JP2008240570A - 作業機械の冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】作業機械の冷却装置に関し、簡素な構成で冷却風の流れを均一にして冷却効率を向上させる。
【解決手段】作業機械に搭載された熱交換器3と、熱交換器3よりも冷却風の上流側に配置され該冷却風を熱交換器3の冷却コアへ供給して該冷却コアの内部の熱媒体を冷却する遠心ファン4,5とを設ける。円筒形状の外形をなすように複数の翼を配置され該円筒形状の軸を中心に回転可能に設けられた羽根車4a,5aを有する遠心ファン4,5を複数個用意する。それらの複数の遠心ファン4,5の各々を、該軸を該冷却コアに対して平行に配置しかつ該冷却コアに対する距離が同一となるように配置し、該冷却コアの全体を覆蓋させる。
【選択図】図3
【解決手段】作業機械に搭載された熱交換器3と、熱交換器3よりも冷却風の上流側に配置され該冷却風を熱交換器3の冷却コアへ供給して該冷却コアの内部の熱媒体を冷却する遠心ファン4,5とを設ける。円筒形状の外形をなすように複数の翼を配置され該円筒形状の軸を中心に回転可能に設けられた羽根車4a,5aを有する遠心ファン4,5を複数個用意する。それらの複数の遠心ファン4,5の各々を、該軸を該冷却コアに対して平行に配置しかつ該冷却コアに対する距離が同一となるように配置し、該冷却コアの全体を覆蓋させる。
【選択図】図3
Description
本発明は、作業機械における熱媒体を冷却風で空冷する冷却装置に関する。
油圧ショベルをはじめとする作業機械には、油圧作業装置を駆動するための作動油やエンジンの冷却水といった熱媒体を冷却するための冷却装置が備えられている。一般的な油圧ショベルでは、オイルクーラやラジエータなどの熱交換器を一つのクーリングパッケージに集約して機体内部に配置し、冷却ファンを用いて機体内部へ冷却風を送り込み、クーリングパッケージを空冷している。
通常、上記のような冷却ファンとしては、大きな風量が得られやすい軸流ファンや斜流ファンが用いられている。例えば、特許文献1には、エンジンルームの内部に軸流式の冷却ファンを備えた構成が開示されている。この例では、冷却ファンの吸い込み側にクーリングパッケージを配置し、機体外部からエンジンルームへ吸引された外気を冷却風としてクーリングパッケージ内へ通過させている。なお、冷却ファンはエンジンの動力で駆動されており、エンジンクランク軸に対して機械的に接続されている。
特開2005−133661号公報
ところで、一般的な軸流ファンによって吸い込まれる外気の流れは、軸流ファンの翼の回転面に対して均一ではないことが知られている。例えば、図5は軸流ファンの吸い込み側における冷却風の風速の分布を示すコンター図である。この図5中では、風速が遅い位置ほど濃度が高く(すなわち黒く)、風速が速い位置ほど濃度が低く(すなわち白く)表現されている。なお、図5中の破線は、軸流ファンの翼の外周端及び内周端の位置を示す参照線である。
この図5に示すように、冷却ファンの翼が回転する範囲の近傍では十分な風速が得られているが、翼の半径方向へ離れるに連れて風速が急激に低下している。このため、例えば矩形形状のクーリングパッケージに対して軸流ファンを用いた場合、矩形の端辺近傍や四隅近傍では冷却風の風速が極端に遅く、十分な冷却効率が得られないおそれがある。つまり、クーリングパッケージ上の位置に応じて熱交換作用にムラが生じてしまうという課題がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、簡素な構成で冷却風の流れを均一にして冷却効率を向上させることができるようにした、作業機械の冷却装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明の作業機械の冷却装置は、作業機械に搭載された熱交換器と、該熱交換器よりも冷却風の上流側に配置され、該冷却風を該熱交換器の冷却コアへ供給して該冷却コアの内部の熱媒体を冷却する遠心ファンとを備え、該遠心ファンが、円筒形状の外形をなすように複数の翼を配置され該円筒形状の軸を中心に回転可能に設けられた羽根車を有して、複数個備えられるとともに、該複数の遠心ファンの各々が、該軸を該冷却コアに対して平行に配置されかつ該冷却コアに対する距離が同一となるように配置されて、該冷却コアの全体を覆蓋していることを特徴としている。
