JP2008231539A - めっき装置及び配線基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板の周縁部(アライメントマーク部など)をマスクした状態で配線形成領域にめっきを行う工程を自動化によって達成できるめっき装置を提供する。
【解決手段】めっき液42を収容するめっき槽40と、めっき槽40の中に被めっき基板30を配置して支持する基板支持部50,52と、被めっき基板30の周縁部のめっきを施さない非めっき部をマスクするマスク部品20を備えたマスキング機構5とを含む。電解めっき装置を構成する場合は、基板支持部50,52が被めっき基板30に電気的に接続される陰極電極として機能し、めっき槽40内に陽極電極60がさらに配置される。
【選択図】図4
【解決手段】めっき液42を収容するめっき槽40と、めっき槽40の中に被めっき基板30を配置して支持する基板支持部50,52と、被めっき基板30の周縁部のめっきを施さない非めっき部をマスクするマスク部品20を備えたマスキング機構5とを含む。電解めっき装置を構成する場合は、基板支持部50,52が被めっき基板30に電気的に接続される陰極電極として機能し、めっき槽40内に陽極電極60がさらに配置される。
【選択図】図4
Description
本発明はめっき装置及び配線基板の製造方法に係り、さらに詳しくは、配線基板の配線層の形成工程に適用できるめっき装置及びそれを使用する配線基板の製造方法に関する。
従来、配線基板の配線形成工程では、めっき技術が広く使用されている。例えば、配線基板の配線層を形成するセミアディティブ法では、まず、基板の上に無電解めっきによってシード層を形成した後に、配線層に対応する部分に開口部が設けられたレジストを形成する。さらに、シード層をめっき給電経路に利用する電解めっきにより、その開口部内に銅めっき層を形成し、レジストを除去した後に、銅めっき層をマスクにしてシード層をエッチングして配線層を得る。
特許文献1には、部分めっき装置が開示されており、水平方向に配置されるワークの全体をプレスブロックとめっき液槽側に設けられたマスク用治具とによって挟圧すると共に、ワークに給電手段(プローブ)を当接し、めっき液槽からめっき液を噴射することにより、マスク用治具の開口部を通してワークに部分的にめっきを行うことが記載されている。
特開2005−194601号公報
ところで、配線基板の多層配線の製造方法では、配線層を形成する際に基板の周縁部(非配線形成領域)に配線層と同一構造のアライメントマークを同時に形成しておき、後に層間絶縁層にレーザでビアホールを形成する際にそのアライメントマークを位置合わせに利用する方法が採用される。
そのような製造方法において、基板上の全体に形成された下地金属層の上に複数のめっき層が積層されて配線層が形成される工程を含む配線基板の製造方法(本発明の実施形態で詳しく説明)では、めっき層の種類によっては、アライメントマークの最上層が下地金属層と同一材料(同一色)となるので、層間絶縁層にレーザでビアホールを形成する際にアライメントマークを画像認識することが困難になる。
このため、最上のめっき層を形成する前に、アライメントマークが配置される部分にテープなどを貼りつけてマスクした状態で、配線形成領域のみに最上のめっき層を形成する方法が採用される。しかしながら、この方法では、配線基板を乾燥させた後に作業者がテープを貼り付けるので、工程が煩雑になると共に、自動化が困難で生産効率が悪いという問題がある。
本発明は以上の課題を鑑みて創作されたものであり、基板の一部(周縁側のアライメントマーク部など)をマスクした状態で配線形成領域にめっきを行う工程を自動化によって達成できるめっき装置及びそれを使用する配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明はめっき装置に係り、めっき液を収容するめっき槽と、前記めっき槽の中に被めっき基板を配置して支持する基板支持部と、前記被めっき基板のめっきを施さない非めっき部をマスクするマスク部品を備えたマスキング機構とを有することを特徴とする。
本発明のめっき装置では、めっき槽の中に被めっき基板が配置されて支持され、被めっき基板のめっきを施さない非めっき部(周縁側のアライメントマーク部など)をマスクするマスク部品を含むマスキング機構が備えられている。
