JP2008224807A - Memsデバイス - Google Patents

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Abstract


【課題】共振特性の調整幅が比較的大きく、温度変化等による共振特性の変動を十分に抑えることが可能なMEMSデバイスを提供することを課題とする。
【解決手段】MEMSデバイス1は、上層基板2と下層基板3とを具備し、上層基板2は、可動電極28を有する揺動部2Aと、固定電極29を有する固定部2B、2Cとを有し、揺動部2Aは、固定電極29と可動電極28との間に交流電圧が印加されることによって揺動する。下層基板3は、揺動部2Aの所定範囲内での揺動を妨げないように揺動部2Aの下方に形成された凹部31を備え、凹部31を区画する揺動軸xと直交する方向の内側壁面32に、補助電極層4が形成されている。補助電極層4が形成される内側壁面32は、可動電極28と固定電極29とが略同一平面上に位置するとき、可動電極28に対する最短距離が凹部31を区画する内底壁面33との最短距離よりも短くされている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、交流電圧を印加することによって生じる静電力を利用して揺動する揺動部を備えたMEMSデバイスに関し、特に、揺動部の共振特性の調整が可能なMEMSデバイスに関する。
近年、レーザを用いたプリンタ、複写機、プロジェクタ等に使用されるレーザ光走査装置など各種装置の小型化が要請されている。かかる装置の小型化の要請により、レーザ光走査装置として、シリコンなどの半導体製造プロセス等における技術を応用して種々の機械要素の小型化を実現するMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて作製されるMEMSデバイス(例えば、特許文献1のMEMSミラースキャナ)が提案されている。
特許文献1に記載のMEMSミラースキャナには、シリコン基材にMEMS技術を用いて、サスペンションビームによって揺動可能に支持されたミラーや、該ミラーを揺動駆動するための交流電圧を印加する電極などが形成されている。かかるMEMSミラースキャナは、前記電極間に交流電圧を印加することによって生じる静電力によって、交流電圧の1/2の周波数でミラーが揺動するように構成されている。ミラーの揺動の振れ角(振幅)は、ミラーの揺動周波数(交流電圧の周波数の1/2の周波数)とミラーの振れ角との関係を表す共振特性によって定まるものである。特許文献1に記載のMEMSミラースキャナのようなMEMSデバイスにおいては、小さな駆動力でも大きな振れ角を得るため、一般的に、ミラーの振れ角が最も大きくなる周波数(共振周波数)近傍の周波数でミラーを揺動させている。
しかしながら、上記のようなシリコン基材で形成されたミラーは、温度変化等によってシリコン基材のヤング率が変化し、これに伴いミラーの共振特性が変動する。そのため、ミラーの揺動周波数を一定とした場合(電極間に印加する交流電圧の周波数を一定とした場合)には、温度変化等により、ミラーの振れ角が変動してしまうという問題がある。ミラーの振れ角が変動すれば、ミラーに向けて照射したレーザ光の反射光が走査される範囲が変動することになる結果、レーザプリンタ等の走査範囲が変動してしまうという問題が生じる。
このような走査範囲の変動の原因となる共振特性の変動を抑えることが可能なMEMSデバイスとして、特許文献2に記載の共振型光スキャナを挙げることができる。かかる共振型光スキャナは、基板と、基板の上方に配置され、その上面に光走査面が形成されたステージと、該ステージを揺動させる駆動部と、基板に配置されたチューニング電極とを備える。駆動部は、ステージの両側辺に形成された駆動くし形電極と、基板に固定された固定くし形電極とを具備する。この共振型光スキャナは、駆動くし形電極と固定くし形電極との間に交流電圧を印加することによって生じる静電力によって、ステージが揺動するように構成されている。かかる共振型光スキャナにおいては、駆動くし形電極とチューニング電極との間に印加する直流電圧を変化させることで、ステージの共振特性を調整することが可能とされている。よって、特許文献2に記載の共振型光スキャナは、ステージの共振特性が調整可能であるため、温度変化等により生じる共振特性の変動を抑えることができる。