また、請求項2記載の本発明の作業機械の冷却装置は、請求項1記載の構成に加えて、該熱交換器が、該冷却風の流通方向に対して垂直方向に並んで配置された第1熱交換器及び第2熱交換器を有するとともに、該複数の遠心ファンが、該第1熱交換器の冷却コアに冷却風を流通させる第1遠心ファンと、該第2熱交換器の冷却コアに冷却風を流通させる第2遠心ファンとを有することを特徴としている。
また、請求項3記載の本発明の作業機械の冷却装置は、請求項2記載の構成に加えて、該第1熱交換器の冷却コアの内部の熱媒体の第1温度を検出する第1温度検出手段と、該第2熱交換器の冷却コアの内部の熱媒体の第2温度を検出する第2温度検出手段と、該第1温度検出手段で検出された該第1温度に基づいて該第1遠心ファンの回転速度を制御するとともに、該第2温度検出手段で検出された該第2温度に基づいて該第2遠心ファンの回転速度を制御する第1回転速度制御手段とをさらに備えたことを特徴としている。
なお、複数の熱交換器が正面視において横方向に並んだ配置であれば複数の遠心ファンも正面視において横方向に並んだ配置とし、あるいは、複数の熱交換器が正面視において縦方向に並んだ配置であれば複数の遠心ファンも正面視において縦方向に並んだ配置とすることが好ましい。つまり、複数の熱交換器の並置方向と複数の遠心ファンの並置方向とを揃えて配置することが好ましい。
また、請求項4記載の本発明の作業機械の冷却装置は、請求項2又は3記載の構成に加えて、該第1熱交換器の冷却コアへ流れる冷却風の第3温度を検出する第3温度検出手段と、該第2熱交換器の冷却コアへ流れる冷却風の第4温度を検出する第4温度検出手段と、該第3温度検出手段で検出された該第3温度に基づいて該第1遠心ファンの回転速度を制御するとともに、該第4温度検出手段で検出された該第4温度に基づいて該第2遠心ファンの回転速度を制御する第2回転速度制御手段とをさらに備えたことを特徴としている。
本発明の作業機械の冷却装置(請求項1)によれば、冷却コアに平行な面内に複数の遠心ファンを配置して冷却コア全体を覆蓋することで、熱交換器へ送風される冷却風の流れを冷却コアの全面にわたって均質とすることができる。また、遠心ファンを用いることにより羽根車の軸方向から冷却風を吸気することができる。これにより、例えば遠心ファンの近傍に冷却風の取り込み口がとれない場合であっても、ダクトを用いて容易に冷却風を遠心ファンへ導入することができる。
また、本発明の作業機械の冷却装置(請求項2)によれば、複数の熱交換器のそれぞれに対応する遠心ファンを設けることで、各熱交換器が必要とする分量の冷却風を個別に供給することができる。
また、本発明の作業機械の冷却装置(請求項3)によれば、複数の熱交換器における各熱媒体の温度に応じて第1遠心ファン及び第2遠心ファンの回転速度を制御することにより、各熱媒体を正確に冷却することができる。また、必要最小限の駆動力で各熱交換器を冷却することができ、燃費を向上させることができるとともに、ファンの回転に伴って発生する騒音をより低減させることができる。
また、本発明の作業機械の冷却装置(請求項3)によれば、複数の熱交換器における各熱媒体の温度に応じて第1遠心ファン及び第2遠心ファンの回転速度を制御することにより、各熱媒体を正確に冷却することができる。また、必要最小限の駆動力で各熱交換器を冷却することができ、燃費を向上させることができるとともに、ファンの回転に伴って発生する騒音をより低減させることができる。
また、本発明の作業機械の冷却装置(請求項4)によれば、冷却風温度に応じたファンの回転制御が可能となり、各熱交換器における熱媒体の温度を正確に制御することができる。
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図3は本発明の一実施形態に係る作業機械の冷却装置を説明するためのものであり、図1は本冷却装置が適用された油圧ショベルの全体構成を示す斜視図、図2は本冷却装置の全体構成を示す分解斜視図、図3は本冷却装置の模式的な横断面及び制御構成を示すブロック図である。なお、図4は変形例としての本冷却装置のダクトを示す図であり、(a)は第1の変形例に係る冷却装置のダクトの内部を透視して示す斜視図、(b)はその縦断面図〔図4(a)のA−A断面図〕、図4(c)は第2の変形例に係る本冷却装置のダクトの縦断面図である。