本発明の一つの好適な態様では、マスク部品は、支持板と、その被めっき基板側に設けられて、被めっき基板の非めっき部に当接してマスクするマスク接触部(フッ素系ゴムなどの弾性体)とによって構成される。また、本発明の好適な態様では、マスク部品は、めっき槽内の両側にマスク接触部が対向する状態で配置されており、被めっき基板の両端部をマスク部品でそれぞれ挟圧することにより非めっき部がマスク接触部でマスクされる。
本発明のめっき装置は、電解めっき装置であってもよいし、無電解めっき装置であってもよい。電解めっき装置とする場合は、基板支持部は、被めっき基板に接続された陰極電極として機能し、めっき槽に陽極電極がさらに配置される。
本発明のめっき装置では、被めっき基板の非めっき部をマスクするマスキング機構を備えているので、作業者がテープを貼り付けてマスクする煩雑な作業を必要とせずに、めっき前のマスク工程を自動化することができ、生産効率を向上させることができる。
また上記した課題を解決するため、本発明は配線基板の製造方法に係り、仮基板の上に剥離できる状態で下地金属層が形成されて構成され、中央部の配線形成領域と、アライメントマークが配置される周縁部とが画定された積層体を用意する工程と、前記下地金属層の上の前記配線形成領域に第1開口部が設けられ、前記周縁部に第2開口部が設けられためっきレジスト層を形成する工程と、前記第1開口部及び前記第2開口部に、前記下地金属層をめっき給電経路に利用する電解めっきにより、前記下地金属層と異なる材料の第1金属層を形成する工程と、めっき液を収容するめっき槽と、前記めっき槽の中に被めっき基板を配置して支持する基板支持部と、前記被めっき基板のめっきを施さない非めっき部をマスクするマスク部品を備えたマスキング機構とを有するめっき装置を使用し、前記マスク部品で前記第2開口部をマスクした状態で、前記第1開口部の前記第1金属層の上に前記下地金属層と同一材料の第2金属層を形成することにより、前記第1開口部に前記第1金属層と前記第2金属層により構成される第1配線層を形成すると共に、前記第2開口部に前記第1金属層から形成される前記アライメントマークを得る工程と、前記めっきレジスト層を除去する工程と、前記アライメントマークを位置合わせに利用して、前記第1配線層に接続されて該第1配線層を含むビルドアップ配線を形成する工程と、前記下地金属層を前記仮基板から剥離することにより、前記下地金属層の上に前記ビルドアップ配線が形成された配線部材を得る工程とを有することを特徴とする。
上記した発明のめっき装置は、仮基板の上に剥離できる状態で形成された下地金属層の上にビルドアップ配線を形成した後に、下地金属層を仮基板から剥離して分離し、下地金属層の上にビルドアップ配線が形成された配線部材を得る製造方法に好適に使用される。この製造方法では、下地金属層の上にそれと異なる金属からなる積層めっき層(第1、第2金属層)を形成して第1配線層を形成する際に、最上の第2金属層が下地金属層と同じ材料から形成されると、それと同時に形成されるアライメントマークの最上層が下地金属層と同じ色になってしまう。このため、第1配線層の上に形成される層間絶縁層にレーザでビアホールを形成する際に、アライメントマークを画像認識することが困難になる。
本発明では、上記した発明のめっき装置を使用することにより、第1配線層の最上の第2金属層をめっきで形成する工程で、仮基板の周縁部のアライメントマークが配置される部分をめっき装置が備えるマスク部品で自動的にマスクすることにより、配線形成領域のみに第2金属層を容易に形成することができる。これにより、アライメントマークの最上部が下地金属層と異なる金属から形成されるので、層間絶縁層にレーザでビアホールを形成する際にアライメントマークを容易に画像認識できるようになり、高精度な位置合わせが可能になる。
