JP2008235709A - 半導体デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】低コスト及び簡素な構成で、窒化物化合物半導体層と基板との間の直列抵抗を低減できる半導体デバイスを提供すること。
【解決手段】半導体デバイスは、p型シリコン基板1と、p型シリコン基板1上に設けられ、シリコンに対してp型の不純物として機能する元素を含むバッファ層9と、バッファ層9上に設けられた窒化物化合物半導体層3と、窒化物化合物半導体層3上に設けられた第1の電極4と、p型シリコン基板1下面に設けられた第2の電極8とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】半導体デバイスは、p型シリコン基板1と、p型シリコン基板1上に設けられ、シリコンに対してp型の不純物として機能する元素を含むバッファ層9と、バッファ層9上に設けられた窒化物化合物半導体層3と、窒化物化合物半導体層3上に設けられた第1の電極4と、p型シリコン基板1下面に設けられた第2の電極8とを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、窒化物化合物半導体を使用した電子デバイスや光デバイス等の半導体デバイスに関する。
GaNに代表される窒化物化合物半導体を使用した半導体デバイスとして、半導体レーザ(LD)や発光ダイオード(LED)といった光デバイスの研究が進められてきた。また、窒化物化合物半導体は、高い絶縁耐圧、高い熱伝導度、高い飽和電子速度を有していることから、近年では、これを用いたショットキーバリアダイオード及びパワーMOSFET等の電子デバイスの実用化が期待されている。
窒化物化合物半導体を使用した電子デバイスとしては、例えば、シリコン基板上にGaN等の窒化物化合物層をエピタキシャル成長させ、窒化物化合物半導体層上に窒化物化合物層とショットキー接触するショットキー電極を設け、シリコン基板下面にオーミック電極を設けたショットキーバリアダイオードが公知である。
上記のような構造においては、通常、SiとGaとの反応を抑制するため、且つ、両者の格子定数差の影響を抑制してSi上に結晶性の良好な窒化物化合物層を成長させるために、Si基板と窒化物化合物層との間に、AlNやAlGaN等のバッファ層を介在させている。
AlNやAlGaN等のバッファ層を形成した場合、バッファ層の構成元素であるAlやGaがエピタキシャル成長時の熱によってSi基板中に拡散する。Si基板がn型Si基板である場合には、Siに対してp型ドーパントとして機能するAl、GaがSi基板に拡散し、n型Si基板とバッファ層の界面に低濃度のn型Si領域、あるいはp型Si領域が形成される。この結果、比抵抗の高いn-型Si領域、あるいは空乏層幅の広いpn接合が形成されることによって高抵抗な層が形成され、半導体デバイスの直列抵抗が増大するという問題がある。
上記の問題を解決できる半導体素子として、下記の特許文献1には、n型Si基板上に形成された、Siに対してn型ドーパントとして機能するP(リン)を含むバッファ層と、バッファ層上に形成されたGaN層と、GaN層上に形成されたアノード電極と、Si基板の下面に形成されたカソード電極とを備えた半導体発光素子が記載されている。特許文献1によれば、Siに対してp型ドーパントとして機能するAlと、Siに対してn型ドーパントとして機能するPとが一緒にバッファ層からSi基板へと拡散することで、ドナー作用とアクセプタ作用の相殺が生じ、Si基板の表面における反転層の形成が防止される。
特開2003−179258号公報
上記特許文献1には、Pを含むバッファ層として、MOCVD法によって形成されたAlGaNInNP層が開示されている。しかしながら、このような多種の元素からなるバッファ層をSi基板上に結晶成長させるのは非常な困難を伴う。例えば、バッファ層として、AlN層などの2種の元素からなる化合物膜を結晶成長させる場合でさえ、現状では、MOCVD装置のガスバルブの開閉タイミングを秒単位で制御する必要がある。また、製造設備が複雑になるという問題もある。したがって、多種の元素からなる化合物膜の結晶成長は、量産時の製造歩留まりの向上や、製造コストの低減に対しては極めて不利である。
