JP2008225420A - 光学素子の固定機構、クロスダイクロイックプリズムの固定機構、投射型表示装置及び光学素子 - Google Patents

光学素子の固定機構、クロスダイクロイックプリズムの固定機構、投射型表示装置及び光学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】光学素子が固定基台に固定された光学素子の固定機構であって、強力な接着強度を確保しつつ、位置決め機能の損失や接着剤の剥離を回避することを目的とする。
【解決手段】光学素子1の固定基台60に対する固定面10Fは、固定基台60と当接して位置決めを行うための1又は複数の素子基準領域73と、固定面10Fに露出している接合部位80と、固定基台60に接合して固定する固定用接着領域71とを有し、固定基台60は、素子基準領域73と当接する固定基準面63を有し、固定用接着領域71は、素子基準領域73及び固定面10Fに露出している接合用接着剤G1の部位を除いた一部又は全部の領域となし、固定用接着領域71を粗面化した状態で、光学素子1と固定基台60との間を固定用接着剤G3で固定している。
【選択図】 図3

Description

本発明は、固定基台に取り付けられる光学素子、光学素子が固定基台に取り付けられた光学素子の固定機構、ダイクロイックプリズム及びこれを含む投射型表示装置に関するものである。
液晶プロジェクタや光ピックアップ等の光学装置においては、種々の光学素子が使用される。例えば、液晶プロジェクタにおいては、入射光の偏光方向によって透過と反射とを分ける偏光ビームスプリッタや、入射光の波長域によって透過と反射とを分けるダイクロイック素子等が用いられる。また、例えば光ピックアップにおいては、前記の偏光ビームスプリッタや波長板、反射ミラー等が用いられる。
前記の種々の光学素子はそれ単独で光学装置内に配置されるのではなく、筐体内部に設けられるベース等の固定基台に固定されて配置される。光学素子を固定基台に取り付けて固定するときには、主に接着剤を用いる。
例えば、光学素子としてキューブ形状のクロスダイクロイックプリズムを考えた場合、クロスダイクロイックプリズムには3色の光(青色の波長域の光、緑色の波長域の光、赤色の波長域の光)が3方向から入射し、合成して生成された合成光が1方向から出射する。このため、キューブ形状の6面のうち、前記の3色の光がそれぞれ入射する入射面及び合成光が出射する出射面を固定基台との固定面とすることができず、これらと直交する2つの面のうち何れか1面が固定面となる。
偏光ビームスプリッタ等の他の光学素子においても、同様であり、基本的には1面で固定基台に保持される。そうすると、この1面(固定面)で確実に光学素子を固定基台に固定しておくためには、強力に接着させる必要がある。そこで、光学素子を強力に固定部材(固定基台)に接着固定するための1つの手法が特許文献1に開示されている。特許文献1では、光学素子の接着面及び固定基台の接着面の少なくとも一方を粗くすることにより、接着剤厚みの均一化を図り、接着せん断強度を増している。
特開2006−178388号公報
ところで、光学的機能を保証するという観点から、光学素子は固定基台に極めて高精度に取り付けられて固定される必要がある。光学素子を取り付けるときには、光軸と平行な方向(光軸と平行なベクトルを持つ平面上の方向)にずれを生じさせないことはもとより、光軸に対して傾斜した方向(ベクトルが光軸に対して傾斜している方向)にずれを生じさせないようにするため、正確に位置決めした状態で固定基台に取り付けなくてはならない。傾斜方向のずれが生じる要因としては、固定基台に対して光学素子が平行に取り付けられていないことがある。従って、光学素子の固定基台への固定面は、光軸に対して傾斜した方向のずれを防止するための位置決め機能を具備していなくてはならない。具体的には、固定基台に固定基準面を設け、これに光学素子を当接させて位置決めを行う。