以上説明したように、本発明のめっき装置を使用することにより、被めっき基板の周縁部の非めっき部(アライメントマーク部など)をマスクした状態で配線形成領域にめっきを行う工程を自動化によって達成することができるので、生産効率を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態の電解めっき装置が備えるマスキング機構を上側からみた外観図、図2は図1のマスキング機構を側面からみた外観図、図3は図1のマスキング機構が被めっき基板の周縁部を挟圧してマスクした様子を上側からみた外観図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の電解めっき装置のマスキング機構5では、水平方向に配置された支持柱10の横に設けられた架台部12上にモータやエアシリンダからなるアクテュエータ(駆動源)14が配置されている。アクテュエータ14の一端側にはそれに連動して水平方向に伸縮する可動部16が設けられている。また、可動部16にはシャフト(軸)18が結合されており、シャフト18は可動部16の下側に延在して設けられている。
シャフト18の下部にはマスク部品20が結合されている。マスク部品20は、シャフト18に結合されて長手方向が垂直方向に配置された支持板22と、その内側に設けられて被めっき基板に当接するマスク接触部24とによって構成される。
支持板22は塩化ビニルなどから形成される。また、マスク接触部24は、被めっき基板の周縁部のめっきを施さない非めっき部(アライメントマーク部など)に接触させてマスクする部分である。このため、マスク接触部24は、マスクのシール性(めっき液の染込みがない)、めっき液に対する耐薬品性、及び被めっき基板にダメージを与えない特性を有する材料から形成される。そのようなマスク接触部24の材料としては、フッ素系ゴム、シリコーンゴム又はポリウレタンなどの弾性体が使用される。
以上のように、本実施形態の電解めっき装置が備えるマスキング機構5は、アクテュエータ14と、その機能に連動して伸縮する可動部16と、可動部16に結合されたシャフト18と、シャフト18の下側に結合されたマスク部品20とから基本構成される。
図1に示すように、本実施形態では、平行に配置された2本の支持柱10にそのような構造のマスキング機構5がそれぞれ2つ設けられている。各支持柱10に結合された2つのマスキング機構5は、それらのマスク部品20のマスク接触部24が対向してそれぞれ配置されている。また、一方の支持柱10に結合された2つのマスキング機構5と、他方の支持柱10に結合された2つのマスキング機構5とが、2つの支持柱10の間の中央部を対称軸として対称になって配置されている。そして、めっき槽内の両側にマスク接触部24が対向する状態でマスク部品20が2つずつ収容される。
図3に示すように、そのような4つのマスキング機構5が、それらのアクテュエータ14の機能に連動して各可動部16が外側に伸びて移動し、被めっき基板30の両端部を2つのマスク部品20でそれぞれ挟圧することにより、被めっき基板30の非めっき部(アライメントマーク部など)がマスク接触部24によってマスクされる。そして、めっきが終了すると、アクテュエータ14の機能に連動して各可動部16が内側に収容されるように移動し、被めっき基板30がマスク部品20から開放される。
次に、本実施形態の電解めっき装置の全体の概要について説明する。図4に示すように、本実施形態の電解めっき装置1では、めっき槽(容器)40の中に電解めっき液42が収容されている。めっき槽40の中には陰極電極として機能する導電性のめっき給電枠50が垂直方向に挿入されて配置されている。めっき給電枠50の上枠部及び下枠部には給電クランプ52が2個ずつ接続されている。
そして、被めっき基板30がめっき給電枠50の開口部50a内に配置され、その上端及び下端が給電クランプ52によってそれぞれ挟まれて支持されている。めっき給電枠50は支持体54に繋がっており、スペーサ44を介して支持部54がめっき槽40の縁部上に配置されている。このようにして、めっき給電枠50は、支持部54で支持された状態でめっき槽40の中に吊り下がるようにして固定されている。
以上のように、本実施形態の電解めっき装置1では、めっき給電枠50及び給電クランプ52は、被めっき基板30に電気的に接続される陰極電極として機能すると共に、被めっき基板30を垂直方向に配置して支持する基板支持部として機能する。
給電クランプ52は被めっき基板30の端部に露出するシード層(めっき給電層(不図示))に電気的に接続される。これによって、被めっき基板30に電解めっきを行うための給電が行われる。被めっき基板30はめっき給電枠50に接続された給電クランプ52によって挟まれて固定された状態で、搬送手段(不図示)によってめっき槽40の中に収容されたり、めっき槽40から外部に取り出されたりして搬送される。
