JP2008224988A - 熱収縮性フィルムおよびこれを用いた成形物の装飾方法 - Google Patents

熱収縮性フィルムおよびこれを用いた成形物の装飾方法 Download PDF

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Abstract

【課題】加熱により熱収縮性基材を熱収縮させても、機能層に起因したしわの発生を防止することができ、機能層の機能が低下することのない熱収縮性フィルムおよびこれを用いた成形物の装飾方法を提供する。
【解決手段】本発明の熱収縮性フィルムは、熱収縮性基材の少なくとも一方の面に機能層を有してなるものであって、機能層が熱収縮性基材から剥離可能なものであり、当該熱収縮性フィルムの機能層の一部を熱収縮性基材から剥離した後、当該熱収縮性フィルムを成形物に被せ、加熱により熱収縮させることで成形物を装飾する。
【選択図】なし

Description

本発明は、機能層を有する熱収縮性フィルムにおいて、加熱により熱収縮性基材を熱収縮させても、機能層にしわが生じることなく機能層の機能が低下することのない熱収縮性フィルムおよびこれを用いた成形物の装飾方法に関するものである。
近年、ペットボトル、プラスチックケース等の各種成形物の包装用として、加熱により収縮する性質を利用した熱収縮性フィルムが広く用いられている。
当該熱収縮性フィルムは、熱収縮性基材で筒状体を作り、ペットボトル、プラスチックケース等の成形物に被せたり、または接着ラベルとして成形物に貼着し、当該成形物に熱をかけて熱収縮性基材を収縮させ、成形物に密着させるものである。
当該熱収縮性フィルムは、単に成形物を包装する目的だけでなく、成形物の保護や、画像印刷が可能といった、特定の機能で装飾することが一般的に行われている。
このような熱収縮性フィルムとして、例えば、熱収縮性基材の片面若しくは両面に、オフセット印刷、グラビア印刷、凸版印刷等により画像処理を施したものが提案されている(特許文献1)。
このような印刷方法によれば、同じ画像処理を施した熱収縮性フィルムの大量生産には適するが、印刷版の製版工程から始めなければならないため、少量多品種の熱収縮性フィルムの作製にはあまり適さないものであった。
そこで、上述のような印刷版を必要とせず、少量多品種の生産が可能なインクジェット記録方式により画像処理を施す方法が提案されている。このような熱収縮性フィルムは、確かに少量多品種の生産に適するものであるが、新たな問題を生じさせるものであった。
即ち、インクジェット印刷を可能とするための画像受容層が必要となり、当該画像受容層を熱収縮性基材上に積層したものを加熱により収縮させると、画像受容層と熱収縮性基材との収縮率の相違により画像受容層にしわが生じてしまい、画像受容層の機能(画像の視認性)に悪影響を及ぼしていた。
このような現象は、上述の画像受容層に限られず、耐擦傷性、光拡散性、光触媒性等の特定の機能を発揮し得る機能層を設けた場合であっても、同様に生じるものであった。
特開2005−25145号公報
この点について、本発明者は、機能層を構成する樹脂成分の設計を変更したり、熱収縮性フィルムへの加熱温度、加熱時間等を制御することで機能層のしわを防止しうるよう種々の検討を試みた。しかしながら、ペットボトルの先端部のような成形物の外観形状変化の激しい部位については、機能層を当該部位に完全に追従させることができず、機能層に生じるしわを完全に防止することはできなかった。

そこで、本発明は、加熱により熱収縮性基材を熱収縮させても、機能層に起因したしわの発生を防止でき、機能層の機能が低下することを防止しうる熱収縮性フィルムおよびこれを用いた成形物の装飾方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の熱収縮性フィルムは、熱収縮性基材の少なくとも一方の面に機能層を有してなる熱収縮性フィルムであって、当該機能層が当該熱収縮性基材から剥離可能であることを特徴とするものである。
本発明の熱収縮性フィルムによれば、熱収縮性基材上に有する機能層が剥離可能であることから、ペットボトルの先端部のような成形物の外観形状変化の激しい部位に対応する機能層をあらかじめ熱収縮性基材から剥離することができるため、収縮率の差により生じうる機能層のしわの発生を防止することができ、機能層の機能が低下することを防止できる。
また、本発明の熱収縮性フィルムは、好ましくは機能層と熱収縮性基材との間に剥離調整層を有してなり、機能層が剥離調整層から剥離可能なものである。或いは、機能層及び剥離調整層が熱収縮性基材から剥離可能なものである。
また、本発明の熱収縮性フィルムは、好ましくは機能層が画像受容層である。