図1〜図3は本発明の一実施形態に係る作業機械の冷却装置を説明するためのものであり、図1は本冷却装置が適用された油圧ショベルの全体構成を示す斜視図、図2は本冷却装置の全体構成を示す分解斜視図、図3は本冷却装置の模式的な横断面及び制御構成を示すブロック図である。なお、図4は変形例としての本冷却装置のダクトを示す図であり、(a)は第1の変形例に係る冷却装置のダクトの内部を透視して示す斜視図、(b)はその縦断面図〔図4(a)のA−A断面図〕、図4(c)は第2の変形例に係る本冷却装置のダクトの縦断面図である。
[構成]
[1.全体]
本実施形態に係る作業機械の冷却装置10は、図1に示す油圧ショベル20に適用されている。この油圧ショベル20は、クローラ式の走行装置を装備した下部走行体11と、下部走行体11の上に旋回自在に搭載された上部旋回体12とを備えて構成される。上部旋回体12における前方側には、ブームやアーム等の作業装置13及びオペレータが搭乗するキャブ16が設けられており、上部旋回体12における後端部にはカウンタウェイト15が設けられている。また、カウンタウェイト15の直前方には、エンジンルーム14が設けられている。
[1.全体]
本実施形態に係る作業機械の冷却装置10は、図1に示す油圧ショベル20に適用されている。この油圧ショベル20は、クローラ式の走行装置を装備した下部走行体11と、下部走行体11の上に旋回自在に搭載された上部旋回体12とを備えて構成される。上部旋回体12における前方側には、ブームやアーム等の作業装置13及びオペレータが搭乗するキャブ16が設けられており、上部旋回体12における後端部にはカウンタウェイト15が設けられている。また、カウンタウェイト15の直前方には、エンジンルーム14が設けられている。
エンジンルーム14の内部には、油圧ショベル20の駆動源であるエンジン18や、エンジン18によって駆動される油圧ポンプ19,本発明に係る冷却装置10等が配置されている。この冷却装置10は、機体外部の外気を冷却風としてエンジンルーム14内へ導入し、エンジン18や油圧ポンプ19等を冷却するための熱媒体を冷却するものである。なお、エンジンルーム14を覆う機体カバーには、外気を取り込むためのスリット状の開口17を備えた扉が設けられている。本冷却装置10は開口17の内側においてエンジンルーム14の床面に固定されており、開口17を開放することで機体外部から冷却装置10へアクセスできるようになっている。
[2.冷却装置]
本冷却装置10は、図2に分解して示すように、クーリングパッケージ3及びファン装置6を備えて構成される。クーリングパッケージ3は、オイルクーラ(第1熱交換器)1及びラジエータ(第2熱交換器)2を左右方向に並設されてなる熱交換器である。
オイルクーラ1の内部には作業装置13や下部走行体11の走行装置といった油圧機器を駆動するための作動油が熱媒体として流通している。また、ラジエータ2の内部には熱媒体としてのエンジン冷却水が流通している。オイルクーラ1及びラジエータ2の冷却コア(中央部)には多数の放熱フィンが形成されており、冷却風を冷却コアに通風させてこれらの熱媒体を冷却するようになっている。なお、これらの熱媒体は、図示しない流入口から各オイルクーラ1,ラジエータ2へ導入され、図示しない流出口を介して各オイルクーラ1,ラジエータ2から排出されている。
本冷却装置10は、図2に分解して示すように、クーリングパッケージ3及びファン装置6を備えて構成される。クーリングパッケージ3は、オイルクーラ(第1熱交換器)1及びラジエータ(第2熱交換器)2を左右方向に並設されてなる熱交換器である。
オイルクーラ1の内部には作業装置13や下部走行体11の走行装置といった油圧機器を駆動するための作動油が熱媒体として流通している。また、ラジエータ2の内部には熱媒体としてのエンジン冷却水が流通している。オイルクーラ1及びラジエータ2の冷却コア(中央部)には多数の放熱フィンが形成されており、冷却風を冷却コアに通風させてこれらの熱媒体を冷却するようになっている。なお、これらの熱媒体は、図示しない流入口から各オイルクーラ1,ラジエータ2へ導入され、図示しない流出口を介して各オイルクーラ1,ラジエータ2から排出されている。
