JP2008232917A - 回転センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】スポット溶接時に飛散するスパッタによって複数のターミナル間あるいはリード部間に短絡が生じにくい回転センサを得る。
【解決手段】回転センサ1の基体3の複数のターミナル4間となる領域に、スポット溶接時に発生するスパッタが飛散するのを抑制する隔壁部3bを立設した。
【選択図】図2

Description

本発明は、回転センサに関する。
従来より、ターミナルに電子部品のリード部を接合して電気的な接続を確立する方式として、スポット溶接が用いられている。
しかしながら、溶接条件によってはスパッタが生じて周囲に飛散し、飛散したスパッタによってターミナル間やリード部間で電気的な短絡が生じる場合があった。その対策として、ターミナルの幅方向端縁に起立部分を形成して、スパッタの飛散を抑制する構成が知られている(例えば特許文献1)。
特開平6−13515号公報
しかしながら、上記起立部分の高さを確保するために、当該起立部分をターミナルの幅方向端縁を折り曲げることで形成した場合には、その折り曲げる分だけターミナルの幅をより広くする必要が生じるという問題があった。
また、一枚の板状部材から複数のターミナルを打ち抜いてその後に分離するような場合には、起立部分の分だけターミナルの間隔をより広げておくことが必要となるという問題があった。
そこで、本発明は、ターミナルとリード部とのスポット溶接時にスパッタの飛散を抑制することが可能な新規な構成の回転センサを得ることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、基体に間隔をあけて並べて配置された複数のターミナルに、電子部品のリード部がスポット溶接によって接合される回転センサであって、前記基体の、前記複数のターミナルの間となる位置に、前記スポット溶接時に発生するスパッタが飛散するのを抑制する隔壁部を設けたことを特徴とする。
また、請求項2の発明は、上記隔壁部が、相互に隣接する上記複数のターミナルの溶接ポイント間の領域から当該領域の外側にはみ出していることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、上記複数のターミナルに対して上記リード部のスポット溶接を順次行うことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、複数のターミナル間に設けた隔壁部によってスポット溶接時に発生するスパッタが飛散するのを抑制することができ、ひいては当該飛散したスパッタによるターミナル間の短絡やリード部間の短絡を抑制することができる。
そして、この隔壁部は基体に設けられているため、ターミナルの端縁を折り曲げて起立部分を形成する場合に比べて各ターミナルの幅を狭くすることが可能となる。また、一枚の板状部材から複数のターミナルを打ち抜いてその後に分離するような場合にも、上記起立部分を確保する必要が無い分、ターミナルの配置間隔をより狭くすることが可能となって、打ち抜き時の間隔のまま基体に配置することができるなど、製造工程におけるターミナルの取り扱いがより容易になる。
請求項2の発明によれば、複数のターミナル間に設けた隔壁部が、ターミナルの溶接ポイント間の領域から当該領域の外側にはみ出している分だけ、スパッタがより広範囲に亘って飛散するのを抑制することができる。
請求項3の発明によれば、複数のターミナルに対してリード部のスポット溶接を1本ずつ順次行う場合においても、隣接したターミナルおよびリード部への溶接ポイントへのスパッタ飛散による接合不良を抑制することができる。
以下、本発明を具現化した実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下では、自動車の内燃機関等に搭載される回転センサについて例示する。
(第1実施形態)図1は、本発明の第1実施形態にかかる回転センサを示す図であって、(a)は、回転センサの平面図、(b)は、図1(a)のI‐I断面図、図2は、ホールICおよびケーシングの分解斜視図、図3は、リード部およびターミナルの接合部分を示す平面図である。
本実施形態にかかる回転センサ1は、合成樹脂(例えば熱可塑性樹脂;ポリアミド等)からなるケーシング2を備えている。本実施形態では、ケーシング2は、合成樹脂からなる基体3を被覆層2eで樹脂モールドして形成されている。
そして、ケーシング2は、ボルト等の締結部材を挿通する貫通孔(図示せず)が穿設される取付フランジ部2a、内燃機関等に設けられる貫通孔(図示せず)に挿入される略円柱状の挿入部2b、および外側(図1(a)において下側)に張り出すコネクタ部2cを備えている。
