JP2008240711A - 燃料遮断弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料遮断弁10は、ケーシングを構成するのに溶着などの面倒な組付作業を不要とし、閉弁液位を高く設定できること。
【解決手段】燃料遮断弁10は、主接続通路22aに接続される主弁室21S、主弁室21Sに副接続通路32cを介して接続される副弁室31Sを有するケーシング20と、主弁室21Sに収納された主弁機構40と、副弁室31Sに収納された副弁機構60とを備えている。ケーシング20は、主弁室21Sを形成するケーシング本体21と、副弁室31Sを形成する下蓋30とを備え、連結機構で機械的に連結されている。給油により燃料は、第2液位FL2に達すると、副弁室31Sに流入して副フロート61で副接続通路32cを閉じる。燃料が第1液位FL1に達すると、第1連通路21Pを通じて燃料が主弁室21Sへ流入し主弁機構40がその浮力により上昇して主接続通路22aを閉じる。
【選択図】図1
【解決手段】燃料遮断弁10は、主接続通路22aに接続される主弁室21S、主弁室21Sに副接続通路32cを介して接続される副弁室31Sを有するケーシング20と、主弁室21Sに収納された主弁機構40と、副弁室31Sに収納された副弁機構60とを備えている。ケーシング20は、主弁室21Sを形成するケーシング本体21と、副弁室31Sを形成する下蓋30とを備え、連結機構で機械的に連結されている。給油により燃料は、第2液位FL2に達すると、副弁室31Sに流入して副フロート61で副接続通路32cを閉じる。燃料が第1液位FL1に達すると、第1連通路21Pを通じて燃料が主弁室21Sへ流入し主弁機構40がその浮力により上昇して主接続通路22aを閉じる。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料タンクの上部に装着され、給油時に燃料が所定の液位に達したときに外部へ通じる接続通路を閉じることにより、燃料の外部への流出を防止する燃料遮断弁に関する。
燃料タンクの上壁付近で燃料が貯まることのないタンク空間を狭くすることにより、燃料タンクの有効容量を増大させるための技術として、燃料遮断弁の改良が検討されている(特許文献1)。燃料遮断弁は、弁室を形成するケーシングと、弁室内に昇降可能に収納されたフロートとを備え、給油時に弁室内に連通路を通じて燃料タンク内の燃料を導いて、フロートを上昇させてフロートの上部で接続通路を閉じることにより、外部への燃料の流出を防止している。ケーシングは、下方を開放したカップ状のシェルと、シェルの下方および側方を覆うとともに該シェルの側壁と所定間隙を隔てて配置された充填カップとを備えている。シェルと充填カップとは、それぞれの下端にて爪で係合することにより組み付けられている。また、燃料タンク内からシェル内の弁室に燃料を導く連通路は、充填カップの側壁とシェルとの側壁との間隙からシェルに形成したスロットを経た通路である。そして、燃料が充填カップの上端を乗り越えたときに、連通路を通じて燃料を弁室内に導くことで、シェルの下端より高い位置に閉弁液位を設定している。
しかし、従来の燃料遮断弁は、シェルに周方向に多数のスロットを形成しているために金型構造が複雑になり、また、スロットから流出する燃料がフロートの側面に当たるのでフロートが傾いて昇降しやすいという問題があった。
本発明は、上記従来の技術の問題点を解決することを踏まえ、ケーシングを構成するのに溶着などの面倒な組付作業を不要とし、閉弁液位を高く設定できる燃料遮断弁を提供することを目的とする。
課題を解決するためになされた本発明は、
燃料タンクの上部に装着され、該燃料タンク内の燃料液位に応じて上記燃料タンク内と外部とを接続する主接続通路を連通遮断する燃料遮断弁において、
上記主接続通路に接続される主弁室と、該主弁室に副接続通路を介して接続される副弁室とを有するケーシングと、