オイルクーラ1における流出口の近傍には、油温センサ(第1温度検出手段)7aが設けられている。この油温センサ7aは、オイルクーラ1の冷却コアを通過して冷却された作動油の温度(第1温度、以下単に油温ともいう)を検出するセンサである。また、ラジエータ2における流出口の近傍には、水温センサ(第2温度検出手段)7bが設けられている。この水温センサ7bは、ラジエータ2の冷却コアを通過して冷却されたエンジンの冷却水の温度(第2温度、以下単に水温ともいう)を検出するセンサである。これらの各センサ7a,7bで検出された油温及び水温は、後述するECU8へと入力されるようになっている。
なお、クーリングパッケージ3は、エンジンルーム14の床面に対して鉛直に立設するように固定されている。つまり、オイルクーラ1の冷却コア面及びラジエータ2の冷却コア面は鉛直となっている。また、図3に示すように、オイルクーラ1の冷却コアの厚みd1とラジエータ2の冷却コアの厚みd2とが同一寸法となるように設定されている。これにより、オイルクーラ1の冷却コア面は、その両面とも、ラジエータ2の冷却コア面と同一平面上に位置している。
ファン装置6は、クーリングパッケージ3に隣接配置された送風装置であり、クーリングパッケージ3に対して固設される枠6aと、この枠6aの内側に回転可能に軸支される複数の遠心ファン4,5と、これらの遠心ファン4,5の駆動源であるモータ装置9とを備えて構成される。ファン装置6は、クーリングパッケージ3よりも冷却風の上流側に配置されている。つまり、このファン装置6から吹き出される冷却風がクーリングパッケージ3の冷却に用いられている。
図2及び図3に示すように、本実施形態では六本の遠心ファン4,5が横に並んで各々が鉛直な状態で配置され、オイルクーラ1及びラジエータ2の冷却コア全体を覆蓋している。枠6aは、これらの遠心ファン4,5の外周を覆う部材であり、クーリングパッケージ3側の面以外の遠心ファン4,5の周囲全体を被覆している。
また、枠6aの上面には、各遠心ファン4,5へ吸い込まれる冷却風の流路となるダクト6bが形成されている。このダクト6は、各遠心ファン4,5の並設方向(横方向)の一端部が開口端6cとなっている。また、ダクト6bの内部には、各遠心ファン4,5へ冷却風を導入するための流通孔6dが形成されている。なお、ここでは図示を省略しているが、ダクト6bの開口端6cは油圧ショベル20の開口17に接続されており、機体外部からの外気を取り込むことができるようになっている。
また、枠6aの上面には、各遠心ファン4,5へ吸い込まれる冷却風の流路となるダクト6bが形成されている。このダクト6は、各遠心ファン4,5の並設方向(横方向)の一端部が開口端6cとなっている。また、ダクト6bの内部には、各遠心ファン4,5へ冷却風を導入するための流通孔6dが形成されている。なお、ここでは図示を省略しているが、ダクト6bの開口端6cは油圧ショベル20の開口17に接続されており、機体外部からの外気を取り込むことができるようになっている。
図3中における上から三本の遠心ファン(第1遠心ファン)4は、主にオイルクーラ1の冷却コアへ冷却風を供給するためのものであり、下から三本の遠心ファン(第2遠心ファン)5は、主にラジエータ2の冷却コアへ冷却風を供給するためのものである。なお、これらの遠心ファン4,5のそれぞれの構造は同一であるため、ここでは、第1遠心ファン4のみの構造を詳述する。
図3に示すように、本実施形態の第1遠心ファン4は、円筒形状の外形をなすように複数の翼を配置された羽根車4aを有するシロッコファンである。羽根車4aは、円筒形状の軸を中心として枠6aに対して回転可能に設けられている。羽根車4aに固設された翼の形状は、羽根車4aの回転方向に対して前向きに湾曲している。羽根車4aの内側は中空となっている。なお、以下、第2遠心ファン5の羽根車については、符号5aを付して説明する。
流通孔6dは、各遠心ファン4,5の中空の部分とダクト6bとを連通している。これにより、ダクト6bを介して各遠心ダクト4,5へ冷却風を導入できるようになっている。また、各遠心ダクト4,5は、羽根車4aを回転させることによって羽根車4aの内側の空気に遠心力を与えて、回転軸から遠心方向への風の流れを形成することができるようになっている。さらに、各遠心ファン4,5の外周を枠6aが覆っているため、図2に白矢印で示すように、冷却風はクーリングパッケージ3の方向へ供給されることになる。なお、各遠心ファン4,5から吹き出す冷却風の強さは、羽根車4a,5aの上端から下端にかけて略均一である。