特開2006−201520号公報 特開2005−128551号公報
しかしながら、特許文献2に記載の共振型光スキャナにおいては、ステージの揺動を妨げないようにするために、ステージと基板とを離隔する必要がある。このため、ステージに形成された駆動くし形電極と基板に配置されたチューニング電極とは、必然的に離隔されることになる。共振特性の調整幅は、駆動くし形電極とチューニング電極との距離に依存し、具体的には、駆動くし形電極とチューニング電極との距離を短くすればするほど大きくなる。前述のように、特許文献2に記載の共振型光スキャナにおいては、ステージの揺動を妨げないようにする必要があるために、駆動くし形電極とチューニング電極とを互いの距離が短くなるように配置することができない。また、ステージと基板との離隔距離は、ステージの振れ角が大きいほど長くする必要が有り、そのため、ステージの振れ角が大きい場合、駆動くし形電極とチューニング電極との距離がより一層長くなる。よって、特許文献2に記載の共振型光スキャナにおいては、共振特性の調整幅が小さく、また、ステージの振れ角が大きい場合は、共振特性の調整幅が一層小さくなるため、温度変化等により生じる共振特性の変動を十分に抑えられない場合がある。
本発明は、かかる従来技術の問題を解決するべくなされたものであり、共振特性の調整幅が比較的大きく、温度変化等による共振特性の変動を十分に抑えることが可能なMEMSデバイスを提供することを課題とする。
前記課題を解決するべく、本発明は、特許請求の範囲の請求項1に記載の如く、上層基板と下層基板とを具備し、前記上層基板は、前記下層基板に固定された固定部と、前記固定部に対して前記揺動軸周りに揺動する揺動部とを有し、前記揺動部は、揺動部材と、該揺動部材を前記揺動軸周りに揺動可能に支持する揺動軸部材とを有し、前記揺動軸部材は、前記揺動軸と直交方向の端部に形成された可動電極を有し、前記固定部は、前記可動電極と対向する固定電極を有し、前記揺動部は、前記可動電極と前記固定電極との間に交流電圧が印加されることによって、前記揺動軸周りに揺動し、前記下層基板は、前記揺動部の所定範囲内での揺動を妨げないように前記揺動部の下方に形成された凹部を備え、前記凹部を区画する前記揺動軸と直交する方向の内側壁面に、補助電極層が形成され、前記可動電極と前記固定電極とが略同一平面上に位置するとき、前記可動電極と前記内側壁面との最短距離が、前記可動電極と前記凹部を区画する内底壁面との最短距離よりも短いことを特徴とするMEMSデバイスを提供する。
本発明に係るMEMSデバイスの上層基板は、可動電極を有する揺動部と、固定電極を有する固定部とを有している。揺動部は、可動電極と固定電極との間に交流電圧が印加されることによって、揺動軸周りに揺動する。一方、下層基板は、揺動部の所定範囲内での揺動を妨げないように、揺動部の下方に形成された凹部を備えている。かかる凹部は、揺動軸と直交する方向の内側壁面と、揺動部から下方に離隔された内底壁面とで区画されている。内側壁面には、補助電極層が形成されている。本発明に係るMEMSデバイスは、可動電極と補助電極層との間に印加する直流電圧を変化させることにより、揺動部の共振特性の調整が可能とされている。本発明に係るMEMSデバイスにおいては、可動電極と固定電極とが略同一平面上に位置する(揺動部の振れ角が略0°の)とき、可動電極と内側壁面との最短距離が、可動電極と凹部を区画する内底壁面との最短距離よりも短くされている。揺動部の共振特性の調整幅は、可動電極と補助電極層との最短距離に依存し、具体的には、可動電極と補助電極層との最短距離を短くすればするほど大きくなる。前述のように、本発明に係るMEMSデバイスは、可動電極と固定電極とが略同一平面上に位置するとき、可動電極に対する最短距離が内底壁面に比べて短い内側壁面に補助電極層が形成されている。よって、本発明に係るMEMSデバイスは、揺動部から下方に離隔された内底壁面(特許文献2の基板に相当)に補助電極層が形成された特許文献2の構成に比べて、共振特性の調整幅が大きい。従って、本発明に係るMEMSデバイスによれば、温度変化等による共振特性の変動を十分に抑えることが可能である。
好ましくは、特許請求の範囲の請求項2に記載の如く、前記補助電極層が、前記内側壁面及び前記内底壁面に形成されている。
