しかしながら、特許文献1に記載の上記従来の高圧均質化装置による方法は、原料としての繊維状セルロースの懸濁液に高圧をかけてバルブシートと弁体との間に形成される細いオリフィスを通過させることにより高圧力差にて原料を細分化させるものであり、バルブシートに弁をただ単に直線状に押付ける方策としては、ピストンを有するシリンダーの駆動力を用いてバルブシートに弁を押付けたり、またはスプリングのばね附勢力によりバルブシートに弁を押付けることにより内圧を調整するものであるため、微細なオリフィスの間隙を確保するのが難しく、原料の細分化のための処理精度が悪いものであった。そして、オリフィスの間隙が狭いと、懸濁液中の原料がオリフィスに詰まり易く、充分な吐出圧にてオリフィスを通過することができないため、原料の細分化処理に支障を来す。また、オリフィスの間隙が広過ぎると、原料がオリフィスを通過して洩れ出してしまうので、原料の細分化処理が高精度にできずに、原料の細分化のための精度が損なわれる。
また、懸濁液は粘性を有するものがあり、微細間隙のオリフィスが詰まり易いので、原料がオリフィスを通過することができず、原料の細分化が行えない。そして、オリフィスが詰まった場合には、高圧均質化装置を分解し、内部の清掃を頻繁に行わなければならなかった。しかも、分解した後の再度の組立を行わなければならないので、保守・管理が容易には行えなかった。
さらには、バルブシートに弁を押付ける方策として、シリンダーの駆動力を用いるものは、微細間隙のオリフィスを形成するためのシリンダーによる小刻みの制御が難しく、連続運転を行うのに不適であった。また、スプリングのばね附勢力によりバルブシートに弁を押付ける他の方策は、スプリングのばね附勢力の選定が難しく、バルブの開閉が完全には行えないため、高圧下において処理すべき原料が漏洩したり、高圧を発生させるのが困難になることも、原料の細分化処理効率を低くする一因であった。
しかも、バルブを形成するための部品が損壊し易く、機械的な寿命に難点があった。このため、新たな部品の交換、取り替え作業が頻繁に必要になるとともに多くの労力と手間がかかり、保守・管理が容易ではなく、さらには多くの経費がかかっていた。
本発明は上記従来の欠点を解決し、オリフィスの微細な間隙の確保が容易であって原料の不用意な漏れ出しがなく、しかも、懸濁液が粘性がある場合にも、オリフィスに原料が詰まることなく、原料の処理や細分化が高精度に効率良く行え、さらには、構造簡単にして部品の磨耗や損壊が少なく、機械的寿命も長命であり、部品の交換・取り替え作業が簡単に行え、保守・管理に優れた高圧均質化装置の噴射弁、および噴射弁ユニットを提供することを目的とする。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、請求項1に記載の発明は、微細な固形体、繊維状セルロース、細胞等よりなる原料を液体中に含む懸濁液よりなる原料を高圧力の下で高圧均質化機構部に設けた小径のオリフィスを高速度にて通過させることにより原料を分散、乳化、細胞膜破砕等の処理や細分化を行う高圧均質化装置の噴射弁において、
原料導入通路を内部に有する固定系部材と、
該固定系部材の軸長方向には該固定系部材に対向して回動自在、または揺動自在、さらには脈動自在に設けられた可動系部材とを備え、
前記オリフィスが、前記固定系部材の前記原料導入通路の一端が臨まれる固定側端面部と、該固定系部材に対向して前記可動系部材の一端に設けた可動側端面部との間に挟小の間隙にて構成されるとともに、
前記オリフィスは、外周に配設される衝突壁を介して二次側に配した原料処理通路に連通可能に設けられた
ことを特徴とする。
また、本発明の請求項2に記載の発明は、微細な固形体、繊維状セルロース、細胞等よりなる原料を液体中に含む懸濁液よりなる原料を高圧力の下で高圧均質化機構部に設けた小径のオリフィスを高速度にて通過させることにより原料を分散、乳化、細胞膜破砕等の処理や細分化を行う高圧均質化装置の噴射弁において、
原料導入通路を内部に有する固定系部材と、
該固定系部材の軸長方向には該固定系部材に対向して回動自在、または揺動自在、さらには脈動自在に設けられた可動系部材と、
増圧機構部の原料圧縮圧が所定の設定圧であることを検知する圧力センサと、
該圧力センサが検知する検知信号に基ずいて前記可動部材を正転、逆転、または揺動、さらには脈動させる駆動源としてのモータとを備え、
前記オリフィスが、前記固定系部材の前記原料導入通路の一端が臨まれる固定側端面部と、該固定側端面部に対向して前記可動系部材の一端に設けた可動側端面部との間に挟小の間隙にて構成されるとともに、
前記オリフィスは、外周に配設される衝突壁を介して二次側に配した原料処理通路に連通可能に設けられた
ことを特徴とする。
また、本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、前記固定系部材と、前記可動系部材とは、一側に前記原料導入通路に連通する原料導入口を設け、他側には前記オリフィスに連通する原料排出口が設けられたシリンダーケース内に収容されることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1−3の何れかにおいて、前記固定系部材が、シリンダーケース内に収嵌されるバルブシートであることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1−4の何れかにおいて、前記可動系部材が軸弁であり、該軸弁はころがり軸受手段を介して前記シリンダーケース内に回転可能、または揺動可能、さらには脈動可能に支持されるとともに、モータの駆動力により他端に配設された回転伝達部品を介して回転自在、または揺動自在、さらには脈動自在に設けられたことを特徴とする。
また、本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1−5の何れかにおいて、前記可動系部材は、前記固定系部材の小径収容孔内に遊挿される先端部が設けられたことを特徴とする。
また、本発明の請求項7に記載の発明は、請求項1−6の何れかにおいて、前記可動系部材は、軸線に対して僅かな傾斜角の尖鋭な外周面の先端部が設けられ、該先端部は内周が傾斜内面を有する小径収容孔内に遊挿されることを特徴とする。
また、本発明の請求項8に記載の発明は、請求項1−7の何れかにおいて、前記可動系部材は、先端部材の外周面が、軸線に対して1度〜20度に形成されることを特徴とする。
また、本発明の請求項9に記載の発明は、請求項1−8の何れかにおいて、前記可動系部材が、軸弁の長手方向の他端延長線上に設けたシリンダーの押圧力により前記固定系部材に対して僅かに前進又は後退されることによりオリフィスの間隙は広狭調整されることを特徴とする。
また、本発明の請求項10に記載の発明は、請求項1−9の何れかにおいて、先端部が、可動系部材の内部軸線上に配挿される取付ボルトの先端が螺入されることにより可動系部材に着脱可能に取付けられ、超硬合金により形成された先端部材であることを特徴とする。
また、本発明の請求項11に記載の発明は、請求項1−10の何れかにおいて、前記シリンダーケースが、一側に原料導入通路に連通する原料導入口を設け、前記オリフィスの後段には原料排出口が設けられ、内部にはバルブシートに対して可動系部材を前進および後退させて前記オリフィスの間隙を調整する方向切り換え通路部を設けるとともに、数個のシリンダーケースブロック体に軸長方向に分割され、該シリンダーケースブロック体は結合手段を介して1まとめに軸長方向に連結可能に設けられることを特徴とする。
また、本発明の請求項12に記載の発明は、請求項11において、前記シリンダーケースが、前記オリフィスが内部に形成される内圧調整弁設置区域部を有するシリンダーケースブロック体と、前記モータの駆動力を回転伝達部品を介して導入する動力導入区域部を有するシリンダーケースブロック体と、前記可動系部材に圧力を与えて固定系部材としてのバルブシートに対して前進させる前進圧力導入通路部、及び/又は前記可動系部材に圧力を与えてバルブシートに対して後退させる後退圧力導入通路部を内部に形成する前記方向切り換え通路部を有した他のシリンダーケースブロック体と、を軸長方向に少なくとも連結したことを特徴とする。
また、本発明の請求項13に記載の発明は、請求項11または12において、数個の前記シリンダーケースブロック体は、任意の1つのシリンダーケースブロック体の一側または両側に左右均衡して突出された複数本の案内ロッドが残りのシリンダーケースブロック体内にベアリングを介して軸長方向に移動可能に貫通され、前記結合手段による緊結が解除されることにより、残りの前記シリンダーケースブロック体は、前記案内ロッドに案内移動されて分離されることを特徴とした。
また、本発明の請求項14に記載の発明は、請求項11−13の何れかにおいて、数個の前記シリンダーケースブロック体が、原料を分散、乳化、細胞破砕等の処理や細分化を行う通常時には、前記案内ロッドに移動可能に支持された状態にて取付ベースの左右に配置された支持ロッドの幅方向の略中間部のセット位置に前記結合手段により結合されて移動が拘束されて設置され、且つ数個の前記シリンダーケースブロック体、または結合手段の何れか一方が他方に対し昇降シリンダーにより昇降可能に支持され、部品の交換、取り替え、または内部の掃除を行う等の必要時には、前記昇降シリンダーにより前記シリンダーケースブロック体、または結合手段の何れか一方が他方に対して前記シリンダーケースブロック体の移動許容高さに上昇可能に設けられたことを特徴とする。
また、本発明の請求項15に記載の発明は、請求項11−13の何れかにおいて、数個の前記シリンダーケースブロック体の幅方向の上部、又は下部に架設された架橋リンクに前記支持ロッドを介して前記結合手段が前記シリンダーケースブロック体とは分離されて取付けられ、該架橋リンクは幅方向の一側を回動支軸により前記取付ベースに枢動可能に枢着され、該架橋リンクの幅方向の他側を昇降シリンダーのシリンダーロッドに連繋され、部品の交換、取り替え、または内部の掃除を行う等の必要時には前記昇降シリンダーが駆動することにより前記結合手段がセット位置に設置されている前記シリンダーケースブロック体に対しセット位置から該シリンダーケースブロック体が水平方向へ移動されるのを許容する移動許容高さに前記回動支軸を中心に傾動可能に設けられたことを特徴とする。
また、本発明の請求項16に記載の発明は、請求項11−13の何れかにおいて、前記結合手段が、数個の前記シリンダーケースブロック体に螺挿されて分離可能に一体化される複数個のボルトであることを特徴とする。
また、本発明の請求項17に記載の発明は、請求項11−15の何れかにおいて、前記結合手段が、前記取付ベースに数個の前記シリンダーケースブロック体を移動許容位置からセット位置に降下させて結合するか、または固定的なシリンダーケースブロック体に対して結合手段を移動許容位置からセット位置に降下させる降下位置において、該シリンダーケースブロック体を挟持する挟持シリンダーであることを特徴とする。
また、本発明の請求項18に記載の発明は、請求項11−17の何れかにおいて、前記可動系部材が、シリンダーケースに設けた前進圧力導入通路部から供給される圧力を受圧可能に略中間部外周に形成された第1スピル部、及び前進圧力導入通路から供給される圧力を受圧可能であるとともに前記後退圧力導入通路から供給される圧力を受圧可能に後部外周に設けられた第2スピル部と、が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項19に記載の発明は、請求項1−18の何れかにおいて、前記回転伝達部品が、モータシャフトに装着された駆動歯車を含む歯車群であるか、または前記モータシャフトに装着された駆動プーリ、及び前記可動系部材の外周に設けられた受動プーリ、前記駆動プーリと受動プーリとに捲回される動力伝達ベルトとにより形成されることを特徴とした。
また、本発明の請求項20に記載の発明は、請求項1−19の何れかにおいて、前記オリフィスは、1/100mm以下の微少間隙に形成されたことを特徴とする。
