JP2008229548A - 透光性アルミナ原料微粉末の製造方法 - Google Patents

透光性アルミナ原料微粉末の製造方法 Download PDF

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泰章 田村
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Abstract

【課題】粗粒の割合が小さいアルミナ微粉末を、1つの連続粉砕工程で得ることができる透光性アルミナ原料微粉末の製造方法を提供すること。
【解決手段】純度99.9%以上のアルミナ粒子を、ジェットミル1を用いて粉砕する製造方法において、ジェットミル1における、分級板6を、その高さが、粉砕室14の底面14A(底壁16の上面)から分級板6の上面6Aまでの高さ(図2ではh1)/分級板6の上面6Aから鉛直方向において上面6Aと対向する粉砕室14の天面14B(蓋12の湾曲面)までの高さ(図2ではh2)が0.9〜1.2の範囲となるように形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、水平旋回流型ジェットミルを用いた透光性アルミナ原料微粉末の製造方法に関する。
従来より、高圧ナトリウムランプ、メタルハライドランプ等のHIDランプ(High Intensity Discharge lump)の発光管材料として、透光性を有するアルミナ焼結体(透光性アルミナ焼結体)が広く用いられている。
一般的に、透光性アルミナ焼結体は、高純度のアルミナ粒子を粉砕し、得られた透光性アルミナ原料微粉末を成形後、焼結させることにより得られる。
アルミナ粒子において、粒子中に不純物(例えば、鉄、ケイ素、ナトリウム等)が多く含有されていると、焼結体に着色が生じたり、焼結が阻害されたりする場合がある。そのため、通常、純度99.9%以上のアルミナ粒子を粉砕して得られる高純度の透光性アルミナ原料微粉末が使用される。
また、透光性アルミナ原料微粉末の粒度分布が狭ければ(シャープであれば)、これを焼結する際、焼結速度が均一となり、結晶中の気孔(ポア)を減らすことができるので、透光性アルミナ原料微粉末中に含まれる粗粒の割合が少ないほど、高透光性を示すアルミナ焼結体を得ることができる。そのため、現在まで、透光性アルミナ原料微粉末中の粗粒の割合を小さくするアルミナ粒子の粉砕方法が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、粗粒(平均粒径1μm以上)の割合が70重量%の高純度のアルミナ粒子(純度99.99%)を、粗粒の割合が12重量%の透光性アルミナ原料微粉末になるまで、ジェットミルで粉砕した後、粗粒の割合が10重量%未満になるまで振動ミルで粉砕する粉砕方法が提案されている。そして、この方法により得られた透光性アルミナ原料微粉末を焼結させた透光性アルミナ焼結体は、高透光性(波長600nmの光の直線透過率:28%)を示すということが報告されている。
特開平4−108545号公報
上記した粉砕方法では、粗粒の割合が小さい透光性アルミナ原料微粉末を得ることができるものの、ジェットミルによる粉砕工程および振動ミルによる粉砕工程からなる2つの粉砕工程を行なわなければならないため、粉砕に要するコストが高くなるという不具合がある。そこで、粉砕効率を低下させずに、1つの連続粉砕工程で透光性アルミナ原料微粉末を得られるアルミナ粒子の粉砕方法の提案が望まれている。
本発明の目的は、粗粒の割合が小さいアルミナ微粉末を、1つの連続粉砕工程で得ることができる透光性アルミナ原料微粉末の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の透光性アルミナ原料微粉末の製造方法は、純度99.9%以上のアルミナ粒子を、水平旋回流型のジェットミルを用いて粉砕する透光性アルミナ原料微粉末の製造方法であって、前記ジェットミルは、前記アルミナ粒子を粉砕するための粉砕室と、前記アルミナ粒子を前記粉砕室に噴射するための供給ノズルと、高圧ガスを噴射して前記粉砕室に水平旋回流を発生させるための粉砕ノズルと、を備え、前記粉砕室は、旋回する前記アルミナ粒子を前記粉砕ノズルへと戻すために前記粉砕室の周壁に形成された戻り流路、粉砕された透光性アルミナ原料微粉末を排出するために前記粉砕室の底壁に形成された排出口および、旋回する前記アルミナ粒子を分級するために前記底壁における前記排出口の周囲から上方へ突出した分級板を含み、前記分級板は、前記粉砕室の底面から前記分級板の上面までの高さ/前記分級板の上面から前記粉砕室の天面までの高さが0.9〜1.2の範囲となるように形成されていることを特徴としている。