各遠心ファン4,5とクーリングパッケージ3との相対的な配置関係に着目すると、各遠心ファン4,5は、羽根車4a,5aの回転軸をオイルクーラ1及びラジエータ2の冷却コア面に対して平行に配置されている。また、各遠心ファン4,5の回転軸が、オイルクーラ1及びラジエータ2の冷却コア面に対して同一距離となるように配置されている。つまり、全ての遠心ファン4,5の回転軸は、オイルクーラ1及びラジエータ2の冷却コア面に対して平行な面内に位置している。
モータ装置9は、各遠心ファン4,5を駆動するための動力装置である。本実施形態では、それぞれの遠心ファン4,5の下端部に個別にファンモータが設けられており、各遠心ファン4,5の回転速度を個別に制御できるようになっている。以下、第1遠心ファン4の駆動に係るものを第1ファンモータ9aと呼び、第2遠心ファン5の駆動に係るものを第2ファンモータ9bと呼ぶ。
[3.ECU]
本冷却装置10には、第1ファンモータ9a及び第2ファンモータ9bの回転速度を制御するためのECU(電子制御ユニット)8が併設されている。図3に示すように、ECU8は、第1回転速度制御部8aと第2回転速度制御部8bとを備えて構成される。第1回転速度制御部8aは、油温センサ7aで検出された油温に基づいて第1ファンモータ9aの回転速度を制御するものである。例えば、油温を予め設定された所定の油温範囲に維持するように第1ファンモータ9aの回転速度を増減制御する。また同様に、第2回転速度制御部8bは、水温センサ7bで検出された水温に基づいて第2ファンモータ9bの回転速度を制御するものである。例えば、水温を予め設定された所定の水温範囲に維持するように第2ファンモータ9bの回転速度を増減制御する。
本冷却装置10には、第1ファンモータ9a及び第2ファンモータ9bの回転速度を制御するためのECU(電子制御ユニット)8が併設されている。図3に示すように、ECU8は、第1回転速度制御部8aと第2回転速度制御部8bとを備えて構成される。第1回転速度制御部8aは、油温センサ7aで検出された油温に基づいて第1ファンモータ9aの回転速度を制御するものである。例えば、油温を予め設定された所定の油温範囲に維持するように第1ファンモータ9aの回転速度を増減制御する。また同様に、第2回転速度制御部8bは、水温センサ7bで検出された水温に基づいて第2ファンモータ9bの回転速度を制御するものである。例えば、水温を予め設定された所定の水温範囲に維持するように第2ファンモータ9bの回転速度を増減制御する。
[作用,効果]
[1.配置による作用,効果]
以上のような構成により、本作業機械の冷却装置10は以下のような作用・効果を奏する。
まず、クーリングユニット3への冷却風の導入に係るファンとして、各遠心ファン4,5を用いることにより、各遠心ファン4,5の回転軸方向に関して冷却風の流れ(風量,風速及び風圧等)を均一にすることができる。これにより、例えばクーリングユニット3の上端部と下端部とで熱交換作用にムラが生じるようなことがない。
[1.配置による作用,効果]
以上のような構成により、本作業機械の冷却装置10は以下のような作用・効果を奏する。
まず、クーリングユニット3への冷却風の導入に係るファンとして、各遠心ファン4,5を用いることにより、各遠心ファン4,5の回転軸方向に関して冷却風の流れ(風量,風速及び風圧等)を均一にすることができる。これにより、例えばクーリングユニット3の上端部と下端部とで熱交換作用にムラが生じるようなことがない。
また、これらの各遠心ファン4,5をクーリングユニット3の冷却コア面に対して平行に並列配置することで、クーリングユニット3の横方向に関しても冷却風の流れを略均一とすることができる。つまり、オイルクーラ1及びラジエータ2の冷却コアの全面にわたって均質に冷却風を流通させることができる。
また、軸流ファンを用いた従来の冷却装置と比較すると、クーリングユニット3の端辺近傍や四隅にも十分に冷却風を通すことができ、冷却効率を向上させることができる。これにより、オイルクーラ1及びラジエータ2のサイズを小さくすることができ、あるいは冷却風の流通方向の厚みを薄くすることができる。また、冷却効率の向上により、低回転での各遠心ファン4,5の運用が可能であり、ファンの回転に伴って発生する騒音を低減させることができる。