上記主弁室に収納され、該主弁室の燃料液位により上昇して上記主接続通路を閉じる主弁機構と、
上記副弁室に収納され、該副弁室の燃料液位により上昇して上記副接続通路を閉じる副弁機構と、
を備え、
上記ケーシングは、
上記主弁室を形成するケーシング本体と、該ケーシング本体に装着され上記副弁室を形成する下蓋と、上記ケーシング本体と上記下蓋とを機械的に連結する連結機構と、上記燃料タンクと上記主弁室とを連通する第1連通路と、上記燃料タンクと上記副弁室とを連通する第2連通路と、
を有し、
上記連結機構は、上記ケーシング本体に形成された係合部と、上記下蓋に形成され上記係合部に係合する被係合部とを有し、
上記第2連通路は、燃料タンク内の燃料液位が第1液位に達したときに上記副弁室に燃料を導いて上記副弁機構の上昇で上記副接続通路を閉じるように形成され、
上記第1連通路は、上記ケーシング本体の下端より上方でありかつ上記第1液位より高い位置に上記第2液位を設定するとともに、燃料タンク内の燃料液位が第2液位に達したときに上記主弁室に燃料を導いて上記主弁機構の上昇で上記主接続通路を閉じるように形成されたこと、
を特徴とする。
燃料タンクの上部に装着され、該燃料タンク内の燃料液位に応じて上記燃料タンク内と外部とを接続する主接続通路を連通遮断する燃料遮断弁において、
上記主接続通路に接続される主弁室と、該主弁室に副接続通路を介して接続される副弁室とを有するケーシングと、
上記主弁室に収納され、該主弁室の燃料液位により上昇して上記主接続通路を閉じる主弁機構と、
上記副弁室に収納され、該副弁室の燃料液位により上昇して上記副接続通路を閉じる副弁機構と、
を備え、
上記ケーシングは、
上記主弁室を形成するケーシング本体と、該ケーシング本体に装着され上記副弁室を形成する下蓋と、上記ケーシング本体と上記下蓋とを機械的に連結する連結機構と、上記燃料タンクと上記主弁室とを連通する第1連通路と、上記燃料タンクと上記副弁室とを連通する第2連通路と、
を有し、
上記連結機構は、上記ケーシング本体に形成された係合部と、上記下蓋に形成され上記係合部に係合する被係合部とを有し、
上記第2連通路は、燃料タンク内の燃料液位が第1液位に達したときに上記副弁室に燃料を導いて上記副弁機構の上昇で上記副接続通路を閉じるように形成され、
上記第1連通路は、上記ケーシング本体の下端より上方でありかつ上記第1液位より高い位置に上記第2液位を設定するとともに、燃料タンク内の燃料液位が第2液位に達したときに上記主弁室に燃料を導いて上記主弁機構の上昇で上記主接続通路を閉じるように形成されたこと、
を特徴とする。
本発明にかかる燃料遮断弁を用いた燃料タンクに給油して、燃料液位が第2液位に達すると、燃料が第2連通路を通じて副弁室に流入し、副フロートを上昇させて副接続通路を閉じる。この副接続通路の遮断により、主弁室への燃料の流入を防止する。さらに、燃料液位が上昇して第1液位に達すると、第1連通路を通じて燃料が主弁室へ流入し、主弁機構がその浮力により上昇して主接続通路を閉じる。これにより、燃料タンク内が外部に対して密閉される。
したがって、燃料タンクの燃料液位が第2液位を越えたときに副弁機構が副接続通路を閉じて主弁室への燃料の流入を防ぐから、第2液位より高い第1液位に達するまでは、主弁室に燃料が流入することがなく、主弁機構が主接続通路を閉じることがない。したがって、ケーシングは、主弁室に燃料が流入する燃料液位を、高い第1液位に設定することができる。よって、燃料タンクの上壁付近で燃料が貯まることのないタンク空間、いわゆるデッドスペースを狭くできるので、燃料タンクの有効容量を増大させることができる。
また、ケーシングは、下蓋の副接続通路を副弁機構で閉じるようにケーシング本体と下蓋とで構成するとともに、ケーシング本体と下蓋とを液密性を必要としない連結機構により機械的に連結しているから、従来の技術で説明したように、主弁室の下部を液密の室とするために複数の部材を溶着するなどの構成を必要とせず、構成を簡単にできる。
