JP2006283157A - 表面処理用治具および表面処理方法 - Google Patents

表面処理用治具および表面処理方法 Download PDF

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Hirofumi Fujikawa
洋文 藤川
Kazuyoshi Nishizawa
和由 西沢
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Abstract

【課題】ワークの片面のみに表面処理を施す場合に、処理後に廃材となるマスキングシートを使用せずに、非処理面を処理液から確実に遮断できる表面処理用治具を提供する。
【解決手段】板状ワークの片面に処理用流体を接触させて表面処理する際に2枚のワークS1,S2を重ねた状態に拘束する治具であって、第1ワークS1の処理面A1の周縁部に当接する受け部11を有する基枠10と、第1ワークS1の非処理面B1と第2ワークS2の非処理面B2との間に配置し、非処理面B1,B2を処理用流体から遮断する環状の中間シール材20と、第2ワークS2の処理面A2の周縁部に当接する押し枠30と、前記押し枠30を基枠10側に押し付けた状態に拘束する拘束手段とを備えることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

この発明は、陽極酸化処理等の表面処理時にワークを拘束する表面処理用治具およびこの治具を用いた表面処理方法に関する。
金属板のめっきや陽極酸化処理等のバッチ式表面処理において、片面のみを処理するには、非処理面にマスキングシートを貼着して処理液に浸漬し、処理後にマスキングシートを剥離する方法が採用されている。また、2枚のワークを同時に処理する場合は、非処理面を背中合わせに配置し、両者の両端エッジ部をマスキングシートで接封着する方法が提案されている(特許文献1,2参照)。
特開平7−173672号公報 特開平11−61482号公報
しかしながら、上記方法では、処理後にマスキングシートを剥離するのに手間がかかり、しかも剥離したマスキングシートを繰り返し使用できないために、作業量に比例した廃材が発生するという問題点があった。また、2枚のワークを背中合わせに配置して処理する場合は、廃材量は少なくなるものの、エッジ部を封着したマスキングシートに処理液が浸透することがあり、洗浄工程の追加が必要となることがあった。
本発明は、上述した背景技術に鑑み、ワークの片面のみに表面処理を施す場合に、処理後に廃材となるマスキングシートを使用せずに、非処理面を処理液から確実に遮断できる表面処理用治具を提供し、かつこの治具を用いた表面処理方法の提供を目的とする。
即ち、本発明の表面処理用治具は、下記〔1〕〜〔8〕に記載の構成を有する。
〔1〕 板状ワークの片面に処理用流体を接触させて表面処理する際に、2枚のワークを重ねた状態に拘束する治具であって、
第1ワークの処理面の周縁部に当接する受け部を有する基枠と、第1ワークの非処理面と第2ワークの非処理面との間に配置し、非処理面を処理用流体から遮断する環状の中間シール材と、第2ワークの処理面の周縁部に当接する押し枠と、前記押し枠を基枠側に押し付けた状態に拘束する拘束手段とを備えることを特徴とする表面処理用治具。
〔2〕 前記基枠は、受け部から押し枠側に突出するガイド部を有する前項1に記載の表面処理用治具。
〔3〕 前記基枠は、第1ワークおよび第2ワークの形状に対応する環状体である前項1または2に記載の表面処理用治具。
〔4〕 前記基枠を構成する環状体は、周方向において複数の部材に分割される前項3に記載の表面処理用治具。
〔5〕 前記中間シール材は、外周面に、処理用流体の浸入方向に並んだ複数の突起を有する前項1〜4のいずれか1項に記載の表面処理用治具。
〔6〕 前記中間シール材は、外周面に溝が形成されたスペーサと、この溝に装着されるシール材とからなる前項1〜4のいずれか1項に記載の表面処理用治具。
〔7〕 前記拘束手段は、前記基枠を固定する外枠と、この外枠に取付けられ、前記押し枠に押し付け力を付与する押し付け手段とからなる前項1〜6のいずれか1項に記載の表面処理用治具。
