JP2008222553A - ベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステル及びその製造方法 - Google Patents

ベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステル及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡便かつ経済的な、高純度で黄変度が充分に低減されたベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルの製造方法の提供。
【解決手段】ベンゾトリアゾール基含有カルボン酸と水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとを反応させ下記一般式(3);
Figure 2008222553

(一般式(3)中、Rは、水素原子、炭素数が1〜4個のアルキル基などを表す。Rは、水素原子又は炭素数1〜8個のアルキル基を表す。Rは、水素原子又はメチル基を表す。Xは、炭素数1〜8個のアルキレン基などを表す。Yは、炭素数2〜8個のアルキレン基などを表す。)で表されるベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステル及びその製造方法に関する。より詳しくは、紫外線吸収性が高く、医療用材料や光学材料、透明フィルム、成形材料、コーティング材等の樹脂に対する相溶性も良好な高分子紫外線吸収剤の合成原料として有用な、新規なベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステル及びその製造方法に関する。
紫外線吸収剤の中でもベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、比較的広範囲の紫外線吸収波長域を有していること、及び、その耐久性の高さから、高機能紫外線吸収剤として多くの商業製品に使用されている。一方、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は一般に低分子量であるため、高分子材料の加工中、あるいは高温下での使用時における揮散、蒸散によって紫外線吸収能が低下したり、相溶性不足によりフィルムからブリードアウトして透明性が低下するといった問題がある。これらの欠点を解消しようとする試みとして、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤に重合性基を導入し、単独重合若しくは共重合を行って、高分子量化する手法が注目されている。重合性基を導入したベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルが一般的であり、その効率的な製造方法が求められている。
ベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルの製造方法としては、クロロプロピオン酸クロライドとベンゾトリアゾール基含有アルコールによる製造方法(例えば、特許文献1参照。)が開示されている。しかしながら、純度の高い目的物を得るためには該ベンゾトリアゾール基含有アルコールにおける反応させるべきヒドロキシル基と反応させるべきでないヒドロキシル基(フェノール性ヒドロキシル基)との反応性の差をコントロールする必要があり、またクロロプロピオン酸クロライドが入手困難かつ高価であり、酸クロライドが副反応を起こして不純物を生成するおそれがあることから、より簡便かつ経済的に高純度で目的物を製造する方法が望まれるところであった。
また特定のベンゾトリアゾール基含有カルボン酸とヒドロキシエチルメタクリレートに塩化チオニルを用いた製造方法(例えば、特許文献2参照。)等が開示されている。しかしながら、このような製造方法は反応工程数が多く、合成操作が煩雑となること、酸クロライドを用いるために不純物が生成し、黄変度が高くなるおそれがあることから、より簡便で高純度の目的物が得られる製造方法とするための工夫の余地があった。
更に、特定の化学式で表される水酸基含有化合物と特定の化学式で表されるカルボン酸とを反応させる紫外線吸収化合物の製造方法(例えば、特許文献3参照。)等が開示されている。しかしながら、このような製造方法は、高純度の目的物を得るために該水酸基含有化合物における反応させるべきヒドロキシル基と反応させるべきでないヒドロキシル基(フェノール性ヒドロキシル基)との反応性の差をコントロールする必要があることから、このような制限がなく簡便に高純度の目的物を得ることができる製造方法が望まれていた。
特開昭60−51181号公報(第1、2、7、12−14頁) 特開平11−049824号公報(第2−4頁) 特開2006−282522号公報(第2、3頁)
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、特定のベンゾトリアゾール基含有カルボン酸と特定の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとを反応させることにより、簡便かつ経済的な、高純度で黄変度が充分に低減されたベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルの製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、ベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルの製造方法に関し、エステル化反応によりベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法にまず着目した。ここで、上記ベンゾトリアゾール基含有カルボン酸を下記一般式(1);