本発明の好適な態様として、上記ケーシング本体は、上記主接続通路を貫通形成した上壁と、該上壁の外周部に形成された円筒状の側壁とを備え、上記下蓋は、上記ケーシング本体の側壁を覆う側壁と、上記ケーシング本体の下部の開口を覆いかつ上記副接続通路を形成する底壁とを備え、上記第1連通路は、上記ケーシング本体の側壁と上記下蓋の側壁との間隙および上記ケーシング本体の開口で形成されている構成をとることができる。この構成により、第1連通路を、ケーシング本体の側壁と下蓋の側壁との間の間隙の全周に渡る大きな通気面積で形成することができ、よって、高い通気性を確保することができる。
また、他の好適な態様として、上記ケーシング本体の側壁は、該側壁の上端から上記被係合部の高さまで切欠きされた通気孔を備え、該通気孔は、上記第1連通路の一部を構成することができる。この構成により、第1連通路の高さ位置の調節が容易である。
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の好適な実施例について説明する。
(1) 燃料遮断弁の概略構成
図1は本発明の一実施例にかかる自動車の燃料タンクFTの上部に取り付けられる燃料遮断弁10を示す断面図である。図1において、燃料タンクFTは、その表面がポリエチレンを含む複合樹脂材料から形成されており、そのタンク上壁FTaに取付穴FTbが形成されている。このタンク上壁FTaには、燃料遮断弁10がその下部を取付穴FTbに突入した状態にて取り付けられている。燃料遮断弁10は、給油時に燃料タンクFT内の燃料が満タン液位に達したときにキャニスタへの流出を規制するものである。
(1) 燃料遮断弁の概略構成
図1は本発明の一実施例にかかる自動車の燃料タンクFTの上部に取り付けられる燃料遮断弁10を示す断面図である。図1において、燃料タンクFTは、その表面がポリエチレンを含む複合樹脂材料から形成されており、そのタンク上壁FTaに取付穴FTbが形成されている。このタンク上壁FTaには、燃料遮断弁10がその下部を取付穴FTbに突入した状態にて取り付けられている。燃料遮断弁10は、給油時に燃料タンクFT内の燃料が満タン液位に達したときにキャニスタへの流出を規制するものである。
(2) 燃料遮断弁10の各部の構成
燃料遮断弁10は、ケーシング20と、主弁機構40と、副弁機構60とを主要な構成として備えている。ケーシング20は、ケーシング本体21と、ケーシング本体21に装着された下蓋30と、蓋体35とを備えている。図2は燃料遮断弁10を分解して示す断面図、図3はケーシング20を分解して示す斜視図である。ケーシング本体21は、上壁22と、円筒形状の側壁23とにより囲まれたカップ形状であり、下方を開口21aとしている。上壁22には、主接続通路22aが形成され、その開口周縁部が主シール部22bになっている。側壁23の上部には、外周方向に張り出したフランジ23aが形成されている。フランジ23aは、蓋体35と溶着される部位である。側壁23の中程には、係合部23bが形成されている。係合部23bは、下蓋30と係合する部位であり、側壁23の外周から断面円弧状に突設された係合段部23cと、係合段部23c上の下部から突設された係合爪23dとにより形成されている。
燃料遮断弁10は、ケーシング20と、主弁機構40と、副弁機構60とを主要な構成として備えている。ケーシング20は、ケーシング本体21と、ケーシング本体21に装着された下蓋30と、蓋体35とを備えている。図2は燃料遮断弁10を分解して示す断面図、図3はケーシング20を分解して示す斜視図である。ケーシング本体21は、上壁22と、円筒形状の側壁23とにより囲まれたカップ形状であり、下方を開口21aとしている。上壁22には、主接続通路22aが形成され、その開口周縁部が主シール部22bになっている。側壁23の上部には、外周方向に張り出したフランジ23aが形成されている。フランジ23aは、蓋体35と溶着される部位である。側壁23の中程には、係合部23bが形成されている。係合部23bは、下蓋30と係合する部位であり、側壁23の外周から断面円弧状に突設された係合段部23cと、係合段部23c上の下部から突設された係合爪23dとにより形成されている。