さらには、本発明の成形物の装飾方法は、本発明の熱収縮性フィルムの機能層の一部を熱収縮性基材から剥離した後、当該熱収縮性フィルムを成形物に被せ、加熱により熱収縮させることで装飾するものである。
本発明の熱収縮性フィルムによれば、熱収縮性基材上に有する機能層が剥離可能であるため、加熱により熱収縮性基材を熱収縮させても、機能層に起因したしわの発生を防止することができ、機能層の機能が低下することのない熱収縮性フィルムを提供することができる。
また、本発明の成形物の装飾方法によれば、熱収縮性基材上に有する機能層が剥離可能な熱収縮性フィルムを用いるものであることから、当該熱収縮性フィルムの機能層の一部を熱収縮性基材から剥離した後、当該熱収縮性フィルムを成形物に被せ、加熱により熱収縮させることにより、機能層に起因したしわの発生を防止し、機能層の機能を低下させることなく成形物を装飾することができる。
まず、本発明の熱収縮性フィルムについて説明する。本発明の熱収縮性フィルムは、熱収縮性基材の少なくとも一方の面に機能層を有してなるものであって、前記機能層が前記熱収縮性基材から剥離可能であることを特徴とするものである。以下、本発明の熱収縮性フィルムの実施の形態について説明する。
本発明に用いられる熱収縮性基材とは、加熱により収縮する性能を有するものをいい、例えばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ナイロン樹脂その他の樹脂からなるプラスチックフィルムを少なくとも一軸方向に延伸してなるものが挙げられる。
熱収縮性基材の厚みとしては特に制限はないが、10〜300μm程度が好適である。
熱収縮性基材の加熱収縮率は、熱収縮性基材を80℃の熱風中で10秒間収縮させたときに20〜80%程度であることが好ましく、30〜60%程度であることがより好ましい。20%以上とすることにより、ペットボトル等の成形物を装飾する際に成形物の外観形状に追従しきれず、たるみが生じたり、しわが生じたりするといった問題を防止することができる。また、80%以下とすることにより、過度の収縮による成形物の変形等を防止することができる。
また、熱収縮性基材の40℃の熱風中で7日間の環境下における収縮率(自然収縮率)は、5%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましい。5%以下とすることにより、熱収縮性基材の輸送、保管中に収縮が起きることを防止でき、巻き締まり、たるみ等が発生し商品価値が著しく低下するといった問題を防止することができる。
次に本発明に用いられる機能層は、特定の機能を発揮し得るものであり、熱収縮性基材の少なくとも一方の面に形成されるものである。そして、当該機能層は、当該熱収縮性基材から剥離可能なものである。このように、本発明の熱収縮性フィルムの機能層は、熱収縮性基材から剥離可能であることから、ペットボトルの先端部のような成形物の外観形状変化の激しい部位においても、当該部位に対応する機能層をあらかじめ熱収縮性基材から剥離除去することができるため、機能層に起因したしわの発生を防止することができ、機能層の機能が低下することを防止できる。
このような機能層としては、例えば、ハードコート層、画像受容層、光触媒層、光拡散層等が挙げられる。
ハードコート層は、表面保護の機能を発揮させるものであり、成形物の保護強化に寄与するものである。このようなハードコート層は、電離放射線硬化型樹脂を主成分とする組成物を塗布し、電離放射線を照射して架橋硬化させることにより得ることができる。
電離放射線硬化型樹脂としては、電離放射線(紫外線若しくは電子線)の照射によって架橋硬化することができる光重合性プレポリマーを用いることができ、この光重合性プレポリマーとしては、1分子中に2個以上のアクリロイル基を有し、架橋硬化することにより3次元網目構造となるアクリル系プレポリマーが特に好ましく使用される。
このアクリル系プレポリマーとしては、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレート等が使用できる。
これらは単独でも使用可能であるが、架橋硬化性、架橋硬化塗膜の硬度をより向上させるために、光重合性モノマー、光重合開始剤、紫外線増感剤等を加えることが好ましい。
光重合性モノマーとしては、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールトリアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等の多官能モノマーが挙げられる。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、チオキサンソン類等が挙げられ、紫外線増感剤としては、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
