JP2008238696A - ハニカム板、およびその形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】表面処理を施すことによりハニカム板の最終製品を形成する場合に、この形成作業が容易にできるようにし、また、所望寸法精度のハニカム板の最終製品を形成するようにした場合でも、この最終製品の耐蝕性や見栄えが良好に保たれるようにする。
【解決手段】ハニカム板1は、多数のセル2が規則正しい配列となるよう形成されたハニカム構造体3と、各セル2の孔芯4の直交方向におけるハニカム構造体3の外縁部に沿って延び、このハニカム構造体3を直交方向から取り囲む枠体5と、孔芯4に沿った孔芯方向Aにおけるハニカム構造体3および枠体5の各一端面7,8に跨るように接着材9により接着される端面板10と、ハニカム構造体3および枠体5の各他端面11,12に跨るように接着材9により接着される他の端面板13とを備える。ハニカム板1の内、外面のうち、外面のみの一部もしくは全部に表面処理による処理皮膜26が形成される。
【選択図】図1
【解決手段】ハニカム板1は、多数のセル2が規則正しい配列となるよう形成されたハニカム構造体3と、各セル2の孔芯4の直交方向におけるハニカム構造体3の外縁部に沿って延び、このハニカム構造体3を直交方向から取り囲む枠体5と、孔芯4に沿った孔芯方向Aにおけるハニカム構造体3および枠体5の各一端面7,8に跨るように接着材9により接着される端面板10と、ハニカム構造体3および枠体5の各他端面11,12に跨るように接着材9により接着される他の端面板13とを備える。ハニカム板1の内、外面のうち、外面のみの一部もしくは全部に表面処理による処理皮膜26が形成される。
【選択図】図1
Description
本発明は、ハニカム構造体と、このハニカム構造体をその外方から全体的に覆うようこのハニカム構造体に接着される枠体および一対の端面板とを備え、かつ、内、外面のうち、外面のみが表面処理されている新規なハニカム板、およびその形成方法に関するものである。
ハニカム板には、従来、下記特許文献1,2に示されるものがある。このうち、特許文献1の公報のものによれば、ハニカム板は、多数のセルが規則正しい配列となるよう形成されたハニカム構造体と、上記各セルの孔芯の直交方向における上記ハニカム構造体の外縁部に沿って延び、このハニカム構造体を上記直交方向から取り囲む枠体と、上記孔芯に沿った孔芯方向における上記ハニカム構造体および枠体の各一端面に跨るように接着材により接着される端面板と、上記ハニカム構造体および枠体の各他端面に跨るように接着材により接着される他の端面板とを備えている。そして、上記ハニカム板は内部空間を有する偏平な箱形状とされている。
一方、上記特許文献2では、処理水溶液であるメッキ液を用いてハニカム構造体の全面が表面処理され、これら全面にニッケルやアルマイトの処理皮膜が形成されている。そして、この処理皮膜により、ハニカム構造体に所望の耐蝕性や着色が得られることとされている。
特開2005−137714号公報
特開平6−55677号公報
ところで、上記特許文献1における箱形状のハニカム板の外面につき、上記特許文献2で示したように、処理水溶液を用いて表面処理を施したい場合があるが、この場合には次のような問題点がある。
即ち、まず、ハニカム板を形成し、このハニカム板の外面に対し表面処理をしようとすると、この表面処理時の処理水溶液が上記ハニカム板の各構成部品同士の接着面間の隙間を通しこのハニカム板の内部空間に浸入するおそれがある。しかも、上記ハニカム板の各構成部品は、上記のように接着材により互いに接着されているため、これを一旦分解して組み立てる、ということはできない。よって、上記のように処理水溶液が浸入したとすると、この処理水溶液は、ハニカム板の内部空間にそのまま残留することとなる。そして、この場合、ハニカム板は、分解するなどした後に廃棄処分をせざるをえなくなるおそれがある。