〔8〕 前記基枠と第1ワークとの間に配置されるシール材、および前記押し枠と第2ワークとの間に配置されるシール材を備える前項1〜7のいずれか1項に記載の表面処理用治具。
本発明の表面処理方法は、下記〔9〕〜〔11〕に記載の構成を有する。
〔9〕 前項1〜8のいずれか1項に記載された表面処理用治具を用いて2枚のワークを重ねた状態に拘束し、第1ワークの処理面および第2ワークの処理面に処理用流体を接触させることにより、第1ワークおよび第2ワークの片面に表面処理を施すことを特徴とする表面処理方法。
〔10〕 前記処理用流体は液体である前項9に記載の表面処理方法。
〔11〕 前記ワークはアルミニウムまたはその合金である前項9または10に記載の表面処理方法。
本発明の陽極酸化処理用治具は、下記〔12〕に記載の構成を有する。
〔12〕 前項1〜8のいずれか1項に記載された表面処理用治具が陽極酸化処理用治具であって、基枠と押し枠との間に配置され、第1ワークおよび第2ワークに接続される電極を備えることを特徴とする陽極酸化処理用治具。
本発明の陽極酸化処理用方法は、下記〔13〕〔14〕に記載の構成を有する。
〔13〕 前項12に記載された陽極酸化処理用治具を用いて2枚のワークを重ねた状態に拘束し、電極を陽極に接続するとともに、第1ワークの処理面および第2ワークの処理面に陰極に接続される電解液を接触させることにより陽極酸化処理を施し、第1ワークおよび第2ワークの片面に陽極酸化皮膜を形成することを特徴とする陽極酸化処理方法。
〔14〕 前記ワークはアルミニウムまたはその合金である前項13に記載の陽極酸化処理方法。
本発明のアルミニウム板は下記〔15〕に記載の構成を有する。
〔15〕 前項11に記載された表面処理方法または前項14に記載された陽極酸化処理方法によって表面処理されたことを特徴とするアルミニウム板。
本発明のプリント回路用アルミニウム基板は下記〔16〕に記載の構成を有する。
〔16〕 前項15に記載のアルミニウム板を備えたことを特徴とするプリント基板。
〔1〕の発明に係る表面処理用治具によれば、基枠と押し枠との間に拘束した2枚のワークのそれぞれ処理面のみを露出させ、非処理面を外部から遮断することができる。このため、処理用流体をワークの処理面に接触させて片面のみに表面処理を施すことができる。また、また、表面処理用治具は繰り返し使用できるため、廃材も生じない。
〔2〕の発明によれば、基枠上において、2枚のワーク、中間シール材、押し枠を容易に位置決めすることができる。
〔3〕の発明によれば、ワークの非処理面の全周を確実に遮断できる。
〔4〕の発明によれば、表面処理後のワークの取出し作業が容易である。
〔5〕の発明によれば、ワークの非処理面間において高い気密性が得られる。
〔6〕の発明によれば、中間シール材の位置精度が良い。
〔7〕の発明によれば、基枠と押し枠との間にワークを確実かつ容易に拘束できる。
〔8〕の発明によれば、基枠とワークの間、および押し枠とワークの間の面圧を緩和することができる。
〔9〕の発明に係る表面処理方法によれば、ワークの片面のみに効率良く表面処理を施すことができる。
〔10〕の発明によれば、液体を用いた表面処理により、ワークの片面のみに効率良く表面処理を施すことができる。
〔11〕の発明によれば、アルミニウムまたはその合金からなるワークの片面のみに表面処理を施すことができる。
〔12〕の発明に係る陽極酸化処理用治具によれば、ワークの片面のみに陽極酸化処理を施すことができる。
〔13〕の発明に係る陽極酸化処理方法によれば、ワークの片面のみに効率良く陽極酸化処理を施して皮膜を形成することができる。
〔14〕の発明によれば、アルミニウムまたはその合金からなるワークの片面のみに効率良く陽極酸化処理を施して皮膜を形成することができる。
〔15〕の発明に係るアルミニウム板は、片面のみに表面処理、あるいは陽極酸化処理がなされたものである。
〔16〕の発明にかかるプリント基板は、基板として前項15に記載のアルミニウム板を用いたものであるから、一面側においては絶縁層との高い密着性が得られ、他面側においては高い耐エッチング性が得られる。
