JP2008232919A - ガス検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学部を小さくして装置全体の小型化を図る。
【解決手段】ガス検知装置1は、測定雰囲気のガスを検知するためのレーザ光を測定光として出射する出射部8と、測定雰囲気への測定光の出射に伴って測定雰囲気から反射してくるレーザ光を反射測定光として集光する集光レンズ7と、集光レンズ7によって集光される反射測定光を受光する受光部9とが直方体形状の単一の筐体2に配設される。出射部8は、集光レンズ7後方下部の筐体2内の底面側に位置して集光レンズ7の集光エリア外に配設され、集光エリア外から測定光を出射する。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば都市ガスや化学プラント等の配管の劣化等に伴うガス漏洩を検出する際に用いられ、ガスの赤外線吸収特性を利用して光学的にガスを検知する携帯型のガス検知装置に関する。
例えばメタン、二酸化炭素、アセチレン、アンモニア等の気体には、分子の回転や構成原子間の振動等に応じて特定波長の光を吸収する吸収帯があることが既に知られている。この吸収帯を利用したガス検知装置では、所定距離(この距離によって測定光路長が確定される)隔てて光源部と受光部とを配置し、光源部の半導体レーザにより周波数変調されたレーザ光を測定対象ガスを含む雰囲気中に通し、その透過光を受光部の光検出器で受光してガスを検知し、このときの出力信号から測定対象ガスのガス濃度を測定している。また、下記特許文献1に開示されるように、上述した光源部と受光部を共通の筐体に収容して携帯できるように構成したガス検知装置も知られている。なお、光源部と受光部は同じ位置に配置されていても測定光を反射光として受光できれば測定光路長は確保される。
ここで、受光部の出力信号から検出される変調周波数の基本波位相敏感検波信号(以下、1f信号と略称する)には、強度変調に起因する大きなオフセットが生じる。このため、特に微小なガス濃度を高感度で測定するには、1f信号に比べてオフセットのかなり小さい2倍波位相敏感検波信号(以下、2f信号と略称する)が用いられる。
実際にガス濃度を測定するにあたっては、測定ガス吸収線に合わせた波長の測定光が測定ガス雰囲気中を通ると、被測定ガスにより測定光が吸収され、ガス濃度光路長積に応じた強度で変調周波数の2倍の周波数の強度変化(2f信号成分I2f)による2f信号が生成される。そして、この2f信号の強度変化と元の変調周波数である1f信号の強度変化(1f信号成分I1f)の比率I2f/I1fの値は、ガス濃度光路長積に比例するので、この値に係数をかければガス濃度になる。
ところで、この種の従来のガス検知装置として、下記特許文献1には、測定光の出射位置を確認しながら測定雰囲気のガス検知が行える携帯型のガス濃度測定装置が開示されている。図5は特許文献1に開示されるガス濃度測定装置と同等の構成による従来のガス検知装置の外観を示す斜視図、図6は図5のB−B線における筐体の部分断面図である。
図5及び図6に示すガス濃度測定装置(以下、従来装置と言う)51は、全体が銃型形状をなし、一面に開口穴52を有する有底筒型形状の筐体53と、筐体53の後端側に位置して筐体53を把持する把持部54とを備えている。筐体53内には、半導体レーザユニット55が組み込まれるとともに、筐体53内の中心軸線上の奥部に受光器56が配置される。半導体レーザユニット55は、測定雰囲気のガスを検知するための測定光を出射する半導体レーザを含む半導体レーザモジュール57と、レーザポインタ58と、合波手段59とからなる。筐体53の開口穴52には、測定光の出射に伴う測定雰囲気からの反射測定光を受光器56に集光する集光レンズ60が固設される。レーザポインタ58は、逆V字状の支持部材61によって筐体53の集光レンズ60後方に固定され、測定光の出射位置を確認するための可視光をガイド光として出射している。合波手段59は、筐体53の集光レンズ60後方で受光器56の光軸L−L上に配置され、測定光とガイド光とを受光器56の光軸L−L上で合波して集光レンズ60の中央のガラス窓62から出射している。
特開2005−106521号公報
しかしながら、上述した図5及び図6に示す従来装置51では、測定光とガイド光とを略同軸上で出射するため、測定光とガイド光とが集光レンズ60の集光エリア内の受光器56の光軸L−L上で合波するようにレーザポインタ58が配置された構成となっている。このため、測定光の出射に伴う測定雰囲気からの反射測定光がレーザポインタ58の支持部材61によって遮られ、十分な光量の反射測定光を受光器56に導くことができない。
