JP2008221503A - 液体吐出装置および液体吐出方法 - Google Patents

液体吐出装置および液体吐出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】脱気インクを有効活用してメンテナンス動作を行うと共に、コストの増加を抑えることが可能な液体吐出装置および液体吐出方法を提供すること。
【解決手段】脱気状態にある液体を供給する液体供給源51と、吐出対象に向けて液体を吐出させる吐出ヘッド33と、液体供給源51と吐出ヘッド33との間であって、当該吐出ヘッド33から液体を吐出させるまでの間に液体を流通させる流路と、第1の基準時から吐出ヘッドから吐出または排出される液体の消費量を算出する液体消費量算出手段78と、液体を吐出ヘッド33から吐出または排出させるメンテナンス動作を行うためのメンテナンス実行手段33,65と、第2の基準時から計測される時間と、液体消費量算出手段78で算出される液体の消費量に基づいて、メンテナンス実行手段33,65で実行されるメンテナンス動作を制御するメンテナンス動作制御手段71と、を具備している。
【選択図】図6

Description

本発明は、液体吐出装置および液体吐出方法に関する。
インクジェット方式等のプリンタにおいては、カートリッジからインクが供給されるが、このインクは、所定の流路を通過した後に、印刷ヘッドへと供給される。そして、インクが印刷ヘッド内のインク室に存在する状態で、ピエゾ素子等の駆動手段が駆動され、インク室を押圧すると、その駆動に応じて、インク滴が吐出される。ここで、気泡がインク室に入り込むと、その気泡の量の増加に応じて、インク滴を正確に吐出することが困難となる。すなわち、インク室の内部に気泡が存在する場合、駆動手段の駆動によってインク室が押圧されても、気泡の収縮(体積変化)により、押圧力を吸収してしまい、微小なインク滴の吐出が行えない状態が発生し得る。そこで、インクに存在する気泡を除去する必要がある。
かかる気泡除去のための手法としては、クリーニング等のような、インクを強制的に外部に吐き出させることで、気泡を排出するものがある。一方、気泡をインク中に溶解させる手法も考えられるが、かかるインクに気泡を溶解させる先行技術としては、特許文献1および特許文献2に示すものがある。
これらのうち、特許文献1には、通常の印刷では解消されない印刷不良が発生した場合のみ、脱気インクを供給する、といった技術内容が開示されている。この特許文献1によれば、流路が脱気インクで充填されることにより、当該流路内に気泡が残存していても、脱気インクに気泡が溶解し、気泡を消失させることを可能としている。また、特許文献2には、マニュアルクリーニングとタイマクリーニングの履歴に関するデータを、インクカートリッジのメモリに区別して記憶させる、といった技術内容が開示されている。この特許文献2によれば、プリンタの実際の使用状態、使用頻度に関する情報を得ることができると共に、マニュアルクリーニングやタイマクリーニングに関する実力を把握して、プリンタの設計にフィードバックさせることを可能としている。
特開平10−44468号(要約、段落番号0028等参照) 特開2005−224980号(要約、段落番号0010、0087等参照)
ところで、上述の特許文献1に開示の構成によれば、インクタンクは、大気開放されている第1のインクタンクと、脱気状態を維持している第2のインクタンクの2つが必要となっている。このように、特許文献1に開示の構成では、2種類のインクタンクを準備しなければならず、その分だけコストが掛かる、という問題がある。また、特許文献2には、その文献中、インクの脱気に関する記載は存在する(例えば、段落番号0048、0049、0071等)。しかしながら、かかるインクの脱気に関する記載は、当該インクの気体溶存性とは全く関連性を有していない。
ここで、特許文献1および特許文献2のいずれにも、脱気インクを用いる際に、その脱気インクを有効活用する観点から、クリーニング/フラッシング(以下、メンテナンス動作とする。)のタイミングを決定する、といった技術内容については、何等開示されていない。つまり、脱気インクの気体溶存性を有効活用して、メンテナンス動作のランクを定めれば、気泡を良好に消失できるものの、そのような観点からの技術内容は、何等開示されていない。