下蓋30は、円筒状の側壁31と、側壁31内のスペースを上室30Saおよび下室30Sbとに分ける底壁32とを備えている。下蓋30の上室30Saは、上開口30aで上方に開放され、下室30Sbは、下開口30bで下方に開放されている。上室30Saは、下蓋30およびケーシング本体21で囲まれることで主弁室21Sを形成し、また、下室30Sbは、単独で副弁室31Sを形成している。側壁31の上部には、被係合部31aおよび通気孔31bが形成されている。被係合部31aは、側壁31を貫通する貫通穴であり、ケーシング本体21の係合爪23dに係合することで連結機構を構成している。下蓋30の側壁31は、ケーシング本体21の側壁23を覆ったときに、所定間隙が形成され、この間隙およびケーシング本体21の開口21aおよび通気孔31bにより第1連通路21P(図1)を構成している。側壁31の下部には、周方向に90゜の等間隔で4つ下側部連通孔31cおよびガイド穴31dが互い違いに形成されている。また、底壁32は、底壁本体32aを備えている。底壁本体32aの中央部には、スプリング50を支持するスプリング支持部32bが突設されている。スプリング支持部32bを囲むように、副接続通路32cが形成されている。副接続通路32cの外周側を囲むように、底壁本体32aの下面から突設された下シール部32dが突設されている。側壁31の下側部連通孔31cは、第2連通路31Pを構成している。
蓋体35は、蓋本体36と、蓋本体36の中央から側方へ突出した管体部37と、蓋本体36の外周に形成されたフランジ38とを備え、これらを一体に形成している。管体部37には、管通路37aが形成されており、この管通路37aの一端は、主接続通路22aを通じてケーシング20の主弁室21Sに接続され、他端はキャニスタ(図示省略側)に接続される。蓋本体36の下部には、ケーシング本体21のフランジ23aを溶着する内部溶着端36aが形成されており、フランジ38の下端部には、燃料タンクFTのタンク上壁FTaに溶着される外側溶着部38aが形成されている。
図4は主弁機構40を分解して示す断面図である。なお、図4の断面は水平方向で135゜の角度で切断した状態を示している。主弁機構40は、主弁室21S(図2)内に収納されており、主フロート41と、上部弁機構45と、スプリング50とを備えている。主フロート41は、下方に開放した浮力室42Sを有するカップ形状であり、上壁41aと、上壁41aの外周部から円筒形状に突設された側壁41bを備えている。上壁41aの中央部には、ゴム製の弁部42が装着されている。側壁41bには、ガイド突条41cが上下方向に沿いかつ周方向に等間隔に4箇所形成されている。ガイド突条41cは、図2に示すケーシング本体21の側壁23の内壁に摺動することで主フロート41が昇降する際の傾きを防止するようにガイドする。主フロート41は、上壁41aの下面と下蓋30の底壁32との間に掛け渡されたスプリング50により支持されている。スプリング50は、底壁32のスプリング支持部32bにより位置決めされている。
