JP2008222784A - 水性ポリウレタン分散体の製造法 - Google Patents
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Abstract
イソシアネート成分として、芳香族ポリイソシアネートを主成分とするにも拘らず、均質で高い安定性を有し、接着力、耐熱性に優れた水性ポリウレタン分散体の製造法を提供する。
【解決手段】
脂肪族ポリイソシアネートとポリヒドロキシ化合物を、残留イソシアネート基が添加したイソシアネート基の20〜80%になるまで反応させ、続いて芳香族ポリイソシアネート、必要に応じてポリヒドロキシ化合物を反応させて得られた自己乳化性末端NCOポリウレタンプレポリマーを、水中で乳化後鎖延長剤と反応させて水性ポリウレタン分散体を製造する。
【選択図】 なし
Description
プレポリマー溶液2〜5gを精秤し、トルエン10mlに溶解させる。この溶液に0.5規定のn−ジブチルアミンのトルエン溶液10mlを加え、15分間放置する。反応終了後、0.5規定の塩酸で逆滴定し、中和に要した塩酸の体積からイソシアネート基のモル数を求める。イソシアネート濃度は、以下の式で計算できる。
水性ポリウレタン分散体の平均粒子径は、マイクロトラックUPA150(日機装(株)製)を使用して粒径分布を測定し、体積平均粒径を求めた。
水性ポリウレタン分散体を50mm(幅)×150mm(長さ)×2mm(厚さ)の2枚のPVCシートに刷毛を用いて、1平方メートルあたり100g塗布した。60℃で5分間熱風乾燥機中にて乾燥させた後、ローラーで張り合わせた後、1インチの幅で打ち抜くことで試験片を調製した。張り合わせ1分後、1日後の剥離強度を引張り試験機によって、速度100mm/分の条件で測定した。
上記の試験片を1日間室温にて養生硬化させた。試験片に0.3kgの錘を吊して、70℃にて30分間熱風循環乾燥機に入れ、180度方向の耐熱クリープ試験を行った。剥離した距離(mm)、又は錘が落下した時間を測定した。
攪拌翼、加熱装置及び還流冷却器を備えた反応装置にポリブチレンアジペートジオール(ニッポラン4010(日本ポリウレタン製)、分子量2000、OH価55mgKOH/g)300部を加え、120℃に加熱し、60分間減圧下で脱水を行なった。80℃に冷却した後、2,2−ジメチロールプロピオン酸13.2部、メチルエチルケトン95.0部を加え、均一溶液になった後、イソホロンジイソシアネート25.4部を加えた。脂肪族ポリイソシアネートを添加した直後の溶液中のイソシアネート濃度は2.25%であり、上記混合物を80℃で2.5時間反応させた時点でのイソシアネート濃度は1.13%であった。すなわち、脂肪族イソシアネート基の残留率は50%であり、添加したイソシアネート基の50%が未反応であった。
攪拌翼、加熱装置及び還流冷却器を備えた反応装置にポリブチレンアジペートジオール(ニッポラン4010(日本ポリウレタン製)、分子量2000、OH価55mgKOH/g)300部を加え、120℃に加熱し、60分間減圧下で脱水を行なった。80℃に冷却した後、2,2−ジメチロールプロピオン酸13.3部、メチルエチルケトン96.0部を加え、均一溶液になった後、イソホロンジイソシアネート12.7部を加えた。脂肪族ポリイソシアネートを添加した直後の溶液中のイソシアネート濃度は1.18%であり、上記混合物を80℃で2.5時間反応させた時点でのイソシアネート濃度は0.65%であった。すなわち、脂肪族イソシアネート基の残留率は55%であり、添加したイソシアネート基の55%が未反応であった。
攪拌翼、加熱装置及び還流冷却器を備えた反応装置にポリブチレンアジペートジオール(ニッポラン4010(日本ポリウレタン製)、分子量2000、OH価55mgKOH/g)300部を加え、120℃に加熱し、60分間減圧下で脱水を行なった。80℃に冷却した後、2,2−ジメチロールプロピオン酸13.2部、メチルエチルケトン95.0部を加え、均一溶液になった後、ヘキサメチレンジイソシアネート9.7部を加えた。脂肪族ポリイソシアネートを添加した直後の溶液中のイソシアネート濃度は1.20%であり、上記混合物を80℃で2.5時間反応させた時点でのイソシアネート濃度は0.72%であった。すなわち、脂肪族イソシアネート基の残留率は60%であり、添加したイソシアネート基の60%が未反応であった。
攪拌翼、加熱装置及び還流冷却器を備えた反応装置にポリブチレンアジペートジオール(ニッポラン4010(日本ポリウレタン製)、分子量2000、OH価55mgKOH/g)300部を加え、120℃に加熱し、60分間減圧下で脱水を行なった。80℃に冷却した後、2,2−ジメチロールプロピオン酸13.3部、メチルエチルケトン96.0部を加え、均一溶液になった後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート71.5部を加え、3時間反応させ、プレポリマー溶液を得た。室温に戻した後、プレポリマー溶液375.0部にメチルエチルケトン125.0部を加え、濃度調整した後、トリエチルアミン7.8部を加え中和した。次に、撹拌しながら蒸留水466.0部を加え乳化、分散させ、続いて10%ピペラジン水溶液25.2部を添加し鎖延長させた。得られた乳化液を脱溶剤し、蒸留水で調整して固形分濃度40%の水性ポリウレタン分散体を得た。この水性ポリウレタン分散体の平均粒子径は2.0μmであった。水性ポリウレタン分散体をガラス容器に入れ、密栓して室温で1ヶ月静置し安定性を評価したところ、固形分の沈降が認められた。