Figure 2008222553
(一般式(1)中、Rは、水素原子、炭素数が1〜4個のアルキル基、炭素数1〜4個のアルコキシル基又はハロゲン原子を表す。Rは、水素原子又は炭素数1〜8個のアルキル基を表す。Xは、炭素数1〜8個のアルキレン基、又は、オキシアルキレン基の炭素数が1〜6個であるポリオキシアルキレン基を表す。)で表される化合物を必須とするものとし、該水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルは、下記一般式(2);
Figure 2008222553
(一般式(2)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Yは、炭素数2〜8個のアルキレン基、又は、オキシアルキレン基の炭素数が1〜6個であるポリオキシアルキレン基を表す。)で表される化合物を必須とするものとし、該ベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルは、下記一般式(3);
Figure 2008222553
(一般式(3)中、Rは、水素原子、炭素数が1〜4個のアルキル基、炭素数1〜4個のアルコキシル基又はハロゲン原子を表す。Rは、水素原子又は炭素数1〜8個のアルキル基を表す。Rは、水素原子又はメチル基を表す。Xは、炭素数1〜8個のアルキレン基、又は、オキシアルキレン基の炭素数が1〜6個であるポリオキシアルキレン基を表す。Yは、炭素数2〜8個のアルキレン基、又は、オキシアルキレン基の炭素数が1〜6個であるポリオキシアルキレン基を表す。)で表される化合物を必須とすると、簡便かつ経済的な高純度のベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルの製造方法となることを見いだした。また、上記反応工程が、酸触媒存在下又は脱水縮合剤存在下で行われるものとすると、より簡便かつ経済的に高純度のベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルを製造することができる本発明の効果を発揮することを見いだした。更に、本発明を上記一般式(3)で表されるベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルであって、該ベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルは、黄変度が6.0以下であるベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルとすると、高純度のベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルとなり、可視光の透過率が高く、各種光学フィルム、光学レンズに好適なものとなることを見いだした。そして、該ベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルが上記製造方法により得られるものとすると、ベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルを各種用途により好適なものとすることができることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、エステル化反応によりベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法であって、上記製造方法は、ベンゾトリアゾール基含有カルボン酸と水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとを反応させる工程を含み、上記ベンゾトリアゾール基含有カルボン酸は、上記一般式(1)で表される化合物を必須とするものであり、上記水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルは、上記一般式(2)で表される化合物を必須とするものであり、上記ベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルは、上記一般式(3)で表される化合物を必須とするベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルの製造方法である。
また、本発明は、上記一般式(3)で表されるベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルであって、上記ベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルは、黄変度が6.0以下であるベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルでもある。
以下に、本発明を詳述する。
本発明のベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルの製造方法は、エステル化反応によりベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法である。該製造方法は、ベンゾトリアゾール基含有カルボン酸と水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとを反応させる工程を含み、上記ベンゾトリアゾール基含有カルボン酸は、上記一般式(1)で表される化合物を必須とするものであり、上記水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルは、上記一般式(2)で表される化合物を必須とするものであり、上記ベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルは、上記一般式(3)で表される化合物を必須とするものである。
