JP2008240562A - 車両用パワーユニットの冷却構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却風を円滑に流すことでラジエータでの冷却効率を高めた車両用パワーユニットの冷却構造を提供する。
【解決手段】上記課題を解決するために本発明に係る車両用パワーユニット6の冷却構造は、クランクシャフト26から回転駆動力を出力するエンジン19と、クランクシャフトの端部に設置された冷却ファン66と、冷却ファンを囲むように設けられた冷却ファン室64と、ラジエータ63の後方に設置されて冷却風を冷却ファン室に導くラジエータベース80とを備えた車両用パワーユニットにおいて、ラジエータベースの中空部の後端部で開口した導風口83が、側面視において冷却ファンの回転中心66cに対して車両の下方側後方に偏心して開口するとともに、冷却ファン室の下方で開口した排風開口部96が、車両の下方側後方に傾斜した複数のリブ85、95を有して構成される。
【選択図】図4

Description

本発明は、自動三輪車等の小型車両に搭載される車両用パワーユニットの冷却構造に関する。
従来の自動三輪車等の小型車両(以下、単に車両と呼ぶ)においては、エンジンを冷却した冷却水を冷却ファンによって発生させた冷却風により放熱させるラジエータが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−249170号公報
ところが、従来は、上記の冷却風を冷却ファン室に導く導風口と、冷却ファン室に設けられた冷却ファンの下方に冷却風を導くためのダクトが直交するように配置されているため、冷却風の円滑な流れが阻害されて、ラジエータでの冷却効率が低下するという課題があった。
以上のような課題に鑑みて、本発明では、冷却風を円滑に流すことでラジエータの冷却効率を高めた車両用パワーユニットの冷却構造を提供する。
前記課題を解決するために本発明に係る車両用パワーユニットの冷却構造は、車両に搭載され、動力をクランクシャフトを介して回転駆動力として出力するエンジンと、前記クランクシャフトにより駆動され、前記エンジン側方に配置された冷却ファンと、前記冷却ファンを囲むように設けられる前記冷却ファンの前方で開口する導風口を有する冷却ファン室と、前記冷却ファンの下方側外周に設けられ、前記冷却ファン室から冷却風を排出する排風開口部とを備えた車両用パワーユニットにおいて、前記導風口が、側面視において前記冷却ファンの回転中心に対して前記車両の下方側に偏心して開口している。
また、上記車両用パワーユニットの冷却構造において、前記車両が、放熱面を前方に向けて前記車両側部に配置されたラジエータの後方に設置されて、前端部が前記ラジエータの後方を覆って開口するとともに前記前端部から後方に延びた中空部の後端部で開口し、前記ラジエータを通過した前記冷却風を前記後端部から前記冷却ファン室に導く通風部材を備えており、さらに、前記導風口が、側面視において前記冷却ファンの前記回転中心に対して前記車両の後方側に偏心して開口していることが好ましい。
さらに、上記車両用パワーユニットの冷却構造において、前記排風開口部が、側面視において前記冷却風を前記車両の下方側に整流排出させる整流板を有していることが好ましい。
本発明に係る車両用パワーユニットの冷却構造によれば、冷却ファンの前方で開口した導風口が、側面視において冷却ファンの回転中心に対して車両の下方側に偏心して開口させて、導風口の下方側の開口面積を増やすことによって、冷却風を冷却ファンの下方に設けられた排風開口部に導くことができることにより、車両下方の走行風によって冷却風を車両外部に排出させやすくなるため、単位時間当たりに、より多くの冷却風がラジエータを通過することが可能となり、ラジエータでの冷却効率を向上させることが可能となる。さらに、冷却ファンの上方に配置されたエアクリーナへ冷却風が流れ込みにくくなり、エアクリーナへの吸入空気温度を低くすることで、エンジン性能を向上させることができる。