さらに、めっき槽40内には、先に説明した4つのマスキング機構5のマスク部品20が収容されている。被めっき基板30は、配線形成領域Aと非配線形成領域である周縁部Bとが画定されており、被めっき基板30の両端部が2つのマスク部品20によってそれぞれ挟圧されている。これにより、被めっき基板30の周縁部Bのめっきを施さない非めっき部(アライメントマーク部など)にマスク部品20のマスク接触部24が当接してマスクされる。マスク接触部24は弾性体(フッ素系ゴムなど)から形成されるので、2つのマスク部品20の挟圧力によって被めっき基板30の周縁部の非めっき部がマスク接触部24で十分にシールされて電解めっき液が染み込まないようになっている。
図5には、図4のめっき装置1を上側からみた状態を模式的に描いたものである。図5では、マスキング機構5においてはマスク部品20のみが描かれ、また、めっき給電枠50が省略されて給電クランプ52のみが描かれている。図5に示すように、本実施形態の電解めっき装置1では、めっき槽40の中の被めっき基板30の両側に棒状ステンレスなどからなる複数の陽極電極60がさらに配置されている。
そして、給電クランプ52(陰極電極)が定電流電源62のマイナス側に接続され、陽極電極60が定電流電源62のプラス側に接続されている。そして、給電クランプ52(陰極電極)と陽極電極60との間に定電流電源62からめっき電流が供給される。これにより、被めっき基板30の周縁部の非めっき部(アライメントマーク部など)がマスク部品20のマスク接触部24でマスクされた状態で、被めっき基板30の配線形成領域Aにめっき層が形成される。
なお、本実施形態では、マスキング機構5を備えためっき装置として電解めっき装置1を例に挙げて説明したが、無電解めっき装置が同様なマスキング機構5を備えるにようにしてもよい。この場合は、図4及び図5において、めっき給電枠50の代わりに被めっき基板を単に支持する各種の基板支持部が用いられ、定電流電源62や陽極電極60などが省略される。
次に、本実施形態の電解めっき装置1を使用して配線基板を製造する方法について説明する。図6(a)に示すように、まず、樹脂などからなる仮基板70の両面に剥離性銅箔72(下地金属層)がそれぞれ仮接着された構造体を用意する。剥離性銅箔72の仮基板70側の面には剥離層や離型剤(不図示)がそれぞれ形成されており、所定のタイミングで剥離性銅箔72を仮基板70から容易に剥離できるようになっている。仮基板70上には配線形成領域Aとアライメントマークが配置される周縁部B(非配線形成領域)とが画定されている。なお、本実施形態では、剥離性銅箔72を例示するが、剥離できる状態で各種の金属層が仮基板70の上に形成されていればよい。
次いで、図6(b)に示すように、仮基板70上の両面側の剥離性銅箔72上に第1開口部74a及び第2開口部74bが設けられためっきレジスト層74をそれぞれ形成する。仮基板70の両面側において、めっきレジスト層74の第1開口部74aは配線形成領域Aの第1配線層が配置される部分に設けられ、第2開口部74bは周縁部Bのアライメントマークが配置される部分に設けられる。
次いで、図6(c)に示すように、仮基板70の両面側において、剥離性銅箔72をめっき給電経路に利用する電解めっきにより、第1、第2開口部74a,74b内の剥離性銅箔72の上に、金(Au)層80aを形成した後に、ニッケル(Ni)層80bを形成する。金層80a及びニッケル層80bが剥離性銅箔72(下地金属層)と異なる材料からなる第1金属層の一例である。
次に、配線形成領域Aでは、後述する理由によって第1開口部74a内のニッケル層80b上にさらに銅(Cu)層を形成する必要があるが、図6(c)のように第2開口部74bが露出した状態で銅めっきを行うと、第2開口部74bにも銅層が形成されことになる。このため、第2開口部74bに形成されるアライメントマークの最上部と剥離性銅箔72とが同じ材料からなることになる。後述するように第2開口部74bに形成されるアライメントマークは層間絶縁層にレーザでビアホールを形成する際の位置合わせに利用されるので、アライメントマークの最上部(銅層)と剥離性銅箔72が同じ色を呈することになり、アライメントマークを画像認識することが困難になる。
