JP2008236387A - 軟判定復号装置および軟判定復号プログラム - Google Patents

軟判定復号装置および軟判定復号プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】増幅器の利得が変化した場合でも、訂正能力が劣化しない軟判定復号装置および軟判定復号プログラムを提供する。
【解決手段】分散値算出部22は、可変利得増幅器6の利得を受けて、受けた利得に基づいて受信信号に含まれるノイズ成分の分散値を算出する。乗除算部26は、可変利得増幅器6から出力される受信信号と、算出された分散値とに基づいて対数尤度比を算出する。誤り訂正復号部は、対数尤度比に基づいて、1つの符号語を構成する受信信号を単位として受信信号の誤り訂正復号を行なう。
【選択図】図6

Description

本発明は、軟判定復号装置および軟判定復号プログラムに関し、特に低密度パリティ検査符号を復号する軟判定復号装置および軟判定復号プログラムに関する。
データの通信システムを構築する場合には、高速通信、低消費電力、高通信品質(低ビット誤り率)等が要求される。受信符号の誤りを検出して訂正する誤り訂正技術は、これらの要求を満たす1つの技術として、無線、有線および記録システム等において幅広く利用されている。
近年、この誤り訂正技術の1つとして、低密度パリティ検査(LDPC:Low-Density Parity-Check)符号と、sum-product復号法とが注目されている。このLDPC符号を利
用する復号操作は、非特許文献1において議論されている。この非特許文献1においては、符号化率1/2のイレギュラーLDPC符号を利用して白色ガウス通信路のシャノン(Shannon)限界まで0.004dBという復号特性が得られることが示されている。イレギュラーLDPC符号は、パリティ検査行列の行重み(行において1が立つ数)および列重み(列において1が立つ数)が、一定ではない符号を示す。行重みおよび列重みが各行および各列において一定のLDPC符号は、レギュラーLDPC符号と呼ばれる。
この非特許文献1においては、LDPC符号をsum-product復号法に従って復号する数
学的なアルゴリズムが示されているものの、その膨大な計算を具体的に行なう回路構成については何ら示していない。
非特許文献2は、LDPC符号の復号装置の回路構成について検討している。この非特許文献2においては、受信系列に基づいて情報シンボルの事後確率を、トレリスに基づくMAP(最大事後確率)アルゴリズム、すなわちBCJRアルゴリズムに従って計算する。このトレリスにおいて前方向および後方向の繰返しを各状態について計算し、これらの前方向および後方向の繰返し値に基づいて、事後確率を求めている。この計算式において、加算/比較/選択/加算装置を用いて計算する。LDPC符号の算出においては、sum-product復号法に基づき、検査行列を生成し、異なるチェックノードからの値を利用して
、推定値を算出するように回路を構成している。
また、非特許文献3においては、対数領域でのmin-sum復号法が解説されている。この非特許文献3では、min-sum復号法によれば、加算、最小、正負の判定および正負の符号の乗算という4種類の基本演算のみでギャラガー(Gallager)のf関数に従う処理を実装することができ、実装時の回路構成を簡略化することができることが示されている。
非特許文献3および非特許文献4に記載されているsum-product復号法およびmin-sum復号法では、パリティ検査行列を用いて外部値対数比αを更新し(行処理)、次いで、この外部値対数比αに基づいてシンボルの事前値対数比γを算出する処理(列処理)が繰返される。
さらに、非特許文献5には、実装時の回路構成を簡略化するための別の方法として、UMP-APP(the Uniformly most powerful APP-based iterative decoding algorithm)の復号方法が提案されている。
S. Y. Chung et al.,"On the Design of Low-Density Parity-Check Codes within 0.0045dB of the Shannon Limit"IEEE COMUNICATIONS LETTERS, VOL.5, No.2, Feb. 2001, pp.58-60 E. Yeo et al.,"VLSI Architectures for Iterative Decoders inMagnetic Recording Channels"IEEE Trans. Magnetics, Vol.37, No.2, March 2001, pp.748-755 和田山正、「低密度パリティ検査符号とその復号法について」、信学技報、MR2001−83、2001年12月 Haotian Zhang et al.,"The Design of Structured Regular LDPC Codes With Larger Girth"IEEE Globecom 2003, pp.4022-4027 MarcP. C. Fossorier, "Reduced Complexity Iterative Decoding of Low-Density Parity Check Codes Based on Brief Propagation", IEEE Trans. ON Communications, Vol. 47, No.5, May 1999, pp.673-680
ところで、受信装置には、受信信号のレベルを一定に保つために、増幅器の利得を自動調整する機能が備わっている。そして、上述の非特許文献1−5の復号方法では、受信した信号に基づいて対数尤度比が計算されるが、対数尤度比の値は、増幅器の利得の影響を受ける。たとえば、伝送路の通過ロスが大きい場合には、受信信号のレベルが小さくなるため、増幅器の利得が増加する。逆に、伝送路の通過ロスが小さい場合には、受信信号のレベルが大きくなるため、増幅器の利得が減少する。このように増幅器の利得が調整されることによって受信信号のレベルの変化する範囲は一定となり、その結果算出される対数尤度比の値の範囲も、ほぼ一定に保たれる。
しかしながら、送信装置から送信された信号自体のレベルが変化した場合でも、受信信号のレベルが一定となるように利得が自動調整されるため、受信信号のレベルのみを基として算出される対数尤度比は、送信された信号のレベルの信頼度を反映したものでなくなる。そのため、期待した訂正能力が得られない。
それゆえに、本発明の目的は、増幅器の利得が変化した場合でも、訂正能力が劣化しない軟判定復号装置および軟判定復号プログラムを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は、可変利得増幅器で増幅された受信信号を軟判定復号する軟判定復号装置であって、可変利得増幅器で増幅された受信信号の対数尤度比を算出する尤度算出部と、対数尤度比に基づいて、1つの符号語を構成する受信信号を単位として受信信号の誤り訂正復号を行なう誤り訂正復号部とを備え、尤度算出部は、可変利得増幅器の利得を受けて、受けた利得に基づいて受信信号に含まれるノイズ成分の分散値を算出する分散値算出部と、可変利得増幅器から出力される受信信号と、算出された分散値とに基づいて対数尤度比を算出する演算部とを含む。
好ましくは、分散値算出部は、式(A1)または式(A1)を近似した式に従って、受信信号に含まれるノイズ成分の分散値σ2を算出する。
σ2=K×T×B×NF×R×G …(A1)
ただし、Kはボルツマン定数、Tは絶対温度、Bは通信に用いる周波数帯域、NFは雑音指数、Rは可変利得増幅器の出力と接続されるA/Dコンバータの入力インピーダンス、Gは可変利得増幅器の利得である。