また、導風口が側面視において、冷却ファンの回転中心に対して車両の後方側に偏心して開口していることによって、平面視において、冷却風が導風口に進入する進入角度と、導風口を通過して冷却ファン室に流入する流入角度との角度変化を小さく抑えることができる。よって、冷却風が導風口を通過するときの流れ抵抗が小さくなり、冷却風を円滑に導風口から冷却ファン室に流入させることができるので、単位時間当たりに、より多くの冷却風がラジエータを通過することが可能となり、ラジエータでの冷却効率を向上させることが可能となる。
さらに、排風開口部が、側面視において冷却風を車両の下方側に整流排出させる整流板を有していることにより、冷却風を円滑に排出することができるので、より多くの冷却風がラジエータを通過することが可能となり、ラジエータでの冷却効率を向上させることが可能となる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、図1を用い
て本発明に係る車両用パワーユニット(以下、単にパワーユニットと呼ぶ)が搭載される自動三輪車1について説明する。なお、本実施例において、図1に示す矢印Fの方向を前方とし、矢印Uの方向を上方として説明する。まず、1個の前輪3と2個の後輪4L,4Rを有した自動三輪車1は、側面視においてU字状に形成された車体フレーム2を有し、この車体フレーム2の前端部に操舵機構5を介して前輪3が支承され、車体フレーム2の後部には左右後輪4L,4Rを駆動するパワーユニット6が設けられて構成されている。また、車体フレーム2の後端部の上部にはシート14が取り付けられており、パワーユニット6はエンジンカバー15により覆われている。
操舵機構5は、車体フレーム2の前部に取り付けられ、上下方向に延びるヘッドパイプ
7を有し、このヘッドパイプ7には、ステアリングシャフト(図示せず)が回転自在に取り付けられている。そして、ステアリングシャフトの下端にフロントフォーク8が取り付けられ、このフロントフォーク8の下端に前輪3が支承されている。一方、ステアリングシャフトの上端にはハンドルポスト9が取り付けられており、さらに、このハンドルポスト9の上端にハンドル10が取り付けられ、ハンドル10を操作して、前輪3を操舵可能に構成されている。
車体フレーム2の下部の後端部には下方に延びる揺動部材11が、車体フレーム2に対
して前後方向に所定の角度範囲で揺動可能に取り付けられている。さらに、この揺動部材
11の下端部には、後方に延びるハンガー部材12がこの揺動部材11に対して上下方向
に揺動自在に取り付けられている。
ハンガー部材12は、一端が揺動部材11に枢結される前端部材12aと、この前端部
材12aの他端側に挿入され、後方に延びる軸を中心にこの前端部材12aに対して相対
回転可能に取り付けられた後端部材12bと、この後端部材12bとパワーユニット6の
下部とを連結する連結部材12cとから構成される。また、このハンガー部材12は、一
端が車体フレーム2の後部に枢結され、他端がハンガー部材12の前端部材12aに枢結
された緩衝器13により支持されている。
以下に、パワーユニット6について図2〜図9を用いて説明する。パワーユニット6は、シリンダヘッド20およびエンジンケース21からなるエンジン19と、変速機ケース22に格納された変速装置37とから構成される。
エンジンケース21は、前ケース半体21aと後ケース半体21bとが組み合わされて
構成されている。前ケース半体21aの前部に、前後方向に延びるようにはめ込まれたシ
リンダスリーブ23に囲まれてシリンダ室23aが形成されており、このシリンダ室23
aには、前後方向に摺動自在にピストン24が配設されている。さらに、このピストン2
4はコンロッド25を介してエンジンケース21に回転自在に保持されるクランクシャフ
ト26に接続されている。そして、シリンダスリーブ23、シリンダヘッド20およびピ
ストン24で形成される燃焼室27には、シリンダヘッド20に形成された吸気口および
排気口が連通している。
エンジンケース21に左右方向に延びるように取り付けられたクランクシャフト26は
、左クランクシャフト半体26Lと右クランクシャフト半体26Rとから構成されており、両クランクシャフト半体26L,26Rを繋いで配設されたクランクピン30を介して、コンロッド25が接続されている。また、クランクシャフト26は、前ケース半体21aと後ケース半体21bとの結合部に配設されており、両クランクシャフト半体26L,26Rのそれぞれが左右のベアリング31,32を介して前後ケース半体21a,21bに保持される。
