JP5247326B2 - 熱収縮性フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、プラスチック容器、およびガラス容器等の包装に用いるシュリンクラベルフィルムの試作用フィルムに関し、特にペットボトル試作時に用いる熱収縮性フィルムに関する。
近年、シュリンクフィルムはシュリンク包装、シュリンクラベル等の用途に広く用いられている。なかでもラベル用は、飲料用ペットボトル等の需要が非常に大きいため大量に使用されている。
このシュリンクフィルムは加熱により収縮する性質があるため、収縮後、被包装材の外形に追従密着して形成されるので、フィルムに接着剤層、粘着材層を設ける必要がなく、形成後の意匠性がよいものである。
前記ペットボトル用のシュリンクラベルは、通常、シュリンクフィルムに印刷を施した後、筒状にしてボトルの外周面にかぶせて、70〜150℃に加熱し収縮させて用いられている。
このシュリンクラベルの印刷は大量ロットを印刷するのに適しているグラビア印刷で行われることが多い。
シュリンクラベル製品製造時は大量印刷なので高速、低コストの前記グラビア印刷等を用いる。しかし、ペットボトルの試作の段階ではシュリンクラベル小ロット印刷が求められるので、それに適した印刷方式を用いるのが好適である。この小ロット印刷は汎用のプリンターを用いた印刷であれば印刷のための版を作る必要がなく、印刷原稿のデータがあれば印刷物1枚でも廉価に印刷が可能である。汎用のプリンターは、インクジェット印刷方式、電子写真印刷方式、または熱転写印刷方式等のプリンターが使用できるが、なかでもインクジェット記録方式は簡便で、廉価に、高品質の画像が形成できるため、好適である。
ただし、シュリンクフィルムのようなプラスチックフィルムに、これらのプリンターを用いた印刷を施すためには各印刷方式に適した表面物性が必要になる。通常は、フィルム表面に各印刷方式に適した塗膜を設けることで、この表面物性を得ている。たとえば、汎用のプリンターとしてレーザープリンターを用いる熱収縮性フィルムが提案されている(特許文献1)。
特開2007−62792号公報
このシュリンクラベル試作のためのシュリンクフィルムに前記プリンターを用いて印刷をし、それを印刷面が内側になるように筒状にしてペットボトルにかぶせる。次にこれを加熱し、シュリンク密着させ、その意匠性を検討する。この意匠性はシュリンクラベルの意匠性だけでなく、いくつかのペットボトルの形状とのマッチング性等、総合的なデザインを検討する。
このとき、シュリンク密着時にシュリンクラベルとペットボトルが部分的に貼りつくブロッキングという現象が発生することがあった。このブロッキングしたところはそうでないところとくらべ色合いがかわったり、透明感がかわったりしてまだら模様となり、試作の製品見本として使用できなかった。
また、試作品作製中、意匠がデザイナーの意にそぐわない場合は、部分的に印刷原稿を変更し、印刷し、ボトルにシュリンク密着し、再度試作品を作製する。この作業は何回も繰り返されるので、試作品は多数となる。したがって、この作業はこのフィルムを剥がしてペットボトルを再使用しながら行なうことがある。その際、塗膜がブロッキングしてペットボトルから容易にはがれなかったり、はがれてもボトル表面に塗膜の一部が残留したりして、ペットボトルの再使用がうまくできなかった。
そこで、本発明者らは、この各プリンターを用いた印刷用塗膜に少量の比較的粒子径の大きな顔料を添加し、このブロッキング現象を防止することを試みた。このシュリンクフィルムはボトルに対向する面が印刷面となるように密着されるので画像視認性の点から透明性が重視されるという特徴があるが、ブロッキング防止できる顔料の量を添加すると透明性が悪くなり、透明性が良好である顔料添加量ではブロッキングが改良されないという、相反する現象が明らかになった。
本発明者らは、鋭意研究した結果、このブロッキング現象はシュリンクフィルム特有のものであることを見出した。
通常のブロッキング現象は、フィルムを多数枚重ねて長期保存すると、フィルムどうしが部分的に接着しはがれなくなったり、無理に剥がすと界面破壊を起こす現象である。この原因は、長期保存という時間的ファクターと、多数枚重ねるという自重による押圧という圧力ファクターが重なることが原因で、フィルム表面とフィルム裏面が部分的に接着してしまうというものである。