また、本発明の請求項21に記載の発明は、請求項1−20の何れかにおいて、前記オリフィスは、内圧を高圧に調整されたことを特徴とする。
また、本発明の請求項22に記載の発明は、請求項1−21の何れかにおいて、モータが、10〜100回転/1minにて回転されることにより、可動系部材としての軸弁に回転力を伝達することを特徴とする。
また、本発明の請求項23に記載の発明は、請求項1−22の何れかにおいて、前記ころがり軸受手段が、ボールベアリングまたはスラストベアリング、ローラベアリング、オイルを含有する多孔部を表面に有する砲金軸受の何れか、もしくはそれらの組み合わせであることを特徴とする。
また、本発明の請求項24に記載の発明は、微細な固形体、繊維状セルロース、細胞等よりなる原料を液体中に含む懸濁液よりなる原料を高圧力の下で高圧均質化機構部に設けた小径のオリフィスを高速度にて通過させることにより原料を分散、乳化、細胞膜破砕等の処理や細分化を行う高圧均質化装置の噴射弁ユニットにおいて、
シリンダーケース内に、原料導入通路を有する固定系部材と、
該固定系部材の軸長方向には該固定系部材に対向して正転自在、逆転自在、または揺動自在、さらには脈動自在に設けられた可動系部材とを備え、
前記オリフィスが、前記固定系部材の前記原料導入通路の一端が臨まれる固定側端面部と、該固定側端面部に対向して前記可動系部材の一端に設けた可動側端面部との間に挟小の間隙にて構成されるとともに、
前記オリフィスは、外周に配設される衝突壁を介して二次側に配した原料処理通路に連通可能に設けられた
ことを特徴とする。
また、本発明の請求項25に記載の発明は、微細な固形体、繊維状セルロース、細胞等よりなる原料を液体中に含む懸濁液よりなる原料を高圧力の下で高圧均質化機構部に設けた小径のオリフィスを高速度にて通過させることにより原料を分散、乳化、細胞膜破砕等の処理や細分化を行う高圧均質化装置の噴射弁ユニットにおいて、
シリンダーケース内に,原料導入通路を内部に有する固定系部材と、
該固定系部材の軸長方向には該固定系部材に対向して正転自在、逆転自在、または揺動自在、さらには脈動自在に設けられた可動系部材と、
該可動系部材の内部軸線上に配挿される取付ボルトの先端が螺入されることにより可動系部材に着脱可能に取付けられ、超硬合金により形成された先端部材とを備え、
前記オリフィスが、前記固定系部材の前記原料導入通路の一端が臨まれる固定側端面部と、該固定側端面部に対向して前記可動系部材の一端に設けた可動側端面部との間に挟小の間隙にて構成されるとともに、
前記オリフィスは、外周に配設される衝突壁を介して二次側に配した原料処理通路に連通可能に設けられた
ことを特徴とする。
また、本発明の請求項26に記載の発明は、請求項24または25において、前記可動系部材が軸弁であり、該軸弁はころがり軸受手段を介して前記シリンダーケース内に支持されるとともに、モータの駆動力により他端に配設された回転伝達部品を介して正転自在、逆転自在、または揺動自在、さらには脈動自在に設けられたことを特徴とする。
また、本発明の請求項27に記載の発明は、請求項24−26において、前記可動系部材の先端部または先端部材は、軸線に対して僅かな傾斜角の尖鋭な外周面が設けられ、該先端部または先端部材は傾斜内面を内周に有する固定系部材の小径収容孔内に遊挿されることを特徴とする。
また、本発明の請求項28に記載の発明は、請求項24−27の何れかにおいて、前記可動系部材は、先端部または先端部材の外周面が、軸線に対して1度〜20度に形成されることを特徴とする。
また、本発明の請求項29に記載の発明は、請求項24または28の何れかにおいて、前記シリンダーケースが、数個のシリンダーケースブロック体に軸長方向に分割され、該シリンダーケースブロック体は結合手段を介して1まとめに軸長方向に連結可能に設けられ、任意の1つのシリンダーケースブロック体の一側または両側に左右均衡して突出された複数本の案内ロッドが残りのシリンダーケースブロック体内にベアリングを介して軸長方向に移動可能に貫通され、前記結合手段による緊結が解除されることにより、残りの前記シリンダーケースブロック体は、前記案内ロッドに案内移動されて分離されることを特徴とした。
また、本発明の請求項30に記載の発明は、請求項29において、前記結合手段が、数個の前記シリンダーケースブロック体に螺挿されて分離可能に一体化される複数個のボルトであることを特徴とする。
また、本発明の請求項31に記載の発明は、請求項29において、前記結合手段が、前記ベースに数個の前記シリンダーケースブロック体を降下させた降下位置において、該シリンダーケースブロック体を挟持する挟持シリンダーであることを特徴とする。
本発明の請求項1に記載の発明によれば、微細な固形体、繊維状セルロース、細胞等よりなる原料を液体中に含む懸濁液よりなる原料を高圧力の下で高圧均質化機構部に設けた小径のオリフィスを高速度にて通過させることにより原料を分散、乳化、細胞膜破砕等の処理や細分化を行う高圧均質化装置の噴射弁において、原料導入通路を内部に有する固定系部材と、該固定系部材の軸長方向には該固定系部材に対向して回動自在、または揺動自在、さらには脈動自在に設けられた可動系部材とを備え、前記オリフィスが、前記固定系部材の前記原料導入通路の一端が臨まれる固定側端面部と、該固定系部材に対向して前記可動系部材の一端に設けた可動側端面部との間に挟小の間隙にて構成されるとともに、前記オリフィスは、外周に配設される衝突壁を介して二次側に配した原料処理通路に連通可能に設けられたことを特徴とするので、固定系部材の原料導入通路の一端が臨まれる固定側端面部と、該固定系部材に対向して可動系部材の一端に設けた可動側端面部との間に構成されるオリフィスの微細な間隙の確保が容易であって原料の不用意な漏れ出しがなく、しかも、懸濁液が粘性がある場合にも、オリフィスに原料が詰まることなく、高圧の吐出圧が保証され、細分化処理が高精度に効率良く行える。さらには、構造簡単にして部品の磨耗や損壊が少なく、機械的寿命も長命であり、部品の交換・取り替え作業が簡単に行え、保守・管理に優れる。
また、本発明の請求項2に記載の発明によれば、微細な固形体、繊維状セルロース、細胞等よりなる原料を液体中に含む懸濁液よりなる原料を高圧力の下で高圧均質化機構部に設けた小径のオリフィスを高速度にて通過させることにより原料を分散、乳化、細胞膜破砕等の処理や細分化を行う高圧均質化装置の噴射弁において、原料導入通路を内部に有する固定系部材と、該固定系部材の軸長方向には該固定系部材に対向して回動自在、または揺動自在、さらには脈動自在に設けられた可動系部材と、増圧機構部の原料圧縮圧が所定の設定圧であることを検知する圧力センサと、該圧力センサが検知する検知信号に基ずいて前記可動部材を正転、逆転、または揺動、さらには脈動させる駆動源としてのモータとを備え、前記オリフィスが、前記固定系部材の前記原料導入通路の一端が臨まれる固定側端面部と、該固定側端面部に対向して前記可動系部材の一端に設けた可動側端面部との間に挟小の間隙にて構成されるとともに、前記オリフィスは、外周に配設される衝突壁を介して二次側に配した原料処理通路に連通可能に設けられたことを特徴とするので、懸濁液が粘性がある場合にも、オリフィスに原料が詰まることなく、高圧の吐出圧が保証され、原料の処理や細分化が高精度に効率良く行える。さらには、構造簡単にして部品の磨耗や損壊が少なく、機械的寿命も長命であり、部品の交換・取り替え作業が簡単に行え、保守・管理に優れる。
また、本発明の請求項3に記載の発明によれば、前記固定系部材と、前記可動系部材とは、一側に前記原料導入通路に連通する原料導入口を設け、他側には前記オリフィスに連通する原料排出口が設けられたシリンダーケース内に収容されることを特徴とするので、シリンダーケース内に固定系部材と可動系部材とを収容するだけで固定系部材の原料導入通路の一端が臨まれる固定側端面部と、該固定系部材に対向して可動系部材の一端に設けた可動側端面部との間に容易にオリフィスを構成でき、その微細な間隙は容易かつ高精度に確保することができる。
また、本発明の請求項4に記載の発明によれば、前記固定系部材が、シリンダーケース内に収嵌されるバルブシートであることを特徴とするので、前記固定系部材が、シリンダーケース内に収嵌されるバルブシートであるため、該固定系部材に対向して可動系部材の一端に設けた可動側端面部との間に容易にオリフィスを構成でき、その微細な間隙を容易かつ高精度に確保することができる。しかも、可動系部材をモータにより回転させることによりオリフィスに原料が詰まるのを防止することができる。
また、本発明の請求項5に記載の発明によれば、前記可動系部材が軸弁であり、該軸弁はころがり軸受手段を介して前記シリンダーケース内に回転可能、または揺動可能、さらには脈動可能に支持されるとともに、モータの駆動力により他端に配設された回転伝達部品を介して回転自在または揺動自在、さらには脈動自在に設けられたことを特徴とするので、可動系部材をモータにより回転させることによりオリフィスに原料が詰まるのを防止することができる。
また、本発明の請求項6に記載の発明によれば、前記可動系部材は、前記固定系部材の小径収容孔内に遊挿される先端部が設けられたことを特徴とするので、固定系部材の固定側端面部と、該固定系部材に対向して可動系部材の一端に設けた可動側端面部との間に微細な間隙のオリフィスの確保が容易である。
また、本発明の請求項7に記載の発明によれば、前記可動系部材は、軸線に対して僅かな傾斜角の尖鋭な外周面の先端部が設けられ、該先端部は内周が傾斜内面を有する小径収容孔内に遊挿されることを特徴とするので、固定系部材の小径収容孔の内周に設けた傾斜内面に対して小径収容孔内に可動系部材の、軸線に対して僅かな傾斜角の尖鋭な外周面の先端部を進退可能に遊挿することにより、固定系部材の小径収容孔の内周と、可動系部材の尖鋭な外周面の先端部との間に微細な間隙のオリフィスを確保することが容易である。
また、本発明の請求項8に記載の発明によれば、前記可動系部材は、先端部材の外周面が、軸線に対して1度〜20度に形成されることを特徴とするので、固定系部材の小径収容孔の内周に設けた傾斜内面に対して該小径収容孔内に可動系部材の、軸線に対して僅かな傾斜角の外周面を有する先端部材を進退可能に遊挿することにより、固定系部材の小径収容孔の内周と、可動系部材の尖鋭な外周面の先端部材との間に微細な間隙のオリフィスを確保することが容易である。
また、本発明の請求項9に記載の発明によれば、前記可動系部材が、軸弁の長手方向の他端延長線上に設けたシリンダーの押圧力により前記固定系部材に対して僅かに前進又は後退されることによりオリフィスの間隙は広狭調整されることを特徴とするので、シリンダーの押圧力により可動系部材を固定系部材に対して僅かに前進又は後退されることによりオリフィスの間隙は広狭調整することができるとともに、原料がオリフィスに詰まった場合にもオリフィスから容易に排出することができる。
また、本発明の請求項10に記載の発明によれば、前記先端部が、可動系部材の内部の軸線上に配挿される取付ボルトの先端が螺入されることにより可動系部材に着脱可能に取付けられ、超硬合金により形成された先端部材であることを特徴とするので、原料が超硬の微細な固形体であっても、オリフィスの微細な間隙を確保して原料をオリフィスから噴射して細分化することができる。
また、本発明の請求項11に記載の発明によれば、前記シリンダーケースが、一側に原料導入通路に連通する原料導入口を設け、前記オリフィスの後段には原料排出口が設けられ、内部にはバルブシートに対して可動系部材を前進および後退させて前記オリフィスの間隙を調整する方向切り換え通路部を設けるとともに、数個のシリンダーケースブロック体に軸長方向に分割され、該シリンダーケースブロック体は結合手段を介して1まとめに軸長方向に連結可能に設けられることを特徴とするので、シリンダーケースを分離したり、連結することにより、内圧調整弁をはじめ、部品の交換・取り替え作業が簡単に行え、さらには、高圧均質化装置自体の分解、組立が容易であり、掃除や保守・管理も優れたものになる。