エンジンケース21の左側側部には変速機ケース22が取り付けられており、左クラン
クシャフト半体26Lのジャーナル部はこの変速機ケース22内に突出して配置されてい
る。変速機ケース22には、クランクシャフト26の後方に位置してこのクランクシャフ
ト26と平行に延び、変速機ケース22に回転自在に保持される後輪シャフト33が取り
付けられており、さらに、その後方にクランクシャフト26と平行に延びて変速機ケース
22に回転自在に保持されるカウンタシャフト34が取り付けられている。
変速機ケース22の左側側面には、左カバー部材35が取り付けられており、この変速
機ケース22と左カバー部材35で囲まれた変速機室36内に、変速装置37が格納され
ている。変速装置37は、変速機室36内にのびる左クランクシャフト半体26Lのジャ
ーナル部に取り付けられて一体回転するドライブプーリ38、カウンタシャフト34の左
端部に取り付けられてこのカウンタシャフト34に対して相対回転するドリブンプーリ3
9、カウンタシャフト34の中央部に取り付けられ、ドリブンプーリ39とカウンタシャ
フト34とを係脱するクラッチ40、および、ドライブプーリ38とドリブンプーリ39
とに巻き掛けられてドライブプーリ38の回転をドリブンプーリ39に伝達する変速機ベ
ルト41から構成される。
ドライブプーリ38は、左クランクシャフト半体26Lのジャーナル部に一体回転可能
に取り付けられた固定プーリ半体38aと、この固定プーリ半体38aに対して軸方向に相対移動可能で且つ左クランクシャフト半体26Lと一体回転可能な可動プーリ半体38bとから構成され、変速機ベルト41は、これらの固定および可動プーリ半体38a,38bに挟持される。一方、ドリブンプーリ39は、カウンタシャフト34に相対回転可能に取り付けられた固定プーリ半体39aと、この固定プーリ半体39aに対して軸方向に相対移動可能で且つカウンタシャフト34に対して相対回転可能な可動プーリ半体39bとから構成され、変速機ベルト41は、これらの固定および可動プーリ半体39a,39bに挟持される。そのため、ドライブプーリ38およびドリブンプーリ39のプーリ幅を可変設定することにより、変速機ベルト41の両プーリ38,39に対する巻き掛け半径を連続的に変化させて変速比を無段階に(連続的に)制御することができる。
カウンタシャフト34および後輪シャフト33の間に、これらのシャフト34,33と
略平行に延びてアイドルシャフト42が取り付けられており、クランクシャフト26の回
転によりドライブプーリ38が回転し、その回転が変速機ベルト41を介してドリブンプ
ーリ39に伝達され、さらに、クラッチ40からカウンタシャフト34に伝達される。そ
して、カウンタシャフト34の回転が、カウンタシャフト34、アイドルシャフト42、
および、後輪シャフト33に配設されたギヤ列を介して後輪シャフト33に伝達され、後
輪シャフト33に取り付けられた左右の後輪4L,4Rを回転駆動させる。
なお、後輪シャフト33は、左端部が左後輪4Lに接続された左シャフト33Lと、右
端部が右後輪4Rに接続された右シャフト33Rとから構成され、これらのシャフト33
L,33Rは、変速機ケース22の右側部に配設された差動機構43に接続されている。差動機構43は、後輪シャフト33と同軸上に相対回転可能に配置された差動キャリア4
4、差動キャリア44の内部に後輪シャフト33と直交する方向に貫通して支持されるピ
ニオン軸45、ピニオン軸45の両端に取り付けられた一対のピニオンギヤ46、および
、両ピニオンギヤ46と噛合する左右一対のサイドギヤ47とから構成され、左右シャフ
ト33L,33Rがそれぞれ左右のサイドギヤ47に接続されている。そして、アイドル
シャフト42を介して左シャフト33Lに伝達された回転は、差動機構43の差動キャリア44に入力され、ピニオン軸45および両ピニオンギヤ46を介してサイドギヤ47に伝達され、左右のシャフト33L,33Rに分割されて伝達されるように構成されている。
この変速機ケース22の右側側面には、この右側側面を覆うように右カバー部材48が
取り付けられており、カウンタシャフト34、アイドルシャフト42、右シャフト33R