そこで、図7(a)に示すように、前述した本実施形態の電解めっき装置1を使用する。すなわち、仮基板70の両端部を前述した電解めっき装置1のマスク部品20でそれぞれ挟圧することにより、マスク接触部24でめっきレジスト層74の第2開口部74bをマスクする。
次いで、図7(b)に示すように、めっきレジスト層74の第2開口部74b(非めっき部)を電解めっき装置1のマスク部品20でマスクした状態で、仮基板70の両面側のめっきレジスト層74の第1開口部74aのニッケル層80bの上に銅層80c(第2金属層)を電解めっきによりそれぞれ形成する。
その後に、図7(c)に示すように、図7(b)のめっき処理された配線部材がめっき装置1のマスク部品20から開放され、電解めっき装置1のめっき槽40から外に取り出されて搬送される。これより、仮基板70の配線形成領域Aに、金層80a、ニッケル層80b及び銅層80cから構成されるパッド状の第1配線層80が形成される。第1配線層80は外部接続電極として機能する。また、仮基板70の周縁部Bには、金層80a及びニッケル層80bから構成されるアライメントマークAMが形成される。
本実施形態で例示しためっき工程では、金層80a、ニッケル層80b及び銅層80cをめっきするための3つのめっき槽が並んで配置されており、仮基板70が前述しためっき給電枠54に固定された状態で、搬送手段(不図示)により各めっき槽に順次搬送されてめっきが施される。そして、銅層80c用のめっき槽に前述したマスキング機構5のマスク部品20が配置されている。
本実施形態では、作業者がめっきレジスト層74の第2開口部74bにテープなどを貼る煩雑な作業は必要がなく、めっき開始前にめっき装置1のマスク部品20によってめっきレジスト層74の第2開口部74bが自動的にマスクされる。このように、めっき前のマスク工程を自動化することができるので、スループットを高めることができ、生産効率を向上させることができる。
また、マスク部品20で被めっき基板を機械的に挟圧するので、作業者がテープを貼り付ける場合と違って、被めっき基板の表面状態(乾燥状態など)に依存することなく安定してマスクすることができると共に、テープがめっき槽に落下するおそれもない。しかも、めっきレジスト層74の第2開口部74bがマスク部品20のマスク接触部24(弾性体)で十分にシールされるので、第2開口部74bに電解めっき液が染み込むおそれもなく、繰り返し精度よく安定してマスクすることができる。
なお、マスク部品20の支持板22の形状やマスク接触部24が配置される位置を任意に変更することができるので、被めっき基板の両端部だけではなく、上端部及び下端部の任意領域をマスクすることも可能である。
次いで、図8(a)に示すように、仮基板70の両面側において、めっきレジスト層74を除去することにより、第1配線層80及びアライメントマークAMを露出させる。
次いで、図8(b)に示すように、仮基板70の両面側に、樹脂フィルムを貼着するなどして第1配線層80及びアライメントマークAMを被覆する第1層間絶縁層90をそれぞれ形成する。さらに、図8(c)に示すように、仮基板70の両面側の第1層間絶縁層90をレーザで加工することにより、第1配線層80に到達する第1ビアホールVH1をそれぞれ形成する。このとき、第1層間絶縁層90を通してアライメントマークAMを画像認識することにより、第1ビアホールVH1を形成する部分が位置合わせされる。
本実施形態では、めっきレジスト層74の第2開口部74bを電解めっき装置1のマスク部品20でマスクすることにより、第2開口部74bに銅層80cを形成しないようにしたので、アライメントマークAMの最上部は剥離性銅箔72と異なる材料のニッケル層80bから形成されている。従って、アライメントマークAMを容易に画像認識することができるので、レーザ加工時の位置合わせが精度よく行われ、第1配線層80の所要部上に第1ビアホールVH1が配置される。
次いで、図9(a)に示すように、仮基板70の両面側の第1ビアホールVH1内及び第1層間絶縁層90の上に、無電解めっきにより銅などからなるシード層76をそれぞれ形成する。このとき、第1配線層80の最上部がニッケル層80bからなる場合は、ニッケル層80bの上には無電解めっきでシード層70が上手く形成されないが、本実施形態では、1配線層80の最上が銅層80cからなるので、第1ビアホールVH1内及び第1層間絶縁層90の上に無電解めっきによってシード層76が安定して形成される。