本発明は上記の事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、脱気インクを有効活用してメンテナンス動作を行うと共に、コストの増加を抑えることが可能な液体吐出装置および液体吐出方法を提供しよう、とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明は、脱気状態にある液体を供給する液体供給源と、吐出対象に向けて液体を吐出させる吐出ヘッドと、液体供給源と吐出ヘッドとの間であって、当該吐出ヘッドから液体を吐出させるまでの間に液体を流通させる流路と、第1の基準時から吐出ヘッドから吐出または排出される液体の消費量を算出する液体消費量算出手段と、液体を吐出ヘッドから吐出または排出させるメンテナンス動作を行うためのメンテナンス実行手段と、第2の基準時から計測される時間と、液体消費量算出手段で算出される液体の消費量に基づいて、メンテナンス実行手段で実行されるメンテナンス動作を制御するメンテナンス動作制御手段と、を具備するものである。
このように構成する場合、液体消費量算出手段で算出される液体の消費量に基づいて、メンテナンス実行手段で実行されるメンテナンス動作が制御される。ここで、液体は、脱気状態にあるため、流路に存在する気泡を溶解可能となる。従って、かかる脱気状態にある液体の消費量に基づいて、メンテナンス動作を制御すれば、適切に流路内に存在する気泡を減少させることが可能となり、液体の気体溶存性を有効活用することが可能となる。
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、メンテナンス動作制御手段では、液体の消費量がそれぞれ異なる複数のメンテナンス動作をメンテナンス実行手段に実行させると共に、このメンテナンス動作制御手段は、第2の基準時が同じであれば、液体の消費量が多くなるにつれて、メンテナンス動作における液体の消費量を減少させる制御を行うものである。
このように構成する場合、第2の基準時が同じであれば、液体の消費量が多くなるにつれて、メンテナンス動作における液体の消費量を減少させる制御が行われる。ここで、液体は脱気状態にあり、その消費量(供給量)が多ければ、その分だけ流路内に存在する気泡を減少させることができるので、液体の気体溶存性を有効活用することが可能となる。
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、メンテナンス動作制御手段は、第2の基準時から計測する時間が経過するにつれて、メンテナンス動作における液体の消費量を増加させる制御を行うものである。
このように構成する場合、第2の基準時から時間が経過するにつれて、メンテナンス動作で消費される(排出される)液体の量が増加する。ここで、メンテナンス動作の前において消費される液体の量が同じであれば、第2の基準時からの時間が経過している方が、液体の気体溶存性が低いと考えられる(気体の溶解度が飽和していて、もはや気泡が溶けずに気泡が多く残存していると考えられる)。そのため、上述のように、メンテナンス動作で消費される(排出される)液体の量を増加させれば、その液体と共に排出される気泡の量を増やすことが可能となると共に、気泡溶存性の高い液体が多量に供給されることにより、流路内に残存している気泡を、より多く溶解させることが可能となる。
さらに、他の発明は、上述の発明に加えて更に、メンテナンス動作制御手段は、液体の消費量が多くなるにつれて、段階的に変化するメンテナンス動作をメンテナンス実行手段に実行させると共に、第2の基準時から計測される時間が経過するにつれて、段階的に変化するメンテナンス動作をメンテナンス実行手段に実行させるものである。
このように構成する場合、メンテナンス実行手段で実行されるメンテナンス動作が段階的に変化するので、そのメンテナンス動作に関するデータをマトリクス状のテーブルとすることができ、計算における負荷を小さくすることができると共に、データ量を小さくすることが可能となる。
また、他の発明は、上述の各発明に加えて更に、メンテナンス実行手段は、吐出対象に対して液体を吐出させないで別の部位に当該液体を吐出させる空吐出を行わせる空吐出実行手段と、吐出ヘッドから液体を強制的に吸引する液体吸引手段と、を具備するものである。
このように構成する場合、空吐出実行手段により、少量の液体を排出させることが可能となると共に、液体吸引手段により多量の液体を排出させることが可能となり、液体の排出量を、より多彩にする(種類を多数にする)ことが可能となる。