また、本発明は、可変利得増幅器で増幅された受信信号を軟判定復号する軟判定復号装置であって、可変利得増幅器で増幅された受信信号の対数尤度比を算出する尤度算出部と、対数尤度比に基づいて、1つの符号語を構成する受信信号を単位として受信信号の誤り訂正復号を行なう誤り訂正復号部とを備え、尤度算出部は、可変利得増幅器の利得と、受信信号に含まれるノイズ成分の分散値との対応を定めたテーブルを記憶する記憶部と、可変利得増幅器の利得を受けて、テーブルを参照して、受けた利得に対応する受信信号に含まれるノイズ成分の分散値を特定する分散値特定部と、可変利得増幅器から出力される受信信号と、特定された分散値とに基づいて対数尤度比を算出する演算部とを含む。
好ましくは、テーブルにおける、可変利得増幅器の利得と受信信号に含まれるノイズ成分の分散値σ2との関係は、式(A2)または式(A2)を近似した式に従って定められている。
σ2=K×T×B×NF×R×G …(A2)
ただし、Kはボルツマン定数、Tは絶対温度、Bは通信に用いる周波数帯域、NFは雑音指数、Rは可変利得増幅器の出力と接続されるA/Dコンバータの入力インピーダンス、Gは可変利得増幅器の利得である。
好ましくは、尤度算出部は、さらに、初期設定期間において、可変利得増幅部の利得を所定の範囲内で順次変化させる利得制御部と、初期設定期間のうちの可変利得増幅器の利得が同一である期間において、可変利得増幅器から順次出力される受信信号について、それらの分散値を算出する分散値算出部と、初期設定期間において得られた、可変利得増幅器の利得と、利得に対応する算出された分散値とに基づいて、テーブルを作成するテーブル作成部とを含む。
好ましくは、軟判定復号装置は、さらに、可変利得増幅器の出力が一定となるように、可変利得増幅器の利得を調整する利得制御部を備え、利得制御部は、各単位に含まれる受信信号に対しては、可変利得増幅器の利得を変化させない。
また、本発明は、可変利得増幅器で増幅された受信信号を軟判定復号する軟判定復号装置であって、可変利得増幅器の出力が一定となるように、可変利得増幅器の利得を調整する利得制御部と、可変利得増幅器で増幅された受信信号の対数尤度比を算出する尤度算出部と、対数尤度比に基づいて、1つの符号語を構成する受信信号を単位として受信信号の誤り訂正復号を行なう誤り訂正復号部とを備え、利得制御部は、各単位に含まれる受信信号に対しては、可変利得増幅器の利得を変化させない。
また、本発明は、可変利得増幅器で増幅された受信信号を軟判定復号する軟判定復号プログラムであって、コンピュータを、可変利得増幅器で増幅された受信信号の対数尤度比を算出する尤度算出部と、対数尤度比に基づいて、1つの符号語を構成する受信信号を単位として受信信号の誤り訂正復号を行なう誤り訂正復号部として機能させ、尤度算出部は、可変利得増幅器の利得を受けて、受けた利得に基づいて受信信号に含まれるノイズ成分の分散値を算出する分散値算出部と、可変利得増幅器から出力される受信信号と、算出された分散値とに基づいて対数尤度比を算出する演算部とを含む。
また、本発明は、可変利得増幅器で増幅された受信信号を軟判定復号する軟判定復号プログラムであって、コンピュータを、可変利得増幅器で増幅された受信信号の対数尤度比を算出する尤度算出部と、対数尤度比に基づいて、1つの符号語を構成する受信信号を単位として受信信号の誤り訂正復号を行なう誤り訂正復号部として機能させ、尤度算出部は、可変利得増幅器の利得と、受信信号に含まれるノイズ成分の分散値との対応を定めたテーブルを記憶する記憶部と、可変利得増幅器の利得を受けて、テーブルを参照して、受けた利得に対応する受信信号に含まれるノイズ成分の分散値を特定する分散値特定部と、可変利得増幅器から出力される受信信号と、特定された分散値とに基づいて対数尤度比を算出する演算部とを含む。
また、本発明は、可変利得増幅器で増幅された受信信号を軟判定復号する軟判定復号プログラムであって、コンピュータを、可変利得増幅器の出力が一定となるように、可変利得増幅器の利得を調整する利得制御部と、可変利得増幅器で増幅された受信信号の対数尤度比を算出する尤度算出部と、対数尤度比に基づいて、1つの符号語を構成する受信信号を単位として受信信号の誤り訂正復号を行なう誤り訂正復号部として機能させ、利得制御部は、各単位に含まれる受信信号に対しては、可変利得増幅器の利得を変化させない。
本発明によれば、増幅器の利得が変化した場合でも、訂正能力が劣化しない軟判定復号装置を提供することである。
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、sum-product復号法によって誤り訂正復号を行なう軟判定復号装置に関する。
図1は、本発明の実施形態に従う軟判定復号装置を用いる通信システムの構成の一例を示す図である。図1において、通信システムの送信装置90は、符号化器1と、変調器2とを含む。
符号化器1は、Kビットの情報に対し、パリティ計算用の冗長ビットMビットを付加して、(K+M)ビットのLDPC符号(低密度パリティ検査符号)を生成する。パリティ検査行列H(M行、N列)においては、行が冗長ビットに対応し、列が符号ビットに対応する。
変調器2は、この符号化器1からの(K+M)(=N)ビットの符号をベースバンド変調方式に従って変調して通信路へ出力する。
受信装置92は、復調器4と、可変利得増幅器6と、AGC(Automatic Gain Control)回路7と、A/Dコンバータ8と、復号化器5とを含む。
復調器4は、通信路3を介して送信された変調信号に復調処理を行なう。
可変利得増幅器6は、復調器4から出力される復調された信号を増幅する。可変利得増幅器6の増幅率(利得)Gは、AGC回路7によって調整される。
AGC回路7は、可変利得増幅器6への入力信号の振幅が変動する場合においても一定の出力が得られるよう、自動的に可変利得増幅器6の増幅率(利得)Gを調整する。
A/Dコンバータ8は、可変利得増幅器6から出力されるアナログ信号を各サンプリング点でサンプリングして、L値(L≧2)で表わされる多値量子化データを出力する。
復号化器5は、軟判定復号装置であって、復調された(K+M)ビットの符号(受信信号xn)にLDPCパリティ検査行列Hを適用して、元のKビットの情報を復元する。
図2は、復号化器5の構成を表わす図である。
図2を参照して、復号化器5は、対数尤度比算出部10と、誤り訂正復号部18とを備える。
対数尤度比算出部10は、受信信号xnの対数尤度比λnを算出する。この処理の詳細は後述する。
誤り訂正復号部18は、対数尤度比λnにしたがって、符号長Nの単位で受信信号xnの誤り訂正復号を行なう。誤り訂正復号部18は、sum-product復号法によって誤り訂正復号を行なう。
誤り訂正復号部18は、パリティ検査行列の行処理を行なう行処理部12と、パリティ検査行列の列処理を行なう列処理部14と、対数尤度比算出部10からの対数尤度比λn″と行処理部12の出力ビット(外部値対数比)αmnとに従って復号語を生成するループ判定部16とを含む。
行処理部12および列処理部14は、それぞれ、次式(1)および(2)に従って、演算処理を行ない、パリティ検査行列の行の各要素についての処理(行処理)および列についての各要素についての処理(列処理)を実行する。行処理部12において、列処理部14から与えられる事前値対数比βmnと対数尤度比λnとに従って外部値対数比αmnを更新する。
Figure 2008236387
ここで、上式(1)および(2)それぞれにおいて、n′∈A(m)\nおよびm′∈B(n)\mは、自身を除く要素を意味する。外部値対数比αmnについては、n′≠nであり、事前値対数比βmnについては、m′≠mである。また、αおよびβの行列内の位置を示す添え字“mn”は、通常は下付文字で示されるが、本明細書においては、読みやすさのために、「横並びの文字」で示す。
ここで、関数f(x)は、ギャラガ関数とよばれ、次式(3)で定義される。
Figure 2008236387
また、関数sign(x)は、次式(4)で定義される。
Figure 2008236387
また、集合A(m)およびB(n)は、2元M・N行列H=[Hmn]を復号対象のLDPC符号の検査行列とした場合、集合[1,N]={1,2,…,N}の部分集合である。
A(m)={n:Hmn=1}
B(n)={m:Hmn=1}
すなわち、部分集合A(m)は、検査行列Hの第m行目において1が立っている列インデックスの集合を意味し、部分集合B(n)は、検査行列Hの第n列目において1が立っている行インデックスの集合を示す。
