JP2008231021A - 2−アリール−2,2−ジフルオロエチルアミン類の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、2−アリール−2,2−ジフルオロエチルアミン類の製造方法に関するものである。本発明によって製造される2−アリール−2,2−ジフルオロエチルアミン類は、医薬品の製造原料として非常に有用な化合物群である。
2−アリール−2,2−ジフルオロエチルアミン類の製造方法に関して、従来技術を説明する。
2−アリール−2,2−ジフルオロエチルアミン類の製造方法として、例えば特許文献1に交換神経興奮アミン用途として2−フェニル−2,2−ジフルオロエチルアミンの製造例が開示されているが、この方法ではフェニルアセトニトリルをスルフニルクロライドでα,α−ジクロロフェニルアセトニトリルに変換した後、フッ化アンチモンにて塩素をフッ素に変換して、α,α−ジフルオロフェニルアセトニトリルを得、これをリチウムアルミニウムヒドリドによって還元することで目的物を製造している。また同じく特許文献1には2−(4−クロロフェニル)−2,2−ジフルオロエチルアミンの製造例が開示されているが、この方法ではα,α−ジフルオロ−4−クロロフェニルアセトニトリルをジボランで還元している。これらの方法では前駆体を合成するのに多段の工程が必要な上、リチウムアルミニウムヒドリドやジボランなど高価かつ工業的な使用に大きな困難が伴う還元剤を用いているなど多くの問題があった。これに対し、特許文献2、3にはthrombin inhibitorまたはendothelin antagonistの合成原料として2−フェニル−2,2−ジフルオロエチルアミンの製造例が開示されている。これらの方法ではエチル ベンゾイルホルメートを原料にフッ素化剤として三フッ化ジエチルアミノ硫黄(以下、DASTと略記する。)を用いてフッ素化した後、アンモニアガスによって2,2−ジフルオロー2−フェニルアセトアミドを合成し、最終的にこの化合物をボラン−テトラヒドロフラン錯体またはボラン−ジメチルスルフィド錯体を用いて還元している。これらの方法では比較的容易に前駆体である2,2−ジフルオロ−2−フェニルアセトアミドを製造できる利点があるが、最後の還元にやはり高価かつ工業的な使用に大きな困難が伴うボラン−テトラヒドロフラン錯体またはボラン−ジメチルスルフィド錯体を用いているのが問題となる。また特許文献4にはthrombin inhibitorの合成原料として2,2−ジフルオロ−2−(2−ピリジル)エチルアミンの製造例が開示されている。この方法ではエチル 2−ピリジノイルホルメートをDASTでフッ素化して得られる2−ピリジルジフルオロアセテートを、ナトリウムハイドロボレートを用いて還元して2,2−ジフルオロ−2−(2−ピリジル)エタノールに誘導化した後、トリフルオロメタンスルホニル化し、その後アジ化ナトリウムにてアジ化物に変換し、最後にパラジウム/カーボン触媒を使用した接触水素還元によって目的物を得ている。この方法では目的物までに5ステップもの化学変換が必要であり、非常に煩雑な製造方法となっている。このような方法をとっているのは、比較的容易に製造できる2,2−ジフルオロ−2−アリールアセトアミド類の還元にはボラン錯体やジボランなどが必要となり、高価かつ工業的な実施には大きな困難が伴うためである。すなわち2−アリール−2,2−ジフルオロエチルアミン類の簡便かつ安全で安価な製造法はいまだ見出されていないのが現状である。
米国特許第3,880,927号明細書
国際公開第99/0011267号パンフレット
米国特許第5846990号明細書
国際公開第02/057225号パンフレット
本発明の目的は、比較的容易に製造可能な2,2−ジフルオロ−2−アリールアセトアミド類を直接還元することによる2,2−ジフルオロ−2−アリールエチルアミン類の製造方法において、工業的スケールにおいて安全かつ安価に実施可能な新規な製造方法を提供することである。
本発明者は鋭意検討した結果、一般式(1)
一般式(1)
一般式(1)