また、軸流ファンを用いた従来の冷却装置と比較すると、クーリングユニット3の端辺近傍や四隅にも十分に冷却風を通すことができ、冷却効率を向上させることができる。これにより、オイルクーラ1及びラジエータ2のサイズを小さくすることができ、あるいは冷却風の流通方向の厚みを薄くすることができる。また、冷却効率の向上により、低回転での各遠心ファン4,5の運用が可能であり、ファンの回転に伴って発生する騒音を低減させることができる。
また、軸流ファン用のファンシュラウドが不要であり、エンジン18のシャフトに直結する必要もない。このため、レイアウトの自由度が高まり、冷却装置10を任意の位置へ取り付けることができる。なお、各遠心ファン4,5によって生じる風は、静圧の高い層流となる特性があるため、軸流ファンを用いる場合と比較してファン装置6全体を容易に小型化することができる。また、例えばクーリングユニット3に埃などが堆積して圧力損失が増加したような場合であっても、冷却風を流通させやすいという利点もある。
また、各遠心ファン4,5がクーリングパッケージ3よりも冷却風の上流側に配置されているため、ファン装置6へ導入される冷却風の流路設定が容易である。例えば、レイアウト上の制約等によりクーリングパッケージ3をエンジンルーム14の外側に配置できないような場合であっても、吸気用のダクトを配設することにより油圧ショベル10の機外から導入される冷却風の流路を自由に設定することができる。また、例えば各遠心ファン4,5の近傍に冷却風の取り込み口がとれない場合であっても、ダクト6bを用いて容易に冷却風を各遠心ファン4,5へと導入することができる。
[2.制御による作用,効果]
オイルクーラ1の冷却に係る第1遠心ファン4と、ラジエータ2の冷却に係る第2遠心ファン5とを備えたことにより、各オイルクーラ1及びラジエータ2が必要とする分量の冷却風を個別に供給することができる。特に、本実施形態では、油温及び水温を検出する各センサ7a,7bを備えたことにより、油温及び水温をそれぞれ容易に把握することができる。
オイルクーラ1の冷却に係る第1遠心ファン4と、ラジエータ2の冷却に係る第2遠心ファン5とを備えたことにより、各オイルクーラ1及びラジエータ2が必要とする分量の冷却風を個別に供給することができる。特に、本実施形態では、油温及び水温を検出する各センサ7a,7bを備えたことにより、油温及び水温をそれぞれ容易に把握することができる。
また、これらの油温及び水温に基づき、ECU8を用いて各遠心ファン4,5の回転速度を制御することにより、各熱媒体を正確に冷却することができる。また、必要最小限の駆動力で各オイルクーラ1及びラジエータ2を冷却することができ、燃費を向上させることができ、ファンの回転に伴って発生する騒音をより低減させることができる。
[その他]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述の実施形態では、各遠心ファン4,5が鉛直に配置されているが、これらを水平に配置することも考えられる。すなわち、各遠心ファン4,5をクーリングパッケージ3に対して平行かつエンジンルーム14の床面に対して水平に、縦方向に並べて配置する。このような構成においても、クーリングユニット3の全面にわたって均質に冷却風を流通させることができ、冷却効率を向上させることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述の実施形態では、各遠心ファン4,5が鉛直に配置されているが、これらを水平に配置することも考えられる。すなわち、各遠心ファン4,5をクーリングパッケージ3に対して平行かつエンジンルーム14の床面に対して水平に、縦方向に並べて配置する。このような構成においても、クーリングユニット3の全面にわたって均質に冷却風を流通させることができ、冷却効率を向上させることができる。
また特に、クーリングパッケージ3のオイルクーラ1及びラジエータ2が上下方向に並設されている場合には、各オイルクーラ1及びラジエータ2が必要とする分量の冷却風を個別に供給することができる。
また、上述の実施形態では、各遠心ファン4,5へ吸い込まれる冷却風の流路となる単一のダクト6bが形成されているが、このような冷却風の流路を各熱交換器毎に用意してもよい。例えば、図4(a),(b)に示すように、第1遠心ファン4へ吸い込まれる冷却風の流路6eと第2遠心ファン5へ吸い込まれる冷却風の流路6fとを形成する。このような構成により、オイルクーラ1を冷却するための冷却風とラジエータ2を冷却するための冷却風とを別々に導入することができる。特に、第1遠心ファン4及び第2遠心ファン5が異なる回転速度に制御される場合には、互いに独立した流路を形成することで各流路6e,6fにおける冷却風の流量や静圧を安定化させることができる。なお、図4(c)に示すように、ダクト6bの両端部を開口端6g,6hとして形成してもよい。