具体的に、今、図3に示す検査行列Hを考える。この図3に示す検査行列Hにおいては、第1行の第1列から第3列に“1”が立ち、また第2行の第3列および第4列に“1”が立ち、また第3行の第4列から第6列に、“1”が立つ。したがって、この場合、部分集合A(m)は以下のようになる。
A(1)={1,2,3}、
A(2)={3,4}、
A(3)={4,5,6}。
同様、部分集合B(n)については、以下のようになる。
B(1)=B(2)={1}、
B(3)={1,2}、
B(4)={2,3}、
B(5)=B(6)={3}。
この検査行列Hにおいて、タナー(Tanner)グラフを用いた場合、列に対応する変数ノードと行に対応するチェックノードの接続関係が、この“1”により示される。これを、本明細書においては「“1”が立つ」と称している。すなわち、図4に示すように、変数ノード1,2,3は、チェックノードX(第1行)に接続され、変数ノード3,4が、チェックノードY(第2行)に接続される。変数ノード4,5,6が、チェックノードZ(第3行)に接続される。この変数ノードが検査行列Hの列に対応し、チェックノードX,YおよびZが、この検査行列Hの各行に対応する。従って、図3に示す検査行列は、情報ビットが3ビット、冗長ビットが3ビットの合計6ビットの符号に対して適用される。
この検査行列Hは、“1”の数は少なく、低密度の検査行列であり、これにより、計算量を低減できる。
この変数ノードとチェックノードの間で各条件確率P(Xi|Yi)を伝播させ、MAPアルゴリズムに従って、もっともらしい符号を各変数ノードについて決定する。ここで、条件付確率P(Xi|Yi)は、Yiの条件下でXiとなる確率を示す。
ループ判定部16は、これらの行処理部12および列処理部14における演算処理結果に基づいて、1次推定語を生成し、これらの1次推定語が符号語を構成しているかを検査する。このパリティ検査時において、シンドロームが“0”とならない場合には、再び処理を繰返し実行する。この処理の繰返し回数が所定値に到達すると、そのときの1次推定語を符号語として出力する。
図3のパリティ検査行列では、“1”の数が“0”の数に比べて若干少ない例を示したが、本発明の実施形態で用いるパリティ検査行列Hは、“1”の数は非常に少なく、低密度のパリティ検査行列であり、これにより、計算量を低減できる。
これらの求められた外部値対数比αmnは、図2に示す列処理部14およびループ判定部16へ供給される。この列処理部14は、先の式(2)において示された演算処理を行ない、検査行列Hの各行において生成された外部値対数比を用いて、自身を除く行以外の対応の列の“1”が立っている位置の外部値対数比を加算する。したがって、検査行列Hが図3に示される構成の場合、事前値対数比β11は、第1列において自身が属する第1行以外には“1”が立っていないため、“0”となる。
ループ判定部16は、この行処理部12で生成される外部値対数比αmnと対数尤度比算出部10からの対数尤度比λnとを用いて、複数の符号で構成される符号語を生成する。符号の数は、検査行列の列の数に対応する。
図5は、このループ判定部16の処理動作を示すフロー図である。以下、図5を参照して、ループ判定部16の処理操作について説明する。
まず、初期動作として、ループ回数および事前値対数比βmnの初期設定が行なわれる。このループ回数は、列処理部14で生成された事前値対数比βmnを用いて再び行処理部12で外部値対数比αmnを生成するループにおける演算回数を示す。このループ回数においては、最大値が予め定められる。事前値対数比mnは、“0”に初期設定される(ステップSP1)。
次いで、受信シンボル系列に従って、対数尤度比λnおよび外部値対数比αmnが、それぞれ、対数尤度比算出部10および行処理部12により生成されて、ループ判定部16へ供給される(ステップSP2)。
ループ判定部16は、これらの供給された対数尤度比λnおよび外部値対数比αmnに従って、演算λn+Σαm′nを行って推定受信語Qnを算出する(ステップSP3)。ここで、総和Σは、部分集合B(n)の要素m′について実行される。
このステップSP3において算出された値Qnの正負の符号を判定し(ステップSP4)、1次推定符号Cnを生成する(ステップSP5)。この符号の正/負判定においては、たとえば、推定受信語Qnが2の補数表示されているときには、最上位ビット(符号ビット)のビット値を見ることにより、正および負の判定を行なうことができる。
推定符号Cnが全て生成され、符号語(C1,・・・,CN)が生成されると、次いでパリティ検査を実行する(ステップSP6)。このパリティ検査においては、先の検査行列Hの転置行列を用いて、(C1,…,CN)・Ht=0を計算する。この計算により、生成されるシンドロームが0であれば、1次推定語(C1,…,CN)を推定語として出力する(ステップSP9)。
一方、この生成されたシンドロームが0と異なる場合には、ループ回数が最大値であるかの判定が行なわれる(ステップSP7)。すなわち、この1次推定語の生成回数をカウントし、その生成回数が所定の最大回数に到達すると、その符号についての算出をそれ以上をやめて、現在生成されている1次推定語を符号語として出力する(ステップSP9)。これにより、収束性の悪いノイジーな符号に対して、不必要に演算処理時間が要するのを防止する。
ステップSP7において、ループ回数が最大値に到達していないと判定されると、このループ回数を1インクリメントして、再び、行処理部12および列処理部14における処理を開始させて、再びステップSP2からの処理を実行する。
復号装置によるこれら一連の処理が、LDPCのsum-product法の動作である。
(受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2について)
次に、受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2が理論的にどのように表わされるかについて説明する。
受信信号xに含まれるノイズ成分は、白色性ガウス雑音であることを仮定しているので、次式(5)で表される。
P=平均電圧×(平均電圧/抵抗値)=σ×(σ/R)=σ2/R …(5)
ここで、σは、受信信号xの標準偏差であり、Rは、A/Dコンバータ8の入力インピーダンス(Ω)である。
また、受信信号xに含まれるノイズ成分は、白色性ガウス雑音であるから、次式でも表わされる。
P=K×T×B×NF×G …(6)
ここで、Kはボルツマン定数(W/Hz・K)、Tは絶対温度(K)、Bは通信に用いる周波数帯域(Hz)、Gは可変利得増幅器6の利得(dB)である。NFは雑音指数であり、可変利得増幅器6の入力のSN比を可変利得増幅器6の出力のSN比で除算した値である。
式(5)および式(6)により、受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2は、次の式で表わされる。
σ2=K×T×B×NF×R×G …(7)
ここで、J=K×T×B×NF×R …(8)
とすると、
σ2=J×G … (9)
と表わされる。
対数尤度比算出部10は、次の式に従って、各受信信号xnの対数尤度比λnを算出する。
Figure 2008236387
式(10)は、受信信号xに含まれるノイズ成分が白色性ガウス雑音であることを仮定した式である。σ2は、受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値である。
図6は、第1の実施形態における、対数尤度比算出部10、AGC回路7および可変利得増幅器6を表わす図である。
図6を参照して、この対数尤度比算出部10は、分散値算出部22と、定数記憶部24と、乗除算部26とを備える。
可変利得増幅器6は、復調器4から出力される復調された信号を増幅する。可変利得増幅器6の増幅率(利得)Gは、AGC回路7によって調整される。