この方法によれば、粉砕に使用される水平旋回流型ジェットミルにおいて、分級板が、粉砕室の底面から分級板の上面までの高さ/分級板の上面から粉砕室の天面までの高さが0.9〜1.2の範囲となるように形成されているので、純度99.9%のアルミナ粒子が粉砕されずに、粗粒のまま排出口から排出されることを抑制することができる。さらに、粉砕室の周壁に戻り流路が形成されているので、遠心力により旋回流の周壁側に寄せられる重量の大きいアルミナ粒子(粗粒)が、この戻り流路に進入して粉砕ノズルで粉砕された後、再度噴射される。そのため、粗粒の粉砕効率を向上させることができる。
その結果、粗粒の割合が小さい(平均粒径の小さい)シャープな粒度分布の透光性アルミナ原料微粉末を得ることができる。また、このような透光性アルミナ原料微粉末の製造を、水平旋回流型ジェットミルを用いた1つの連続粉砕工程で行なえるので、製造コストを低減することもできる。
そして、このような粒度分布を有する透光性アルミナ原料微粉末を成形し、焼結することによって、結晶が緻密化された高透光性のアルミナ焼結体を得ることができる。
また、本発明の透光性アルミナ原料微粉末の製造方法では、前記粉砕室の周壁は、旋回する前記アルミナ粒子が衝突する粉接部を含み、前記粉接部は、アルミナセラミックスを用いて形成されていることが好適である。
粉接部がアルミナセラミックスを用いて形成されていれば、純度99.9%以上のアルミナ粒子が粉接部に衝突し、その衝撃により粉接部の一部がアルミナ粒子に混入しても、アルミナ粒子の純度が低下することを抑制することができる。
本発明の透光性アルミナ原料微粉末の製造方法によれば、粗粒の割合が小さい(平均粒径の小さい)シャープな粒度分布の透光性アルミナ原料微粉末を得ることができる。また、このような透光性アルミナ原料微粉末の製造を、水平旋回流型ジェットミルを用いた1つの連続粉砕工程で行なえるので、製造コストを低減することもできる。そして、得られた透光性アルミナ原料微粉末を成形し、焼結することによって、結晶が緻密化された高透光性のアルミナ焼結体を得ることができる。
図1は、本発明の製造方法に使用されるジェットミル1の概略平断面図であって、図2のI−Iで示す切断線の位置で切断したときの断面を示している。また、図2は、本発明の製造方法に使用されるジェットミル1の概略側断面図であって、図1のII−IIで示す切断線の位置で切断したときの断面を示している。
図1および図2を参照して、ジェットミル1は、水平旋回流を発生させてアルミナ粒子を粉砕する水平旋回流型ジェットミルであって、その外殻を構成するケーシング2を備えている。
ケーシング2は、その上面が開口された略中空円盤状に形成されており、ライナー8と、蓋12と、供給ノズル3と、粉砕ノズル4とを備えている。
ライナー8は、ケーシング2の中空部分の内径と同じ大きさの外径を有する略円環形状に形成されている。このライナー8は、ケーシング2の内周面に沿って取り付けられ、その上部がケーシング2の上方へ突出している。ジェットミル1では、ケーシング2におけるライナー8の内側部分が、アルミナ粒子を粉砕するための粉砕室14とされている。また、ライナー8は、本発明の粉接部に相当し、ライナー8を形成する材料としては、例えば、アルミナセラミックス、ジルコニアセラミックス、窒化ケイ素セラミックス等、耐摩耗性を有する材料が挙げられ、好ましくは、アルミナセラミックスが挙げられる。ライナー8がアルミナセラミックスを用いて形成されていれば、粉砕室14でアルミナ粒子を粉砕する場合において、耐摩耗性を有することに加え、アルミナ粒子がライナー8に衝突し、その衝撃によりライナー8の一部がアルミナ粒子に混入しても、アルミナ粒子の純度が低下することを抑制することができる。ライナー8の他、本発明の粉接部に相当する要素(供給ノズル3、粉砕ノズル4、蓋12および分級部15)を後述するが、これらの中でも、とりわけライナー8は、アルミナ粒子との衝突面積が大きいので、上記した効果が顕著に現われる。なお、この実施形態では、ライナー8、蓋12および粉砕室14が本発明の粉砕室に相当する。