(式中XはCH基または窒素原子を表し、R1からR4はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、アリール基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、アリールオキシ基を示し、R1ないしR4から任意に選択される二つの基が結合して環を形成していてもよい。)で表される2,2−ジフルオロ−2−アリールアセトアミド類が、酸の存在下、非プロトン性極性溶媒中で安価かつ取扱いの容易なナトリウムハイドロボレートを用いて還元できることを見出し、これによって一般式(2)
(式中XはCH基または窒素原子を表し、R1からR4はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、アリール基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、アリールオキシ基を示し、R1ないしR4から任意に選択される二つの基が結合して環を形成していてもよい。)で表される2−アリール−2,2−ジフルオロエチルアミン類の安全かつ安価な製造方法を確立するにいたった。
本発明は、一般式(1)
本発明は、一般式(1)
(式中XはCH基または窒素原子を表し、R1からR4はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、アリール基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、アリールオキシ基を示し、R1ないしR4から任意に選択される二つの基が結合して環を形成していてもよい。)で表される2,2−ジフルオロ−2−アリールアセトアミド類を、酸の存在下、非プロトン性極性溶媒中でナトリウムハイドロボレートを用いて還元することを特徴とする
一般式(2)
一般式(2)
(式中XはCH基または窒素原子を表し、R1からR4はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、アリール基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、アリールオキシ基を示し、R1ないしR4から任意に選択される二つの基が結合して環を形成していてもよい。)で表される2−アリール−2,2−ジフルオロエチルアミン類の製造方法を提供する。
前記酸がメタンスルホン酸である前記製造方法は本発明の好ましい態様である。
前記非プロトン性極性溶媒がジメチルスルオキシドである前記製造方法も本発明の好ましい態様である。
一般式(1)で表される2,2−ジフルオロ−2−アリールアセトアミド類が、一般式(3)
前記非プロトン性極性溶媒がジメチルスルオキシドである前記製造方法も本発明の好ましい態様である。
一般式(1)で表される2,2−ジフルオロ−2−アリールアセトアミド類が、一般式(3)
(式中XはCH基または窒素原子を表す。)で表される化合物であり、一般式(2)で表される2−アリール−2,2−ジフルオロエチルアミン類が、一般式(4)
(式中XはCH基または窒素原子を表す。)で表される化合物である前記製造方法も本発明の好ましい態様である。
一般式(3)で表される化合物が2,2−ジフルオロ−2−フェニルアセトアミドであり、一般式(4)で表される2−アリール−2,2−ジフルオロエチルアミン類が、2,2−ジフルオロ−2−フェニルエチルアミンである前記製造方法も本発明の好ましい態様である。
一般式(3)で表される化合物が2,2−ジフルオロ−2−フェニルアセトアミドであり、一般式(4)で表される2−アリール−2,2−ジフルオロエチルアミン類が、2,2−ジフルオロ−2−フェニルエチルアミンである前記製造方法も本発明の好ましい態様である。
本発明によれば、比較的容易に合成可能な2,2−ジフルオロ−2−アリールアセトアミド類から、1工程で高率収率で2−アリール−2,2−ジフルオロエチルアミン類を製造可能である。また、還元に用いるナトリウムハイドロボレートは安価かつ安全な還元剤であり、工業的な見地から非常に効果的な製造方法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で示す2,2−ジフルオロ−2−アリールアセトアミド類とは、一般式(1)で示される化合物であり、2,2−ジフルオロエチルアミン類とは一般式(2)で示される化合物である。
本発明で示す2,2−ジフルオロ−2−アリールアセトアミド類とは、一般式(1)で示される化合物であり、2,2−ジフルオロエチルアミン類とは一般式(2)で示される化合物である。
