JP2008232090A - エンジンの排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒コンバータの触媒活性を促進させる。
【解決手段】触媒コンバータ12が配設された部位の排気管10の周囲に、触媒コンバータ12を通過した排気の少なくとも一部を分岐して流通させた後、その排気下流において排気管10に合流させる排気通路14を形成する。そして、温度センサ20により検出された排気温度Tが所定値以下であればバタフライ弁18の開度を減少させ、排気の一部を分岐して排気通路14に流通させることで、その廃熱を利用して触媒コンバータ12を加温する。一方、排気温度Tが所定値より高ければバタフライ弁18を全開とし、排気圧力の上昇を抑制する。
【選択図】図1

Description

本発明は、触媒作用により排気を浄化するエンジンの排気浄化装置(以下「排気浄化装置」という)において、触媒コンバータの触媒活性を促進させる技術に関する。
エンジン排気管に触媒コンバータを配設し、これに排気を接触させることで、触媒作用により排気を浄化する排気浄化装置が公知である。排気浄化装置では、排気を浄化させるために、触媒コンバータ温度が触媒活性温度以上となっていることが必要である。しかし、排気管の外周面から大気中に熱が放散されるため、特に、排気温度が低いエンジン低負荷状態では、触媒コンバータ温度が触媒活性温度未満に低下し、触媒活性が不十分となって所要の排気浄化効率を発揮できないおそれがある。このため、特開平9−137716号公報(特許文献1)に記載されるように、触媒コンバータに電気ヒータを併設すると共に、触媒コンバータ温度及び排気温度が所定値以下のときに電気ヒータを作動させることで、触媒活性を促進させる技術が提案されている。
特開平9−137716号公報
しかしながら、従来提案技術では、電気ヒータにより触媒活性が促進可能であるものの、これを作動させるためのエネルギーが必要であるため、燃費低下,オルタネータの大型化などを来たしてしまうおそれがあった。オルタネータの大型化は、重量及びコストの増加を伴うと共に車載レイアウトが困難となるため、極力避けたいものである。
そこで、本発明は以上のような従来の問題点に鑑み、触媒コンバータを通過した排気の少なくとも一部をその周囲に流通させることで、触媒コンバータの温度低下を抑制し、その触媒活性を促進させた排気浄化装置を提供することを目的とする。
このため、請求項1記載の発明では、エンジン排気管に配設された触媒コンバータを通過した排気の少なくとも一部を、該触媒コンバータが配設された部位の排気管の周囲に流通させた後、その排気下流において排気管に合流させる排気通路を形成したことを特徴とする。
請求項2記載の発明では、前記排気通路を流通させる排気流量を多段階又は連続的に制御する流量制御弁と、前記触媒コンバータの排気上流における排気温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段により検出された排気温度が所定値以下のときに、前記排気通路に排気が流通するように流量制御弁を制御する一方、前記排気温度が所定値より高いときに、前記排気通路に排気が流通しないように流量制御弁を制御する流量制御手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項3記載の発明では、前記触媒コンバータの排気上流における排気圧力を検出する圧力検出手段を備え、前記流量制御手段は、前記圧力検出手段により検出された排気圧力に基づいて、前記排気通路を流通する排気流量を増減制御することを特徴とする。
請求項4記載の発明では、前記流量制御手段は、排気圧力に適合した流量制御弁の開度が設定された制御マップを参照して、前記排気通路を流通する排気流量を増減制御することを特徴とする。
請求項5記載の発明では、前記流量制御弁は、前記排気管から排気通路へと分岐する分岐部と該排気通路から排気管へと合流する合流部との間に位置する排気管に配設されたバタフライ弁からなることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、触媒コンバータを通過した排気の少なくとも一部は、触媒コンバータが配設された部位の排気管の周囲を流通した後、その排気下流において排気管に合流する。このため、大気中に放出される排気の廃熱を利用し、触媒コンバータを加熱することとなり、排気管の外周面から大気中に熱が放散されても、触媒コンバータの温度低下を抑制することができる。そして、触媒コンバータの温度低下抑制を通して、その触媒活性を促進させることができる。
