JP2008229496A - 二酸化炭素の分離回収装置及び二酸化炭素の分離回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸収塔における気液接触領域を小さくすることが可能であり、しかも効率的かつ安価に二酸化炭素発生源から二酸化炭素を分離回収する技術を提供する。
【解決手段】二酸化炭素含有ガス中に含まれる二酸化炭素を吸収液31に吸収させる吸収塔12と、二酸化炭素含有ガスと吸収液とを効率良く接触させるために吸収塔12内に設けられた気液接触領域12aと、二酸化炭素を吸収した吸収液31に再生熱を与えて二酸化炭素を放出させる再生塔22と、二酸化炭素の輸送媒体として吸収塔12と再生塔22との間を循環する吸収液31とを具備してなり、吸収塔12から流出された吸収液31の一部を気液接触領域12aに戻す循環路13と、循環路13の途中に設けられて吸収液31を冷却する熱交換器14と、から構成されることを特徴とする二酸化炭素の分離回収装置1を採用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、二酸化炭素の分離回収装置及び二酸化炭素の分離回収方法に関するものであり、特に、化学吸収法を利用した二酸化炭素の分離回収装置及び二酸化炭素の分離回収方法に関するものである。
地球温暖化問題に対して、製造段階や利用段階における省エネルギーの推進、太陽光、風力、バイオマス等新エネルギーの活用、天然ガス等低環境負荷燃料への転換を中心とした対策が強力に推進されている。また、発生した地球温暖化ガス(二酸化炭素)を分離回収して隔離、固定化しようとする研究も鋭意推進されている。例えば、火力発電所の燃焼廃ガスから、化学吸収法を用いて二酸化炭素を分離回収する方法が提案されており(例えば、非特許文献1参照)、これによれば、条件にもよるが二酸化炭素の分離回収率90%が達成できるとしている。
清原正高、「発電用ボイラー排ガスからのCO2回収試験」、エネルギー・資源、エネルギー・資源学会、1993年、第14巻、第1号、p.91−97
ところで、分離回収された二酸化炭素を地中や海洋中に隔離する場合には、経済上のメリットはなく(単純なコスト増)、化学原料などへ有効活用しようとしても、国内マーケットは小さくかつ需要を概ね満たしており、経済面での牽引力が働かないといった構造上の問題がある。従って、地球温暖化防止策を目的とする二酸化炭素の分離回収技術においては、エネルギー効率を高めつつ、コストを低減することが重要課題の一つになっている。
二酸化炭素の分離回収に用いられる化学吸収法は、例えば吸収塔において対象ガスと吸収液とを気液接触させて対象ガス中に含まれる二酸化炭素を吸収液に吸収させる吸収工程と、再生塔において吸収液から二酸化炭素を放出させて高濃度の二酸化炭素を含むガスを回収すると同時に吸収液を再生する再生工程と、から概略構成されている。再生塔には、吸収液を循環させつつ吸収液に対して熱エネルギー(再生熱)を与えるリボイラー等の循環加熱手段が付加されている。また、吸収液には、第1級〜第3級アミン等の水溶液が用いられている。
モノエタノールアミン(Mono ethanol amine(以下、MEAという))に代表される第1級アミンは、二酸化炭素に対する吸収速度が高い反面、再生熱が大きくなるという特性がある。第1級アミンを含む吸収液を用いる場合には、二酸化炭素に対する吸収速度が高いために、吸収剤と対象ガスとを気液接触させる領域を小さくすることが可能であり、吸収塔を比較的コンパクトなサイズにすることが可能である。しかし、再生熱が大きいことから、二酸化炭素を放出させる際には吸収液に対して多量の熱エネルギーを与える必要がある。
ところで、対象ガス、特に大気圧レベルの対象ガスから二酸化炭素を分離回収しこれを地中や海中に埋設する一連のプロセスにおいて、最もエネルギー消費が大きなプロセスは、対象ガスから二酸化炭素を分離回収するプロセスであり、その中でも特に、吸収液の再生熱に係るエネルギー消費が最大になっている。従って、地球温暖化防止対策を目的して、燃焼排ガス等から二酸化炭素を回収するために、再生熱が大きな第1級アミンを使用することは、エネルギー効率の低下を招くとともに、コスト高になるという問題があった。