上部弁機構45は、再開弁特性を改善するための弁であり、主フロート41の上部に昇降可能に支持されており、弁支持部材46と、弁支持部材46に装着されたゴム弁体48とを備えている。弁支持部材46は、円板状の支持上板46aを備え、その中央から上方に弁通路突部46bが突設され、その弁通路突部46bに接続孔46cが貫通している。接続孔46cの下部開口周縁には、下部シール部46dが形成されており、主フロート41の弁部42が着離する。支持上板46aの外周部には、主フロート41のガイド溝41dを摺動する支持アーム46eが90゜の間隔で4本(図では1本を示す)、下方に向けて突設されている。支持アーム46eには、ガイド穴46fが形成されており、主フロート41の抜止突起41eを突入させることで上部弁機構45を主フロート41に対して所定距離だけ昇降可能に支持している。弁支持部材46の上部であって、弁通路突部46bの外周部には、弁保持凹所46gが形成されている。ゴム弁体48は、弁保持凹所46gにゴム弁体48の支持基部48aが圧入されることで弁支持部材46に支持されている。ゴム弁体48は、支持基部48aの外周部にシート部48bを備え、このシート部48bが主シール部22b(図2)に着離することで主接続通路22aを開閉する。
図3において、副弁機構60は、下室30Sb内に収納されており、副フロート61を備えている。副フロート61は、下方に開放した浮力室61Sを有するカップ形状であり、上壁62と、上壁62の外周部から円筒形状に突設された側壁63とから形成されている。上壁62は、円形のシート面62aを備えており、シート面62aの外周側に傾斜面62bが配置されている。傾斜面62bは、下側部連通孔31cに対向するように配置されており、その上方のスペースに沿って副接続通路32cに接続される通路が形成されている。側壁63には、ガイド突部63aが形成されている。ガイド突部63aは、ガイド穴31d内に突入して副フロート61の上下方向への昇降をガイドする。
(3) 燃料遮断弁の動作
次に、燃料遮断弁10の動作について説明する。図1において、給油により燃料タンクFT内に燃料が供給されると、燃料タンクFT内の燃料液位の上昇につれて燃料タンクFT内の上部に溜まっていた燃料蒸気は、燃料遮断弁10から管路を経てキャニスタに逃がされる。すなわち、燃料タンクFT内の燃料液位が第1液位FL1に達していない間は、主フロート41は、主弁室21Sの主シール部22bから離間しているから、燃料蒸気は、通路面積の大きい第1連通路21Pを主に通り、副次的に副接続通路32cを通り、さらに主弁室21S、主接続通路22a、管通路37aを経てキャニスタへ逃がされる。
次に、燃料遮断弁10の動作について説明する。図1において、給油により燃料タンクFT内に燃料が供給されると、燃料タンクFT内の燃料液位の上昇につれて燃料タンクFT内の上部に溜まっていた燃料蒸気は、燃料遮断弁10から管路を経てキャニスタに逃がされる。すなわち、燃料タンクFT内の燃料液位が第1液位FL1に達していない間は、主フロート41は、主弁室21Sの主シール部22bから離間しているから、燃料蒸気は、通路面積の大きい第1連通路21Pを主に通り、副次的に副接続通路32cを通り、さらに主弁室21S、主接続通路22a、管通路37aを経てキャニスタへ逃がされる。
図5に示すように、燃料タンクFT内の燃料液位が上昇して第1液位FL1に達すると、燃料は、副弁室31S内に流入する。副フロート61は、その浮力が自重を上回ると速やかに上昇して下シール部32dに着座して副接続通路32cを閉じる。この副接続通路32cの遮断により、主弁室21Sへの燃料の流入を防ぐ。
さらに、図6に示すように、燃料液位が第2液位FL2に達すると、第1連通路21Pを通じて燃料が主弁室21Sへ流入する。そして、主弁室21S内の燃料液位が所定液位に達すると、主フロート41の浮力およびスプリング50の加重による上方への力と、主フロート41および上部弁機構45からなる主弁機構40の自重による下方への力との釣り合いによって、前者が後者を上回ったときに主弁機構40が上昇して、ゴム弁体48のシート部48bが主シール部22bに着座して主接続通路22aを閉じる。これにより、キャニスタへ接続される通路が閉じられ、燃料タンクFT内がキャニスタ側に対して密閉されるから、燃料タンクFT内のタンク内圧が上昇する。このタンク内圧の上昇によりインレットパイプ内の液面が上昇して、給油ガンの給油を停止するオートストップを働かせる。