この場合、特許文献1のように固定面を粗面化することにより接着強度を高めている場合、固定面のうち固定基準面まで粗面化すると、固定基準面に凹凸が生じることによって、平面性が失われるため、位置決め機能を発揮し得ない。その結果、光学的機能が損なわれることになる。
また、クロスダイクロイックプリズムや偏光ビームスプリッタといった光学素子は、ダイクロイック膜や偏光分離膜が形成された複数の透明部材同士を接着剤により接合して構成される。このため、固定基台との固定面には接着剤の層が露出している接合部位が存在することになるが、この接合部位を粗面化すると、微小凹凸が発生する。そうすると、接着剤に熱応力やストレスがかかることにより、微小凹凸が起因となり、接着剤の剥離や接着剤が焼けてしまう等といった問題を招来する。
さらに、光学素子を固定基台に固定するときには、(1)接着強度を十分に確保して、(2)高い精度で位置決めを行う、という2つの条件を同時に満たすことが要求される。しかし、上記(1)の接着強度の確保に重点を置くと、位置決め精度が悪化し、上記(2)の位置決め精度に重点を置くと、接着強度を確保することができない。このため、前記の2つの条件を同時に満たすことは難しく、何れか一方の条件を満たさない場合には、最終的に光学的機能が低下する。
そこで、本発明は、光学素子を固定基台に固定したときに、位置決め機能の損失や接着剤に対しての影響を回避しつつ、十分な接着力を確保することを図り、さらに、これらの目的を達成しつつ、高い位置決め精度を実現することを目的とする。
本発明の請求項1の光学素子の固定機構は、複数の透明部材が接合されて一体化された光学素子が固定基台に位置決めされて固定された光学素子の固定機構であって、前記光学素子の前記固定基台に対する固定面は、前記固定基台と当接して位置決めを行うための1又は複数の素子基準領域と、前記固定面に露出している前記複数の透明部材の接合部位と、前記固定基台に接合して固定する固定用接着領域とを有し、前記固定基台は、前記素子基準領域と当接する固定基準面を有し、前記固定用接着領域は、前記素子基準領域及び前記固定面に露出している前記接合部位を除いた一部又は全部の領域となし、この固定用接着領域を粗面化した状態で、前記光学素子と前記固定基台との間を接着剤で固定したことを特徴とする。
この光学素子の固定機構は、固定面のうち固定用接着領域を粗面化した状態で接合させることにより、固定基台に対しての接着強度を十分に確保することができる。そして、素子基準領域及び固定面に露出している複数の透明部材の接合部位を除いた領域の一部又は全部を固定用接着領域として粗面化しているが、接合部位が除かれているため、接合部位から露出している透明部材同士を接合するための接合材料(例えば、接着剤等)に対してダメージが与えられることがない。このため、接合材料の剥離等といった問題を回避することができる。同時に、素子基準領域も粗面化される領域から除かれているため、素子基準領域が粗面化されることによって位置決め精度が損なわれることも防止することができる。
本発明の請求項2の光学素子の固定機構は、請求項1記載の光学素子の固定機構であって、前記素子基準領域は、前記固定面に少なくとも3箇所に分散して設けられ、前記固定用接着領域は、前記各素子基準領域に囲まれた内側の領域に形成されていることを特徴とする。
この光学素子の固定機構は、固定面には少なくとも素子基準領域が3箇所分散して設けられているため、非常に高い位置決め精度を実現することができる。そして、分散した素子基準領域の内側の領域を固定用接着領域とすることができるため、広範な範囲の領域を粗面化することができ、十分な接着強度を確保することができる。また、固定用接着領域からは固定面に露出している接合部位は除かれているため、非常に高い位置決め精度を実現し、十分な接着強度を確保しつつ、接着剤の剥離等といった問題を回避することができる。また、固定用接着領域は、分散した固定部の内側に集中しているため、比較的容易に粗面化することができる。
本発明の請求項3の光学素子の固定機構は、請求項1又は2記載の光学素子の固定機構であって、前記固定基台には、前記光学素子の少なくとも相互に隣接する2つの側面を当接して、前記固定面と平行な2方向に位置を規制する位置決め規制壁が設けられていることを特徴とする。