このようなことから、製造上の困難や製造コストの増大を伴わずにバッファ層からのAlやGaの拡散に起因する直列抵抗の増大を回避できる対策が望まれている。
このようなことから、製造上の困難や製造コストの増大を伴わずにバッファ層からのAlやGaの拡散に起因する直列抵抗の増大を回避できる対策が望まれている。
本発明の目的は、低コスト及び簡素な構成で、窒化物化合物半導体層と基板との間の直列抵抗を低減できる半導体デバイスを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための本発明の第1の態様は、p型シリコン基板と、前記p型シリコン基板上に設けられ、シリコンに対してp型の不純物として機能する元素を含むバッファ層と、前記バッファ層上に設けられた窒化物化合物半導体層と、前記窒化物化合物半導体層上に設けられた第1の電極と、前記p型シリコン基板下面に設けられた第2の電極とを有することを特徴とする半導体デバイスである。
本発明の第2の態様は、前記第1の態様に係る半導体デバイスにおいて、前記元素は、Al、Ga、及びInから選択される少なくとも1種であること特徴とする。
本発明の第3の態様は、前記第1又は2の態様に係る半導体デバイスにおいて、前記バッファ層内には、n型不純物が1×1018/cm3以上導入されていることを特徴とする。
本発明の第4の態様は、前記第1から3のいずれかの態様に係る半導体デバイスにおいて、前記p型シリコン基板は、比抵抗が0.1Ωcm以下であることを特徴とする。
本発明の第5の態様は、前記第4の態様に係る半導体デバイスにおいて、前記p型シリコン基板は、p型不純物が導入されていることを特徴とする。
本発明によれば、半導体デバイスの基板としてp型シリコン基板を用いるので、バッファ層中の、シリコンに対してp型の不純物として機能する元素がp型シリコン基板へ拡散しても基板がn型Siではないため、基板とバッファ層との界面に低濃度のn型Si領域、あるいはp型Si領域が形成されることがない。したがって、製造上の困難や製造コストの増大を伴わずに不要な高抵抗な層の形成を防止することができ、半導体デバイスの直列抵抗を小さく保つことができる。
(第1の実施形態)
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体デバイスであるショットキーバリアダイオードの製造工程を示す断面図である。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体デバイスであるショットキーバリアダイオードの製造工程を示す断面図である。
まず、図1(a)に示すように、p型シリコン基板1を準備し、p型シリコン基板1上に選択成長用マスク2を形成する。p型シリコン基板1としては、比抵抗が0.1Ωcm以下、好ましくは0.01Ωcm以下のp型導電性のシリコン基板を用いるか、あるいは、イオン注入法や熱拡散法により、B(ボロン)等のp型不純物を導入することで低抵抗化したp型シリコン基板を用いる。
選択成長用マスク2は次のような方法で形成される。
例えば、p型シリコン基板1の上に、窒化シリコン(SiNx)、酸化シリコン(SiO2)等の膜をプラズマCVD法によって100nmの厚さに形成する。ついで、その膜の上にフォトレジストのパターンを形成し、そのフォトレジストをマスクにして膜をエッチングする。これにより、パターニングされた膜を選択成長用マスク2とする。
例えば、p型シリコン基板1の上に、窒化シリコン(SiNx)、酸化シリコン(SiO2)等の膜をプラズマCVD法によって100nmの厚さに形成する。ついで、その膜の上にフォトレジストのパターンを形成し、そのフォトレジストをマスクにして膜をエッチングする。これにより、パターニングされた膜を選択成長用マスク2とする。
