JP2008222455A - シリコン単結晶引上用ルツボ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性に優れ、かつ、シリコン単結晶引上装置に容易に据え付け可能なシリコン単結晶引上用ルツボを提供すること。
【解決手段】本発明に係るシリコン単結晶引上用ルツボ10は、シリコン材料を収納するための石英ガラスルツボ11と、石英ガラスルツボの底面及び外周面を囲み、軸方向に2以上に分割された黒鉛ルツボ12とを備える。黒鉛ルツボ12を構成する各分割片12a,12bの分割面には、分割面の形状に沿って縦方向に溝部が設けられている。溝部同士を合わせることにより形成される空間部には、弾性部材14が収容されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、チョクラルスキー法等によってシリコン単結晶を製造する際に用いられるシリコン単結晶引上用ルツボに関する。
従来、シリコン単結晶の作製には、チョクラルスキー法(以下、CZ法)が広く用いられている。このCZ法で使用するシリコン単結晶製造装置60の一例を図6に示す。図6に示すように、シリコン単結晶製造装置60は、チャンバー66内に、多結晶シリコン原料を収納する石英ガラス製のルツボ61(以下、「石英ガラスルツボ」という。)と、多結晶シリコン材料を加熱溶融してシリコン融液65とするヒータ63とを備えている。CZ法は、石英ガラスルツボ61に貯められているシリコン融液65に種子結晶を浸し、石英ガラスルツボ61を回転させつつ種子結晶を徐々に引き上げていくことによって、種子結晶を核としてその周囲にシリコン単結晶を成長させ、円柱状のシリコン単結晶68を得る方法である。
通常、石英ガラスルツボ61の形状保持及びシリコン融液65の重量の保持のため、石英ガラスルツボ61の外周面の大部分は、黒鉛製のルツボ62(以下、「黒鉛ルツボ」という。)で覆われている。この黒鉛ルツボとしては、あらかじめ黒鉛ルツボに軸方向に切断加工を施し、2つ以上の分割片から形成したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このように黒鉛ルツボを複数の分割片から構成することにより、黒鉛と石英ガラスとの熱膨張率の違いによる亀裂や割れを防止することができる。
しかし、黒鉛ルツボを複数の分割片により作成すると、繰り返し黒鉛ルツボを使用していくうちに分割片同士の間に隙間が生じ、石英ガラスルツボがヒータからの輻射熱を直接受けるようになる。石英ガラスルツボが直接熱を受けることで、黒鉛と石英ガラスとが反応してSiOガスが発生し、このSiOガスにより黒鉛ルツボの一部が珪化して内部応力が蓄積したり、この珪化部分がさらに石英ガラスと反応することで黒鉛ルツボ自体が消耗したりする。このように黒鉛ルツボを継続使用することによって、黒鉛ルツボの劣化・薄肉化が進行し、強度が低下して、ひいては割れにつながるという問題がある。
また、黒鉛ルツボ自体が消耗することによって、黒鉛ルツボの内面の石英ガラスルツボとの接触部分において凹みが生じる場合がある。この状態でシリコン単結晶の引き上げを行なった場合、石英ガラスルツボが軟化して凹みの形状に合わせて落ち込んでしまい、石英ガラスルツボ中のシリコン融液の液面が下がるため、引き上げ中のシリコン単結晶の結晶格子に歪みが生じてしまうという問題がある。
この問題に対して、特許文献2に記載された黒鉛ルツボが知られている。この特許文献2に記載の黒鉛ルツボは、分割面に凸部が形成された分割片と、凹部が形成された分割片とを印籠型に嵌合させて形成される。また、分割面に凹部が形成された分割片を組み合わせて構成する黒鉛ルツボであって、両凹部の間に黒鉛からなる介在部材を配設したものも記載されている。
特許文献2によれば、分割面の凹凸部によってヒータからの輻射熱を阻止することができ、直接石英ガラスルツボに熱が届き難くなるため、黒鉛と石英ガラスとの反応を抑制できることが記載されている。
また、分割型の黒鉛ルツボとして特許文献3に記載の黒鉛ルツボも知られている。この黒鉛ルツボは、分割面の少なくとも一部に削溝を有し、この削溝内に可撓性を有する黒鉛シートよりなるスペーサが収納されている。この特許文献3に記載の黒鉛ルツボによれば、石英ガラスルツボから発生するガスによる黒鉛ルツボの分割面の消耗を低減することができる。
特許第2578126号明細書 特開2002−154892号公報 実開平1−136179号公報
