JP2008239576A - ブドウの芽及び蔓から抽出したレスベラトロール類を含有する組成物 - Google Patents

ブドウの芽及び蔓から抽出したレスベラトロール類を含有する組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】剪定時期に取り除かれ廃棄されてきたブドウの芽及び蔓の有効利用する方法提供。
【解決手段】5α―レダクターゼ阻害作用、ヒアルロニダーゼ阻害作用、エラスターゼ阻害作用、線維芽細胞増殖作用、コラーゲン産生促進作用ならびにリパーゼ阻害作用を有する、ブドウの芽及び蔓から抽出した組成物。該組成物を体脂肪低減剤、皮膚用医薬、脂質代謝改善剤、養毛剤等に利用する。抽出物中、とりわけレスベラトロール類が有効成分である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ブドウ科ブドウ属、特に、ヨーロッパ系ブドウ属(Vitis Vinifera)または/およびアメリカ系ブドウ属(Vitis Labrusca)(以下、単に「ブドウ」という)の芽及び蔓から抽出したレスベラトロール類を含んでなる組成物、及びこの組成物を有効成分として含んでなる、5α―レダクターゼ阻害作用、ヒアルロニダーゼ阻害作用、エラスターゼ阻害作用、線維芽細胞増殖作用、コラーゲン産生促進作用並びにリパーゼ阻害作用を有する剤に関する。
ブドウの果実は古くから食されており、乾しブドウ、ジュース、ゼリー、缶詰等の原料、ワイン、ブランデー等のアルコール飲料の重要な原料とされて来た。最近では、「赤ワインを飲む人には動脈硬化が少ない」という疫学的知見“フレンチパラドックス”が見出され、果実のみならず種子及び果皮についても、ブドウ成分の研究が広く行われ、プロアントシアニジン等の多くのポリフェノール類が抗酸化物質であることが見出された(非特許文献1、非特許文献2)。
しかしながら、ブドウの芽又は蔓を原料とした製品、薬剤等は市場に出回っておらず、また、その抽出物及び成分に関する報告は僅かに成されているに過ぎない(非特許文献3、非特許文献4)。また、ブドウの芽又は蔓は剪定時期に取り除かれ廃棄されることが一般的であり、これらの部位の有効利用が可能となれば、果実以外の利用が可能となる。ブドウの果実(芽又は蔓を除く)中に多数含まれるポリフェノール類の薬理効果としては、白血病細胞の増殖抑制、アポトーシス誘導効果、鎮痙作用が挙げられ、その他の生体内生理機能に作用する可能性を秘めているとされている。
男性ホルモンの代表例として、人の頭皮、前立腺等に作用するテストステロンが挙げられる。テストステロンは人の器官(頭皮、前立腺等)の細胞内で5α―レダクターゼの還元作用を受け、5α―ジヒドロテストステロン(DHT)に変換後アンドロゲンの受容体と結合し、遺伝子の活性化を示す。加齢、生活ストレスにより、DHTの分泌バランスが崩れると、抜け毛、薄毛を引き起こす。
皮膚の老化においては、皮膚を構成する真皮中の線維芽細胞の活性低下に伴い、真皮マトリックス成分であるコラーゲン線維、エラスチン線維、酸性ムコ多糖の質的或いは量的な変化が起こる。コラーゲン線維は加齢により減少するだけでなく、異常な老化架橋が形成されるため硬直化し、本来の弾力性に富む張りが失われる。エラスチン線維は変性崩壊し、変わってアミノ酸組成の異なるエラスチンがその代償として生産されて機能障害が進行する。また、ヒアルロン酸は加齢により減少し、本来の機能である細胞間隙での保水機能、組織内にゼリー状のマトリックスを形成することによる細胞保持機能、皮膚の潤滑性及び柔軟性保持機能、外界からの機械的障害及び細菌感染を防御する機能等の低下が起こる。その結果、皮膚は柔軟性を失って、皺、弛み、かさつき等の老化現象が起こる。生理的老化皮膚では、このような増殖能の低下、生理的機能低下が観察される。
また、肌(皮膚)悩みの一つであるアクネは、顔面、背部などの脂線が多く存在する部分にできる毛包腺系の炎症性疾患である。アクネに深く関与している“P.acnes”は、健常人の皮膚にも存在する皮膚常在菌であり、細菌性リパーゼを産生する。産生されたリパーゼは皮脂中のトリグリセライドを分解して遊離脂肪酸を産生し、これによって角化が進行しコメドを形成するだけでなく、アクネを引き起こす。アクネによって起こる炎症は、肌を荒らし、さらにはニキビ痕として残り、健やかな肌を維持することを妨げる。
肥満は単なる美容上の問題ばかりでなく、成人病など多くの疾病の要因となっている。その治療及び予防法としては、食事療法、運動療法、薬物療法などが提案又は実施されている。しかし、いずれの療法も栄養不良障害、運動機能障害、副作用、空腹感或いはストレスと云った肉体的及び精神的苦痛を患者に強いるものであり、効果を維持し難いばかりでなく、却って健康を損なう場合が多い。
