JP2000288420A - 物質の微粒化装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は各種物質を広範囲に亘って微粒化す
るための製造容易で安価なジェネレータを提供するもの
である。 【解決手段】 入口及び出口具備の本体内部の穴に隙間
を介して対峙する相似形状の中子体を前記隙間を変えら
れるように進退可能に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、食品、塗料、セラ
ミックス、金属又は薬品等の業界で取扱う各種物質を微
粒化する装置に関し、乳化、分散、微粉砕、破砕又はそ
の他の状態で物質を超微粒化するのに適する装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】物質をミクロン以下のナノレベルに超微
粒化すると、物質の電気的、化学的に特異な機能が発揮
されることが知られており、このため、投入物質を超微
粒化するものとして、各種のミル装置が開発されてい
る。その一つとして、摩耗しにくいセラミックス粉砕用
の、超微粉砕機が開発されている。これは、２つのロー
ラを持つ乾式の縦型ミルで、原料をテーブル上に落下し
遠心力で外周方向に移動させ、テーブルとローラ間に噛
みこませて粉砕し、内蔵のマイコンで選別、監視制御し
て必要な粒度になるまで粉砕続行するものである。

【０００３】又、本発明者が発明したものとして、特許
第２５２７２９７号がある。これは、容器中に浮遊状態
に固定した球等の立方体に複数の穴を穿設し、投入物質
を含む液体を圧力を掛けて容器中に導入し、前記複数の
穴の交わる中心で合流させて微粒化させ、これを出口管
から取出すようにしたものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】これら従来のものは、
前者においては装置自体が大掛りとなり、又、後者にお
いては球体の穴の穿設加工が容易でないという問題点が
ある。ほか、いずれのものも、投入物質の粒度径（大き
さ）に対応して目標の粒度径の微粒化物の吐出が得られ
るように容易に調整できるというものではない。そこで
本発明は、装置が大掛りとなることはなく、又加工上も
容易であり、しかも、圧力可変とすることで、投入物に
対応した吐出量一定の目標の微粒化物の吐出が得られる
ように容易に調整できる物質の微粒化装置を提供するこ
とを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するため、入口及び出口具備の装置本体内部の穴に隙
間を介して対峙する相似形状の中子体を前記隙間を変え
られるように進退可能に設けたものである。

【０００６】ここで、装置又はジェネレータは、投入物
質（原料、資料）を高低圧下の下に、その入口に送った
とき、この物質を望みどおりの粒子が分布する微粒化物
質として出口から取出すことができるものである。従っ
て、装置の本体は入口及び出口を具備し、しかも、これ
らと連通する穴（空洞、又はキャビティ）を有する。こ
の穴は好ましくは、半球と円柱の結合体、球体など、中
心線回りの回転体に形成すると、加工容易となる。

【０００７】又、これに隙間を介して対峙する中子体
も、同様な相似形状とする事で加工容易である。

【０００８】前記隙間は、０．１〜０．５ｍｍの範囲と
し、本体及び中子体は超硬質の鋼材などで作り摩耗に耐
えるようにする。

【０００９】前記中子体の進退用調節機構としては、中
子体に固定したねじ棒を本体にねじ嵌合し、本体の外部
に延設したねじ棒の端部にハンドルを固着する構造がよ
い。

【００１０】本体の入口に高〜低の圧力下のもとで送ら
れた物質は、入口付近の頂部付近の隙間を通るとき、拡
散、衝突、せん断、キャビテーション（衝撃波、高周
波）、共鳴、振動、渦流等を生じ一次作用としての微粒
化作用を受け、ついで、裾広がり状の隙間を通るとき、
同様の二次作用としての微粒化作用を受け、これによ
り、所定の粒子分布の微粒化物質が吐出量一定で出口か
ら取出される。

【００１１】ハンドルを回し、隙間を広げると、一次、
二次の作用と共に粒子が大きくなり、逆に狭くすると、
粒子が小さくなる。なお、圧力を変え、低圧又は高圧に
しても同様に粒子の大きさを小さく、又は大きく変えら
れる。この場合、装置（ジェネレータ）内の音波等の流
体波動は、隙間が小さいと高圧、高周波となる。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１及び２は、本発明の一実施例
を示す。これらの図において、１は装置本体で、内部
に、中心線Ｘ−Ｘ回りに回転して得られる穴（空洞、キ
ャビティ）２を有する。穴２は、本体１の一端１５に穿
設の入口８とは頂部１０で連通し、側方部分に穿設の出
口９とは、頂部１０下流での半球部１４、円周部１３、
拡開のテーパ部（裾部）１１及び拡張部１２を経て連通
する。

【００１３】穴２に対し隙間ｔを隔てて対峙する中子体
３は、同様の相似形状の回転体であり、下流側に調節機
構４としての、ねじ棒４ａの一端を固着し、本体１の他
端１６に該ねじ棒４ａをねじ嵌合することにより、その
位置を保持するように設けられる。ねじ棒４ａは本体１
の他端１６から外部に延長され、その端部にハンドル５
を固着してある。ねじ棒４ａの本体１へのねじ嵌合部に
は、シール６及び７が設けられている。ここで各部分に
おける隙間ｔは、半球部１４の最小部分では０．１５ｍ
ｍ、拡張部１２の最大部分では０．４ｍｍとする。