続いて、図9(b)に示すように、仮基板70の両面側のシード層76上の第2配線層が配置される領域に開口部77aが設けられためっきレジスト層77をそれぞれ形成する。さらに、シード層76をめっき給電経路に利用する電解めっきにより、仮基板70の両面側のめっきレジスト層77の開口部77aに銅などの金属パターン層78を形成する。
次いで、仮基板70の両面側において、めっきレジスト層77を除去した後に、金属パターン層78をマスクにしてシード層76をエッチングして除去する。
これにより、図10(a)に示すように、仮基板70の両面側に、シード層76と金属パターン層78とによって構成されて第1配線層80に接続される第2配線層82がそれぞれ形成される。
続いて、図10(b)に示すように、仮基板70の両面側の第2配線層82の上に、樹脂フィルムを貼着するなどして第2層間絶縁層92をそれぞれ形成する。次いで、仮基板70の両面側の第2層間絶縁層92をレーザで加工することにより、第2配線層82に到達する第2ビアホールVH2をそれぞれ形成する。この工程においても、アライメントマークAMを画像認識することにより、第2ビアホールVH2が位置精度よく形成される。さらに、前述した第2配線層82の形成方法と同様な方法により、仮基板70の両面側の第2層間絶縁層92の上に第2ビアホールVH2を介して第2配線層82に接続される第3配線層84をそれぞれ形成する。
その後に、同じく図10(b)に示すように、仮基板70の両面側に、第3配線層84の接続部上に開口部89aが設けられたソルダレジスト89をそれぞれ形成した後に、その開口部内89aにニッケル層及び金層を順に形成してコンタクト層(不図示)を設ける。
このようにして、仮基板70の両面側の剥離性銅箔72の上に所要のビルドアップ配線がそれぞれ形成される。本実施形態では、3層のビルドアップ配線(第1〜第3配線層80,82,84)を形成したが、n層(nは1以上の整数)のビルドアップ配線を任意に形成することができる。
次いで、図11に示すように、仮基板70と剥離性銅箔72との界面から剥離することにより、剥離性銅箔72の上にビルドアップ配線が形成された配線部材88を仮基板70の両面側からそれぞれ分離する。
続いて、図12に示すように、ウェットエッチングによって配線部材88から剥剥離性銅箔72を除去することにより、第1配線層80の下面を露出させて外部接続電極Cとした後に、個々の配線形成領域A(製品領域)が得られるように切断する。
なお、仮基板70上に複数の配線形成領域Aがブロック状に画定されてその最外周部にアライメントマークAMが形成されていてもよい。また、アライメントマークAMが配置された領域が除去されるように切断してもよい。また、仮基板70の片面のみにビルドアップ配線を形成してもよい。
以上により、本実施形態のめっき装置を利用して製造されるコア基板をもたない配線基板2が得られる。さらに、配線基板2の第3配線層84に電子部品(半導体チップ)がフリップチップ接続され、第1配線層80の下面が外部接続電極Cとなって半導体装置が構成される。あるいは、逆に、第1配線層80に電子部品をフリップチップ接続し、第3配線層84を外部接続電極としてもよいし、外部接続電極Cにはんだボールなどを搭載して外部接続端子(バンプ)を設けてもよい。
以上説明したように、本実施形態のマスク部品20を含むマスキング機構5を備えた電解めっき装置1を使用することにより、仮基板70上のアライメントマークAMが配置される部分(非めっき部)をマスクする工程を自動化することができる。これにより、前述したような配線基板の製造方法において、生産効率を向上させることができ、低コスト化を図ることができる。
1…電解めっき装置、2…配線基板、5…マスキング機構、10…支持柱、12…架台部、14…アクチュエータ、16…可動部、18…シャフト、20…マスク部品、22…支持板、24…マスク接触部、30…被めっき基板、40…めっき槽、42…めっき液、44…スペーサ、50…めっき給電枠、50a,77a,89a…開口部、52…給電クランプ、54…支持体、60…陽極電極、62…定電流電源、70…仮基板、72…剥離性銅箔、74,77…めっきレジスト層、74a…第1開口部、74b…第2開口部、76…シード層、78…金属パターン層、80…第1配線層、80a…金層、80b…ニッケル層、80c…銅層、82…第2配線層、84…第3配線層、89…ソルダレジスト、90…第1層間絶縁層、92…第2層間絶縁層、VH1,VH2…ビアホール、A…配線形成領域、B…周縁部、C…外部接続電極、AM…アライメントマーク。