また、本発明の請求項12に記載の発明によれば、前記シリンダーケースが、前記オリフィスが内部に形成される内圧調整弁設置区域部を有するシリンダーケースブロック体と、前記モータの駆動力を回転伝達部品を介して導入する動力導入区域部を有するシリンダーケースブロック体と、前記可動系部材に圧力を与えて固定系部材としてのバルブシートに対して前進させる前進圧力導入通路部、及び/又は前記可動系部材に圧力を与えてバルブシートに対して後退させる後退圧力導入通路部を内部に形成する前記方向切り換え通路部を有した他のシリンダーケースブロック体と、を軸長方向に少なくとも連結したことを特徴とするので、シリンダーケースの内部に設けた方向切り換え通路部からシリンダーケース内部に供給される圧力の経路が切り換えられることにより可動系部材がバルブシートに対して前進および後退され、オリフィスの微細な間隙の確保が容易になり、高圧下においても原料の不容易な漏れ出しがなく、原料の処理や細分化が高精度に効率良く行える。しかも、懸濁液が粘性がある場合にも、増圧機構部の原料圧縮圧が所定の設定圧であることを圧力センサが検知する検知信号に基ずいて駆動するモータの駆動力の取得が容易になってオリフィスの一側の壁面を構成する可動系部材が回動されるため、オリフィスに原料が詰まることなく、原料の処理や細分化が高精度に効率良く行える。また、シリンダーケースは、数個のシリンダーケースブロック体に軸長方向に分離され、該シリンダーケースブロック体は結合手段を介して1まとめに軸長方向に連結可能に設けられ、このシリンダーケース内にオリフィスを形成する固定系部材と、可動系部材とは設けられているので、シリンダーケースを分離したり、連結することにより、内圧調整弁をはじめ、部品の交換・取り替え作業が簡単に行え、さらには、高圧均質化装置自体の分解、組立が容易であり、掃除や保守・管理も優れたものになる。
また、本発明の請求項13に記載の発明によれば、数個の前記シリンダーケースブロック体は、任意の1つのシリンダーケースブロック体の一側または両側に左右均衡して突出された複数本の案内ロッドが残りのシリンダーケースブロック体内にベアリングを介して軸長方向に移動可能に貫通され、前記結合手段による緊結が解除されることにより、残りの前記シリンダーケースブロック体は、前記案内ロッドに案内移動されて分離されることを特徴としたので、シリンダーケースを分離したり、または連結する際に、数個のシリンダーケースブロックは数本の案内ロッドにより軸長方向に案内移動されるため、シリンダーケースを分離したり、連結することにより、内圧調整弁をはじめ、部品の交換・取り替え作業が簡単に行え、さらには、高圧均質化装置自体の分解、組立が容易であり、掃除や保守・管理も容易かつ確実になり、適切な間隙のオリフィスを形成でき、優れたものになる。
また、本発明の請求項14に記載の発明によれば、数個の前記シリンダーケースブロック体が、原料を分散、乳化、細胞破砕等の処理や細分化を行う通常時には、前記案内ロッドに移動可能に支持された状態にて取付ベースの左右に配置された支持ロッドの幅方向の略中間部のセット位置に前記結合手段により結合されて移動が拘束されて設置され、且つ数個の前記シリンダーケースブロック体、または結合手段の何れか一方が他方に対し昇降シリンダーにより昇降可能に支持され、部品の交換、取り替え、または内部の掃除を行う等の必要時には、前記昇降シリンダーにより前記シリンダーケースブロック体、または結合手段の何れか一方が他方に対して前記シリンダーケースブロック体の移動許容高さに上昇可能に支持されたことを特徴とするので、シリンダーケースブロック体、または結合手段の何れかが、他方に対して昇降シリンダーにより昇降されることにより取付ベースの左右に配置された支持ロッドの幅方向の略中間部のセット位置から案内ロッド毎水平方向への移動許容高さに上昇、または降下した後に、数個のシリンダーケースブロックは数本の案内ロッドにより軸長方向に案内移動されるため、シリンダーケースを分離したり、連結することにより、内圧調整弁をはじめ、部品の交換・取り替え作業が簡単に行え、さらには、高圧均質化装置自体の分解、組立が容易であり、掃除や保守・管理も容易かつ確実になり、適切な間隙のオリフィスを形成でき、優れたものになる。
また、本発明の請求項15に記載の発明によれば、数個の前記シリンダーブケースロック体の幅方向の上部、又は下部に架設された架橋リンクに前記支持ロッドを介して前記結合手段が前記シリンダーケースブロック体とは分離されて取付けられ、該架橋リンクは幅方向の一側を回動支軸により前記取付ベースに枢動可能に枢着され、該架橋リンクの幅方向の他側を昇降シリンダーのシリンダーロッドに連繋され、部品の交換、取り替え、または内部の掃除を行う等の必要時には前記昇降シリンダーが駆動することにより前記結合手段がセット位置に設置されている前記シリンダーケースブロック体に対しセット位置から該シリンダーケースブロック体が水平方向へ移動されるのを許容する移動許容高さに前記回動支軸を中心に傾動可能に設けられたことを特徴とするので、昇降シリンダーが駆動すると、シリンダーケースブロック体の上部に架設した架橋リンクが、一側に配置された回動支軸を中心として回動されて上昇され、この架橋リンクに支持ロッドを介して取付けられている結合手段は、取付ベースのセット位置に設置されている数個のシリンダーケースブロック体に対してセット位置から案内ロッドの案内により水平方向への移動が許容される移動許容高さに上昇するため、シリンダーケースを分離したり、連結することにより、内圧調整弁をはじめ、部品の交換・取り替え作業が簡単に行え、さらには、高圧均質化装置自体の分解、組立が容易であり、掃除や保守・管理も容易かつ確実になり、適切な間隙のオリフィスを形成でき、優れたものになる。
また、本発明の請求項16に記載の発明によれば、結合手段が、数個の前記シリンダーケースブロック体に螺挿されて分離可能に一体化される複数個のボルトであることを特徴とするので、結合手段としてのボルトを緊結したり、緊張を解くことにより複数個のシリンダーケースブロック体を分離したり、連結することができる。
また、本発明の請求項17に記載の発明によれば、前記結合手段が、前記取付ベースに数個の前記シリンダーケースブロック体を移動許容位置からセット位置に降下させて結合するか、または固定的なシリンダーケースブロック体に対して結合手段を移動許容位置に降下させる降下位置において、該シリンダーケースブロック体を挟持する挟持シリンダーであることを特徴とするので、結合手段としての挟持シリンダーを緊結したり、緊張を解くことにより昇降シリンダーにより数個のシリンダーケースブロック体、または結合手段を、取付ベースのセット位置から案内ロッド毎水平方向への移動許容高さに上昇,または降下させた後に、分離したり、連結することができる。
また、本発明の請求項18に記載の発明によれば、前記可動系部材が、シリンダーケースに設けた前進圧力導入通路部から供給される圧力を受圧可能に略中間部外周に形成された第1スピル部、及び前進圧力導入通路から供給される圧力を受圧可能であるとともに前記後退圧力導入通路から供給される圧力を受圧可能に後部外周に設けられた第2スピル部と、が形成されていることを特徴とするので、シリンダーケースに設けた前進圧力導入通路部から供給される圧力を可動系部材の略中間部外周に形成された第1スピル部、及び後部外周に設けられた第2スピル部とが受圧することにより可動系部材は前進し、シリンダーケースに設けた後退圧力導入通路から供給される圧力を前記第2スピル部が受圧することにより可動系部材は後退して復帰する。そして、可動系部材を前進または後退させるための方向切り換え通路部は、シリンダーケースの内部に設けられるので、方向切り換え通路部を形成する上で、余計な部品を必要とせず、シリンダーケース自体の周回りにも余計な付属品を取付けなくても済み、コンパクトになる。
また、本発明の請求項19に記載の発明によれば、前記回転伝達部品が、モータシャフトに装着された駆動歯車を含む歯車群であるか、または前記モータシャフトに装着された駆動プーリ、及び前記可動系部材の外周に設けられた受動プーリ、前記駆動プーリと受動プーリとに捲回される動力伝達ベルトとにより形成されることを特徴としたので、モータからの駆動力を回転伝達部品を介して可動系部材は回転される。
また、本発明の請求項20に記載の発明によれば、前記オリフィスは、1/100mm以下の微少間隙に形成されたことを特徴とするので、固定系部材の固定側端面部と可動系部材の可動側端面部との間に1/100mm以下の微細なオリフィスの間隙が確保されるため、原料の不用意な漏れ出しがなく、原料の処理や細分化が高精度にかつ効率的に行える。
また、本発明の請求項21に記載の発明によれば、前記オリフィスは、内圧を高圧に調整されたことを特徴とするので、固定系部材の固定側端面部と可動系部材の可動側端面部との間に構成される微細なオリフィスから高圧にて原料を勢い良く噴出でき、原料の処理や細分化が高精度にかつ効率的に行える。
また、本発明の請求項22に記載の発明によれば、モータが、10〜100回転/1minにて回転されることにより、可動系部材としての軸弁に回転力を伝達することを特徴とするので、モータの駆動力により可動系部材を回転させれば、懸濁液が粘性がある場合にも、オリフィスに原料が詰まることなく、原料を処理したり、細分化が高精度にかつ効率良く行える。
また、本発明の請求項23に記載の発明によれば、前記ころがり軸受手段が、ボールベアリングまたはスラストベアリング、ローラベアリング、オイルを含有する多孔部を表面に有する砲金軸受の何れか、もしくはそれらの組み合わせであることを特徴とするので、可動系部材としての軸弁を回転自在に支持することができる。
また、本発明の請求項24に記載の発明によれば、微細な固形体、繊維状セルロース、細胞等よりなる原料を液体中に含む懸濁液よりなる原料を高圧力の下で高圧均質化機構部に設けた小径のオリフィスを高速度にて通過させることにより原料を分散、乳化、細胞膜破砕等の処理や細分化を行う高圧均質化装置の噴射弁ユニットにおいて、シリンダーケース内に、原料導入通路を有する固定系部材と、該固定系部材の軸長方向には該固定系部材に対向して正転自在、逆転自在、または揺動自在、さらには脈動自在に設けられた可動系部材とを備え、前記オリフィスが、前記固定系部材の前記原料導入通路の一端が臨まれる固定側端面部と、該固定側端面部に対向して前記可動系部材の一端に設けた可動側端面部との間に挟小の間隙にて構成されるとともに、前記オリフィスは、外周に配設される衝突壁を介して二次側に配した原料処理通路に連通可能に設けられたことを特徴とするので、ユニット化されることにより、部品の交換・取り替え作業が簡単に行え、保守・管理に優れ、しかも、固定系部材の原料導入通路の一端が臨まれる固定側端面部と、該固定系部材に対向して可動系部材の一端に設けた可動側端面部との間にオリフィスの微細な間隙の確保が容易かつ高精度に行える。
また、本発明の請求項25に記載の発明によれば、微細な固形体、繊維状セルロース、細胞等よりなる原料を液体中に含む懸濁液よりなる原料を高圧力の下で高圧均質化機構部に設けた小径のオリフィスを高速度にて通過させることにより原料を分散、乳化、細胞膜破砕等の処理や細分化を行う高圧均質化装置の噴射弁ユニットにおいて、シリンダーケース内に、原料導入通路を有する固定系部材と、該固定系部材の軸長方向には該固定系部材に対向して正転自在、逆転自在、または揺動自在、さらには脈動自在に設けられた可動系部材と、該可動系部材の内部軸線上に配挿される取付ボルトの先端が螺入されることにより可動系部材に着脱可能に取付けられ、超硬合金により形成された先端部材とを備え、前記オリフィスが、前記固定系部材の前記原料導入通路の一端が臨まれる固定側端面部と、該固定側端面部に対向して前記可動系部材の一端に設けた可動側端面部との間に挟小の間隙にて構成されるとともに、前記オリフィスは、外周に配設される衝突壁を介して二次側に配した原料処理通路に連通可能に設けられたことを特徴とするので、ユニット化されることにより、部品の交換・取り替え作業が簡単に行え、保守・管理に優れ、しかも、固定系部材の原料導入通路の一端が臨まれる固定側端面部と、該固定系部材に対向して可動系部材の一端に設けた可動側端面部との間にオリフィスの微細な間隙の確保が容易かつ高精度に行える。