一般式(1)、(2)において、XはCH基または窒素原子を表す。R1からR4はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、アリール基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、アリールオキシ基を示し、R1ないしR4から任意に選択される二つの基が結合して環を形成していてもよい。一般式(1)、(2)において「置換あるいは無置換のアルキル基、アリール基」とは、アルキル基、アリール基の任意の水素原子が置換基で置換されたアルキル基、アリール基、または無置換のアルキル基、アリール基を意味する。アルキル基としては、炭素数1〜20のものが好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜6であり、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基、ヘキサデシル基等を挙げることができる。また、アルキル基の置換基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラセニル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基またはチエニル基等のアリール基、メトキシ基、ベンジルオキシ基またはメトキシエトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、ナフトキシ基等のアリールオキシ基、あるいはフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子などを挙げることができる。
アリール基には炭素のみからなる芳香環基または環の一部にヘテロ原子を含むヘテロ芳香環基が含まれる。芳香環基としては、炭素数6〜18のものが好ましく、さらに好ましくは炭素数6〜12の芳香環基であり、例えばフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラセニル基等を挙げることができる。またヘテロ芳香環基としては、ピリジル基、キノリル基、フリル基またはチエニル基等を挙げることができる。また、アリール基の置換基としては、例えば炭素数1〜6のアルキル基、メトキシ基、ベンジルオキシ基またはメトキシエトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、ナフトキシ基等のアリールオキシ基、あるいはフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子などを挙げることができる。
また一般式(1)、(2)において、「置換あるいは無置換のアルコキシ基、アリールオキシ基」とは、アルコキシ基、アリールオキシ基の任意の水素原子が置換基で置換されたアルコキシ基、アリールオキシ基、または無置換のアルコキシ基、アリールオキシ基を意味する。アルコキシ基としては、炭素数1〜20のものが好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜6であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロピロキシ基、n-ブトキシ基、ベンジルオキシ基またはメトキシエトキシ基等を挙げることができる。また、アルコキシ基の置換基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラセニル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基またはチエニル基等のアリール基、メトキシ基、ベンジルオキシ基またはメトキシエトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、ナフトキシ基等のアリールオキシ基、あるいはフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子などを挙げることができる。