蓋12(粉接部)は、平面視略円形状の板であって、その一方表面は平坦に形成された平坦面であり、他方表面はその周縁から中心部に向けて湾曲して形成された湾曲面である。この他方表面(湾曲面)における中心部において突出した略円錐状の部分は、透光性アルミナ原料微粉末を、後述する排出口7へと導くためのガイド部13とされている。そして、蓋12は、ガイド部13の頂部が排出口7(後述)に対向するようにライナー8の上部(たとえば、ケーシング2から突出した部分)の開口を塞ぐように取り付けられている。蓋12がライナー8に取り付けられることにより、蓋12の湾曲面は、ライナー8(ケーシング2)の上壁を構成している。なお、蓋12は、ライナー8と同様の材料を用いて形成されていることが好ましい。
供給ノズル3(粉接部)は、アルミナ粒子を粉砕室14に噴射するためのノズルであって、固気混合管35と、突出管36とを備えている。また、供給ノズル3は、ライナー8と同様の材料を用いて形成されていることが好ましい。
固気混合管35は、蓋12の上面から斜め上方に突出するように、蓋12と一体的に形成された管であって、その内部に、高圧ヘッダー(図示せず)から送られる高圧ガスとアルミナ粒子とを混合するための固気混合室32を備えている。また、固気混合管35の後端には、エアホース10の一端が接続されており、エアホース10の他端は、高圧ガスを送るための高圧ヘッダー(図示せず)に接続されている。エアホース10と高圧ヘッダー(図示せず)との間には、固気混合管35への高圧ガスの供給量を調節するためのバルブ(図示せず)が設けられている。そして、固気混合管35における高圧ガスの噴射方向の終端は、粉砕室14に臨んでいる。
突出管36は、固気混合室32の外殻を構成する固気混合管35の周壁から上方に突出するように設けられている。突出管36の上端には、突出管36を介して固気混合室32にアルミナ粒子を供給するための砕料導入部34が接合されている。
粉砕ノズル4(粉接部)は、高圧ガスを噴射して粉砕室14に水平旋回流を発生させるためのノズルであって、ケーシング2の周方向沿って互いに間隔を隔てて複数(この実施形態では8つ)設けられている。より具体的には、各粉砕ノズル4は、例えば、隣接する2つの粉砕ノズル4の各中心軸4Cにより形成される狭角Aが30〜50度となるように設けられている。粉砕ノズル4がこのような角度で設けられることにより、粉砕室14に反時計回りの旋回流を発生させることができる。また、各粉砕ノズル4の後端には、エアホース11の一端が接続されており、エアホース11の他端は、エアホース10と接続された高圧ヘッダー(図示せず)に接続されている。そして、エアホース11と高圧ヘッダー(図示せず)との間には、粉砕ノズル4への高圧ガスの供給量を調節するためのバルブ(図示せず)が設けられている。なお、粉砕ノズル4は、ライナー8と同様の材料を用いて形成されていることが好ましい。
また、ケーシング2には、排出口7が形成されている。排出口7は、粉砕室14で粉砕された透光性アルミナ原料微粉末を排出するための開口であって、ケーシング2の底壁略中央部(より具体的には、後述する底壁16の略中央部)に形成されている。排出口7には、排出管9が接続されている。
排出管9は、排出口7との接続部から下方に向かって延びており、その終端には、排出される透光性アルミナ原料微粉末を捕獲するためのバグフィルタ(図示せず)が取り付けられている。排出管9としては、好ましくは、ポリウレタンコーティング、テフロン(登録商標)によるコーティング等が施された鉄製の鉄管等が用いられている。排出管9が、これらのコーティングの施された鉄管であれば、排出される透光性アルミナ原料微粉末に排出管9の鉄成分が混入することを防止できるので、透光性アルミナ原料微粉末を原料とする透光性アルミナ焼結体の透光性の低下を防止することができる。
ケーシング2は、さらに、戻り流路5と、分級部15とを備えている。
戻り流路5は、粉砕室14を旋回するアルミナ粒子を粉砕ノズル4に戻すための流路であって、ケーシング2の周方向沿って各粉砕ノズル4に対応して複数(この実施形態では8つ)設けられている。より具体的には、各戻り流路5は、例えば、戻り流路5の中心軸5Cおよび戻り流路5に隣接(旋回流の上流側に隣接)する粉砕ノズル4の中心軸4Cにより形成される狭角Bが40〜60度となるように形成されている。戻り流路5がこのような角度で設けられることにより、旋回するアルミナ粒子が戻り流路5に進入しやすくなる。