一方、シュリンクフィルムのブロッキング現象は、前記シュリンク密着時に発生するブロッキング現象で、その原因は以下であることを見出した。すなわち、試作用シュリンクフィルムをかぶせたペットボトルを加熱すると記録層塗膜の軟化が起こり、それと同時に短時間でフィルムが縮むので、ペットボトル中心へ向かってのフィルムの圧着が起こる。塗膜の軟化と圧着の両現象が瞬時に起こるため、塗膜の一部がペットボトルの表面に貼りつき、剥がれがたいものとなる。
本発明者らは、前記ブロッキング現象の発生原因をふまえ、さらに鋭意研究した結果、添加する顔料量の調整とともに、その顔料の粒子径分布を操作することで試作用シュリンクフィルムの透明性とブロッキング防止性が両立することを見出した。
即ち、本発明の熱収縮性フィルムは、熱収縮性基材フィルムの少なくとも一方の面に記録層を有する熱収縮性フィルムであって、前記記録層はバインダー樹脂と顔料を含み、前記顔料は、平均粒子径が前記記録層厚みの1.5倍以上2.3倍以下であり、かつ粒子径分布の変動係数が18%以上40%以下であり、前記記録層の厚みは、〜20μmであることを特徴とするものである。
なお、変動係数とは、上述の粒子径分布の分散状態を示す値であって、粒子径分布の標準偏差(不偏分散の平方根)を粒子径の算術平均値(平均粒子径)で除した値の百分率である。また、本発明でいう平均粒子径、および粒子径分布の変動係数は、コールターカウンター法で測定した値から算出したものである。
本発明によれば、本発明の熱収縮性フィルムに汎用のプリンターを用いた印刷を施し、印刷面を内側にしてペットボトルに加熱密着した際、意匠性の妨げになるブロッキングによるまだら模様の発生がない熱収縮性フィルムを提供することができる。また、本発明によれば、加熱密着後のフィルムを剥がしたとき、ブロッキング部分がペットボトルから容易にはがれなかったり、はがれてもボトル表面に塗膜の一部が残留したりすることがないので、ペットボトルを再使用できる熱収縮性フィルムを提供することができる。
本発明の熱収縮性フィルムは、熱収縮性基材フィルムの少なくとも一方の面に記録層を有する熱収縮性フィルムであって、前記記録層はバインダー樹脂と顔料を含み、前記顔料は、平均粒子径が前記記録層厚みの1.5倍以上2.3倍以下であり、かつ粒子径分布の変動係数が18%以上40%以下であることを特徴とするものである。以下、本発明の熱収縮性フィルムの実施の形態について説明する。
本発明で用いられる熱収縮性基材とは、加熱により収縮する性能を有するものをいい、例えばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ナイロン系樹脂、その他の樹脂からなるプラスチックフィルムを少なくとも一軸方向に延伸してなる従来公知の熱収縮性基材が挙げられる。
熱収縮性基材の厚みは特に制限はないが、10〜300μm程度が好適である。
熱収縮性基材の加熱収縮率は、熱収縮性基材を80℃の熱風中で10秒間収縮させたときに20〜80%程度であることが好ましく、30〜60%程度であることがより好ましい。20%以上とすることにより、ペットボトル等の容器に装着する際に容器の形状に追従しきれず、たるみが生じたり、しわが生じたりするといった問題を防止することができる。また、80%以下とすることにより、過度の収縮による容器の変形等を防止することができる。
また、熱収縮性基材の40℃の熱風中で7日間の環境下における収縮率(自然収縮率)は、5%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましい。5%以下とすることにより、熱収縮性基材の輸送、保管中に収縮が起きることを防止でき、巻き締まり、たるみ等が発生し商品価値が著しく低下するといった問題を防止することができる。
次に、本発明で用いられる記録層は、熱収縮性基材の少なくとも一方の面に設けられる。記録層を構成する樹脂としては、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、アセタール系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を使用することができるが、なかでも熱シュリンク時に収縮追随するポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂の熱可塑性樹脂が好ましい。