また、本発明の請求項26に記載の発明によれば、前記可動系部材が軸弁であり、該軸弁はころがり軸受手段を介して前記シリンダーケース内に支持されるとともに、モータの駆動力により他端に配設された回転伝達部品を介して回転自在に設けられたことを特徴とするので、可動系部材をモータにより回転させることによりオリフィスに原料が詰まるのを防止することができる。
また、本発明の請求項27に記載の発明によれば、前記可動系部材の先端部または先端部材は、軸線に対して僅かな傾斜角の尖鋭な外周面が設けられ、該先端部または先端部材は傾斜内面を内周に有する固定系部材の小径収容孔内に遊挿されることを特徴とするので、固定系部材の小径収容孔内に可動系部材の先端部または先端部材を挿入すると、軸線に対して僅かな傾斜角の外周面を有する先端部または先端部材の外周面と、固定系部材の小径収容孔の内周との間に微細な間隙のオリフィスの確保が容易である。
また、本発明の請求項28に記載の発明によれば、前記可動系部材は、先端部または先端部材の外周面が、軸線に対して1度〜20度に形成されることを特徴とするので、固定系部材の小径収容孔の内周に設けた傾斜内面に対して該小径収容孔内に可動系部材の、軸線に対して僅かな傾斜角の外周面を有する先端部材を進退可能に遊挿することにより、固定系部材の小径収容孔の内周と、可動系部材の尖鋭な外周面の先端部材との間に微細な間隙のオリフィスを確保することが容易である。
また、本発明の請求項29に記載の発明によれば、前記シリンダーケースが、数個のシリンダーケースブロック体に軸長方向に分割され、該シリンダーケースブロック体は結合手段を介して1まとめに軸長方向に連結可能に設けられ、任意の1つのシリンダーケースブロック体の一側または両側に左右均衡して突出された複数本の案内ロッドが残りのシリンダーケースブロック体内にベアリングを介して軸長方向に移動可能に貫通され、前記結合手段による緊結が解除されることにより、残りの前記シリンダーケースブロック体は、前記案内ロッドに案内移動されて分離されることを特徴としたので、数個のシリンダーケースブロックは数本の案内ロッドにより軸長方向に案内移動されて隣接する相互との間に間隔を確保できるため、シリンダーケースを分離したり、連結することにより、内圧調整弁をはじめ、部品の交換・取り替え作業が簡単に行え、さらには、高圧均質化装置自体の分解、組立が容易であり、掃除や保守・管理も優れたものになる。また、適切な間隙のオリフィスを形成でき、優れたものになる。
また、本発明の請求項30に記載の発明によれば、前記結合手段が、数個の前記シリンダーケースブロック体に螺挿されて分離可能に一体化される複数個のボルトであることを特徴とするので、結合手段としてのボルトを緊結したり、緊張を解くことにより複数個のシリンダーケースブロック体を分離したり、連結することができる。
また、本発明の請求項31記載の発明によれば、前記結合手段が、前記ベースに数個の前記シリンダーケースブロック体を降下させた降下位置において、該シリンダーケースブロック体を挟持する挟持シリンダーであることを特徴とするので、結合手段としての挟持シリンダーを緊結したり、緊張を解くことにより昇降シリンダーにより数個のシリンダーケースブロック体を、取付ベースのセット位置から案内ロッド毎水平方向への移動許容高さに上昇させた後に、分離したり、連結することができる。
以下図面に従い、本発明を実施するための最良の形態につき詳細を説明する。
図1は本発明の高圧均質化装置の噴射弁の実施形態1を示す断面図、図2は同じく部分切欠拡大断面図である。
本実施形態1は、微細な固形体、繊維状セルロース、細胞等よりなる原料Gを液体中に含む懸濁液2よりなる原料Gを高圧力の下で高圧均質化機構部1に設けた小径のオリフィス3を高速度にて通過させることにより原料Gを分散、乳化、細胞膜破砕等の処理や細分化を行う高圧均質化装置の噴射弁において、原料導入通路4を内部に有する固定系部材5と、該固定系部材5の軸長方向Iには該固定系部材5に対向して移動可能に且つ回動自在、または揺動自在、さらには脈動自在に設けられた可動系部材6とを備え、前記オリフィス3が、前記固定系部材5の前記原料導入通路4の一端が臨まれる固定側端面部5aと、該固定系部材5に対向して前記可動系部材6の一端に設けた可動側端面部6aとの間に半径方向Rの挟小の間隙Kに構成されるとともに、前記オリフィス3は、外周に配設される環状の衝突壁7を介して二次側に配した原料処理通路8に連通可能に設けられたことを特徴とする。
前記固定系部材5としては、図示する本実施形態1ではバルブシートVSが使用される。
前記原料Gは、例えば、食品分野で取り扱われるトマト・ケチャップ、オイル、またバター、ヨーグルト等の乳製品、清涼飲料、果汁飲料、スープ、乳児食等においては、分離防止、長期安定性、風味、のどごし改善等の観点から各種調合剤、繊維状セルロース、カゼイン等の固形体が例えば半製品または完成品の懸濁液2に含まれるもの、また、化学品、化粧品、工業品については、各種顔料、磁性粉、鉱物、炭素粉等の固形体が半製品または完成品での懸濁液2や乳化液に含まれたもの、また、医薬品については、鉱物、生薬等の固形体が半製品または完成品での懸濁液2や乳化液に含まれたもの、また、ガラス工業品等においては、顔料、鉱物等の微細な固形体が液状ガラス中に含まれたもの、また、合成樹脂工業分野では例えば熱可塑性樹脂の液状体に顔料、炭素、鉱物、可塑剤、強化繊維、セラミック等の無機物質等が半製品または完成品での懸濁液2や乳化液に含まれたもの、または製紙分野等においては繊維状セルロースの固形体が製造途中の懸濁液2に含まれたもの、さらには、各種病理研究室では、大腸菌、イースト菌等の菌類や微生物の細胞が含まれた懸濁液2があげられる。
そして、本実施形態1は図示するように、前記オリフィス3は、外周に配設される衝突壁7を介して二次側に配した原料処理通路8に連通可能に設けられる。また、前記オリフィス3は、1/100mm以下の微少な間隙Kに形成される。このように、オリフィス3を固定系部材5の固定側端面部5aと可動系部材6の可動側端面部6aとの間に1/100mm以下の微細なオリフィス3の間隙Kが確保されるようにするのは、原料Gの不用意な漏れ出しがなく、原料Gの細分化処理を高精度に行うためである。
また、前記オリフィス3は、高圧均質化機構部1自体の内圧を例えば70〜350MPa、もしくは350MPa以上もの高圧の内圧に調整される。このように、固定系部材5の固定側端面部5aと可動系部材6の可動側端面部6aとの間に構成される微細なオリフィス3が、例えば70〜350MPa、もしくは350MPa以上もの高圧の内圧に調整されるので、オリフィス3から高圧にて原料Gが勢い良く吐出されることにより、高圧力差にて原料Gの細分化処理を高精度に行うことができる。
また、前記固定系部材5と、前記可動系部材6とは、一側に前記原料導入通路4に連通する原料導入口9を設け、他側には前記オリフィス3に連通する原料排出口10が設けられたシリンダーケース11内に収容される。前記原料導入口9には、本実施形態1の高圧均質化装置の噴射弁が接続される図には示さない増圧機構部から高圧にて圧送される懸濁液2が供給されるようになっている。
また、前記可動系部材6が軸弁12であり、該軸弁12は全体が略円柱状に形成されて先端を円錐台部12aとなすとともに先端側には拡大径部12bが形成されている。そして、この軸弁12は、ころがり軸受手段13を介して前記シリンダーケース11の内部に回転可能に支持され、モータMの駆動力により他端に配設された回転伝達部品14を介して回転自在に設けられる。12cは前記軸弁12の先端に嵌着された先端部材であり、この先端部材12cの前面には前記可動側端面部6aが形成される。11aは前記原料処理通路8に連通して前記シリンダーケース11内に設けられた小径収容孔であり、この小径収容孔11aは前記円錐台部12aを移動可能かつ回転可能に収容するためのものである。11bは前記小径収容孔11aに連通して前記シリンダーケース11内に設けられた大径収容孔であり、この大径収容孔11b内には前記軸弁12の前記拡大径部12bが移動可能にかつ回転可能に収容される。また、本実施形態では、図示するように、モータMは軸弁12を、正転、または逆転させるように回転駆動させるようにしているが、これに限ることなくモータMの駆動はこのほかに揺動自在、さらには脈動自在にしてもよい。また、モータMの種類、形式には制約を受けるものではない。
前記先端部材12cは、金属、サーメット等により形成されるが、処理すべき懸濁液2内に硬い鉱物、固形体、炭素等を含む場合には、好適には超硬合金により形成さるのが好ましい。この超硬合金としては、例えば、周期律表の2a族、3a族、4a族金属、例えばTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,Wの炭化物粒子を、鉄族金属、例えばFe,Co,Niを結合材を用いて焼結した複合合金、代表的にはWc−Co系合金、WC−TiC−Co系合金、WC−TiC−Ta(Nb)C−Co系合金等がある。また、Ti(CN)、Al2O3などのセラミックスを超硬合金上に被覆したものであってもよい。さらには、TiC−Ni系超硬合金を用いて形成されるものであってもよい。また、衝突壁7もこれらの前述の超硬合金によって形成されてもよい。
15はフランジ付きの略環状をなす止材であり、この止材15は先端側の外周に設けた雄ねじ部15aを前記シリンダケース11の大径収容孔11bの後端部の内周に設けた雌ねじ部11c内に螺着されることにより前記軸弁12をシリンダケース11内に回転可能に取付ける。16は止着プレートであり、この止着プレート16は前記止材15にボス板15Aを介して重合されて複数個の止ボルトV1により着脱可能に取付けられる。
また、前記モータMは、本実施形態では正転方向、または逆転方向に10〜100回転/1minにて回転されることにより、可動系部材としての軸弁12に回転力が伝達される。このように、モータMの駆動力により可動系部材6を例えば正転方向、または逆転方向に回転させるようにしたことにより、懸濁液2が粘性がある場合にも、オリフィス3に原料Gが詰まることなく、原料Gの処理と細分化とが高精度に効率良く行える。
また、前記回転伝達部品14は、モータMのモータシャフト17を駆動軸として、該モータシャフト17に装設されたプーリ18と、受動側となる前記軸弁12の他端に装設されたプーリ19と、プーリ18,19に捲回されたベルト20とにより形成される。
また、可動系部材6としての軸弁12を回転自在、または揺動自在、さらには脈動自在に支持する前記ころがり軸受手段13が、本実施形態1では軸弁12の略中央部外周を回転自在、または揺動自在、さらには脈動自在に支持するスラストベアリング13Aと、軸弁12の前後の外周を回転自在、揺動自在、さらには脈動自在に支持するボールベアリング13B,13Bとである。しかし、このころがり軸受手段13は、図示は例示であり、このほか、図には示さないが、例えば、ローラベアリング、オイルを含有する多孔部を表面に有する砲金軸受の何れか、もしくはそれらの組み合わせであってもよい。
30は前記軸弁12の軸長方向Iの他端延長線上に設けられるシリンダーであり、このシリンダー30は軸弁12を軸長方向Iに押圧移動可能に設けられたことにより、固定系部材5の固定側端面部5aに対して軸弁12の可動側端面部6aを軸長方向Iに近接したり、離反することにより微細なオリフィス3の間隙Kを広狭調整するためのものである。