、および、差動機構43は、ベアリングを介して変速機ケース22および右カバー部材4
8により保持されており、左シャフト33Lは、ベアリングを介して変速機ケース22お
よび左カバー部材35に保持されている。
上記のように、クランクシャフト26とカウンタシャフト34の間に後輪シャフト33が位置する構成により、クランクシャフト26および変速装置37を後輪シャフト33に近接して配置することができ、図3に示すように、クランクシャフト26は後輪4(4L,4R)の外形より内側に配置可能となる。また、平面視において、自動三輪車1の前後方向に延びる中心線に対して、変速装置37をパワーユニット6の左側に配置するとともに、差動機構43を右側に配置することにより、クランクシャフト26とカウンタシャフト34を後輪シャフト33に近接させても、変速装置37のドライブプーリ38およびドリブンプーリ39と差動機構43とが干渉することがない。
変速機ケース22の前部にはエンジン19を始動するためのキック始動機構28が設け
られている。キック始動機構28は、キックシャフト49、キックアーム50、キック連
結シャフト52、および、キックアイドルシャフト53から構成されている。
変速機ケース22の前部で、クランクシャフト26の前方には、変速機ケース22と左
カバー部材35とに回転自在に保持されて、クランクシャフト26と平行にキックシャフ
ト49が取り付けられており、このキックシャフト49の左端は左カバー部材35から外
部に突出し、その先端にキックアーム50が取り付けられている。このキックシャフト4
9にはバネ51が巻き掛けられており、通常の状態ではキックアーム50が上方に揺動さ
れて位置するように保持されている。
また、クランクシャフト26の左方でこのクランクシャフト26の同軸上にキック連結
シャフト52が配設されている。このキック連結シャフト52の左端部は、左カバー部材
35に螺挿されて保持されており、回転することにより右方に移動して左クランクシャフ
ト26Lの左端部と係合するように構成されている。さらに、キックシャフト49とクラ
ンクシャフト26(キック連結シャフト52)との間には、変速機ケース22と左カバー
部材35とに回転自在に保持されて、これらのシャフト26,49と平行にキックアイド
ルシャフト53が配設されている。そして、キックシャフト49、キックアイドルシャフ
ト53、および、キック連結シャフト52の間に配設されたギヤ列によりキックシャフト
49の回転がキックアイドルシャフト53を介してキック連結シャフト52に伝達される
ように構成されている。
キックアーム50の先端に設けられたキックペダル50aを下方に蹴り出すとキックシ
ャフト49がバネ51の付勢力に抗して回転し、その回転がキックシャフト49とキック
アイドルシャフト53とに設けられたギヤ列によりキックアイドルシャフト53に伝達さ
れる。そして、このキックアイドルシャフト53の回転が、キックアイドルシャフト53
とキック連結シャフト52との間に設けられたギヤ列によりキック連結シャフト52に伝
達され、キック連結シャフト52は回転に伴って右方に移動し、左クランクシャフト半体
26Lと係合して、クランクシャフト26に回転が伝達される。反対に、キックペダル5
0aから足を離すと、バネ51によりキックシャフト49は逆方向に回転し、キックアー
ム50を上方の位置に戻すとともに、キック連結シャフト52を逆回転させてクランクシ
ャフト26との係合が解除される。
すなわち、キックペダル50aを下方に蹴り出すことにより、クランクシャフト26を
回転させ、ピストン64を前後に摺動させることができるため、燃焼室27に燃料と空気
の混合気を供給してピストン24で圧縮して点火することによりパワーユニット6(エン
ジン19)を始動させることができる。
キックシャフト49に取り付けられこのキックシャフト49の回転をキックアイドルシ
ャフト53に伝達するキックギヤ54は、図2に示すように扇形形状をしている。これは
、キックペダル50aのキックによりキックシャフト49が回転する角度が限定されてい
るためであり、キックギヤ54の不要な部分を省いて構成されている。
また、側面視において、キックシャフト49の回転軸はクランクシャフト26の回転軸
よりも前方でかつ下方に配置され、キックアイドルシャフト53の回転軸はクランクシャ