本発明において、表面処理は、液体または気体の処理用流体をワークの表面に接触させることによって行う。処理用流体の接触方法は、重ねた状態に拘束したワークを処理用液体中に浸漬する、あるいは処理用気体を満たしたチャンバー内に入れる方法に限定されず、処理用流体を塗布したり吹き付ける場合も本発明に含まれる。また、ワークの材質は何ら限定されず、アルミニウムまたはその合金等の各種金属、樹脂、セラミックス、ガラス等の表面処理に広く用いることができる。具体的な表面処理として、陽極酸化処理、メッキ、エッチング、電解研磨、化成処理、塗装等の表面処理を例示できる。
図1〜3に、本発明の表面処理用治具(1)の一例を示す。
表面処理用治具(1)は、基枠(10)、中間シール材(20)、押し枠(30)および拘束手段(40)によって構成されている。また、この治具(1)によって拘束される第1ワーク(S1)および第2ワーク(S2)は同一寸法の角形平板であり、処理面を(A1)(A2)、非処理面を(B1)(B2)とする。
基枠(10)は、角形の環状体であり、ワーク(S1)処理面(A1)の周縁部に当接して支持する受け部(11)と、この受け部(11)の外周縁から押し枠方向(30)に直角に突出するガイド部(12)とにより構成され、断面L字形に形成されている。前記受け部(11)の支持面寸法、換言すれば対向するガイド部(12)間の内法寸法は、第1および第2ワーク(S1)(S2)よりも僅かに大きく形成され、ガイド部(12)の高さは2枚のワーク(S1)(S2)と中間シール材(20)の合計厚さよりも高く形成されている。
中間シール材(20)は、2つのワーク(S1)(S2)の間に配置される断面角形の角環状弾性体であり、ワークとほぼ同等の寸法に形成されている。
押し枠(30)は、前記基枠(10)のガイド部(12)内に納まる寸法に形成された角環体である。
前記表面処理用治具(1)によるワーク(S1)(S2)の拘束方法は以下のとおりである。
図1に示すように、前記基枠(10)内に、処理面(A1)を受け部(11)側に向けた第1ワーク(S1)、中間シール材(20)、非処理面(B2)を中間シール材(20)側に向けた第2ワーク(S2)、押し枠(30)の順に重ねて入れる。即ち、2枚のワーク(S1)(S2)を中間シール材(20)を介して非処理面(B1)(B2)を背中合わせにし、処理面(A1)(A2)を外側に向けて重ねる。ガイド部(12)によってワーク(S1)(S2)、中間シール材(20)、押し枠(30)が位置ずれすることはなく、容易に適正位置にセットすることができる。そして、前記押し枠(30)を矢印方向に基枠(10)側に押し付けることにより、2枚のワーク(S1)(S2)は、中間シール材(20)の厚さ分の空間(D)を隔てて拘束される。この拘束状態において、第1ワーク(S1)の処理面(A1)は基枠(10)の受け部(11)の内側部分(C1)が露出し、第2ワーク(S2)の処理面(A2)の押し枠(30)の内側部分(C2)とが露出している。一方、第1ワーク(S1)の非処理面(B1)と第2ワーク(S2)の非処理面(B2)は、押し付け力による圧縮力を受けた中間シール材(20)が密着して外部から遮断され、前記空間(D)は気密状態となる。また、環状の基枠(10)および押し枠(30)を用いることにより、ワーク(S1)(S2)の全周において中間シール材(20)が押し付けられているため、前記空間(D)は確実に遮断される。
基枠(10)および押し枠(30)の拘束手段としては、基枠(10)を支点として押し枠(30)を基枠(30)側に押し付けるものであれば限定されず、処理用流体の性状により、ネジ締め、バネ、カム、圧縮駆動、電磁駆動等を利用したものを適宜利用できる。図3に例示した拘束手段(40)は、外枠(41)内に基枠(10)を固定するとともに、外枠(41)の押し枠(30)側の側面に挟み腕(42)の基端部を回動可能に取り付け、挟み腕(42)の先端側に取り付た押し付け用ネジ(43)を締めることによって押し付け用ネジ(43)の先端で押し枠(30)を基枠(10)側に押し付けるようにしたものである。また、押し付け用ネジ(43)は、押し枠(30)を介して中間シール材(20)と同一ライン上に配置することによって前記空間(D)の気密性を高めることができる。図3において、(44)は基枠(10)を外枠(41)内に固定するためのネジであり、(45)は挟み腕(42)を外枠に回動可能に取り付けるためのネジである。