分級部15(粉接部)は、ケーシング2の底壁の一部を構成する底壁16と、この底壁16における排出口7の周囲から略円筒状に突出する分級板6とを備えている。また、分級部15は、ライナー8と同様の材料を用いて形成されていることが好ましい。
分級板6は、その高さが、粉砕室14の底面14A(底壁16の上面)から分級板6の上面6Aまでの高さ(図2ではh1)/分級板6の上面6Aから鉛直方向において上面6Aと対向する粉砕室14の天面14B(蓋12の湾曲面)までの高さ(図2ではh2)が0.9〜1.2の範囲となるように形成されている(以下、図2におけるh1/h2を単に「分級板の高さ比率」とする。)。なお、この実施形態では、分級部15は、ケーシング2本体とは別体として着脱可能に設けられているので、分級部15を取り替えることにより、分級板6の高さを適宜変更することが可能である。
次に、図1および図2に示すジェットミル1により、アルミナ粒子を粉砕して透光性アルミナ原料微粉末を製造する本発明の製造方法の一実施形態について説明する。
この方法では、エアホース10およびエアホース11に設けられたバルブ(図示せず)を開けて、高圧ヘッダー(図示せず)から固気混合管35および粉砕ノズル4へ高圧ガスを供給するとともに、砕料導入部34にアルミナ粒子を投入する。
供給する高圧ガスのガス圧力は、例えば、0.5MPa〜1.0MPaであり、好ましくは、0.7MPa〜0.9MPaである。
砕料導入部34に投入するアルミナ粒子としては、例えば、精製したアンモニウム明礬、擬ベーマイト等を焼成して得られるアルミナ粒子が挙げられ、好ましくは、擬ベーマイトを焼成して得られるアルミナ粒子が挙げられる。
一般的に、アルミナ粒子粉砕後の透光性アルミナ原料微粉末中に不純物(例えば、鉄、ケイ素、ナトリウム等)が多く含有されていると、透光性アルミナ焼結体に着色が生じたり、焼結が阻害されたりする場合がある。そのため、本発明では、純度99.9%以上のアルミナ粒子が必要であるところ、アルミナ粒子の原料が擬ベーマイトであれば、アルミナ粒子の純度をより高くすることができる。
また、アルミナ粒子の結晶形としては、例えば、α―アルミナおよびα―アルミナと中間アルミナ(γ―アルミナ、θ―アルミナ、η―アルミナ等)との共存体等が挙げられ、好ましくは、熱的に安定なα―アルミナが挙げられる。また、α―アルミナと中間アルミナとの共存体の場合には、例えば、中間アルミナが50重量%未満であり、30重量%未満であることが好ましい。
アルミナ粒子の純度は、99.9%以上であり、好ましくは、99.99%以上である。アルミナ粒子の純度がこの範囲であれば、粉砕後の透光性アルミナ原料微粉末を原料として得られる透光性アルミナ焼結体の着色や、焼結の阻害を低減することができる。
アルミナ粒子の平均粒径は、例えば、5μm〜15μmであり、好ましくは、7μm〜9μmである。
アルミナ粒子の表面積は、例えば、BET比表面積が2m2/g〜10m2/gであり、好ましくは、3.6m2/g〜6m2/gである。アルミナ粒子のBET比表面積が3.6m2/gより小さいと、アルミナ粒子が粉砕されにくく、得られる透光性アルミナ原料微粉末に含まれる粗粒の割合が大きくなるので、透光性アルミナ焼結体の直線透過率が低下する場合がある。一方、アルミナ粒子のBET比表面積が6m2/gより大きければ、粉砕後の透光性アルミナ原料微粉末を、排出管9を通過させてバグフィルタ(図示せず)で捕獲する際、排出管9に対する透光性アルミナ原料微粉末の付着量が多くなり、ジェットミル1の連続運転時間が短くなるので、生産性が低下する場合がある。
砕料導入部34へのアルミナ粒子の供給方法としては、例えば、砕料導入部34に公知の供給機を取り付けて連続的に供給することが好ましい。そのような公知の供給機としては、砕料導入部34へ連続的に供給できる供給機であれば特に制限されず、例えば、振動フィーダー、テーブルフィーダー、ロータリーフィーダー、シェーキングフィーダー、スクリューフィーダー等が挙げられる。