かかる好ましい構成においては、内底壁面にも補助電極層が形成されるので、揺動部の振れ角が大きくなって、可動電極が内側壁面から離れて、内底壁面に近づいた場合であっても、可動電極と補助電極層との最短距離が短い。従って、かかる好ましい構成によれば、揺動部の振れ角が略0°のときも、振れ角が大きくなったときも、可動電極と補助電極層との最短距離が短いため、共振特性の調整幅が大きい。従って、かかる好ましい構成によれば、共振特性の変動をより一層抑えることが可能である。
好ましくは、特許請求の範囲の請求項3に記載の如く、前記凹部は、下窄まり状に形成されている。
揺動部が揺動すると、可動電極は揺動部と共に揺動するため、揺動部の下方に形成される凹部が下窄まり状に形成されていることで、内側壁面が可動電極の揺動方向に沿った形状となる。よって、かかる好ましい構成によれば、可動電極が、固定電極と同一平面に位置している状態から揺動したときに、可動電極と補助電極層との最短距離が長くなることを抑えることができる。従って、揺動部の揺動によって、可動電極と補助電極層との最短距離が長くなることによって、共振特性の調整幅が小さくなることを抑えることができる。
また、特許請求の範囲の請求項4に記載の如く、本発明に係るMEMSデバイスは、前記上層基板を導電性材料で形成することができる。前記上層基板を導電性材料で形成する場合は、前記補助電極層は、前記内側壁面のうち上端部を除く部分に形成されている構成とすることができる。
上層基板を導電性材料で形成する場合、補助電極層を、内側壁面のうち上端部を除く部分に形成することで、補助電極層と、下層基板に固定される固定部が有する固定電極とのショートを防止することができる。
本発明によれば、共振特性の調整幅が比較的大きく、温度変化等による共振特性の変動を十分に抑えることが可能なMEMSデバイスを提供することが可能である。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明に係る一実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係るMEMSデバイス1の概略構成を示す分解斜視図である。図2はMEMSデバイス1の端面図であり、(a)は後述する可動電極28及び貫通孔20aを切断するようにMEMSデバイス1を切断した図1のA−A端面図を示し、(b)は(a)の部分拡大図を示す。なお、図1は、上層基板2と下層基板3とを分離した状態を示すが、実際には両者は図2に示すように積層されている。
図1及び図2に示すように、上層基板2は、シリコン材から形成されており、下層基板3に固定された固定部2B、2Cと、固定部2B、2Cに対して揺動軸(図1に示すX軸)周りに揺動する揺動部2Aとを有している。さらに、本実施形態においては、上層基板2は、揺動部2A及び固定部2B、2Cの他に、第1接着パッド24A、24Bと、第1ヒンジ25Aと、25B、第2接着パッド26Aと、26B、第2ヒンジ27A、27Bとを有している。
図1に示すように、揺動部2Aは、揺動部材21と、該揺動部材21を揺動軸周りに揺動可能に支持する揺動軸部材23A、23Bとを有している。揺動部材21の上面は、レーザ光等を反射させるためのアルミ膜が形成されている。一方、揺動軸部材23A、23Bは、揺動部材21の揺動軸方向両端部に形成された接続部22を介して揺動部材21を揺動軸周りに支持している。揺動軸部材23A、23Bは、揺動軸と直交(図1に示すY軸)方向の両端部に、可動電極28が形成されている。この可動電極28は、Y軸方向に延び、揺動軸方向に沿って複数形成されている。揺動軸部材23A、23Bの揺動軸方向端部(揺動部材21に接続されている側と反対側の端部)は、第1ヒンジ25A、25Bを介して、第1接着パッド24A、24Bにそれぞれ接続されている。この第1接着パッド24A、24Bは、下層基板3に固定されている。また、揺動軸部材23A、23Bには、揺動軸方向中間部に形成された貫通孔に第2接着パッド26A、26Bと第2ヒンジ27A、27Bとが配置されている。第2接着パッド26A、26Bは、下層基板3に固定されている。揺動軸部材23A、23Bは、第2ヒンジ27A、27Bを介して第2接着パッド26A、26Bにそれぞれ接続されている。