このような製造方法とすることにより、ベンゾトリアゾール基含有化合物(ベンゾトリアゾール基含有カルボン酸)中に反応させるべきヒドロキシル基と反応させるべきでないヒドロキシル基が併存することなく、これらのヒドロキシル基の反応性の差をコントロールする等の必要がないことから、簡便にベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルを製造することが可能となる。また、上記のようにベンゾトリアゾール基含有化合物(ベンゾトリアゾール基含有カルボン酸)中に反応させるべきヒドロキシル基と反応させるべきでないヒドロキシル基が併存していないこと、穏やかな反応による製造方法であることにより、副反応を抑えることができ、高純度の目的物を得ることが可能となる。
上記一般式(1)中、Rは、水素原子、炭素数が1〜4個のアルキル基、炭素数1〜4個のアルコキシル基又はハロゲン原子を表す。上記炭素数が1〜4個のアルキル基は、特に限定はされないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基またはt−ブチル基等が挙げられ、上記炭素数1〜4個のアルコキシル基は、特に限定はされないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基またはt−ブトキシ基等が挙げられる。ハロゲン原子は、好ましくは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。
上記Rとしては、水素原子又は塩素原子であることが特に好ましい。中でも、水素原子であることが更に好ましい。
上記Rは、水素原子又は炭素数1〜8個のアルキル基を表す。上記アルキル基は、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、第三アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基又は1,1,3,3−テトラメチルブチル基等が挙げられる。上記Rは、目的用途に合わせた紫外線吸収波長領域とするため、適宜設定することができるが、例えば、好ましくは水素原子又はt−ブチル基である。より好ましくはt−ブチル基である。
上記Xは、炭素数1〜8個のアルキレン基又は炭素数1〜6個のポリオキシアルキレン基を表す。
上記炭素数1〜8個のアルキレン基は、特に限定されないが、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ブチレン基、2−エチルブチレン基、2−エチルへキシレン基、1,1,3,3−テトラメチルブチレン基、メトキシエチレン基等が挙げられる。上記炭素数1〜6個のポリオキシアルキレン基は、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基等が挙げられる。
上記Xは、好ましくはアルキレン基であり、より好ましくは、エチレン基である。
上記一般式(2)中、Rは、水素原子若しくはメチル基を表す。
上記Yは、炭素数2〜8個のアルキレン基、又は、オキシアルキレン基の炭素数が1〜6個であるポリオキシアルキレン基を表す。上記Yにおける上記炭素数2〜8個のアルキレン基は、特に限定されないが、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ブチレン基、2−エチルブチレン基、2−エチルへキシレン基、1,1,3,3−テトラメチルブチレン基、メトキシエチレン基等が挙げられる。
上記Yにおけるオキシアルキレン基の炭素数が1〜6個であるポリオキシアルキレン基は、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基等が挙げられる。
ここで、上記Yにおけるオキシアルキレン基の炭素数が1〜6個であるポリオキシアルキレン基は、末端構造がアルキレン基の構造を有することになる。例えば、上記Yが平均付加モル数nのポリオキシエチレン基(nは、2以上の整数)である場合、上記一般式(2)は、下記一般式(4)のようになる。
Figure 2008222553
上記一般式(3)中、Rは、水素原子、炭素数が1〜4個のアルキル基、炭素数1〜4個のアルコキシル基又はハロゲン原子を表す。Rは、水素原子又は炭素数1〜8個のアルキル基を表す。Rは、水素原子又はメチル基を表す。Xは、炭素数1〜8個のアルキレン基、又は、オキシアルキレン基の炭素数が1〜6個であるポリオキシアルキレン基を表す。Yは、炭素数2〜8個のアルキレン基、又は、オキシアルキレン基の炭素数が1〜6個であるポリオキシアルキレン基を表す。
上記一般式(3)におけるR、R及びXは、それぞれ上記一般式(1)におけるR、R、Xと同様のものであり、上記一般式(3)におけるR及びYは、それぞれ上記一般式(2)におけるR及びYと同様のものである。
上記ベンゾトリアゾール基含有カルボン酸と水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとをエステル化する反応において、ベンゾトリアゾール基含有カルボン酸と水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルの反応モル比としては、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル/ベンゾトリアゾール基含有カルボン酸のモル比が5/1〜1/5が好ましく、4/1〜1/4が更に好ましく、3/1〜1が特に好ましい。上記モル比の範囲が、収率の点及び経済性の点で好ましい。