AGC回路7は、可変利得増幅器6への入力信号の振幅が変動する場合においても一定の出力が得られるよう、自動的に可変利得増幅器6の増幅率(利得)Gを調整する。具体的には、AGC回路7は、一定時間ごとに、受信信号のレベルの平均値を算出し、算出した平均値に応じて利得Gを変化させる。AGC回路7は、利得Gの初期値を対数尤度比算出部10に出力する。また、AGC回路7は、利得Gが変化するごとに、新たな利得Gを対数尤度比算出部10に出力する。
定数記憶部24は、定数「2」および定数「J」の値を記憶し、定数「2」を乗除算部26に供給し、定数「J」を分散値算出部22に供給する。
分散値算出部22は、AGC回路7から送られる利得Gと、定数記憶部24に記憶されている定数「J」とを乗算することによって、受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2を算出する。
乗除算部26は、各受信信号xnと、定数記憶部24に記憶されている定数「2」とを乗算する。乗除算部26は、乗算結果を分散値算出部22によって算出された受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2で除算することによって、各受信信号xnの対数尤度比λnを算出する。
(対数尤度比算出処理)
図7は、第1の実施形態の対数尤度比算出処理の手順を表わすフローチャートである。
図7を参照して、まず、AGC回路7は、利得Gの初期値を分散値算出部22に出力し、分散値算出部22は、AGC回路7から出力される利得Gの初期値と、定数記憶部24に記憶されている定数「J」とを乗算することによって、受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2を算出する(ステップS101)。
AGC回路7は、一定時間ごとに、受信信号のレベルの平均値を算出し、算出した平均値に応じて利得Gを調整し、利得Gが変化するごとに(ステップS102でYES)、新たな利得Gを分散値算出部22に出力する。分散値算出部22は、AGC回路7から出力された新たな利得Gと、定数記憶部24に記憶されている定数「J」とを乗算することによって、受信信号xに含まれるノイズ成分の新たな分散値σ2を算出する(ステップS103)。
利得Gの変化に係らず(つまり、ステップS102でYES,NOに係らず)、乗除算部26は、各受信信号xnと、定数記憶部24に記憶されている定数「2」とを乗算し、乗算結果を受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2で除算することによって、各受信信号xnの対数尤度比λnを算出する(ステップS104)。
さらに、n=n+1として、ステップS102からの処理が繰返される(ステップS105)。
以上のように、第1の実施形態によれば、伝送路の通過ロスが変動し、可変利得増幅器の利得が変化する場合でも、受信信号に含まれるノイズの分散値を可変利得増幅器の利得Gの関数として算出するので、受信信号に含まれるノイズの分散値を適切に求めることができ、その結果、誤り訂正復号部による訂正能力が劣化しないようにすることができる。
[第2の実施形態]
(構成)
図8は、第2の実施形態における、対数尤度比算出部30、AGC回路7および可変利得増幅器6を表わす図である。
図8を参照して、この対数尤度比算出部30は、分散値特定部32と、利得−分散値テーブル記憶部34と、定数記憶部25と、乗除算部26とを備える。
利得−分散値テーブル記憶部34は、利得−分散値テーブルを記憶する。
図9は、利得−分散値テーブルの例を表わす図である。
図9を参照して、利得−分散値テーブルは、利得Gに対応する受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2を定める。利得−分散値テーブル内の利得Gに対応する受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2は、予め式(7)に従って算出した値が設定されている。
分散値特定部32は、AGC回路7から利得Gを受けると、利得−分散値テーブルを参照して、その利得Gに対応する受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2を特定する。
定数記憶部25は、定数「2」の値を記憶し、定数「2」を乗除算部26に供給する。
乗除算部26は、各受信信号xnと、定数記憶部25に記憶されている定数「2」とを乗算する。乗除算部は、乗算結果を分散値特定部32によって算出された受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2で除算することによって、各受信信号xnの対数尤度比λnを算出する。
(対数尤度比算出処理)
図10は、第2の実施形態の対数尤度比算出処理の手順を表わすフローチャートである。
図10を参照して、まず、AGC回路7は、利得Gの初期値を分散値特定部32に出力し、分散値特定部32は、利得−分散値テーブルを参照して、AGC回路7から出力される利得Gの初期値に対応する受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2を特定する(ステップS201)。
AGC回路7は、一定時間ごとに、受信信号のレベルの平均値を算出し、算出した平均値に応じて利得Gを調整し、利得Gが変化するごとに(ステップS202でYES)、新たな利得Gを分散値特定部32に出力する。分散値特定部32は、利得−分散値テーブルを参照して、AGC回路7から出力された新たな利得Gに対応する受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2を特定する(ステップS203)。
利得Gの変化に係らず(つまり、ステップS202でYES,NOに係らず)、乗除算部26は、各受信信号xnと、定数記憶部25に記憶されている定数「2」とを乗算し、乗算結果を受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2で除算することによって、各受信信号xnの対数尤度比λnを算出する(ステップS204)。
さらに、n=n+1として、ステップS202からの処理が繰返される(ステップS205)。
以上のように、第2の実施形態によれば、伝送路の通過ロスが変動し、可変利得増幅器の利得が変化する場合でも、受信信号に含まれるノイズの分散値を可変利得増幅器の利得Gの関数として算出したテーブルを用いて、受信信号に含まれるノイズの分散値を適切に求めることができ、その結果、誤り訂正復号部による訂正能力が劣化しないようにすることができる。
[第3の実施形態]
(構成)
図11は、第3の実施形態における、対数尤度比算出部40、AGC回路7および可変利得増幅器6を表わす図である。
図11を参照して、この対数尤度比算出部40は、利得制御部41と、分散値算出部42と、利得−分散値テーブル作成部43と、利得−分散値テーブル記憶部44と、分散値特定部45と、定数記憶部25と、乗除算部26とを備える。
利得制御部41は、初期設定期間(トレーニング期間)中に、AGC回路7に利得の調整を停止させるとともに、可変利得増幅器6に対して指定した利得Gで増幅を行なわせる。利得制御部41は、指定する利得Gを、G0〜GNまでΔGの幅で一定期間ΔTごとに変化させ、指定した利得Gを分散値算出部42および利得−分散値テーブル作成部43に出力する。
分散値算出部42は、初期設定期間中に、利得制御部41から可変利得増幅器6に対して指定した利得Gを受けると、次に利得Gを受けるまでの期間(つまり、可変利得増幅器6の利得が同一である期間)において、A/Dコンバータ8から順次出力される受信信号xnを統計処理して、受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2を算出し、利得−分散値テーブル作成部43に出力する。
利得−分散値テーブル作成部43は、利得制御部41から出力される利得Gと、分散値算出部42から出力される受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2との対応を定めた利得−分散値テーブルを作成して、利得−分散値テーブル記憶部44に出力する。
