明の一実施形態に係るスラストころ軸受は、例えば、自動車のオートマチックトランスミッションのうち、スラスト荷重が負荷される箇所に配置される。図1は、この発明の一実施形態に係るスラストころ軸受の一部を示す断面図であり、図3中のIで示す部分に対応する。
図1〜図10を参照して、スラストころ軸受21は、外輪22aと、内輪22bと、外輪22aおよび内輪22bの間に配置される複数のころ31と、複数のころ31を保持する保持器11とを備える。スラストころ軸受21は、保持器11の板厚方向に負荷されるスラスト荷重を支持する。
軌道輪としての内輪22bは、その中央に貫通穴を有し、環状である。内輪22bは、その表面に内輪軌道面24bを有する内輪円板部23bと、内輪円板部23bの外径側端部から回転軸方向に延びる内輪鍔部25bとを含む。内輪鍔部25bにも、回転軸方向の端部が外径側に若干折曲げられたステーキング部27bが設けられている。
ころ31は、外輪軌道面24aおよび内輪軌道面24b上を転動する。ポケット14内にころ31を収容した保持器11は、外輪22aおよび内輪22b間に配置される。この場合、保持器11の径方向外側には、外輪22aの外輪鍔部25aが位置し、径方向内側には、内輪22bの内輪鍔部25bが位置する。
ここで、スラストころ軸受21の運転状態について説明する。スラストころ軸受21の運転時において、スラストころ軸受21には、内径側から外径側へ潤滑油が供給される。具体的には、潤滑油は、外輪22aと内輪22bとの内径側のすき間30aから、図1中の矢印Cに示す方向に供給される。その後、潤滑油は、内径側から外径側に向かってスラストころ軸受21内を通過する。そして、外輪鍔部25aに設けられた油孔29から、図1中の矢印Dに示す方向に積極的に排出される。このようにしてスラストころ軸受21内を潤滑油が通過する。
このように構成することにより、スラストころ軸受21は、径方向に貫通した外輪22aの油孔29を利用して、スラストころ軸受21内に供給された潤滑油をスラストころ軸受21外に排出することができる。すなわち、スラストころ軸受21内に供給された潤滑油を、油孔29を利用して図1中の矢印Eで示す方向に積極的に通過させ、外輪22aおよび内輪22b間の外径側のすき間30bからの排出を減少させて、スラストころ軸受21外へ排出することができる。そうすると、スラストころ軸受21内において、回転軸方向に横切らせる潤滑油を減少させて排出することができる。したがって、スラストころ軸受21内での潤滑油の滞留を低減することができ、通油性を向上することができる。
この場合、油孔29は、外輪鍔部25aと外輪円板部23aとを構成する角部領域を含むように形成されているため、供給された潤滑油を、積極的に径方向に通過させることでスラストころ軸受21外に排出することができる。そうすると、スラストころ軸受21内での潤滑油の滞留をさらに低減することができる。したがって、さらに通油性を向上することができる。
また、油孔29は、円周方向に略等配に複数設けられているため、円周方向において、効率的に潤滑油を排出することができる。したがって、さらに通油性を向上することができる。
さらに、油孔29は、円周方向に延びる長孔状であるため、円周方向における油孔29の開口部が広くなり、より効率的に潤滑油を排出することができる。したがって、さらに通油性を向上することができる。この場合、全ての油孔29の開口部の円周方向の長さは、外輪鍔部25aの円周方向の長さの半分以上とすることが好ましい。
また、スラストころ軸受21に備えられる保持器11は、板厚方向に折曲げられておらず、単純形状であるため、保持器11内での潤滑油の滞留を低減することができる。そうすると、このような保持器11を備えるスラストころ軸受21は、潤滑油を円滑に流すことができる。さらに、保持器11の凸形状部18a、18bは、略円弧形状であるため、凸形状部18a、18bを潤滑油が通過する際に、潤滑油を円滑に流すことができる。したがって、さらに通油性を向上することができる。
なお、スラストころ軸受21は運転中、保持器11が外輪22aまたは内輪22bと接触し、外輪22aまたは内輪22bから径方向、すなわち、図1中の矢印Bの方向または逆の方向に荷重を負荷される場合がある。しかし、外輪22aまたは内輪22bと保持器11が接触した場合、具体的には、外輪鍔部25aの内径側の面26aまたは内輪鍔部25bの外径側の面26bと保持器11が接触した場合においても、保持器11の外径側および内径側端面は、径方向に突出する略円弧形状の凸形状部18a、18bを含むため、外輪22aまたは内輪22bと保持器11との接触面積を小さくすることができる。そうすると、接触状態において発生する摩擦を小さくして、低トルクとすることができる。したがって、このような構成の保持器11は、破損の恐れを低減し、低トルク化を図ることができる。この場合、凸形状部18a、18bは、略円弧形状であるため、外輪22aまたは内輪22bと保持器11とが接触する際に、線接触することになる。したがって、接触面積をさらに小さくすることができるため、低トルク化を図ることができる。
また、この場合、油孔29は、保持器11と外輪鍔部25aが当接する当接部よりも外輪軌道面24a側に近づいた領域を含むため、スラストころ軸受21内を通過する距離を短くすることができる。そうすると、潤滑油の保持器11内での滞留を低減することができる。したがって、さらに通油性を向上することができる。