本発明のベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルの製造方法における上記反応工程は、酸触媒存在下又は脱水縮合剤存在下で行われることが好ましい。
すなわち、本発明のベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルの製造方法は、(I)ベンゾトリアゾール基含有カルボン酸と水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとを酸触媒存在下で反応させる製造方法、又は、(II)ベンゾトリアゾール基含有カルボン酸と水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとを脱水縮合剤存在下で反応させる製造方法が好ましい。中でも、上記反応工程が酸触媒存在下で行われることがより好ましい。
以下、各製法について説明する。
(I)上記反応工程が酸触媒存在下で行われる製造方法では、酸触媒の存在下に反応を行うことになる。
上記酸触媒としては、エステル化反応で一般的に用いられる物であれば特に限定されないが、通常、一般的に市販されている化合物を使用することができる。具体的には、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ホウ酸等の鉱酸及びその部分中和塩;タングステン酸、モリブデン酸、タングストケイ酸、モリブドケイ酸、タングストリン酸、モリブドリン酸等のヘテロポリ酸及びその部分中和塩;メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸;フッ化ホウ素、塩化ホウ素、塩化アルミニウム、二塩化スズ、四塩化スズ等のルイス酸及びその錯塩;スルホン酸基及びアルキルスルホン酸基の少なくとも一種のイオン交換基を有する酸性イオン交換樹脂;モルデナイト型、X型、Y型、β型、ZSM−5型等の酸性ゼオライト等が挙げられる。中でも、有機スルホン酸が好ましく、p−トルエンスルホン酸が特に好ましい。これらの酸触媒は、単独でも2種類以上を併用してもよい。
上記酸触媒の使用量は、特に限定されるものではないが、具体的には、ベンゾトリアゾール基含有カルボン酸100モル%に対して0.001モル%以上が好ましく、0.005モル%以上が更に好ましく、0.01モル%以上が特に好ましく、0.02モル%以上が最も好ましい。また、30モル%以下が好ましく、25モル%以下が更に好ましく、20モル%以下が特に好ましく、15モル%以下が最も好ましい。
上記酸触媒の存在下に反応を行うとき、反応により生成する水(以下、生成水ともいう。)を反応系外へ除去することが好ましい。
上記生成水の除去方法としては、例えば、減圧下で反応を行う方法、共沸溶媒を用いて反応を行う方法、乾燥剤の存在下で反応を行う方法等が挙げられる。中でも、減圧下で反応を行う方法、共沸溶媒を用いて反応を行う方法が好ましい。これらの方法は、いずれか1つの方法を用いてもよく、2つ以上の方法を併用しても良い。
上記共沸溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に限定されず、具体的には、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等を挙げることができる。これらの共沸溶媒は、単独でも2種類以上を併用してもよい。
上記共沸溶媒の使用量は、特に限定されるものではなく、具体的には、ベンゾトリアゾール基含有カルボン酸と水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルの合計質量100質量%に対して、300質量%以下が好ましく、200質量%以下が更に好ましく、150質量%以下が特に好ましい。
上記(I)の反応における温度は、特に限定されるものではないが、0℃以上が好ましく、20℃以上がより好ましく、40℃以上が更に好ましい。また、150℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましく、85℃以下が更に好ましく、75℃以下が特に好ましい。
本発明のベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルの製造方法においては、反応温度が上記上限温度を超えると、不純物が生成して反応収率が低下するおそれがある。
また、反応工程における最高温度を70〜75℃とすることが特に好ましい。
このように反応温度を調整することにより、不純物の生成を充分に抑制して高い反応収率を得ることが可能になる。このような温度範囲に設定することにより不純物の生成を充分に抑制することができる理由としては、ベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルの製造においては原料分子中に水酸基やカルボキシル基等の反応性官能基が多く、反応温度に影響を受けやすいためであると推察される。
上記(I)の反応における圧力は、特に限定されるものではなく、常圧、加圧及び減圧のいずれであってもよい。減圧下で反応を行うことが好ましく、これにより共沸溶媒の沸点を下げることで、反応温度を下げることができ、副反応を抑え、収率を上げることができる。また、反応時間は、上記反応が完結するように、適宜設定すればよい。
上記反応収率は、例えばLC測定によって測定することができる。
LC測定は、UV−Vis検出器及びカラムを備えた装置を用いて行うものであれば特に限定されないが、例えば、送液ポンプ、オートサンプラ、デガッサ、カラムオーブン及びUV−Vis検出器を備えた装置を好ましく用いることができる。展開溶剤としては、種々の有機溶剤、水等を用いることができるが、例えばアセトニトリルと水との混合溶液が好ましく、アセトニトリル/水=75/25体積%となるものが特に好ましい。