肥満の治療及び予防法としては、余剰のエネルギーだけを最小限度の行為で除去する一方、エネルギー源以外の栄養成分はできるだけ除去しない方法が望まれる。食品中のエネルギー源はデンプン等の糖質や、脂肪、脂肪酸、グリセリド、グリセロール、コレステロール等の脂質が大部分である。従って、これらの消化吸収を抑制又は阻害すれば肥満の治療及び予防ができるものと期待される。このような方法として、ドッカツ、リョウキョウ、ビンロウシ、ヨウバイヒ、サンペンズ、ケツメイシの抽出物を利用した、リパーゼの活性を阻害する方法(特許文献1)等が挙げられる。
リパーゼは脂質の消化酵素であり、ヒトにおいては膵臓から分泌されるほか、Candida cylindraccaeに代表される皮膚表層に常在する微生物によって産生される。したがって、リパーゼ阻害剤は、肥満の治療及び予防の効果があると考えられており、他の栄養成分に影響を与えず、かつ副作用の少ない予防及び治療剤と考えられている。
従って、今尚、薄毛、抜け毛といった悩み、皮膚老化、皮膚トラブル、及び肥満に対して有効である植物由来の組成物の開発が要求されている。
食品と開発Vol.35 No.6;11-14 Neuroreport,8,1499-1502(1997) Leuk Lymphoma. 2002 Oct;43(10):1991-2002. Eur Neuropsychopharmacol. 2006 Feb;16(2):85-91. 特開平5−255100号
本発明者等は、本発明時において、ブドウの芽及び蔓に着眼し、これらから抽出し組成物が、これまで確認されていなかった種々の生理機能を有することを見出した。具体的には、本発明による組成物は、5α―レダクターゼ阻害作用、ヒアルロニダーゼ阻害作用、エラスターゼ阻害作用、線維芽細胞増殖作用、コラーゲン産生促進作用ならびにリパーゼ阻害作用に対する有効性が見出された。本発明はこれら知見に基づいてなされたものである。
従って、本発明による組成物は、ブドウ科ブドウ属に属する植物の芽及び蔓、好ましくはヨーロッパ系ブドウ属(Vitis Vinifera)または/およびアメリカ系ブドウ(Vitis Labrusca)に属する植物の芽及び蔓から炭素数1以上5以下の極性溶媒で抽出して得られたレスベラトロール類を含有するものである。また、本発明の別の態様によれば、本発明による組成物を有効成分として含んでなる、5α−レダクターゼ阻害剤、ヒアルロニダーゼ阻害剤、エラスターゼ阻害剤、線維芽細胞増殖作用剤、コラーゲン産生促進剤又はリパーゼ阻害剤を提供する。
本発明による組成物及びそれを有効成分とし含有する剤、医薬組成物、医薬部外品、化粧品、(健康)食品は、薄毛や抜け毛といった悩み、皮膚老化、皮膚トラブル、及び抗肥満に対して極めて優れた効果を発揮しうることができる。
定義
本明細書において、用いられる用語は下記の意味において使用される。
「抽出物又はエキス」とは、原料であるブドウ科ブドウ属に属する植物の芽又は蔓を極性有機溶媒抽出処理によって得られた、抽出液、抽出液の希釈液若しくは濃縮液、抽出液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは濃縮液のいずれをも包含する意である。
「脂質代謝改善」とは、脂質代謝において、体組織または血中、リンパ(リンパ組織)中に存在する脂質及びその成分(脂肪酸)を分解(分解促進)させること、体組織(特に、脂肪組織)に脂質及びその成分が蓄積することを予防、抑制すること、及び体組織(特に、脂肪組織)に蓄積した脂質及びその成分を低減すること等を意味する。具体的には、「脂質代謝改善」という用語には、食喰により摂取した脂質及びその成分が血中(特に、血清)、リンパ(リンパ組織)中に高濃度で存在することを予防、抑制すること、血中、リンパ(リンパ組織)中に高濃度で存在する脂質を低減させること、食喰により摂取した脂質及びその成分が体組織に蓄積されることを予防、抑制すること、体組織に蓄積された脂質及びその成分を分解若しくは低減すること、又は体組織に蓄積された脂質及びその成分が血中に放出された際に、血中(特に、血清)に存在する脂質及びその成分を分解し、若しくはそれらの濃度を低下させること等が挙げられる。
レスベラトロール類含有組成物
本発明は、ブドウの芽又は蔓中に、ポリフェノール類、取り分け、レスベラトロール、その二量化体であるビニフェリン及びその他オリゴマー(それぞれの光学・幾何異性体を含む)で構成されているもの(以下、「レスベラトロール類」という)が含有されていることを見出したものである。「レスベラトロール類」は、一般にビネアトロールと呼ばれている。
レスベラトロール類は、ポリフェノールに属するものであり、その構造は、スチルベン骨格を基本とし、天然物中、代表的なモノマーポリフェノールであるレスベラトロール、その二量化体であるビニフェリン及びその他オリゴマーで構成されている。これら構成比率および含有量において、種々の生理活性が発揮されるものである。
組成比率および含有量の分析は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて行い、レスベラトロールを標準物質に用い、レスベラトロール(Rt.30min)およびビニフェリン類(Rt.34, 39, 48, 51min)量を測定、数値換算することにより確認した。