前記の固定基準面を設けることにより光軸に傾斜した方向のずれを防止することができるが、光軸に平行な方向のずれを防止するために、位置決め規制壁を設けて、当該方向の位置決めを正確に行う必要があるからである。ただし、位置決め規制壁以外の手法によっても、当該方向の位置ずれを防止する手法があれば、その手法を適用することができる。
本発明の請求項4の光学素子の固定機構は、請求項1乃至3何れか1項に記載の光学素子の固定機構であって、前記固定用接着領域はレーザ手段により粗面化されることを特徴とする。
固定面の固定用接着領域を粗面化する手法としては、ブラスト処理、切削処理、プラズマ加工処理、化学処理等の任意の手法を用いることができるが、レーザ処理を用いることが最も好ましい。光学素子のサイズは小さく、その固定面も極めて微小な面となる。そのような固定面のうち一部の領域である固定用接着領域はさらに小さな領域となり、当該領域にターゲットを絞って粗面化するためには、小さな領域への狙撃性が高いレーザ処理を適用することが望ましいからである。狙撃性が高いレーザ処理の手法を適用すれば、素子基準領域や固定面に露出している接合用接着剤の部位までの境界部に極めて近接した位置にまで、固定用接着領域を広げることができる。そうすると、より接着力を強めることができる。なお、マスク等を用いて固定用接着領域に限定して粗面化するという条件の下で、前記のブラスト処理等の手法も、必要に応じて適用しても良い。
本発明の請求項5の光学素子の固定機構は、請求項1乃至4何れか1項に記載の光学素子であって、前記光学素子は2個乃至4個の透明部材を接合して一体化した構成となし、接合される2つの前記透明部材の接合面のうち少なくとも1つの接合面には光学機能膜が形成されていることを特徴とする。
光学素子の形状としては、立方体や直方体、三角柱、円柱等の形状を採用することができる。また、立方体や直方体、三角柱、円柱等のうち2つ以上の形状が一体化された異形の形状等を採用することもできる。光学素子として、何れの形状を採用した場合でも、光学素子の殆どは2個乃至4個の透明部材から構成され、接合用接着剤により接合される2つの透明部材の接合面のうち少なくとも1つの接合面に光学機能膜が形成される。例えば、立方体の場合は、2個乃至4個の三角柱状の透明部材を接合して立方体形状とすることができ、2つの透明部材の接合面のうち少なくとも1つの接合面に光学機能膜を形成する。このとき、素子基準領域は、素子基準領域は固定面の4つの角隅部に設けられることが好ましい。
この場合、固定面は正方形となるが、素子基準領域を設ける位置を角隅部にすることにより、最も広く素子基準領域を分散させることができるため、広範な固定用接着領域を確保することができる。従って、広範な範囲を粗面化することができ、接着力を極めて強いものとすることができる。そして、素子基準領域が固定面の角隅部に形成されれば、固定面の一番外側に位置する部位で位置決めを行うことができるため、極めて高い精度の位置決めをすることができる。
その他の形状として、立方体形状、円柱形状、三角柱状等の任意の形状を採用することもできるが、円柱形状の場合には固定面は円形になるため、周縁部近傍の3箇所(中心から夫々120度の角度を形成している箇所)に素子基準領域を設けることが好ましい。三角柱状の場合には固定面は三角形になるため、3つの角隅部に素子基準領域を設けることが好ましい。
本発明の請求項6のクロスダイクロイックプリズムの固定機構は、請求項5記載の光学素子の固定機構において、前記光学素子は2種類のダイクロイック膜がクロスするように形成されたクロスダイクロイックプリズムであることを特徴とする。
光学素子としてクロスダイクロイックプリズムを適用した場合、固定面にはクロスするようにして接合部位が露出しているため、固定用接着領域はクロスしている接合部位と角隅部に形成された素子基準領域と、を除いた領域とする。この場合、固定用接着領域は比較的限定された領域となるため、レーザ処理を用いて、固定用接着領域を最大限広げることが好ましい。