フト26の回転軸よりも前方でかつ上方に配置されている。キックアイドルシャフト53
を設けてキックシャフト49の回転をクランクシャフト26に伝達するように構成するこ
とによりキックレシオを稼ぐことができパワーユニット6の始動性を向上することができ
るとともに、クランクシャフト26に対してキックシャフト49およびキックアイドルシ
ャフト53を上下に振り分けて配置することにより、キックシャフト49の前方への張り
出しを防止可能な構成となっている。
なお、このようにキックシャフト49の前方への張り出しを防止すると、変速機ケース
22の前方で、シリンダヘッド20の左側側部に空間が形成されるため、例えば図2に示
すように、シリンダヘッド20から延びる排気管55をこの空間に配設することが可能となる。
さらに、クランクシャフト26に対して前方にキックシャフト49を配置することによ
り、左後輪4Lの前方にキックアーム50が位置するため、このキックアーム50を車体
の中心に近づけることができる。すなわち、搭乗者はシート14の近傍で、かつ、左後輪
4Lを意識することなくこのキックアーム50を操作する(キックペダル50aを蹴り出
す)ことができるため、始動時のこのキックアーム50の操作性が向上する。
シリンダヘッド20の内部には、燃焼室27を囲むように形成され、内部に冷却水を流
すことにより冷却するためのウォータジャケット27aが形成されており、このウォータジャケット27aに供給される冷却水は、シリンダヘッド20の右側側部に設けられた冷却水ポンプ59から吐出されることにより、第1パイプ60を通って、エンジンケース21の冷却水供給口(図示せず)から供給される。そして、シリンダヘッド20のウォータジャケット27aを通って暖められた冷却水は、エンジンケース21の冷却水排出口58から排出され、第2パイプ61を通ってラジエータ63に流れ込む。この冷却水はラジエータ63内を通過することによって放熱され、第3パイプ62を通って冷却水ポンプ59に戻ることで、シリンダヘッド20とラジエータ63との間を循環するように構成されている。
エンジンケース21の右側側部には、右方に前クランクケース半体90a、後クランクケース半体90bおよびラジエータベース80によって囲まれた冷却ファン室64が形成されており、右クランクシャフト半体26Rのジャーナル部はこの冷却ファン室64内に延びている。そして、この冷却ファン室64内において、右クランクシャフト半体26Rのジャーナル部に発電機65が配設され、更にその先端部に冷却ファン66が配設されている。
ラジエータベース80は、冷却ファン室64の右側を形成しており、前方開口部81、第1通気通路部82、導風口83、第1排風開口部84、外周壁部84a、複数の第1リブ85、第2通気通路部86、第2リブ87、流入口88を主体に構成されている。前方開口部81は、ラジエータ63の後面を覆うように形成されるとともに、前方に向けて開口しており、第1通気通路部82は、平面視において略L字形状の中空に形成され、導風口83は、第1通気通路部82の後端部で形成されており、側面視において冷却ファン66の回転中心(右クランクシャフト半体26Rの回転中心)66cに対して、開口中心が下方側後方に偏心して開口している。また、第1排風開口部84は、側面視において、ラジエータベース80の下方側外周部で開口した開口部であり、外周壁部84aは、ラジエータベース80がエンジンケース21に組み付けられた状態において、冷却ファン66の前方部、上方部および後方部の外周を囲むように、ラジエータベース80の側方壁面からエンジンケース21に向けて立設している。さらに、第1リブ85は、平面視において、第1排風開口部84の側方壁面から、その先端をエンジンケース21に向けて立設するとともに、側面視において車両の下方側かつ後方に向けて傾斜して形成されている。
ラジエータベース80の上部には、側面視において、上方から下方に延びて中空状に形成されるとともに、その中空部の下端開口部が導風口83に連通する第2通気通路部86、第2通気通路部86の中空部の内側壁面に立設された第2リブ87、さらに、側面視において、第2通気通路部86の上端部で開口した流入口88が形成されている。