この記録層は、熱収縮性基材に汎用プリンターでの印刷適性を持たせるために設けられるものであり、例えば、インクジェットインクでのインク受容性を付加したり、電子写真印刷でのトナー接着性を付加したり、または熱転写印刷でのインクリボンインキの定着性を付加するための層である。これら記録方式にあわせて上述した記録層の樹脂を選択する。
記録層の厚み(顔料の樹脂層からの飛び出しを除いた樹脂層の厚み)は、1〜20μmとすることが好ましく、5〜15μmとすることがより好ましい。1μm以上とすることにより、各種プリンターの記録性能を十分なものとすることができる。また、20μm以下とすることにより、後述する顔料の平均粒子径が不要に大きいものを用いなくても良い。
記録層中には、ブロッキングを防止するために顔料を含有させる。顔料としては、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸アルミニウム、酸化チタン、合成ゼオライト、アルミナ、スメクタイトなどの無機顔料の他、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂などからなる合成樹脂粒子、若しくはこれらを原料とする中空樹脂粒子などの有機顔料が挙げられ、これらを単独であるいは2種以上混合して使用することができるが、なかでも粒子径分布の操作がしやすく透明性の良い合成樹脂粒子を使用するのが好ましい。
本発明では、この顔料の粒子径分布の変動係数が18%以上40%以下であるものが好適であり、20%以上35%以下であればより好適である。
顔料の粒子径分布の変動係数が18%未満であると、ペットボトル試作時に用いるシュリンクラベル用フィルムとしての透明性と熱シュリンク時に起こるブロッキングを防止する性能が両立しない。たとえば、記録層を構成する樹脂100重量部に対して添加量としては比較的多量である0.6重量部の前記粒子径分布の顔料を添加すると、ブロッキングは防止できるが、必要な透明性が得られない。また、添加量としては透明性を損なわない0.5重量部程度とすると、必要な透明性は得られるが、シュリンク後のブロッキングは防止できない。
粒子径分布の変動係数が40%を超えると、ペットボトル試作時に用いるシュリンクラベル用フィルムとしての透明性と熱シュリンク時に起こるブロッキングを防止する性能が、やはり両立しない。たとえば、記録層樹脂100重量部に対して添加量としては比較的多量である1.0重量部の前記粒子径分布の顔料を添加すると、ブロッキングは防止できるが、必要な透明性が得られない。また、添加量としては比較的少量である0.4重量部の顔料を添加すると、必要な透明性は得られるが、ブロッキングは防止できない。これは、比較的大きい顔料が脱落する傾向にあり、比較的小さな顔料が記録層中に埋もれてしまう傾向があるからである。
顔料の平均粒子径は、記録層の厚みによるが、記録層の厚みの1.5〜2.3倍が適当である。これは、顔料粒子径が記録層厚みよりも小さいと顔料が記録層に埋もれてしまうものが多くなるから、また、顔料が大きすぎると透明性が阻害されるからである。記録層の厚みは前述のように、1〜20μmが好ましいので、粒子径は1.5〜46μmが好適である。
本発明では、この顔料の粒子径分布の変動係数が18%以上40%以下、かつ平均粒子径が記録層厚みの1.5倍以上2.3倍以下とすることにより、透明性を損なうことなくブロッキングを防止できる。また、記録層の印字性能およびその画質も低下しない。
これは、図1、図2、図3に示すように、平均粒子径が同じで、粒子径分布が狭い顔料を使用した場合と粒子径分布が広い顔料を使用した場合、さらに本発明の粒子径分布範囲の顔料を使用した場合に、透明性を損なわない程度の極微量の添加量で、記録層のバインダー樹脂に対して一定の顔料重量比率で添加するとして比べてみると理解できる。
粒子径分布が狭い顔料粒子を使用した場合(図1)は、記録層表面から突出した顔料粒子の山の高さがほぼ均一である。一方、粒子径分布が広い顔料粒子を使用した場合(図2)は、記録層表面から突出した顔料粒子の山の高さがふぞろいで高いものもあれば低いものもあり、記録層中に埋もれているものもある。そして、本発明の粒子径分布範囲の顔料を使用した場合(図3)は、ほとんど全ての顔料が記録層上に頭を出した状態で表面に分布し、山の高さがふぞろいで高いものもあれば低いものもある状態である。