近年、シリコンウェハの大径化が進んでおり、シリコン単結晶製造装置の大規模化が望まれている。例えば直径300mmのシリコン単結晶インゴットを製造するためには、黒鉛ルツボのサイズも大きなものになり、直径が約1メートル、重量は100kg前後にも達する。
このような大型の黒鉛ルツボの場合、上記特許文献2のように分割面に凹部や凸部が形成された各分割片を嵌合させるときに、重量が非常に大きいために位置合わせが困難となり、位置合わせに手間取っている間に黒鉛ルツボが欠けてしまうことがある。
また、分割片同士の間に黒鉛からなる介在部材を配設する場合、介在部材が落下するおそれがあるため、さらに位置合わせが困難となる。介在部材が落下しないよう接着しようとすると、シリコン単結晶引き上げの際に接着剤の揮発成分によりシリコン単結晶を汚染してしまう。
さらに、特許文献3のように分割面に設けられた削溝に黒鉛シート等のスペーサを配置する場合も、黒鉛シートは外力が加わったときに非弾性的に変形するため、黒鉛ルツボの組み付けのために削溝が挿入された分割片を他の分割片と重ね合わせる際、1回で他の分割片の削溝に黒鉛シートを挿入できないと、黒鉛シートのエッジが潰れてしまい、黒鉛シートを再度使用できなくなるという問題がある。
また、分割片同士を合わせた後に上端から黒鉛シート挿入して黒鉛ルツボを組み付けることもできるが、黒鉛ルツボのサイズが大きい場合や、削溝の曲率半径が小さい場合には、先端での抵抗が大きくなると途中で屈曲してしまい、うまく組み付けることができない、という問題がある。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、耐久性に優れ、かつ、シリコン単結晶引上装置に容易に据え付け可能なシリコン単結晶引上用ルツボを提供することを目的とする。
上記課題は、以下の手段により解決することができる。すなわち、本発明に係るシリコン単結晶引上用ルツボは、シリコン材料を収納するための石英ガラスルツボと、前記石英ガラスルツボの底面及び外周面を囲み、軸方向に2以上に分割された黒鉛ルツボとを備えるシリコン単結晶引上用ルツボであって、前記黒鉛ルツボを構成する各分割片の分割面には、分割面の形状に沿って縦方向に溝部が設けられており、前記溝部同士を合わせることにより形成される空間部に、弾性部材が収容されていることを特徴としている。
また、前記弾性部材は、シリコン又は炭素を含む材料から形成されたものであることが好ましい。また、前記弾性部材のシリコン及び炭素以外の不純物含有量が20ppm以下であることが好ましい。
さらに、前記弾性部材は、炭素繊維強化炭素複合材料から形成されていることがより好ましく、前記炭素繊維強化複合材料は、炭素繊維を抄造して得た炭素繊維積層体を補強繊維として備えていることが好ましく、さらには、炭素繊維を抄造した後、熱硬化性樹脂と溶媒を含む樹脂組成物に含浸させ硬化した後、焼成、黒鉛化して形成されたものであることがさらに好ましい。
また、前記炭素繊維積層体は、炭素繊維が厚さ方向に対して垂直な方向に配向しているものであることが好ましい。
本発明のシリコン単結晶引上用ルツボによれば、分割片の溝部によって形成される空間部に弾性部材が収容されているので、弾性部材がヒータからの輻射熱を遮って、黒鉛ルツボの劣化及び消耗を抑制することができる。したがって耐久性に優れたシリコン単結晶引上用ルツボを提供できる。また、弾性部材と黒鉛ルツボとの位置合わせの際に破損等が発生することがなく、大型のシリコン単結晶製造装置においても容易に据え付けが可能である。
以下、本発明に係るシリコン単結晶引上用ルツボの好適な実施形態について説明する。図1(a)及び(b)は、本発明に係るシリコン単結晶引上用ルツボ(以下、単に「引上ルツボ10」と称する)の一実施形態を示している。図1(a)及び(b)に示すように、引上ルツボ10は、回転体形状の石英ガラスルツボ11と、この石英ガラスルツボ11の底面及び外周面を取り囲むように配置される黒鉛ルツボ12とを備えている。
黒鉛ルツボ12は、回転体形状の黒鉛ルツボを回転軸Oを通る面で切断した形状を有しており、同形状の2つの分割片12a,12bを組み合わせることにより形成される。この2つの分割片12a,12bが接する部分を当接部分A1,A2とする。
ここで、黒鉛ルツボ12を構成する各分割片12a,12bの詳細を図2に示す。図2(a)及び(b)に示すように、分割片12a,12bの分割面16には、分割片12a,12bの上端部から底面部にかけて、矩形状の溝部18が2本形成されている。溝部18は、分割面16の形状に沿って縦方向に形成されており、黒鉛ルツボの底面部に近づくにしたがって湾曲している。