そこで、集光レンズ60が設けられる筐体53の開口穴52を極力大きく形成し、集光レンズ60から十分な光量の反射測定光が受光器56に集光されるようにしている。また、測定光とガイド光の出射位置が集光レンズ60の中心(光軸L−L)上にあり、受光器56との間の集光レンズ60の焦点距離(光軸L−L上でレンズ中心から受光器56の受光面までの距離)が短いと、反射測定光を集光レンズ60によって受光器56に集光する際に、多くの反射測定光がレーザポインタ58及び支持部材61によって遮られてしまう。このため、受光器56を筐体53の奥部に配置し、集光レンズ60の焦点距離を長く設定して、反射光の減衰量を少なくしている。その結果、図5及び図6に示す従来装置51では、光学部である集光レンズ60の外径及び厚さが大きくなるとともに焦点距離も長くなってしまい、携帯型にも関わらず装置全体が大型化するという問題があった。また、図5及び図6の従来装置51では、レーザポインタ58の配置位置も、集光レンズ60から受光器56に集光される反射測定光を極力遮らないように集光レンズ60と受光器56との間で集光レンズ60寄りに制限されるという問題があった。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、光学部を小さくして装置全体の小型化を図ることができるガス検知装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載されたガス検知装置は、測定雰囲気のガスを検知するためのレーザ光を測定光として出射する出射部8と、
前記測定雰囲気への前記測定光の出射に伴って前記測定雰囲気から反射してくるレーザ光を反射測定光として集光する集光レンズ7と、
該集光レンズによって集光される前記反射測定光を受光する受光部9とが直方体形状の単一の筐体2に配設されたガス検知装置1であって、
前記出射部は、前記筐体の前記集光レンズによる集光エリア外に配設され、該集光エリア外から前記測定光を出射することを特徴とする。
本発明の請求項2に記載されたガス検知装置は、請求項1のガス検知装置において、
前記出射部8は、前記測定光の出射位置を確認するための可視光をガイド光として前記測定光とともに前記集光エリア外から出射することを特徴とする。
本発明に係るガス検知装置によれば、集光レンズによる集光エリア外から測定光(測定光及びガイド光)を出射するように出射部が筐体に組み込まれるので、光学部である集光レンズを小さく構成でき、装置全体の小型化が図れ、出射部の設計の自由度も増す。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら具体的に説明する。図1は本発明に係るガス検知装置の外観を示す斜視図、図2は図1のA−A線における筐体の部分断面図、図3は図2における出射部及び受光部が配設された放熱器の平面図、図4は本発明に係るガス検知装置のブロック構成図である。
本発明に係るガス検知装置は、例えば都市ガスや化学プラント等のガス配管の劣化等に伴うガス漏洩を検出する際に携帯可能に用いられ、ガスによるレーザ光の吸収を利用して光学的にガスを検知している。
図1に示すように、本例のガス検知装置1は、利用者が携帯して操作が可能な大きさの直方体形状の単一の筐体2を本体としている。図1及び図2に示すように、筐体2の長手方向の一面には、上方寄りに矩形状の開口穴3が形成されている。この開口穴3には、後述する集光レンズ7が固設されている。また、図1及び図2に示すように、開口穴3の下部には、2つの円形状の窓穴4(4a,4b)が並設して形成されている。各窓穴4a,4bには、表面に例えばARコート(Anti-Reflection Coat)等の無反射防止処理が施されたガラス材からなる保護板5(5a,5b)が固設されている。さらに、これら開口穴3及び窓穴4が形成された面寄りの筐体2の底面の開口部には、放熱フィン6aが外に露出した状態で放熱器6が固設されている。この放熱器6上には、後述する出射部8が配設される。
そして、筐体2には、図4に示すように、集光レンズ7、出射部8、受光部9、電気変換部10、操作入力部11、制御部12、表示部13が設けられている。なお、図1や図2に示すように、筐体2において、開口穴3及び窓穴4が形成された面と反対側の面側には、各部に駆動電源を供給するための電源として電池14を収容した電池ボックス15が着脱可能に設けられている。