そして、粉砕室14においては、各粉砕ノズル4から高圧ガスが噴射されることによって、反時計回り方向の旋回流が発生する。一方、固気混合室32においては、砕料導入部34から供給されたアルミナ粒子と固気混合管35に供給された高圧ガスとが混合される。混合されたアルミナ粒子は、高圧ガスに同伴して粉砕室14に噴射され、粉砕室14に発生している旋回流により粉砕室14を旋回する。
粉砕室14を旋回するアルミナ粒子は、その一部が粒子同士の衝突により、また、その他がライナー8に衝突して粉砕される。この粉砕時において、比較的大きく重いアルミナの粗粒は、戻り流路5から粉砕ノズル4に進入し、粉砕ノズル4で粉砕された後、再び高圧ガスに同伴して粉砕室14に噴射される。より具体的には、アルミナの粗粒は、遠心力により旋回流の外側に寄せられてライナー8付近を旋回する。そのため、そのアルミナの粗粒の一部が戻り流路5に進入する。戻り流路5に進入したアルミナの粗粒は、粉砕ノズル4を流れる高圧ガスにより生じる負圧により、粉砕ノズル4に流れ込む。粉砕ノズル4内では、非常に速い速度(たとえば、音速を超える速度)の気流の攪乱によって粒子同士(アルミナの粗粒)が相互に衝突して、その粉砕が促進される。そして、粉砕されたアルミナ粒子は、粉砕ノズル4内の高圧ガスに同伴して再び粉砕室14に噴射される。このように、アルミナ粗粒が戻り流路5を通って再び粉砕ノズル4から噴射されて加速するため、粉砕効率を向上させることができる。
その後、アルミナ粒子が粉砕されて透光性アルミナ原料微粉末になると、その重さが小さくなり、遠心力も小さくなるため、透光性アルミナ原料微粉末が粉砕室14の中心付近を旋回する。そして、粉砕室14の中心付近を旋回する透光性アルミナ原料微粉末は、ガイド部13によって粉砕室14の下方に向けて誘導され、排出口7から排出管9へと排出されて、バグフィルタ(図示せず)で捕獲される。これにより、ジェットミル1で粉砕された透光性アルミナ原料微粉末を得ることができる。
例えば、従来の水平旋回流型ジェットミルのように、ジェットミル1において、分級板の高さ比率が1.2より大きくなるように分級板6が形成されていると、つまり、分級板の高さが、この実施形態における分級板6より低く形成されていると、アルミナ粒子の旋回時において、旋回するアルミナ粒子が排出口7へ流れ込みやすくなる。そのため、アルミナ粒子が、粉砕されずに粗粒のまま排出口7へと排出される場合がある。一方、分級板の高さ比率が0.9より小さくなるように分級板6が形成されている場合、つまり、分級板の高さが、この実施形態における分級板6より高く形成されて場合では、粉砕室14の中心付近において、分級板6の上の空間で排出口7へと向かう空気流が強化されるので、この場合もアルミナ粒子が粉砕されずに粗粒のまま排出口7へと排出される場合がある。
しかし、この製造方法では、ジェットミル1において、分級板の高さ比率が0.9〜1.2の範囲となるように、分級板6が形成されているので、アルミナ粒子が粉砕されずに粗粒のまま排出口7から排出されることを抑制することができる。
その結果、粗粒の割合が小さい(平均粒径の小さい)シャープな粒度分布の透光性アルミナ原料微粉末を得ることができる。また、このような透光性アルミナ原料微粉末の製造を、ジェットミル1を用いた1つの連続粉砕工程で行なえるので、例えば、ジェットミルによる粉砕工程および振動ミルによる粉砕工程からなる2つの粉砕工程を行なう、従来の製造方法に比べて、製造コストを低減することもできる。
そして、上記した粗粒の割合が小さい(平均粒径の小さい)粒度分布を有する透光性アルミナ原料微粉末を成形し、焼結することによって、結晶が緻密化された高透光性のアルミナ焼結体を得ることができる。
なお、上述の実施形態において、分級部15は、ケーシング2本体と別体として形成されているとしたが、例えば、ケーシング2本体と一体的に形成されていてもよい。
次に、本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は下記の実施例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例における「ジェットミル」とは、図1および図2に示した構造を有する水平旋回流型ジェットミル1を示している。また、「分級板の高さ比率」とは、図2における、粉砕室14の底面14Aから分級板6の上面6Aまでの高さ(図2ではh1)/分級板6の上面6Aから鉛直方向において上面6Aと対向する粉砕室14の天面14Bまでの高さ(図2ではh2)を示している。