また、メチルジエタノールアミン(Methyl diethanol amine(以下、MDEAという))に代表される第3級アミンは、二酸化炭素に対する吸収速度が低い反面、再生熱が小さく、吸収液に対して少量の熱エネルギーを与えることで二酸化炭素を容易に放出するという特性を持つ。第3級アミンを含む吸収液を用いた場合には、二酸化炭素に対する低い吸収速度を補うために、対象ガス中の二酸化炭素の分圧を高くするか、または吸収塔を大型化して気液接触の領域を増やす必要がある。吸収塔の大型化は設備コストの増大などの制約が多いことから、従来、第3級アミンは、概ね10気圧以上の高圧ガス中に含まれる二酸化炭素の分離回収技術にほぼ限定されて用いられていた。具体的には、天然ガス、石油随伴ガスまたは石油精製に伴って副生される水素ガス等における二酸化炭素の分離回収に専ら用いられていた。換言すると、第3級アミンは、燃焼排ガス等の常圧ガスに対する二酸化炭素の回収技術への適用が困難な状況であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、吸収塔における気液接触領域を小さくすることが可能であり、しかも効率的かつ安価に二酸化炭素発生源から二酸化炭素を分離回収する技術を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明の二酸化炭素の分離回収装置は、二酸化炭素含有ガス中に含まれる二酸化炭素を吸収液に吸収させる吸収塔と、前記二酸化炭素含有ガスと前記吸収液とを効率良く接触させるために吸収塔内に設けられた気液接触領域と、二酸化炭素を吸収した吸収液に再生熱を与えて二酸化炭素を放出させるとともに吸収液を再生する再生塔と、二酸化炭素の輸送媒体として前記吸収塔と前記再生塔との間を循環する吸収液と、を具備してなる二酸化炭素の分離回収装置において、前記吸収塔から流出された前記二酸化炭素を吸収した吸収液の一部を前記気液接触領域に戻す循環路と、前記循環路の途中に設けられて前記二酸化炭素を吸収した吸収液を冷却する熱交換器と、が備えられていることを特徴とする。
また、本発明の二酸化炭素の分離回収装置においては、前記気液接触領域のうち、前記吸収液が流れる上流領域から中流領域の間のいずれかの位置に、前記循環路の出口が配置されていることが好ましい。
更に、本発明の二酸化炭素の分離回収装置においては、前記吸収液が第3級アミンを主成分とするものであることが好ましい。
更にまた、本発明の二酸化炭素の分離回収装置においては、前記吸収液がメチルジエタノールアミンを主成分とするものであることが好ましい。
また、本発明の二酸化炭素の分離回収装置は、二酸化炭素を分離回収し、回収された二酸化炭素を地中または海中に貯留する地球温暖化対策に使用されることでその特徴が最も活かされやすい。
次に、本発明の二酸化炭素の分離回収方法は、二酸化炭素含有ガスと吸収液とを気液接触領域において気液接触させて前記二酸化炭素含有ガス中の二酸化炭素を吸収液に吸収させる吸収操作と、吸収後の吸収液に再生熱を加えて二酸化炭素を放出させるとともに吸収液を再生する再生操作とを行う化学吸収法による二酸化炭素の分離回収方法において、前記吸収操作において二酸化炭素を吸収させた吸収液の一部を、冷却してから前記気液接触領域に戻す循環操作を行うことを特徴とする。
また、本発明の二酸化炭素の分離回収方法においては、二酸化炭素を吸収した吸収液の一部を前記気液接触領域に戻す際に、前記気液接触領域のうち、前記吸収液が流れる上流領域から中流領域の間のいずれかの位置に、前記吸収液の一部を戻すことが好ましい。
更に、本発明の二酸化炭素の分離回収方法においては、前記吸収液が第3級アミンを主成分とするものであることが好ましい。
更にまた、本発明の二酸化炭素の分離回収方法においては、前記吸収液がメチルジエタノールアミンを主成分とするものであることが好ましい。
また、本発明の二酸化炭素の分離回収方法は、二酸化炭素を分離回収し、回収された二酸化炭素を地中または海中に貯留する地球温暖化対策に使用されることでその特徴が最も活かされやすい。
本発明の二酸化炭素の分離回収装置によれば、吸収塔の気液接触領域に吸収液の一部を戻す循環路と、循環路の途中に設けられた熱交換器とが備えられており、循環路によって気液接触領域に吸収液を戻すことで、吸収液の量を増やしたり吸収設備を大型化したりすることなく、吸収液と二酸化炭素含有ガスとの接触の機会を増やすことが可能になり、これにより二酸化炭素の吸収速度が低い吸収液であっても、二酸化炭素の吸収量を増大させることができる。
また、吸収液は二酸化炭素を吸収する際、発熱反応により吸収液の温度が上がり、それに反して吸収能力は低下してくる。そこで、循環路を流れる吸収液を熱交換器で冷却することで、二酸化炭素に対する吸収能力を高めることができるとともに、充填塔を流れる吸収液を冷却することができ、二酸化炭素に対する吸収能力をより高めることができる。
また、上記の分離回収装置によれば、吸収液の量を増やすことなく液ガス比を高めることで、二酸化炭素含有ガスにおける二酸化炭素の分圧が低くても十分な吸収能力を確保することができ、これにより、燃焼排ガスのような、10気圧未満の所謂低圧または常圧ガス中の二酸化炭素の分離回収にも適用できる。
また、上記の分離回収装置によれば、気液接触領域の上流領域から中流領域の間のいずれかの位置に循環路の出口が配置され、循環させた吸収液(以下、循環液という)を、気液接触領域の上流領域から中流領域の間の領域に供給することが可能になり、これにより、循環液と二酸化炭素含有ガスとが気液接触する領域を十分に確保することができ、二酸化炭素の吸収量を増大させることができる。