次に、画像受容層は、成形物に装飾的機能を付与したり、他社製品との識別性にも寄与する画像を形成し得る重要な役割を果たすものである。当該画像受容層は、通常平面に置かれた状態で画像受理されるため、画像受理された熱収縮性フィルムを成形物に被せ加熱させると、成形物の外観形状に追従して画像が変形することがある。特に、ペットボトルの先端部のような成形物の外観形状変化の激しい部位においては、熱収縮性基材と画像受容層との収縮率差によって画像受容層が大きく変形し、画像の視認性に大きく影響を及ぼしてしまう。
したがって、通常は、画像の視認性に大きく影響しうる外観形状変化の激しい部位には画像を形成することはないが、この場合であっても、画像受容層の変形に起因したしわの影響により、成形物の視認性に悪影響を及ぼすことになる。しかしながら、本発明の熱収縮性フィルムによれば、このような画像が形成されなかった当該部位に対応した画像受容層を剥離除去することができるため、成形物全体としての視認性に優れたものとすることができる。
このような画像受容層としては、例えば、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジウムハライド、メラミン樹脂、ポリウレタン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアクリル酸ナトリウム等の親水性合成高分子やゼラチン、でんぷん、セルロース誘導体セルロース、カゼイン、キチン、キトサン等の親水性天然高分子、ポリエチレンオキサイドやその共重合体等の高吸収性樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、水系インク用インクジェットプリンタで画像を形成する場合には、印字性、コストの観点から、ポリビニルアルコールを用いることが好ましい。
また、上述した画像受容層を構成する樹脂の中で、熱収縮性基材から剥離可能とさせ易い樹脂としては、熱収縮性基材の種類にも左右されるため一概にはいえないが、例えば熱収縮性基材としてポリエステル樹脂を選択した場合には、ポリビニルアルコールを用いることが好ましい。
画像受容層として用いられる上述のような樹脂は、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、イソシアネート系化合物、ジアルデヒド系化合物などで架橋硬化させてもよい。架橋硬化させることで、画像受容層の耐水性、耐薬品性を良好なものとすることができる。
また、画像受容層中には、インク吸収性を向上させたり、ブロッキングを防止するために顔料を含有させてもよい。顔料としては、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸アルミニウム、酸化チタン、合成ゼオライト、アルミナ、スメクタイトなどの無機顔料の他、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂などからなる樹脂ビーズ、若しくはこれらを原料とする中空樹脂ビーズなどの有機顔料が挙げられ、これらを単独であるいは2種以上混合して使用することができる。
顔料の添加量は、画像受容層の全バインダー樹脂100重量部に対し、通常0.1〜200重量部程度である。
また、画像受容層中には、レベリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、キレート剤などの添加剤を添加してもよい。
次に、光触媒層は、その表面を高度に親水化することで、非常に水に濡れ易くし、塵埃等の汚れが付き難い性質を発現させ、且つ汚れが一時的に付着しても雨水等により容易に洗い流されるという、いわゆる自浄性と呼ばれる機能を発揮させるものであり、光触媒とバインダーからなるものである。
光触媒としては、例えばアナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄、三酸化二ビスマス、三酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム等が挙げられる。これらの中でもアナターゼ型酸化チタンが好適に使用される。
バインダーとしては、無機系バインダーを主成分とするものであることが好ましい。この無機系バインダーとしては、ケイ素系化合物からなるバインダー、ジルコニウム系化合物からなるバインダー、アルミニウム系化合物からなるバインダー、チタン系化合物からなるバインダーを用いることができる。これらのバインダーの中でも、高紫外線透過率、低ヘーズ、および接着層との接着性を向上させるという観点から、シリカ系、シリコーン系等のケイ素系化合物からなるバインダーからなるものであることが好ましい。
