JP2008228671A - 釣竿 - Google Patents
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Abstract
【課題】不用意に抜け難く、周方向の位置合わせが容易な継合構造を備えた釣竿を提供する。
【解決手段】本発明の釣竿は、大径竿杆1の管状部2内に小径竿杆を挿入して継ぎ合わせる継合構造を備えている。管状部2の端から内方に入った位置に傾斜部3aを設けると共に、小径竿杆10の基端部に傾斜部3aよりも傾斜の緩い緩傾斜部10aを設け、基端部は継合時に傾斜部3aに当接し、継合時に基端部先端と傾斜部3aとの間に空隙部S2を有することを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の釣竿は、大径竿杆1の管状部2内に小径竿杆を挿入して継ぎ合わせる継合構造を備えている。管状部2の端から内方に入った位置に傾斜部3aを設けると共に、小径竿杆10の基端部に傾斜部3aよりも傾斜の緩い緩傾斜部10aを設け、基端部は継合時に傾斜部3aに当接し、継合時に基端部先端と傾斜部3aとの間に空隙部S2を有することを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、例えば、へら竿、船竿、ルアー竿などの釣竿に関し、詳細には、継合構造に特徴を有する釣竿に関する。
通常、上記したような釣竿は、複数本の竿杆を継合する構成となっており、隣接する竿杆(大径竿杆と小径竿杆)同士を継合する手段として、例えば、特許文献1に開示された継合構造が知られている。この特許文献1には、大径竿杆の先端に円筒状の空洞部を形成しておき、ここに小径竿杆の基端部を圧入することで、両者を継合するようにしている。また、その図6には、大径竿杆に形成される空洞部の底部を傾斜面とし、かつ小径竿杆の基端部にも傾斜面を形成しておき、小径竿杆を大径竿杆に圧入した際、両者を傾斜面同士で面接して継ぎ合わせる継合構造が開示されている。
特開2000−50769号
大径竿杆と小径竿杆双方の傾斜面同士を面接させる継合構造を有する上記した従来の釣竿は、両竿杆を圧入した際、最終的に両傾斜面を面接させるため、継合操作時に周方向の位置合わせをする必要がないという利点がある。
しかしながら、このような継合構造を備えた釣竿は、単に傾斜面同士を突き合わせ状に継合するだけであるため、両者の間で充分な固定力が発生せず、不用意に抜け易い、という問題がある。
本発明は、上記した問題に基づいてなされたものであり、不用意に抜け難く、周方向の位置合わせが容易な継合構造を備えた釣竿を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明に係る釣竿は、一方の竿杆の管状部内に他方の竿杆を挿入して継ぎ合わせる継合構造を備えており、前記管状部の端から内方に入った位置に傾斜部を設けると共に、前記他方の竿杆の基端部に前記傾斜部よりも傾斜の緩い緩傾斜部を設け、前記基端部は継合時に前記傾斜部に当接し、継合時に前記基端部先端と傾斜部との間に空隙部を有することを特徴とする。
上記した構成の釣竿では、一方の竿杆の管状部内に他方の竿杆を挿入して継ぎ合わせる際、他方の竿杆の緩傾斜部が、一方の竿杆の傾斜部に当接することから周方向の位置合わせが容易に行える。また、継合時では、他方の竿杆の基端部先端と、一方の竿杆の傾斜部との間に空隙部が存在するようになっていることから、両者は突き当て状態になることはなく、他方の竿杆をより深く圧入することが可能となり、隣接する竿杆同士の係止状態が強固になって抜け難い継合構造となる。
本発明によれば、不用意に抜け難く、周方向の位置合わせが容易な継合構造を備えた釣竿が得られる。
以下、本発明に係る釣竿の実施形態について、添付図面を参照して具体的に説明する。
図1から図4は、本発明に係る釣竿の一実施形態を示す図であり、図1は大径竿杆と小径竿杆の継合部分を示す図、図2(a)は継合状態を示す図、図2(b)は継合状態の内部構成を示す部分断面図、図3は継合状態を示す斜視図、そして、図4は大径竿杆と小径竿杆の構成を示す斜視図である。
図1から図4は、本発明に係る釣竿の一実施形態を示す図であり、図1は大径竿杆と小径竿杆の継合部分を示す図、図2(a)は継合状態を示す図、図2(b)は継合状態の内部構成を示す部分断面図、図3は継合状態を示す斜視図、そして、図4は大径竿杆と小径竿杆の構成を示す斜視図である。
本実施形態の釣竿は、複数の竿杆を継合する構成となっており、図においては、そのように継合される竿杆の内、大径の竿杆を符号1で、それに継合される小径の竿杆を符号10で示している。