利得−分散値テーブル記憶部44は、利得−分散値テーブル作成部43によって作成された利得−分散値テーブルを記憶する。
分散値特定部45は、AGC回路7から利得Gを受けると、利得−分散値テーブルを参照して、その利得Gに対応する受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2を特定する。
定数記憶部25は、定数「2」の値を記憶し、定数「2」を乗除算部26に供給する。
乗除算部26は、各受信信号xnと、定数記憶部25に記憶されている定数「2」とを乗算する。乗除算部26は、乗算結果を分散値特定部45によって算出された受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2で除算することによって、各受信信号xnの対数尤度比λnを算出する。
(対数尤度比算出処理)
図12は、第3の実施形態の対数尤度比算出処理の手順を表わすフローチャートである。
図12を参照して、初期設定期間中に、利得−分散値テーブルが作成される。すなわち、利得制御部41は、初期設定期間(トレーニング期間)中に、AGC回路7に利得の調整を停止させるとともに、可変利得増幅器6に対して、G0〜GNまでΔGの幅で一定期間ΔTごとに利得Gを指定し、指定した利得Gを分散値算出部42および利得−分散値テーブル作成部43に出力する。分散値算出部42は、初期設定期間中に、利得制御部41から可変利得増幅器6に対して指定した利得Gを受けると、次に利得Gを受けるまでの期間において、A/Dコンバータ8から順次出力される受信信号xnを統計処理して、受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2を算出し、利得−分散値テーブル作成部43に出力する。利得−分散値テーブル作成部43は、利得制御部41から出力される利得Gと、分散値算出部42から出力される受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2との対応を定めた利得−分散値テーブルを作成して、利得−分散値テーブル記憶部44に出力する(ステップS301)。
次に、AGC回路7は、利得Gの初期値を分散値特定部45に出力し、分散値特定部45は、利得−分散値テーブルを参照して、AGC回路7から出力される利得Gの初期値に対応する受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2を特定する(ステップS302)。
AGC回路7は、一定時間ごとに、受信信号のレベルの平均値を算出し、算出した平均値に応じて利得Gを調整し、利得Gが変化するごとに(ステップS303でYES)、新たな利得Gを分散値特定部45に出力する。分散値特定部45は、利得−分散値テーブルを参照して、AGC回路7から出力された新たな利得Gに対応する受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2を特定する(ステップS304)。
利得Gの変化に係らず(つまり、ステップS303でYES,NOに係らず)、乗除算部26は、各受信信号xnと、定数記憶部25に記憶されている定数「2」とを乗算し、乗算結果を受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2で除算することによって、各受信信号xnの対数尤度比λnを算出する(ステップS305)。
さらに、n=n+1として、ステップS303からの処理が繰返される(ステップS306)。
以上のように、第3の実施形態によれば、伝送路の通過ロスが変動し、可変利得増幅器の利得が変化する場合でも、初期設定期間において、可変利得増幅器の利得Gに対して、受信信号に含まれるノイズの分散値がどのような値になるかを求めて、テーブルに設定しておき、このテーブルを用いて、受信信号に含まれるノイズの分散値を適切に求めることができるので、誤り訂正復号部による訂正能力が劣化しないようにすることができる。また、第3の実施形態では、受信信号に含まれるノイズの分散値が受信装置ごとに求められてテーブルに設定されるので、理論式を用いるよりも受信装置ごとの特性のばらつきを反映した分散値が得られる。
[第4の実施形態]
第4の実施形態は、復号の処理負荷の軽減を目的とし行処理または列処理を簡略した復号法にによる誤り訂正復号を行なう軟判定復号装置に関する。
このような簡略された誤り訂正復号では、対数尤度比として受信信号の値または受信信号を定数倍(この定数は、受信信号に含まれるノイズ成分の分散に依存しない)した値を用いる。
行処理を簡略した代表的な復号法として、式(3)のギャラガ関数を計算する代わりに、自信を除く最小値を求める手法であるmin-sum復号法(和田山正、「低密度パリティ検査符号とその復号法について」、信号技報、MR2001−83、2001年12月)、δ−min復号法(Sakai, W.Matsumoto, H.Yoshida, ”Low Complexity Decoding Algorithm for LDPC Codes and Its Discretized Density Evolution”, pp.13-18, RCS2005-42 (2005-7) Okayama, Japan, July, 2005)、A-min復号法(Jones, C., E. Vall´es, M. Smith, and J. Villasenor. 13-16 Oct. 2003. “Approximatemin* constraint node updating for ldpc code decoding.” Military Communications Conference, 2003. MILCOM 2003. IEEE.)、およびλ−min復号法Guilloud, F.,Sept. 1-5, 2003b. “λ-Min Decoding Algorithm of Regular and Irregular LDPC Codes.” 3rd International Symposium on Turbo Codes & related topics.)などがある。その他の行処理を簡略した復号法として、ビット単位の論理演算を行なって、自信を除く最小値を近似的に算出する方法(特願2006−162646号)がある。
また、列処理を簡略した代表的な復号法として、APP復号法(MarcP. C. Fossorier, “Reduced Complexity Iterative Decoding of Low-Density Parity Check Codes Based on Brief Propagation”, IEEE Trans. ON Communications, Vol. 47, No.5, May 1999, pp.673-680)、およびAPP復号法を改良した擬似対数尤度比を用いる手法(特願2006−164935号)などがある。擬似対数尤度比を用いる手法では、各列ブロックの行処理の結果がすべて加算され、その加算結果が1時刻前の擬似対数尤度比に加えられて、順次、擬似対数尤度比が更新される。
また、上記の簡略化手法を組合わせて使用することも可能である。
以下では、上述のような簡略された復号法のうち代表的な復号法であるmin-sum復号法を例にして説明を行なう。
min-sum復号法では、行処理部と対数尤度比算出部が第1の形態と相違し、その他は、第1の実施形態と同様である。
min-sum復号法では、行処理部12は、式(1)の代わりに、式(11)に従って、演算処理を行なう。
Figure 2008236387
ここで、関数minは、最小値を求める演算を示す。
(構成)
対数尤度比算出部は、次の式に従って、各受信信号xnの対数尤度比λnを算出する。
Figure 2008236387
式(12)は、受信信号xに含まれるノイズ成分が白色性ガウス雑音であることを仮定したものである。ここで、gは非ゼロの正の数であり、受信信号xnに含まれるノイズ成分の分散に依存しない。また、g=1と設定すれば、回路が簡略化され、より望ましい。
次に、第4の実施形態の対数尤度比算出処理の詳細を説明する。