さらに、他の発明は、上述の各発明に加えて更に、液体供給源は、異なる種類の液体をそれぞれ収容する複数の液体収容手段を有すると共に、吐出ヘッドは、液体収容手段の種類に応じた分だけのノズル列が存在すると共に、液体吸引手段は、それぞれの種類に応じたノズル列を、他のノズル列とは分離して封止すると共に、その封止状態においてノズル列を個別に吸引可能としていて、液体消費量算出手段は、液体の消費量をノズル列毎に個別に算出すると共に、メンテナンス動作制御手段は、液体消費量算出手段で、ノズル列毎に個別に算出される液体の消費量に基づいて、メンテナンス実行手段で実行されるメンテナンス動作を制御するものである。
このように構成する場合、液体消費量算出手段は、液体の消費量をノズル列毎に個別に算出し、メンテナンス動作制御手段は、ノズル列毎に個別に算出される液体の消費量に基づいて、ノズル列を個別に吸引させるメンテナンス動作を実行可能となる。このため、それぞれのノズル列に対応する液体の気泡溶存性を勘案して、最適なメンテナンス動作を実行可能となる。また、ノズル列を個別に吸引可能となるため、液体を無駄に吸引せずに済み、ユーザにとって経済的となる。
また、他の発明は、上述の各発明に加えて更に、液体供給源は、異なる種類の液体をそれぞれ収容する複数の液体収容手段を有すると共に、吐出ヘッドは、液体収容手段の種類に応じた分だけのノズル列が存在すると共に、液体吸引手段は、それぞれの種類に応じたノズル列を、他のノズル列と分離せずに一体的に封止すると共に、その封止状態においてノズル列を吸引可能としていて、液体消費量算出手段は、液体の消費量をノズル列毎に個別に算出すると共に、メンテナンス動作制御手段は、ノズル列のうち液体の消費量が最も少ないものを基準として、液体吸引手段を制御作動させるものである。
このように構成する場合、液体吸引手段は、それぞれの種類に応じたノズル列を、他のノズル列と分離せずに一体的に封止するので、簡便な構成でメンテナンス動作を実行可能となる。また、メンテナンス動作に際しては、ノズル列のうち液体の消費量が最も少ないものが基準となる。そのため、気体が残存している可能性が最も高いものを基準としてメンテナンス動作が為されるので、当該メンテナンス動作の確実性を保つことが可能となる。
さらに、他の発明は、吐出ヘッドから吐出または排出される液体であって、脱気状態にある液体の消費量を第1の基準時から算出する液体消費量算出工程と、第2の基準時から計測される時間と、液体消費量算出工程で算出される液体の消費量に基づいて、液体を吐出ヘッドから吐出または排出させるメンテナンス動作を制御するメンテナンス動作制御工程と、メンテナンス動作制御工程で制御されたメンテナンス動作を実行させるメンテナンス実行工程と、を具備するものである。
このように構成する場合、液体消費量算出工程で算出される液体の消費量に基づいて、メンテナンス実行工程で実行されるメンテナンス動作が制御される。ここで、液体は、脱気状態にあるため、流路に存在する気泡を溶解可能となる。従って、かかる脱気状態にある液体の消費量に基づいて、メンテナンス動作を制御すれば、適切に流路内に存在する気泡を減少させることが可能となり、液体の気体溶存性を有効活用することが可能となる。
以下、本発明の一実施の形態に係る、液体吐出装置としてのプリンタ10について、図1から図11に基づいて説明する。なお、以下の説明においては、下方側とは、プリンタ10が設置される側を指し、上方側とは、設置される側から離間する側を指す。また、キャリッジ31が移動する方向を主走査方向、主走査方向に直交する方向であって印刷対象物Pが搬送される方向を副走査方向とする。また、印刷対象物Pが供給される側を給紙側、印刷対象物Pが排出される側を排紙側として説明する。
<プリンタの概略構成>
最初に、プリンタ10の構成の概略について説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係るプリンタ10の概略構成を示す斜視図であり、紙送りの上流側を手前、紙送りの下流側(排紙側)を奥側に配置している状態を示す図である。また、図2は、プリンタ10の構成を示す概略図である。本実施の形態のプリンタ10は、シャーシ21と、ハウジング22と、キャリッジ機構30と、紙送り機構40と、インク供給機構50と、クリーニング機構60と、制御部70と、を具備している。
これらのうち、シャーシ21は、その下面側が設置面に接触する部分であると共に、各種ユニットが搭載される部分である。また、このシャーシ21には、図1において二点鎖線で示されるハウジング22が取り付けられる。