これらの図に示すように、大径竿杆1は元側竿杆として中実状に構成されており、その先端に空洞状の管状部2が形成されている。このような大径竿杆1は、例えば、カーボン、ガラス、超弾性合金等で形成される円柱形状の中実状の芯材3の外側に、カーボン繊維、ガラス繊維等の強化繊維に合成樹脂を含浸せしめた繊維強化樹脂(プリプレグ)を巻回することで成形される。すなわち、中実状の芯材3の外側に先端部からプリプレグが軸方向に突出するように巻回し、これを加熱して樹脂を硬化することで、先端側に繊維強化樹脂製の管状部2が一体成形された中実状の竿杆(大径竿杆1)を成形することが可能である。
前記管状部2は、小径竿杆10の基端側が圧入される部分であり、その内径は、ストレート状に形成されていても良いし、開口端に向けて次第に拡径する構成であっても良い。また、前記中実芯材3の先端側には、中心軸Xに対して45°程度(45°±10°の範囲であれば良い)傾斜した傾斜部3aが形成されている。
一方、先側(穂先側)となる小径竿杆10は、カーボン、ガラス、超弾性合金等で中実状に形成されており、その端部領域(基端部)には緩傾斜部10aが形成されている。この場合、「緩傾斜部」とは、前記傾斜部3aとの対比で定められ、傾斜部3aよりも緩い傾斜となっていれば良い。具体的には、中心軸Xに対して30°程度(30°±10°の範囲であれば良い)傾斜していれば良い。
このため、小径竿杆10の基端部を大径竿杆1の管状部2に挿入すると、両者の傾斜面の角度の相違によって、傾斜部3aと緩傾斜部10aは全体が面接することなく相対面することとなり、管状部2の内周面との間で空隙部(第1空隙部S1)を形成することが可能となる。
また、緩傾斜部10aの先端部(基端部先端)は、中心軸Xに対して直交する方向に切削されており、端壁10bが形成されている。このような端壁10bを形成することで、両竿杆継合時に、端壁10bと傾斜部3aとの間に第2空隙部S2が形成される。
さらに、小径竿杆10の基端側外周には、拡径部(符号Pで示す領域)が形成されている。この拡径部Pは、穂先側に向けてテーパ状に拡径するよう構成されており、小径竿杆10を大径竿杆1に差し込んだ際、管状部2の開口端面の内縁が周方向に当接して係止されるようになっている。
上述した竿杆部材を構成する材料として、「超弾性合金」とは、一般には、5〜8%等、3%以上の伸び率を有する合金であって、長手軸方向に引っ張って負荷を加えた際に、約3%以上の伸び率を示して形状変形し、その負荷を取り去れば約90%以上の復元率で回復するものが該当する。また、弾性率(曲げ剛性)としては、500〜30000kgf/mm2 (4900〜294000N/mm2 )の範囲に設定されていることが好ましい。具体的には、例えば、Ni−Ti系合金、Ni−Ti−Fe系合金、Ni−Ti−Cu系合金、Ni−Ti−Cr系合金などによって形成することが可能である。或いは、そのような超弾性合金以外にも、芯材として同様な特性が発揮される超弾性樹脂(例えば、ポリフェニールサルホン(PPSU)など)を用いて形成しても良い。
上記した構成において、大径竿杆1の管状部2に小径竿杆10の基端部を挿入する際、たとえ両者が周方向に位置ズレした状態にあっても、傾斜部3aのいずれかの位置に、小径竿杆10の基端部先端、すなわち端壁10bの上縁部10cが当接(線当たり)し、かつ端壁10bの下縁部10dが管状部2の内周面に線接触する。
そして、この状態では、大径竿杆1の管状部2の開口端面の内縁は、小径竿杆10の拡径部Pと当接しておらず、かつ上記した第1空隙部S1が存在するため、この状態で小径竿杆10を周方向にひねることが可能となる。すなわち、小径竿杆10を真っ直ぐ押し込むのではなく、ひねりながら挿入動作することが可能であり、これにより、基端部先端(端壁10bの上縁部10c)は傾斜部3aに沿って奥側に更に押し込まれ、所定の位置(周方向の位置が合致した位置)で係止されるようになる。また、端壁10bと傾斜部3aとの間に第2空隙部S2が形成されることから、圧入時に、突き当たって挿入が阻害されるようなこともなく、より深く圧入操作が行えるようになり、係止状態を確実にすることができる。
このとき、上記した傾斜部3aと上縁部10cの線当たり、及び拡径部Pと管状部2の開口端面の内縁との周方向の当接により、両竿杆は2点支持状態となるため、ガタ付きが生じることなく確実な継合状態が得られ、これにより、軸方向に不用意に抜け難くなる。
また、小径竿杆10と大径竿杆1の周方向相対位置が一定となり、継合完了時では、常に同じ周方向位置が維持されるため、釣糸ガイドが装着されている釣竿では、竿杆同士の位置合わせが容易となり、合わせ位置マーク等を設ける必要はない。なお、両竿杆を外すときは、上記した挿入動作とは逆に、ひねりながら抜くことができるため、取り外し操作も容易に行うことができる。
また、上述した実施形態の構成では、大径竿杆1は、中実状の芯材3の外周に、繊維強化樹脂製の管状部2を一体成形で固着していることから、中実状の芯材3に形成される傾斜部3aが管状部2に対して偏芯等、位置ズレし難く、これにより、継合寸法精度の向上が図れ、継合長さや圧接度合いが安定する。