分析条件
分析条件は以下の通りである。
カラム:ODS-3 250mm×4.6mm(GLサイエンス社製)
カラム温度:40℃
移動層: A液:1%酢酸水溶液
B液:1%酢酸含有メタノール
グラジエント条件:
Figure 2008239576
流量:1.0mL/min
注入量:10μL
検出:310, 280nm(UV)
本発明による組成物は、レスベラトロール類が、オリゴマーとして0.1重量%以上50.0重量%以下、好ましくは下限値が1.0重量%以上であり上限値が30.0重量%以下の重量で、及び/又はモノマーとして0.1重量%以上10.0重量%以下、好ましくは下限値が1.0重量%以上であり上限値が5.0重量%以下の重量で含有されてなるものが好ましい。
原料
原料は、ブドウ科ブドウ属、特に、ヨーロッパ系ブドウ属(Vitis Vinifera)または/およびアメリカ系ブドウ(Vitis Labrusca)に属する植物に属する植物の芽及び蔓である。この芽及び蔓の抽出物は、皮膚及び経口に適応した場合の使用感と安全性に優れているため、養毛剤、皮膚外用剤及び機能性食品に配合するのに好適である。本発明にあっては、ブドウ科ブドウ属に属する植物であればいずれのものを使用することができる。
ブドウ科ブドウ属に属する植物の具体例としては、バルべーラ、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニオン、ドルチェット、ドルヘルンダー、ガメ、グルナッシュ、レンベルガー、メルロー、ムルヴェードル、ピノ・ノワール、シラー、マルベック、ネッビオーロ、ピノタージュ、プリミティーヴォ、レフォスコ、サンジョヴェーゼ 、テンプラニーリョ、ジンファンデル、アリゴテ、シャルドネ、シャスラ、シュナン・ブラン、 フュメ・ブラン、フルミント、ゲヴュルツトラミナー、グリューナー・フェルトリナー、 ケルナー、 モリオ・マスカット、ミュスカ、ミュラー・トゥルガウ、ピノ・ブラン、ピノ・グリ、リースリング、ソーヴィニョン・ブラン、 ショイレーベ、セミョーン、シルヴァーナ、トレッビアーノ、ヴェルディッキオ、ヴェルナッチャ、甲州、デラウェア、マスカット・オヴ・アレキサンドリア、巨峰、ピオーネ、ネオ・マスカット、マスカットベリーA等の各ブドウの芽及び蔓を用いることができる。この中でも、ヨーロッパ系ブドウ属(Vitis Vinifera)または/およびアメリカ系ブドウ(Vitis Labrusca)に属する、カベルネ・ソービニヨン、メルロー、カベルネ・フラン、ピノ・ノワール、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、セミヨーン、リースニングの各ブドウの芽及び蔓を用いることが好ましい。
ブドウ科ブドウ属に属する植物の芽及び蔓は、採取されたそのものを使用することもできるが、自然状態又は乾燥機にて乾燥させたものが好ましい。本発明にあっては、乾燥させた芽及び蔓を粉砕したものを原料として使用することがより好ましい。本発明にあっては、芽及び蔓を得る目的で、ブドウ科ブドウ属に属する植物を栽培してもよいが、ブドウ科ブドウ属に属する植物の栽培時において、剪定、特に、春先時期に剪定されて得たブドウの芽及び蔓を原料とすることが有効利用の点で好ましい。
極性溶媒/抽出
本発明にあっては、抽出溶媒として極性溶媒を使用する。極性溶媒としては、水、直鎖または分岐鎖を有する炭素数1〜5の低級アルコール(又は炭素数1〜10の多価アルコール)、直鎖または分岐鎖を有する炭素数1〜5の低級エステル、直鎖または分岐鎖を有する炭素数1〜5の低級エーテル、直鎖または分岐鎖を有する炭素数1〜5の低級アセトン、及びこれらの二種以上の混合物が使用される。本発明にあっては、溶媒で抽出した溶媒抽出物をそのままレスベラトロール類含有組成物として使用する場合、これら溶媒の中でも食品として使用されるものを選択し使用することが好ましく、より好ましくは、水、エタノール及びこれの混合溶媒である。
直鎖または分岐鎖を有する炭素数1〜5の低級アルコール(又は多価アルコール)の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級アルコール;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコールが好ましくは挙げられ、より好ましくは、エタノールが挙げられる。直鎖または分岐鎖を有する炭素数1〜5の低級エステルの具体例としては、酢酸メチル、酢酸エチル等が好ましくは挙げられ、より好ましくは酢酸エチルが挙げられる。直鎖または分岐鎖を有する炭素数1〜5の低級アセトンとしては、アセトンが好ましくは挙げられる。直鎖または分岐鎖を有する炭素数1〜5の低級エーテルの具体例としては、ジエチルエーテルが挙げられる。
抽出溶媒の添加量は、原料の量、抽出温度等に適合させて適宜定めることができる。また、溶媒抽出は、常温、常圧下で行って良く、抽出温度は各溶媒の沸点等を考慮して、多少加温するなど適宜定めることができる。更に浸漬、抽出液の移動または攪拌などを行なって抽出効率を上げる事が出来る。