流量は、特に限定されないが、0.5〜2mL/分が好ましい。
打ち込み量は、特に限定されないが、0.5〜2μLが好ましい。
(II)上記反応工程が脱水縮合剤存在下で行われる製造方法では、脱水縮合剤の存在下に反応を行うことになる。
上記脱水縮合剤としては、エステル化反応で一般的に用いられる物であれば特に限定されないが、通常、一般的に市販されている化合物を使用することができる。具体的には、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1,3−ジイソプロピルカルボジイミド、1,3−ジ−(2−ブチル)カルボジイミド、1−t−ブチル−3−エチルカルボジイミド、1−(2−ブチル)−3−エチルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド等が例示される。これらのうち、コスト的、工業的な製造を考慮すると1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミドが特に好ましい。
上記脱水縮合剤の使用量は、特に限定されるものではないが、具体的には、ベンゾトリアゾール基含有カルボン酸に対して0.5倍モル以上が好ましく、1.0倍モル以上が更に好ましい。また、3倍モル以下が好ましく、2.5倍モル以下がより好ましく、1.5倍モル以下が更に好ましい。
上記(II)の反応に使用する溶媒は、不活性でかつ反応物を溶解するものであれば特に制限はないが、通常、一般的に市販されているものを使用することができる。具体的には、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類;クロロベンゼン、フルオロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;ニトロベンゼン、ベンゾニトリル等の含窒素置換基を有する芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のアルキルニトリル類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類等が例示される。中でも、ハロゲン化脂肪族炭化水素類が好ましく、ジクロロメタンがより好ましい。
溶媒の使用量は、特に限定されるものではないが、具体的には、ベンゾトリアゾール基含有カルボン酸の質量100質量%に対して0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上が更に好ましい。また、200質量%以下が好ましく、150質量%以下が更に好ましい。
上記(II)の反応における温度は、特に限定されるものではないが、−40℃以上が好ましく、−20℃以上が更に好ましい。また、150℃以下が好ましく、100℃以下が更に好ましい。
反応圧力は、特に限定されるものではなく、常圧、加圧及び減圧の何れであってもよい。また、反応時間は、上記反応が完結するように、適宜設定すればよい。
上記(II)の反応では、反応方式には特に制限はなく、回転式あるいは連続式の反応器を用いることができる。
反応試剤の投入方法としても特に制限されないが、好ましい態様としては、ベンゾトリアゾール基含有カルボン酸、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル及び溶媒を混合し、所定の反応温度に保持したところへ、脱水縮合剤を添加する方法が挙げられる。
また必要に応じて、上記(II)の反応では、添加剤、例えばカルボジイミド系縮合剤の副反応を抑制するための添加剤を任意の量を共存させることが出来る。添加剤としては例えばN,N−ジメチルアミノピリジン、ピリジン、トリエチルアミン等の塩基が挙げられる。それらは一般に反応速度を促進しN−アシル尿素類の副生を抑制する効果がある。
上記の添加剤の使用量としては、ベンゾトリアゾール基含有カルボン酸に対して0.5倍モル以上が好ましく、0.8倍モル以上が更に好ましい。添加剤の使用量の上限としては、1.5倍モル以下が好ましく、1.2倍モル以下が更に好ましい。
本発明の製造方法において、重合禁止剤を添加して上記反応工程を行うことが好ましい。
上記重合禁止剤としては、下記の化合物が好適である。
ヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール等のキノン系重合禁止剤;2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6―ジ―tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール等のアルキルフェノール系重合禁止剤;アルキル化ジフェニルアミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,4−ジヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ヒドロキシ−4−ベンゾイリオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等のアミン系重合禁止剤;2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル等のN−オキシル系重合禁止剤。これらの中でも、ヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール、フェノチアジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルが特に好ましい。