図1に示すように、本実施形態では、固定部2B、2Cは2つ設けられ、揺動部2AのY軸方向一方側に固定部2Bが、他方側に固定部2Cが配置されている。各固定部2B、2Cは、可動電極28と対向する固定電極29を有している。かかる固定電極29は、固定部2B、2Cの揺動軸と直交方向の揺動部2A側の端部に形成されている。固定電極29は、Y軸方向に延びており、揺動軸方向に沿って複数形成されている。固定電極29と可動電極28とは、揺動軸方向に沿って交互に配置されている。また、固定部2Bには、上下に貫通する貫通孔20a、20bが形成されている。
以上のような上層基板2が積層される下層基板3は、ガラス材などの絶縁材料から形成されている。図1及び図2に示すように、下層基板3には、揺動部2Aの揺動軸周りの所定範囲内での揺動を妨げないように、揺動部2Aの下方に凹部31が形成されている。凹部31は、下層基板3の揺動部2Aの下方部分が除去されて形成された空間領域である。このような空間領域で形成される凹部31は、図2に示すように、揺動軸(図2の紙面と直交する軸)と直交する方向の内側壁面32と、揺動部2Aから下方に離隔された内底壁面33とで区画されている。内側壁面32は、下層基板3に上層基板2が積層された状態において、固定部2Bに形成された貫通孔20a、20bの下方に上端部32aが位置するように形成されている。また、図2(b)に示すように、可動電極28と固定電極29とが略同一平面上に位置するとき、可動電極28と内側壁面32との最短距離aは、可動電極28と内底壁面33との最短距離bよりも短くされている。また、凹部31は、下窄まり状に形成されており、内側壁面32は、凹部31が下窄まり状となるために、傾斜が付けられている。図2(b)に示すように、内側壁面32は、上端部32aと上端部32aよりも下側の部分とで曲率半径が異なる2つの曲面で形成されている。なお、内側壁面32は、1つの曲面で形成されも、平面で形成されていてもよい。また、凹部31は、揺動部材21に対応する部分については、下層基板3を上下方向に貫通させて形成される空間領域で形成してもよい。
また、図1に示すように、下層基板3は、上層基板2と下層基板3とが積層された状態で第2接着パッド26A、26Bの裏面をそれぞれ固着するべく、凹部31内側に突出する固定用パッド34A、34Bを有している。さらに、上層基板2と下層基板3とが積層された状態においては、下層基板3の凹部31の外周部分35の上面には、第1接着パッド24A、24B及び固定部2B、2Cの裏面が固着される。
本実施形態に係るMEMSデバイス1は、上層基板2及び下層基板3の他に、補助電極層4を具備する。図1及び図2に示すように、補助電極層4は、内側壁面32及び内底壁面33に形成されている。補助電極層4は、固定電極29とのショートを防止するため、内側壁面32については、上端部32aを除く部分に形成されている。補助電極層4が形成されない上端部32aとは、内側壁面32の下層基板3の上面から0.1mm未満の部分とすることができる。これは、固定電極29と補助電極層4とを0.1mm以上離すと、固定電極29と補助電極層4との間でのショートが発生し難くなるためである。
図1に示すように、補助電極層4は、内側壁面32及び内底壁面33のサスペンションビーム23Aの下方の部分と、サスペンションビーム23Bの下方の部分とに形成され、揺動部材21の下方の部分には形成されていないが、揺動部材21の下方の部分にも形成してもよい。
図1に示すように、本実施形態に係るMEMSデバイス1は、さらに、電極パッド51〜54を有する。電極パッド51は、揺動部2Aの第1接着パッド24A、24Bに形成されている。なお、電極パッド51は、第1接着パッド24A、24Bのうちの何れか一方にのみ形成されてもよい。電極パッド52は、固定部2Bに形成され、電極パッド53は、固定部2Cに形成されている。電極パッド51〜53は、導線6を介して後述する交流電源及び直流電源に接続されている。よって、上層基板2Aの揺動部2Aに形成された可動電極28は、電極パッド51及び導線6を介して後述する交流電源及び直流電源に接続され、上層基板2Aの固定部2B、2Cに形成された固定電極29は、電極パッド52、53及び導線6を介して後述する交流電源及び直流電源に接続されている。