実施例1〜2および比較例1〜3
擬ベーマイトを焼成することにより得られた、下記の表1に示すBET比表面積を有するα―アルミナを、供給量20kg/hで、表1に示す分級板の高さ比率を有するジェットミルに供給し、高圧ガス圧力0.74MPaで粉砕してアルミナ微粉末を得た。得られたアルミナ微粉末100重量部に、イオン交換水98.5重量部、分散剤0.5重量部および硝酸マグネシウムを酸化マグネシウム換算で0.05重量部加え、超音波を照射して分散させた。その後、酢酸ビニル1.5重量部、ポリビニルアルコール0.3重量部、ステアリン酸0.5重量部および硫酸アルミニウム(16水塩)0.4重量部を添加後、混合してアルミナスラリーを得た。得られたアルミナスラリーを噴霧乾燥して、アルミナ顆粒を得た。
評価実験
各実施例および各比較例で得られたアルミナ微粉末の平均粒径およびFe含有量を測定した。その結果を表1に示す。
また、各実施例および各比較例で得られたアルミナ顆粒を、147MPaの圧力で静水圧成形することにより、直径20mm、厚み1.2mmの円盤状のアルミナ成形体を得た。得られたアルミナ成形体を、大気雰囲気下、仮焼温度900℃、仮焼時間3時間で仮焼し、次いで、真空下、焼結温度1800℃、焼結時間6時間で焼結してアルミナ焼結体を得た。
得られたアルミナ焼結体について、以下の評価を実施した。その結果を表1に示す。
1)焼結密度
得られたアルミナ焼結体について、下記式を用いて、乾燥重量(W1)、水中重量(W2)および飽水重量(W3)から焼結密度を求めた。
W1×0.9978/W3−W2
なお、上記した各重量(W1〜W3)の定義は下記の通りである。
乾燥重量(W1):アルミナ焼結体の乾燥状態での重量
水中重量(W2):アルミナ焼結体の水中での重量
飽水重量(W3):飽水状態になって濡れているアルミナ焼結体の表面を、固く絞ったガーゼで拭った後に測定したアルミナ焼結体の重量
2)試験サンプルの作製
各実施例および各比較例によって得られたアルミナ焼結体を両面ラッピングし、厚み0.85mmに調整して、試験サンプルを得た。
3)直線透過率測定
2)で得られた試験サンプルを、スペクトロメータ(株式会社日立製作所製 U−2000 光源−ヨウ素タングステンランプ 検出器−シリコンフォトダイオード)において、光源スポット径5.5mmφ、波長600nmの光を入射し、そのときの直線透過率を測定した。
Figure 2008229548
本発明の製造方法に使用されるジェットミルの概略平断面図であって、図2のI−Iで示す切断線の位置で切断したときの断面を示している。 本発明の製造方法に使用されるジェットミルの概略側断面図であって、図1のII−IIで示す切断線の位置で切断したときの断面を示している。
符号の説明
1 ジェットミル
2 ケーシング
3 供給ノズル
4 粉砕ノズル
5 戻り流路
6 分級板
7 排出口
8 ライナー
12 蓋
14 粉砕室
15 分級部

Claims (2)

  1. 純度99.9%以上のアルミナ粒子を、水平旋回流型のジェットミルを用いて粉砕する透光性アルミナ原料微粉末の製造方法であって、
    前記ジェットミルは、
    前記アルミナ粒子を粉砕するための粉砕室と、
    前記アルミナ粒子を前記粉砕室に噴射するための供給ノズルと、
    高圧ガスを噴射して前記粉砕室に水平旋回流を発生させるための粉砕ノズルと、を備え、
    前記粉砕室は、旋回する前記アルミナ粒子を前記粉砕ノズルへと戻すために前記粉砕室の周壁に形成された戻り流路、粉砕された透光性アルミナ原料微粉末を排出するために前記粉砕室の底壁に形成された排出口および、旋回する前記アルミナ粒子を分級するために前記底壁における前記排出口の周囲から上方へ突出した分級板を含み、
    前記分級板は、前記粉砕室の底面から前記分級板の上面までの高さ/前記分級板の上面から前記粉砕室の天面までの高さが0.9〜1.2の範囲となるように形成されていることを特徴とする、透光性アルミナ原料微粉末の製造方法。
  2. 前記粉砕室の周壁は、旋回する前記アルミナ粒子が衝突する粉接部を含み、
    前記粉接部は、アルミナセラミックスを用いて形成されていることを特徴とする、請求項1記載の透光性アルミナ原料微粉末の製造方法。
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