分割片12a,12bの分割面16同士を合わせると、図2(c)に示すように、分割片12a,12bの2つの溝部18が合わさって、1つの矩形状の空間部20が当接部分A1(A2)に形成される。本実施形態に係る引上ルツボ10は、この空間部20を埋めるように薄板状の弾性部材14が収容されている(図1)。
本発明における「弾性部材」とは、変形後に元の形状に戻ることが可能な復元力を有する部材を指す。黒鉛シートや膨張黒鉛シート等のように可撓性を有していても変形した後に元の形状に戻ることができないものは、本発明でいう弾性部材には含まれないこととする。黒鉛シートや膨張黒鉛シートのような復元力を持たない部材は、特に黒鉛ルツボ12が大型の場合や溝部18の曲率半径が小さい場合、弾性部材先端で引っかかりが生じ、差し込む際の抵抗が大きくなり、更に全体に潰れが広がり、それ以上差し込めなくなる。このため、前記のように黒鉛ルツボ12を組み付けることが困難となるので使用できない。
弾性部材14を構成する材料としては、シリコン(Si)又は炭素(C)を含む材料であることが望ましい。シリコン単結晶の引き上げ時にシリコン単結晶を汚染することがないからである。また、弾性部材14を構成する材料としては、高純度の材料を使用することが望ましく、弾性部材14がSi又はCを含む材料の場合、Si及びC以外の不純物含有量が20ppm以下であることが望ましい。不純物含有量が20ppm以上であると、引き上げられるシリコン単結晶の純度が低下する。特に不純物が金属元素である場合、シリコン単結晶の導電率等の性能低下が著しくなるからである。
より具体的には、弾性部材14は炭素繊維強化炭素複合材料から形成されていることが望ましい。炭素繊維強化炭素複合材料とは、炭素繊維からなる補強繊維と、マトリックスとからなる複合材料であって、マトリックスは補強繊維に有機物(樹脂、ピッチ等)を含浸し炭素化して得るか、化学気相蒸着法(CVD法)により補強繊維上に炭化水素を熱分解して得るのが一般的である。通常、炭素繊維強化炭素複合材料に用いられる炭素繊維は2次元あるいは3次元の織物状の形態のものが広く用いられているが、本発明では、織物状の形態のものではなく、炭素繊維を抄造して得た厚さ方向に対して垂直な方向に配向した炭素繊維積層体を使用するのが望ましい。このような炭素繊維積層体は、繊維の絡まりが少なく、ルツボのRに対してしなやかに追随できる程度の柔軟性を持っているからである。また、炭素繊維積層体が当該方向に配向していることにより、厚さ方向の熱伝導率がより小さくなり、ヒータからの輻射熱を効率よく遮って石英ガラスルツボ11に直接熱が当たることを少なくできる。
また、炭素繊維強化炭素複合材料を用いる場合、炭素繊維を抄造し、熱硬化性樹脂と溶媒とを含む樹脂組成物に含浸させて硬化した後、焼成、不純物含有量が20ppm以下となるように高純度化して形成されたものを用いることが好ましい。また、炭素繊維強化炭素複合材料のマトリックスは樹脂やピッチで含浸させたものとすることが好ましい。このような材料であれば、150mm程度の曲率半径であっても折れることなく変形に追随し、先端がささくれる等の非弾性変形が発生しないので、大きな黒鉛ルツボや曲率半径の小さな黒鉛ルツボに好適に使用することができる。
弾性部材14の厚さは、溝部18の巾よりも0.5mm以上小さいことが望ましい。弾性部材14の厚さと溝部18の巾との差を0.5mm以上とすることにより、シリコン融液が弾性部材14と溝部18の隙間に浸入したときに、弾性部材14を溝部18から容易に取り除くことができ、黒鉛ルツボ12を再利用することができるからである。
この引上ルツボ10を形成するには、図3(a)及び(b)に示すように、一旦石英ガラスルツボ11の外側を分割片12a,12bで覆い、黒鉛ルツボ12内に石英ガラスルツボ11を配置する。その後、当接部分A1,A2にできた空間部20に弾性部材14を差し込んで分割片12a,12bを固定することにより引上ルツボ10を形成することができる。空間部20は底面部に行くにしたがって湾曲しているが、弾性部材14は、空間部20に差し込むだけでその形状に合わせて変形し、空間部20の最深部まで到達することができる。
この引上ルツボ10をシリコン単結晶製造装置に組み込んでシリコン単結晶の引き上げを行うと、石英ガラスと黒鉛との熱膨張率の違いから、加温・冷却を繰り返すことにより、図4に示すように、黒鉛ルツボ12の分割片12aと分割片12bとの間に徐々に隙間19が生じるようになる。