一方、電極パッド54は、図2(a)に示すように、下層基板3に上層基板2が積層された状態でにおいて、固定部2Bに形成された貫通孔20a、20bの下方に位置する下層基板3の外周部分35の上面に1つずつ形成されている。貫通孔20a、20bの下方に電極パッド54を形成することで、電極パッド54と固定部2Bに形成された固定電極29との導通が防止される。貫通孔20aの下方に形成される電極パッド54は、サスペンションビーム23Aの下方の部分に形成された補助電極層4と、貫通孔20bの下方に形成される電極パッド54は、サスペンションビーム23Bの下方の部分に形成された補助電極層4と導通している。電極パッド54と補助電極層4との導通方法は、アルミ等の導電性を有する材料で形成される導通部55を介して電極パッド54と補助電極層4とを接続することで行っている。この導通部55は、下層基板3に上層基板2が積層された状態において、貫通孔20a、20bの下方に位置する内側壁面32の上端部32aに形成されている。このような導通部55が貫通孔20a、20bの下方に形成されることで、導通部55と固定部2Bとが接触せず、補助電極層4と固定部2Bに形成された固定電極29とのショートが防止されている。電極パッド54は、導線6が接続され、かかる導線6は、貫通孔20a、20b内を通って、MEMSデバイス1の外部に導き出され、後述する直流電源に接続されている。よって、補助電極層4は、電極パッド54及び導線6を介して後述する直流電源に接続されている。
次に、以上の構成のMEMSデバイス1において、揺動部2Aの揺動における最大振れ角θを11.6°とする場合の上層基板2及び下層基板3の形状及び寸法の一具体例を示す。図2(b)に示すように、可動電極28と内側壁面32との最短距離aは0.2mm、可動電極28と内底壁面33との最短距離bは0.4mm、揺動軸(図2(b)の参照符号x)から可動電極28のY軸方向端部までの距離cは1.63mm、揺動軸xから固定部2Cまでの距離dは1.83mm、内側壁面32の上端部32aの高さeは1.0mm、内側壁面32の上端部32aより下側の部分32bの曲率半径fは0.40mm、可動電極28と補助電極層4とが最接近するときの揺動部2Aの振れ角θが11.6°、最接近することの可動電極28と補助電極層4との距離gは0.03mmとすることができる。
図3は、MEMSデバイス1の電気的構成を示す回路図である。図3では、説明を容易とするため、揺動部2Aと固定部2B、2Cが交流電源61及び直流電源62に直接接続されているように示すが、実際には、揺動部2Aは電極パッド51を介して、固定部2Bは電極パッド52を介して、固定部2Cは電極パッド53を介して、交流電源61及び直流電源62に接続されている。
図3に示すように、揺動部2Aは、交流電源61の一端側と直流電源62のマイナス側とに接続されている。固定部2B及び固定部2Cは、交流電源62の他端側に接続されている。また、補助電極層4は、電極パッド54を介して、直流電源62のプラス側に接続されている。このような電気的構成によって、可動電極28と固定電極29との間に交流電圧が印加可能とされ、可動電極28と補助電極層4との間に直流電圧が印加可能とされている。
可動電極28と固定電極29との間に交流電圧を印加すると、可動電極28と固定電極29との間に静電力が作用し、図2(a)の点線で示すように、揺動部2Aが第1接着パッド24A、24Bと第2接着パッド26A、26Bとを固定端とし、第1ヒンジ25A、25B、第2ヒンジ27A、27Bの弾性力に抗しながら揺動軸周りに揺動する。このときの揺動部2Aの揺動周波数は、交流電圧の1/2の周波数である。また、揺動の振れ角θ(可動電極28と固定電極29とが同一平面上に位置するときの揺動部2Aに対する揺動部2Aの傾き角)は、揺動部2Aの共振特性によって定まる。図4は、揺動部2Aの共振特性を示す図である。共振特性とは、図4に示すように、揺動部2Aの揺動周波数(交流電圧の周波数の1/2の周波数)と揺動部2Aの振れ角θとの関係である。例えば、図4に示す揺動周波数f0で揺動部2Aが揺動するときは、揺動の振れ角は、θ0となる。
一方、可動電極28と補助電極層4との間に印加する直流電圧を変化させると、前述の共振特性を調整することができる。具体的には、図4の一点鎖線で示すように、可動電極28と補助電極層4との間に印加する直流電圧を変化させることで、共振特性が周波数の高い方向または低い方向にシフトする。可動電極28と補助電極層4との間に印加する直流電圧を変化させて、揺動部2Aの振れ角θを測定した実験結果を図5に示す。なお、実験時に、可動電極28と固定電極29とに印加した交流電圧は、周波数が6010Hz、電圧が120±30Vである。