ここで、スラストころ軸受21に備えられるころ31について、その端面をころ31の軸線方向に突出する凸曲面を含む構成とすることにしてもよい。具体的には、例えば、ころ31の端面32a、32bを、ころ31の軸線方向に突出する丸面形とする。こうすることにより、スラストころ軸受21の運転状態において、ころ31の端面32a、32bを潤滑油が通過する際に、円滑に通過することができる。また、ころ31の端面32a、32bが保持器11のポケット14の壁面19a、19bと接触した場合においても、接触面積を小さくすることができる。したがって、さらにスラストころ軸受21の低トルク化を図ることができる。
また、スラストころ軸受21に備えられるころ31について、その転動面33にフルクラウニングを設けることにしてもよい。フルクラウニングとは、ころ31の軸線方向の中心部の径が最大となるよう転動面33の全体に設けられたクラウニングをいう。こうすることにより、ころ31と外輪22aまたは内輪22bとの接触面積を小さくすることができ、外径側と内径側の周速差による滑りを低減することができる。また、潤滑油を円滑に通過させることもできる。したがって、さらにスラストころ軸受21の低トルク化を図ることができる。
なお、上記の実施の形態においては、スラストころ軸受21の内径側から潤滑油を供給することにしたが、これに限らず、外径側から潤滑油を供給する場合についても適用される。この場合、内輪22bの内輪鍔部25bに径方向に貫通する油孔29を設け、この油孔29を利用して潤滑油を排出するようにしてもよい。さらに、油孔29から潤滑油を供給することにしてもよい。さらに、外輪鍔部25aおよび内輪鍔部25bの両方に油孔29を設けることにしてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、スラストころ軸受21は、外輪22aおよび内輪22bを備えることにしたが、これに限らず、いずれか一方を備える構成であっても構わない。
なお、上記の実施の形態においては、保持器11の外径側および内径側端面は、径方向に突出する凸形状部18a、18bを含むことにしたが、これに限らず、外径側および内径側端面のうち、いずれか一方について、径方向に突出する凸形状部を含む構成としてもよい。
また、上記においては、凸形状部は、上記した断面形状において、略円弧形状としたが、これに限らず、R面形状等、他の断面形状であってもよい。さらに、複数の曲線から構成される断面形状であってもよい。こうすることにより、凸形状部をより適切な形状とすることができる。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明に係るスラストころ軸受の軌道輪およびスラストころ軸受は、自動車のオートマチックトランスミッションに有効に利用される。
この発明の一実施形態に係るスラストころ軸受の一部を示す断面図である。 この発明の一実施形態に係るスラストころ軸受に備えられる外輪を板厚方向から見た図である。 図2に示す外輪を、図2中のIII−III断面で切断した場合の断面図である。 図2に示す外輪を、図2中のIV−IV断面で切断した場合の断面図である。 この発明の一実施形態に係るスラストころ軸受に備えられる保持器を板厚方向から見た図である。 図5に示す保持器の側面図である。 図5に示す保持器のポケット部分を、板厚方向から見た拡大図である。 図5に示す保持器を、図5中のVIII−VIII断面で切断した場合の断面図である。 図7に示す保持器のポケット部分を、図7中のIX−IX断面で切断した場合の断面図である。 図7に示す保持器のポケット部分を、図7中のX−X断面で切断した場合の断面図である。 従来におけるスラストころ軸受に備えられる外輪を板厚方向から見た図である。 図11に示す外輪を、図11中のXII−XII断面で切断した場合の断面図である。 従来におけるスラストころ軸受の一部を示す断面図である。
符号の説明
11 保持器、12,28 貫通穴、13a,13b 環状部、14 ポケット、15 柱部、16a 第一のころ止め部、16b 第二のころ止め部、17a 第一のころ案内部、17b 第二のころ案内部、18a,18b 凸形状部、19a,19b 壁面、20a,20b 回転軸線、21 スラストころ軸受、22a 外輪、22b 内輪、23a 外輪円板部、23b 内輪円板部、24a 外輪軌道面、24b 内輪軌道面、25a 外輪鍔部、25b 内輪鍔部、26a,26b 面、27a,27b ステーキング部、29 油孔、30a,30b すき間、31 ころ、32a,32b 端面、33 転動面。

Claims (5)

  1. その表面に軌道面を有する円板部と、前記円板部の径方向端部から回転軸方向に延びる鍔部とを含むスラストころ軸受の軌道輪であって、
    前記鍔部には、径方向に貫通する油孔が設けられている、スラストころ軸受の軌道輪。
  2. 前記油孔は、前記鍔部と前記円板部とを構成する角部領域を含む、請求項1に記載のスラストころ軸受の軌道輪。
  3. 前記油孔は、円周方向に略等配に複数設けられている、請求項1または2に記載のスラストころ軸受の軌道輪。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のスラストころ軸受の軌道輪と、
    前記軌道面上を転動する複数のころと、
    前記ころを保持し、径方向端部が前記鍔部と当接する当接部を有する環状の保持器とを備え、
    前記油孔は、前記当接部よりも前記軌道面側に近づいた領域を含む、スラストころ軸受。
  5. 前記保持器は、回転軸方向に折曲げられておらず、平板状である、請求項4に記載のスラストころ軸受。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012219893A (ja) * 2011-04-07 2012-11-12 Ntn Corp スラスト軸受用保持器及びスラスト軸受

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