そこで、上記のような問題点の発生を未然に確実に避けるため、従来では、まず、上記ハニカム板の各構成部品を個別に表面処理し、次に、これら各構成部品を接着材により互いに接着して、ハニカム板の最終製品を形成するようにしていた。
しかしながら、上記のようにしてハニカム板の最終製品を形成する場合には、第1に、このハニカム板の各構成部品を個別に表面処理することが要求されるため、全体的な表面処理の面積が無用に大きくなることとも相俟って、ハニカム板の最終製品の形成作業が煩雑となりがちであった。
また、第2に、上記ハニカム板の最終製品に寸法誤差が生じることがある。この場合、上記寸法誤差を除去してその寸法精度を向上させる上で、上記最終製品の外面に対し機械加工により仕上げ加工をすることが考えられる。しかし、このような加工をすると、上記表面処理により形成された処理皮膜の少なくとも一部が除去されてしまい、表面処理による耐蝕性や見栄えが低下する、という不都合が生じる。
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、表面処理を施すことによりハニカム板の最終製品を形成する場合に、この形成作業が容易にできるようにし、また、所望寸法精度のハニカム板の最終製品を形成するようにした場合でも、この最終製品の耐蝕性や見栄えが良好に保たれるようにすることである。
請求項1の発明は、多数のセル2が規則正しい配列となるよう形成されたハニカム構造体3と、上記各セル2の孔芯4の直交方向における上記ハニカム構造体3の外縁部に沿って延び、このハニカム構造体3を上記直交方向から取り囲む枠体5と、上記孔芯4に沿った孔芯方向Aにおける上記ハニカム構造体3および枠体5の各一端面7,8に跨るように接着材9により接着される端面板10と、上記ハニカム構造体3および枠体5の各他端面11,12に跨るように接着材9により接着される他の端面板13とを備えたハニカム板において、
上記ハニカム板1の内、外面のうち、外面のみの一部もしくは全部に表面処理による処理皮膜26が形成されていることを特徴とするハニカム板である。
上記ハニカム板1の内、外面のうち、外面のみの一部もしくは全部に表面処理による処理皮膜26が形成されていることを特徴とするハニカム板である。
請求項2の発明は、上記ハニカム構造体3、枠体5、および各端面板10,13をアルミニウム製としたことを特徴とする請求項1に記載のハニカム板である。
請求項3の発明は、上記枠体5を一体的に形成したことを特徴とする請求項1、もしくは2に記載のハニカム板である。
請求項4の発明は、請求項1に記載のハニカム板の形成方法であって、
上記ハニカム構造体3、枠体5、および各端面板10,13を接着材9により互いに接着して中間品を形成し、この中間品の外面につき、機械加工による仕上げ加工をした後、上記表面処理を施すようにしたことを特徴とするハニカム板の形成方法である。
上記ハニカム構造体3、枠体5、および各端面板10,13を接着材9により互いに接着して中間品を形成し、この中間品の外面につき、機械加工による仕上げ加工をした後、上記表面処理を施すようにしたことを特徴とするハニカム板の形成方法である。
なお、この項において、上記各用語に付記した符号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
本発明による効果は、次の如くである。
請求項1の発明は、多数のセルが規則正しい配列となるよう形成されたハニカム構造体と、上記各セルの孔芯の直交方向における上記ハニカム構造体の外縁部に沿って延び、このハニカム構造体を上記直交方向から取り囲む枠体と、上記孔芯に沿った孔芯方向における上記ハニカム構造体および枠体の各一端面に跨るように接着材により接着される端面板と、上記ハニカム構造体および枠体の各他端面に跨るように接着材により接着される他の端面板とを備えたハニカム板において、
上記ハニカム板の内、外面のうち、外面のみの一部もしくは全部に表面処理による処理皮膜が形成されている。