また、キャリッジ機構30は、図1および図2に示すように、キャリッジ31と、このキャリッジ31が摺動するキャリッジ軸32と、印刷ヘッド33(吐出ヘッド、メンテナンス実行手段および空吐出実行手段の一部に対応)と、を具備している。また、キャリッジ機構30は、キャリッジモータ(CRモータ)34と、このCRモータ34に取り付けられている歯車プーリ35と、無端のベルト36と、歯車プーリ35との間にこの無端のベルト36を張設する従動プーリ37と、を具備している。これらのうち、印刷ヘッド33からは、後述するインク供給機構50を介して供給されるインク(本実施の形態では、インクは後述するように脱気インクであり、これは液体に相当)が、印刷対象物P(吐出対象に対応)に対して吐出される。
また、図2に示すように、紙送り機構40は、紙送りモータ(PFモータ)41と、この紙送りモータ41からの駆動力が伝達される給紙ローラ42等を具備している。
また、本実施の形態におけるプリンタ10は、インクカートリッジ51(液体供給源および液体収容手段に相当)をシャーシ21側に装着する、いわゆるオフキャリッジタイプとなっている。そのため、プリンタ10のインク供給機構50は、図1に示すように、カートリッジホルダ52と、加圧ポンプ53と、板状チューブ54と、可撓性チューブ55と、サブタンク56と、インク供給バルブ57と、を具備している。
これらのうち、図3に示すカートリッジホルダ52は、図4に示すインクカートリッジ51を搭載する部分であり、シャーシ21に対して固定的に取り付けられている。このカートリッジホルダ52には、インクカートリッジ51を差し込むための差込口52aが設けられている。また、このカートリッジホルダ52は、本実施の形態では、プリンタ10の内部であって主走査方向の端部側に、それぞれ1つずつ(合計2つ)設けられている。また、このカートリッジホルダ52のシャーシ21に対する取り付け位置は、キャリッジ31の移動空間域から外れる部位に設けられている。具体的には、カートリッジホルダ52は、キャリッジ31の往復動の領域よりも例えば印刷対象物Pの給紙側に取り付けられている。
また、一対のカートリッジホルダ52には、差込口52aを介して、それぞれ複数(本実施の形態では3つずつ)のインクカートリッジ51が着脱自在に装着される。このインクカートリッジ51は、図4に示すように、ケーシング51aの内部に空気室51bを具備しており、さらにこの空気室51bの内部にインクを充填するインクパック51cが収容されている。インクパック51cは、例えばアルミパックのような、気密性の高い袋状部材であり、このインクパック51cの内部には、インクが収容されている。
このインクパック51c内のインクは、後述するように、流路(本実施の形態では、インクカートリッジ51からインクが供給され印刷ヘッド33から吐出されるまでの間の、インクが流れる/貯留される部分を指す。)の内部に存在する気泡を溶解させて、外部に排出することを可能としている。そのため、以下の説明においては、かかるインクパック51c内のインクは、予め空気の溶解が抑えられている、脱気インクとなっている。また、インクパック51cは、上述のように、気密性が高いため、気泡(空気)の溶解度が飽和せずに、当該気泡(空気)を溶解可能な状態を、非常に長い期間保つことを可能としている。
また、図4に示すように、ケーシング51aには、不図示のインク供給針が差し込まれるインク供給口51dが設けられている。また、図6に示すように、ケーシング51aには、当該ケーシング51aと一体的となる状態で、回路基板51eが取り付けられている。この回路基板51eは、例えばICチップ等であり、インクに関する情報を書き込み可能に保存するメモリ51f(記憶素子)を有している。かかるインクに関する情報としては、例えばインクカートリッジ51に貯留されているインクの色種データ、顔料/染料系のインクの種別データ、初期にインクカートリッジ51に充填されているインクの量を示すインク容量データ、インク残量データ、シリアル番号データ、有効期限データ、インクカートリッジ51を用いることができる対象機種データ等がある。
また、図1に示すように、カートリッジホルダ52には、加圧ポンプ53が接続されている。この加圧ポンプ53は、インクカートリッジ51内の空気室51bの内部に空気を送り込む。そして、この空気室51bの圧力を高めることにより、インクパック51cは押し潰されるように変形させられる。そして、この変形により、インクパック51c内に存在するインクは、板状チューブ54のインク流路の内部に押し出され、そのインク流路の内部をインクが流れる。
また、図1に示すように、板状チューブ54のうち、インクの流れの下流側の端部には、可撓性チューブ55の一端側が連結されている。この可撓性チューブ55は、エラストマ樹脂等のような、可撓性を有する材質から形成されている。それにより、可撓性チューブ55は、柔軟に可撓し、キャリッジ31の主走査方向における往復動を妨げない状態となっている。また、可撓性チューブ55には、その長手方向を貫く、中空のチューブ管路(図示省略)が存在している。そして、インク流路と、チューブ管路とは連通して、インクを良好に流通させることを可能としている。