選択成長用マスク2は、例えば図2(a)に示すように、直径40μmの円の開口部2aを最密充填構造となるように複数、配置する。例えば、隣り合う円の開口部2aの中心の距離を50μmにする。又は、図2(b)に示すように、1辺が40μmの正方形の開口部2aを10μmの間隔をおいて縦横に複数、配置する。なお、開口部2aは、その他の形状、例えば多角形であってもよい。
選択成長用マスク2のパターン形成に用いるエッチング方法は、例えば、その構成材料が窒化シリコン膜の場合にはCF4をエッチングガスに用いる反応性イオン(RIE)エッチングであり、また、構成材料が酸化シリコンの場合には緩衝フッ酸を用いるウェットエッチングである。
選択成長用マスク2の形成に続いて、p型シリコン基板1の表面を例えば1100℃でサーマルクリーニングする。
選択成長用マスク2の形成に続いて、p型シリコン基板1の表面を例えば1100℃でサーマルクリーニングする。
次に、図1(b)に示すように、選択成長用マスク2の開口部2aから露出されたp型シリコン基板1上に、シリコンに対してp型の不純物として機能するAlを含むAlNバッファ層9と、凸状のGaN膜3とを選択成長する。GaN層3は、電子デバイスのキャリア移動層となる。
なお、バッファ層として、AlNの代わりに、Al、Ga、及びInからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む窒化物化合物半導体層、例えばAlGaN層、InGaN層、InGaNAlN層等を形成してもよい。
なお、バッファ層として、AlNの代わりに、Al、Ga、及びInからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む窒化物化合物半導体層、例えばAlGaN層、InGaN層、InGaNAlN層等を形成してもよい。
AlNバッファ層9は、例えば有機金属気相成長(MOCVD)法により約3nmの厚さに成長される。この場合、キャリアガスに水素ガスを使用してIII族元素用のソースガスであるトリメチルアルミニウム(TMA)を反応室(不図示)内に14μmol/minの流量で導入するとともに、V族元素用のソースガスとしてアンモニア(NH3)を12リットル/minの流量で反応室内に導入する。
GaN層3は、例えばMOCVD法により約10μm又はそれ以上の厚さに成長される。この場合、キャリアガスに100%の水素ガスを使用してIII族元素用のソースガスであるトリメチルガリウム(TMG)を反応室内に58μmol/minの流量で導入するとともに、V族元素用のソースガスとしてアンモニアを12リットル/minの流量で反応室内に導入する。
なお、AlNバッファ層9、GaN層3の成長時の基板温度は例えば1050℃に設定される。
なお、AlNバッファ層9、GaN層3の成長時の基板温度は例えば1050℃に設定される。
AlNバッファ層9内にはn型ドーパントとしてシリコンが1×1018/cm3の濃度で導入され、GaN層3内には、n型ドーパントとしてシリコンが1×1016/cm3の濃度で導入される。シリコン用ソースガスとしてシラン(SiH4)を用いる。
この後に、図1(c)に示すように、複数形成された凸状のGaN層3のそれぞれの上面にショットキー接触するショットキー電極4をリフトオフ法により形成する。即ち、シリコン基板1上にフォトレジスト(不図示)を塗布して各GaN層3を覆った後に、フォトレジストを露光、現像して、凸状のGaN層3上面のそれぞれに窓を形成し、さらに、窓内とフォトレジスト上に金属膜をスパッタ法、真空蒸着法等により形成した後に、フォトレジストを除去することによりGaN層3上に残った金属膜をショットキー電極4とする。
ショットキー電極4となる金属膜として、例えば厚さ100nmのプラチナ(Pt)を採用する。