アリールオキシ基としては、例えばフェノキシ基、ナフトキシ基、ピリジルオキシ基またはキノリルオキシ基等を挙げることができる。また、アリール基の置換基としては、例えばアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラセニル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基またはチエニル基等のアリール基、メトキシ基、ベンジルオキシ基またはメトキシエトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、ナフトキシ基等のアリールオキシ基、あるいはフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハロゲン原子などを挙げることができる。
また一般式(1、)(2)において、「R1ないしR4から任意に選択される二つの基が結合して環を形成してもよい」とは、R1ないしR4から任意に選択される二つの基が結合して、アリール基と縮環した構造の形成を意味する。アリール基と縮環した構造の例としては、例えばナフタレン環、テトラヒドロナフタレン環、テトラヒドロキノリン環等を挙げることができる。
一般式(1)の2,2−ジフルオロ−2−アリールアセトアミド類の具体例としては、2,2−ジフルオロ−2−フェニルアセトアミド、2,2−ジフルオロ−2−ナフチルアセトアミド、2,2−ジフルオロ−2−(4−メチルフェニル)アセトアミド、2,2−ジフルオロ−2−(3−フルオロフェニル)アセトアミド、2,2−ジフルオロ−2−(2−ピリジル)アセトアミド、2,2−ジフルオロ−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)アセトアミド、2,2−ジフルオロ−2−(4−イソプロピロキシフェニル)アセトアミド等を挙げることができる。好ましくは、2,2−ジフルオロ−2−フェニルアセトアミド、2,2−ジフルオロ−2−(2−ピリジル)アセトアミドであり、さらに好ましくは2,2−ジフルオロ−2−フェニルアセトアミドである。
一般式(2)の2,2−ジフルオロ−2−アリールエチルアミン類の具体例としては、2,2−ジフルオロ−2−フェニルエチルアミン、2,2−ジフルオロ−2−ナフチルエチルアミン、2,2−ジフルオロ−2−(4−メチルフェニル)エチルアミン、2,2−ジフルオロ−2−(3−フルオロフェニル)エチルアミン、2,2−ジフルオロ−2−(2−ピリジル)エチルアミン、2,2−ジフルオロ−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)エチルアミン、2,2−ジフルオロ−2−(4−イソプロピロキシフェニル)エチルアミン等を挙げることができる。好ましくは、2,2−ジフルオロ−2−フェニルエチルアミン、2,2−ジフルオロ−2−(2−ピリジル)エチルアミンであり、さらに好ましくは2,2−ジフルオロ−2−フェニルエチルアミンである。
本発明にかかる一般式(1)で表される2,2−ジフルオロ−2−アリールアセトアミド類の還元による一般式(2)で表される2,2−ジフルオロ−2−アリールエチルアミン類製造方法について説明する。
一般式(1)で表される2,2−ジフルオロ−2−アリールアセトアミド類の還元にはナトリウムハイドロボレートを使用する。この際ナトリウムハイドロボレートは粒状、粉状、ペースト状のいずれも用いることができる。好ましくは操作性の点で粒状あるいは粉状である。また一般式(1)で表される2,2−ジフルオロ−2−アリールアセトアミド類に対するナトリウムハイドロボレートの使用量は1〜10モル倍、好ましくは2〜5モル倍、さらに好ましくは2.5〜3モル倍である。この範囲内で使用することで目的とする2,2−ジフルオロ−2−アリールエチルアミン類の収率および経済性の面に優れ好ましい。
本発明にかかる2,2-ジフルオロエチルアミン類の製造方法において反応は非プロトン性極性溶媒中で実施する点が特徴である。非プロトン性極性溶媒としては、硫黄系非プロトン性極性溶媒、ウレア系非プロトン性極性溶媒が好ましい。硫黄系非プロトン性極性溶媒としては、ジメチルスルオキシド、スルホランなどがあげられる。ウレア系非プロトン性極性溶媒としては、1,3−ジメチル-2-イミダゾリジノンなどが挙げられる。好ましくは、硫黄系非プロトン性極性溶媒であり、さらに好ましくはジメチルスルオキシドである。非プロトン性極性溶媒の使用量は特に制限はないが、通常一般式(1)で表される2,2−ジフルオロ−2−アリールアセトアミド類に対して1〜100重量倍、好ましくは5〜50重量倍である。この範囲内で使用することで、反応操作性および容積効率の面に優れ好ましい。