また、可撓性チューブ55の他端側には、サブタンク56が接続されている。このサブタンク56は、キャリッジ31の上部に、原則としてインクカートリッジ51と同じ個数だけ設けられている。このサブタンク56には、インク流路およびチューブ管路を流通してきたインクが一時的に蓄えられる。なお、このサブタンク56に蓄えられるインクは、キャリッジ31の下面側に印刷ヘッド33のノズル開口33a(図5参照)から吐出される。
また、インク供給バルブ57は、例えばインクカートリッジ51からのインクの出口近傍に設けられていて、サブタンク56内の不図示のセンサの出力に基づいて、電気的に開閉可能に設けられている。例えば、センサの出力により、サブタンク56内のインク量が低下していると判断されると、インク供給バルブ57が開弁され、インクがサブタンク56に供給可能となる。
また、シャーシ21には、図1および図5に示すようなクリーニング機構60が設けられている。このクリーニング機構60は、キャップ61と、隔壁62と、インク排出チューブ63と、制御弁64と、吸引ポンプ65(図5、図6参照;メンテナンス実行手段の一部および液体吸引手段に対応)とを備えている。これらのうち、キャップ61は、印刷ヘッド33のノズル開口33aを外部から封止する部分である。また、隔壁62は、キャップ61の内部の空間を細分化するものであり、それぞれの色のインクを吐出するノズル列のノズル開口33aを、色別に独立して封止可能とする部材である。また、インク排出チューブ63は、本実施の形態では、各色のノズル列毎に設けられている。
また、制御弁64は、インク排出チューブ63の中途部分に設けられている、電気的な制御が可能な弁であり、開弁状態ではインク排出チューブ63におけるインクの流通が可能となると共に、閉弁状態ではインク排出チューブ63におけるインクの流通が不能となる。また、吸引ポンプ65は、インク排出チューブ63に負圧を発生させることが可能に設けられていて、この吸引ポンプ65が作動すると、インク排出チューブ63を介して、インクが不図示の廃液タンクに排出される。また、このインクの吸引動作により、板状チューブ54、可撓性チューブ55、または印刷ヘッド33等の流路に混入している気泡を、強制的に排出する、いわゆるクリーニング動作を実行可能となっている。
<制御部の構成>
また、図2および図6に示すように、プリンタ10には、制御部70が設けられている。この制御部70は、不図示のCPU、メモリ(ROM、RAM、不揮発性メモリ等)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、バス、タイマ、インターフェース84等を有している。なお、上述の制御部70は、メンテナンス動作制御手段、液体消費量算出手段に対応する。
また、この制御部70には、各種センサからの信号が入力されると共に、このセンサからの信号に基づいて、制御部70は、CRモータ34、PFモータ41、加圧ポンプ53、吸引ポンプ65、および印刷ヘッド33等の駆動を司る。
また、上述のメモリの中のデータ、およびプログラムがCPUで実行され、制御部70の各構成が協働することにより、機能的には、図6のブロック図に示すような構成が実現される。この図6に示すように、制御部70は、主制御部71、メモリ72、ヘッド制御部73、ポンプ制御部74、CRモータ制御部75、バルブ制御部76、CLタイマ77、インク消費量算出部78、カートリッジメモリ制御部79、ヘッド駆動回路80、ポンプ駆動回路81、CRモータ駆動回路82、バルブ駆動回路83を具備している。
これらのうち、主制御部71は、メモリ72と共に、メンテナンス動作制御手段の主要部分に対応し、プリンタ10の全体の制御を司る部分であり、コンピュータ90側からの指令、CLタイマ77からの計時出力、インク消費量算出部78からの出力が入力されると共に、メモリ72に記憶されている図7に示すメンテナンステーブルを読み込む。そして、このメンテナンステーブルを参照して、いずれかのメンテナンス動作を選定する。ここで、CLタイマ77とは、前回の吸引を伴うクリーニング(図7、図8ではタイマCL2、タイマCL3、タイマCL4)からの時間を計測するタイマである。また、CLタイマ77は、前回のクリーニングによって気泡を排出したとき(かかる前回のクリーニングが指令されたときが、第2の基準時に相当)を基準として、時間を計測し、その時間計測により気泡の成長を予測するために用いられる。そのため、CLタイマ77は、吸引を伴うクリーニングを行うとリセットされるが、吸引を伴わないフラッシング動作ではリセットされなく、時間の計測が継続される。また、CLタイマ77は、吸引を伴うクリーニングを行うとリセットされるため、フラッシング動作を行ってもリセットされず、時間の計測が継続される。なお、上述の第2の基準時を、直近のインク滴吐出がなされたときとしても良い。