GaN層3の上面が丸形の場合には、ショットキー電極4の平面形状を直径40μmの丸パターンとし、また、その上面が正方形の場合にはショットキー電極4の平面形状は40μm角の正方形パターンとする。
GaN層3の上面が丸形の場合には、ショットキー電極4の平面形状を直径40μmの丸パターンとし、また、その上面が正方形の場合にはショットキー電極4の平面形状は40μm角の正方形パターンとする。
続いて、図1(d)に示すように、ショットキー電極4の上面を露出するとともに、GaN層3の全体を覆う絶縁膜5を形成する。即ち、絶縁膜5として、例えばSiO2層5a、SiNx層5b、SiO2層5cの3層構造の膜を採用する。
一層目のSiO2層5aは、ソースガスにSiH4とN2Oを用いてプラズマCVD法により100nmの厚さに形成される。また、二層目のSiNx層5bは、SiH4、N2(又はNH3)を用いて300nmの厚さに成長される。
三層目のSiO2層5cの形成方法として、TEOS(テトラエトキシシラン)と酸素(O2)をソースガスに用いてプラズマCVDにより形成する方法、又は、TEOSとオゾン(O3)をソースガスに用いて熱CVDにより形成する方法のいずれかが採用され、これにより凸状のGaN層3の相互間の凹部を全て埋め込む。
そのような絶縁膜5の上面は、成膜後に化学機械的研磨(CMP)法により平坦化される。この場合、二層目のSiNx層5bはエッチストップ層として機能して三層目のSiO2層5cが研磨される。CMPに使用されるスラリーとしてコロイダルシリカ若しくはセリアをベースとしたものを使用して、SiNx層5bの一部が露出するまで平坦化する。
この後に、フォトレジストを使用するフォトリソグラフィー法によりショットキー電極4の上にある二層目のSiNx層5bと一層目のSiO2層5aをエッチングして開口部7を形成する。
SiNx層5bは、エッチングガスとしてCF4を使用してRIE法によりエッチングされる。また、SiO2層5aは緩衝フッ酸によりエッチングされる。
SiNx層5bは、エッチングガスとしてCF4を使用してRIE法によりエッチングされる。また、SiO2層5aは緩衝フッ酸によりエッチングされる。
この後に、図1(e)に示すように、ショットキー電極4同士を接続する上部配線6を絶縁膜5上と開口部7内に形成する。上部配線6は、例えばアルミニウム(Al)膜をスパッタ法、真空蒸着法等により3μmの厚さに形成する。Al膜をパターニングする場合には、配線形状のフォトレジストパターンをAl膜上に作成した状態で、ウェットエッチングでAl膜のパターンを形成する。ウェットエッチング液としては、リン酸、硝酸、酢酸、水を16:1:2:1に混ぜた液が用いられる。
その後に、Al/Ti/Ni/Auの四層構造からなる下部電極8をp型シリコン基板1の下面に形成する。この場合、まずp型シリコン基板1の下面に、スパッタ法、真空蒸着法等によりAl膜を形成し、600℃、1分間の条件で熱処理を行う。
この熱処理により、AlとSiとが反応してAl膜/Si基板界面にアルミニウムシリサイドが形成されるとともに、AlがSi基板側へ拡散してp型不純物濃度のより高い領域が界面に形成されるので、Al膜とp型シリコン基板1との接触抵抗が低減され、オーミック接触が可能となる。
その後、Al膜上にTi/Ni/Auを蒸着により形成し、積層構造の下部電極8が形成される。
電極を構成するAl層、Ti層、Ni層、Au層の厚さは、例えば、それぞれ100nm、20nm、700nm、20nmである。
この熱処理により、AlとSiとが反応してAl膜/Si基板界面にアルミニウムシリサイドが形成されるとともに、AlがSi基板側へ拡散してp型不純物濃度のより高い領域が界面に形成されるので、Al膜とp型シリコン基板1との接触抵抗が低減され、オーミック接触が可能となる。
その後、Al膜上にTi/Ni/Auを蒸着により形成し、積層構造の下部電極8が形成される。
電極を構成するAl層、Ti層、Ni層、Au層の厚さは、例えば、それぞれ100nm、20nm、700nm、20nmである。