濃縮/精製
本発明で使用する抽出物は、そのまま用いてもよいが、必要に応じて脱色、ろ過、濃縮してもよい。また、抽出物をカラムクロマト法、向流分配法等を用いてヘキサン等の無極性溶媒と組み合わせた極性の濃度勾配を用いて、分画、精製して用いることもできる。溶媒抽出物から溶媒を除去する方法としては、一般的には、常圧濃縮、減圧濃縮を用いることができる。濃縮の際の、圧力、温度等は、得られる抽出物の量に併せて適宜設定することができる。
乾燥/乾燥物
抽出物または溶媒を除去した抽出物を、乾燥し、乾燥物を得ることができる。本発明において、乾燥方法は、天日乾燥、(熱)風乾燥、真空乾燥、通気乾燥、流動乾燥、噴霧乾燥、凍結乾燥、減圧乾燥、赤外線乾燥、高周波乾燥、およびその他の乾燥法、またはこれらの混合方法が用いられるが、本発明においては、噴霧乾燥又は凍結乾燥が好ましくは利用される。この凍結乾燥を行う場合、凍結温度、乾燥(湿度)は得られる凍結乾燥物の量に併せて適宜設定することができる。
好ましい抽出方法
乾燥させたブドウの芽及び蔓を適切な長さに切断又は粉砕して、上記極性溶媒を用いて有効成分であるレスベラトロール類を含んだ抽出溶液を得る。その後、極性溶媒を除去し、水/エタノール混合溶液に部分溶解させ、濾過を行うことで不溶物の除去をし、この際に濾過助剤を用いて脱色や不要な好重合物を除去する。溶液から溶媒を減圧下などで蒸発除去して固形物残渣を得る。この残渣を減圧下で乾燥剤などを用いて乾燥し、大きな固形物が存在する場合には粉砕して微細粒子とする。得られた粉末を適用量目的に応じて更なる最終製品に添加するか適当な溶媒に希釈して溶液として最終製品に添加し、加工を行うことで、下記する医薬組成物、養毛剤、皮膚外用剤、及び機能性食品など幅広い分野に使用する事が可能となる。
本発明の好ましい態様としては、先の濃縮/精製工程で得られた濃縮物にデキストリン等の賦形剤を加えて噴霧乾燥することが好ましい。また、別の方法として、先の濃縮/精製工程で得られた濃縮物にデキストリン等の賦形剤を加えて造粒物を得る事が出来る。添加する賦形剤の量により有効成分の量を調製する事が可能となる。
2.用途
医薬組成物
本発明は、本発明によるレスベラトロール類を含有する組成物を含んでなる医薬組成物を提案することができる。この医薬組成物は、具体的には、本発明によるレスベラトロール類を含有する組成物を含んでなる、5α−レダクターゼ阻害剤、ヒアルロニダーゼ阻害剤、エラスターゼ阻害剤、線維芽細胞増殖作用剤、コラーゲン産生促進剤又はリパーゼ阻害剤(脂質代謝改善剤)である。
本発明による医薬組成物は、経口および非経口(例えば、直腸投与、経皮投与)のいずれかの投与経路で、人を含む動物に投与することができる。本発明による医薬組成物は、投与経路に応じた適切な剤形として提供されることが好ましい。例えば、液剤、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、散剤、丸剤、細粒剤、トローチ錠等の経口剤、直腸投与剤等の種々に調製して使用することが可能である。
医薬組成物としての効果をより確実なものとするために、例えば、賦形剤、増量剤、結合剤、湿潤化剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、溶解補助剤、矯味矯臭剤、無痛化剤、安定化剤等、薬学上許容される担体または添加剤を適宜選択し、組み合わせたものを本発明による抽出物等に添加してよい。使用可能な無毒性の上記添加剤は、例えば乳糖、果糖、ブドウ糖、でん粉、ゼラチン、炭酸マグネシウム、合成ケイ酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはその塩、アラビアゴム、ポリエチレングリコール、シロップワセリン、グリセリン、エタノール、プロピレングリコール、クエン酸、塩化ナトリウム、亜硫酸ソーダ、リン酸ナトリウム等が挙げられる。
本発明による医薬組成物は、成人1日当たりの摂取量として、レスベラトロール類の質量換算で0.1mg以上1,000mg以下であり、好ましくは下限値が1.0mg以上であり上限値が100mg以下とになるように設定されることが好ましい。
皮膚用医薬組成物
本発明による抽出組成物は、皮膚に適応した場合の使用感と安全性に優れているため、皮膚用医薬組成物(特に皮膚外用剤)に配合するのに好適である。皮膚用医薬組成物の種類としては、例えば軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、入浴剤等が挙げられる。ザクロの花の抽出物の添加量は、皮膚用医薬組成物の総重量に対して、乾燥固形物に換算して、0.00001重量%以上2.5重量%以下、好ましくは上限が0.001重量%以上であり下限値が1.0%以下である。本発明による抽出組成物をそのまま使用する場合は、溶質である乾燥固形分の含有量が上記範囲内であれば、その抽出液濃度等は何ら限定されるものではない。