本発明の課題である熱シュリンク時には、熱により軟化したこの山と山でない部分をもったシュリンクフィルムの記録層面がペットボトル表面に圧力をともない覆いかぶさっていくわけである。この現象が前述の通常の経時によるブロッキングとは大きく異なる点である。軟化して圧着していくシュリンクフィルムは、図1の均一粒子(粒子径分布が狭い顔料粒子)をもった表面の、山でない部分(樹脂のみの平面)のペットボトル面への接触頻度および面積は比較的大きく、図2の不均一粒子(粒子径分布が広い顔料粒子)を用いた表面の、山でない部分への接触頻度および面積はさらに大きい。しかし、図3の本発明の粒子径分布を用いた場合は、適度な粒子径分布があるので、平均粒子径よりもやや大きな粒子径の顔料粒子がシュリンクフィルムと記録層面の距離を保つのに役立ち、平均粒子径よりもやや小さな粒子径をもつ顔料粒子も記録層中に埋もれていないので、シュリンクフィルムを支えるのに役立っている。したがって、ペットボトル表面への前記山でない部分の接触頻度はかなり少なく、接触面積はほとんどない。以上の理由で、前二者がブロッキングしやすく、後者はほとんどブロッキングしない。
添加するこの顔料粒子の粒子径分布の相違が、本発明のブロッキング防止に大きく役立ち、高い透明性を失うことがなく、本発明の試作用シュリンクフィルムを得ることができるものである。図1、図2の場合でも顔料を多量に添加すればブロッキングは防止できるが、透明性が低下し、良好なものを得ることはできない。
なお、通常の経時によるブロッキングは上述のいずれの顔料粒子を用いた場合でも防ぐことができるが、透明性を維持しつつ熱収縮時のブロッキングを防ぐには本発明の顔料粒子径分布によらなければならない。
また、通常の記録用フィルムのブロッキング防止は、記録面の裏面にブロッキング防止層を設けることが多く、その場合は記録層の印字性能およびその画質を考慮する必要がないので、添加する顔料粒子の粒子径、添加量等に制約はないことが多い。しかし本発明の場合は、記録層表面の印字性能およびその画質をを維持しながら、ブロッキングを防止している点で、通常のブロッキング防止と異なり、本発明の特徴はこの点にもある。
顔料の添加量は、その顔料の粒子径にもよるが、シュリンクフィルムの透明性を維持するためには極微量であることが必要で、記録層に使用するバインダー樹脂100重量部に対し0.3〜0.5重量部添加するのが適当である。0.5重量部より多いと透明性が不足し、0.3重量部未満であるとブロッキングを防止できない。
なお、この熱収縮性フィルムのシュリンク前の透明性と、シュリンク後の透明性を比較するとシュリンク後は透明性が低下する傾向がある。これは、図1、図2、図3にも示したように、熱収縮によってフィルム面の単位面積当たりの顔料の量が増加することによる。本発明は、記録層に添加する顔料の量が少なくてもブロッキングを防止できるため、シュリンク後に単位面積当たりの顔料の量が増加しても、熱収縮性フィルムの透明性を損なうことがない。
また、記録層中には、透明性を減じない程度に、必要に応じて、帯電防止剤、難燃剤、抗菌剤、防カビ剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、可塑剤、レベリング剤、キレート剤、pH調整剤、顔料分散剤、流動調整剤、消泡剤などを添加することができる。
さらに、記録層と熱収縮性基材との間に、易接着層を設けても良い。記録層に使用する樹脂は熱収縮性基材との接着性に優れるものとは限らないので、必要に応じて易接着層を設けることが好ましい。
記録層は、構成する材料を適当な溶剤に溶解させてなる塗布液を、従来から公知の方法、例えば、バーコーター、ブレードコーター、スピンコーター、ロールコーター、グラビアコーター、フローコーター、スプレー、スクリーン印刷などにより塗布、乾燥させることで得られる。
このようにして得られた熱収縮性フィルムは、熱収縮性基材フィルムの少なくとも一方の面に記録層を有する熱収縮性フィルムであって、前記記録層はバインダー樹脂と顔料を含み、前記顔料は前記記録層厚みの1.5倍以上2.3倍以下の平均粒子径で、かつ粒子径分布の変動係数が18%以上40%以下であることを特徴とするものであるから、意匠性を低下させ、ラベルをはがし難くするブロッキングを生じることがない。また、試作用シュリンクラベルとしての透明性を持っているので、ペットボトル、ビン等の各種容器を試作して意匠性を検討する場合、好適に用いられる。
以下、実施例により本発明を更に説明する。なお、「部」、「%」は特に示さない限り、重量基準とする。
1.熱収縮性フィルムの作製
[実施例1]