また、上記の分離回収装置によれば、吸収液として、第3級アミンを用い、特にその中でもメチルジエタノールアミンを主成分とするものを用いるので、再生設備において吸収液に再生熱を与えて二酸化炭素を放出させる際に、再生熱の熱量を少なくすることができ、分離回収装置全体の熱効率を高めることができる。
また、上記の分離回収装置によれば、二酸化炭素の吸収速度が低いために燃焼排ガスなどの常圧ガスには適用が難しかった第3級アミンを吸収液として使用可能としたことで、従来の分離回収装置に比べて再生熱量を大幅に低下することが可能になり、これにより二酸化炭素を分離回収し、回収された二酸化炭素を地中または海中に貯留する地球温暖化対策に好適に使用できる(目的が地球温暖化防止対策である場合、特にエネルギー消費量を削減することが重要であるため)。
また、本発明の二酸化炭素の分離回収方法によれば、吸収操作において二酸化炭素を吸収させた吸収液の一部を、気液接触領域に戻す循環操作を行うので、吸収液の量を増やしたり気液接触領域を拡大したりすることなく、吸収液と二酸化炭素含有ガスとの接触の機会を増やすことが可能になり、これにより二酸化炭素の吸収速度が低い吸収液であっても、二酸化炭素の吸収量を増大させることができる。
また、循環させる吸収液を冷却することで、二酸化炭素に対する吸収能力を高めることができるとともに、気液接触領域を流れる吸収液を冷却することができ、二酸化炭素に対する吸収能力をより高めることができる。
また、上記の分離回収方法によれば、吸収液と二酸化炭素含有ガスとの接触の機会を増やして、二酸化炭素含有ガスにおける二酸化炭素の分圧が低くても十分な吸収効率を確保することができ、これにより、燃焼排ガスのような、10気圧未満の所謂低圧または常圧ガス中の二酸化炭素の分離回収にも適用できる。
また、上記の分離回収方法によれば、気液接触領域の上流領域から中流領域の間のいずれかの位置に吸収液を戻すことで、循環液と二酸化炭素含有ガスとが気液接触する領域を十分に確保することができ、二酸化炭素の吸収量を増大させることができる。
また、上記の分離回収方法によれば、吸収液として、第3級アミンを用い、特にその中でもメチルジエタノールアミンを主成分とするものを用いるので、吸収液に再生熱を与えて二酸化炭素を放出させる際に、再生熱の熱量を少なくすることができ、吸収操作、再生操作及び循環操作を含む全体の熱効率を高めることができる。
また、上記の分離回収方法によれば、二酸化炭素の吸収速度が低いために燃焼排ガスなどの常圧ガスには適用が難しかった第3級アミンを吸収液として使用できるので、従来の分離回収方法に比べて再生熱量を大幅に低下することが可能になり、これにより二酸化炭素を分離回収し、回収された二酸化炭素を地中または海中に貯留する地球温暖化対策に好適に使用できる。
以下、本発明の実施の形態である二酸化炭素の分離回収装置及び二酸化炭素の分離回収方法について図面を参照して説明する。なお、本発明の技術的範囲は、以下に説明する実施形態に制限されるものでないことは言うまでもない。
図1に、本実施形態の二酸化炭素の分離回収装置の全体の模式図を示し、図2には二酸化炭素の分離回収装置の要部の模式図を示す。尚、これらの図は、二酸化炭素の分離回収装置の構成を説明するためのものであり、実際の二酸化炭素の分離回収装置と対比した場合において図示される各部の大きさや厚さや寸法等が異なる場合がある。
[二酸化炭素の分離回収装置]
図1に示す二酸化炭素の分離回収装置1(以下、分離回収装置1という)は、二酸化炭素含有ガス中に含まれる二酸化炭素を吸収液31に吸収させる吸収設備11と、二酸化炭素を吸収した吸収液31に再生熱を与えて二酸化炭素を放出させるとともに吸収液31を再生する再生設備21と、二酸化炭素の輸送媒体として吸収設備11と再生設備21との間を循環する吸収液31と、吸収設備11から再生設備21に吸収液31を輸送する送り配管41と、再生設備21から吸収設備11に吸収液31を輸送する戻り配管42と、を具備して概略構成されている。
そして、本実施形態の分離回収装置1は、吸収設備11において二酸化炭素を吸収した吸収液(以下、吸収済み吸収液という)を、送り配管41によって再生設備21に輸送し、再生設備21において吸収済み吸収液に再生熱を加えて吸収済み吸収液から二酸化炭素を分離させると同時に吸収液を再生し、再生済みの吸収液を戻り配管42によって吸収設備11に輸送する、という一連の操作を順次または同時に行うことにより、二酸化炭素含有ガスから二酸化炭素を分離回収するものである。以下、分離回収装置1の各構成要素について順次説明する。
「吸収設備11」
吸収設備11は、図1に示すように、気液接触領域12aを備えた充填塔12(以下、吸収塔12という)と、吸収塔12から流出された吸収済み吸収液の一部を吸収塔12の気液接触領域12aに戻す循環路13(以下、循環配管13という)と、循環配管13の途中に備えられた熱交換器14とから概略構成されている。