本発明における皮膚用医薬組成物は、任意成分を含んでなることができる。任意成分の具体例としては、通常化粧品、医薬部外品、医薬品等の皮膚(外)用剤に用いられる成分、例えば増粘度剤、金属イオン封鎖剤、アルコール類、香料、水性成分、水、各種皮膚美容剤、保湿剤、紫外線吸収剤、複合脂質、活性酸素消去作用を有する物質、抗炎症剤、ビタミンおよびその誘導体、油性成分、界面活性剤、防腐剤、酸化防止剤、コレステロール類、植物ステロール類、リポプロテイン類、微生物由来成分、藻類抽出物、血行促進剤、抗脂漏剤、増粘剤、着色料等が挙げられる。また、老化防止剤、保湿剤、美白剤、活性酸素消去剤、酸化防止剤、防腐・抗菌剤、抗アレルギー剤、皮膚分泌調製剤、消炎剤、収斂剤等の生理活性化剤を適宜配合することができる。
生理活性化剤は、植物抽出物、微生物由来の具体例として、クララ、トウキ、ヨクイニン、アシタバ、アセンヤク、チンピ、オトギリソウ、オランダカラシ、カミツレ、カラスムギ、クマザサ、クレマティス、サンザシ、シソ、ショウガ、スギナ、ゼニアオイ、ダイズ、トウキセンカ、パセリ、ビワ、シナノキ、ホップ、ホホバ、メリロート、モモ、ヤグルマギク、ユキノシタ、ヨモギ、オタネニンジン、サボテン、ノバラ、ガマ、クチナシ、ゲンノショウコウ、ジオウ、ショウガ、ショウブ、シモツケソウ、セイヨウハッカ、トウキンセンカ、ノイバラ、エンメイソウ、ベニバナ、パシャンベ、ソウハクヒ、ユーカリ、ラベンダー、タイム、トウガラシ、ウイキョウ、シャクヤク、オウゴン、コメヌカ、チャ、センブリ、ビワ、メリッサ、シラカバ、アロエ、オウレン、オドリコソウ、ゴボウ、ハマメリス、ユリ、マロニエ、シコン、イラクサ、イチョウ、ドクダミ、ヒバマタ、レモン、フトモモ、アルテア、ユキノシタ、ショウブ、セージ、オゴノリ、オリーブの抽出物の一種又は二種以上配合することが好ましい。
養毛剤/化粧品
本発明の別の態様によれは、本発明による抽出組成物を有効成分として含んでなる、養毛剤、化粧品等が提案される。養毛剤及び化粧品は、医薬品、医薬部外品、薬用化粧料の範疇を問わないものである。養毛剤及び化粧品における本発明による抽出組成物の添加量、添加される任意成分等は、上記した医薬組成物、皮膚用医薬組成物で記載したのと同様であってよい。養毛剤、化粧品は、可溶化系、乳化系、粉末分散系、粉末系等何れの形態あってよく、用途も、化粧水、乳液、クリーム、パック等の基礎化粧料、ファンデーション等のメークアップ化粧料、シャンプー、リンス、石けん、ボディーシャンプーなどのトイレタリー製品、浴用剤等を問わない。
食品添加剤/機能性食品(健康食品)
本発明による抽出組成物は食品添加剤として使用されてよい。また、本発明の別の態様によれば、本発明による抽出組成物を含んでなる機能性食品(健康食品)が提案される。本発明による食品添加剤又は機能性食品(健康食品)は、α−レダクターゼ阻害剤、ヒアルロニダーゼ阻害剤、エラスターゼ阻害剤、線維芽細胞増殖作用剤、コラーゲン産生促進剤又はリパーゼ阻害剤として作用するものである。
本発明による機能性食品(健康食品)は、本発明によるザクロの花の抽出物がその薬理効果を実現できる形態で食品に添加されてなるものである。本発明による機能性食品(健康食品)の具体例としては、本発明によるザクロの花の抽出物を含んでなる、麺類、パン、米飯、餅等の穀物加工品;マーガリン、マヨネーズ等の油脂加工品;ハム、ソーセージ等の食肉加工品;かまぼこ、ちくわ等の水産加工品;ヨーグルト、バター、チーズ、アイスクリーム等の乳製品;ジャムなどの果実加工品;漬物などの野菜加工品;チョコレート、クッキー、ケーキ、キャンディー、チューイングガム、ゼリー等の菓子類;ジュース、コーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶、炭酸飲料、牛乳等の各種飲料;、醤油、ソース、みりんなどの調味料;の様々な機能性食品(健康食品)が提案される。
本発明による機能性食品(健康食品)は、成人1日当たりの摂取量として、本発明による抽出組成物のレスベラトロール類質量換算で0.1mg以上1,000mg以下であり、好ましくは下限値が1.0mg以上であり上限値が100mg以下とになるように設定されることが好ましい。
本発明の内容を下記の実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定して解釈されるものではない。
抽出組成物の調製
剪定したカベルネ・ソーヴィニヨン種のブドウの芽及び蔓を含水率が4%ほどになるまで4ヶ月以上天日乾燥を行ったうえで、約5mmの長さに粉砕した。粉砕物1kgを7Lのエタノールを用いて、30℃・24時間の条件で抽出した。その後、濾過・溶媒蒸留除去を行い、28gの粗製物(レスベラトロール類の含量約3%)を得た。得られた粗製生物に60%v/vの含水エタノール225mLを加え、25℃・1時間の条件で再抽出した。その後、遠心分離・溶媒蒸留除去を行い、8gの粉末(レスベラトロール類の含量約10%)を得た。得られた粉末に240mLの水を加え、25℃・1時間の条件で再抽出を行った。この溶液を遠心分離にかけ、不溶物除去後得られた上澄液にデキストリンを1.0g加えて噴霧乾燥を行い、3.4gの粉末品(レスベラトロール類の含量約23%)である、レスベラトロール類を含有する抽出組成物を得た。