しかし、本実施形態に係る引上ルツボ10によれば、弾性部材14が分割片12a,12bの間に差し込まれているので、引上ルツボ10を加温・冷却の繰り返しにより分割片12a,12bの間に隙間19ができた場合でも、弾性部材14がヒータからの熱を遮ることができる。したがって、前述したような黒鉛と石英ガラスとの直接反応を防止することができ、ひいては前述の黒鉛ルツボ12自身の割れや、黒鉛ルツボ12の劣化に起因する石英ガラスルツボ11の歪み等の発生を防ぐことができる。
また、このような黒鉛ルツボ12によれば、分割片12a,12bの分割面16には、幅狭の溝部18が形成されているのみで、ほぼ平面状に形成されており、余計な突出部がないので、黒鉛ルツボ12が大型化した場合でも位置合わせが容易である。また、位置合わせの際に突出部が他の部分に衝突して黒鉛ルツボの一部が欠ける等の問題も発生しない。
また、分割片12a,12bの間に介在する部材として弾性部材14を使用するので、取り扱いが容易で、分割片12a,12bを合わせた後にその空間部20に弾性部材14を差し込むだけで簡単に黒鉛ルツボ12を形成することができる。
また、弾性部材14が差し込まれる際に黒鉛ルツボ12のエッジ等に当たっても、変形するため、黒鉛ルツボ12及び弾性部材14に欠け等の破損が発生することがない。一方この弾性部材のかわりに、例えば黒鉛のような剛性の高い材料により形成した部材を使用した場合は、その黒鉛部材のみならず黒鉛ルツボにも欠け等が発生してしまう。
また、弾性部材14は変形しても復元力により元の形状に戻ることができるので、黒鉛ルツボ12を組み付ける際に分割片12a,12bを空間部20に差し込むときに、弾性部材14のエッジが当たって変形しても再度利用することができる。従って、黒鉛シートのような非弾性的に変形する部材に比べ極めて容易に黒鉛ルツボを組み付けることができる。
また、分割片12a,12bの分割面16に溝部18を加工するだけなので、加工が容易である。また、分割片12a,12bの形状を同じ形状とすることができるので、製造性にも優れている。
以上、本発明に係るシリコン単結晶引上用ルツボの実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施し得るものである。
例えば、上記実施形態においては、分割片12a,12bに形成された溝部18が黒鉛ルツボ12の上端で開口している例を示したが、この溝部18は黒鉛ルツボ12の上端に開口していなくてもよい。すなわち、図5(a)に示す分割片52a,52bのように、溝部58の上端部が分割片52a,52bの上端部よりも下方に位置していてもよい。このような形態の分割片52a,52bにより形成した黒鉛ルツボ52によれば、シリコン単結晶引き上げ時に、黒鉛ルツボ52の上端部にシリコン融液が付着しても、溝部58の内部に浸入することがないので、固化したシリコン融液により黒鉛ルツボと弾性部材14が接着してしまうことを防止できる。
なお、このような形態の分割片52a,52bを用いて引上ルツボを構成するには、図5(b)に示すように、あらかじめ分割片52aの溝部58に弾性部材14を差し込んでおき、この弾性部材14が差し込まれた分割片52aを石英ガラスルツボ51の外側に配置した後、別の分割片52bを横方向から分割片52aに合わせるようにすれば、容易に引上ルツボを形成することができる。
また、図1に示す実施形態においては、黒鉛ルツボ12を構成する分割片の数を2つとしたが、これに限定されず、3つ以上の分割片により構成してもよい。
(実施例1)
回転軸を含む面で2分割された黒鉛ルツボ(外径が900mm、1組の重量が110kg)において、各分割片の分割面に巾3mm、深さ5mmの溝部を加工し、図2(a)と同様の形態の黒鉛ルツボ12を作製した。また、弾性部材14として、炭素繊維強化炭素複合材料で形成した薄板(厚さ2mm、巾9mm)を使用した。この炭素繊維強化炭素複合材料は、炭素繊維を抄造し、20%熱硬化性樹脂(フェノール樹脂)エタノール溶液を含浸させ、溶媒を乾燥させた後、200℃で1時間硬化させた後、100℃/時間の昇温速度で1000まで焼成し、純化炉で2000℃まで昇温し黒鉛化した後、ハロゲンガスを導入し高純度化して形成した。この炭素繊維積層体は、炭素繊維が厚さ方向に対し垂直に配向しており、不純物の含有量を発光分光法により測定したところ、20ppm以下であった。黒鉛ルツボ12内に石英ガラスルツボ11を配置した後、空間部20に弾性部材14を差し込み、引上ルツボ10を形成した。このとき、弾性部材14は落下することなく、また黒鉛ルツボ12が欠けることなく据え付けることができた。