また、吸収塔12には、吸収塔12の下部から二酸化炭素含有ガスを導入する導入管12bと、二酸化炭素含有ガス中の二酸化炭素を吸収液に吸収させた残りのオフガスを、吸収塔12の上部から排出する排出管12cとが接続されている。導入管12bの途中には、二酸化炭素含有ガスを吸収塔12に送入するための送風機15が備えられている。また、吸収塔12の上部には、戻り配管42の終端部42aが接続されており、この終端部42aから、再生済みの吸収液を気液接触領域12aに流下させるように構成されている。このように、吸収塔12の上部から吸収液31を導入し、吸収塔12の下部からは二酸化炭素含有ガスを導入することによって、気液接触領域12aにおいて吸収液31と二酸化炭素含有ガスとを向流接触させるように構成されている。
なお、吸収塔12の導入管12bには、二酸化炭素含有ガスに窒素酸化物や硫黄酸化物等の化学吸収液劣化要因が高濃度で含有される場合に、これらを除去するための図示略の事前処理設備を設置してもよい。
循環配管13は、送り配管41の途中の分岐部41aから分岐された配管であって、送り配管41を流れる吸収済み吸収液の一部を吸収塔12の気液接触領域12aに輸送する配管である。送り配管41の分岐部41aの上流側には図示略の送液ポンプが備えられており、この送液ポンプを駆動することで送り配管41及び循環配管13にそれぞれ、吸収済み吸収液を送出できるようになっている。循環配管13の出口13aは、後述するように吸収塔12の気液接触領域12aの上流領域12Aから中流領域12Bの間の領域に配置されている。また、循環配管13の途中には熱交換器14が備えられており、循環配管13を流通する吸収済み吸収液の液温を、例えば40℃程度から30℃程度に冷却できるように構成されている。
次に、吸収塔12の内部構造について図2を参照して詳細に説明すると、吸収塔12には、充填材が集積されてなる4つの充填材層12dと、充填材層12dの間に配置された泡鐘トレー12eとが備えられている。充填材層12dは、吸収塔12の高さ方向に沿って配列されている。これら充填材層12dと泡鐘トレー12eとによって気液接触領域12aが構成されている。充填材層12dを構成する充填材は、規則充填材または不規則充填材のいずれの充填材を用いてもよい。また、充填材層12dの数は、2つ以上であればいくつでもよい。
気液接触領域12aは、大きく分けて3つの領域に分けられる。すなわち、気液接触領域12aの上側の1/3を占める上流領域12Aと、気液接触領域12aの中程の1/3を占める中流領域12Bと、気液接触領域12aの下側の1/3を占める下流領域12Cである。そして、気液接触領域12aの上方には、戻り配管42の終端部42aが配置されており、この終端部42aから降り注がれる吸収液が、気液接触領域12aの上流領域12Aから中流領域12Bを経て下流領域12Cに流れるように構成されている。
また、図2に示すように、循環配管13の出口13aが、気液接触領域12aの上流領域12Aから中流領域12Bの間の領域に配置されている。図2においては、循環配管13の出口13aが、気液接触領域12aのほぼ中央に位置する上から2段目の泡鐘トレー12eに配置されており、この2段目の泡鐘トレー12eに吸収済み吸収液が注ぎ込まれるようになっている。このように、吸収済み吸収液を泡鐘トレー12eに注ぎ込ませることによって、その下段にある充填材層12dに対して吸収済み吸収液が一カ所に偏らず均等に降り注がれる。循環配管13の出口13aは、気液接触領域12aの上流領域12Aから中流領域12Bの間の領域に配置されることが好ましい。これにより、循環配管13の出口13aを下流領域12Cに配置する場合に比べて、吸収済み吸収液と二酸化炭素含有ガスとの向流接触が広い範囲で行われ、吸収液の吸収効率が高められる。なお、循環配管13の出口13aは、気液接触領域12aの最上部12fには配置しないことが好ましい。循環配管13から供給される吸収済み吸収液は、気液接触領域12aの上流領域12Aから中流領域12Bの間に供給された場合に、戻り配管42の終端部42aから導入される再生済みの吸収液を冷却する効果があるが、循環配管13の出口13aを気液接触領域12aの最上部12fに配置すると、その冷却効果が損なわれるためである。なお、この冷却効果については後ほど詳細に説明する。
「再生設備21」
再生設備21は、図1に示すように、再生用の充填塔22(以下、再生塔22という)と、再生塔22から流出された再生済み吸収液の一部を再生塔22に戻す再生用の循環路23(以下、再生用循環配管23という)と、再生用循環配管23の途中に備えられ、再生済み吸収液を加熱する再生用熱交換器24と、から概略構成されている。