試験品の調製
上記で得られたレスベラトロール類を含有する抽出組成物1gにエタノールを加えて加温溶解し、必要があれば活性炭脱色処理を行い濾過し、濾液を凍結乾燥し固形物として、試験品とした。
薬理効果試験
下記試験例1〜6の試験を行い、その結果を表1に記載した。使用した試料は上記組成物の調製で得たものを必要に応じて調製(例えば、試験品の調製)して用いた。
試験例1:5α―レダクターゼ活性阻害試験
試料調製
テストステロン溶液にNADPH含有5mMトリス塩酸緩衝液(pH7.2)を加えて混合し、さらに上記試験品を精製水にて、0.1%、0.01%、0.001%に調製した試料溶液及びS-9(オリエンタル酵母社製)を混合し、37℃でインキュベートした。その後、塩化メチレンを加えて反応を停止させ、塩化メチレン層を分取して、テストステロンの残存量をHPLCにより定量した。
ブランク調製
別に対照として、上記試験品の代わりにその溶媒だけを同量添加した場合について同様に処理し分析した。また、陽性試料として、エチニルエストランジオールを用いた。
評価
阻害率は検出されたテストステロンのピーク面積を用いて以下の計算方法により算出した。得られた阻害率と作用濃度から50%阻害活性濃度(IC50:mg/mL)を算出した。
阻害率(%)=100×[(コントロールのテストステロン変換%−試験品のテストステロン変換%)/コントロールのテストステロン変換%]
Figure 2008239576
試験例2:ヒアルロニダーゼ活性阻害試験
上記試験品を0.1M酢酸緩衝液(pH3.5に調製)にて0.1%、0.01%、0.001%に各調製した溶液0.2mLにヒアルロニダーゼ(Sigma社製, TypeIV−S,最終酵素活性を400NFunit/mL)0.1mLを加え、37℃にて20分間で放置後、活性化剤としてcompound48/80(Sigma社製)の酢酸緩衝溶液(0.1mg/mL)0.2mLを加え、更に37℃にて20分間放置する。これにヒアルロン酸カリウム(和光純薬工業製)溶液(最終濃度0.4mg/mL)0.5mLを加え、37℃にて40分間放置する。次に、氷上にて0.4N水酸化ナトリウム溶液0.2mLを加えて反応を停止させた後、ホウ酸溶液(ホウ酸4.95gに水50mLを加え、1N水酸化ナトリウム溶液にてpH9.1に調製した後、水を加えて100mLとする)0.2mLを加え、混和後沸騰水浴中にて3分間加熱し酵素を失活させる。次に氷上にて室温まで冷却し、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド試薬(和光純薬工業製、10gに10N塩酸溶液12.5mL、酢酸87.5mLを混合溶解し、使用直前に酢酸にて10倍に希釈する)6mLを加え、37℃にて20分間放置した後、585nmにて吸光度を測定する。なお、試料溶液の代わりに酢酸緩衝液を入れたものを対照とし、試験品溶液、対照について酵素を入れないものをブランクとし、次式により阻害活性率を求め、試料濃度を調製することにより50%阻害活性濃度(IC50:mg/mL)を求めた。また陽性試料として、クロモグリク酸ナトリウムを用いた。
阻害率(%)=[1−(試料溶液の吸光度−試料溶液ブランクの吸光度)/(対照溶液の吸光度−対照溶液ブランクの吸光度)]×100
Figure 2008239576
試験例3:エラスターゼ活性阻害試験
ヒト正常皮膚線維芽細胞を10%ウシ胎児血清を含むMEM培地にて調製し、96穴プレートに1×10個/穴ずつ播種し、37℃、5%炭酸ガス下、24時間培養した。培養後、培地を除去しPBS(−)にて洗浄した後、0.5%TritonX−100含有PBS(−)50μLを各穴に添加し30分放置したものを酵素として用いた。また合成基質をDMSOにて溶解し15mMとし、1mLずつマイクロチューブに分注し凍結保存した。使用前に0.1M HEPES緩衝液(pH7.5,0.5M NaCl)を用いて希釈し6.0mMとした。細胞懸濁液を酵素とした96穴プレートに、上記試験品を精製水にて1%、0.1%、0.01%に調製した試験品溶液25μL、合成基質50μLを加え、37℃にて2時間インキュベーションした。その後、プレートリーダーで405nmにて吸光度を測定した。次式により阻害活性率を求め、試料濃度を調製することにより50%阻害活性濃度(IC50:mg/mL)を求めた。
阻害率(%)=[1−(A−B)/(C−D)]×100
A:試料溶液添加、エラスターゼ添加時の吸光度
B:試料溶液添加、エラスターゼ無添加時の吸光度
C:試料無添加、エラスターゼ添加時の吸光度
D:試料無添加、エラスターゼ無添加時の吸光度
ただし、各無添加のときには、それぞれ精製水、緩衝液を代わりに用いた。
Figure 2008239576
試験例4:線維芽細胞増殖促進効果試験