上記重合禁止剤の使用量(添加量)は、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル100質量%に対して0.0005質量%以上が好ましく、0.001質量%以上が更に好ましく、0.005質量%以上が特に好ましい。また、5質量%以下が好ましく、3質量%以下が更に好ましく、1質量%以下が特に好ましい。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のベンゾトリアゾール含有(メタ)アクリル酸エステルの製造方法は、反応溶液を精製する工程を含むことが好ましい。上記精製手段は特に限定されるものではないが、ろ過、抽出分離、洗浄、カラム分離、蒸留精製、再結晶(再晶析)等の方法が挙げられる。これらの方法は組み合わせて実施してもよい。これらの内、再結晶(再晶析)が特に好ましい。なお、再結晶(再晶析)の際にも、再結晶溶媒(再晶析溶媒)、若しくは洗浄溶媒に充分に溶解性のある、重合禁止剤を添加しておくのが好ましい。
本発明の製造方法により得られた一般式(3)で表される化合物を必須とするベンゾトリアゾール含有(メタ)アクリル酸エステルの純度は、95質量%以上が好ましく、97質量%以上が更に好ましく、98質量%以上が特に好ましく、99質量%以上が最も好ましい。
黄変度(YI値)は、6.0以下が好ましく、5.5以下が更に好ましく、5.0以下が特に好ましい。
ベンゾトリアゾール含有(メタ)アクリル酸エステルは、不純物を含むことにより黄変し、黄変度が生じることになる。
これにより、本発明の製造方法により得られるベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルは、高純度のものとなり、可視光の透過率が高く、各種用途に好適なものとなる。
上記ベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルの黄変度は、分光式色差計を用いて測定することができる。
上記分光式色差計としては、日本電色工業製SZ−Σ90若しくはそれと同等以上の装置を用いることができる。
上記測定に用いるサンプルは、測定試料(ベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステル)約1.00gを精秤し、ジクロロメタンで10mLにメスアップして溶解させてサンプルを調製することができる。
測定時は、横幅36mm、縦幅10mm、高さ45mmの石英セルを用いて測定することができる。
本発明はまた、上記一般式(3)で表されるベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルであって、上記ベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルは、黄変度が6.0以下であるベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルでもある。
本発明の上記一般式(3)で表されるベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルは、黄変度が6.0以下である限り、どのような製造方法により得られるものであってもよく、このようなベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルは、高純度のものとなり、可視光の透過率が高く、各種光学フィルム、光学レンズに好適なものとなる。
上記黄変度は、5.0以下であることがより好ましい。
上記黄変度は、上述したのと同様の方法で測定することができる。
本発明のベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルは、本発明の製造方法により得られることが好ましい。
上記製造方法により得られるものとすることにより、高純度の目的物が得られるため、黄変度を6.0以下とすることができる。これにより、可視光の透過率がより高いものとなり、重合体を製造した際に種々の用途に更に好適に適用することができる。
本発明のベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体及び共重合体は、例えばプラスチック又はその他の有機材料等に配合することで、自然又は人工的の何れかの源泉からの紫外線にさらされる環境においてプラスチック又はその他の有機材料等の紫外線劣化を防止できることから、幅広い用途に用いることができる。例えば、眼内レンズ及びコンタクトレンズにおける医学的な用途、太陽エネルギー収集器や屋外パネルに使用される各種材料、重合体コーティング、透明プラスチックフィルム(農業フィルム、包装材料用フィルム、液晶ディスプレイパネルやプラズマディスプレイパネル等のフラットディスプレイに使用される各種フィルム等)、拡散板・フレネルレンズシート・レンチキュラーレンズシート等の光学シート、蛍光散乱器、ビニル窓被覆、自動車塗料、インキ及びインテリヤ被覆、エポキシ類、ガラス繊維構造物等のような多くの工業的用途において有用である。
本発明のベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルの製造方法は、上述の構成よりなるので、簡便かつ経済的に、高純度で黄変度が充分に低減されたベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルを製造することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
以下の実施例及び比較例における反応は、酸素濃度が7%である混合ガスを使用した。
7%混合ガスの使用法
ガスの流量:15ml/min
ガスの流し始め:全原料投入後の昇温直前に流し始めた。
ガス導入管の設置位置:ボトムの底(液中)