再生塔22の上部には、吸収済み吸収液を輸送する送り配管41の終端部41bが接続されており、この終端部41bから、再生塔22の内部に吸収済み吸収液を流下させるように構成されている。また、再生塔22の上部には、吸収済み吸収液に含まれる二酸化炭素が放出された際に発生する高濃度排ガスを排出するための排出管22aが接続されている。更に、再生塔22の下部には、再生済み吸収液を吸収塔12に輸送する戻り配管42が接続されている。また、再生塔22の下部には、再生用熱交換器24によって加熱された再生済み吸収液を貯留する貯留部22bが設けられている。
再生用循環配管23は、戻り配管42の途中の分岐部42bから分岐された配管であって、戻り配管42を流れる再生済み吸収液の一部を再生塔22の貯留部22bに戻す配管である。また、再生用循環配管23の途中には再生用熱交換器24が備えられている。再生用熱交換器24には加熱媒体24a(再生熱エネルギー)が導入されており、この加熱媒体24aによって、再生用循環配管23を流通する再生済み吸収液を例えば120℃程度に加熱できるように構成されている。
また、送り配管41と戻り配管42との交差部には、吸収液用の熱交換器43が設置されており、戻り配管42を流れる比較的高温の再生済み吸収液の熱エネルギーを、送り配管41を流れる比較的低温の吸収済み吸収液に供給できるようになっている。すなわち、吸収液用の熱交換器43によって、送り配管41を流れる吸収済み吸収液が再生塔22に導入される前に予熱され、戻り配管42を流れる再生済み吸収液が吸収塔12に導入される前に冷却されるように構成されている。
上記の再生設備21においては、再生塔22の上部から予め予熱された吸収済み吸収液を流下させるとともに、再生塔22の貯留部22bに貯留された120℃程度の再生済み吸収液から蒸気を発生させる。そして、発生させた蒸気によって吸収済み吸収液を加熱して(再生熱を与えて)、吸収済み吸収液から二酸化炭素を放出させるとともに吸収済み吸収液を再生する。放出された二酸化炭素は、二酸化炭素濃度が99.9%以上の高濃度排ガスとなって、再生塔22の排出管22aから排出される。排出された高濃度排ガスは、その後、地中または海中に貯留される。
「吸収液31」
吸収液31には、第3級アミンの水溶液を用いることが好ましく、特にその中でもメチルジエタノールアミン(Methyl diethanol amine(以下、MDEAという))を主成分とする水溶液を用いることが好ましい。第3級アミンは、二酸化炭素に対する吸収速度が低い反面、再生熱が小さく、吸収液に対して少量の熱エネルギーを与えることで二酸化炭素を容易に放出するという特性を持つ。このため、本実施形態の分離回収装置1においては、吸収塔12に循環配管13を取り付けて吸収液を循環させて二酸化炭素含有ガスとの気液接触の機会を増やすことで、第3級アミンの低い吸収速度を補い、吸収液31の吸収効率を高めるという構成を採用する。これにより、二酸化炭素の分圧が低い低圧ガスまたは常圧ガスにも、第3級アミンを含む吸収液31の適用が可能になる。
「二酸化炭素含有ガス」
上記の分離回収装置1によって処理される二酸化炭素含有ガスは、ガスの圧力が大気圧前後の常圧ガスであって、ガス温度が20℃〜50℃程度のガスが好適に用いられる。このようなガスとしては、例えば、製鉄所で発生する副生ガスや、火力発電所で発生する燃焼排ガスの他、燃焼や化学反応に伴って発生し二酸化炭素を数%以上含むガスなどを例示できる。
製鉄所で発生する副生ガスには例えば、製鉄所の構成によっても異なるが高炉一貫製鉄所を例に取れば、高炉ガス(BFG)、コークス炉ガス(COG)、転炉ガス(LDG)が挙げられるほか、COGやLDG等の上記副生ガスを水素製造目的で改質する過程(プロセス)の中で産生されるガス(プロセスガス)も含まれる。これらの副生ガスは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合したミックス状態で用いてもよい。また、本実施形態では、上記副生ガスの燃焼排ガスを二酸化炭素含有ガスとして二酸化炭素の分離回収に供してもよい。
また、火力発電所で発生する燃焼排ガスには、天然ガス火力発電所や石炭火力発電所から排出される排ガスが含まれる。天然ガス火力発電所の排ガスには約3〜9%程度の二酸化炭素が含まれ、また、石炭火力発電所の排ガスには、約12%程度の二酸化炭素が含まれる。火力発電所で発生する燃焼排ガスは、製鉄所で発生する副生ガスに比べて、二酸化炭素の濃度が低いものが多いが、上記の分離回収装置1で処理することにより、このような低濃度のガスであっても効率的に二酸化炭素を分離回収することが可能である。
[二酸化炭素の分離回収方法]
次に、上記の分離回収装置1を用いた二酸化炭素の分離回収方法(以下、分離回収方法という)について説明する。この分離回収方法は、二酸化炭素含有ガス及び吸収液を吸収塔12の気液接触領域12aにおいて気液接触させて二酸化炭素含有ガス中の二酸化炭素を吸収液に吸収させる吸収操作と、再生塔22において吸収済み吸収液に再生熱を加えて二酸化炭素を放出させるとともに吸収液を再生する再生操作とを順次または同時に行うとともに、吸収操作において吸収済み吸収液の一部を上記の熱交換器14によって冷却してから循環配管13を通じて気液接触領域12aに戻す循環操作を行うというものである。