以上により、複数のショットキーバリアダイオードを並列に接続してなるパワー半導体素子が形成される。
このパワー半導体素子では、p型シリコン基板1を採用しているので、p型シリコン基板1上に設けられたAlNバッファ層9からシリコンに対してp型の不純物として機能するAlが拡散しても基板がn型Siではないため、基板1とAlNバッファ層9との界面に低濃度のn型Si領域、あるいはp型Si領域が形成されることがない。したがって、製造上の困難や製造コストの増大を伴わずに不要な高抵抗な層の形成を防止することができ、半導体デバイスの直列抵抗を小さく保つことができる。
このパワー半導体素子では、p型シリコン基板1を採用しているので、p型シリコン基板1上に設けられたAlNバッファ層9からシリコンに対してp型の不純物として機能するAlが拡散しても基板がn型Siではないため、基板1とAlNバッファ層9との界面に低濃度のn型Si領域、あるいはp型Si領域が形成されることがない。したがって、製造上の困難や製造コストの増大を伴わずに不要な高抵抗な層の形成を防止することができ、半導体デバイスの直列抵抗を小さく保つことができる。
p型シリコン基板1は、比抵抗が0.1Ωcm以下のp型導電性のシリコン基板、又は、p型不純物を導入されることで低抵抗化したp型シリコン基板であり、その上に形成されるAlバッファ層9にはn型不純物が高濃度にドープされているので、両者のpn接合によって空乏層が形成されても、その空乏層幅は増大せず、電流は問題なく流れる。
さらに、本実施形態のショットキーバリアダイオードのn型GaN層3は、平面の縦横が40μm×40μmの広さの素子単位毎に10μm以上の厚さで選択成長法により形成された構造を採用しているので、クラックが発生し難く結晶性の良いGaN層3を形成することができる。これにより、GaN層3に形成されるショットキーバリアダイオードの耐圧を例えば1200V程度にすることが可能である。
次に、本発明の効果を確認した実験結果について説明する。
(1)p型基板を用いたサンプルの作製:
比抵抗がそれぞれ0.01Ωcm、0.1Ωcm、1Ωcmのp型シリコン基板を用いて、図1(e)に示すショットキーバリアダイオードを作製した。
(1)p型基板を用いたサンプルの作製:
比抵抗がそれぞれ0.01Ωcm、0.1Ωcm、1Ωcmのp型シリコン基板を用いて、図1(e)に示すショットキーバリアダイオードを作製した。
(2)n型基板を用いたサンプルの作製
比抵抗0.01Ωcmのn型シリコン基板を用い、下部電極としてTi/Ni/Auの三層構造の電極を形成した以外は、サンプルA〜Cと同様にしてショットキーバリアダイオードを作製した。
各サンプルのショットキーバリアダイオードのキャリア濃度と直列抵抗の測定結果を表1及び図3のグラフに示す。
比抵抗0.01Ωcmのn型シリコン基板を用い、下部電極としてTi/Ni/Auの三層構造の電極を形成した以外は、サンプルA〜Cと同様にしてショットキーバリアダイオードを作製した。
各サンプルのショットキーバリアダイオードのキャリア濃度と直列抵抗の測定結果を表1及び図3のグラフに示す。
比抵抗が0.01Ωcmのp型シリコン基板を用いた場合の直列抵抗が0.29Ωcm2であったのに対し、比抵抗が0.01Ωcmのn型シリコン基板を用いたサンプルDの直列抵抗は2.4Ωcm2であり、本発明の効果を確認することができた。
(第2の実施の形態)
図4〜図6は、本発明の第2実施形態に係る半導体デバイスとして縦型のパワーMOSFETを示す断面図である。なお、図4〜図6において、図1と同じ符号は同じ要素を示している。
図4〜図6は、本発明の第2実施形態に係る半導体デバイスとして縦型のパワーMOSFETを示す断面図である。なお、図4〜図6において、図1と同じ符号は同じ要素を示している。