厚み45μmの熱収縮性基材(スペースクリーンS7053:東洋紡績社)の一方の面に、下記組成の記録層用塗布液を塗布、乾燥することにより、厚み10μmの記録層を形成して実施例1の熱収縮性フィルムを作製した。
<実施例1の記録層用塗布液>
・ポリビニルアルコール 6部
(ゴーセノールKP-06:日本合成化学社)
・ポリビニルアルコール 4部
(ゴーセノールKP-18:日本合成化学社)
・希釈溶剤 90部
・アクリルビーズ:平均粒子径20μm、変動係数35% 0.04部
(GM2001:ガンツ化成社)
[実施例2]
実施例1の記録層用塗布液のアクリルビーズを、アクリルビーズ(平均粒子径18μm、変動係数20%(MBX-20:積水化成品工業社))に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2の熱収縮性フィルムを作製した。
[実施例3]
実施例1の記録層用塗布液のアクリルビーズの添加量を、0.05部に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例3の熱収縮性フィルムを作製した。
[実施例4]
実施例1の記録層用塗布液のアクリルビーズの添加量を、0.03部に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例4の熱収縮性フィルムを作製した。
[実施例5]
実施例1の記録層の厚みを9μmに変更した以外は実施例1と同様にして、実施例5の熱収縮性フィルムを作製した。
[実施例6]
実施例1の記録層の厚みを13μm変更した以外は実施例1と同様にして、実施例6の熱収縮性フィルムを作製した。
[実施例7]
実施例1の記録層用塗布液のアクリルビーズを、アクリルビーズ(平均粒子径40μm、変動係数30%(GM4003:ガンツ化成社))に変更し、塗布厚みを20μmに変更した以外は実施例1と同様にして、実施例7の熱収縮性フィルムを作製した。
[実施例8]
実施例1の記録層用塗布液のアクリルビーズを、アクリルビーズ(平均粒子径6μm、変動係数32%(GM0607S:ガンツ化成社))に変更し、塗布厚みを4μmに変更した以外は実施例1と同様にして、実施例8の熱収縮性フィルムを作製した。
[実施例9]
実施例1の記録層用塗布液のアクリルビーズの添加量を、0.02部に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例9の熱収縮性フィルムを作製した。
[実施例10]
実施例1の記録層用塗布液のアクリルビーズの添加量を、0.06部に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例10の熱収縮性フィルムを作製した。
[比較例1]
実施例1の記録層用塗布液のアクリルビーズを、アクリルビーズ(平均粒子径20μm、変動係数10%(MX2000:綜研化学社))に変更し、その添加量を0.05部に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の熱収縮性フィルムを作製した。
[比較例2]
実施例1の記録層用塗布液のアクリルビーズを、アクリルビーズ(平均粒子径25μm、変動係数8%(MX2500:綜研化学社))に変更し、その添加量を0.03部に変更した以外は実施例1と同様にして、比較例2の熱収縮性フィルムを作製した。
[比較例3]
実施例1の記録層用塗布液のアクリルビーズを、アクリルビーズ(平均粒子径25μm、変動係数8%(MX2500:綜研化学社))に変更し、その添加量を0.06部に変更した以外は実施例1と同様にして、比較例3の熱収縮性フィルムを作製した。
[比較例4]
実施例1の記録層用塗布液のアクリルビーズを、アクリルビーズ(平均粒子径20μm、変動係数60%)に変更した以外は実施例1と同様にして、比較例4の熱収縮性フィルムを作製した。
[比較例5]
実施例1の記録層の厚みを8μmに変更した以外は実施例1と同様にして、比較例5の熱収縮性フィルムを作製した。
[比較例6]
実施例1の記録層の厚みを14μmに変更した以外は実施例1と同様にして、比較例6の熱収縮性フィルムを作製した。
2.評価
実施例、比較例の性能について以下の項目の評価を行なった。結果を表1に示す。
(1)透明性評価方法
熱収縮性フィルムの透明性については、試験片フィルムのシュリンク前後のヘーズ値を測定した。意匠性を検討するのに良好なヘーズ値を考慮して、ヘーズ値が7%未満のものを○、7%以上のものを×とした。ヘーズ値が7%付近で値がばらつくものを△とした。