吸収操作においては、二酸化炭素含有ガスを吸収塔12の下部から導入し、吸収液を吸収塔12の上部から導入して、気液接触領域12aにおいて気液接触させる。二酸化炭素含有ガス中の二酸化炭素が吸収液に吸収される反応は発熱反応であるため、二酸化炭素の吸収に伴って吸収液の液温が上昇する。また、二酸化炭素含有ガスの温度が例えば50℃程度の比較的高温である場合には、その熱によって吸収液の液温が更に上昇する。仮に循環操作を行わないとすると、戻り配管42の終端部42aから気液接触領域12aに流下される吸収液の液温が例えば30℃程度の場合に、気液接触領域12aの中流領域12Bでは液温が例えば35℃程度になり、気液接触領域12aの下流領域12Cでは液温が例えば40℃程度になる。吸収液の液温の上昇に伴って、吸収液による二酸化炭素の吸収効率が低下する。
循環操作においては、気液接触領域12aを通過して吸収塔12の下部から流出する吸収済み吸収液の一部を、循環配管13によって気液接触領域12aに戻す。吸収済み吸収液の一部を気液接触領域12aに繰り返し循環して流すことにより、吸収液と二酸化炭素含有ガスとの接触の機会が増やされて、吸収液に二酸化炭素がより多く吸収される。循環配管13から供給される吸収済み吸収液と、戻り配管42の終端部42aから導入される再生済みの吸収液との流量比(吸収済み吸収液:再生済みの吸収液)は任意に設定できる。
また、循環操作においては、循環配管13を流れる吸収済み吸収液の液温を、熱交換器14によって例えば30℃程度まで冷却する。吸収済み吸収液は、二酸化炭素の吸収反応(発熱反応)や二酸化炭素含有ガスとの熱交換によって、例えば40℃程度に上昇しているが、熱交換器14に通すことによって液温を下げられる。吸収済み吸収液の液温を低下させることで、吸収液自体の二酸化炭素の吸収速度が高められる。また、冷却された吸収済み吸収液を、気液接触領域12aの例えば中流領域12Bに戻すことにより、吸収塔12の上部から流下されて中流領域12Bを流れる吸収液の液温を下げることができる。これにより、気液接触領域12aを流れる吸収液全体の温度を低下させることができ、二酸化炭素の吸収効率が更に高められる。
そして、吸収操作及び循環操作を経て二酸化炭素を吸収させた吸収済み吸収液を、送り配管41によって再生塔22に輸送する。
次に、再生操作においては、送り配管41によって輸送されてきた吸収済み吸収液を、再生塔22の上部から再生塔22内部に流下する。なお、吸収済み吸収液には、送り配管41の途中に備えられた吸収液用の熱交換器43によって、戻り配管42を流れる再生済み吸収液との間で熱交換がなされる。これにより吸収済み吸収液を予熱し、再生塔22の上部から流下される際の吸収済み吸収液の液温を数十℃程度まで高め、二酸化炭素を放出しやすい状態にする。そして、吸収済み吸収液を再生塔22の内部に流下する際に、再生塔22の貯留部22bにある再生済み吸収液からの水蒸気によって吸収済み吸収液を加熱させ、吸収済み吸収液から二酸化炭素が放出させる。放出された二酸化炭素は、二酸化炭素濃度が99%以上の高濃度排ガスとなって、再生塔22の排出管22aから排出される。
二酸化炭素を放出した再生済みの吸収液は、再生塔22の貯留部22bに一時的に貯留される。その後、この再生済みの吸収液の一部は、再生用循環配管23及び再生用熱交換器24によって120℃程度に加熱されて再び貯留部22bに戻される。また、再生済みの吸収液の残部は、戻り配管42によって吸収塔12に戻す。その途中で吸収液用の熱交換器43において、再生済み吸収液と吸収済み吸収液との間で熱交換が行われ、再生済み吸収液が二酸化炭素の吸収に適した温度にまで冷却される。
以上の操作を順次または同時に繰り返し行うことにより、二酸化炭素含有ガスから二酸化炭素を高い効率で分離回収することが可能になる。分離回収された二酸化炭素は、高濃度排ガスとして排出され、その後、地中または海中に貯留される。
以上説明したように、上記の二酸化炭素の分離回収装置1によれば、循環配管13によって吸収塔12の気液接触領域12aに吸収済み吸収液を戻すように構成されているので、吸収液の量を増やしたり吸収塔を大型化したりすることなく、吸収液と二酸化炭素含有ガスとの接触の機会を増やすことが可能になり、これにより二酸化炭素の吸収速度が低い吸収液であっても、二酸化炭素の吸収量を増大させることができる。
また、吸収液は二酸化炭素を吸収する際、発熱反応により吸収液の温度が上がり、それに反して吸収能力は低下してくる。そこで、循環配管13を流れる吸収済み吸収液を熱交換器14で冷却することで、吸収液自体の二酸化炭素の吸収能力が高められ、更に冷却済みの吸収液を吸収塔12に戻すことで吸収塔12を流れる吸収液を冷却可能になる。これにより、吸収液の二酸化炭素に対する吸収能力をより高めることができる。