このような拘束手段(40)を周方向の複数箇所に取り付けることにより、基枠(10)と押し枠(30)を拘束してこれらの間にワーク(S1)(S2)を固定するとともに、ワーク(S1)(S2)と中間シール材(20)との密着性を高めて、非処理面(B1)(B2)における気密性を高めることができる。また、前記拘束手段(40)においては、押し付け用ネジ(43)を緩めて挟み腕(42)を回動させれば、押し枠(30)やワーク(S1)(S2)の出し入れを行うことができる。このような構造の拘束手段(40)は、ワークを確実かつ容易に拘束できる。
前記表面処理用治具(1)で拘束した2つのワーク(S1)(S2)を表面処理用流体中に投入すると、処理面(A1)(A2)の露出部分(C1)(C2)に流体が接触し、流体によって表面処理がなされる。一方、非処理面(B1)(B2)は、中間シール材(20)によって処理用流体から遮断されているので表面処理はなされない。処理後、拘束を解き、片面のみに表面処理がなされたワーク(S1)(S2)を取り出し、必要ならば適宜洗浄等を行う。従来方法(特許文献1,2参照)のように、マスキングシートの貼り付け作業および剥離作業が不要である。また、前記表面処理用治具(1)は繰り返し使用できるため、処理後に廃材も生じない。また、2枚のワークを同時に処理できる点でも効率が良い。
本発明において、基枠を周方向に複数個の部材に分割することも好ましい。図4に示した基枠(50)は、四角形のワーク(S1)(S2)の各辺に対応する4個の基枠部材(51)(52)(53)(54)に分割されたものであり、それぞれに受け部(11)とガイド部(12)を有している。分割された基枠(50)では、処理後に基枠(50)を分割することによって容易にワーク(S1)(S2)を取り出すことができる。また、長さの異なる複数の部材を準備しておけば、部材を適宜組み合わせることにより、大きさの異なるワークに適用できる。なお、分割された基枠(50)を用いる場合であっても、押し枠は環状のもの、分割したもののいずれでも用いることができる。
なお、ワークの非処理面における気密性を確保できる限り、基枠は必ずしもワークの全周に存在していなくても良い。また、基枠はガイド部を有さず受け部のみものも本発明に含まれる。上述したように、ガイド部は、ワークの位置ずれ防止に効果がある。前記基枠の材質は処理用流体によって腐食したり変形したりしないものであれば良く、処理用流体に応じて適宜選定すれば良い。樹脂、金属、セラミック等を例示でき、アルミニウム材の陽極酸化処理であれば、アルミニウム合金、チタン合金、耐薬品性のある熱硬化性樹脂を推奨できる。また、押し枠および、外枠の材質も基枠の材質に準じる。
中間シール材の形状は、図1〜3に例示した断面角形のものに限定されず、他の形状として図5A図5Cのシール材を例示できる。図5Aの中間シール材(21)は断面円形である。図5Bの中間シール材(22)は外周面に複数の突起(23a)(23b)を有するものである。このように処理用流体の浸入方向に複数の突起を形成することにより、処理用流体が外側の突起(23a)を越えて浸入してきた場合にも内側の突起(23b)で遮断することができ、気密性が保障される。また、図5Cの中間シール材は、スペーサ(24)の外周面に溝(25)を形成し、この溝(25)にシール材(26)を嵌入したものである。このように、シール材(26)よりも剛性のあるスペーサ(24)を用いることにより、中間シール材の配置位置の位置精度を高めることができる。中間シール材(20)(21)(22)およびシール材(26)の材質は、処理用流体に対する耐食性や耐変形性を有するとともに、ワーク(S1)(S2)に対する気密性を確保するために弾性体を用いることが好ましい。中間シール材(20)(21)(22)の材質として、FKM(フッ素ゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)等を例示できる。上述した基枠の材質に準じる。また、スペーサー(24)の材質は上述した基枠の材質に準じる。が好ましい。