その他の光学素子としては、ダイクロイック膜が形成されたダイクロイックプリズム、偏光分離膜が形成された偏光ビームスプリッタ、三角柱状の斜面に反射膜が形成された反射ミラー等の任意の光学素子を適用することができる。また、光学機能膜が形成されていない光学素子、例えば光路長を補正するための光路長補正素子等にも適用することができる。本発明は、素子基準領域と接合部位とを有する光学素子が固定基台に取り付けられて固定されるものに適用することができるため、光学機能膜の有無は要件とならないからである。
本発明の請求項7の投射型表示装置は、請求項6記載のクロスダイクロイックプリズムの固定機構を有することを特徴とする。また、クロスダイクロイックプリズム以外の光学素子にも本発明の光学素子の固定機構を適用することができる。例えば、偏光ビームスプリッタ等の光学素子にも本発明は適用できるが、偏光ビームスプリッタの場合は、投射型表示装置だけでなく光ピックアップにも適用することができる。つまり、任意の光学装置に適用可能である。
本発明の請求項8乃至12に記載の光学素子は、前述してきたような光学素子の固定機構に適用される光学素子である。
光学素子を構成する透明部材としては、ガラスやプラスティック等の透明性の素材を適用することができる。そして、ダイクロイック膜や偏光分離膜等の光学機能膜を透明部材に形成するときには、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ法、イオンアシスト法等の任意の蒸着方法を適用することができる。
また、光学素子を固定基台に固定するための固定用接着剤と、光学素子を構成する透明部材同士を接合するための接合用接着剤とは、異なる種類の接着剤であってもよいが、同種の接着剤であってもよい。ただし、接合用接着剤は光の透過領域となるため光学接着剤が使用される。接合用接着剤は、同種の素材(透明部材同士)を接合するための接着剤であり、固定用接着剤は異種の素材(透明部材と固定基台)を接合するための接着剤であるため、両者は異種の接着剤が使用することが好ましい。
光学素子としては、基本的には単独の光学素子が適用されるが、複数の光学素子が一体化されたものを1つの光学素子としてもよい。例えば、クロスダイクロイックプリズムは通常は1つの光学素子として用いられるものであるが、クロスダイクロイックプリズムの側面に位相差板や複数の偏光板が貼り付けられているものとしても良い。位相差板や偏光板は、本来なら単独の光学素子を構成するものであるが、光学装置のコンパクト化のために、クロスダイクロイックプリズムに貼り付けて一体化している。ただし、位相差板や偏光板は、あくまでもクロスダイクロイックプリズムに貼り付けられているものであり、固定基台に固定される固定面はクロスダイクロイックプリズムのみが固定面を構成する。
また、光学素子の固定用接着領域と固定基台の接着面とのうち何れか一方を粗面化することによっても接着力を強力にすることができるが、固定基台の接着面ではなく光学素子の固定用接着領域を粗面化している。光学素子には有機汚れ等の不純物が付着していても、固定用接着領域を粗面化することにより、洗浄しなくても接着条件を良好にすることができる。
本発明は、光学素子の固定基台に対する固定面のうち1又は複数の素子基準領域と固定面に露出している透明部材の接合部位を除いた一部又は全部の領域を固定用接着領域として、この固定用接着領域を粗面化することにより、素子基準領域の位置決め機能の低下や接合部位に臨んでいる接着剤の剥離を防止しつつ、光学素子と固定基台との接着強度を強力にすることができる。また、固定面に位置決めを行うための素子基準領域を少なくとも3箇所分散して設け、分散した素子基準領域の内側の広範な領域を粗面化するため、位置決め精度を高精度にすることができる。さらに、光学素子の固定面を粗面化することで、固定面に付着した他の接着剤や不純物も除去することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1には、本発明を適用することができる光学素子1の一例として、クロスダイクロイックプリズム10を示している。ただし、光学素子1はクロスダイクロイックプリズム10のみからなるのではなく、側面10A、10B、10Cに、夫々偏光板51、52、53が貼り付けられ、残りの側面10Dには位相差板54が貼り付けられている。