LC測定は、以下の装置、条件により行った。
(装置)
送液ポンプ:LC−20AD
オートサンプラ:SIL−20A
デガッサ:DGU−20A
カラムオーブン:CTO−20A(設定温度40℃)
UV−Vis検出器:SPD−20A(検出波長:220nm)(以上、株式会社島津製作所製)
カラム:CAPECELL PAK C18 AQ S−5μm(株式会社資生堂製)
(条件)
展開溶剤:アセトニトリル/水=75/25体積%
流量:1mL/分
打ち込み量:1μL
黄変度(YI値)測定は、以下の方法により行った。
分光式色差計(日本電色工業製、SZ−Σ90)を用いて測定した。サンプルは、測定試料(実施例又は比較例で得られたベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステル)約1.00gを精秤し、ジクロロメタンで10mLにメスアップして溶解させて調製した。
測定は、横幅36mm、縦幅10mm、高さ45mmの石英セルを用いて行った。
実施例1
(2−[2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−2−(2−メタクリロイルオキシエトキシカルボニル)エチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールの合成)
攪拌装置、温度計、コンデンサー、Dean−Stark型油水分離器、空気と窒素の混合ガス導入管を備えたフラスコに、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−カルボキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール50g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル38.4g、p−トルエンスルホン酸・1水和物2.10g、トルエン72.3g及びメトキシヒドロキノン155mgを入れて攪拌し、昇温した。反応によって生成する水を共沸により留去し、反応溶液の温度が68〜70℃になるように減圧下(200〜140Torr)で6時間かけて脱水エステル化反応を行った。反応終了後にLC測定を行ったところ反応収率92%であった。続いて反応溶液にトルエン50gを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層をイオン交換水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過後、溶媒を除去した後に、メタノール/トルエンより再晶析を行い、目的物である2−[2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−2−(2−メタクリロイルオキシエトキシカルボニル)エチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールを純度99%、黄変度(YI値)4.1で得た。
実施例2
実施例1において、酸触媒としてp−トルエンスルホン酸の代わりに硫酸を使用した以外は同様にして合成し、2−[2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−2−(2−メタクリロイルオキシエトキシカルボニル)エチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールを純度99%、黄変度(YI値)4.5で得た。
実施例3〜9
使用する酸触媒、有機溶媒及び基質を下記表1に記載されるように変更した以外は、実施例1と同様に合成を行い、結果を表1にまとめた。
Figure 2008222553
表1中、PTSは、p−トルエンスルホン酸を意味する。
YI値は、黄変度を表す。
実施例10
塩化カルシウム管を付けた300mlの丸底フラスコに、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−カルボキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール65g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル50g、N,N−ジメチルアミノピリジン18.7gを計り取り、ジクロロメタン150mlを加えた。そこへ、0℃にして1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド47.4gを15分かけて加え、15分間攪拌し、更に4時間攪拌した。反応終了後にLC測定を行ったところ反応収率95%であった。反応混合物を吸引濾過し、濾液を0.5molL-1塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過後、溶媒を除去した後に、メタノール/ジクロロメタンより再晶析を行い、目的物である2−[2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−2−(2−メタクリロイルオキシエトキシカルボニル)エチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールを純度99%、黄変度(YI値)5.6で得た。
実施例11
実施例10において、有機溶媒としてジクロロメタンの代わりに酢酸エチルを使用した以外は同様にして合成し、2−[2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−2−(2−メタクリロイルオキシエトキシカルボニル)エチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールを純度99%、黄変度(YI値)5.8で得た。