集光レンズ7は、筐体2の開口穴3に固設され、出射部8から測定雰囲気に向けての測定光の出射に伴って測定雰囲気から反射してくる反射測定光を受光部9の受光面に集光している。
具体的に、集光レンズ7は、アクリル樹脂からなる非球面フレネルレンズで構成され、透過ロスを低減させるために厚さ1mmと薄く形成されており、アクリルの透過率が約70%、外形が30mm×40mm、焦点距離(光軸L−L上でレンズ中心から受光部9の受光面までの距離)が40mmである。なお、図1の例では、集光レンズ7を矩形状としているが、円形状にすることもできる。
出射部8は、図2〜図4に示すように、検知対象の測定雰囲気に測定光を出射する測定光出射部8aと、測定光の出射位置を確認するためのガイド光を出射するガイド光出射部8bとからなる。なお、出射部8は、測定光出射部8aのみの構成としても良い。
測定光出射部8aは、所定ガス特有の吸収線に合致した波長(検知対象となるガスの吸収線波長)のレーザ光を測定光として、制御部12の制御により、検知対象の測定雰囲気(例えばガス配管等の反射物)に出射している。この測定光出射部8aは、例えば前述した特許文献1(特開2005−106521号公報)にも開示されるような周知の半導体レーザモジュールで構成される。その構成の一例について説明すると、半導体レーザモジュールは、複数対の電極を有する箱型のバタフライ型ケース本体を基部とし、このケース本体の一面に貫通穴が形成され、貫通穴にガラス等の出射窓が設けられている。そして、半導体レーザモジュルは、発振波長が測定波長に制御されて周波数変調されたレーザ光を前後両面から発光し、前方の面から出射されるレーザ光を測定光とし、後方の面から出射されるレーザ光を参照光とする半導体レーザ、測定光を平行光にコリメートするコリメートレンズ、半導体レーザへの反射光の戻りを抑圧する光アイソレータ、半導体レーザの温度を制御するペルチェ素子(温度制御素子)、波長安定化用ガスが封入されたガスセル、参照光を受光検出するフォトダイオード(受光器)、半導体レーザの温度を検出するサーミスタ(温度計測素子)がケース本体内に収容され、各光学部品間の光軸調整がなされて気密封止される。
ガイド光出射部8bは、発振波長が可視光領域(400〜720nm)にある可視光レーザで構成され、制御部12の制御により、測定光出射部8aが出射する測定光の出射位置を目視で確認しながら測定雰囲気の目的位置に測定光を導くための可視光をガイド光として出射している。
これら測定光出射部8aとガイド光出射部8bとは、図2に示すように、反射測定光の集光の妨げにならない位置として、筐体2内の底面側で保護板5a,5bの後方近傍に位置して放熱器6上に配設される。
すなわち、出射部8は、集光レンズ7による集光エリア(集光レンズ7が集光した反射測定光を受光部9に集光する領域)外の位置から測定光やガイド光を出射するように筐体2内に配設すれば良い。本例では、図2に示すように、集光レンズ7と受光部9との間で集光エリア外の筐体2の底面側に配設した構成であるが、集光レンズ7と受光部9との間で集光エリア外の筐体2のどこにでも配設することができる。
また、測定光出射部8aとガイド光出射部8bとは、出射角度を集光レンズ7の中心軸(光軸L−L)側に所定角度傾けるのが好ましい。具体的には、出射角度を集光レンズ7の中心軸(光軸L−L)側に5mrad程傾け、例えば50cm〜1m程度の近距離測定時に受光部9の受光レベルの向上を図っている。
受光部9は、例えばフォトダイオードで構成され、受光面中心が集光レンズ7の焦点距離に位置し、測定光出射部8aから測定雰囲気への測定光の出射に伴って測定雰囲気から反射して集光レンズ7によって集光される反射測定光を受光し、受光した反射測定光による測定光信号を電気変換部10に出力している。また、受光部9は、受光面径を例えばφ1mmと小さくすることで、ノイズレベルの低減とコスト低減を図っている。
電気変換部10は、プリアンプで構成され、受光部9で検出する1f信号と2f信号とが測定対象ガス濃度範囲で同等の検出レベルになるように、増幅度が1f信号、2f信号それぞれ最適な増幅度に設定されている。この電気変換部10は、受光部9から検出出力される測定光信号の受光電流を受光電圧に変換し、さらに設定された増幅度で増幅して制御部12に出力している。