また、上述の実施形態では、各遠心ファン4,5へ吸い込まれる冷却風の流路となる単一のダクト6bが形成されているが、このような冷却風の流路を各熱交換器毎に用意してもよい。例えば、図4(a),(b)に示すように、第1遠心ファン4へ吸い込まれる冷却風の流路6eと第2遠心ファン5へ吸い込まれる冷却風の流路6fとを形成する。このような構成により、オイルクーラ1を冷却するための冷却風とラジエータ2を冷却するための冷却風とを別々に導入することができる。特に、第1遠心ファン4及び第2遠心ファン5が異なる回転速度に制御される場合には、互いに独立した流路を形成することで各流路6e,6fにおける冷却風の流量や静圧を安定化させることができる。なお、図4(c)に示すように、ダクト6bの両端部を開口端6g,6hとして形成してもよい。
また、上述の実施形態における第1回転速度制御部8a及び第2回転速度制御部8bの具体的な制御内容に関しては、公知のさまざまな制御手法を適用する、あるいは置き換えることが可能である。例えば、オイルクーラ1の内部において作動油の流入口の近傍及び流出口の近傍の二カ所に油温センサを設け、各油温センサで検出された油温の差に基づいて第1ファンモータ9aの回転速度を制御する。つまり、オイルクーラ1で実質的に冷却された温度の幅(すなわち、オイルクーラ1の冷却能力に対応するもの)を把握することができ、より正確な回転速度制御が期待できる。
あるいは、熱媒体の温度ではなく、冷却風の温度に応じた回転速度制御とする(あるいは併用する)ことも考えられる。例えば、オイルクーラ1の冷却コアに流れる冷却風の温度(第3温度)を検出する第1気温センサ(第3温度検出手段)と、ラジエータ2の冷却コアに流れる冷却風の温度(第4温度)を検出する第2気温センサ(第4温度検出手段)とをクーリングパッケージ3に設ける。さらに、ECU8において、これらのセンサで検出された各冷却風の温度に応じて第1ファンモータ9a及び第2ファンモータ9bの回転速度を制御する構成とする。これにより、外気温が高温である場合には、各遠心ファン4,5の回転数を上昇させて、熱交換作用を高めることができる。
また、上述の実施形態では、遠心ファンとしてシロッコファンが用いられているが、これの代わりにターボファンを用いた構成としてもよい。
なお、本発明に係る冷却装置は、油圧ショベルだけでなくクレーン等の履帯式建設機械やホイールローダ等、様々な建設機械の冷却装置として適用することが可能である。
また、上述の実施形態では、各遠心ファン4,5の回転速度がECU8によって制御されているが、クーリングパッケージ3における熱交換作用が十分であれば、一定の速度で回転させてもよい。つまり、油温センサ7a,水温センサ7b及びECU8は必須の構成要素ではない。
なお、本発明に係る冷却装置は、油圧ショベルだけでなくクレーン等の履帯式建設機械やホイールローダ等、様々な建設機械の冷却装置として適用することが可能である。
また、上述の実施形態では、各遠心ファン4,5の回転速度がECU8によって制御されているが、クーリングパッケージ3における熱交換作用が十分であれば、一定の速度で回転させてもよい。つまり、油温センサ7a,水温センサ7b及びECU8は必須の構成要素ではない。
1 オイルクーラ(第1熱交換器)
2 ラジエータ(第2熱交換器)
3 クーリングパッケージ(熱交換器)
4 第1遠心ファン
5 第2遠心ファン
4a,5a 羽根車
6 ファン装置
7a 油温センサ(第1温度検出手段)
7b 水温センサ(第2温度検出手段)
8 ECU(電子制御ユニット)
8a 第1回転速度制御部(第1回転速度制御手段)
8b 第2回転速度制御部(第2回転速度制御手段)
9 ファンモータ
9a 第1ファンモータ
9b 第2ファンモータ
10 冷却装置
2 ラジエータ(第2熱交換器)
3 クーリングパッケージ(熱交換器)
4 第1遠心ファン
5 第2遠心ファン
4a,5a 羽根車
6 ファン装置
7a 油温センサ(第1温度検出手段)
7b 水温センサ(第2温度検出手段)
8 ECU(電子制御ユニット)
8a 第1回転速度制御部(第1回転速度制御手段)