本発明にかかる2,2-ジフルオロエチルアミン類の製造方法において反応には酸の存在下で実施する点が特徴である。使用する酸としては、特に制限されないが、鉱酸類、スルホン酸類、カルボン酸類等を用いることができる。スルホン酸類としては、硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等があげられ、カルボン酸類としては酢酸、プロピオン酸、安息香酸、トリフルオロ酢酸等があげられる。好ましくはスルホン酸類であり、具体例としては、硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸であり、好ましくはメタンスルホン酸である。使用する酸の量としてはナトリウムハイドロボレートに対して1〜10モル倍、好ましくは2〜5モル倍、さらに好ましくは1.5〜3モル倍である。この範囲内で使用することで目的とする2,2−ジフルオロ−2−アリールエチルアミン類の収率および経済性の面に優れ好ましい。
還元反応において、2,2−ジフルオロ−2−アリールアセトアミド類、ナトリウムハイドロボレート、酸の添加方法は特に限定されないが、一般式(1)で表される2,2−ジフルオロ−2−アリールアセトアミド類とナトリウムハイドロボレートをあらかじめ非プロトン性極性溶媒に溶解または懸濁させた中に滴下していく方法が、目的とする2,2−ジフルオロ−2−アリールエチルアミン類の収率および操作性の面に優れ好ましい。
この際、酸をそのまま添加しても良いが、溶媒等で希釈して添加してもよく、特に反応に用いる非プロトン性極性溶媒で希釈するのが、目的とする2,2−ジフルオロ−2−アリールエチルアミン類の収率および操作性の面に優れ好ましい。
反応温度に関しては、反応が進行する温度であれば特に制限はなく、通常、反応は−100℃〜溶媒の沸点で行うことが可能である。より好ましくは、−20℃〜60℃の温度範囲である。この範囲内で使用することで目的とする2,2−ジフルオロ−2−アリールエチルアミン類の収率および操作性の面に優れ好ましい。
本製造方法で得られる2,2−ジフルオロ−2−アリールエチルアミン類の単離方法に特に制限はないが、例えば、反応液をアルカリ水で中和処理した後、有機溶媒で抽出し、有機溶媒を濃縮して結晶性化合物を単離する方法、あるいは前記の有機溶媒を濃縮して得られる残渣から蒸留操作によって単離する方法、さらには前記の有機溶媒を濃縮して得られる残渣からシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって単離する方法等を挙げることができる。
なお、明細書に記載の使用原料は、市販あるいは公知の方法によって入手可能である。
なお、明細書に記載の使用原料は、市販あるいは公知の方法によって入手可能である。
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
反応物の純度は、ガスクロマトグラフィー(GC)で分析を行った。
反応物の純度は、ガスクロマトグラフィー(GC)で分析を行った。
[合成例1] 2,2−ジフルオロ−2−フェニルアセトアミドの合成
窒素雰囲気下にて、温度計、磁気攪拌子、ガス吹込み管を備えたガラスフラスコ内にメチル ベンゾイルホルメート(65.03g)と2,2−ジフルオロ−1,3−ジメチルイミダゾリジン(65.04g)を入れ、氷冷下攪拌しながらこの中に水0.44gを添加した。その後85℃で28時間攪拌して得られた反応マスを氷冷し、28%ナトリウム メトキシド/メタノール溶液(27.46g)を約1時間かけて滴下した。その後メタノール100mlで希釈し、氷冷下にアンモニアガス(23.06g)を吹込み、さらに30分攪拌した。その後減圧下にアンモニアガスとメタノールを留去し、得られた残渣に酢酸エチル500mlおよび水200mlを加え混合した後、水相を分液した。水相を酢酸エチル200mlで抽出し得られた有機相を合わせて水150mlで4回洗浄した後、硫酸ナトリウムを入れて乾燥し、減圧下溶媒を除去することで粗生物70.03gを得た。この粗生物をn−ヘキサン/酢酸エチル(2/1)から再結晶し、ろ過によって得られた結晶を乾燥することにより精2,2−ジフルオロ−2−フェニルアセトアミド48.35gを得た。