更に、上記の分離回収装置1によれば、吸収液の量を増やすことなく液ガス比を高めることで、二酸化炭素含有ガスにおける二酸化炭素の分圧が低くても十分な吸収能力を確保することができ、これにより、燃焼排ガスのような、10気圧未満の所謂低圧または常圧ガス中の二酸化炭素の分離回収にも適用できる。
また、上記の分離回収装置1によれば、気液接触領域12aの上流領域12Aから中流領域12Bの間のいずれかの位置に循環配管13の出口13aが配置されるので、吸収済み吸収液を、上流領域12Aから中流領域12Bの間の領域に供給することが可能になり、これにより、吸収済み吸収液と二酸化炭素含有ガスとが気液接触する領域を十分に確保することができ、二酸化炭素の吸収量を増大させることができる。
更に、上記の分離回収装置1によれば、吸収液として、第3級アミンを用い、特にその中でもメチルジエタノールアミンを主成分とするものを用いるので、再生設備21において吸収液に再生熱を与えて二酸化炭素を放出させる際に、再生熱の熱量を少なくすることができ、分離回収装置1全体の熱効率を高めることができる。
更にまた、上記の分離回収装置1によれば、二酸化炭素の吸収能力が低いために燃焼排ガスなどの常圧ガスには適用が難しかった第3級アミンを吸収液として使用可能としたことで、従来の分離回収装置に比べて再生熱量を大幅に低下することが可能になり、これにより二酸化炭素を分離回収し、回収された二酸化炭素を地中または海中に貯留する地球温暖化対策に好適に使用できる。このことは、目的が地球温暖化防止対策である場合、特にエネルギー消費量を削減することが重要という観点からも有効である。
また、上記の分離回収方法によれば、吸収操作において二酸化炭素を吸収させた吸収液の一部を、気液接触領域12aに戻す循環操作を行うので、吸収液の量を増やしたり気液接触領域を拡大したりすることなく、吸収液と二酸化炭素含有ガスとの接触の機会を増やすことが可能になり、これにより二酸化炭素の吸収速度が低い吸収液であっても、二酸化炭素の吸収量を増大させることができる。
また、循環させる吸収済み吸収液を冷却することで、二酸化炭素に対する吸収能力を高めることができるとともに、気液接触領域12aを流れる吸収液を冷却することができ、二酸化炭素に対する吸収能力をより高めることができる。
また、上記の分離回収方法によれば、吸収液と二酸化炭素含有ガスとの接触の機会を増やして、二酸化炭素含有ガスにおける二酸化炭素の分圧が低くても十分な吸収効率を確保することができ、これにより、燃焼排ガスのような、10気圧未満の所謂低圧または常圧ガス中の二酸化炭素の分離回収にも適用できる。
また、上記の分離回収方法によれば、気液接触領域12aの上流領域12Aから中流領域12Bの間のいずれかの位置に吸収済み吸収液を戻すことで、吸収液と二酸化炭素含有ガスとが気液接触する領域を十分に確保することができ、二酸化炭素の吸収量を増大させることができる。
また、上記の分離回収方法によれば、吸収液として、第3級アミンを用い、特にその中でもメチルジエタノールアミンを主成分とするものを用いるので、吸収液に再生熱を与えて二酸化炭素を放出させる際に、再生熱の熱量を少なくすることができ、吸収操作、再生操作及び循環操作を含む全体の熱効率を高めることができる。
また、上記の分離回収方法によれば、二酸化炭素の吸収能力が低いために燃焼排ガスなどの低圧ガスまたは常圧ガスには適用が難しかった第3級アミンが吸収液として使用できるので、従来の分離回収方法に比べて再生熱量を大幅に低下することが可能になり、これにより二酸化炭素を分離回収し、回収された二酸化炭素を地中または海中に貯留する地球温暖化対策に好適に使用できる。このことは、目的が地球温暖化防止対策である場合、特にエネルギー消費量を削減することが重要という観点からも有効である。
上記の効果について、より具体的に説明する。例えば、図1または図2において、循環配管13から吸収塔12に供給される吸収済み吸収液と、戻り配管42から吸収塔12に導入される再生済みの吸収液との流量比(吸収済み吸収液:再生済みの吸収液)を、吸収済み吸収液:再生済みの吸収液=1:2.5に設定するとともに、吸収液としてMDEAを含む水溶液を用いて、分離回収装置1を稼働する。この場合、吸収操作におけるMDEAの単位量に対する二酸化炭素の吸収量は、0.402モル/モルとなる。一方、循環配管13による循環及び熱交換器14による冷却を行わない場合には、MDEAの単位量に対する二酸化炭素の吸収量は、0.301モル/モルとなる。このように、循環配管13及び熱交換器14によって吸収液を循環すると同時に冷却することで、MDEAの単位量に対する二酸化炭素の吸収量が、大幅に増加することが明らかである。