操作入力部11は、筐体2に設けられて利用者が直接操作する操作キーや操作ボタン等で構成され、測定雰囲気のガス検知の開始や停止の指示入力の他、ガス検知に関する各種設定や警報を出力するアラームレベルの設定等を行っており、これら指示入力や設定情報を制御部12に入力している。
制御部12は、ガス検知に関わる処理を統括制御するもので、発光制御部12a、濃度演算部12b、表示制御部12cを備えている。
発光制御部12aは、操作入力部11からの指示入力に基づき、測定光出射部8aからの測定光の出射と、ガイド光出射部8bからのガイド光の出射とを各々制御している。濃度演算部12bは、電気変換部10で増幅された測定光信号を信号処理して1f信号と2f信号とを位相敏感検波し、この位相敏感検波された2f信号の強度変化(2f信号成分I2f)と1f信号の強度変化(1f信号成分I1f)との比率I2f/I1fの値に所定の係数を掛け合わせてガス濃度光路長積を演算している。
表示制御部12cは、操作入力部11からの設定情報に基づき、濃度演算部12bの演算によって得られるガス濃度光路長積に関する表示、アラームレベルに関する表示等を数百ミリ秒周期(例えば500ミリ秒周期)で逐次書き換えて行うべく表示部13の表示を制御している。
表示部13は、表示制御部12cの制御により、ガス濃度光路長積に関する表示、アラームレベルに関する表示を含む各種表示を行っている。
このように、本例のガス検知装置1は、集光レンズ7による集光エリア外から測定光(測定光及びガイド光)を出射するように出射部8が筐体2に組み込まれている。これにより、集光レンズ7を小さくでき、装置全体の小型化を図ることができる。しかも、出射部8は、集光レンズ7の集光エリア外から測定光やガイド光が出射される位置であれば良いので、図5及び図6に示す従来装置51と比較して、配置位置の幅が広がり、出射部8の設計の自由度も増す。
ここで、本例のガス検知装置と図5及び図6に示す従来装置51とを具体的数値例を示して比較する。まず、図5及び図6に示す従来装置51の構成では、集光レンズ60として、厚さ2mm、外形直径95mm、焦点距離168mmを用いており、受光器56の受光面径がφ2mmである。これにより、従来装置51の外形寸法は、幅250mm(図5のD2に相当)、奥行き112mm(図5のW2に相当)、高さ248mm(図5のH2に相当)となっている。
これに対し、本例のガス検知装置1は、集光レンズ7として、厚さ1mm、外形30mm×40mm、焦点距離40mmを用いることができ、受光部9の受光面径もφ1mmである。これにより、本例のガス検知装置1の外形寸法は、幅175mm(図1のD1に相当)、奥行き40mm(図1のW1に相当)、高さ70mm(図1のH1に相当)となっている。
以上の数値比較からも明らかなように、本例のガス検知装置1は、図5及び図6に示す従来装置51と比較して、受光部9の受光面径を含め、集光レンズ7を、厚さ、外形、焦点距離の全ての要素において小さくすることができる。その結果、装置全体の外形寸法が小さくなり、小型化を図ることができる。
本発明に係るガス検知装置の外観を示す斜視図である。 図1のA−A線における筐体の部分断面図である。 図2における出射部及び受光部が配設された放熱器の平面図である。 本発明に係るガス検知装置のブロック構成図である。 特許文献1に開示されるガス濃度測定装置と同等の構成による従来のガス検知装置の外観を示す斜視図である。 図5のB−B線における筐体の部分断面図である。
符号の説明
1 ガス検知装置
2 筐体
7 集光レンズ
8 出射部
8a 測定光出射部
8b ガイド光出射部
9 受光部
10 電気変換部
12 制御部

Claims (2)

  1. 測定雰囲気のガスを検知するためのレーザ光を測定光として出射する出射部(8)と、
    前記測定雰囲気への前記測定光の出射に伴って前記測定雰囲気から反射してくるレーザ光を反射測定光として集光する集光レンズ(7)と、
    該集光レンズによって集光される前記反射測定光を受光する受光部(9)とが直方体形状の単一の筐体(2)に配設されたガス検知装置(1)であって、
    前記出射部は、前記筐体の前記集光レンズによる集光エリア外に配設され、該集光エリア外から前記測定光を出射することを特徴とするガス検知装置。
  2. 前記出射部(8)は、前記測定光の出射位置を確認するための可視光をガイド光として前記測定光とともに前記集光エリア外から出射することを特徴とする請求項1記載のガス検知装置。
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