前クランクケース半体90a、後クランクケース半体90bは、平面視において冷却ファン室64の左側を形成しており、この2つのクランクケースを合体させることで(以下、合体させたものをクランクケース90と呼ぶ)、クランクケース90の中央部近傍において、軸受けを介して右クランクシャフト半体26Rが挿入可能となるように構成されている。クランクケース90は、側面視において、外周部分は前壁91、上壁92および後壁93によって囲まれるとともに、下方部は開口して第2排風開口部94が形成されており、排風開口部94には複数の第3リブ95が立設されている。
前壁91、上壁92および後壁93は、側面視において、クランクケース90がエンジンケース21に組み付けられた状態において、冷却ファン66の前方、上方および後方の外周部を囲むように形成され、平面視においてクランクケース90の側方壁面からラジエータベース80に向けて立設された壁部である。また、第2排風開口部94は、側面視においてクランクケース90の下方側外周部で開口した開口部であり、第3リブ95は、平面視において第2排風開口部94の側方壁面から、その先端をラジエータベース80に向けて立設するとともに、側面視において車両の下方側後方に向けて傾斜して形成されている。
このように構成された、ラジエータベース80およびクランクケース90を、エンジンケース21の右側部に組み付けることにより、ラジエータベース80の外周壁部84aとクランクケース90の前壁91、上壁92および後壁93とが、側面視において重なるとともに、それぞれの壁先端部の接合面が接合することで、前方、上方および後方が囲まれてなる冷却ファン室64が形成される。さらに、側面視において、冷却ファン室64の下方には、第1排風開口部84と第2排風開口部94とからなる排風開口部96が形成される。このとき、排風開口部96では、側面視において、第1排風開口部84に設けられた複数の第1リブ85と、第2排風開口部94の複数の第3リブ95とがそれぞれ重なるように構成されているとともに、平面視において、第1リブ85と第3リブ95とは、所定距離を有している。
以下において、上記のように構成されたパワーユニット6内部での、冷却風の流れを説明する。まず、冷却風は、ラジエータ63の前方からラジエータ63に進入して通過し、ラジエータベース80の前方開口部81に進入した後、前後方向に延びる第1通気通路部82を前方から後方に進み、後端部の導風口83を通過して冷却ファン室64に進入する。このとき、導風口83は、側面視において冷却ファン66の回転中心66cに対して、開口中心が車両の下方側後方に偏心して開口しており、本実施例では、冷却ファン66の回転中心66cに対して導風口83を、上下に分割(中心線66bで上下に分割)したときに、下側が上側の1.5倍程度の大きさに、また、冷却ファン66の回転中心66cに対して導風口83を前後に分割(中心線66aで前後に分割)したときに、後側が前側の1.3倍程度の大きさになるように偏心させている。また、冷却風は導風口83を通過することによって、冷却ファン室64に進入し、冷却ファン室64に進入した冷却風は、冷却ファン66の回転により、冷却ファン室64の下方に開口した排風開口部96から強制的に冷却ファン室64の外部へ排出される。
ここで、上記のように、冷却ファン室64に進入した冷却風が、排風開口部96から排出されやすいように導風口83が設けられていることで、冷却風が進行方向を大きく変化することなく円滑に、冷却ファン室64の下方に開口した排風開口部96へと導かれて排出されることが可能となる。さらに、排風開口部96には、車両の下方側後部に向けて傾斜して形成された第1リブ85、第3リブ95が立設しており、冷却風が、第1リブ85および第3リブ95の隙間を通過して、冷却ファン室64の外部へ排出されることにより、冷却ファン室64の外部へ排出される冷却風は、第1リブ85および第3リブ95の傾斜方向と平行に、車両の下方側後部に向けて整流されて排出される。
こうすることで、車両の走行時における、前方からの走行風と車両外部に排出された冷却風とを円滑に合流させることができるとともに、冷却風の乱流による抵抗を減少させることができるので、冷却風を排出させやすくなり、ラジエータ63を通過した冷却風を、円滑に冷却ファン室64の外部へ排出することが可能になる。よって、単位時間当たりに、より多くの冷却風がラジエータ63を通過することが可能となるため、ラジエータ63での冷却効率を高めることができる。