図4(a)において、p型シリコン基板1上には選択成長マスク2を使用して厚さ10μmのn型GaN層3aとp型GaN層3bとn+型GaN層3cが複数箇所に凸状に選択成長されている。n型GaN層3aにはSiが1×1016cm-3の濃度にドーピングされ、p型GaN層3bにはマグネシウム(Mg)が5×1016cm-3の濃度にドーピングされ、n+型GaN層3cにはSiが3×1018cm-3の濃度にドーピングされている。
その選択成長方法は第1実施形態と同様であり、凸状のn型GaN層3aの表面ではその上面だけでなく側面にもp型GaN層3b、n+型GaN層3cが成長するが、その側面上のp型GaN層3bとn+型GaN層3cはマスクを使用してエッチングにより除去される。
次に、図4(b)に示すように、p型シリコン基板1上において、n型GaN層3a、p型GaN層3b、n+型GaN層3cからなる凸部の相互間をSiO2の第1の絶縁膜21で埋め込む。SiO2は、例えばTEOSとO2をソースガスに用いてプラズマCVDにより形成する方法、又は、TEOSとO3をソースガスに用いてプラズマCVDにより形成する方法のいずれかの方法で成長される。続いて、n+型GaN層3cの頂上部の高さとほぼ同じになるように、第1の絶縁膜21をCMP法で研磨して平坦化する。
さらに、第1の絶縁膜21とn+型GaN層3cの上に、第2の絶縁膜22を100nmの厚さに成膜する(成膜方法は問わない)。続いて、フォトリソグラフィー法と緩衝弗酸を用いて、n+型GaN層3cの上面の形状に合わせて、その上面の中心に円形、四角等の孔のパターン22aを形成する。直径40μmの円形のパターンを採用する場合には孔のパターン22の直径を30μmで開け、また、40μm角の正方形のパターンを採用する場合には正方形の孔のパターン22を30μm角で開ける。
レジストを除去した後に、図4(c)に示すように、第2の絶縁膜22をマスクに使用して塩素系ICP−RIEによりn+型GaN層3cをエッチングしてp型GaN層3bの上面を露出させる。そのエッチング条件は、例えば、ICPのパワーが170W、バイアスパワーが50W、塩素流量が7sccm、圧力が0.6Torr、基板温度50℃となるように設定される。
次に、図4(d)に示すように、SiO2からなる第1、第2の絶縁膜21,22は、p型GaN層3bが露出する深さよりもさらに500nm深くなるまでエッチングされる。
続いて、図5(a)に示すように、ゲート酸化膜23となるSiO2を50nmの厚さに成膜する。その成膜方法は、PCVDでも熱CVDでもよい。また、原料ガスは、SiH4とN2Oの組み合わせでもよいし、TEOSとO2若しくはO3の組み合わせであってもよい。
次に、図5(b)に示すように、リフトオフ法により、p型GaN層3bの側面上にゲート酸化膜23を介してゲート電極24を形成する。
次に、図5(b)に示すように、リフトオフ法により、p型GaN層3bの側面上にゲート酸化膜23を介してゲート電極24を形成する。
さらに、図5(c)に示すように、ゲート酸化膜23のうち、n+型GaN層3c及びp型GaN層3bの頂上部の上のオーミック接触領域をエッチングにより除去する。そのエッチングの際には他の領域がレジストパターン(不図示)により覆われる。続いて、リフトオフ法により、n+型GaN層3c及びp型GaN層3bの頂上部にオーミック接触するソース電極25を形成する。ソース電極25として、Ti(30nm)/Al(500nm)の積層構造を採用する。
次に、図5(d)に示すように、複数のゲート電極24の間を連結するためのアルミニウムの第1の配線26を第1の絶縁膜21上に形成する。
続いて、図6(a)に示すように、複数箇所のゲート電極24、第1の配線26及びソース電極25を覆う第3の絶縁膜27を形成する。第3の絶縁膜27として、例えば第1の絶縁膜21と同じ方法によりSiO2が成長される。
続いて、図6(a)に示すように、複数箇所のゲート電極24、第1の配線26及びソース電極25を覆う第3の絶縁膜27を形成する。第3の絶縁膜27として、例えば第1の絶縁膜21と同じ方法によりSiO2が成長される。