本発明の実施形態1は以上の構成からなり、微細な固形体、繊維状セルロース、細胞等よりなる原料Gを液体中に含む懸濁液2の原料Gを高圧力の下で高圧均質化機構部1に設けた小径のオリフィス3を高速度にて通過させることにより原料Gを分散、乳化、細胞膜破砕等、原料Gの処理や細分化を行うが、原料導入通路4を内部に有する固定系部材5と、該固定系部材5の軸長方向Iには該固定系部材5に対向して回動自在、または揺動自在、さらには脈動自在に設けられた可動系部材6としての軸弁12とを備え、前記オリフィス3が、前記固定系部材5の前記原料導入通路4の一端が臨まれる固定側端面部5aと、該固定系部材5に対向して前記可動系部材6の一端に設けた可動側端面部6aとの間に半径方向Rの挟小の間隙K、例えば1/100mm以下の微少な間隙Kを容易に確保して形成されるので、オリフィス3から勢い良く噴出される原料Gは高圧力差により分散され、外周に設けた環状の衝突壁7に衝突されることにより、原料Gの処理や細分化が行われる。
しかも、前述のように固定側端面部5aと、該固定系部材5に対向して前記可動系部材6の一端に設けた可動側端面部6aとの間に挟小の間隙K、例えば1/100mm以下の微少な間隙Kに形成されるので、オリフィス3から原料Gの不用意な漏れ出しがなく、原料Gの細分化や処理が高精度に行われる。
また、固定系部材5の固定側端面部5aと可動系部材6の可動側端面部6aとの間に構成される微細なオリフィス3が、例えば1/100mm以下の微少な間隙Kに形成されるので、例えば70〜350MPa、もしくは350MPa以上もの高圧の内圧に調整されるため、オリフィス3から高圧にて原料Gが勢い良く噴出されることにより、高圧力差により原料Gの処理や細分化を高精度に行うことができる。
また、前記可動系部材6が軸弁12であり、該軸弁12はころがり軸受手段13を介して前記シリンダーケース11内に回転可能、または揺動可能、脈動可能に支持されているので、この軸弁12は本実施形態ではモータMの駆動力により他端に配設された回転伝達部品14を介して10〜100回転/1minにて正転方向、または逆転方向に回転される。このように、モータMの駆動力により可動系部材6としての軸弁12は回転されて懸濁液2を撹拌して流動化するので、懸濁液2が粘性がある場合にも、オリフィス3に原料Gが詰まることなく、高圧の吐出圧が確保されるため、原料Gの処理や細分化を高精度に効率良く確実に行うことができる。なお、本実施形態では、図示するように、モータMは軸弁12を、正転、または逆転させるように回転駆動させるようにしているが、これは代表的な例示であり、これに限ることなくモータMの駆動はこのほかに揺動自在、さらには脈動自在になすこともできる。
また、本発明の高圧均質化装置の噴射弁は、微細な固形体、繊維状セルロース、細胞等よりなる原料Gを液体中に含む懸濁液2を高圧力の下で高圧均質化機構部1に設けた小径のオリフィス3を高速度にて通過させることにより原料Gを分散、乳化、細胞膜破砕等の原料Gの処理や細分化を行うものであり、シリンダーケース11内に原料導入通路4を内部に有する固定系部材5と、該固定系部材5の軸長方向Iには該固定系部材5に対向して回動自在、または揺動自在、さらには脈動自在に設けられた可動系部材6とを備え、前記オリフィス3が、前記固定系部材5の前記原料導入通路4の一端が臨まれる固定側端面部5aと、該固定系部材5aに対向して前記可動系部材6の一端に設けた可動側端面部6aとの間に半径方向Rの挟小の間隙Kにて構成される。すなわち、可動系部材6が軸弁12であり、この軸弁12は全体が略円柱状に形成されて先端側の可動側端面部6aが固定系部材5としてのバルブシートVSの固定側端面部5aに対してオリフィス3の僅かな間隙Kを確保するようにシリンダーケース11内に予め対向して組み込むことにより噴射弁ユニットとしてユニット化すれば、運搬および倉庫への保管に便利になる。しかも、故障したり、または部品が老朽化した場合に部品の交換・取り替え作業が簡単に行え、保守・管理に優れたものになる。
しかも、前記オリフィス3は、外周に配設される衝突壁7を介して二次側に配した原料処理通路8に連通可能に設けられるように、固定系部材5の原料導入通路4の一端が臨まれる固定側端面部5aと、該固定系部材5に対向して可動系部材6の一端に設けた可動側端面部6aとの間に例えば1/100mm以下の微細な間隙Kを容易に確保して形成されるので、オリフィス3は高精度に仕上がる。
図3は本発明の高圧均質化装置の噴射弁の実施形態2を示し、この実施形態2ではシリンダーケース11内に軸弁12を回転自在に支持するのに複数個、例えば図示するように4個のボールベアリング13′Bを用いて支持し、このうち、3個のボールベアリング13′Bを同方向に配列し、残りの1個を異なる方向に連設することにより高内圧下での封密性を高めているほかは前記実施形態1と同様の構成、作用である。
図4、図5は本発明の高圧均質化装置の噴射弁の実施形態3を示し、この実施形態3では、微細な固形体、繊維状セルロース、細胞等よりなる原料Gを液体中に含む懸濁液2よりなる原料Gを高圧力の下で高圧均質化機構部1に設けた小径のオリフィス3を高速度にて通過させることにより原料Gを分散、乳化、細胞膜破砕等の処理をしたり、細分化を行う高圧均質化装置の噴射弁において、原料導入通路4を内部に有する固定系部材5と、該固定系部材5の軸長方向Iには該固定系部材5に対向して移動可能に且つ回動自在、揺動自在、さらには脈動自在に設けられた可動系部材6とを備える点、および前記オリフィス3が、前記固定系部材5の前記原料導入通路4の一端が臨まれる固定側端面部5aと、該固定系部材5に対向して前記可動系部材6の一端に設けた可動側端面部6aとの間に半径方向Rの挟小の間隙Kに構成されるとともに、前記オリフィス3は、外周に配設される環状の衝突壁7を介して二次側に配した原料処理通路8に連通可能に設けられるようにした点は、前記実施形態1、および実施形態2と同様な構成、作用である。
しかしながら、本実施形態形態3では、原料導入通路4に原料Gを供給するために、高圧均質化装置の噴射弁が原料導入口9に接続される図には示さない増圧機構部の原料圧縮圧が所定の設定圧であることを検知する圧力センサ50と、該圧力センサ50が検知する検知信号に基ずいて前記可動部材6を回転させる駆動源としてのモータMとを備える構成である。なお、図示の圧力センサ50は説明の便宜のため、図示の位置に示されている。
また、本実施形態3では、前記可動系部材6は、軸線Xに対して僅かな傾斜角θの外周面51aの先端部51が設けられ、該先端部51は内周が傾斜内面52を有する小径収容孔11a内に遊挿される。この可動系部材6の先鋭な先端部51の外周面51aは、その傾斜角θが軸線Xに対して1度〜20度に形成される。このように、可動系部材6の先端部材12cの外周面51aを軸線Xに対して僅かな傾斜角θ、例えば軸線Xに対して1度〜20度に形成したのは、固定系部材5としてのバルブシートVSに設けられる傾斜内面52を有する小径収容孔11a内に可動系部材としての軸弁12を僅かな距離だけ進退させることにより、小径収容孔11aの傾斜内面52と、この小径収容孔11a内に挿入される可動系部材としての軸弁12の先端部材12cの外周面51aとの間に容易かつ確実に僅小間隙としてのオリフィス3を形成するためである。即ち、可動系部材6の先端部材12cの外周面51aが軸線Xに対して20度を越えると、小径収容孔11a内に挿入される先端部材12cの挿入長さを長く設定できるが、小径収容孔11aと、先端部材12cとを精密加工するための手間と時間がかかり、製作が容易ではないからである。また、可動系部材6の尖鋭な先端部材12cの外周面51aが軸線Xに対して1度よりも小さいと、小径収容孔11aと、先端部材12cとの精密加工上の手間と時間がかからず、製作が容易になるのと、小径収容孔11a内に挿入される先端部材12cの挿入長さを短く設定でき、僅小間隙としてのオリフィス3を容易に形成できるためである。
また、本実施形態3では前記先端部51が、可動系部材6の内部の軸線X上に配挿される取付ボルト53の先端53aが螺入されることにより可動系部材6に着脱可能に取付けられてサーメット、金属、超硬合金により形成された先端部材12cである。このように、先端部材12cは、可動系部材6の先端に取付ボルト53の先端53aが螺入されることにより着脱可能に取付けられるので、取付ボルト53を緩めることにより交換が行え、保守・管理が容易に行える。
また、本実施形態3では、シリンダーケース11は鍔11dを有するものが用いられ、このシリンダーケース11はシリンダー30のシリンダー収容ケース30Aに対向され、前記鍔11dとシリンダー30のシリンダー収容ケース30Aに設けた鍔30A1とが複数本のボルトV2とナットNとにより結合されたことにより、シリンダーケース11とシリンダー収容ケース30Aとが組立可能かつ分離可能に接続される継手構造に形成されている。
そして、本実施形態3の高圧均質化装置の噴射弁が接続される図には示さない増圧機構部の原料圧縮圧は、圧力センサ50により所定の設定圧であることが検知されると、この圧力センサ50が検知する検知信号に基ずいて本実施形態では、駆動源としてのモータMが回転されるので、このモータMの駆動力をプーリ18,19、ベルト20等の回転伝達部品14を介して可動系部材6としての軸弁12は10〜100回転/1minにて正転方向、または逆転方向に回転される。このように、モータMの駆動力により可動系部材6としての軸弁12は回転されて懸濁液2を撹拌して流動化するので、懸濁液2が粘性がある場合にも、オリフィス3に原料Gが詰まることなく、高圧の吐出圧が確保されるため、原料Gの処理や細分化を高精度に効率良く確実に行うことができる点は前記実施形態1,2と同様の構成、作用である。
しかも、軸線Xに対して僅かな傾斜角θ、例えば軸線Xに対して1度〜20度の尖鋭な外周面51aの先端部51を、傾斜内面52を内周に設けた固定系部材5の小径収容孔11a内にシリンダー30の押圧力により進退可能に挿入する構造なので、固定系部材5の内周の傾斜内面52と、可動系部材6の尖鋭な外周面51aとの間に1/100mm以下の微細な間隙Kのオリフィス3の確保が容易である。このように、オリフィス3が、例えば1/100mm以下の微少な間隙Kに形成されるので、例えば70〜350MPa、もしくは350MPa以上もの高圧の内圧に調整されるため、オリフィス3から高圧にて原料Gが勢い良く噴出されることにより、高圧力差により原料Gを処理したり、細分化を高精度に行うことができる。
また、本実施形態3では、原料Gがオリフィス3に詰まった場合に、軸弁12の長手方向の他端延長線上に設けたシリンダー30の押圧力により前記固定系部材5に対して軸弁12を僅かに前進又は後退されることによりオリフィス3の間隙Kは広狭調整されるため、オリフィス3内に詰まった原料Gを容易に排出することができる。
また、本実施形態3では、可動系部材6としての前記先端部51が、該可動系部材6の内部の軸線X上に配挿される取付ボルト53の先端53aが螺入されることにより可動系部材6に着脱可能に取付けられて超硬合金により形成された先端部材12cである構成なので、原料Gが超硬の微細な固形体であっても、原料Gがオリフィス3から勢い良く噴射する時に、原料Gは先ず先端部材12cに接触して破砕され、次いで原料Gは微細な間隙Kのオリフィス3から半径方向Rに確実に噴射され、衝突壁7に衝突してさらに細分化される。
そして、先端部材12cが、磨耗した場合には、取付ボルト53を螺退させることにより新たな先端部材12cと交換してオリフィス3の例えば1/100mm以下の微少の間隙Kを容易かつ確実に確保することができる。