クロスダイクロイックプリズム10は、光変調された青色光(青色の波長域の光)、緑色光(緑色の波長域の光)及び赤色光(赤色の波長域の光)を合成して、図示しない投射レンズに導くための部品である。このため、主にガラス部材から構成される透明部材の内部に2種類のダイクロイック膜21、22が相互にクロスするように形成されている。2種類のダイクロイック膜21、22は夫々異なる波長域の光を透過・反射し、これらのダイクロイック膜21、22により、各色の光は色合成されてカラー画像の映像光が生成される。
図1のクロスダイクロイックプリズム10は、断面が直角二等辺三角形の三角柱の形状をした4つの透明部材11〜14から構成される。各透明部材11〜14が接合される接合面には、前記のダイクロイック膜21、22が成膜され、各透明部材11〜14の接合には接着剤が用いられる。この接着剤は透明部材同士を接合するための接着剤(以下、接合用接着剤G1とする)であるため、主に光学接着剤が用いられる。2枚のダイクロイック膜21、22は、クロスするようにして形成されるため、接合用接着剤G1により接着される2つの透明部材11〜14の面のうち、対面する面の何れか一方に形成されていればよい。
偏光板51、52、53は、光変調された青色光、緑色光及び赤色光の偏光方向を1方向の偏光方向のみにフィルタリングする光学素子であり、各色の入射側に貼り付けられる。また、位相差板54は、色合成された映像光に位相差を与える光学素子である。これらは、本来なら単独の部品として設けられるものであるが、クロスダイクロイックプリズム10に貼り付けられることにより、部品の一体化を図り、もって光学装置全体のコンパクト化に資するものである。
各偏光板51、52、53及び位相差板54は、クロスダイクロイックプリズム10は、接着剤(主に、光学接着剤)により接着されて貼り付けられている。前記の接合用接着剤G1と区別するため、偏光板を貼り付けるための接着剤を貼り付け用接着剤G2とする。貼り付け用接着剤G2は接合用接着剤G1と同種の接着剤を用いても良いし、異なる種類の接着剤を用いても良い。ただし、貼り付け用接着剤G2も接合用接着剤G1も光が透過する経路上に形成される接着剤であるため、一般的には光学接着剤が用いられる。
図2に、光学素子1を取り付けるための固定基台60を示す。本実施形態では、光学素子1は、液晶プロジェクタ等の投射型表示装置に用いられるものを前提とする。光学素子1は、投射型表示装置の1つの構成部品であるが、筐体内部に着脱可能に設けられた(又は一体的に形成された)固定基台60に取り付けられて配置される。筐体内部には、その他の光学素子(例えば、偏光ビームスプリッタやダイクロイックミラー等)が必要に応じて配置されており、図示しない光源から射出した光が透過又は反射を繰り返して、最終的にスクリーン上に映像が映し出される。従って、各光学素子は、極めて高精度な位置関係で配置されている必要があることから、固定基台60に正確に取り付けられて固定されている。
光学素子1は、固定基台60に取り付けられた後に、接着剤により接着されて固定される。前記の接合用接着剤G1や貼り付け用接着剤G2と区別するために、固定基台60に光学素子1を固定するための接着剤を固定用接着剤G3とする。固定用接着剤G3は、接合用接着剤G1と異なり、光学素子1と固定基台60とを接合するための接着剤であり、異質の部材同士を接着するための接着剤である。