8b 第2回転速度制御部(第2回転速度制御手段)
9 ファンモータ
9a 第1ファンモータ
9b 第2ファンモータ
10 冷却装置
Claims (4)
- 作業機械に搭載された熱交換器と、
該熱交換器よりも冷却風の上流側に配置され、該冷却風を該熱交換器の冷却コアへ供給して該冷却コアの内部の熱媒体を冷却する遠心ファンとを備え、
該遠心ファンが、円筒形状の外形をなすように複数の翼を配置され該円筒形状の軸を中心に回転可能に設けられた羽根車を有して、複数個備えられるとともに、
該複数の遠心ファンの各々が、該軸を該冷却コアに対して平行に配置されかつ該冷却コアに対する距離が同一となるように配置されて、該冷却コアの全体を覆蓋している
ことを特徴とする、作業機械の冷却装置。 - 該熱交換器が、該冷却風の流通方向に対して垂直方向に並んで配置された第1熱交換器及び第2熱交換器を有するとともに、
該複数の遠心ファンが、該第1熱交換器の冷却コアに冷却風を流通させる第1遠心ファンと、該第2熱交換器の冷却コアに冷却風を流通させる第2遠心ファンとを有する
ことを特徴とする、請求項1記載の作業機械の冷却装置。 - 該第1熱交換器の冷却コアの内部の熱媒体の第1温度を検出する第1温度検出手段と、
該第2熱交換器の冷却コアの内部の熱媒体の第2温度を検出する第2温度検出手段と、
該第1温度検出手段で検出された該第1温度に基づいて該第1遠心ファンの回転速度を制御するとともに、該第2温度検出手段で検出された該第2温度に基づいて該第2遠心ファンの回転速度を制御する第1回転速度制御手段とをさらに備えた
ことを特徴とする、請求項2記載の作業機械の冷却装置。 - 該第1熱交換器の冷却コアへ流れる冷却風の第3温度を検出する第3温度検出手段と、
該第2熱交換器の冷却コアへ流れる冷却風の第4温度を検出する第4温度検出手段と、
該第3温度検出手段で検出された該第3温度に基づいて該第1遠心ファンの回転速度を制御するとともに、該第4温度検出手段で検出された該第4温度に基づいて該第2遠心ファンの回転速度を制御する第2回転速度制御手段とをさらに備えた
ことを特徴とする、請求項2又は3記載の作業機械の冷却装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007079722A JP2008240570A (ja) | 2007-03-26 | 2007-03-26 | 作業機械の冷却装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007079722A JP2008240570A (ja) | 2007-03-26 | 2007-03-26 | 作業機械の冷却装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008240570A true JP2008240570A (ja) | 2008-10-09 |
Family
ID=39912219
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007079722A Withdrawn JP2008240570A (ja) | 2007-03-26 | 2007-03-26 | 作業機械の冷却装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008240570A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110821636A (zh) * | 2018-08-13 | 2020-02-21 | 卡特彼勒路面机械公司 | 用于机器的冷却封装 |
-
2007
- 2007-03-26 JP JP2007079722A patent/JP2008240570A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110821636A (zh) * | 2018-08-13 | 2020-02-21 | 卡特彼勒路面机械公司 | 用于机器的冷却封装 |
CN110821636B (zh) * | 2018-08-13 | 2022-05-27 | 卡特彼勒路面机械公司 | 用于机器的冷却封装 |
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