10%FBS(牛胎児血清;日冷より購入)含有MEM(Gibco社)を用い、ヒト由来正常皮膚線維芽細胞(Clonetics社)を96穴プレートに3×103cells/wellの密度で播種し、37℃、5%COにて24時間培養する。Medium除去後PBS(−)(日水製薬)で洗浄し、上記試験品を精製水にて100ppmに調製した試験品溶液を添加した0.5%FBS含有MEMに交換し、37℃、5%COにて培養する。このとき、ブランクは試験試料を含まない0.5%FBS含有MEMとする。72時間毎に培地交換を行い、9日間培養した後、MTT還元法により、570nm及び630nmの吸光度差を測定し、このときブランクの吸光度差を100として、それに対する試験溶液添加群の細胞増殖率を測定した。
Figure 2008239576
試験例5:コラーゲン産生促進効果試験
ヒト皮膚由来線維芽細胞を10%ウシ胎児血清(以下FBSと略記)を含むMEM培地にて調製し、96穴プレートに2×10個/穴ずつ播種し、37℃、5%炭酸ガス下、24時間培養した。24時間培養後、PBS(−)にて2回洗浄後、上記試験品を精製水にて10、20、50ppmに調製した試験品溶液を添加した無血清培地(5g/LのBSA、0.01mg/LのEGF、1mg/Lのインシュリン及び1mg/Lのハイドロコーチゾンを添加したMEM培地)にて、48時間同条件にて培養した。培養後、培養上清のコラーゲン量をEmzyme-linked immunosorbent assay (ELISA)により測定した。同時に蛋白定量(Lowry法)をおこない、単位蛋白当たりのコラーゲン産生量を算出して、試料を含有しない対照の細胞当たりのコラーゲン産生量を100とした相対値にて示した。
Figure 2008239576
試験例6:リパーゼ活性阻害試験
2μM4−メチルウンベリフェリルオレート(Sigma社製)溶液100μLに上記試験品を精製水にて0.1%、0.01%、0.001%の濃度に調製した試験品溶液10μLと0.1M Mullvain Buffer 40μL、0.05μg/mLリパーゼ(ヒト皮膚常在菌Pseudomonas species由来(Sigma社製))50μLを混和させ、37℃、20分間反応させた。その後、0.1N HCl 1mLで反応を停止し、さらに、0.2Mクエン酸ナトリウム溶液2mLを加えて、生成した4−メチルウンベリフェロンの蛍光を励起波長320nm、蛍光波長450nmで定量した。次式により阻害活性率を求め、試料濃度を調製することにより50%阻害活性濃度(IC50:mg/mL)を求めた。
阻害率(%)=[(対照の蛍光強度−サンプルの蛍光強度)/対照の蛍光強度]×100
Figure 2008239576
試験例7:養毛剤の効果試験
組成物の調製
下記表の組成成分に従って、実施例及び比較例を調製した。配合量は重量部で示す。
Figure 2008239576
評価試験
実施例及び比較例の養毛効果試験を実施した。試験方法は35〜65歳の男性30名をパネルとし、毎日朝と夜の2回、24週間に渡って被験外用剤の適量を頭皮に塗布し、頭皮による養毛効果を下記評価項目について下記評価基準に従って評価した。その結果を表8に示す。
評価項目
項目1:抜け毛減少が抑制できた。
項目2:髪にコシが出てきた。
項目3:フケ発生を抑制できた。
項目4:頭皮が目立たなく成った。
評価基準
上記評価項目について被験者(30名)が下記評価基準により評価した。
評価◎:被験者の60%超過の者が顕著な効果が有ると認識した。
評価○:被験者の40%超過60%以下の者が明らかな効果が有ると認識した。
評価△:被験者の20%超過40%未満の者が僅かに効果が有ると認識した。
評価○:被験者の20%未満の者が効果なしと認識した。
評価結果
ブドウの芽及び蔓の抽出物は5α―レダクターゼ活性阻害作用を有することが確認され、抜け毛や薄毛の予防、改善効果があることが分かった。
Figure 2008239576
試験例8:皮膚老化抑制効果試験
下記表の組成成分に従って、実施例及び比較例を調製した。配合量は重量部で示す。
Figure 2008239576
評価試験
実施例及び比較例の養毛効果試験を実施した。試験方法は35〜60歳の女性30名をパネルとし、毎日朝と夜の2回、12週間に渡って洗顔後に被験外用剤の適量を顔面に塗布し、塗布による皮膚老化抑制の効果を下記評価項目について下記評価基準に従って評価した。その結果を表10に示す。
評価項目
項目1:しわが改善された。
項目2:肌につやが出てきた。
項目3:たるみがなくなった。
項目4:肌が若返った。
評価基準
上記評価項目について、被験者(30名)が下記評価基準により評価した。
評価◎:被験者の60%超過の者が顕著な効果が有ると認識した。
評価○:被験者の40%超過60%以下の者が明らかな効果が有ると認識した。
評価△:被験者の20%超過40%未満の者が僅かに効果有りと認識した。
評価○:被験者の20%未満の者が効果なしと認識した。
評価結果