図13は、第4の実施形態における、対数尤度比算出部50、AGC回路87および可変利得増幅器6を表わす図である。
図13を参照して、この対数尤度比算出部50は、定数記憶部56と、乗算部54とを備える。
AGC回路87は、1つの符号語を構成する受信信号のセットに対しては、可変利得増幅器6の利得を変化させない。具体的には、AGC回路87は、符号長Nごとの受信信号のレベルの平均値を算出し、符号長Nの最後のビットに対応する受信信号xnを受信するごとに、可変利得増幅器6の利得Gを調整する。
対数尤度比算出部50は、定数記憶部56と、乗算部54とを備える
定数記憶部56は、定数「g」の値を記憶し、定数「g」の値を乗除算部54に供給する。
乗算部54は、各受信信号xnと、定数記憶部56に記憶されている定数「g」とを乗算することによって、各受信信号xnの対数尤度比λnを算出する。
(対数尤度比算出処理)
した式である。
図14は、第4の実施形態の対数尤度比算出処理の手順を表わすフローチャートである。
図14を参照して、乗算部54は、各受信信号xnと、定数記憶部56に記憶されている定数「g」とを乗算することによって、各受信信号xnの対数尤度比λnを算出する(ステップS401)。
AGC回路87は、符号長Nごとの受信信号のレベルの平均値を算出し、符号長Nの最後のビットに対応する受信信号xnを受信したときに(ステップS402でYES)、算出した平均値に応じて可変利得増幅器6の利得Gを調整する(ステップS403)。
さらに、n=n+1として、ステップS401からの処理が繰返される(ステップS404)。
以上のように、第4の実施形態によれば、1つの符号を構成する受信信号については、増幅される利得を一定にできるので、1つの符号内の対数尤度比が伝送路の通過ロスの変動で大きく変化しないようにすることができ、その結果誤り訂正復号部による訂正能力が劣化しないようにすることができる。
[第5の実施形態]
(構成)
図15は、第5の実施形態における、対数尤度比算出部10、AGC回路87および可変利得増幅器6を表わす図である。
図15の構成が、図6の第1の実施形態の構成と相違する点は、AGC回路87である。
AGC回路87は、第4の実施形態と同様に、1つの符号語を構成する受信信号のセットに対しては、可変利得増幅器6の利得を変化させない。具体的には、AGC回路87は、符号長Nごとの受信信号のレベルの平均値を算出し、符号長Nの最後のビットに対応する受信信号xnを受信するごとに、可変利得増幅器6の利得Gを調整する。
(対数尤度比算出処理)
図16は、第5の実施形態の対数尤度比算出処理の手順を表わすフローチャートである。
図16を参照して、まず、AGC回路87は、利得Gの初期値を分散値算出部22に出力し、分散値算出部22は、AGC回路87から出力される利得Gの初期値と、定数記憶部2に記憶されている定数「J」とを乗算することによって、受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2を算出する(ステップS501)。
次に、乗除算部26は、各受信信号xnと、定数記憶部24に記憶されている定数「2」とを乗算し、乗算結果を受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2で除算することによって、各受信信号xnの対数尤度比λnを算出する(ステップS502)。
AGC回路87は、符号長Nごとの受信信号のレベルの平均値を算出し、符号長Nの最後のビットに対応する受信信号xnを受信したときに(ステップS503でYES)、算出した平均値に応じて可変利得増幅器6の利得Gを調整し、調整した利得Gを分散値算出部22に出力する(ステップS504)。
さらに、分散値算出部22は、AGC回路87から出力された新たな利得Gと、定数記憶部24に記憶されている定数「J」とを乗算することによって、受信信号xに含まれるノイズ成分の新たな分散値σ2を算出する(ステップS505)。
さらに、n=n+1として、ステップS502からの処理が繰返される(ステップS506)。
以上のように、第5の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、受信信号に含まれるノイズの分散値を可変利得増幅器の利得Gの関数として算出するので、受信信号に含まれるノイズの分散値を適切に求めることができるとともに、第4の実施形態と同様に、1つの符号を構成する受信信号については、増幅される利得を一定にできる。その結果、誤り訂正復号部による訂正能力が劣化しないようにすることができる。
[第6の実施形態]
(構成)
図17は、第6の実施形態における、対数尤度比算出部30、AGC回路87および可変利得増幅器6を表わす図である。
図17の構成が、図8の第2の実施形態の構成と相違する点は、AGC回路87である。
AGC回路87は、第4の実施形態と同様に、1つの符号語を構成する受信信号のセットに対しては、可変利得増幅器6の利得を変化させない。具体的には、AGC回路87は、符号長Nごとの受信信号のレベルの平均値を算出し、符号長Nの最後のビットに対応する受信信号xnを受信するごとに、可変利得増幅器6の利得Gを調整する。
(対数尤度比算出処理)
図18は、第6の実施形態の対数尤度比算出処理の手順を表わすフローチャートである。
図18を参照して、まず、AGC回路87は、利得Gの初期値を分散値特定部32に出力し、分散値特定部32は、利得−分散値テーブルを参照して、AGC回路87から出力される利得Gの初期値に対応する受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2を特定する(ステップS601)。
次に、乗除算部26は、各受信信号xnと、定数記憶部25に記憶されている定数「2」とを乗算し、乗算結果を受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2で除算することによって、各受信信号xnの対数尤度比λnを算出する(ステップS602)。
AGC回路87は、符号長Nごとの受信信号のレベルの平均値を算出し、符号長Nの最後のビットに対応する受信信号xnを受信したときに(ステップS603でYES)、算出した平均値に応じて可変利得増幅器6の利得Gを調整し、調整した利得Gを分散値特定部32に出力する(ステップS604)。
さらに、分散値特定部32は、利得−分散値テーブルを参照して、AGC回路87から出力された新たな利得Gに対応する受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2を特定する(ステップS605)。
さらに、n=n+1として、ステップS602からの処理が繰返される(ステップS606)。
以上のように、第6の実施形態によれば、第2の実施形態と同様に、受信信号に含まれるノイズの分散値を可変利得増幅器の利得Gの関数として算出したテーブルを用いて、受信信号に含まれるノイズの分散値を適切に求めることができるとともに、第4の実施形態と同様に、1つの符号を構成する受信信号については、増幅される利得を一定にできる。その結果、誤り訂正復号部による訂正能力が劣化しないようにすることができる。
[第7の実施形態]
(構成)
図19は、第7の実施形態における、対数尤度比算出部40、AGC回路87および可変利得増幅器6を表わす図である。
図19の構成が、図11の第3の実施形態の構成と相違する点は、AGC回路87である。
AGC回路87は、第4の実施形態と同様に、1つの符号語を構成する受信信号のセットに対しては、可変利得増幅器の利得を変化させない。具体的には、AGC回路87は、符号長Nごとの受信信号のレベルの平均値を算出し、符号長Nの最後のビットに対応する受信信号xnを受信するごとに、可変利得増幅器6の利得Gを調整する。
(動作)
図20は、第7の実施形態の対数尤度比算出処理の手順を表わすフローチャートである。