挿入部2bの外周壁には、環状の溝部2dが形成されており、この溝部2dに装着されたOリング5によって、挿入部2bの外周壁と当該挿入部2bが挿入される貫通穴(図示せず)の内壁との間で、シールが確保されるようになっている。また、挿入部2bの一端近傍には、凹部2fが形成されている。
基体3内には、複数本(本実施形態では4本)のターミナル4がインサート成形されており、これらのターミナル4の一端側(図1では左側)の一部が、回転センサ1の装着方向(挿入方向)に沿って広がる表面3a上に形成されるとともに、ケーシング2の凹部2f内で露出している。そして、上記の表面3a上に現れたターミナル4の所定位置にコンデンサなどの面実装部品(電子部品)6を実装することで、信号処理回路7が形成されている。
複数のターミナル4は、一つの板状部材から打ち抜いて折り曲げ成形し、分離することで得られる。なお、複数のターミナル4の分離を、基体3の成形(インサート成形)後に行うようにすれば、ターミナル4の取り扱いが容易になって有利である。
基体3の先端部(図1(b)では左側)には、ホールIC(検出素子)8が取り付けられている。本実施形態では、このホールIC8には磁気検出センサおよびマグネット(いずれも図示せず)が内蔵されており、磁気検出センサがマグネットと回転体(図示せず)との間に位置するようにホールIC8を取り付けることで、磁気検出センサ(図示せず)が磁界(磁束密度)の変化を検出する。なお、このホールIC8は、図1(a)と(b)において左側の位置に磁気検出センサを内蔵し、右側の位置にマグネットを内蔵している。
このホールIC8には、複数本(本実施形態では4本)のリード部9が設けられており、これらのリード部9が基体3にインサート成形されたターミナル4の一端側に接続されることによって、ホールIC8が信号処理回路7に電気的に接続されて、当該信号処理回路7においてホールIC8の検出信号に所定の処理が施されるようになっている。
リード部9は、図2に示すように、ホールIC8からそれぞれ突出する一対のGND端子9a,9a、出力端子9b、および電源端子9cからなり、各端子9a,9a,9b,9cの先端近傍には、側面視で略ハット形状に折曲されて取付姿勢でターミナル4側(図1の(b)では下側)に突出する突出部9dが設けられている。各突出部9dは、対応するターミナル4の溶接ポイントAにスポット溶接によって接合される。
そして、各ターミナル4の他端側(図1では右側)がハーネス(図示せず)に接続されることで信号処理回路7と外部のマイクロコンピュータ(図示せず)等が電気的に接続される。すなわち、各ターミナル4の他端部はコネクタ部2c内の端子ピン(外部接続点)10となっており、各端子ピン10に対応するハーネス(図示せず)を接続することでホールIC8および信号処理回路7と外部のマイクロコンピュータ(図示せず)等が電気的に接続され、当該信号処理回路7での処理結果が、コネクタ部2cに接続されたハーネスを経由して外部のマイクロコンピュータ等に向けて出力されるようになっている。
ここで、本実施形態において使用されるターミナル4および基体3の製造工程について説明する。本実施形態では、金属板を打ち抜いたり折り曲げ成形したりすることで複数のターミナル4が形成され、これらターミナル4を基体3内に所定の間隔をあけて並べて配置した状態でインサート成形がなされる。
この成形の際、本実施形態では、複数のターミナル4間に、基体3の表面3a上に、スポット溶接時に発生するスパッタが飛散するのを抑制する3本の隔壁部3bが立設される。なお、ターミナル4の外側にも、それぞれ上記の隔壁部3bと同様に、ターミナル4に沿う隔壁部3cが立設されている。
次いで、ホールIC8がケーシング2に形成された凹部2f内に挿入されるとともに、複数のリード部9がそれぞれ対応するターミナル4上に載置され、各リード部9の突出部9dが対応するターミナル4の溶接ポイントAにスポット溶接によって接合される。
次いで、ケーシング2の凹部2fに図示しない樹脂(例えば熱硬化樹脂;エポキシ樹脂)が充填され、以て、基体3、ターミナル4、信号処理回路7、ホールIC8、およびリード部9が当該樹脂で被覆される。
ここで、本実施形態では、図3に示すように、基体3の隔壁部3bが、相互に隣接する複数のターミナル4の溶接ポイントA間の領域Bからリード部9の長手方向に沿って当該領域Bの外側にはみ出している。
以上の本実施形態にかかる回転センサ1によれば、複数のターミナル4間に設けた隔壁部3bによってスポット溶接時に発生するスパッタが飛散するのを抑制することができ、ひいては当該飛散したスパッタによるターミナル4間の短絡やリード部9間の短絡を抑制することができる。