図7に示すように、燃料タンクFT内の燃料が消費されて、燃料液位が低下すると、副フロート61は、その浮力を減少して下降する。副フロート61の下降により、主弁室21S内の燃料が副接続通路32cを通じて燃料タンクFTへ排出される。主フロート41は、その浮力を減少して下降する。主フロート41の弁部42は、下部シール部46dから離れて、接続孔46cを開く。接続孔46cが通じることにより、上部弁機構45の下方の圧力は、主接続通路22aの付近と同じ圧力になる。そして、ガイド穴46fが抜止突起41eに係合した状態にて、上部弁機構45が下降することで、ゴム弁体48のシート部48bが主シール部22bから離れて、主接続通路22aが開かれ、燃料タンクFT内がキャニスタ側に開放される。
(4) 実施例の作用・効果
上記実施例の構成により、以下の作用・効果を奏する。
(4)−1 燃料タンクFTの燃料液位が第1液位FL1を越えたときに副弁機構60が副接続通路32cを閉じて主弁室21Sへの燃料の流入を防ぐから、第1液位FL1より高い第2液位FL2に達するまでは、主弁室21Sに燃料が流入することがなく、主弁機構40が主接続通路22aを閉じることがない。したがって、ケーシング20は、主弁室21Sに燃料が流入する燃料液位を高い第2液位FL2に設定することができる。よって、燃料タンクFTの上壁付近で燃料が貯まることのないタンク空間、いわゆるデッドスペースを狭くできるので、燃料タンクFTの有効容量を増大させることができる。
上記実施例の構成により、以下の作用・効果を奏する。
(4)−1 燃料タンクFTの燃料液位が第1液位FL1を越えたときに副弁機構60が副接続通路32cを閉じて主弁室21Sへの燃料の流入を防ぐから、第1液位FL1より高い第2液位FL2に達するまでは、主弁室21Sに燃料が流入することがなく、主弁機構40が主接続通路22aを閉じることがない。したがって、ケーシング20は、主弁室21Sに燃料が流入する燃料液位を高い第2液位FL2に設定することができる。よって、燃料タンクFTの上壁付近で燃料が貯まることのないタンク空間、いわゆるデッドスペースを狭くできるので、燃料タンクFTの有効容量を増大させることができる。
(4)−2 ケーシング20は、底壁32と底壁32の外周部から上下方向に延設された側壁31とで下蓋30を構成するとともに、下蓋30の副接続通路32cを副弁機構60で閉じる構成としているので、ケーシング本体21と下蓋30とを液密性を必要としない連結機構により機械的に連結しても、主弁室21Sの下部を液密の室とするために複数の部材を溶着するなどの構成を必要とせず、構成を簡単にできる。
(4)−3 ケーシング本体21の側壁23は、下蓋30の側壁31との間を係合部23bの係合段部23cで所定間隙を確保し、この所定間隙を第1連通路21Pとしているので、第1連通路21Pをケーシング本体21の全周に渡る大きな通気面積で形成することができ、よって、高い通気性を確保することができる。
(4)−4 副フロート61の側壁63にガイド突部63aを形成し、下蓋30の底壁32にガイド穴31dを形成しているので、下蓋30に副フロート61を保持するための底部が不要となり、構成を簡単にできる。
(4)−5 第1連通路21Pは、下蓋30を交換するだけで、種々の第2液位FL2に対応することができ、しかも、通気孔31bの切欠きの深さを換えることでも適宜対応することがでる。
(4)−6 ケーシング本体21の側壁23は、円筒形状であるから、金型構造が簡単であり、ケーシング本体21の下部の開口21aから燃料を導いて主フロート41の側面に当てない。よって、主フロート41は、燃料の流れにより傾く力を受けない。
なお、この発明は上記実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上記実施例では、ケーシング20の連結機構は、ケーシング本体21に係合爪23dを形成し、下蓋30に貫通穴からなる被係合部31aを形成することで構成したが、これに限らず、両部材を機械的に連結できる構成であれば、爪と穴とを逆に設けるなど、種々の構成をとることができる。