(2)耐ブロッキング性評価方法
ブロッキング性については、シュリンク前の耐ブロッキング性とシュリンク後の耐ブロッキング性を評価した。シュリンク前の耐ブロッキング試験は、切り出したフィルム10×10cmを10枚重ね、2枚の同寸のガラス板にはさんで1kgの分銅をのせ、1週間放置、その後フィルム同士のブロッキングの有無をみた。ブロッキングしていないものを○とした。
シュリンク後のブロッキング性については、以下の方法で試験をし、ペットボトルと試験片とのブロッキングの有無をみた。
試験片フィルムの記録層を有する面に、インクジェットプリンタ(BJ F870:キヤノン社)を用いてインクジェット印刷を行なった。
次いで、実施例および比較例の熱収縮性フィルムを、記録層を有する面が内側となるように円筒形に巻いた後、500ミリリットルのペットボトルに被せ、80〜110℃、1分間加熱し、ペットボトルにシュリンク密着させた。
シュリンク後のブロッキング性評価は、ブロッキングによるまだら模様の発生、シュリンク後のブロッキングによる剥がれにくさ、および記録層塗膜のペットボトル表面への残留のいずれも発生しないものを○、そのいずれかがあったものを×とした。また、前記不都合のいずれかが発生したが、その程度は軽度で、実用に支障のないものを△とした。
Figure 0005247326
実施例1〜8の熱収縮性フィルムは、シュリンク前後の透明性は良好であった。また、通常のブロッキング試験結果も良好であった。シュリンク後のブロッキング試験結果は、ブロッキングによるまだら模様が発生することなくペットボトルを意匠性良く装飾することができた。次いで、前記熱収縮性フィルムを剥がしたところ、ブロッキングによる剥がれにくさ、および記録層塗膜のペットボトル表面への残留はなかった。また、実施例1〜8の熱収縮性フィルムの記録層の印字性能および画質は、そのいずれも良好であった。
実施例9の熱収縮性フィルムは、バインダーに対して顔料が少ないため、実施例1〜8の熱収縮性フィルムと比較するとシュリンク後にわずかに剥がしにくさがあった。しかし、実用には差し支えないものであった。
実施例10の熱収縮性フィルムは、バインダーに対して顔料が多いため、実施例1〜9の熱収縮性フィルムと比較すると、シュリンク後の透明性がわずかに劣っていた。しかし、実用には差し支えないものであった。
比較例1の熱収縮性フィルムは、添加した顔料の粒子径分布の変動係数が低すぎるので粒子径分布が狭いため、シュリンク後の耐ブロッキング性が不良であった。
比較例2の熱収縮性フィルムは、添加した顔料の平均粒子径が大きいため、シュリンク後の透明性にやや難があった。また、顔料の粒子径分布の変動係数が低すぎるのでシュリンク後の耐ブロッキング性が不良であった。
比較例3の熱収縮性フィルムは、比較例2のブロッキングを改良する方向で顔料を増量した。耐ブロッキング性は良好となったが、シュリンク前後の透明性が不良となった。
比較例4の熱収縮性フィルムは、添加した顔料の粒子径分布の変動係数が高すぎるため、記録層中に埋没する顔料粒子が多数あり、シュリンク後の耐ブロッキング性が不良であった。
比較例5の熱収縮性フィルムは、記録層厚みが薄すぎるので顔料の露出度が大きく、シュリンク前後の透明性は不良であった。
比較例6の熱収縮性フィルムは、添加した顔料の平均粒子径が記録層厚みの1.5倍未満であるので、比較的小さな粒子径の顔料が埋没し、シュリンク後の耐ブロッキング性が不良であった。
粒子径分布の変動係数が18%未満の顔料を用いたときの熱収縮性フィルムの断面図 粒子径分布の変動係数が40%を超える顔料を用いたときの熱収縮性フィルムの断面図 粒子径分布の変動係数が18%以上40%以下の顔料を用いたときの熱収縮性フィルムの断面図
符号の説明
1・・・熱収縮性基材フィルム
2・・・記録層
3・・・顔料
4・・・熱収縮性フィルム
5・・・ペットボトル

Claims (1)

  1. 熱収縮性基材フィルムの少なくとも一方の面に記録層を有する熱収縮性フィルムであって、前記記録層はバインダー樹脂と顔料を含み、前記顔料は、平均粒子径が前記記録層厚みの1.5倍以上2.3倍以下であり、かつ粒子径分布の変動係数が18%以上40%以下であり、前記記録層の厚みは、〜20μmであることを特徴とする熱収縮性フィルム。
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