このようなケイ素系化合物からなるバインダーとしては、加水分解性シラン誘導体、あるいは加水分解性シラン誘導体の部分加水分解物及び脱水縮重合物、または加水分解シラン誘導体の部分加水分解物とテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジエトキシジメトキシシラン等の部分加水分解物との脱水縮重合により調整したものや、シリコーン樹脂等を利用することができる。
次に、光拡散層は、光を拡散する機能を発揮させるものであり、主に光拡散剤とバインダー樹脂とから構成されるものである。
光拡散剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、シリカ、水酸化アルミニウム、カオリン、クレー、タルク等の体質顔料や、アクリル樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリウレタン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、エポキシ樹脂粒子等の合成樹脂粒子や、炭化水素系ワックス、脂肪酸系ワックス、脂肪酸アミド系ワックス等の粒子系ワックス等が挙げられる。
バインダー樹脂としては、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、セルロース系樹脂、アセタール系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等の光学的透明性を有する樹脂が挙げられる。
上述した機能層は、熱収縮性基材の少なくとも一方の面に形成してなるものであるが、当該機能層を当該熱収縮性基材の両方の面に形成しても構わない。熱収縮性基材の両方の面に機能層を形成する場合においては、各々の機能層が同一又は異なるものであっても良い。例えば、複合的な装飾を施すため、熱収縮性基材の両方の面に画像受容層を形成するものであっても、或いは、複合的な機能を発揮させるため、一方の面に光触媒層を、他方の面に光拡散層を形成するものであっても構わない。
これら機能層の厚みは、各種機能に応じて適宜使い分けられるが、通常0.1〜50μmの範囲である。
上述した機能層のバインダー成分のガラス転移温度は、30〜150℃であることが好ましく、50〜100℃であることがより好ましい。ガラス転移温度を30℃以上とすることにより、べたつき等を無くし作業性を良好なものとすることができる。また、ガラス転移温度を150℃以下とすることにより、熱収縮性基材との追従性を良好なものとすることができ、機能層が容易に脱落してしまうことを防止できる。
また、上述した機能層と熱収縮性基材との接着力は、0.05〜10N/25mmであることが好ましい。機能層と熱収縮性基材との接着力を0.05N/25mm以上とすることにより、機能層が熱収縮性基材から容易に脱落してしまうことを防止できる。また、接着力を10N/25mm以下とすることにより、機能層を熱収縮性基材から剥離する際に、いずれの層をも破壊することなく剥離させ易くすることができる。このような接着力に調整する方法としては、機能層を構成する樹脂成分、熱収縮性基材の種類、或いは機能層や熱収縮性基材の厚み等を適宜調整することにより行うことができる。
また、本発明の熱収縮性フィルムには、機能層の熱収縮性基材からの剥離をより容易なものとするため、機能層と熱収縮性基材との間に剥離調整層を介在させても良い。当該剥離調整層は、当該機能層との接着性や、当該熱収縮性基材との接着性を適宜調整可能なものであり、例えば、機能層が剥離調整層から剥離可能なものとすることもできるし、機能層及び剥離調整層が熱収縮性基材から剥離可能なものとすることもできる。
機能層と熱収縮性基材との間に剥離調整層を介在させ、機能層が剥離調整層から剥離可能な設計とした場合には、熱収縮性基材に直接機能層を形成する場合に比べ上述した所望の接着力とさせ易く、本発明の熱収縮性フィルムを作製する際の作業性を良好なものとすることができる。
機能層が剥離調整層から剥離可能なものとする場合には、機能層と剥離調整層との接着力が0.05〜10N/25mmであることが好ましい。機能層と剥離調整層との接着力を0.05N/25mm以上とすることにより、機能層が剥離調整層から容易に脱落してしまうことを防止できる。また、接着力を10N/25mm以下とすることにより、機能層を剥離調整層から剥離する際に、いずれの層をも破壊することなく剥離し易くすることができる。なお、剥離調整層と熱収縮性基材との接着力は、上述の接着力よりも強い接着力である必要がある。このような接着力に調整する方法としては、機能層を構成する樹脂成分、剥離調整層を構成する樹脂成分、或いは機能層や剥離調整層の厚み等を適宜調整することにより行うことができる。