押し枠は、図1に例示した断面角形の押し枠に限定されない。他の形状として、図6に示す、押し付け本体(32)の外面に拘束手段(40)の押し付けネジ(43)を受けるためのアーム(33)を突設した断面L形の押し枠(31)を例示できる。
ワークの形状は図示例の四角形の平板(S1)(S2)に限定されず、基枠の平面形状の変更により円形、多角形、不定形等の任意形状の板状ワークの表面処理に用いることができる。さらに、板状であれば良く、平板にも限定されない。基枠とワークの間、押し枠とワークの間、2つのワークの間に適宜スペーサを追加すれば曲がり板の表面処理にも用いることができる。また、2枚のワークは中間シール材の介在により互いに離れているため、非処理面に凹凸があっても支障なく拘束でき、処理用流体を確実に遮断することができる。
上述した表面処理方法においては、2枚のワーク(S1)(S2)の間の空間(D)に圧縮空気等の加圧気体を封入しておくことも好ましい。加圧気体を封入して内部圧力を高めることにより、内部の気密性が高まり処理用流体の浸入防止効果を高めることができる。ワーク(S1)(S2)間に加圧気体を封入する方法として、図5Cに示すようなシール材(26)を装着するスペーサ(24)に貫通孔を設け、この貫通孔から気体を供給し、表面処理時に貫通孔を閉じる方法を例示できる。
また、表面処理方法の種類に応じて部材や治具を適宜追加することができる。例えば、陽極酸化処理用治具として用いる場合は、図6に示すように、基枠(10)と押し枠(31)との間にワーク(S1)(S2)に当接する電極(55)を配置し、この電極(55)を図外の陽極に接続する。そして、拘束した2枚のワーク(S1)(S2)を陰極に接続した電解液(処理用流体)に中に入れて陽極酸化処理を施すと、電解液に接触する処理面(A1)(A2)において酸化皮膜が形成され、空間(D)によって絶縁されている非処理面(B1)(B2)には形成されない。
また、表面処理方法の種類にかかわらず、基枠(10)とワーク(S1)の間や押し枠(31)とワーク(S2)の間に弾性体からなるシール材(27)を配置することも好ましい。前記シール材(27)により、面圧を緩和してワーク(S1)(S2)の損傷を防止でき、かつ、処理用流体が中間シール材(21)に達するまでの段階で浸入を食い止めることができる。また、ワーク(S1)(S2)の位置決めや拘束状態を安定させるためのスペーサも適宜追加することができる。
上述したように、本発明の治具を用いてワークの片面のみに表面処理を施すことができるから、単一処理で片面に所望の表面処理を施すことはもとより、2工程の処理で両面に順次異なる処理をしたり、他の処理と組み合わせることによって両面に異なる表面処理を施すことができる。
例えば、第1工程および第2工程において本発明の表面処理用治具で2枚のワークを拘束するものとし、第1工程では電解液としてリン酸を用いて陽極酸化処理を施し、第2工程でワークを裏返し、電解液として硫酸を用いて陽極酸化処理を施せば、ワークの一面側にリン酸皮膜を形成し、他面側に硫酸皮膜を形成することができる。
また、プリント基板に用いられるプリント回路用アルミニウム基板においては、一面側に、絶縁層との密着性を高めるために薄い陽極酸化皮膜を形成し、他面側に、耐エッチング性を高めるために厚い陽極酸化皮膜を形成することがある。このような場合、第1工程で本発明の治具を用いて片面に陽極酸化皮膜を形成し、第2工程では治具を用いずに両面に陽極酸化処理を施すことにより、第1工程により形成した皮膜が第2工程で成長し(他面側)、第2工程のみで形成した皮膜(一面側)よりも厚くすることができる。また、第1工程で片面のみに硫酸陽極酸化処理を施し、第2工程で両面にリン酸陽極酸化処理を施せば、ワークの一面側にリン酸皮膜が形成され、他面側では硫酸皮膜上にリン酸皮膜が積層された複合皮膜が形成される。
本発明の表面処理用治具で2枚のワークを拘束すれば、ワークの片面のみを露出させて表面処理を施すことができるから、単一処理による片面処理の他、2工程の処理で両面に順次異なる処理をしたり、あるいは他の処理と組み合わせることによって両面に異なる表面処理を施すことができる。