上記ハニカム板の内、外面のうち、外面のみの一部もしくは全部に表面処理による処理皮膜が形成されている。
このため、処理水溶液を用いて表面処理を施すことによりハニカム板の最終製品を形成しようとする場合には、まず、上記ハニカム構造体、枠体、および各端面板を接着材により互いに接着することにより、上記ハニカム板を形成する。次に、特に、上記接着材周りに生じる隙間を通し、このハニカム板の内部空間に処理水溶液が浸入しないように十分に留意して、このハニカム板の外面にのみ表面処理を施し、この外面にのみ処理皮膜を形成すればよい。
よって、上記ハニカム板の各構成部品に個別に表面処理を施し、次に、これら各構成部品を接着材により互いに接着させていた従来の技術に比べて、上記各構成部品の個別の表面処理が不要となり、かつ、全体的な表面処理の面積が合理的に減少する分、上記ハニカム板の最終製品の形成作業が容易にできることとなる。
請求項2の発明は、上記ハニカム構造体、枠体、および各端面板をアルミニウム製としている。
このため、上記ハニカム板を陽極にして処理水溶液である電解質水溶液を電気分解すれば、上記ハニカム板の外面にのみ、処理皮膜であるアルマイト皮膜が形成される。よって、外面にのみアルマイト皮膜を有するハニカム板の最終製品の形成作業が容易にできる。
請求項3の発明は、上記枠体を一体的に形成している。
ここで、処理水溶液を用いることによりハニカム板の外面に表面処理を施してハニカム板の最終製品を形成しようとする場合、特に、上記枠体の構成部材同士の互いの対向部間の隙間を通し、上記処理水溶液がハニカム板の内部空間に浸入し易くなる傾向がある。
そこで、上記のように、枠体を一体的に形成したのであり、これにより、この枠体の構成部材同士の互いの対向部間に隙間が生じないようにすることが、より確実にできる。このため、上記処理水溶液を用いてハニカム板の外面に表面処理を施そうとする場合、上記処理水溶液がハニカム板の内部空間に浸入する、ということが防止される。よって、ハニカム板の外面にのみ、表面処理により処理皮膜を形成できる。
請求項4の発明は、請求項1に記載のハニカム板の形成方法であって、
上記ハニカム構造体、枠体、および各端面板を接着材により互いに接着して中間品を形成し、この中間品の外面につき、機械加工による仕上げ加工をした後、上記表面処理を施すようにしている。
上記ハニカム構造体、枠体、および各端面板を接着材により互いに接着して中間品を形成し、この中間品の外面につき、機械加工による仕上げ加工をした後、上記表面処理を施すようにしている。
このため、所望寸法精度を有し、かつ、表面処理されたハニカム板の最終製品が形成されることから、表面処理されたハニカム板の外面を仕上げ加工することは不要である。よって、所望寸法精度のハニカム板の最終製品を形成するようにした場合でも、この最終製品の耐蝕性や見栄えは良好に保たれる。
本発明のハニカム板に関し、表面処理を施すことによりハニカム板の最終製品を形成する場合に、この形成作業が容易にできるようにし、また、所望寸法精度のハニカム板の最終製品を形成するようにした場合でも、この最終製品の耐蝕性や見栄えが良好に保たれるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための最良の形態は、次の如くである。
即ち、ハニカム板は、多数のセルが規則正しい配列となるよう形成されたハニカム構造体と、上記各セルの孔芯の直交方向における上記ハニカム構造体の外縁部に沿って延び、このハニカム構造体を上記直交方向から取り囲む枠体と、上記孔芯に沿った孔芯方向における上記ハニカム構造体および枠体の各一端面に跨るように接着材により接着される端面板と、上記ハニカム構造体および枠体の各他端面に跨るように接着材により接着される他の端面板とを備えている。上記ハニカム板の内、外面のうち、外面のみの一部もしくは全部に表面処理による処理皮膜が形成されている。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例を添付の図に従って説明する。