また、小径竿杆10を中実状に形成したことで、その基端部先端(端壁10bの上縁部10c)を直線状にすることができ、これにより、傾斜部3aに対して確実に線当たりさせて、圧接状態を維持することが可能となる。
さらに、少なくとも上記した中実状の芯材3を超弾性合金で形成したことで、挿入操作時において、小径竿杆10の基端部先端が傾斜部3aに当接して滑っても、傾斜部3aが削れるようなことはなく、継合状態を変化させずに安定して維持することができる。なお、小径竿杆10側も超弾性合金にすることで、傾斜部3a及び端壁10bの上縁部10cの双方とも削れにくくなって継合状態がより安定するようになる。もちろん、小径竿杆10の形成材料については特に限定されることはないが、FRP等によって形成すると磨耗することが考えられるが、このような場合、傾斜部3aの面粗度を小さくする等、工夫を施すことにより最小限に抑制することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態の形状に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
例えば、図5に示すように、上記した管状部2については、中実状の芯材3の端部領域に径方向に膨出するように形成しても良い。このように小径竿杆10が圧入される管状部2については、少なくとも長さ方向において、継合範囲Rよりも長く形成されていれば、その構成については適宜変形することが可能である。すなわち、釣竿の全体の調子や強度等を考慮して任意に設定することが可能である。
また、図6に示すように、小径竿杆10については、全体が管状体として構成されていても良い。この際、基端部先端の中心軸Xに対する直交方向の切削厚みは管状体の肉厚範囲内であれば、上縁部10cが当接(線当たり)するため好ましい。また、前記大径竿杆については、上記した傾斜部3aを備えた構成であれば、軸方向に管状の部分が存在していても良い。
さらに、継合部分については、上記した実施形態における元側と先側の継合構造を、逆(逆並継構造)にする等、適宜変形することが可能である。
1 大径竿杆
2 管状部
3 中実状の芯材
3a 傾斜部
10 小径竿杆
10a 緩傾斜部
S1,S2 空隙部
2 管状部
3 中実状の芯材
3a 傾斜部
10 小径竿杆
10a 緩傾斜部
S1,S2 空隙部
Claims (5)
- 一方の竿杆の管状部内に他方の竿杆を挿入して継ぎ合わせる継合構造を備えた釣竿であって、
前記管状部の端から内方に入った位置に傾斜部を設けると共に、前記他方の竿杆の基端部に前記傾斜部よりも傾斜の緩い緩傾斜部を設け、
前記基端部は継合時に前記傾斜部に当接し、継合時に前記基端部先端と傾斜部との間に空隙部を有することを特徴とする釣竿。 - 前記一方の竿杆は中実状の芯材の外周に、繊維強化樹脂製の管状部が一体成形で固着されていることを特徴とする請求項1に記載の釣竿。
- 前記傾斜部と緩傾斜部は、継合時に相対面し、前記管状部に囲まれた領域に空隙部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の釣竿。
- 前記他方の竿杆は中実状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の釣竿。
- 前記中実状の芯材は、少なくとも超弾性合金で形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の釣竿。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007073924A JP2008228671A (ja) | 2007-03-22 | 2007-03-22 | 釣竿 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008228671A true JP2008228671A (ja) | 2008-10-02 |
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JP2007073924A Pending JP2008228671A (ja) | 2007-03-22 | 2007-03-22 | 釣竿 |
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Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000050769A (ja) * | 1998-08-05 | 2000-02-22 | Daiwa Seiko Inc | 竿杆の継合構造 |
-
2007
- 2007-03-22 JP JP2007073924A patent/JP2008228671A/ja active Pending
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