ブドウの芽及び蔓の抽出物はヒアルロニダーゼ阻害作用、エラスターゼ阻害作用、線維芽細胞増殖作用、コラーゲン産生促進作用を有することが確認され、皮膚老化抑制の効果があることが分かった。
Figure 2008239576
試験例9:皮膚老化抑制効果試験
下記表の組成成分に従って、実施例及び比較例を調製した。配合量は重量部で示す。
Figure 2008239576
評価試験
実施例及び比較例のアクネ改善の効果を実施した。試験方法は15〜30歳の女性30名をパネルとし、毎日朝と夜の2回、12週間に渡って洗顔後に被験外用剤の適量を顔面に塗布した。塗布によるアクネ改善の効果を下記評価項目について下記評価基準に従って評価した。その結果を表12に示す。
評価項目
項目1:アクネが改善された。
項目2:アクネが出来にくくなった。
項目3:アクネ跡が綺麗になった。
項目4:肌が若返った。
評価基準
上記評価項目について被験者(30名)をパネルとし下記評価基準により評価した。
評価◎:被験者の60%超過の者が顕著な効果が有ると認識した。
評価○:被験者の40%超過60%以下の者が明らかな効果が有ると認識した。
評価△:被験者の20%超過40%未満の者が僅かに効果有りと認識した。
評価○:被験者の20%未満の者が効果なしと認識した。
評価結果
ブドウの芽及び蔓の抽出物はリパーゼ阻害作用を有することが確認され、アクネ改善の効果があることが分かった。
Figure 2008239576
試験例10:抗肥満効果及び皮膚老化防止効果試験
実施例及び比較例の比率を表13に示す。なお表13の配合量は重量部で示す。これらを混合した後に打錠剤とし、質量が0.3gの楕円形錠剤状の食品製剤を得た。
Figure 2008239576
評価試験
実施例及び比較例の食品製剤について、抗肥満の効果及び皮膚老化防止効果に関する試験を行った。具体的には、20〜65歳の肥満の自覚症状がある男女5例或いは30〜50歳の肌悩みのある女性7例に、食品製剤を1日5錠、半年間摂取させた。各例の摂取前及び摂取後の身体状態を聞き取りした。聞き取りした下記評価項目について下記評価基準に従って評価した。その結果を表12に示す。
評価項目
項目1:体重の上昇が抑えられた。
項目2:太りにくくなった。
項目3:部分的にすっきり痩身した。
項目4:動きが軽快に感じるようになった。
項目5:肌がみずみずしくなった。
評価基準
上記評価項目について被験者(30名)が下記評価基準により評価した。
評価◎:被験者の60%超過の者が顕著な効果が有ると認識した。
評価○:被験者の40%超過60%以下の者が明らかな効果が有ると認識した。
評価△:被験者の20%超過40%未満の者が僅かに効果有りと認識した。
評価○:被験者の20%未満の者が効果なしと認識した。
評価結果
ブドウの芽及び蔓の抽出物はリパーゼ阻害作用を有することが確認され、抗肥満の改善効果があり、さらに、コラーゲン産生促進作用を有することから皮膚老化防止に有効であることが分かった。
Figure 2008239576

Claims (9)

  1. ヨーロッパ系ブドウ属(Vitis Vinifera)または/およびアメリカ系ブドウ(Vitis Labrusca)に属する植物の芽及び蔓から炭素数1以上5以下の極性溶媒で抽出して得られたレスベラトロール類を含有する、組成物。
  2. 前記レスベラトロール類が、オリゴマーとして1.0重量%以上30.0重量%以下の重量で、及び/又はモノマーとして1.0重量%以上10.0重量%以下の重量で含有されてなる、請求項1に記載の組成物。
  3. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物を有効成分として含んでなる、5α−レダクターゼ阻害剤、ヒアルロニダーゼ阻害剤、エラスターゼ阻害剤、線維芽細胞増殖作用剤、コラーゲン産生促進剤又はリパーゼ阻害剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物を有効成分として含んでなる、体脂肪低減剤。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物を有効成分として含んでなる、皮膚用医薬組成物。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物を有効成分として含んでなる、脂質代謝改善剤。
  7. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物を有効成分として含んでなる、化粧品。
  8. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物を有効成分として含んでなる、養毛剤。
  9. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物を有効成分として含んでなる、機能性食品。
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