図1,2において、符号1はハニカム板である。このハニカム板1は、例えば、液晶フィルムを保持するための定盤などに適用されるもので、基本的に軽量で剛性を有し、更に、良好な耐久性や見栄えを有して、各種分野に適用可能とされるものである。
上記ハニカム板1は、このハニカム板1を主構成し多数のセル2が規則正しい配列となるよう形成されたハニカム構造体3と、上記各セル2の互いに平行な孔芯4の直交方向における上記ハニカム構造体3の外縁部に沿って延び、上記ハニカム構造体3を上記直交方向から取り囲む枠体5と、上記孔芯4に沿った孔芯方向Aにおける上記ハニカム構造体3および枠体5の各一端面7,8に跨るように接着材9により接着される端面板10と、上記ハニカム構造体3および枠体5の各他端面11,12に跨るように接着材9により接着される他の端面板13とを備えている。上記ハニカム板1の内部空間14は密封空間とされている。
上記ハニカム構造体3は、上記孔芯方向Aに沿った視線でみて(図2)、矩形状とされ、上記孔芯方向Aでの一端面7と他端面11とは互いに平行に延び、平坦な板形状とされている。また、上記ハニカム構造体3は、それぞれ屈曲した薄板であるセル壁16により構成され、これらセル壁16により上記各セル2が形成されている。これらセル2の横断面は互いに同大の六角形状をなし、これらセル2は蜂の巣のように隙間なく規則正しく配列されている。
上記枠体5は、平面視で矩形枠形状とされ、この枠体5の内面は、上記ハニカム構造体3の外縁部の各端面に当接もしくは圧接している。上記枠体5は、その各辺を構成し、断面が矩形の複数(4本)の棒部材18を有している。これら各棒部材18の長手方向の各端部における互いの対向面は接着材9により接着されて、上記枠体5は一体的に形成されている。なお、上記枠体5は、額縁に見られるような継ぎ構造としてもよい。また、上記各棒部材18を互いに溶接することにより一体的に形成してもよく、一枚の板材に対しプレスによる打抜き加工などにより、継目なしに一体的に形成してもよい。また、上記各棒部材18の各端部は、かま継ぎやほぞ継ぎして接着材9により接着してもよい。
上記ハニカム構造体3の一端面7と他端面11とは、上記各端面板10,13と互いに直接当接もしくは圧接している。
上記枠体5に対し端面板10をより確実に固着させるための複数(4つ)の締結具20が設けられている。この締結具20のボルト21は、上記端面板10の各角部に形成されたボルト挿通孔22に挿通され、このボルト挿通孔22と同軸上で、上記枠体5に形成された有底のねじ孔23に螺合されている。
上記ハニカム構造体3、枠体5、および各端面板10,13は、アルミニウム、マグネシウム、チタン(その合金を含む)などの軽金属製とされている。また、接着材9は合成樹脂製のものが用いられるが、接着強度の他、耐蝕性、耐熱性に優れたものが好ましい。
上記ハニカム構造体3のセル壁16の厚さは、略0.07mm−0.2mmとされる。また、上記枠体5の各部断面は例えば、10mm−20mm□とされる。また、上記端面板10,13の厚さは、略1mm−3mmとされる。
上記ハニカム板1の内、外面のうち、外面のみの全部が表面処理されて、この外面の全部に処理皮膜26が形成され、これがハニカム板1の最終製品とされている。具体的には、上記ハニカム板1はアルミニウム製とされ、処理皮膜26は、陽極酸化皮膜であるアルマイト皮膜とされている。この処理皮膜26は、硬く、かつ、腐食し難いため、母材となるアルミニウムを保護してハニカム板1の耐蝕性を向上させる。また、上記処理皮膜26には、種々の着色が得られるため、ハニカム板1の見栄えの向上も達成される。
上記ハニカム板1の形成方法につき説明する。
まず、上記ハニカム構造体3、枠体5、および各端面板10,13をそれぞれ個別に形成する。次に、上記ハニカム構造体3と枠体5とを互いに嵌合させて嵌合体3,5を形成する。次に、この嵌合体3,5の一端面7,8と他端面11,12とにそれぞれ接着材9を塗布して、これに各端面板10,13を当接させ、3枚重ねにする。