また、第1連通路は、側壁31の上端から通気孔31bを形成したが、ケーシング本体21の下端より上方であれば、側壁31に貫通孔で構成してもよい。
上記実施例では、ケーシング20の連結機構は、ケーシング本体21に係合爪23dを形成し、下蓋30に貫通穴からなる被係合部31aを形成することで構成したが、これに限らず、両部材を機械的に連結できる構成であれば、爪と穴とを逆に設けるなど、種々の構成をとることができる。
また、第1連通路は、側壁31の上端から通気孔31bを形成したが、ケーシング本体21の下端より上方であれば、側壁31に貫通孔で構成してもよい。
10…燃料遮断弁
20…ケーシング
21…ケーシング本体
21P…第1連通路
21S…主弁室
21a…開口
22…上壁
22a…主接続通路
22b…主シール部
23…側壁
23a…フランジ
23b…係合部
23c…係合段部
23d…係合爪
30…下蓋
30a…上開口
30b…下開口
30Sa…上室
30Sb…下室
30Sc…連通路
31…側壁
31P…第2連通路
31S…副弁室
31a…被係合部
31b…通気孔
31c…下側部連通孔
31d…ガイド穴
32…底壁
32a…底壁本体
32b…スプリング支持部
32c…副接続通路
32d…下シール部
35…蓋体
36…蓋本体
36a…内部溶着端
37…管体部
37a…管通路
38…フランジ
38a…外側溶着部
40…主弁機構
41…主フロート
41a…上壁
41b…側壁
41c…ガイド突条
41d…ガイド溝
41e…抜止突起
42…弁部
42S…浮力室
45…上部弁機構
46…弁支持部材
46a…支持上板
46b…弁通路突部
46c…接続孔
46d…下部シール部
46e…支持アーム
46f…ガイド穴
46g…弁保持凹所
48…ゴム弁体
48a…支持基部
48b…シート部
50…スプリング
60…副弁機構
61…副フロート
61S…浮力室
62…上壁
62a…シート面
62b…傾斜面
63…側壁
63a…ガイド突部
FT…燃料タンク
FTa…タンク上壁
FTb…取付穴
FL1…第1液位
FL2…第2液位
20…ケーシング
21…ケーシング本体
21P…第1連通路
21S…主弁室
21a…開口
22…上壁
22a…主接続通路
22b…主シール部
23…側壁
23a…フランジ
23b…係合部
23c…係合段部
23d…係合爪
30…下蓋
30a…上開口
30b…下開口
30Sa…上室
30Sb…下室
30Sc…連通路
31…側壁
31P…第2連通路
31S…副弁室
31a…被係合部
31b…通気孔
31c…下側部連通孔
31d…ガイド穴
32…底壁
32a…底壁本体
32b…スプリング支持部
32c…副接続通路
32d…下シール部
35…蓋体
36…蓋本体
36a…内部溶着端
37…管体部
37a…管通路
38…フランジ
38a…外側溶着部
40…主弁機構
41…主フロート
41a…上壁
41b…側壁
41c…ガイド突条
41d…ガイド溝
41e…抜止突起
42…弁部
42S…浮力室
45…上部弁機構
46…弁支持部材
46a…支持上板
46b…弁通路突部
46c…接続孔
46d…下部シール部
46e…支持アーム
46f…ガイド穴
46g…弁保持凹所
48…ゴム弁体
48a…支持基部
48b…シート部
50…スプリング
60…副弁機構
61…副フロート
61S…浮力室
62…上壁
62a…シート面
62b…傾斜面
63…側壁
63a…ガイド突部
FT…燃料タンク
FTa…タンク上壁
FTb…取付穴
FL1…第1液位
FL2…第2液位
Claims (3)
- 燃料タンク(FT)の上部に装着され、該燃料タンク(FT)内の燃料液位に応じて上記燃料タンク(FT)内と外部とを接続する主接続通路(22a)を連通遮断する燃料遮断弁において、