実施例12〜15
使用する有機溶媒及び基質を下記表2に記載されるように変更した以外は、実施例10と同様に合成を行い、結果を表2にまとめた。
Figure 2008222553
表2中、DCCは、ジシクロヘキシルカルボジイミドを表す。
DMAPは、N,N−ジメチルアミノピリジンを表す。
YI値は、黄変度を表す。
上述した実施例では、ベンゾトリアゾール基含有カルボン酸として上記一般式(1)においてRが水素原子又は塩素原子のもの、Rが水素原子又はt−ブチル基のもの、Xがエチレン基であるものを用い、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとして上記一般式(2)においてRが水素原子又はメチル基のもの、Yがエチレン基又はトリメチレン基であるものを用いているが、ベンゾトリアゾール基含有カルボン酸が上記一般式(1)で表され、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルが上記一般式(2)で表され、その結果得られるベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルが上記一般式(3)で表される形態である限り、本発明の効果を生じさせる作用機構は同様である。すなわち、実施例で具体的に示されている上述した形態において本発明の効果が奏されることが明らかであり、反応原料が同様の化学的特徴を有するものであれば、この実施例で示されるような効果を奏することになる。したがって、本発明における必須成分である上記一般式(1)で表されるベンゾトリアゾール基含有カルボン酸及び上記一般式(2)で表される水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルを用いる製造方法とすれば、本発明の有利な効果を発現することは確実であるといえる。少なくとも、Rが水素原子又は塩素原子であり、Rが水素原子又はt−ブチル基であり、Xがエチレン基であり、Rが水素原子又はメチル基であり、Yがエチレン基又はトリメチレン基である場合においては、上述した実施例で充分に本発明の有利な効果が立証され、本発明の技術的意義が裏付けられている。

Claims (4)

  1. エステル化反応によりベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法であって、
    該製造方法は、ベンゾトリアゾール基含有カルボン酸と水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとを反応させる工程を含み、
    該ベンゾトリアゾール基含有カルボン酸は、下記一般式(1);
    Figure 2008222553
    (一般式(1)中、Rは、水素原子、炭素数が1〜4個のアルキル基、炭素数1〜4個のアルコキシル基又はハロゲン原子を表す。Rは、水素原子又は炭素数1〜8個のアルキル基を表す。Xは、炭素数1〜8個のアルキレン基、又は、オキシアルキレン基の炭素数が1〜6個であるポリオキシアルキレン基を表す。)で表される化合物を必須とするものであり、
    該水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルは、下記一般式(2);
    Figure 2008222553
    (一般式(2)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Yは、炭素数2〜8個のアルキレン基、又は、オキシアルキレン基の炭素数が1〜6個であるポリオキシアルキレン基を表す。)で表される化合物を必須とするものであり、
    該ベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルは、
    下記一般式(3);
    Figure 2008222553
    (一般式(3)中、Rは、水素原子、炭素数が1〜4個のアルキル基、炭素数1〜4個のアルコキシル基又はハロゲン原子を表す。Rは、水素原子又は炭素数1〜8個のアルキル基を表す。Rは、水素原子又はメチル基を表す。Xは、炭素数1〜8個のアルキレン基、又は、オキシアルキレン基の炭素数が1〜6個であるポリオキシアルキレン基を表す。Yは、炭素数2〜8個のアルキレン基、又は、オキシアルキレン基の炭素数が1〜6個であるポリオキシアルキレン基を表す。)で表される化合物を必須とする
    ことを特徴とするベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
  2. 前記反応工程は、酸触媒存在下又は脱水縮合剤存在下で行われる
    ことを特徴とする請求項1に記載のベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
  3. 前記一般式(3)で表されるベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルであって、
    該ベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルは、黄変度が6.0以下である
    ことを特徴とするベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステル。
  4. 前記ベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステルは、請求項1又は2に記載の製造方法により得られる
    ことを特徴とする請求項3に記載のベンゾトリアゾール基含有(メタ)アクリル酸エステル。
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