JP2008231868A - 網材および建具 - Google Patents
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Abstract
【課題】遮視性に優れ、花粉の付着を抑制することができる網材、およびそれを有する建具を提供すること。
【解決手段】表面にアルミニウムの膜を有する黒色基材は、反射性能に優れていただけではなく、花粉の付着を抑制することができる。従って、黒色基材の表面にアルミニウムの膜を有する網材は、網戸や網窓等の建具などに有用である。
【選択図】図2
【解決手段】表面にアルミニウムの膜を有する黒色基材は、反射性能に優れていただけではなく、花粉の付着を抑制することができる。従って、黒色基材の表面にアルミニウムの膜を有する網材は、網戸や網窓等の建具などに有用である。
【選択図】図2
Description
本発明は、網戸、網窓などに有用な網材およびそれを有する建具に関するものである。
網戸、網窓などで使用されている網材は、一般に虫の浸入を防止するために用いられているが、近年においては、プライバシー保護の観点から、一方の面側から他方の面側が見えないように遮視性を付与するために、黒色基材で構成された網材の一方の面に反射率の高いステンレス鋼をスパッタ蒸着した網材が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
また、花粉の侵入を防止するために、花粉が浸入できない微細なメッシュ構造をした網材が開発されている(例えば、特許文献2および3参照)。しかしながら、このような網材を使用すると花粉の堆積により網目が詰まってしまい、通気性が失われるという問題がある。一方、網目が大きい網材においては、窓の開放により網材に付着・堆積していた花粉が室内に侵入するという問題がある。そのため、花粉の付着を防止することができる網材の開発が求められている。
特開2000−160967号公報
特開2005−232892号公報
特開2006−9308号公報
本発明は、遮視性に優れ、花粉の付着を抑制することができる網材、およびそれを有する建具を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意努力した結果、経および緯のモノフィラメント(黒色)を織って形成した網材の一方の面、すなわちモノフィラの一方の面にステンレス鋼に比べて反射性能に優れたアルミニウムの膜を形成させたところ、アルミニウムの膜を形成させていない面側からアルミニウムの膜を形成させた面側はよく見えるが、アルミニウムの膜を形成させた面側からアルミニウムの膜を形成させていない面側は見えにくく遮視性に優れており、アルミニウムの膜を形成させた面においては、花粉の付着を抑制できることを見出した。また、アルミニウム膜上にさらに無機酸化物の膜を形成させたところ、花粉の付着をさらに抑制できることを見出した。このようにして、本発明者らは本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る網材は、黒色基材の表面にアルミニウムの膜を有することを特徴とする。本発明に係る網材は、前記アルミニウム膜上に無機酸化物膜をさらに有してもよい。前記無機酸化物は、例えばSiO2などである。
本発明に係る建具は、上述の網材を用いることを特徴とする。
本発明によれば、遮視性に優れ、花粉の付着を抑制することができる網材、およびそれを有する建具を提供することができる。
上記知見に基づき完成した本発明を実施するための形態を、実施例を挙げながら詳細に説明する。
上述のように、表面にアルミニウムの膜を有する黒色基材は、遮視性に優れ、花粉の付着を抑制することができるので、網戸、網窓等の建具などに用いる網材として有用である。以下、本発明の一実施形態として、網戸、網窓等の建具などに用いる網材を例に挙げて説明する。
図1に本発明の実施形態として説明する網材の概略構成を示す。図1に示すように、本発明に係る網材20は、一方の面(例えば、外側に設置する面)側の黒色基材の表面にアルミニウム膜を有するコーティング線材10が経と緯に織られて製造されている。
本発明に係る網材20は、コーティング線材10を編むことにより製造してもよいが、黒色基材を編んだ後、一方の面(例えば、外側に設置する面)側の黒色基材の表面にアルミニウム膜を成膜することにより製造してもよい。このような網材20を網戸、網窓等の建具などに用いることにより、外側から室内は見えにくいが、室内側から外の景色はよく見える網戸、網窓等の建具を提供することが可能となり、開放感・景観性とともにプライバシーの保護を図ることができるようになる。
前記黒色基材としては、黒色に着色された基材であって網材20を製造することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、黒色に着色された、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、塩化ビニル、ナイロン等の合成樹脂からなる線材、金属材料からなる線材、合成樹脂と金属材料とからなる線材などを用いることができる。
前記アルミニウムの膜の厚みについては、優れた遮視性を発揮でき、花粉の付着を抑制することができれば特に制限されるものではないが、膜の厚さが薄いと膜厚に斑ができ、遮光性がなくなり、膜の厚さが厚いと黒色基材から脱落し、生産性が悪くなる点で、適度な厚みとすることが必要であると考える。