また、本実施形態3は、微細な固形体、繊維状セルロース、細胞等よりなる原料Gを液体中に含む懸濁液2よりなる原料Gを高圧力の下で高圧均質化機構部1に設けた小径のオリフィス3を高速度にて通過させることにより原料Gを分散、乳化、細胞膜破砕等の処理や細分化を行う高圧均質化装置の噴射弁ユニットにおいて、シリンダーケース11内に,原料導入通路4を内部に有する固定系部材5と、該固定系部材5の軸長方向Iには該固定系部材5に対向して回動自在、または揺動自在、さらには脈動自在に設けられた可動系部材6と、該可動系部材6の内部の軸線X上に配挿される取付ボルト53の先端が螺入されることにより可動系部材6に着脱可能に取付けられ、超硬合金により形成された先端部材12cとを備え、前記オリフィス3が、前記固定系部材5の前記原料導入通路4の一端が臨まれる固定側端面部5aと、該固定側端面部5aに対向して前記可動系部材6の一端に設けた可動側端面部6aとの間に挟小の間隙Kにて構成されるとともに、前記オリフィス3は、外周に配設される衝突壁7を介して二次側に配した原料処理通路8に連通可能に設けられた構成なので、高圧均質化装置の噴射弁ユニットとしてユニット化されることにより、噴射弁ユニットとして部品、例えば固定系部材5としてのバルブシートVS、可動系部材6としての軸弁12,先端部材12c等の部品が磨耗したり、老朽化して部品の交換・取り替えを必要とする場合に、多くの時間と手間がかからず、部品の交換・取り替え作業が簡単に行え、保守・管理に優れる。
図6は本発明の高圧均質化装置の噴射弁を示す実施形態4である。この実施形態4では、可動系部材6の内部の軸線X上に配挿される取付ボルト53の先端53aが螺入されることにより可動系部材6に着脱可能に取付けられる超硬合金により形成された先端部材12cが、例えば1/100mm以下の微少な間隙Kのオリフィス3を固定系部材5に対して構成するように、小径収容孔11a内に遊挿される小径先端部51Aと、固定側端面部5aに対向する大径な環状肩部51Bとにより形成されるようにしている。そして、原料Gの懸濁液2中に含まれる硬質の固形物をオリフィス3から噴射して細分化したり、処理を行うのに対応して超硬合金により形成された先端部材12cに硬質な固形物が衝突することにより、磨耗したり、老朽化するのを減らして機械的寿命を伸長するとともに、部品の交換・取り替えの頻度を前記実施形態3よりも少なくすることができるほかは、前記実施形態3と同様の構成、作用である。
図7は本発明の高圧均質化装置の噴射弁を示す実施形態5である。この実施形態5では、可動系部材6の先端部51が、該可動系部材6の内部の軸線X上に配挿される取付ボルト53の先端53aが螺入されることにより可動系部材6に着脱可能に取付けられ、超硬合金等により形成された先端部材12cである点は前記実施形態3、および実施形態4と同様の構成である。しかしながら、本実施形態5では前記実施形態3のように先端部51としての先端部材12cが、前記実施形態3のように軸線Xに対して僅かな傾斜角θ、例えば軸線Xに対して1度〜20度の外周面51aに形成され、この先端部材12cや小径先端部51Aを、傾斜内面52を内周に設けた固定系部材5の小径収容孔11a内にシリンダー30の押圧力により進退可能に挿入することにより、固定系部材5の内周の傾斜内面52と、可動系部材6の外周面51aとの間に連通して半径方向Rに1/100mm以下の微細な間隙Kのオリフィス3を形成するようにした構成は本実施形態にはないほかは、前記実施形態1と同様にオリフィス3が、前記固定系部材5の前記原料導入通路4の一端が臨まれる固定側端面部5aと、該固定系部材5に対向して前記可動系部材6の一端に設けた軸線Xに交差する平坦面を有する可動側端面部6aとの間に半径方向Rの挟小の間隙K、例えば1/100mm以下の微少な間隙Kを確保するように形成される構成、作用である。
図8乃至図11に示すものは、本発明の実施形態6である。この実施形態6では、前記シリンダーケース11が、一側に原料導入通路4に連通する原料導入口9を設け、前記オリフィス3の後段には原料排出口10が設けられ、内部にはバルブシートVSに対して可動系部材6を前進および後退させて前記オリフィス3の間隙Kを調整する方向切り換え通路部80を設けるとともに、数個のシリンダーケースブロック体81A,81B,81C,81D,81Eは結合手段82を介して1まとめに軸長方向Iに連結可能に設けられる。
また、前記シリンダーケース11が、前記オリフィス3が内部に形成される内圧調整弁設置区域部N1を有するシリンダーケースブロック体81Bと、前記モータMの駆動力を回転伝達部品14を介して導入する動力導入区域部N2を有するシリンダーケースブロック体81Cと、前記可動系部材6に圧力を与えて固定系部材5としてのバルブシートVSに対して前進させる前進圧力導入通路部83a,83b、及び/又は前記可動系部材6に圧力を与えてバルブシートVSに対して後退させる後退圧力導入通路部83cにて形成される前記方向切り換え通路部80を内部に有した他のシリンダーケースブロック体81C,81D,81Eと、を軸長方向Iに少なくとも連結した。
そして、数個の前記シリンダーケースブロック体81A,81B,81C,81D,81Eは、任意の1つのシリンダーケースブロック体、例えばシリンダーケースブロック体81Eの一側に突出された複数本、図11では2本の案内ロッド84,84が残りのシリンダーケースブロック体81A,81B,81C,81D内にベアリング85を介して軸長方向Iに移動可能に貫通されるか、または図には示さないが中間の任意のシリンダーケースブロック体の両側に左右均衡して突出された複数本、例えば2本の案内ロッド84,84がシリンダーケースブロック体81A,81B,81C,81D,81Eの残り内にベアリング85を介して軸長方向Iに移動可能に貫通されるかしているので、例えば図11において前記結合手段82の結合ボルト90による緊結が解除されることにより、残りの前記シリンダーブロック体81A,81B,81C,81Dは、前記案内ロッド84,84に案内移動されて分離される。
また、本実施形態6では、可動系部材6としての軸弁12は、分離と、加工と、分解に伴う運搬とをし易くするために、前半部12Aと、後半部12Bとが結合された全体が略円柱状に形成される。そして、この軸弁12は、ころがり軸受手段13としてのローラベアリング13Aと、スラストベアリング13Bを介して前記シリンダーケース11の内部に回転可能に支持され、モータMの駆動力により軸弁12の略中間部に配設された回転伝達部品14を介して回転自在、または揺動自在、さらには脈動自在に設けられる。
そして、前記可動系部材6の先端部材12cは、小径先端部51Aと、該小径先端部51Aの後部外周に設けられた大径の環状肩部51Bとにより形成され、前記小径先端部51Aは前記固定系部材5の内周に設けた傾斜内面52を有する錐状の小径収容孔11a′に対して前進可能および後退可能に遊挿される。
前記可動系部材6が、シリンダーケース11に設けた前進圧力導入通路部83bから供給される圧力を受圧可能に略中間部外周に形成された第1スピル部86と、及び前進圧力導入通路83aから供給される圧力を受圧可能であるとともに前記後退圧力導入通路82cから供給される圧力を受圧可能に後部外周に設けられた第2スピル部87と、が形成されている。
前記小径先端部51Aは、可動系部材6の内部の軸線X上に配挿される取付ボルト53の先端53aが取付けられることにより、該可動系部材6の先端に着脱可能に取付けられ、しかも、超硬合金により形成された先端部材12cである。
また、前記回転伝達部品14が、本実施形態6ではモータシャフト17に装着された駆動歯車89Aを含む歯車群により構成される。すなわち、本実施形態6の回転伝達部品14は、図8、図10に示すように、モータシャフト17に装着された駆動歯車89Aと、この駆動歯車89Aに噛合する中間歯車89Bと、この中間歯車89Bに噛合する大径の受動歯車89Cとにより構成される。
また、前記結合手段82が、数個の前記シリンダーケースブロック体81A,81B,81C,81D,81Eに螺挿されて分離可能に一体化される複数個のボルト90である。
91は前記可動部材6の後部外周に設けられたストッパ材であり、このストッパ材91は前記シリンダーケースブロック体81Dの前方内部に設けた収容凹部92内に収容され、可動系部材6の前進はシリンダーケースブロック体81Cの後壁に衝突することにより規制される。また、可動系部材6の後退はストッパ材91の大径の係止部91aが係止段部93に係止されることにより後退が規制される点が実施形態1、実施形態2、実施形態3、実施形態4、実施形態5と異なる構成、作用である。
そして、本実施形態6では、例えば微細な固形体、繊維状セルロース、細胞等よりなる原料Gを液体中に含む懸濁液2の原料Gは、原料導入口9から処理動作の1サイクル毎に所望量が吸入され、その後に、原料Gは図には示さない増圧機構部により高圧に圧縮され、高圧力の下で高圧均質化機構部1に設けたオリフィス3を高速度にて通過されることにより原料Gを分散、乳化、細胞膜破砕等、原料Gの高圧均質化処理や細分化が行われる。
ところで、本実施形態6では、例えば図9、図10に示すように、可動系部材6は、小径先端部51Aを設け、該小径先端部51Aは固定系部材5の内周に設けた傾斜内面52を有する錐状の小径収容孔11a′に対して進退可能に設けられているので、シリンダーケースブロック体81E,81Cの内部に分岐して形成された前進圧力導入通路部83a,83bから供給される圧力、例えば油圧を可動系部材6の略中間部外周に形成された第1スピル部86と、後半部外周に形成された第2スピル部87との後面が受圧することにより固定系部材5としてのバルブシートVSに対して可動系部材としての軸弁12は前進する。また、シリンダーケースブロック体81Dに設けた後退圧力導入通路部83cから供給される圧力を第2スピル部87の前面が受圧することによりバルブシートVSに対して軸弁12は後退され、微細なオリフィス3の間隙Kは広狭調整される。
こうして、シリンダーケース11内には、原料導入通路4を内部に有する固定系部材5と、該固定系部材5の軸長方向Iには該固定系部材5に対向して回動自在、または揺動自在、さらには脈動自在に設けられた可動系部材6としての軸弁12とを備え、固定系部材5の前記原料導入通路4の一端が臨まれる固定側端面部5aと、該固定系部材5に対向して前記可動系部材6の一端に設けた可動側端面部6aとの間に半径方向Rの挟小の間隙Kとして、例えば1/100mm以下の微少な間隙Kを容易に確保してオリフィス3が形成されるので、原料Gを液体中に含む懸濁液2は、原料導入口9から高圧均質化機構部1内に導入され、図には示さない増圧機構部により高圧に圧縮され、オリフィス3から勢い良く噴出されて高圧力差により原料Gは分散されて超硬合金によりなる先端部材12cに衝突され、次いでオリフィス3の外周にして小径収容孔11a′の内周に設けた環状の衝突壁7に二段階に衝突されることにより、原料Gの細分化や高圧均質化処理が効率良く充分に行える。
そして、前述のように、可動系部材6の略中間部外周に形成された第1スピル部86と、後半部外周に形成された第2スピル部87との後面が受圧することによって可動系部材6を前進させるための方向切り換え通路部80の前進圧力導入通路部83a,83bは、シリンダーケース11におけるシリンダーケースブロック体81E,81Cの内部に形成されるとともに、第2スピル部87の前面が受圧することによって可動系部材6を後退させるための後退圧力導入通路部83cは、シリンダーケースブロック体81Eの内部に形成されるので、シリンダーケース11の内部は高気密性に維持される。このため、可動系部材6としての軸弁12の前進、または後退、停止の即応性に富み、きめ細かな制御が高精度に行える。
この際、可動系部材6はオリフィス3からの原料Gの噴射による高圧力に抗して前進または後退され、例えば1/100mm以下の微少な間隙Kよりなるオリフィス3の間隔Kを正確に維持できるので、オリフィス3に原料Gが詰まることなく、連続運転が適切に行える。しかも、オリフィス3を通過される原料Gの硬軟や原料Gの固形物の大きさに応じてオリフィス3の間隔をきめ細かに調整して制御を行うことができる。従って、オリフィス3から原料Gが不用意に漏れ出すことがなく、原料Gの細分化や高圧均質化処理が高精度に高効率に行える。