Claims (10)
- めっき液を収容するめっき槽と、
前記めっき槽の中に被めっき基板を配置して支持する基板支持部と、
前記被めっき基板のめっきを施さない非めっき部をマスクするマスク部品を備えたマスキング機構とを有することを特徴とするめっき装置。 - 前記めっき装置は電解めっき装置であり、
前記基板支持部は前記被めっき基板に電気的に接続される陰極電極として機能し、
前記めっき槽には、陽極電極がさらに配置されていることを特徴とする請求項1に記載のめっき装置。 - 前記マスク部品は、支持板と、該支持板の前記被めっき基板側の面に設けられて、前記被めっき基板の前記非めっき部に接触してマスクするマスク接触部とによって構成されることを特徴とする請求項1に記載のめっき装置。
- 前記被めっき基板上には、中央部の配線形成領域と、アライメントマークが配置される周縁部とが画定されており、前記非めっき部は前記アライメントマークが配置される部分であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のめっき装置。
- 前記マスク部品は、前記めっき槽内の両側に前記マスク接触部が対向する状態で配置されており、前記被めっき基板の両端部を前記マスク部品でそれぞれ挟圧することにより前記マスク接触部で前記非めっき部をマスクすることを特徴とする請求項3に記載のめっき装置。
- 前記マスク接触部は弾性体からなることを特徴とする請求項3又は5に記載のめっき装置。
- 前記陰極電極として機能する前記基板支持部は、前記めっき槽の中に垂直に配置されためっき給電枠とそれに接続された給電クランプとから構成され、前記被めっき基板は前記めっき給電枠の枠内に配置され、前記給電クランプに挟まれて支持されていることを特徴とする請求項2に記載のめっき装置。
- 仮基板の上に剥離できる状態で下地金属層が形成されて構成され、中央部の配線形成領域と、アライメントマークが配置される周縁部とが画定された積層体を用意する工程と、
前記下地金属層の上の前記配線形成領域に第1開口部が設けられ、前記周縁部に第2開口部が設けられためっきレジスト層を形成する工程と、
前記第1開口部及び前記第2開口部に、前記下地金属層をめっき給電経路に利用する電解めっきにより、前記下地金属層と異なる材料の第1金属層を形成する工程と、
めっき液を収容するめっき槽と、前記めっき槽の中に被めっき基板を配置して支持する基板支持部と、前記被めっき基板のめっきを施さない非めっき部をマスクするマスク部品を備えたマスキング機構とを有するめっき装置を使用し、前記マスク部品で前記第2開口部をマスクした状態で、前記第1開口部の前記第1金属層の上に前記下地金属層と同一材料の第2金属層を形成することにより、前記第1開口部に前記第1金属層と前記第2金属層により構成される第1配線層を形成すると共に、前記第2開口部に前記第1金属層から形成される前記アライメントマークを得る工程と、
前記めっきレジスト層を除去する工程と、
前記アライメントマークを位置合わせに利用して、前記第1配線層に接続されて該第1配線層を含むビルドアップ配線を形成する工程と、
前記下地金属層を前記仮基板から剥離することにより、前記下地金属層の上に前記ビルドアップ配線が形成された配線部材を得る工程とを有することを特徴とする配線基板の製造方法。 - 前記アライメントマークは、前記ビルドアップ配線を形成する工程における層間絶縁層にレーザによってビアホールを形成する工程の位置合わせに使用されることを特徴とする請求項8に記載の配線基板の製造方法。
- 前記第1配線層は接続電極であり、前記配線部材を得る工程の後に、前記下地金属層を除去することにより前記接続電極を露出させる工程をさらに有することを特徴とする請求項8又は9に記載の配線基板の製造方法。
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2007
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