また、吸収済み吸収液:再生済みの吸収液=1:2.5に設定するとともに、吸収液としてMDEAを含む水溶液を用いて分離回収装置1を稼働した場合に、再生操作において吸収液を加熱して蒸気を発生させるために必要な熱エネルギーは、1.23(kg−steam/kg−CO)となる。一方、循環配管13による循環及び熱交換器14による冷却を行わない場合の、必要な熱エネルギーは、1.50(kg−steam/kg−CO)となる。また、吸収液としてMEAの水溶液を用い、かつ循環配管13による循環及び熱交換器14による冷却を行わない場合の、必要な熱エネルギーは、2.0(kg−steam/kg−CO)となる。
このように、吸収液としてMDEAに代表される第3級アミンを使用するとともに、循環配管13及び熱交換器14によって吸収液を循環すると同時に冷却することで、熱エネルギーを大幅に低下できることが明らかである。
上記の分離回収装置1及び分離回収方法は、二酸化炭素含有ガスから二酸化炭素を分離回収しこれを地中や海中に埋設するという地球温暖化防止対策の一連のプロセスにおいて、最もエネルギー消費が大きなプロセスに相当するものである。そして、上記の分離回収装置1及び分離回収方法によれば、吸収液の再生熱に係るエネルギー消費を低く抑えることができるので、地球温暖化防止対策を目的とする二酸化炭素の分離回収プロセス全体の熱エネルギー消費を最小限に抑制することができ、エネルギー効率を高めるとともに、コストを低下させることができる。
図1は本発明の実施形態である二酸化炭素の分離回収装置を示す模式図である。 図2は、本発明の実施形態である二酸化炭素の分離回収装置の要部を示す拡大模式図である。
符号の説明
1…分離回収装置(二酸化炭素の分離回収装置)、12…吸収塔、12a…気液接触領域、12A…気液接触領域の上流領域、12B…気液接触領域の中流領域、13…循環配管(循環路)、13a…循環配管の出口(循環路の出口)、14…熱交換器、22…再生塔、31…吸収液

Claims (10)

  1. 二酸化炭素含有ガス中に含まれる二酸化炭素を吸収液に吸収させる吸収塔と、
    前記二酸化炭素含有ガスと前記吸収液とを効率良く接触させるために吸収塔内に設けられた気液接触領域と、
    二酸化炭素を吸収した吸収液に再生熱を与えて二酸化炭素を放出させるとともに吸収液を再生する再生塔と、
    二酸化炭素の輸送媒体として前記吸収塔と前記再生塔との間を循環する吸収液と、を具備してなる二酸化炭素の分離回収装置において、
    前記吸収塔から流出された前記二酸化炭素を吸収した吸収液の一部を前記気液接触領域に戻す循環路と、前記循環路の途中に設けられて前記二酸化炭素を吸収した吸収液を冷却する熱交換器と、が備えられていることを特徴とする二酸化炭素の分離回収装置。
  2. 前記気液接触領域のうち、前記吸収液が流れる上流領域から中流領域の間のいずれかの位置に、前記循環路の出口が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素の分離回収装置。
  3. 前記吸収液が第3級アミンを主成分とするものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の二酸化炭素の分離回収装置。
  4. 前記吸収液がメチルジエタノールアミンを主成分とするものであることを特徴とする請求項3に記載の二酸化炭素の分離回収装置。
  5. 二酸化炭素を分離回収し、回収された二酸化炭素を地中または海中に貯留する地球温暖化対策に使用されるものであることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の二酸化炭素の分離回収装置。
  6. 二酸化炭素含有ガスと吸収液とを気液接触領域において気液接触させて前記二酸化炭素含有ガス中の二酸化炭素を吸収液に吸収させる吸収操作と、吸収後の吸収液に再生熱を加えて二酸化炭素を放出させるとともに吸収液を再生する再生操作とを行う化学吸収法による二酸化炭素の分離回収方法において、
    前記吸収操作において二酸化炭素を吸収させた吸収液の一部を、冷却してから前記気液接触領域に戻す循環操作を行うことを特徴とする二酸化炭素の分離回収方法。
  7. 二酸化炭素を吸収した吸収液の一部を前記気液接触領域に戻す際に、前記気液接触領域のうち、前記吸収液が流れる上流領域から中流領域の間のいずれかの位置に、前記吸収液の一部を戻すことを特徴とする請求項6に記載の二酸化炭素の分離回収方法。
  8. 前記吸収液が第3級アミンを主成分とするものであることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の二酸化炭素の分離回収方法。
  9. 前記吸収液がメチルジエタノールアミンを主成分とするものであることを特徴とする請求項8に記載の二酸化炭素の分離回収方法。
  10. 二酸化炭素を分離回収し、回収された二酸化炭素を地中または海中に貯留する地球温暖化対策に使用されることを特徴とする請求項6乃至請求項9の何れかに記載の二酸化炭素の分離回収方法。
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