図2に示されるように、固定基台60には、光学素子1と実際に接着される接着面61、そして、位置決めを行うための動作基準壁62X、62Y、固定基準面63が設けられている。動作基準壁62X、62Yは、光軸に平行な2方向の位置決めを行うために設けられ、光学素子1の相互に隣接する2つの側面(例えば、側面10C及び10D)を当てつけて位置決めを行う。ここで、光学素子1に対しての入射光及び出射光の光軸は、図中のX−Y平面上、つまり固定面10F(さらに言えば、固定基台60の接着面61)と平行な方向である。従って、光軸に平行な2方向とは、方向ベクトルが光軸に平行なX−Y平面上の、X方向及びY方向をいう。
動作基準壁62X、62Yは、光学素子1の入射面として機能する側面10C及び10Dと当接するため、入射光の光路と干渉しないようにする。このため、動作基準壁62X、62Yは、高さ方向(図中のZ方向)において低めに設定しておく。
固定基準面63は、光軸と傾斜した方向のずれをなくすために(つまり、固定面10F及び接着面61と平行な平面上の平行ベクトルと光軸とを平行にするため)、位置決めを行うための機能を有している。このため、光学素子1を固定基台60に取り付けるときに、4箇所に分散して設けられている固定基準面63の全てが固定面10Fと当接するように載置する。これにより、光軸に対して傾斜した方向のずれを防止することができる。
従って、固定面10Fは、その全面が固定基台60に固定されない。図3に示されるように、固定面10Fのうちの4つの角隅部の領域は、固定基台60の固定基準面63と接触して位置決めを行う機能を発揮する素子基準領域73としている。素子基準領域73は固定基台60の固定基準面63に対応して設けられ、光学素子1を固定基台60に取り付けるときには、素子基準領域73と固定基準面63とが接触するように両者を当接させる。素子基準領域73は積極的に何らかの加工がされているものではなく、固定面10Fのうち一部の領域を構成するものである。ただし、この領域は位置決め機能を確保するために保護すべき領域となるため、素子基準領域73として粗面化から保護される。従って、4つの素子基準領域73は固定機能を発揮しない。
位置決めを行うための素子基準領域73及び固定基準面63は、固定面10Fの最も外側に位置する箇所に分散して設けられている。従って、部材の一番端部で位置決めすることができることから、極めて高い精度で位置決めを行うことができる。
そして、実際に接着が行われる領域は、図3に示すように、4つの角隅部に分散している素子基準領域73の内側の領域に固定用接着領域71として臨んでいる。固定用接着領域71は、光学素子1と固定基台60との接着力の強化を図るために、粗面化を行っている。ただし、図3に示されるように、固定面10Fには接合部位80が露出しているため、露出している接合部位80を避けなくてはならない。そこで、図3では、素子基準領域73及び接合部位80を除いた固定面10Fの領域が固定用接着領域71となり、この固定用接着領域71を粗面化する。つまり、固定面10Fは、固定用接着領域71と素子基準領域73と露出した接合部位80とを有していることになる。
図3に示されるように、素子基準領域73は固定面10Fの最も外側に位置しているため、その内側は比較的広い領域を確保することができる。従って、粗面化できる領域が広がるため、接着力を強力にすることができる。そして、固定用接着領域71は、接合部位80により4つに分割されているが、素子基準領域73に囲まれた内側の領域に集中している。そうすると、固定用接着領域71は夫々それほど離間していないことから、比較的容易に粗面化することができる。
図3では、固定基台60の接着面61であることから、4つに分割された固定用接着領域71は夫々扇形に近い形状をしている(夫々が集合して全体としては円形に近い形状となっている)。固定用接着領域71はできる限り広い領域を確保したいという観点から、図4のように、固定用接着領域71は夫々三角形をしているものであってもよい(夫々が集合して全体としては概略正方形となっている)。勿論、理想的には、素子基準領域73及び露出している接合部位80を除いた全ての領域を固定用接着領域71とすることが好ましい。