請求項2記載の発明によれば、触媒コンバータの排気上流における排気温度が所定値以下のとき、即ち、触媒コンバータ温度が触媒活性温度以下に低下するおそれがあるときには、触媒コンバータが配設された排気管の周囲に排気が流通する。このため、請求項1記載の発明と同様に、大気中に放出される排気の廃熱を利用し、触媒活性を促進させることができる。一方、触媒コンバータの排気上流における排気温度が所定値より高いとき、即ち、触媒コンバータ温度が触媒活性温度以下に低下するおそれがないときには、触媒コンバータが配設された排気管の周囲に排気が流通しない。このため、触媒コンバータの加熱が不要な状態においては、排気圧力の上昇が抑制され、燃費低下などを来たすことを防止できる。
請求項3記載の発明によれば、触媒コンバータが配設された排気管の周囲を流通する排気流量は、その排気上流における排気圧力に応じて増減制御されるため、その制御を適切に行うことで、触媒コンバータの触媒活性を促進しつつ、排気圧力が過度に上昇することを抑制することができる。
請求項4記載の発明によれば、触媒コンバータが配設された排気管の周囲を流通する排気流量は、排気圧力に適合した流量制御弁の開度が設定された制御マップを参照して増減制御されるため、制御負荷の増加を抑制することができる。
請求項5記載の発明によれば、流量制御弁として、ディーゼルエンジンの排気ブレーキなどで実績のあるバタフライ弁を用いることで、信頼性及び耐久性を確保することができる。
以下、添付された図面を参照して本発明を詳述する。
図1は、本発明を具現化した排気浄化装置の一実施形態を示す。
エンジンの排気管10には、モノリスタイプの触媒担体に活性成分及び添加成分からなる触媒が担持された触媒コンバータ12が配設される。また、触媒コンバータ12が配設された部位の排気管10の周囲には、触媒コンバータ12を通過した排気の少なくとも一部を分岐して流通させた後、その排気下流において排気管10に合流させる排気通路14が形成される。排気通路14は、具体的には、排気管10の外周に内筒14A及び外筒14Bからなる二重管を軸方向にずらせた状態で配置すると共に、外筒14Bの上流端を排気管10の外周に接続する一方、内筒14A及び外筒14Bの下流端を相互に離間させた状態で排気管10の外周に接続することで形成される。この場合、触媒コンバータ12を通過した排気は、その排気下流に位置する排気管10に形成された開口10Aを通過して、排気管10及び内筒14Aにより画定される領域Xに分流される一方、内筒14A及び外筒14Bにより画定される領域Yから、その排気下流に位置する排気管10に形成された開口10Bを通過して、排気管10を流通する排気に合流される。
また、排気管10の開口10Aと開口10Bとの間、即ち、排気管10から排気通路14へと分岐する分岐部と排気通路14から排気管10へと合流する合流部との間には、排気通路14を流通させる排気流量を多段階又は連続的に制御可能とすべく、ステッピングモータなどからなるアクチュエータ16により駆動されるバタフライ弁18(流量制御弁)が取り付けられる。
排気浄化装置の制御系として、触媒コンバータ12の排気上流に位置する排気管10には、排気温度Tを検出する温度センサ20(温度検出手段)、及び、排気圧力pを検出する圧力センサ22(圧力検出手段)が夫々取り付けられる。そして、温度センサ20及び圧力センサ22からの各出力信号は、コンピュータを内蔵したコントロールユニット(以下「ECU」という)24に入力され、そのROM(Read Only Memory)などに記憶された制御プログラムにより、アクチュエータ16が適宜制御される。なお、ECU24が制御プログラムを実行することで、流量制御手段が具現化される。
図2は、エンジン始動を契機として、ECU24において実行される制御プログラムの制御内容を示す。
ステップ1(図では「S1」と略記する。以下同様)では、アクチュエータ16に制御信号を出力し、バタフライ弁18を全開とする。
ステップ2では、エンジンコントロールユニット,イグニッションスイッチなどからの出力信号に基づいて、エンジン運転中であるか否かを判定する。そして、エンジン運転中であればステップ3へと進む一方(Yes)、エンジン運転中でない、即ち、エンジン停止操作が行われたならば処理を終了する(No)。
ステップ3では、温度センサ20から排気温度Tを読み込む。
ステップ4では、排気温度Tが所定値以下であるか否かを判定する。ここで、所定値は、触媒コンバータ12が活性しているか否かを判定するための閾値であって、例えば、触媒の活性温度より若干高い温度に設定される。そして、排気温度Tが所定値以下であればステップ5へと進む一方(Yes)、排気温度Tが所定値より高ければステップ1へと戻る(No)。