そして、この隔壁部3bは基体に設けられているため、ターミナルの端縁を折り曲げて起立部分を形成する場合に比べて各ターミナルの幅を狭くすることが可能となる。また、本実施形態のように、一枚の板状部材から複数のターミナル4を打ち抜いてその後に分離するような場合にも、上記起立部分を確保する必要が無い分、ターミナル4の配置間隔をより狭くすることが可能となって、打ち抜き時の間隔のまま基体に配置することができるなど、製造工程におけるターミナル4の取り扱いがより容易になる。
さらには、複数のターミナル4間に設けた隔壁部3bが、ターミナル4の溶接ポイントA間の領域Bから当該領域Bの外側にはみ出している分だけ、スパッタがより広範囲に亘って飛散するのを抑制することができる。
そして、上記構成としたことで、複数のターミナル4に対してリード部9のスポット溶接を順次行う場合においても、隣接したターミナル4およびリード部9へのスパッタ飛散による接合不良を抑制することができる。
(第2実施形態)図4は、本発明の第2実施形態にかかる回転センサの要部を示す平面図である。なお、本実施形態にかかる回転センサは、上記第1実施形態にかかる回転センサ1と同様の構成要素を備えている。よって、それら同様の構成要素には共通の符号を付すとともに、重複する説明を省略する。
本実施形態にかかる回転センサでは、複数のターミナル4に沿って設けた隔壁部3b,3cの各一端側に、各隔壁部3b,3cと略直交する方向に延在する隔壁部3dが形成されており、これらの隔壁部3b,3c,3dによって、各リード部9の先端部が略コの字状に囲われている。
以上の本実施形態にかかる回転センサ1によれば、複数のターミナル4に沿って隔壁部3b,3cが設けられるとともに、隔壁部3b,3c,3dによってリード部9の先端部が略コの字状に囲われているため、スポット溶接時にスパッタがリード部9の先端側外方に飛散するのが抑制され、当該先方側の領域で隣り合うターミナル4間の短絡をより一層確実に抑制することができるようになる。かかる構成は、本実施形態のように、信号処理回路7がリード部9の先端側外方に設けられている場合には、当該信号処理回路7におけるスパッタによる不具合(短絡等)を抑制できて、特に有効である。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。
なお、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術思想について、以下にその効果と共に記載する。
(イ)請求項1〜3に記載の回転センサでは、上記隔壁部は、上記リード部の先端部を略コの字状に囲うのが好適である。
こうすれば、リード部の先端側外方へのスパッタ飛散が抑制されるので、当該リード部の先端側外方となる領域で隣り合うターミナル間の短絡をより確実に抑制することができる。
(ロ)上記(イ)に記載の回転センサでは、上記リード部の先端側外方となる領域に信号処理回路が形成されるのが好適である。
こうすれば、上記略コの字状に囲う隔壁部によって信号処理回路側にスパッタが飛散するのを抑制し、当該信号処理回路におけるスパッタによる不具合を抑制することができる。
本発明の第1実施形態にかかる回転センサを示す図であって、(a)は回転センサの平面図、(b)は図1(a)のI−I断面図(軸方向に沿った断面図)である。 本発明の第1実施形態にかかる回転センサのホールICおよびケーシングの分解斜視図である。 本発明の第1実施形態にかかる回転センサのリード部およびターミナルの接合部分を示す平面図である。 本発明の第2実施形態にかかる回転センサの要部を示す平面図である。
符号の説明
1 回転センサ
2 ケーシング
2f 凹部
3 基体
3b 隔壁部
3c 外側の隔壁部
3d 他の隔壁部
4 ターミナル
6 面実装部品(電子部品)
7 信号処理回路
8 ホールIC
9 リード部
A 溶接ポイント
B 溶接ポイント間の領域

Claims (3)

  1. 基体に間隔をあけて並べて配置された複数のターミナルに、電子部品のリード部がスポット溶接によって接合される回転センサであって、
    前記基体の、前記複数のターミナルの間となる位置に、前記スポット溶接時に発生するスパッタが飛散するのを抑制する隔壁部を設けたことを特徴とする回転センサ。
  2. 前記隔壁部が、相互に隣接する前記複数のターミナルの溶接ポイント間の領域から当該領域の外側にはみ出していることを特徴とする請求項1に記載の回転センサ。
  3. 前記複数のターミナルに対して前記リード部のスポット溶接を順次行うことを特徴とする請求項1または2に記載の回転センサ。
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