収率=71%
淡黄白色結晶
1H−NMR(CDCl3,270MHz) δ7.6−7.64(m,2H),7.4−7.53(m,3H),6.42(br s,1H),6.27(br s,1H)
窒素雰囲気下にて、温度計、磁気攪拌子、ガス吹込み管を備えたガラスフラスコ内にメチル ベンゾイルホルメート(65.03g)と2,2−ジフルオロ−1,3−ジメチルイミダゾリジン(65.04g)を入れ、氷冷下攪拌しながらこの中に水0.44gを添加した。その後85℃で28時間攪拌して得られた反応マスを氷冷し、28%ナトリウム メトキシド/メタノール溶液(27.46g)を約1時間かけて滴下した。その後メタノール100mlで希釈し、氷冷下にアンモニアガス(23.06g)を吹込み、さらに30分攪拌した。その後減圧下にアンモニアガスとメタノールを留去し、得られた残渣に酢酸エチル500mlおよび水200mlを加え混合した後、水相を分液した。水相を酢酸エチル200mlで抽出し得られた有機相を合わせて水150mlで4回洗浄した後、硫酸ナトリウムを入れて乾燥し、減圧下溶媒を除去することで粗生物70.03gを得た。この粗生物をn−ヘキサン/酢酸エチル(2/1)から再結晶し、ろ過によって得られた結晶を乾燥することにより精2,2−ジフルオロ−2−フェニルアセトアミド48.35gを得た。
収率=71%
淡黄白色結晶
1H−NMR(CDCl3,270MHz) δ7.6−7.64(m,2H),7.4−7.53(m,3H),6.42(br s,1H),6.27(br s,1H)
[実施例1] 2,2−ジフルオロ−2−フェニルエチルアミンの製造
窒素雰囲気下にて、合成例1で得られた2,2−ジフルオロ−2−フェニルアセトアミド(2.74g)とジメチルスルオキシド20mlおよび粒状のナトリウム ハイドロボレート(1.53g)を懸濁させた中に、メタンスルホン酸(5.29g)とジメチルスルオキシド20mlの混合液を約40分かけて滴下した。滴下中に内容物の温度が室温から40℃以上まであがったので氷浴にて時々冷却しながら滴下を続けた。滴下終了後反応マスはゲル状になっていた。その後2N水酸化ナトリウムで中和し、塩化メチレン75mlと水100mlを加えて混合した後水相を分液した。さらに水相を塩化メチレン50mlで2回抽出し、有機相を合わせて2N塩酸30mlで3回洗浄した。得られた塩酸洗浄水を合わせ1N水酸化ナトリウムで中和した後、塩化メチレン50mlで3回抽出した。抽出塩化メチレン相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下塩化メチレンを留去することで2,2−ジフルオロ−2−フェニルエチルアミン1.56gを得た。GC分析の結果純度は98.3%であった。収率=61%
淡黄色油状物
1H−NMR(CDCl3,270MHz) δ7.39−7.5(m,5H),3.17(t,3H,J=13.5Hz),1.38(br s,2H)
GC分析条件
使用カラム DB-1 0.25m/m×30m(フィルム厚 0.25μm)
キャリアーガス ヘリウム
キャリアーガス圧力 75kPa
カラム温度 80℃→200℃(4℃/分)
検出器 FID
窒素雰囲気下にて、合成例1で得られた2,2−ジフルオロ−2−フェニルアセトアミド(2.74g)とジメチルスルオキシド20mlおよび粒状のナトリウム ハイドロボレート(1.53g)を懸濁させた中に、メタンスルホン酸(5.29g)とジメチルスルオキシド20mlの混合液を約40分かけて滴下した。滴下中に内容物の温度が室温から40℃以上まであがったので氷浴にて時々冷却しながら滴下を続けた。滴下終了後反応マスはゲル状になっていた。その後2N水酸化ナトリウムで中和し、塩化メチレン75mlと水100mlを加えて混合した後水相を分液した。さらに水相を塩化メチレン50mlで2回抽出し、有機相を合わせて2N塩酸30mlで3回洗浄した。得られた塩酸洗浄水を合わせ1N水酸化ナトリウムで中和した後、塩化メチレン50mlで3回抽出した。抽出塩化メチレン相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下塩化メチレンを留去することで2,2−ジフルオロ−2−フェニルエチルアミン1.56gを得た。GC分析の結果純度は98.3%であった。収率=61%
淡黄色油状物