なお、パワーユニット上部に設置されたエアクリーナ部90と変速機室36とを第5パイプ91で繋いで、エアクリーナ部90から変速機室36の内部に、変速機室36を冷却するための変速機用冷却風を取り込むことが可能に構成されている。また、平面視において、変速機室36の内側壁部に設けられた流出口89には、第4パイプ97の一端が接続され、他端はラジエータベース80の流入口88と接続されている。
このように構成することで、冷却ファン66の回転により発生する負圧によって、変速機室36内の変速機用冷却風を、流出口89から第4パイプ97を通過させて、流入口88から進入させ、上方から下方へ第2通気通路部86を通過させて、冷却ファン室64に進入させることにより、ラジエータ63から進入した冷却風と合流させて、排風開口部96に立設された第1リブ85と第3リブ95との隙間から、強制的に冷却ファン室64の外部へ排出することが可能となる。よって、エンジンが稼動し冷却ファン66が回転すると、変速機室36内は、第5パイプ91から変速機用冷却風が進入するとともに、変速機室36内の排熱を含んだ変速機用冷却風を流出口89から排出させることで、簡易な方法で変速機室36内の冷却を行うことが可能となる。このとき、第2通気通路部86の内部に設けられた第2リブ87によって、ラジエータ63を通過した冷却風に含まれる水分等の変速機室36への侵入を防止することが可能である。
上述の実施例において、冷却ファン室64下方の排風開口部96に立設された、複数の第1リブ85および複数の第3リブ95の数および大きさ等は、この実施例に示す構成に限定されるものではなく、排風開口部96の開口面積等に応じて、任意に構成することが可能である。
本発明に係るパワーユニットが搭載された自動三輪車を示す側面図である。 本発明に係るパワーユニットの側面図である。 自動三輪車の後部の平面図である。 図3に示す冷却ファン室部分を拡大した平面図である。 パワーユニットを示す側面図である。 ラジエータおよびラジエータベースを取り除いた状態のパワーユニットを示す側面図である。 変速機ケースの内部を示す側面図である。 ラジエータベースの側面図(一部は部分断面図)である。 図8の反対側から見たラジエータベースの側面図である。
符号の説明
1 車両(自動三輪車)
6 パワーユニット
19 エンジン
26(26R、26L) クランクシャフト
63 ラジエータ
64 冷却ファン室
66 冷却ファン
66c 冷却ファンの回転中心
80 ラジエータベース(通風部材)
83 導風口
96(84、94) 排風開口部

Claims (3)

  1. 車両に搭載され、動力をクランクシャフトを介して回転駆動力として出力するエンジンと、
    前記クランクシャフトにより駆動され、前記エンジン側方に配置された冷却ファンと、
    前記冷却ファンを囲むように設けられる前記冷却ファンの前方で開口する導風口を有する冷却ファン室と、
    前記冷却ファンの下方側外周に設けられ、前記冷却ファン室から冷却風を排出する排風開口部とを備えた車両用パワーユニットの冷却構造であって、
    前記導風口が、側面視において前記冷却ファンの回転中心に対して前記車両の下方側に偏心して開口していることを特徴とする車両用パワーユニットの冷却構造。
  2. 前記車両が、放熱面を前方に向けて前記車両側部に配置されたラジエータの後方に設置され、前端部が前記ラジエータの後方を覆って開口するとともに前記前端部から後方に延びた中空部の後端部で開口し、前記ラジエータを通過した前記冷却風を前記後端部から前記冷却ファン室に導く通風部材を有し、
    前記導風口が、側面視において前記冷却ファンの前記回転中心に対して前記車両の後方側に偏心して開口していることを特徴とする、請求項1に記載の車両用パワーユニットの冷却構造。
  3. 前記排風開口部が、側面視において前記冷却風を前記車両の下方側に整流排出させる整流板を有していることを特徴とする、請求項1または2に記載の車両用パワーユニットの冷却構造。
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