また、可動系部材6が軸弁12であり、この軸弁12はころがり軸受手段13を介して前記シリンダーケース11内に正転方向または逆転方向に回転可能、または揺動可能、さらには脈動可能に支持されているので、図には示さない増圧機構部の原料圧縮圧が図には示さない圧力センサにより所定の設定圧であることが検知されると、該圧力センサが検知する検知信号に基ずいて駆動源としてのモータMが駆動され、回転されるため、軸弁12はモータMの駆動力により他端に配設された回転伝達部品14としての駆動歯車89A,中間歯車89B,受動歯車89Cを介して10〜100回転/1minにて軸長方向Iおよび半径方向Rにがたつきや狂いを生ずることなく、正確かつ確実に回転され、大きなトルクにて回転されるとともに、回転始動、停止、逆転等の動作が確実に行える。このように、モータMの駆動力により可動系部材6としての軸弁12は、回転されるので、懸濁液2は撹拌され流動化されるため、懸濁液2が粘性が高い場合にも、オリフィス3に原料Gが詰まることなく、高圧の吐出圧が確保され、原料Gの均質化処理や細分化を高精度に効率良く確実に行うことができる。
なお、超硬合金によりなる先端部材12cは、オリフィス3から噴出される懸濁液2に含まれる原料Gが硬い時に、衝突する等して磨耗した場合には、取付ボルト53を螺退操作することにより古くなった先端部材12cを取付ボルト53から取り外して新たな先端部材12cと交換すれば、再使用することができる。
また、図示する本実施形態6では、シリンダーケース11が、シリンダーケースブロック体81Aと、前記オリフィス3が内部に形成される内圧調整弁設置区域部N1を有するシリンダーケースブロック体81Bと、前記モータMの駆動力を回転伝達部品14を介して導入する動力導入区域部N2を有するシリンダーケースブロック体81Cと、前記可動系部材6に圧力を与えて固定系部材5としてのバルブシートVSに対して前進させる前進圧力導入通路部83a,83bを内部に形成するシリンダーケースブロック体81E,81C、及び/又は前記可動系部材6に圧力を与えてバルブシートVSに対して後退させる後退圧力導入通路部83cを内部に形成する前記シリンダーケースブロック体81Eとの、数個のシリンダーケースブロック体81A、81B、81C、81D、81Eを軸長方向Iに結合手段82として複数本のボルト90により軸長方向Iに結合されているので、オリフィス3から噴射される懸濁液2の粘性が高い場合に、仮にオリフィス3が詰まった時には、ボルト90による数個のシリンダーケースブロック体81A、81B、81C、81D、81Eへの緊結を解除した後に、数個のシリンダーケースブロック体81A、81B、81C、81D、81Eを分離し、左右均衡した数本の案内ロッド84、84に沿って軸長方向Iにシリンダーケースブロック体81A、81B、81C、81Dを移動案内し、分離する(図9参照)。
この時、左右均衡した数本の案内ロッド84、84に沿って数個のシリンダーケースブロック体81A、81B、81C、81Dは相互に分離されて案内ロッド84、84;ベアリング85、85を介して案内移動されるので、シリンダーケースブロック体81A、81B、81C、81Dの重量が大きい場合にも1人が押圧力を軽く加えるだけの簡単な操作にてガタツキやブレがなく、円滑かつ手軽に案内移動を行える。そして、結合ボルト90による緊結を解除することによりシリンダーケースブロック体81A、81B、81C、81Dを分離して数個のシリンダーケースブロック体81A、81B、81C、81D、81E相互を分離することにより空間部を確保すれば、軸弁12をはじめ、モータMの回転駆動力を軸弁12を回転駆動するための回転伝達部品14を構成する駆動歯車89A,中間歯車89B,受動歯車89C等が磨耗した場合等の部品の交換・取り替え作業が簡単かつ確実に行えるとともに、オリフィス3に原料Gが詰まった場合にも、詰まったオリフィス3から、原料Gの大きな固形物を掻き落としたり、水洗いして洗い落とす等することにより掃除が容易に行え、再使用に備えることができる。
それから、部品の交換・取り替え後やオリフィス3の掃除が済んだ後は、左右均衡した数本の案内ロッド84、84に沿って軸長方向Iにシリンダーケースブロック体81A、81B、81C、81Dをシリンダーケースブロック体81Eに向かって旧方向に案内移動することにより1まとめにし、結合ボルト90を緊結することにより部品の交換・取り替え作業や掃除の作業を終了する。こうして、軸弁12をはじめ、部品の交換・取り替え作業が簡単かつ確実に行え、さらには、高圧均質化装置自体の分解、組立が容易であり、掃除や保守・管理も容易かつ確実になり、適切な間隙Kのオリフィス3を形成できる。
図12乃至図17に示すものは、本発明の実施形態7である。この実施形態7では、前記シリンダーケース11が、一側に原料導入通路4に連通する原料導入口9を設け、前記オリフィス3の後段には原料排出口10が設けられ、内部にはバルブシートVSに対して可動系部材6を前進および後退させて前記オリフィス3の間隙Kを調整する方向切り換え通路部80を設けるとともに、数個のシリンダーケースブロック体81A,81B,81C,81D,81Eは結合手段82を介して1まとめに軸長方向Iに連結可能に設けられる。
しかも、前記シリンダーケース11が、前記オリフィス3が内部に形成される内圧調整弁設置区域部N1を有するシリンダーケースブロック体81Bと、モータMの駆動力を回転伝達部品14を介して導入する動力導入区域部N2を有するシリンダーケースブロック体81Cと、前記可動系部材6に圧力を与えて固定系部材5としてのバルブシートVSに対して前進させる前進圧力導入通路部83a,83b,及び/又は前記可動系部材6に圧力を与えてバルブシートVSに対して後退させる後退圧力導入通路部83cにて形成される前記方向切り換え通路部80を内部に有した他のシリンダーケースブロック体81C,81D,81Eと、を軸長方向Iに少なくとも連結している。
そして、数個の前記シリンダーケースブロック体81A,81B,81C,81D,81Eは、任意の1つのシリンダーケースブロック体、例えばシリンダーケースブロック体81Eの一側に突出された複数本、図14では2本の案内ロッド84,84が残りのシリンダーケースブロック体81A,81B,81C,81D内にベアリング85を介して軸長方向Iに移動可能に貫通されるか、または図には示さないが中間の任意のシリンダーケースブロック体の両側に左右均衡して突出された複数本、例えば2本の案内ロッド84,84がシリンダーケースブロック体81A,81B,81C,81D,81Eの残り内にベアリング85を介して軸長方向Iに移動可能に貫通されていることにより、例えば図12図,図13,図17において前記結合手段82による緊結が解除されて残りの前記シリンダーブロック体81A,81B,81C,81Dは、前記案内ロッド84,84に案内移動されて分離される点は前記実施形態6と同様の構成である。
しかしながら、本実施形態7では、数個の前記シリンダーケースブロック体81A,81B,81C,81D,81Eが、原料Gを分散、乳化、細胞破砕等の処理や細分化を行う通常時には、前記案内ロッド84,84に移動可能に支持された状態にて取付ベース100の左右に配置された支持ロッド101,101の幅方向Wの略中間部のセット位置Sに前記結合手段82により結合されて移動が拘束されて設置され、且つ数個の前記シリンダーケースブロック体81A,81B,81C,81D,81E、または結合手段82の何れか一方、本実施形態ではシリンダーケースブロック体81A,81B,81C,81D,81Eが他方、結合手段82に対し昇降シリンダー102により昇降可能に支持され、部品の交換、取り替え、または内部の掃除を行う等の必要時には、前記昇降シリンダー102により前記シリンダーケースブロック体81A,81B,81C,81D,81E、または結合手段82の何れか一方、本実施形態7ではシリンダーケースブロック体81A,81B,81C,81D,81Eが、結合手段82に対してシリンダーケースブロック体81A,81B,81C,81D,81Eの水平方向H.Lへの移動許容高さhに上昇可能に設けられることを特徴とする。
また、本実施形態7では、前記結合手段82が、前記取付ベース100に数個の前記シリンダーケースブロック体81A,81B,81C,81D,81Eをセット位置Sに降下させた降下位置(図12参照)において、該シリンダーケースブロック体81A,81B,81C,81D,81Eを挟持する挟持シリンダーで103ある。103bは、この挟持シリンダーで103のシリンダー・ロッド103aの外周に設けられた第1スピル部、103cは第2スピル部である。図示する本実施形態において、103dは前記挟持シリンダー103の設置側に対向的に前記支持ロッド101,101の一端に架設されたストッパ部材であり、このストッパ部材103dは前記挟持シリンダー103と協同して数個のシリンダーケースブロック体81A,81B,81C,81D,81Eをセット位置Sに降下させた降下位置(図12参照)にて挟持し、結合するためのものである。なお、図示する本実施形態7では挟持シリンダー103は、図12、図13、図15,図16、図17において右側にのみ図示されているが、これら各図において左右両側に対向して設置させることにより挟持シリンダー103,103のシリンダー・ロッド103a,103aによる押圧力をシリンダーケースブロック体81A,81B,81C,81D,81Eに対向して加圧させることで挟持することもでき、迅速かつ確実に挟持と、解除が行えるようにすることもできる。
また、104は原料導入口9内に導入される原料Gの供給量を制御されるために、原料導入口9を開閉するための原料導入口開閉用シリンダーである点が前記実施形態6と異なる構成である。105A,105Bはスペーサであり、このスペーサ105A,105Bは、略正面馬蹄形をなしてシリンダーケースブロック体81A,81B,81C,81D,81Eの両端部に形成される不必要な隙間に挿脱可能に挿入されることにより、挟持シリンダー103の挟持力による高圧均質化機構部1の位置決めを有効に発揮するためのものである。
そして、本実施形態7では、例えば図12に示すように、シリンダーケースブロック体81C,81D,81Eの内部に分岐して形成された前進圧力導入通路部83a,83bから供給される圧力、例えば油圧を可動系部材6の略中間部外周に形成された第1スピル部86と、後半部外周に形成された第2スピル部87との後面が受圧することにより固定系部材5としてのバルブシートVSに対して可動系部材としての軸弁12は前進する。また、シリンダーケースブロック体81Dに設けた後退圧力導入通路部83cから供給される圧力を第2スピル部87の前面が受圧することによりバルブシートVSに対して軸弁12は後退され、微細なオリフィス3の間隙Kは広狭調整される。
こうして、シリンダーケース11内には、原料導入通路4を内部に有する固定系部材5と、該固定系部材5の軸長方向Iには該固定系部材5に対向して回動自在、または揺動自在、さらには脈動自在に設けられた可動系部材6としての軸弁12とを備え、固定系部材5の前記原料導入通路4の一端が臨まれる固定側端面部5aと、該固定系部材5に対向して前記可動系部材6の一端に設けた可動側端面部6aとの間に半径方向Rの挟小の間隙Kとして、例えば1/100mm以下の微少な間隙Kを容易に確保してオリフィス3が形成されるので、原料Gを液体中に含む懸濁液2は、原料導入口9から高圧均質化機構部1内に導入され、図には示さない増圧機構部により高圧に圧縮され、オリフィス3から勢い良く噴出されて高圧力差により原料Gは分散されて超硬合金によりなる先端部材12cに衝突され、次いでオリフィス3の外周にして小径収容孔11a′の内周に設けた環状の衝突壁7に二段階に衝突されることにより、原料Gの細分化や高圧均質化処理が効率良く充分に行える。
そして、可動系部材6を前進させるための方向切り換え通路部80の前進圧力導入通路部83a,83bは、シリンダーケース11におけるシリンダーケースブロック体81E,81Cの内部に形成されるとともに、可動系部材6を後退させるための後退圧力導入通路部83cは、シリンダーケースブロック体81Eの内部に形成されるので、シリンダーケース11の内部は高気密性に維持される。このため、可動系部材6としての軸弁12は、前進、または後退、停止の即応性に富み、きめ細かな制御が高精度に行える。