本発明の表面処理用治具の構成例とワークの位置を示す分解斜視図である。 図1の2−2線断面図である。 拘束手段を含む表面処理用治具の部分断面図である。 他の基枠例とワークの配置を示す部分斜視図である。 他の中間シール材を用いた表面処理用治具の断面図である。 他の中間シール材を用いた表面処理用治具の断面図である。 他の中間シール材を用いた表面処理用治具の断面図である。 本発明の表面処理用治具の他の構成例を示す断面図である。
符号の説明
S1,S2…ワーク
A1,A2…処理面
B1,B2…非処理面
1…表面処理用治具
10,50…基枠
20,21,22…中間シール材
23a,23b…突起
24…スペーサ(中間シール材)
25…溝(中間シール材)
26…シール材(中間シール材)
30,31…押し枠
40…拘束手段
41…外枠
43…押し付け用ネジ(押し付け手段)

Claims (16)

  1. 板状ワークの片面に処理用流体を接触させて表面処理する際に、2枚のワークを重ねた状態に拘束する治具であって、
    第1ワークの処理面の周縁部に当接する受け部を有する基枠と、第1ワークの非処理面と第2ワークの非処理面との間に配置し、非処理面を処理用流体から遮断する環状の中間シール材と、第2ワークの処理面の周縁部に当接する押し枠と、前記押し枠を基枠側に押し付けた状態に拘束する拘束手段とを備えることを特徴とする表面処理用治具。
  2. 前記基枠は、受け部から押し枠側に突出するガイド部を有する請求項1に記載の表面処理用治具。
  3. 前記基枠は、第1ワークおよび第2ワークの形状に対応する環状体である請求項1または2に記載の表面処理用治具。
  4. 前記基枠を構成する環状体は、周方向において複数の部材に分割される請求項3に記載の表面処理用治具。
  5. 前記中間シール材は、外周面に、処理用流体の浸入方向に並んだ複数の突起を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の表面処理用治具。
  6. 前記中間シール材は、外周面に溝が形成されたスペーサと、この溝に装着されるシール材とからなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の表面処理用治具。
  7. 前記拘束手段は、前記基枠を固定する外枠と、この外枠に取付けられ、前記押し枠に押し付け力を付与する押し付け手段とからなる請求項1〜6のいずれか1項に記載の表面処理用治具。
  8. 前記基枠と第1ワークとの間に配置されるシール材、および前記押し枠と第2ワークとの間に配置されるシール材を備える請求項1〜7のいずれか1項に記載の表面処理用治具。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載された表面処理用治具を用いて2枚のワークを重ねた状態に拘束し、第1ワークの処理面および第2ワークの処理面に処理用流体を接触させることにより、第1ワークおよび第2ワークの片面に表面処理を施すことを特徴とする表面処理方法。
  10. 前記処理用流体は液体である請求項9に記載の表面処理方法。
  11. 前記ワークはアルミニウムまたはその合金である請求項9または10に記載の表面処理方法。
  12. 請求項1〜8のいずれか1項に記載された表面処理用治具が陽極酸化処理用治具であって、基枠と押し枠との間に配置され、第1ワークおよび第2ワークに接続される電極を備えることを特徴とする陽極酸化処理用治具。
  13. 請求項12に記載された陽極酸化処理用治具を用いて2枚のワークを重ねた状態に拘束し、電極を陽極に接続するとともに、第1ワークの処理面および第2ワークの処理面に陰極に接続される電解液を接触させることにより陽極酸化処理を施し、第1ワークおよび第2ワークの片面に陽極酸化皮膜を形成することを特徴とする陽極酸化処理方法。
  14. 前記ワークはアルミニウムまたはその合金である請求項13に記載の陽極酸化処理方法。
  15. 請求項11に記載された表面処理方法または請求項14に記載された陽極酸化処理方法によって表面処理されたことを特徴とするアルミニウム板。
  16. 請求項15に記載のアルミニウム板を備えたことを特徴とするプリント基板。
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