このような剥離調整層を構成する樹脂成分としては、例えば、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ナイロン系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、熱収縮性基材としてポリエステルフィルムを用いる際には、当該熱収縮性基材との接着性を良好なものとする観点から、ポリエステル系樹脂が好適に用いられる。
また、当該剥離調整層には、上述した所望の接着力を阻害しない範囲内において、必要に応じて、硬化剤、接着付与剤、酸増殖剤、希釈溶剤、充填剤、着色剤、マット剤、易滑剤、帯電防止剤、難燃剤、抗菌剤、防カビ剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、可塑剤、レベリング剤、顔料分散剤、流動調整剤、消泡剤等の添加剤を含有させることもできる。
このように機能層単層で剥離可能としうる場合の剥離調整層の厚みは、0.01〜5μm程度とすることが好ましく、0.1〜3μm程度とすることがより好ましい。0.01μm以上とすることにより、機能層と剥離調整層との間に適度な接着力を保持することができ、5μm以下にすることにより、剥離調整層を熱収縮性基材とともに熱収縮させる際に、しわが発生することなく熱収縮させることができる。
一方、機能層と熱収縮性基材との間に剥離調整層を介在させ、機能層及び剥離調整層が熱収縮性基材から剥離可能な設計とした場合には、上述したように本発明の熱収縮性フィルムを作製する際の作業性を良好なものとすることができるだけでなく、剥離調整層の厚み分だけ剥離可能な層を厚くすることができるため、剥離作業を容易なものとすることもできる。
機能層及び剥離調整層が熱収縮性基材から剥離可能なものとする場合は、剥離調整層と熱収縮性基材との接着力が0.05〜10N/25mmであることが好ましい。剥離調整層と熱収縮性基材との接着力を0.05N/25mm以上とすることにより、剥離調整層が熱収縮性基材から容易に脱落してしまうことを防止できる。また、接着力を10N/25mm以下とすることにより、剥離調整層を熱収縮性基材から剥離する際に、いずれの層をも破壊することなく剥離し易くすることができる。なお、剥離調整層と機能層との接着力は、上述の接着力よりも強い接着力である必要がある。このような接着力に調整する方法としては、剥離調整層を構成する樹脂成分、熱収縮性基材の種類、或いは剥離調整層や熱収縮性基材の厚み等を適宜調整することにより行うことができる。
このような剥離調整層を構成する樹脂成分としては、上述した機能層単層で剥離しうる剥離調整層で用いられるものと同様の樹脂を用いることができるが、これらの中でも、熱収縮性基材としてポリエステルフィルムを用いる際には、接着力を容易に制御できる観点から、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂が好適に用いられる。
また、当該剥離調整層には、上述した機能層単層で剥離しうる剥離調整層に用いられるものと同様の添加剤を含有させることもできる。
このように機能層及び剥離調整層を剥離可能としうる場合の剥離調整層の厚みは、0.1〜10μm程度とすることが好ましく、1〜5μm程度とすることがより好ましい。剥離調整層の厚みをこのような範囲とすることにより、剥離調整層と機能層及び熱収縮性基材とが容易に脱落することなく、上述した所望の接着力とさせ易くすることができる。
さらに、当該剥離調整層を構成する樹脂成分として感圧接着剤を用いることもできる。剥離調整層を構成する樹脂成分として感圧接着剤を用いる場合には、熱収縮性フィルムを作製する際にセパレータを用いて機能層及び剥離調整層を熱収縮性基材に転写して作製することができるので、熱に影響され易い熱収縮性基材の取扱いが容易となり、熱収縮性フィルムを作製する際の作業性を良好なものとすることができる。
樹脂成分として用いられる感圧接着剤としては、例えば、ポリエステル系感圧接着剤、ポリスチレン系感圧接着剤、オレフィン系感圧接着剤、アクリル系感圧接着剤、セルロース系感圧接着剤、ポリビニルアルコール系感圧接着剤などの公知の感圧接着剤が挙げられる。これらの中でも、上述の所望の接着力に調整し易いものとして、アクリル系感圧接着剤が好適に用いられる。
剥離調整層を構成する樹脂成分として感圧接着剤を用いる場合、当該剥離調整層のガラス転移温度は、−30℃以上とすることが好ましい。ガラス転移温度を−30℃以上の範囲とすることにより、熱収縮性基材から剥離させない機能層の部位について熱収縮によるしわの発生を軽減することができる。ガラス転移温度が−30℃以上の感圧接着剤としては、例えば、ポリエステル系感圧接着剤、ポリスチレン系感圧接着剤、オレフィン系感圧接着剤、アクリル系感圧接着剤等が挙げられる。また、透明性、耐候性の観点から、アクリル系感圧接着剤が好適に用いられる。