次に、上記嵌合体3,5と各端面板10,13とによる3枚重ねのものに対し、プレス機により上記孔芯方向Aから面圧(略5×104Pa)をかけて、互いに圧接させ、かつ、接着させる。この際、上記ハニカム構造体3の各一端面7および他端面11と、各端面板10,13とは互いに直接金属接触することとされる。これにより、上記ハニカム板1の中間品が形成される。
次に、上記ハニカム板1の中間品の外面につき、機械加工による仕上げ加工をして、所望寸法精度のハニカム板1を形成する。この場合、図1中一点鎖線で示すように、上記ハニカム板1の外縁部が傾斜面27となるよう形成してもよい。
図3において、上記ハニカム板1の外面に表面処理を施すことによるハニカム板1の最終製品の形成方法につき説明する。
図3において、処理水溶液29を循環可能に貯留する処理水溶液槽30が設けられている。上記処理水溶液29は硫酸水溶液であるが、シュウ酸やリン酸などの電解質水溶液であってもよい。また、上記処理水溶液29中に設けられて、上記処理水溶液槽30に支持される陽電極31が設けられる。
また、上記表面処理がなされていないハニカム板1を上記処理水溶液29中に全体的に没入させた状態で支持する支持具32が設けられる。この支持具32は、上記ハニカム板1のボルト21に代えて、上記ねじ孔23に螺合される他のボルト33と、上記陽電極31に対し上記ボルト33を固着し、このボルト33を介し上記ハニカム板1を陽電極31に支持させる締結具34とを備えている。
上記ハニカム板1のハニカム構造体3、枠体5、および各端面板10,13は互いに通電可能である。そして、上記陽電極31により、上記支持具32を介しハニカム板1を陽極にして上記処理水溶液29を電気分解すれば、上記ハニカム板1の外面に酸化皮膜が形成される。次に、この酸化皮膜を封孔処理すれば、処理皮膜26であるアルマイト皮膜が形成される。これにより、上記ハニカム板1の最終製品が形成される。
なお、上記ハニカム板1の外面における表面処理は、上記外面の一部にのみ施してもよい。
上記構成によれば、ハニカム板1の内、外面のうち、外面のみの一部もしくは全部に表面処理による処理皮膜26が形成されている。
このため、処理水溶液29を用いて表面処理を施すことによりハニカム板1の最終製品を形成しようとする場合には、まず、上記ハニカム構造体3、枠体5、および各端面板10,13を接着材9により互いに接着することにより、上記ハニカム板1を形成する。次に、特に、上記接着材9周りに生じる隙間を通し、このハニカム板1の内部空間14に処理水溶液29が浸入しないように十分に留意して、このハニカム板1の外面にのみ表面処理を施し、この外面にのみ処理皮膜26を形成すればよい。
よって、上記ハニカム板1の各構成部品3,5,10,13に個別に表面処理を施し、次に、これら各構成部品を接着材9により互いに接着させていた従来の技術に比べて、上記各構成部品の個別の表面処理が不要となり、かつ、全体的な表面処理の面積が合理的に減少する分、上記ハニカム板1の最終製品の形成作業が容易にできることとなる。
また、前記したように、ハニカム構造体3、枠体5、および各端面板10,13をアルミニウム製としている。
このため、上記ハニカム板1を陽極にして処理水溶液29である電解質水溶液を電気分解すれば、上記ハニカム板1の外面にのみ、処理皮膜26であるアルマイト皮膜が形成される。よって、外面にのみアルマイト皮膜を有するハニカム板1の最終製品の形成作業が容易にできる。
また、前記したように、枠体5を一体的に形成している。
ここで、処理水溶液29を用いることによりハニカム板1の外面に表面処理を施してハニカム板1の最終製品を形成しようとする場合、特に、上記枠体5の構成部材(棒部材18)同士の互いの対向部間の隙間を通し、上記処理水溶液29がハニカム板1の内部空間14に浸入し易くなる傾向がある。