1H−NMR(CDCl3,270MHz) δ7.39−7.5(m,5H),3.17(t,3H,J=13.5Hz),1.38(br s,2H)
GC分析条件
使用カラム DB-1 0.25m/m×30m(フィルム厚 0.25μm)
キャリアーガス ヘリウム
キャリアーガス圧力 75kPa
カラム温度 80℃→200℃(4℃/分)
検出器 FID
[実施例2] 2,2−ジフルオロ−2−フェニルエチルアミンの製造
窒素雰囲気下にて、合成例1で得られた2,2−ジフルオロ−2−フェニルアセトアミド(1.00g)とジメチルスルオキシド7.3mlおよび粒状のナトリウム ハイドロボレート(0.55g)を懸濁させた中に、98%硫酸(2.07g)とジメチルスルオキシド7.3mlの混合液を約20分かけて滴下した。滴下中に内容物の温度が室温から40℃以上まであがったので氷浴にて時々冷却しながら滴下を続けた。滴下終了後反応マスはゲル状になっていた。滴下終了後室温にて2時間攪拌しGC分析したところ2,2−ジフルオロ−2−フェニルエチルアミンが23.5%生成していた。
窒素雰囲気下にて、合成例1で得られた2,2−ジフルオロ−2−フェニルアセトアミド(1.00g)とジメチルスルオキシド7.3mlおよび粒状のナトリウム ハイドロボレート(0.55g)を懸濁させた中に、98%硫酸(2.07g)とジメチルスルオキシド7.3mlの混合液を約20分かけて滴下した。滴下中に内容物の温度が室温から40℃以上まであがったので氷浴にて時々冷却しながら滴下を続けた。滴下終了後反応マスはゲル状になっていた。滴下終了後室温にて2時間攪拌しGC分析したところ2,2−ジフルオロ−2−フェニルエチルアミンが23.5%生成していた。
[比較例1]
窒素雰囲気下にて、合成例1で得られた2,2−ジフルオロ−2−フェニルアセトアミド(2.75g)とメタノール30mlの混合液を攪拌しながら氷冷した中に、粒状のナトリウム ハイドロボレート(0.62g)を添加した。添加後氷冷下にて3時間攪拌した後GC分析したが原料がそのまま残っていたので、さらに室温にて16時間攪拌攪拌したが、2,2−ジフルオロ−2−フェニルエチルアミンの生成は見られず原料回収に終わった。
窒素雰囲気下にて、合成例1で得られた2,2−ジフルオロ−2−フェニルアセトアミド(2.75g)とメタノール30mlの混合液を攪拌しながら氷冷した中に、粒状のナトリウム ハイドロボレート(0.62g)を添加した。添加後氷冷下にて3時間攪拌した後GC分析したが原料がそのまま残っていたので、さらに室温にて16時間攪拌攪拌したが、2,2−ジフルオロ−2−フェニルエチルアミンの生成は見られず原料回収に終わった。
本発明によれば、比較的容易に手に入る2,2−ジフルオロ−2−アリールアセトアミド類を原料として2,2−ジフルオロ−2−アリールエチルアミン類を、安価かつ取扱い容易なナトリウム ハイドロボレートを用いて1段階で簡便かつ高収率に製造可能である。よって本発明は、医薬品の製造原料として非常に有用な2,2−ジフルオロ−2−アリールエチルアミン類の工業的な観点から極めて効率的な新規な製造方法を提供するものであり、その有用性は非常に高い。
Claims (5)
- 一般式(1)
一般式(2)
- 酸がメタンスルホン酸であることを特徴とする請求項1記載の製造方法
- 非プロトン性極性溶媒がジメチルスルオキシドであることを特徴とする請求項1、2記載の製造方法
- 一般式(3)で表される化合物が2,2−ジフルオロ−2−フェニルアセトアミドであり、一般式(4)で表される2−アリール−2,2−ジフルオロエチルアミン類が、2,2−ジフルオロ−2−フェニルエチルアミンである請求項4記載の製造方法
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JP2007072462A JP2008231021A (ja) | 2007-03-20 | 2007-03-20 | 2−アリール−2,2−ジフルオロエチルアミン類の製造方法 |
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2007
- 2007-03-20 JP JP2007072462A patent/JP2008231021A/ja active Pending
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