また、剥離調整層を構成する樹脂成分として感圧接着剤を用いる場合、当該剥離調整層は、剥離調整層自体の耐水性、耐溶剤性、機能層との接着性、接着力の制御等の観点から、硬化させることが好ましい。硬化方法に関しては、例えば、感圧接着剤が熱硬化性樹脂であれば、加熱することで、また、電離放射線硬化型樹脂であれば、電離放射線を照射することで硬化させることができる。また、剥離調整層を十分に硬化させるために、剥離調整層中に硬化剤や架橋剤を別途含有させてもよい。硬化剤や架橋剤としては、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、金属キレート化合物、金属塩、アミン化合物、ヒドラジン化合物、アルデヒド系化合物等が挙げられる。
また、剥離調整層を構成する樹脂成分として感圧接着剤を用いる場合、当該剥離調整層には、剥離調整層としての機能を阻害しない範囲内において、上述した感圧接着剤以外の樹脂である飽和ポリエステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、その他セルロース誘導体、ポリアミドポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂等の従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び電離放射線硬化性樹脂等を含有させることができる。また、当該剥離調整層には、上述したように公知の添加剤を含有させることもできる。
また、剥離調整層を構成する樹脂成分として感圧接着剤を用いる場合、当該剥離調整層の厚みは、1〜30μmとすることが好ましく、5〜10μmとすることがより好ましい。1μm以上とすることにより、剥離調整層が熱収縮性基材及び機能層から容易に脱落しない程度の接着力とさせ易くすることができる。また、30μm以下とすることにより、熱収縮性フィルム全体としての収縮性を可能な限り良好なものとすることができる。
本発明の熱収縮性フィルムは、機能層を構成する材料を適当な溶剤に溶解させてなる機能層用塗布液を、従来から公知の方法、例えば、バーコーター、ブレードコーター、スピンコーター、ロールコーター、グラビアコーター、フローコーター、スプレー、スクリーン印刷などにより熱収縮性基材上に直接塗布し、当該熱収縮性基材が熱収縮しない温度内で乾燥させることで得られる。当該方法によれば、熱収縮性フィルム全体としての薄型化が図れる。
本発明の熱収縮性フィルムが剥離調整層を有する場合には、剥離調整層を構成する材料を適当な溶剤に溶解させてなる剥離調整層用塗布液を従来公知の塗工方法により熱収縮性基材上に直接塗布し、当該熱収縮性基材が熱収縮しない温度内で乾燥させた後、さらに上述した機能層用塗布液を当該剥離調整層上に塗布、乾燥させることで得られる。
また、上記剥離調整層の樹脂成分が感圧接着剤である場合には、セパレータに上述した機能層用塗布液を従来公知の塗工方法により塗布、乾燥させた後、さらに感圧接着剤を含む構成材料を適当な溶剤に溶解させてなる剥離調整層用塗布液を塗布、乾燥させた後、熱収縮性基材に貼り合わせ、セパレータを剥離することで得られる。当該方法によれば、上記のように機能層を熱に影響され易い熱収縮性基材に直接塗布、乾燥させるものではないため、熱収縮性フィルムの作製時の作業性が良好なものとなる。
次に、本発明の成形物の装飾方法について説明する。本発明の成形物の装飾方法は、本発明の熱収縮性フィルムの機能層の一部を熱収縮性基材から剥離した後、当該熱収縮性フィルムを成形物に被せ、加熱により熱収縮させることを特徴とするものである。以下、本発明の成形物の装飾方法の実施の形態について説明する。
まず、上述した本発明の熱収縮性フィルムの機能層の一部を熱収縮性基材から剥離する。
本発明の熱収縮性フィルムは、機能層の一部が熱収縮性基材から剥離可能であることから、従来問題となっていた成形物の外観形状変化の激しい部位に追従しきれない機能層をあらかじめ剥離除去することができる。したがって、加熱により熱収縮させても、機能層全体としてしわが生じることなく、機能層の機能が低下することのない熱収縮性フィルムによって、成形物を装飾することができる。
機能層の一部を熱収縮性基材から剥離する方法としては、剥離除去したい部位が剥離可能となるように、機能層の当該部位にカッター、ナイフ等で切り込みを入れておき、当該部位を引き剥がすことにより、当該機能層を剥離除去することができる。剥離調整層を有する熱収縮性フィルムの場合には、剥離除去したい部位の機能層或いは機能層及び剥離調整層に対し切り込みをいれ、引き剥がすことにより、当該部位の機能層或いは機能層及び剥離調整層を剥離除去することができる。なお、上述のように機能層或いは機能層及び剥離調整層に切り込みを入れる際には、熱収縮性基材までカットしないように行う。