図20を参照して、初期設定期間中に、利得−分散値テーブルが作成される。すなわち、利得制御部41は、初期設定期間(トレーニング期間)中に、AGC回路87に利得の調整を停止させるとともに、可変利得増幅器に対して、G0〜GNまでΔGの幅で一定期間ΔTごとに利得Gを指定し、指定した利得Gを分散値算出部42および利得−分散値テーブル作成部43に出力する。分散値算出部43は、初期設定期間中に、利得制御部41から可変利得増幅器6に対して指定した利得Gを受けると、次に利得Gを受けるまでの期間において、A/Dコンバータ8から順次出力される受信信号xnを統計処理して、受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2を算出して、利得−分散値テーブル作成部43に出力する。利得−分散値テーブル作成部43は、利得制御部41から出力される利得Gと、分散値算出部42から出力される受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2との対応を定めた利得−分散値テーブルを作成して、利得−分散値テーブル記憶部44に出力する(ステップS701)。
AGC回路87は、利得Gの初期値を分散値特定部45に出力し、分散値特定部45は、利得−分散値テーブルを参照して、AGC回路87から出力される利得Gの初期値に対応する受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2を特定する(ステップS702)。
次に、乗除算部26は、各受信信号xnと、定数記憶部25に記憶されている定数「2」とを乗算し、乗算結果を受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2で除算することによって、各受信信号xnの対数尤度比λnを算出する(ステップS703)。
AGC回路87は、符号長Nごとの受信信号のレベルの平均値を算出し、符号長Nの最後のビットに対応する受信信号xnを受信したときに(ステップS704でYES)、算出した平均値に応じて可変利得増幅器6の利得Gを調整し、調整した利得Gを分散値特定部45に出力する(ステップS705)。
さらに、分散値特定部45は、利得−分散値テーブルを参照して、AGC回路87から出力された新たな利得Gに対応する受信信号xに含まれるノイズ成分の分散値σ2を特定する(ステップS706)。
さらに、n=n+1として、ステップS703からの処理が繰返される(ステップS707)。
以上のように、第7の実施形態によれば、第3の実施形態と同様に、初期設定期間において、可変利得増幅器の利得Gに対して、受信信号に含まれるノイズの分散値がどのような値になるかを求めて、テーブルに設定しておき、このテーブルを用いて、受信信号に含まれるノイズの分散値を適切に求めることができるとともに、第4の実施形態と同様に、1つの符号を構成する受信信号については、増幅される利得を一定にできる。その結果、その結果、誤り訂正復号部による訂正能力が劣化しないようにすることができる。また、第7の実施形態では、第3の実施形態と同様に、理論式を用いるよりも受信装置ごとの特性のばらつきを反映した分散値を得ることができる。
(変形例)
本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、たとえば以下のような変形例を含む。
(1) 理論式の近似
本発明の実施形態では、式(7)の理論式に従って、受信信号に含まれるノイズ成分の分散値を算出したが、これに限定するものではなく、式(7)の理論式を近似した式によって、受信信号に含まれるノイズ成分の分散値を算出してもよい。たとえば、式(7)をテーラー展開した式を用いてもよい。
(2) 利得の調整
本発明の実施形態では、可変利得増幅器の利得は自動で調整されるものとしたが、これに限定するものではなく、たとえば、手動で調整されるものであってもよい。
(3) OFDM
本発明の実施形態では、受信信号の周波数が1つの場合を前提としたが、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)のようなサブキャリアごとに通過ロスが変化する場合には、受信信号に含まれるノイズの分散値を利得Gだけでなく、周波数Fにも依存するものとして扱うこととしてもよい。この場合、受信信号に含まれるノイズの分散は、利得Gと周波数Fから算出するものとしてもよい。あるいは、利得Gおよび周波数Fに対応する分散値をテーブルに記述しておき、このテーブルを用いて、受信信号に含まれるノイズの分散値を特定するものとしてもよい。
(4) AGC回路の利得調整
本発明の第1〜第3の実施形態では、AGC回路7は、一定時間ごとに、受信信号のレベルの平均値を算出し、算出した平均値に応じて利得Gを一定時間ごとに変化させることとしたが、これに限定するものではない。たとえば、1ビットごとに、過去数ビット分の平均値を算出し、算出した平均値に応じて利得Gを1ビットごとに変化させるものであってもよい。
(5) 誤り訂正符号
本発明の実施形態では、誤り訂正符号の例としてLDPCについて説明したが、これに限定するものではなく、ビタビやターボ符号などへの応用も可能である。
(6) 帯域伝送、近似対数尤度比
本発明の実施形態では、2値信号を伝送路に送出するベースバンド伝送を前提としたが、これに限定するものではない。2値信号を振幅変調、周波数変調、位相変調する帯域伝送においても、本発明を適用することは可能である。この場合、対数尤度比は、式(10)とは異なる式で表わされる。
また、ベースバンド伝送および帯域伝送において、特願2006−338844号に記載したように、次の式のような対数尤度比の近似式を用いることとしてもよい。
λn= (−2/σ2)×(k(x, n)×(x - c(x, n)))
ここで、k(x, n)およびc(x, n)は、受信信号xnおよびnに依存する定数である。
(7) 第4の実施形態の対数尤度比算出部
第4の実施形態では、定数gが1以外の場合について説明したが、定数gが1の場合には、対数尤度比算出部は、受信信号xnをそのまま出力することで実施される。
(8) 軟判定復号プログラム
本発明の実施形態で説明した軟判定復号器は、専用のハードウエア装置で実現されるものに限られない。外部から軟判定復号プログラムをメモリにインストールし、コンピュータがこの軟判定復号プログラムをメモリから読出して実行することによって、軟判定復号器の機能を実現することとしてもよい。この場合、第1の実施形態の機能を実行する軟判定復号プログラムは図5と図7のフローチャートの各ステップを備え、第1の実施形態と同様の効果を有する。第2の実施形態の機能を実行する軟判定復号プログラムは図5と図10のフローチャートの各ステップを備え、第2の実施形態と同様の効果を有する。第3の実施形態の機能を実行する軟判定復号プログラムは図5と図12のフローチャートの各ステップを備え、第3の実施形態と同様の効果を有する。第4の実施形態の機能を実行する軟判定復号プログラムは図5と図14のフローチャートの各ステップを備え、第4の実施形態と同様の効果を有する。第5の実施形態の機能を実行する軟判定復号プログラムは図5と図16のフローチャートの各ステップを備え、第5の実施形態と同様の効果を有する。第6の実施形態の機能を実行する軟判定復号プログラムは図5と図18のフローチャートの各ステップを備え、第6の実施形態と同様の効果を有する。第7の実施形態の機能を実行する軟判定復号プログラムは図5と図20のフローチャートの各ステップを備え、第7の実施形態と同様の効果を有する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施形態に従う軟判定復号装置を用いる通信システムの構成の一例を示す図である。 復号化器の構成を表わす図である。 検査行列Hの例を表わす図である。 図3に示すパリティ検査行列Xのタナーグラフを示す図である。 ループ判定部の処理動作を示すフロー図である。 第1の実施形態における、対数尤度比算出部、AGC回路および可変利得増幅器を表わす図である。 第1の実施形態の対数尤度比算出処理の手順を表わすフローチャートである。 第2の実施形態における、対数尤度比算出部、AGC回路および可変利得増幅器を表わす図である。 利得−分散値テーブルの例を表わす図である。 第2の実施形態の対数尤度比算出処理の手順を表わすフローチャートである。 第3の実施形態における、対数尤度比算出部、AGC回路および可変利得増幅器を表わす図である。 第3の実施形態の対数尤度比算出処理の手順を表わすフローチャートである。 第4の実施形態における、対数尤度比算出部、AGC回路および可変利得増幅器を表わす図である。 第4の実施形態の対数尤度比算出処理の手順を表わすフローチャートである。 第5の実施形態における、対数尤度比算出部、AGC回路および可変利得増幅器を表わす図である。 第5の実施形態の対数尤度比算出処理の手順を表わすフローチャートである。 第6の実施形態における、対数尤度比算出部、AGC回路および可変利得増幅器を表わす図である。 第6の実施形態の対数尤度比算出処理の手順を表わすフローチャートである。 第7の実施形態における、対数尤度比算出部、AGC回路および可変利得増幅器を表わす図である。 第7の実施形態の対数尤度比算出処理の手順を表わすフローチャートである。