黒色基材表面に対するアルミニウム膜の成膜方法としては、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、溶射法、CVD法、レーザーアブレーション法、ゾル−ゲル法、メッキ法、イオンプレーティング法などの既存の方法を用いることができるが、黒色基材の耐熱温度に適した方法を用いることが好ましい。
なお、本実施の形態においては、図2に示すように、外側の黒色基材1の表面に成膜したアルミニウム膜2上にさらに無機酸化物の膜3を成膜してもよい。これにより、アルミニウム膜2の酸化を防止することができるばかりではなく、アルミニウム膜2の表面の傷を埋めたり、アルミニウム膜2の表面を平滑にしたりすることができるようになる。無機酸化物としては、Ti、Zn、Si、Mg、Al等の酸化物、若しくは、これらのうち2以上の元素からなる複合酸化物、又は、TiO2、ZnO、SnO2、SrTiO3、WO3、Bi2O3、Fe2O3、ZrO2、PbO、BaTiO3、FeTiO3、KTaO3、MnTiO3、Cu2O、In2O3、V2O5、Nb2O3、CdS、MoS3、CdFeO3、BiO3、MoS2, CdO、LaRhO3、CdFe2O4 、CdSe、GaAs、GaP、RuO2 などの光触媒作用を有する既存の金属酸化物、若しくは、これらのうち2種以上の組み合わせを挙げることができるが、防汚性や花粉の付着をより抑制する観点から、Si、Ti、Zn等を含む酸化物であることが好ましい。
前記無機酸化物膜3の厚みとしては、アルミニウム膜2の酸化を防止することができれば特に制限されるものではないが、膜3の厚さが薄いと膜厚に斑ができ、膜3の厚さが厚いと黒色基材から脱落し、生産性が悪くなる点で、適度な厚みとすることが必要であると考える。
無機酸化物膜3の成膜方法としては、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、溶射法、CVD法、レーザーアブレーション法、ゾル−ゲル法、メッキ法、イオンプレーティング法などの既存の方法を用いることができるが、黒色基材の耐熱温度に適した方法を用いることが好ましい。
以下に本発明を実施例によって具体的に説明する。なお、これらの実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
黒色に着色された、直径250μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)からなる線材を、1400μm間隔で経と緯に織って製造した網戸用ネットの片面側(室外側)の線材の表面に、スパッタリング装置(製品名:SH-250;ULVAC社製)を用いて、到達真空度=1.5×10-3 Paの条件下で、膜厚200nmのアルミニウム(Al)膜あるいはステンレス鋼(SUS310)膜を成膜した。続いて、上述のスパッタリング装置を用いて、Arガス圧=3.8×10-1 Pa、O2ガス圧=3.4×10-2 Paの条件下で、アルミニウム膜上に膜厚150nmのSiO2膜を成膜した。
次に、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる網材(PETのみ)、表面にアルミニウム(Al)膜を有する網材、表面にステンレス鋼(SUS310)膜を有する網材(PET+SUS310)、並びに、表面にAl膜およびSiO2膜を有する網材(PET+Al+SiO2)の室外側面に対して0.5 g/cm2のヒノキの花粉を吹き付け、花粉の付着度合いをマイクロスコープ顕微鏡(キーエンス社製)を用いて調べた。その結果を図3に示す。
図3に示すように、PETのみの網材では大量の花粉が付着しているのに対して、PET+SUS310の網材では花粉の付着が少なく、PET+Al+SiO2の網材では花粉が全く付着しないことが明らかになった。また、図に示さないが、PET+Alの網材においても花粉の付着が少ないことがわかった。
さらに、PET+Alの網材およびPET+Al+SiO2の網材においては、膜を形成させていない面側から膜を形成させた面側はよく見えるが、膜を形成させた面側から膜を形成させていない面側は見えにくく遮視性に優れていることがわかった。
1 黒色基材
2 アルミニウム層
3 無機酸化物層
10 線材
20 網材
2 アルミニウム層
3 無機酸化物層
10 線材
20 網材
Claims (4)
- 黒色基材の表面にアルミニウムの膜を有することを特徴とする網材。
- 前記アルミニウム膜上に無機酸化物膜をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の網材。
- 前記無機酸化物がSiO2であることを特徴とする請求項2に記載の網材。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の網材を用いた建具。
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Cited By (1)
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2007
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