さらに、図6(b)に示すように、フォトレジストと緩衝弗酸を使用するフォトリソグラフィー法により第3の絶縁膜27をパターニングして、複数のソース電極25上面を露出する開口部27aを形成する。
次に、図6(c)に示すように、開口部27a内と第3の絶縁膜27上にソース電極25を連結する第2の配線28を形成する。
次に、図6(c)に示すように、開口部27a内と第3の絶縁膜27上にソース電極25を連結する第2の配線28を形成する。
この後に、図6(d)に示すように、Si基板1の裏面にAl(100nm)/Ti(20nm)/Ni(700nm)/Au(20nm)からなるドレイン電極層29を形成する。
以上のような構成の縦型のパワーMOSFETは、ゲート電極24に所定の電圧を印可することにより、p型GaN層3bに空乏層、反転層が形成され、その反転層を通してn型GaN層3aとn+型GaN層3cの間にキャリアが流れる。
このようなパワーMOSFETにおいても、第1実施形態と同様に、p型シリコン基板1を採用しているので、製造上の困難や製造コストの増大を伴わずに不要な高抵抗な層の形成を防止することができ、半導体デバイスの直列抵抗を小さく保つことができる。
このようなパワーMOSFETにおいても、第1実施形態と同様に、p型シリコン基板1を採用しているので、製造上の困難や製造コストの増大を伴わずに不要な高抵抗な層の形成を防止することができ、半導体デバイスの直列抵抗を小さく保つことができる。
なお、第1、第2の実施形態において、凸状のGaN層3、3a〜3cの代わりに他のIII-V族窒化物化合物半導体層を形成してもよい。また、凸状のIII-V族窒化物化合物半導体層に形成される素子としては、IGBT、ヘテロ接合FETであってもよい。
また、第1、第2の実施形態においては、電子デバイスであるショットキーバリアダイオード及び縦型MOSFETについて説明したが、本発明は、発光ダイオード及び半導体レーザ等の光デバイスにも適用可能である。
また、第1、第2の実施形態においては、電子デバイスであるショットキーバリアダイオード及び縦型MOSFETについて説明したが、本発明は、発光ダイオード及び半導体レーザ等の光デバイスにも適用可能である。
1:p型シリコン基板
2:選択成長マスク
3:GaN層(キャリア層)
4:ショットキー電極
5:絶縁膜
6:上部配線
7:開口部
8:下部電極
9:AlNバッファ層
21、22、27:絶縁膜
23:ゲート酸化膜
24:ゲート電極
25:ソース電極
26、28:配線
29:ドレイン電極層
2:選択成長マスク
3:GaN層(キャリア層)
4:ショットキー電極
5:絶縁膜
6:上部配線
7:開口部
8:下部電極
9:AlNバッファ層
21、22、27:絶縁膜
23:ゲート酸化膜
24:ゲート電極
25:ソース電極
26、28:配線
29:ドレイン電極層
Claims (5)
- p型シリコン基板と、
前記p型シリコン基板上に設けられ、シリコンに対してp型の不純物として機能する元素を含むバッファ層と、
前記バッファ層上に設けられた窒化物化合物半導体層と、
前記窒化物化合物半導体層上に設けられた第1の電極と、
前記p型シリコン基板下面に設けられた第2の電極と
を有することを特徴とする半導体デバイス。 - 前記元素は、Al、Ga、及びInから選択される少なくとも1種であること特徴とする請求項1に記載の半導体デバイス。
- 前記バッファ層内には、n型不純物が1×1018/cm3以上導入されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体デバイス。
- 前記p型シリコン基板は、比抵抗が0.1Ωcm以下であることを特徴とする請求項請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
- 前記p型シリコン基板は、p型不純物が導入されていることを特徴とする請求項4に記載の半導体素子。
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