そこで、上記のように、枠体5を一体的に形成したのであり、これにより、この枠体5の構成部材(棒部材18)同士の互いの対向部間に隙間が生じないようにすることが、より確実にできる。このため、上記処理水溶液29を用いてハニカム板1の外面に表面処理を施そうとする場合、上記処理水溶液29がハニカム板1の内部空間14に浸入する、ということが防止される。よって、ハニカム板1の外面にのみ、表面処理により処理皮膜26を形成できる。
また、前記したように、ハニカム板の形成方法として、上記ハニカム構造体3、枠体5、および各端面板10,13を接着材9により互いに接着して中間品を形成し、この中間品の外面につき、機械加工による仕上げ加工をした後、上記表面処理を施すようにしている。
このため、所望寸法精度を有し、かつ、表面処理されたハニカム板1の最終製品が形成されることから、表面処理されたハニカム板1の外面を仕上げ加工することは不要である。よって、所望寸法精度のハニカム板1の最終製品を形成するようにした場合でも、この最終製品の耐蝕性や見栄えは良好に保たれる。
なお、以上は図示の例によるが、セル2は六角形状に限定されるものではなく、矩形などであってもよい。また、上記ハニカム構造体3、および各端面板10,13は平板形状に限定されるものではなく、皿形状や椀形状など、屈曲していてもよく、平面視で円形や多角形などであってもよい。また、上記枠体5は樹脂製であってもよい。また、この枠体5の一端面8や他端面12に溝を形成して、Oリングを嵌入し、この枠体5と各端面板10,13との間のシール性を向上させてもよい。また、上記内部空間14は、ハニカム板1の表面処理時に、処理水溶液29が浸入しない構造であれば、密閉空間でなくてもよく、つまり、ハニカム板1に形成された連通孔により大気側に連通していてもよい。
また、上記表面処理は、化成処理や化学メッキなど、処理水溶液29を用いて行う化学反応によるものでもよい。また、物理的、化学的蒸着による表面処理であってもよく、イオンビームによる表面処理であってもよい。
1 ハニカム板
2 セル
3 ハニカム構造体
4 孔芯
5 枠体
7 一端面
8 一端面
9 接着材
10 端面板
11 他端面
12 他端面
13 端面板
14 内部空間
16 セル壁
18 棒部材
20 締結具
26 処理皮膜
29 処理水溶液
A 孔芯方向
2 セル
3 ハニカム構造体
4 孔芯
5 枠体
7 一端面
8 一端面
9 接着材
10 端面板
11 他端面
12 他端面
13 端面板
14 内部空間
16 セル壁
18 棒部材
20 締結具
26 処理皮膜
29 処理水溶液
A 孔芯方向
Claims (4)
- 多数のセルが規則正しい配列となるよう形成されたハニカム構造体と、上記各セルの孔芯の直交方向における上記ハニカム構造体の外縁部に沿って延び、このハニカム構造体を上記直交方向から取り囲む枠体と、上記孔芯に沿った孔芯方向における上記ハニカム構造体および枠体の各一端面に跨るように接着材により接着される端面板と、上記ハニカム構造体および枠体の各他端面に跨るように接着材により接着される他の端面板とを備えたハニカム板において、
上記ハニカム板の内、外面のうち、外面のみの一部もしくは全部に表面処理による処理皮膜が形成されていることを特徴とするハニカム板。 - 上記ハニカム構造体、枠体、および各端面板をアルミニウム製としたことを特徴とする請求項1に記載のハニカム板。
- 上記枠体を一体的に形成したことを特徴とする請求項1、もしくは2に記載のハニカム板。
- 請求項1に記載のハニカム板の形成方法であって、
上記ハニカム構造体、枠体、および各端面板を接着材により互いに接着して中間品を形成し、この中間品の外面につき、機械加工による仕上げ加工をした後、上記表面処理を施すようにしたことを特徴とするハニカム板の形成方法。
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