上記主接続通路(22a)に接続される主弁室(21S)と、該主弁室(21S)に副接続通路(32c)を介して接続される副弁室(31S)とを有するケーシング(20)と、
上記主弁室(21S)に収納され、該主弁室(21S)の燃料液位により上昇して上記主接続通路(22a)を閉じる主弁機構(40)と、
上記副弁室(31S)に収納され、該副弁室(31S)の燃料液位により上昇して上記副接続通路(32c)を閉じる副弁機構(60)と、
を備え、
上記ケーシング(20)は、
上記主弁室(21S)を形成するケーシング本体(21)と、該ケーシング本体(21)に装着され上記副弁室(31S)を形成する下蓋(30)と、上記ケーシング本体(21)と上記下蓋(30)とを機械的に連結する連結機構と、上記燃料タンク(FT)と上記主弁室(21S)とを連通する第1連通路(21P)と、上記燃料タンク(FT)と上記副弁室(31S)とを連通する第2連通路(31P)と、
を有し、
上記連結機構は、上記ケーシング本体(21)に形成された係合部(23b)と、上記下蓋(30)に形成され上記係合部(23b)に係合する被係合部(31a)とを有し、
上記第2連通路(31P)は、燃料タンク(FT)内の燃料液位が第1液位(FL1)に達したときに上記副弁室(31S)に燃料を導いて上記副弁機構(60)の上昇で上記副接続通路(32c)を閉じるように形成され、
上記第1連通路(21P)は、上記ケーシング本体(21)の下端より上方でありかつ上記第1液位(FL1)より高い位置に上記第2液位(FL2)を設定するとともに、燃料タンク(FT)内の燃料液位が第2液位(FL2)に達したときに上記主弁室(21S)に燃料を導いて上記主弁機構(40)の上昇で上記主接続通路(22a)を閉じるように形成されたこと、
を特徴とする燃料遮断弁。 - 請求項1に記載の燃料遮断弁において、
上記ケーシング本体(21)は、上記主接続通路(22a)を貫通形成した上壁(22)と、該上壁(22)の外周部に形成された円筒状の側壁(23)とを備え、
上記下蓋(30)は、上記ケーシング本体(21)の側壁(23)を覆う側壁(31)と、上記ケーシング本体(21)の下部の開口(21a)を覆いかつ上記副接続通路(32c)を形成する底壁(32)とを備え、
上記第1連通路(21P)は、上記ケーシング本体(21)の側壁(23)と上記下蓋(30)の底壁(32)との間隙および上記ケーシング本体(21)の開口(21a)で形成されている燃料遮断弁。 - 請求項2に記載の燃料遮断弁において、
上記ケーシング本体(21)の側壁(23)は、該側壁(23)の上端から上記被係合部(31a)の高さまで切欠きされた通気孔(31b)を備え、該通気孔(31b)は、上記第1連通路(21P)の一部を構成している燃料遮断弁。
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JP2007086309A JP2008240711A (ja) | 2007-03-29 | 2007-03-29 | 燃料遮断弁 |
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JP2007086309A JP2008240711A (ja) | 2007-03-29 | 2007-03-29 | 燃料遮断弁 |
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Country Status (1)
Country | Link |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2007
- 2007-03-29 JP JP2007086309A patent/JP2008240711A/ja active Pending
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