図5に示すように、可動電極28と補助電極層4との間に直流電圧を印加しない場合、150Vの直流電圧を印加した場合、180Vの直流電圧を印加した場合、200Vの直流電圧を印加した場合では、振れ角θは異なった。このように可動電極28と固定電極29とに印加する交流電圧の周波数及び電圧を変更しなくても、振れ角θが異なるのは、可動電極28と補助電極層4との間に印加する直流電圧を変化させることで、揺動部2Aの共振特性が変動するためである。よって、本実施形態に係るMEMSデバイス1は、可動電極28と補助電極層4との間に印加する直流電圧を変化させることで、温度変化等による揺動部2Aの共振特性の変動を抑えて、揺動部2Aの振れ角θの変動を抑えることができる。
本実施形態に係る直流電源62は、可動電極28と補助電極層4との間に印加する直流電圧を変更可能な可変型電源であり、直流電源62が印加する直流電圧は、図示しない制御部によって制御されている。制御部は、揺動部2A近傍の雰囲気温度を測定し、測定した雰囲気温度に対応する電圧値を出力する温度センサと、該温度センサから入力された電圧値を直流電源62が印加する直流電圧に変換する電圧値制御部とを備えている。電圧値制御部は、温度センサから入力された電圧値と直流電源62が印加する直流電圧との対応関係を記憶しており、当該対応関係に基づいて、温度センサから入力された電圧値を直流電源62が印加する直流電圧に変換する。このように揺動部2A近傍の雰囲気温度に応じて直流電源62が印加する直流電圧が調整されることで、揺動部2A近傍の雰囲気温度に応じて揺動部2Aの共振特性が調整される。
揺動部2Aの共振特性の調整幅は、可動電極28と補助電極層4との最短距離に依存し、具体的には、可動電極28と補助電極層4との最短距離を短くすればするほど大きくなる。本実施形態に係るMEMSデバイス1は、可動電極28と固定電極29とが略同一平面上に位置する(振れ角θが略0°の)とき、可動電極28に対する最短距離が内底壁面33に比べて短い内側壁面32に補助電極層4が形成されている。よって、内底壁面33に補助電極層4が形成された特許文献2の構成に比べて、共振特性の調整幅が大きい。従って、本実施形態に係るMEMSデバイス1によれば、温度変化等による共振特性の変動を十分に抑えることが可能である。このように、本実施形態に係るMEMSデバイス1は、温度変化等による共振特性の変動を十分に抑えることができるので、温度変化等による振れ角θの変動を十分に抑えることができる。従って、本実施形態に係るMEMSデバイス1を、プリンタ、複写機、プロジェクタ等のレーザ光走査装置として用いれば、温度変化等によってレーザ光の走査範囲が変動することを十分に抑えることができる。
また、本実施形態に係るMEMSデバイス1は、内底壁面33にも補助電極層4が形成されている。従って、図2(a)に示すように、揺動部2Aの振れ角θが大きくなって、可動電極28が内側壁面32から離れて、内底壁面33に近づいた場合であっても、可動電極28と補助電極層4との最短距離が短い。従って、かかる好ましい構成によれば、揺動部28の振れ角θが略0°のときも、振れ角θが大きくなったときも、可動電極28と補助電極層4との最短距離が短いため、内側壁面32にのみ補助電極層4を形成した場合に比べて共振特性の調整幅が大きい。
また、本実施形態に係るMEMSデバイス1は、内側壁面32に傾斜を付けて凹部31を下窄まり状に形成している。可動電極28は、揺動部2Aと共に揺動軸周りに揺動するため、凹部31が下窄まり状に形成されていると、内側壁面32が可動電極28の揺動方向に沿った形状となる。よって、可動電極28が内側壁面32に沿って揺動することになるため、揺動部2Aの揺動によって可動電極28と補助電極層4との最短距離が長くなることを抑えることができる。従って、本実施形態に係るMEMSデバイス1は、揺動部2Aの揺動によって、可動電極28と補助電極層4との最短距離が長くなり、共振特性の調整幅が小さくなることが抑えられている。