この際、可動系部材6はオリフィス3からの原料Gの噴射による高圧力に抗して前進または後退され、例えば1/100mm以下の微少な間隙Kよりなるオリフィス3の間隔Kを正確に維持できるので、オリフィス3に原料Gが詰まることなく、連続運転が適切に行える。しかも、オリフィス3を通過される原料Gの硬軟や原料Gの固形物の大きさに応じてオリフィス3の間隔をきめ細かに調整して制御を行うことができる。従って、オリフィス3から原料Gが不用意に漏れ出すことがなく、原料Gの細分化や高圧均質化処理が高精度に高効率に行える。
また、図には示さない増圧機構部の原料圧縮圧が圧力センサにより所定の設定圧であることが検知されると、該圧力センサが検知する検知信号に基ずいて駆動源としてのモータMが駆動され、回転されるため、軸弁12はモータMの駆動力により他端に配設された回転伝達部品14としての駆動歯車89A,中間歯車89B,受動歯車89Cを介して10〜100回転/1minにて軸長方向Iおよび半径方向Rにがたつきや狂いを生ずることなく、正確かつ確実に回転され、大きなトルクにて回転されるとともに、回転始動、停止、逆転等の動作が確実に行える。このように、モータMの駆動力により可動系部材6としての軸弁12は、回転されるので、懸濁液2は撹拌され流動化されるため、懸濁液2が粘性が高い場合にも、オリフィス3に原料Gが詰まることなく、高圧の吐出圧が確保され、原料Gの均質化処理や細分化を高精度に効率良く確実に行うことができるという、本実施形態6と同様の作用・効果がある。
そして、図示する本実施形態7では、シリンダーケース11が、シリンダーケースブロック体81Aと、前記オリフィス3が内部に形成される内圧調整弁設置区域部N1を有するシリンダーケースブロック体81Bと、前記モータMの駆動力を回転伝達部品14を介して導入する動力導入区域部N2を有するシリンダーケースブロック体81Cと、前記可動系部材6に圧力を与えて固定系部材5としてのバルブシートVSに対して前進させる前進圧力導入通路部83a,83bを内部に形成するシリンダーケースブロック体81E,81C、及び/又は前記可動系部材6に圧力を与えてバルブシートVSに対して後退させる後退圧力導入通路部83cを内部に形成する前記シリンダーケースブロック体83Eとの、数個のシリンダーケースブロック体81A、81B、81C、81D、81Eを軸長方向Iに結合手段82として挟持シリンダーで103の挟持によって軸長方向Iに結合されているので、オリフィス3から噴射される懸濁液2の粘性が高い場合に、仮にオリフィス3が詰まった時には、先ず数個のシリンダーケースブロック体81A、81B、81C、81D、81Eに対して結合手段82としての挟持シリンダー103の挟持力を解除する。その後に、昇降シリンダー102が駆動されることによりシリンダーケースブロック体81A、81B、81C、81D、81Eが、取付ベース100のセット位置Sから案内ロッド84,84毎水平方向H.Lへの移動許容高さhに上昇される。それから、数個のシリンダーケースブロック体81A、81B、81C、81D、81Eを手動にて左右均衡した数本の案内ロッド84、84に沿って水平方向H.Lにシリンダーケースブロック体81A、81B、81C、81Dを移動案内し、分離する(図17参照)。
この時、左右均衡した数本の案内ロッド84、84に沿って数個のシリンダーケースブロック体81A、81B、81C、81Dは相互に分離されて案内ロッド84、84;ベアリング85、85を介して案内移動されるので、シリンダーケースブロック体81A、81B、81C、81Dの重量が大きい場合にも1人が押圧力を軽く加えるだけの簡単な操作にてガタツキやブレがなく、円滑かつ手軽に案内移動を行える。そして、シリンダーケースブロック体81A、81B、81C、81Dを分離して数個のシリンダーケースブロック体81A、81B、81C、81D、81E相互を分離することにより空間部を確保すれば、軸弁12をはじめ、モータMの回転駆動力を軸弁12を回転駆動するための回転伝達部品14を構成する駆動歯車89A,中間歯車89B,受動歯車89C等が磨耗した場合等の部品の交換・取り替え作業が簡単かつ確実に行えるとともに、オリフィス3に原料Gが詰まった場合にも、詰まったオリフィス3から、原料Gの大きな固形物を掻き落としたり、水洗いして洗い落とす等することにより掃除が容易に行え、再使用に備えることができる。そして、昇降シリンダー102が駆動され、シリンダーロッド102aが伸長することによるシリンダーケースブロック体81A、81B、81C、81D、81Eの、取付ベース100のセット位置Sからの水平方向H.Lへの移動許容高さhやシリンダーケースブロック体81A、81B、81C、81D、81E相互の分離間隙は、部品の交換・取り替え作業やオリフィス3に原料Gが詰まった場合等の清掃作業を考慮して適当に決定される。
それから、部品の交換・取り替え後やオリフィス3の掃除が済んだ後は、左右均衡した数本の案内ロッド84、84に沿って水平方向H.Lにシリンダーケースブロック体81A、81B、81C、81Dをシリンダーケースブロック体81Eに向かって旧方向に案内移動することにより1まとめにし、昇降シリンダー102を駆動されてシリンダーロッド102aを縮ませることによりシリンダーケースブロック体81A、81B、81C、81D、81Eを、取付ベース100のセット位置Sに降下させる。そして、結合手段82としての挟持シリンダー103と、ストッパ部材103dとの挟持により数個のシリンダーケースブロック体81A、81B、81C、81D、81Eを水平方向H.Lに結合される(図12参照)。こうして、部品の交換・取り替え作業や掃除の作業を終了する。このように、軸弁12をはじめ、部品の交換・取り替え作業が簡単かつ確実に行え、さらには、高圧均質化装置自体の分解、組立が容易であり、掃除や保守・管理も容易かつ確実になり、適切な間隙Kのオリフィス3を形成できる。
図18は本発明の高圧均質化装置の噴射弁を示す実施形態8を示す。前記実施形態7では、数個の前記シリンダーケースブロック体81A,81B,81C,81D,81Eが、原料Gを分散、乳化、細胞破砕等の処理や細分化を行う通常時には、前記案内ロッド84,84に移動可能に支持された状態にて取付ベース100の左右に配置された支持ロッド101,101の幅方向Wの略中間部のセット位置Sに設置され、且つ数個の前記シリンダーケースブロック体81A,81B,81C,81D,81Eが、昇降シリンダー102により昇降可能に支持され、部品の交換、取り替え、または内部の掃除を行う等の必要時には、前記昇降シリンダー102により前記シリンダーケースブロック体81A,81B,81C,81D,81Eが、前記案内ロッド84,84毎水平方向H.Lへの移動許容高さhに昇降可能に設けられているが、本実施形態8では、部品の交換、取り替え、または内部の掃除を行う等の必要時には、前記実施形態7とは反対に前記昇降シリンダー102により結合手段82としての挟持シリンダー103と、ストッパ部材103dとが前記取付ベース100のセット位置Sに設置されている数個の前記シリンダーブロック体81A,81B,81C,81D,81Eを水平方向H.Lに移動されるのを許容する移動許容高さhに上昇または降下する構成を採用した。そして、本実施形態8では、前記実施形態7が、前記シリンダーケースブロック体81B,81C,81D,81Eを上下方向に上昇又は降下する場合には、重量が大きく、労力も大きいのに対して結合手段82を上昇または降下させる方が重量が軽く、多くの労力を要さずに結合手段82としての挟持シリンダー103を昇降シリンダー102により前記シリンダーケースブロック体81B,81C,81D,81Eが水平方向へ移動可能となる移動許容高さhまで上昇または降下させるようにした点が前記実施形態7とは異なる。そして、この実施形態8では、前記実施形態7よりも、昇降シリンダー102の出力が小さい小型のもので済む利点があるほかは、前記実施形態7と同様の構成、作用である。
図19,および図20に示すものは本発明の高圧均質化装置の噴射弁を示す実施形態9を示す。この実施形態9では、数個の前記シリンダーケースブロック体81A,81B,81C,81D,81Eの幅方向Wの上部に架設された架橋リンク110に前記支持ロッド101,101を介して前記結合手段82が前記シリンダーブロック体81A,81B,81C,81D,81Eとは分離されて取付けられ、該架橋リンク110は幅方向Wの一側を回動支軸102により前記取付ベース100にアーム100Aを介して枢動可能に枢着され、該架橋リンク110の幅方向Wの他側を昇降シリンダー102のシリンダーロッド102aに連繋され、シリンダーケース11内の部品の交換、取り替え、または内部の掃除を行う等の必要時には前記昇降シリンダー102が駆動することにより前記結合手段82がセット位置Sに設置されている前記シリンダーケースブロック体81A,81B,81C,81D,81Eに対しセット位置Sから該シリンダーケースブロック体81A,81B,81C,81D,81Eが水平方向H.Lへ移動されるのを許容する移動許容高さhに前記回動支軸102を中心に傾動可能に設けられたことを特徴とする。
そして、昇降シリンダー102が駆動すると、シリンダーケースブロック体81A,81B,81C,81D,81Eの上部に架設した架橋リンク110が、一側に配置された回動支軸102を中心として図20においては時計方向に回動されて上昇される。このように、数個のシリンダーケースブロック体81A,81B,81C,81D,81Eが、セット位置Sから幅方向Wにおいて回動支軸102を中心に回動されて上昇することにより、案内ロッド84,84の案内により水平方向H.Lへシリンダーケースブロック体81A,81B,81C,81D,81Eが移動を許容される移動許容高さhを有効に確保できるため、シリンダーケース11を案内ロッド84,84の案内により分離したり、連結することにより、内圧調整弁をはじめ、シリンダーケース11の部品の交換・取り替え作業が前記実施形態6,および実施形態7よりも広い作業スペースを必要とすることなく、狭いスペースにより簡単かつ確実に行える。さらには、高圧均質化装置自体の分解、組立が容易であり、掃除や保守・管理も容易かつ確実になり、適切な間隙Kのオリフィス3を形成できる点が前記実施形態6、実施形態7とは異なる構成、作用であるほかは前記実施形態7、実施形態8と同様の構成、作用である。
また、図示する本実施形態9では、昇降シリンダー102が駆動することにより、架橋リンク110の一側に配置された回動支軸102を中心にシリンダーブロック体81A,81B,81C,81D,81Eは架橋リンク110とともに時計方向に回動されてシリンダーブロック体81A,81B,81C,81D,81Eが水平方向H.Lへ移動を許容される移動許容高さhを確保するようにしているが、これに限ることなく、架橋リンク110、及びシリンダーブロック体81A,81B,81C,81D,81Eは、反時計方向に回動されるようにして水平方向H.Lへの移動許容高さhを確保するようにしてもよい。また、図示する実施形態9では、架橋リンク110をシリンダーブロック体81A,81B,81C,81D,81Eの上部に設けているが、図には示さないが、架橋リンク110は、シリンダーブロック体81A,81B,81C,81D,81Eの下部に設けられることによりシリンダーブロック体81A,81B,81C,81D,81Eを回動させるようにしてもよい。さらには、昇降シリンダー102は、シリンダーブロック体81A,81B,81C,81D,81Eに対して上部一側に設けることにより移動許容高さhを得るようにすることも本発明の適用範囲である。
なお、上記実施形態1,実施形態2、実施形態3、実施形態4、実施形態5、実施形態6、実施形態7、実施形態8、実施形態9では、モータMは回転伝達部品14を介して軸弁12を、正転、または逆転させるように回転駆動させることによりオリフィス3が詰まるのを防止するようにしているが、これは代表的な例示的説明であり、モータMの駆動はこれに限ることなく、このほかに例えば軸弁12を左右に揺動自在にしたり、さらには小刻みに脈動自在にすることにより、オリフィス3が原料Gにより詰まるのを防止するのも本発明の範囲である。