熱収縮性フィルムの機能層の一部を剥離したら、当該熱収縮性フィルムを成形物に被せる。成形物に被せる際には、外観形状変化の激しい部位と機能層を剥離除去した部位が重なるように被せることにより、機能層全体としてしわが発生することを防止し、機能層の機能が低下することなく成形物を装飾することができる。
また、成形物に熱収縮性フィルムを被せる際には、機能層が発揮しうる機能に応じて成形物に被せる面を適宜選択することができる。例えば、機能層として画像受容層を用いた場合には、画像受容層表面を保護する観点から、熱収縮性フィルムの画像受容層を有する面が内側を向くように被せることが好ましく、一方、機能層として光触媒層を用いた場合には、光触媒性を十分に発揮させる観点から、熱収縮性フィルムの光触媒層を有する面が外側を向くように成形物に被せることが好ましい。
熱収縮性フィルムを成形物に被せた後は、成形物を加熱させる。加熱処理においては、装飾される成形物の材質にもよるが、熱収縮性フィルムを十分に熱収縮させる観点から、通常60〜150℃の環境下において、5〜60秒程度加熱処理することにより行う。
以上のように、本発明の熱収縮性フィルムによれば、剥離可能な機能層を熱収縮性基材上に有してなるものであるため、成形物の外観形状変化の激しい部位に対応する機能層をあらかじめ剥離除去することで、機能層全体としてしわが生じず、機能層の機能が低下することのない熱収縮性フィルムとすることができる。
また、本発明の成形物の装飾方法によれば、このような本発明の熱収縮性フィルムを用いて装飾するものであることから、成形物の外観形状変化の激しい部位に対してもしわが生じず、機能層の機能が低下することなく装飾することができる。したがって、ペットボトル、ビン等のボトル類や蛍光灯、白熱灯等の各種成形物を好適に装飾することができる。
以下、実施例により本発明を更に説明する。なお、「部」、「%」は特に示さない限り、重量基準とする。
1.熱収縮性フィルムの作製
[実施例1]
厚み60μmの熱収縮性基材(スペースクリーンS7053:東洋紡績社)の一方の面に、下記組成の画像受容層用塗布液を塗布、乾燥することにより、厚み10μmの画像受容層を形成して実施例1の熱収縮性フィルムを作製した。なお、熱収縮性基材と画像受容層との接着力については0.01N/25mm未満であった。
<実施例1の画像受容層用塗布液>
・ポリビニルアルコール 10部
(ゴーセノールKH20:日本合成化学社)
・希釈溶剤 90部
[実施例2]
実施例1の画像受容層用塗布液を、下記組成の画像受容層用塗布液に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2の熱収縮性フィルムを作製した。なお、熱収縮性基材と画像受容層との接着力については、約0.1N/25mmであった。
<実施例2の画像受容層用塗布液>
・ポリビニルアセタール 70部
(エスレックKX-5:積水化学工業社)
・希釈溶剤 30部
[実施例3]
厚み60μmの熱収縮性基材(スペースクリーンS7053:東洋紡績社)の一方の面に、下記組成の剥離調整層用塗布液を塗布、乾燥することにより、厚み5μmの剥離調整層を形成した。次いで、当該剥離調整層上に実施例1と同様の画像受容層を形成して実施例3の熱収縮性フィルムを作製した。なお、剥離調整層と熱収縮性基材との接着力については約0.1N/25mmであった。また、実施例3の熱収縮性フィルムは、画像受容層及び剥離調整層が熱収縮性基材から剥離可能なものである。
<実施例3の剥離調整層用塗布液>
・ポリビニルブチラール 20部
(エスレックBL-1:積水化学工業社)
・希釈溶剤 80部
[実施例4]
厚み60μmの熱収縮性基材(スペースクリーンS7053:東洋紡績社)の一方の面に、下記組成の剥離調整層用塗布液を塗布、乾燥することにより、厚み0.5μmの剥離調整層を形成した。次いで、当該剥離調整層上に実施例1と同様の画像受容層を形成して実施例4の熱収縮性フィルムを作製した。なお、画像受容層と剥離調整層との接着力については約0.1N/25mmであった。また、実施例4の熱収縮性フィルムは、画像受容層が剥離調整層から剥離可能なものである。
<実施例4の剥離調整層用塗布液>
・ポリエステル樹脂 5部
(WAC−16:高松油脂社)
・希釈溶剤 95部
[実施例5]
厚み50μmのセパレータに実施例1と同様の画像受容層を形成し、更に当該画像受容層上に下記組成の剥離調整層用塗布液を塗布、乾燥することにより厚み10μmの剥離調整層を形成した。
<実施例5の剥離調整層用塗布液>
・アクリル系感圧接着剤 90部
(リカボンドAP368A:中央理化工業社)
・希釈溶剤 10部