また、図3及び図4では、素子基準領域73が4つの場合を説明したが、図5のように、素子基準領域73が2つであってもよい。同図のように、三角形状の素子基準領域73を適用した場合には、当該2つの素子基準領域73を固定面10Fの対角の角隅部に配置する。このため、固定基準面63と素子基準領域73とを確実に接触させることができれば、平面度を確保することができる。この場合、素子基準領域73は2つとなり、しかも対角の角隅部に配置されていることから、固定用接着領域71を広範に確保することができ、接着力を十分に確保することができる。なお、これに伴い、固定基準面63も同様に三角形状をすることになる。
さらに、図6のように、素子基準領域73が1つであってもよい。素子基準領域73がリング状であれば、位置決め機能を発揮することができる。また、素子基準領域73を図7のようにすることもできる。前述してきた各例では、積極的に素子基準領域73を形成しているものではない。つまり、固定面10Fのうち固定基準面63と当接する領域を素子基準領域73として、この領域を避けるように固定用接着領域71を粗面化していた。しかし、図7のように、積極的に固定用接着領域71から素子基準領域73の部位を削ることも可能である。
固定用接着領域71を粗面化するときには狙撃性の高いレーザ処理により行う。これにより、領域間を極めて近接させることができるため、素子基準領域73及び露出している接合部位80を避けて、且つできる限りこれらに近接した位置まで粗面化することができる。このため、広範な範囲を粗面化することができる。
ここで、本発明では、固定基台60の接着面61ではなく、積極的に光学素子1の固定面10Fを粗面化している。光学素子1の固定面10F又は固定基台60の接着面61の何れか一方を粗面化すれば、接着強度の確保をすることはできる。しかし、両者の間の接着強度を弱める要因として、接合用接着剤G1や貼り付け用接着剤G2の食み出しという要因が挙げられる。前述したように、固定用接着剤G3は、接合用接着剤G1や貼り付け用接着剤G2とは異なる種類の接着剤を用いることが好ましい。そうすると、接合用接着剤G1や貼り付け用接着G2が固定用接着領域71にまで食み出すと、固定用接着剤G3の接着力を低下させる要因となる。従って、十分な接着強度を確保できなくなる。
特に、クロスダイクロイックプリズム10を製造する過程では、透明部材の切断、接合の工程が繰り返し行われることから、接合用接着剤G1が固定面10Fに容易に食み出しやすい。また、製造過程においては、有機汚れ等の不純物が光学素子1の固定面10Fに付着することもある。そして、光学素子1は、基本的にガラス部材等の透明部材から構成されるため、洗浄液を使用することができない。洗浄液を使用すると接合した透明部材同士が洗浄液によって剥離してしまうためである。
そこで、光学素子1の固定面10Fの固定用接着領域71を粗面化する。固定面10Fに接合用接着剤G1や貼り付け用接着剤G2が付着していても、粗面化するときに付着物も除去される。前記の不純物も同様に、粗面化するときに除去される。
一方、固定基台60側では、光学素子1を接合する前には、接着面61に接合用接着剤G1や貼り付け用接着剤G2が付着することはなく、また前記の不純物が付着した場合でも、洗浄液を用いて洗浄等を行うことができるため、容易に除去することができる。
そして、光学素子1の固定面10Fを粗面化した後に、固定用接着領域71に固定用接着剤G3を塗布して、動作基準壁62X、62Y、固定基準面63により厳格な位置決めを行い、両者を接合する。そうすると、図8に示されるように、光学素子の固定機構が完成する。
光学素子の外観図である。 固定基台の外観図である。 粗面化された固定面を示す説明図である。 粗面化された固定面を示す別の例の説明図である。 粗面化された固定面を示す別の例の説明図である。 粗面化された固定面を示す別の例の説明図である。 粗面化された固定面を示す別の例の説明図である。 光学素子の固定機構の外観図である。
符号の説明
1 光学素子 10 クロスダイクロイックプリズム
11〜14 透明部材 21、22 ダイクロイック膜