【００１４】尚、図１中、１７は圧力可変の圧縮機、１
８は材料、物質（原料、資料）の供給部、１９は製品
（微粒化物質）の取出部（吐出部）である。

【００１５】又、本体１の穴２は、中子体３をねじ戻し
て外に取出したとき、前回資料の洗浄がし易いように、
他の孔との連通個所を角をつけず丸めるように加工する
ことが肝要である。

【００１６】上記実施例の作用は次のとおりである。材
料が供給部１８に供給され、圧縮機１７で圧力を掛けら
れて装置本体１の入口８へ送られると、図１及び図２に
示すように隙間ｔを流体として流れる。このとき流体
は、拡散、衝突、せん断、キャビテーション、共鳴、振
動、渦流等の物理化学的現象を生じ、頂部１０、半球部
１４付近で一次作用としての微粒化処理をされる。

【００１７】次いで、流体は円周部１３、テーパ部１１
の隙間ｔを通るとき、同様の現象を生じ、二次作用とし
ての微粒化処理をされる。

【００１８】これにより、所望の粒度分布の微粒化材料
を吐出量一定で出口９から製品取出部１９に取出される
ものである。

【００１９】材料又は物質を変えて微粒化処理を行なう
ときは、装置を洗浄して行なうが、このときなどのよう
に、投入物質に応じた粒度分布とするときには、圧縮機
１７の圧力を変えることは勿論、ハンドル５を回して中
子体３を進退せしめ、所定の大きさの隙間とし容易に調
整して目標の粒度分布のものとなすことができる。

【００２０】この場合、本実施例においては、頂部付近
の隙間ｔを広げるべく、中子体３をＡ方向に移動させる
と、頂部１０付近では広がるが、円周部１３では隙間ｔ
の幅そのものは変わらない。しかし、このとき中子体３
の円周部１３の重なりがテーパ部１１から外れるため、
隙間ｔの長さが短くなり、粒子径大への移行となるもの
である。

【００２１】次に、図３及び４は本発明の他の実施例を
示す。本実施例では、本体１の穴２及び中子体３は隙間
ｔを隔てる球体即ち中心線Ｘ−Ｘ回りの回転体であり、
後者が隙間ｔだけ半径が小さいものである。その他は、
ほぼ前実施例と同様である。尚、本実施例では、本体１
は、中心線Ｘ−Ｘと中心で直交するＹ−Ｙ線にて２分割
され、ボルト２０で相互に組付けられ一体となってい
る。これにより内部が容易に洗浄可能となっている。

【００２２】この実施例においても、頂部１０の隙間ｔ
を広げるべく中子体３をＡ方向へ移動すると、裾部１３
付近は穴と中子体の重なり長さが減少し、やはり、粒子
径大への移行となるものである。つまり、頂部付近の一
次作用及び裾部付近の二次作用の協同が成立つものであ
る。

【００２３】

【発明の効果】本発明は、投入物に対応して目標の粒度
分布のものの吐出が得られるように容易に調整可能であ
り、これにより、各種物質の微粒化装置として、広範囲
に、また、製造容易で安価に使用できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の一実施例である装置（ジェネレ
ータ）の断面図である。

【図２】図１のII−II線により本体を流れに沿って破断
した断面図である。

【図３】本発明の他の実施例である装置の断面図であ
る。

【図４】図１の右側面図である。

【符号の説明】

１ 本体 ２ 穴、空洞 ３ 中子体、回転体 ４ 調節機構 ４ａ ねじ棒 ５ ハンドル ６ シール ７ シール ８ 入口 ９ 出口 １０ 頂部 １１ テーパ部（裾部） １２ 拡張部 １３ 円周部（裾部） １４ 半球部 １５ 一端 １６ 他端 １７ 圧縮機 １８ 材料供給部 １９ 製品取出部 ｔ 隙間

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体に一側が外部と連通する入口及び出
   口を設けると共に、前記入口及び出口の他側と連通する
   穴を前記本体内部に設け、前記穴と広い曲面において隙
   間を介して対峙する大略相似の中子体を設け、該中子体
   を前記隙間の大きさを変えられるように進退調節する調
   節機構を設けてなる物質の微粒化装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の微粒化装置において、前
   記広い曲面が中心線回りの回転曲面であることを特徴と
   する物質の微粒化装置。
3. 【請求項３】 請求項２記載の微粒化装置において、広
   い曲面が半球と、該半球に円で接続する円柱の結合体で
   あることを特徴とする物質の微粒化装置。
4. 【請求項４】 請求項２記載の微粒化装置において、広
   い曲面が球体であることを特徴とする物質の微粒化装
   置。
5. 【請求項５】 大略円柱状の本体内部に、中心線回りの
   回転曲面を有する空洞を設け、該空洞の頂部相当の本体
   の端部に流体の入口を設け、前記空洞を裾部にて拡大す
   るようにし該拡大部に直交するように前記本体の側方部
   分に流体の出口を設け、前記空洞の回転曲面に相似し隙
   間を介して対峙する回転体を設け、前記中心線上の本体
   の他端部にねじ嵌合するねじ棒の一端を前記回転体に固
   着すると共に、前記ねじ棒の他端を本体の他端部より外
   部に延長し該延長端にハンドルを固着してなる物質の微
   粒化装置。