符号の説明
1 符号化器、2 変調器、3 通信路、4 復調器、5 復号化器、6 可変利得増幅器、7,87 AGC回路、8 A/Dコンバータ、10,30,40,50 対数尤度比算出部、12 行処理部、14 列処理部、16 ループ判定部、18 誤り訂正復号部、22,42 分散値算出部、24,25,56 定数記憶部、26 乗除算部、32,45 分散値特定部、34,44 利得−分散値テーブル記憶部、41 利得制御部、43 利得−分散値テーブル作成部、54 乗算部、90 送信装置、92 受信装置。

Claims (10)

  1. 可変利得増幅器で増幅された受信信号を軟判定復号する軟判定復号装置であって、
    前記可変利得増幅器で増幅された受信信号の対数尤度比を算出する尤度算出部と、
    前記対数尤度比に基づいて、1つの符号語を構成する受信信号を単位として前記受信信号の誤り訂正復号を行なう誤り訂正復号部とを備え、
    前記尤度算出部は、
    前記可変利得増幅器の利得を受けて、前記受けた利得に基づいて受信信号に含まれるノイズ成分の分散値を算出する分散値算出部と、
    前記可変利得増幅器から出力される受信信号と、前記算出された分散値とに基づいて対数尤度比を算出する演算部とを含む、軟判定復号装置。
  2. 前記分散値算出部は、式(A1)または式(A1)を近似した式に従って、受信信号に含まれるノイズ成分の分散値σ2を算出する、
    σ2=K×T×B×NF×R×G …(A1)
    ただし、Kはボルツマン定数、Tは絶対温度、Bは通信に用いる周波数帯域、NFは雑音指数、Rは前記可変利得増幅器の出力と接続されるA/Dコンバータの入力インピーダンス、Gは前記可変利得増幅器の利得である、請求項1記載の軟判定復号装置。
  3. 可変利得増幅器で増幅された受信信号を軟判定復号する軟判定復号装置であって、
    前記可変利得増幅器で増幅された受信信号の対数尤度比を算出する尤度算出部と、
    前記対数尤度比に基づいて、1つの符号語を構成する受信信号を単位として前記受信信号の誤り訂正復号を行なう誤り訂正復号部とを備え、
    前記尤度算出部は、
    前記可変利得増幅器の利得と、受信信号に含まれるノイズ成分の分散値との対応を定めたテーブルを記憶する記憶部と、
    前記可変利得増幅器の利得を受けて、前記テーブルを参照して、前記受けた利得に対応する受信信号に含まれるノイズ成分の分散値を特定する分散値特定部と、
    前記可変利得増幅器から出力される受信信号と、前記特定された分散値とに基づいて対数尤度比を算出する演算部とを含む、軟判定復号装置。
  4. 前記テーブルにおける、前記可変利得増幅器の利得と前記受信信号に含まれるノイズ成分の分散値σ2との関係は、式(A2)または式(A2)を近似した式に従って定められている、
    σ2=K×T×B×NF×R×G …(A2)
    ただし、Kはボルツマン定数、Tは絶対温度、Bは通信に用いる周波数帯域、NFは雑音指数、Rは前記可変利得増幅器の出力と接続されるA/Dコンバータの入力インピーダンス、Gは前記可変利得増幅器の利得である、請求項3記載の軟判定復号装置。
  5. 前記尤度算出部は、さらに、
    初期設定期間において、前記可変利得増幅部の利得を所定の範囲内で順次変化させる利得制御部と、
    前記初期設定期間のうちの前記可変利得増幅器の利得が同一である期間において、前記可変利得増幅器から順次出力される受信信号について、それらの分散値を算出する分散値算出部と、
    前記初期設定期間において得られた、前記可変利得増幅器の利得と、前記利得に対応する前記算出された分散値とに基づいて、前記テーブルを作成するテーブル作成部とを含む、請求項3記載の軟判定復号装置。
  6. 前記軟判定復号装置は、さらに、
    前記可変利得増幅器の出力が一定となるように、前記可変利得増幅器の利得を調整する利得制御部を備え、
    前記利得制御部は、前記各単位に含まれる受信信号に対しては、前記可変利得増幅器の利得を変化させない、請求項1〜5のいずれか1項に記載の軟判定復号装置。
  7. 可変利得増幅器で増幅された受信信号を軟判定復号する軟判定復号装置であって、
    前記可変利得増幅器の出力が一定となるように、前記可変利得増幅器の利得を調整する利得制御部と、
    前記可変利得増幅器で増幅された受信信号の対数尤度比を算出する尤度算出部と、
    前記対数尤度比に基づいて、1つの符号語を構成する受信信号を単位として前記受信信号の誤り訂正復号を行なう誤り訂正復号部とを備え、
    前記利得制御部は、前記各単位に含まれる受信信号に対しては、前記可変利得増幅器の利得を変化させない、軟判定復号装置。
  8. 可変利得増幅器で増幅された受信信号を軟判定復号する軟判定復号プログラムであって、
    コンピュータを、
    前記可変利得増幅器で増幅された受信信号の対数尤度比を算出する尤度算出部と、
    前記対数尤度比に基づいて、1つの符号語を構成する受信信号を単位として前記受信信号の誤り訂正復号を行なう誤り訂正復号部として機能させ、
    前記尤度算出部は、
    前記可変利得増幅器の利得を受けて、前記受けた利得に基づいて受信信号に含まれるノイズ成分の分散値を算出する分散値算出部と、
    前記可変利得増幅器から出力される受信信号と、前記算出された分散値とに基づいて対数尤度比を算出する演算部とを含む、軟判定復号プログラム。
  9. 可変利得増幅器で増幅された受信信号を軟判定復号する軟判定復号プログラムであって、
    コンピュータを、
    前記可変利得増幅器で増幅された受信信号の対数尤度比を算出する尤度算出部と、
    前記対数尤度比に基づいて、1つの符号語を構成する受信信号を単位として前記受信信号の誤り訂正復号を行なう誤り訂正復号部として機能させ、
    前記尤度算出部は、
    前記可変利得増幅器の利得と、受信信号に含まれるノイズ成分の分散値との対応を定めたテーブルを記憶する記憶部と、
    前記可変利得増幅器の利得を受けて、前記テーブルを参照して、前記受けた利得に対応する受信信号に含まれるノイズ成分の分散値を特定する分散値特定部と、
    前記可変利得増幅器から出力される受信信号と、前記特定された分散値とに基づいて対数尤度比を算出する演算部とを含む、軟判定復号プログラム。
  10. 可変利得増幅器で増幅された受信信号を軟判定復号する軟判定復号プログラムであって、
    コンピュータを、
    前記可変利得増幅器の出力が一定となるように、前記可変利得増幅器の利得を調整する利得制御部と、
    前記可変利得増幅器で増幅された受信信号の対数尤度比を算出する尤度算出部と、
    前記対数尤度比に基づいて、1つの符号語を構成する受信信号を単位として前記受信信号の誤り訂正復号を行なう誤り訂正復号部として機能させ、
    前記利得制御部は、前記各単位に含まれる受信信号に対しては、前記可変利得増幅器の利得を変化させない、軟判定復号プログラム。
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