次いで、厚み60μmの熱収縮性基材(スペースクリーンS7053:東洋紡績社)の一方の面に、上述のように作製した画像受容層及び剥離調整層を有するセパレータを、剥離調整層と熱収縮性基材とが対向するように貼り合わせ、その後セパレータを剥離して実施例5の熱収縮性フィルムを作製した。なお、剥離調整層と熱収縮性基材との接着力については約9N/25mmであった。また、実施例5の熱収縮性フィルムは、画像受容層及び剥離調整層が熱収縮性基材から剥離可能なものである。
[実施例6]
厚み50μmのセパレータに実施例1と同様の画像受容層を形成し、更に当該画像受容層上に下記組成の剥離調整層用塗布液を塗布、乾燥することにより厚み10μmの剥離調整層を形成した。
<実施例6の剥離調整層用塗布液>
・ポリエステル系感圧接着剤 70部
(バイロン55SS:東洋紡績社)
・希釈溶剤 30部
・硬化剤 5部
(タケネートD110N:三井化学ポリウレタン社)
次いで、厚み60μmの熱収縮性基材(スペースクリーンS7053:東洋紡績社)の一方の面に、上述のように作製した画像受容層及び剥離調整層を有するセパレータを、剥離調整層と熱収縮性基材とが対向するように貼り合わせ、その後セパレータを剥離して実施例6の熱収縮性フィルムを作製した。なお、剥離調整層と熱収縮性基材との接着力については約15N/25mmであった。また、実施例6の熱収縮性フィルムは、画像受容層及び剥離調整層が熱収縮性基材から剥離可能なものである。
[比較例1]
実施例4の剥離調整層の厚みを、6μmに変更した以外は実施例4と同様にして、比較例1の熱収縮性フィルムを作製した。なお、画像受容層と剥離調整層との接着力については、両者が界面において強固に接着していたため、実施例で用いたよりも強い力で剥離しようとしたところ、画像受容層あるいは剥離調整層が凝集破壊し、数値測定をすることができなかった。
2.評価
ペットボトル(成形体)の装飾ラベル用として、実施例および比較例の熱収縮性フィルムの画像受容層を有する面に、インクジェットプリンタ(BJ F870:キヤノン社)を用いてインクジェット印刷を行った。なお、ペットボトルの先端部に対応する部位については、印刷は行っていない。
次いで、上述したペットボトルの先端部に対応する部位の画像受容層(実施例3、5及び6については剥離調整層を含む。)についてカッターで切り込みを入れておき、当該部位にセロハン粘着テープを貼り付けた。
実施例の熱収縮性フィルムについては、当該セロハン粘着テープを引き剥がしたところ、画像受容層の一部(実施例3、5及び6については剥離調整層を含む。)が剥離し、当該部位を剥離除去することができた。その中でも特に実施例2〜5の熱収縮性フィルムは、実施例1及び6の熱収縮性フィルムに比べ、本発明の剥離可能な部位の接着力が0.05〜10N/25mmの範囲内のものであったことから、さらに作業性良く剥離除去することができた。
一方、比較例の熱収縮性フィルムについては、当該セロハン粘着テープを引き剥がしても、画像受容層の一部が剥離することなく、当該部位を剥離除去することができなかった。
次いで、実施例および比較例の熱収縮性フィルムを、画像受容層を有する面が内側となるように円筒形に巻いた後、500ミリリットルのペットボトルに被せ、80〜110℃で加熱させ、ペットボトルに密着させた。なお、実施例の熱収縮性フィルムについては、画像受容層の一部(実施例3、5及び6については剥離調整層を含む。)が剥離除去された部位が、ペットボトルの先端部に対応するように被せた。
実施例の熱収縮性フィルムは、ペットボトルの先端部に対応する画像受容層(実施例3、5及び6については剥離調整層を含む。)が剥離除去されていたことから、機能層に起因したしわが発生することなくペットボトルを視認性良く装飾することができた。
一方、比較例の熱収縮性フィルムは、ペットボトルの先端部に対応する画像受容層が剥離除去できなかったため、当該部位の画像受容層にしわが発生し、ペットボトルの視認性に悪影響を及ぼしてしまった。

Claims (4)

  1. 熱収縮性基材の少なくとも一方の面に機能層を有してなる熱収縮性フィルムであって、前記機能層が前記熱収縮性基材から剥離可能であることを特徴とする熱収縮性フィルム。
  2. 前記機能層と前記熱収縮性基材との間に剥離調整層を有してなり、前記機能層が前記剥離調整層から剥離可能であること、或いは、前記機能層及び前記剥離調整層が前記熱収縮性基材から剥離可能であることを特徴とする請求項1記載の熱収縮性フィルム。
  3. 前記機能層が、画像受容層であることを特徴とする請求項1又は2記載の熱収縮性フィルム。
  4. 請求項1〜3何れか1項記載の熱収縮性フィルムの機能層の一部を熱収縮性基材から剥離した後、当該熱収縮性フィルムを成形物に被せ、加熱により熱収縮させることを特徴とする成形物の装飾方法。
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