(比較例1)
回転軸を含む面で2分割された黒鉛ルツボ(外径が900mm、1組の重量が110kg)において、各分割片の分割面に巾3mm、深さ5mmの溝部を加工し、図2(a)と同様の形態の黒鉛ルツボ12を作製した。また、溝部に嵌合させる部材として、黒鉛材料を溝部の形状に合わせて加工した薄板(厚さ2mm、巾9mm)を使用した。
まず、1つ分割片の溝部にこの黒鉛部材を嵌め合わせ、この分割片に別の分割片を横方向から組み合わせることにより黒鉛ルツボを形成しようとした。しかし、黒鉛部材は弾力性がないために、自重により落下を繰り返し、分割片同士が何度も接触して、黒鉛部材及び分割片に欠けが発生した。
(比較例2)
回転軸を含む面で2分割された黒鉛ルツボ(外径が900mm、1組の重量が110kg)において、各分割片の分割面に巾3mm、深さ5mmの溝部を加工し、図2(a)と同様の形態の黒鉛ルツボ12を作製した。また、溝部に嵌合させる部材として、膨張黒鉛を使用した黒鉛シート(グラフォイル)(厚さ2mm、巾9mm)を使用した。
まず、1つ分割片の溝部にこの黒鉛シートを嵌め合わせ、この分割片に別の分割片を横方向から組み合わせることにより黒鉛ルツボを形成しようとした。しかし、黒鉛シートは弾力性がないために、エッジが黒鉛ルツボに当たったときに変形してしまい、元の形状に戻らず再度使用できなくなった。
本発明に係るシリコン単結晶引上用ルツボの一実施形態を示す模式図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。 (a)は、本実施形態に係る黒鉛ルツボを構成する分割片を示す正面図であり、(b)はその一部を示す構成図である。また、(c)は2つの分割片を当接した黒鉛ルツボの一部を示す構成図である。 (a)及び(b)は、本実施形態に係るシリコン単結晶引上用ルツボを形成する方法を示す模式図である。 本実施形態に係るシリコン単結晶引上用ルツボを使用した際の分割片の当接部分を示す模式図である。 (a)及び(b)は、本発明に係るシリコン単結晶引上用ルツボの別の実施形態を示す模式図である。(a)は、黒鉛ルツボの正面図であり、(b)はこの実施形態に係るシリコン単結晶引上用ルツボを形成する方法を示す模式図である。 一般的なシリコン単結晶製造装置を示す模式図である。
符号の説明
10 シリコン単結晶引上用ルツボ
11 石英ガラスルツボ
12 黒鉛ルツボ
12a,12b 分割片
14 弾性部材
16 分割面
18 溝部
20 空間部

Claims (7)

  1. シリコン材料を収納するための石英ガラスルツボと、前記石英ガラスルツボの底面及び外周面を囲み、軸方向に2以上に分割された黒鉛ルツボとを備えるシリコン単結晶引上用ルツボであって、
    前記黒鉛ルツボを構成する各分割片の分割面には、分割面の形状に沿って縦方向に溝部が設けられており、前記溝部同士を合わせることにより形成される空間部に、弾性部材が収容されていることを特徴とするシリコン単結晶引上用ルツボ。
  2. 前記弾性部材が、シリコン又は炭素を含む材料から形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶引上用ルツボ。
  3. 前記弾性部材のシリコン及び炭素以外の不純物含有量が20ppm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシリコン単結晶引き上げ用ルツボ。
  4. 前記弾性部材が、炭素繊維強化炭素複合材料から形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶引上用ルツボ。
  5. 前記炭素繊維強化炭素複合材料は炭素繊維を抄造して得た炭素繊維積層体を補強繊維として備えたことを特徴とする請求項4に記載のシリコン単結晶引き上げ用ルツボ。
  6. 前記炭素繊維積層体は、炭素繊維が厚さ方向に対して垂直な方向に配向していることを特徴とする請求項5に記載のシリコン単結晶引き上げ用ルツボ。
  7. 前記炭素繊維強化炭素複合材料は、炭素繊維を抄造した後、熱硬化性樹脂と溶媒を含む樹脂組成物に含浸させ硬化した後、焼成、黒鉛化して形成されたものであることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載の知りシリコン単結晶引き上げ用ルツボ。
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