次に、本実施形態に係るMEMSデバイス1の製造方法の一具体例について説明する。本実施形態に係るMEMSデバイス1は、上層基板2と下層基板3とが別々に作製され、その後、上層基板2と下層基板3とが積層されて製造される。上層基板2は、エッチングや成膜など公知のMEMS技術をシリコン基材に適用することにより当業者であれば容易に作製することが可能な方法で作製される。一方、下層基板3は、ガラス材などの絶縁材料の基板にブラスト加工等を施して、凹部31及び接着パッド34A、34Bを形成することで作製される。このように作成された下層基板3には、内側壁面32の上端部32aを除く部分及び内底壁面33にアルミ蒸着等によってアルミ層からなる補助電極層4、電極パッド54及び導通部55が形成される。このように補助電極層4、電極パッド54及び導通部55が形成された下層基板3と上層基板2とを積層することで、本実施形態に係るMEMSデバイス1が完成する。
本実施形態において説明した補助電極層4は、内側壁面32にのみ形成されてもよい。内側壁面32は、可動電極28と固定電極29とが略同一平面上に位置するとき、可動電極28に対する最短距離が内底壁面33に比べて短いため、内底壁面33に補助電極層4が形成された構成に比べて、可動電極28と補助電極層4とに印加される直流電圧の変化量が同じであっても、共振特性の調整幅が大きくなるという効果を奏することができる。また、補助電極層4の材料は、アルミに限定されるものでなく、導電性を有する材料であれば限定されるものでない。
図1は本実施形態に係るMEMSデバイスの概略構成を示す分解斜視図である。 図2はMEMSデバイスの端面図であり、(a)は可動電極及び貫通孔を切断するようにMEMSデバイスを切断した図1のA−A端面図を示し、(b)は(a)の部分拡大図を示す。 図3はMEMSデバイスの電気的構成を示す回路図である。 図4は揺動部の共振特性を示す図である。 図5は可動電極と補助電極層との間に印加する直流電圧の大きさを変化させて、揺動部の振れ角を測定した実験結果を示す図である。
符号の説明
1…MEMSデバイス、2…上層基板、2A…揺動部、2B、2C…固定部、3…下層基板、28…可動電極、29…固定電極、3…下層基板、31…凹部、32…内側壁面、33…内底壁面、4…補助電極層

Claims (4)

  1. 上層基板と下層基板とを具備し、
    前記上層基板は、前記下層基板に固定された固定部と、前記固定部に対して揺動軸周りに揺動する揺動部とを有し、
    前記揺動部は、揺動部材と、該揺動部材を前記揺動軸周りに揺動可能に支持する揺動軸部材とを有し、
    前記揺動軸部材は、前記揺動軸と直交方向の端部に形成された可動電極を有し、
    前記固定部は、前記可動電極と対向する固定電極を有し、
    前記揺動部は、前記可動電極と前記固定電極との間に交流電圧が印加されることによって、前記揺動軸周りに揺動し、
    前記下層基板は、前記揺動部の所定範囲内での揺動を妨げないように前記揺動部の下方に形成された凹部を備え、
    前記凹部を区画する前記揺動軸と直交する方向の内側壁面に、補助電極層が形成され、
    前記可動電極と前記固定電極とが略同一平面上に位置するとき、前記可動電極と前記内側壁面との最短距離が、前記可動電極と前記凹部を区画する内底壁面との最短距離よりも短いことを特徴とするMEMSデバイス。
  2. 前記補助電極層が、前記内側壁面及び前記内底壁面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のMEMSデバイス。
  3. 前記凹部は、下窄まり状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のMEMSデバイス。
  4. 前記上層基板は、導電性材料で形成され、
    前記補助電極層は、前記内側壁面のうち上端部を除く部分に形成されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のMEMSデバイス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101993030A (zh) * 2009-08-10 2011-03-30 株式会社东芝 微可动器件及微可动器件的制造方法

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