攪拌翼、加熱装置及び還流冷却器を備えた反応装置にポリブチレンアジペートジオール(ニッポラン4010(日本ポリウレタン製)、分子量2000、OH価55mgKOH/g)300部を加え、120℃に加熱し、60分間減圧下で脱水を行なった。80℃に冷却した後、2,2−ジメチロールプロピオン酸14.2部、メチルエチルケトン101.0部を加え、均一溶液になった後、イソホロンジイソシアネート32.7部を加えた。脂肪族ポリイソシアネートを添加した直後の溶液中のイソシアネート濃度は2.85%であり、上記混合物を80℃で2.5時間反応させた時点でのイソシアネート濃度は1.54%であった。すなわち、脂肪族イソシアネート基の残留率は54%であり、添加したイソシアネート基の54%が未反応であった。
攪拌翼、加熱装置及び還流冷却器を備えた反応装置にポリブチレンアジペートジオール(ニッポラン4010(日本ポリウレタン製)、分子量2000、OH価55mgKOH/g)300部を加え、120℃に加熱し、60分間減圧下で脱水を行なった。80℃に冷却した後、2,2−ジメチロールプロピオン酸13.6部、メチルエチルケトン96.0部を加え、均一溶液になった後、イソホロンジイソシアネート2.8部を加えた。脂肪族ポリイソシアネートを添加した直後の溶液中のイソシアネート濃度は0.266%であり、上記混合物を80℃で2時間反応させた時点でのイソシアネート濃度は0.160%であった。すなわち、脂肪族イソシアネート基の残留率は60%であり、添加したイソシアネート基の60%が未反応であった。続いて、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート70.1部を加え、さらに3時間反応させ、プレポリマー溶液を得た。室温に戻した後、プレポリマー溶液375.0部にメチルエチルケトン125.0部を加え、濃度調整した後、トリエチルアミン7.9部を加え中和した。次に、撹拌しながら蒸留水部を加え乳化、分散させ、続いて10%ピペラジン水溶液28.1部を添加し鎖延長させた。得られた乳化液を脱溶剤し、蒸留水で調整して固形分濃度40%の水性ポリウレタン分散体を得た。この水性ポリウレタン分散体の平均粒子径は0.15μmであった。水性ポリウレタン分散体をガラス容器に入れ、密栓して室温で1か月静置し安定性を評価したところ、固形分の沈降が認められた。
攪拌翼、加熱装置及び還流冷却器を備えた反応装置にポリブチレンアジペートジオール(ニッポラン4010(日本ポリウレタン製)、分子量2000、OH価55mgKOH/g)300部を加え、120℃に加熱し、60分間減圧下で脱水を行なった。80℃に冷却した後、2,2−ジメチロールプロピオン酸13.3部、メチルエチルケトン96.0部を加え、均一溶液になった後、イソホロンジイソシアネート12.7部及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート57.3部を加え、6時間反応させた。室温に戻した後、プレポリマー溶液375.0部にメチルエチルケトン125.0部を加え、濃度調整した後、トリエチルアミン7.9部を加え中和した。次に、撹拌しながら蒸留水466.0部を加え乳化、分散させ、続いて10%ピペラジン水溶液25.6部を添加し鎖延長させた。得られた乳化液を脱溶剤し、蒸留水で調整して固形分濃度40%の水性ポリウレタン分散体を得た。この水性ポリウレタン分散体の平均粒子径は1.5μmであった。水性ポリウレタン分散体をガラス容器に入れ、密栓して室温で1か月静置し安定性を評価したところ、固形分の沈降が認められた。
Claims (7)
- (1)脂肪族ポリイソシアネートとポリヒドロキシ化合物を、残留イソアネート基が添加したイシシアネート基の20〜80%になるまで反応させ、続いて芳香族ポリイソシアネートを反応させて自己乳化性末端NCOポリウレタンプレポリマーを得、(2)当該自己乳化性末端NCOポリウレタンプレポリマーを水中で乳化した後、鎖延長剤と反応させることを特徴とする水性ポリウレタン分散体の製造法。
- (1)脂肪族ポリイソシアネートとポリヒドロキシ化合物を、残留イソアネート基が添加したイシシアネート基の20〜80%になるまで反応させ、続いて芳香族ポリイソシアネート及びポリヒドロキシ化合物を反応させて自己乳化性末端NCOポリウレタンプレポリマーを得、(2)当該自己乳化性末端NCOポリウレタンプレポリマーを水中で乳化した後、鎖延長剤と反応させることを特徴とする水性ポリウレタン分散体の製造法。
- 芳香族ポリイソシアネート由来のイソシアネート基と脂肪族ポリイソシアネート由来のイソシアネート基のモル比が1〜20であり、かつイソシアネート基の合計とポリヒドロキシ化合物由来の水酸基の合計のモル比が1.05〜1.4であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水性ポリウレタン分散体の製造法。
- 芳香族ポリイソシアネートが、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の水性ポリウレタン分散体の製造法。
- 水性ポリウレタン分散体の平均粒子径が0.02〜0.5μmであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の水性ポリウレタン分散体の製造法。
- 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の製造法により得られた水性ポリウレタン分散体。
- 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の製造法により得られた水性ポリウレタン分散体を主成分とする水性接着剤。
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