ステップ5では、圧力センサ22から排気圧力pを読み込む。
ステップ6では、図3に示すように、排気圧力に適合したバタフライ弁開度が設定された制御マップを参照し、排気圧力pに応じたバタフライ弁開度θを決定する。
ステップ7では、バタフライ弁開度θに応じた制御信号をアクチュエータ16に出力し、バタフライ弁18の開度を増減制御した後、ステップ2へと戻る。
かかる排気浄化装置によれば、排気温度Tが所定値以下のとき、即ち、触媒コンバータ12の温度が触媒活性温度以下に低下するおそれがあるときには、図4(A)に示すように、排気圧力pに応じた開度θでもってバタフライ弁18が制御される。このため、触媒コンバータ12を通過した排気の少なくとも一部が排気通路14を流通し、大気中に放出される廃熱を利用して、触媒コンバータ12並びに内筒14A及び外筒14Bを加温する。従って、外筒14Bの外周面から大気中に熱が放散されても、触媒コンバータ12の温度低下を抑制することが可能となり、その触媒活性を促進させることができる。このとき、排気通路14を流通する排気流量は、図5に示すように、排気圧力pに応じて増減制御されるバタフライ弁開度を介して制御されるため、制御マップを適切に設定することで、触媒コンバータ12の触媒活性を促進しつつ、排気圧力が過剰に上昇することを抑制することができる。
一方、排気温度Tが所定値より高いとき、即ち、触媒コンバータ12の温度が触媒活性温度以下に低下するおそれがないときには、バタフライ弁18が全開となることで、図4(B)に示すように、触媒コンバータ12を通過した排気は、排気通路14を通過せずに、その下流へと流れていく。このため、触媒コンバータ12の加温が不要な状態では、排気圧力の上昇が抑制され、燃費低下などを来たすことを防止できる。
なお、本発明は、モノリスタイプの触媒コンバータに限らず、ペレットタイプの触媒コンバータ,ディーゼルパティキュレートフィルタに触媒を担持させた触媒コンバータなどにも適用可能である。
本発明を具現化した排気浄化装置の一実施形態を示し、(A)は要部構成図、(B)はそのA−A断面図 制御プログラムの制御内容を示すフローチャート バタフライ弁開度を決定する制御マップの説明図 排気浄化装置の作用を示し、(A)は排気温度が所定値以下のときの排気流れの説明図、(B)は排気温度が所定値より高いときの排気流れの説明図 バタフライ弁開度と排気流量の相関関係説明図
符号の説明
10 排気管
10A 開口
10B 開口
12 触媒コンバータ
14 排気通路
14A 内筒
14B 外筒
16 アクチュエータ
18 バタフライ弁
20 温度センサ
22 圧力センサ
24 ECU

Claims (5)

  1. エンジン排気管に配設された触媒コンバータを通過した排気の少なくとも一部を、該触媒コンバータが配設された部位の排気管の周囲に流通させた後、その排気下流において排気管に合流させる排気通路を形成したことを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
  2. 前記排気通路を流通させる排気流量を多段階又は連続的に制御する流量制御弁と、
    前記触媒コンバータの排気上流における排気温度を検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段により検出された排気温度が所定値以下のときに、前記排気通路に排気が流通するように流量制御弁を制御する一方、前記排気温度が所定値より高いときに、前記排気通路に排気が流通しないように流量制御弁を制御する流量制御手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載のエンジンの排気浄化装置。
  3. 前記触媒コンバータの排気上流における排気圧力を検出する圧力検出手段を備え、
    前記流量制御手段は、前記圧力検出手段により検出された排気圧力に基づいて、前記排気通路を流通する排気流量を増減制御することを特徴とする請求項2記載のエンジンの排気浄化装置。
  4. 前記流量制御手段は、排気圧力に適合した流量制御弁の開度が設定された制御マップを参照して、前記排気通路を流通する排気流量を増減制御することを特徴とする請求項3記載のエンジンの排気浄化装置。
  5. 前記流量制御弁は、前記排気管から排気通路へと分岐する分岐部と該排気通路から排気管へと合流する合流部との間に位置する排気管に配設されたバタフライ弁からなることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載のエンジンの排気浄化装置。
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