51〜53 偏光板 54 位相差板
60 固定基台 61 接着面
63 固定基準面 71 固定用接着領域
73 素子基準領域 G1 接合用接着剤
G2 貼り付け用接着剤 G3 固定用接着剤

Claims (12)

  1. 複数の透明部材が接合されて一体化された光学素子が固定基台に位置決めされて固定された光学素子の固定機構であって、
    前記光学素子の前記固定基台に対する固定面は、前記固定基台と当接して位置決めを行うための1又は複数の素子基準領域と、前記固定面に露出している前記複数の透明部材の接合部位と、前記固定基台に接合して固定する固定用接着領域とを有し、
    前記固定基台は、前記素子基準領域と当接する固定基準面を有し、
    前記固定用接着領域は、前記素子基準領域及び前記固定面に露出している前記接合部位を除いた一部又は全部の領域となし、この固定用接着領域を粗面化した状態で、前記光学素子と前記固定基台との間を接着剤で固定したことを特徴とする光学素子の固定機構。
  2. 請求項1記載の光学素子の固定機構であって、
    前記素子基準領域は、前記固定面に少なくとも3箇所に分散して設けられ、前記固定用接着領域は、前記各素子基準領域に囲まれた内側の領域に形成されていることを特徴とする光学素子の固定機構。
  3. 請求項1又は2記載の光学素子の固定機構であって、
    前記固定基台には、前記光学素子の少なくとも相互に隣接する2つの側面を当接して、前記固定面と平行な2方向に位置を規制する位置決め規制壁が設けられていることを特徴とする光学素子の固定機構。
  4. 請求項1乃至3何れか1項に記載の光学素子の固定機構であって、
    前記固定用接着領域はレーザ手段により粗面化されることを特徴とする光学素子の固定機構。
  5. 請求項1乃至4何れか1項に記載の光学素子であって、
    前記光学素子は2個乃至4個の透明部材を接合して一体化した構成となし、接合される2つの前記透明部材の接合面のうち少なくとも1つの接合面には光学機能膜が形成されていることを特徴とする光学素子の固定機構。
  6. 請求項5記載の光学素子の固定機構において、前記光学素子は2種類のダイクロイック膜がクロスするように形成されたクロスダイクロイックプリズムであることを特徴とするクロスダイクロイックプリズムの固定機構。
  7. 請求項6記載のクロスダイクロイックプリズムの固定機構を有する投射型表示装置。
  8. 複数の透明部材が接合されて一体化された光学素子であって、この光学素子を固定するための固定基台に対する前記光学素子の固定面は、
    前記固定基台と当接して位置決めを行うための1又は複数の素子基準領域と、前記固定面に露出している前記複数の透明部材の接合部位と、前記固定基台に接合して固定する固定用接着領域とを有し、
    前記固定用接着領域は、前記素子基準領域及び前記固定面に露出している前記接合部位を除いた一部又は全部の領域となし、この固定用接着領域を粗面化していることを特徴とする光学素子。
  9. 請求項8記載の光学素子であって、
    前記素子基準領域は、前記固定面に少なくとも3箇所に分散して設けられ、前記固定用接着領域は、前記各素子基準領域に囲まれた内側の領域に形成されていることを特徴とする光学素子。
  10. 請求項8又は9に記載の光学素子であって、
    前記固定用接着領域を、レーザ手段により粗面化していることを特徴とする光学素子。
  11. 請求項8乃至10何れか1項に記載の光学素子であって、
    前記光学素子は2個乃至4個の透明部材を接合して一体化した構成となし、接合される2つの前記透明部材の接合面のうち少なくとも1つの接合面には光学機能膜が形成されていることを特徴とする光学素子。
  12. 請求項11記載の光学素子において、前記光学素子は2種類のダイクロイック膜がクロスするように形成されたクロスダイクロイックプリズムであることを特徴とする光学素子。
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