また、メモリ72には、図7に示すような、メンテナンスに関するテーブル(以下、メンテナンステーブルとする。)が記憶されている。ここで、図7に示すメンテナンステーブルは、横軸のクリーニングタイマ(CLタイマT1)と、縦軸のインク(脱気インク)消費量Mとに基づいて、実行すべきメンテナンス動作とその処理ランクが、マトリクス形式で記述されている。
ここで、図7の横軸においては、左から右に向かうに従って、CLタイマT1の時間が増大する。また、図7の縦軸においては、上から下に向かうに従って、インク消費量Mが増大する。この図7から分かるように、本実施の形態においては、(1)脱気インクの消費量Mが多くなればなる程、気泡が溶解する方向にあるので、ランクの低い(インク消費量の少ない)メンテナンス動作が為されるようにする、(2)CLタイマ77における計時が増大するにつれて、気泡が溜まる方向にあるので、ランクの高い(よりインク消費量の多い)メンテナンス動作が為されるようにする、との思想に基づいて、設計されている。
一方、従来のメンテナンステーブルを、図8に示す。この図8に示すメンテナンステーブルでは、CLタイマ77における計時に関しては同様であるものの、累積印字時間が経過するにつれて、ランクの高いメンテナンス動作を実行するように、設計されている。このため、脱気インクを用いても、当該脱気インクを有効活用できない状態となっている。
また、ヘッド制御部73は、主制御部71からの指令に基づいて、ヘッド駆動回路80を介して印刷ヘッド33を駆動させ、インク滴を吐出させる。ここで、ヘッド制御部73が主制御部71から受信する指令には、印刷データに基づく印字動作の指令と、図7のメンテナンステーブルに基づくメンテナンス動作の一種である、フラッシング動作の指令とが存在する。
また、ポンプ制御部74は、主制御部71からの指令に基づいて、印刷ヘッド33がキャップ61で封止されている状態において、ポンプ駆動回路81を介して吸引ポンプ65を制御駆動させ、所定のクリーニングを実行する。また、CRモータ制御部75は、主制御部71からの指令に基づいて、CRモータ駆動回路82を介してCRモータ34を駆動させる。なお、CRモータ制御部75は、印字を行う場合には、印刷ヘッド33の動作に連動させてCRモータ34を駆動させる。また、CRモータ制御部75は、フラッシング動作を行う場合には、印刷ヘッド33のフラッシング動作に先立ってCRモータ34を駆動させ、キャリッジ31をキャップ61側に移動させる。また、CRモータ制御部75は、クリーニング動作を行う場合には、吸引ポンプ65の駆動に先立ってCRモータ34を駆動させ、キャリッジ31をキャップ61側に移動させる。
バルブ制御部76は、主制御部71からの指令に基づいて、バルブ駆動回路83を介してインク供給バルブ57および制御弁64のうち少なくとも一方を制御駆動させ、インクの流通を制御する。
また、インク消費量算出部78は、主として液体消費量算出手段に対応し、大、中または小のインク滴を吐出する動作をカウントすることにより、インクの消費量を算出する部分である。ここで、本実施の形態では、インク消費量算出部78は、電源オン(このときが第1の基準時に相当)からのインク消費量である。しかしながら、このインク消費量は、上述の基準時からのインク消費量としても良い。また、このインク消費量算出部78では、ドットの形成状態を示すラスタデータを含む印刷データを参照することにより、インクの消費量を算出可能であり、CPUやASIC等に実現される構成となっている。しかしながら、インク消費量算出部78は、インクカートリッジ51のインク残量が検出センサ(光学センサ等)で検出可能な場合には、そのインク残量に基づいて、インクの消費量を算出するようにしても良い。なお、本実施の形態では、インク消費量算出部78は、脱気インクの消費量をノズル列毎に個別に算出している。
カートリッジメモリ制御部79は、主制御部71からの指令に基づいて、インクカートリッジ51に存在するメモリ51fへのアクセスを制御するための部分である。このカートリッジメモリ制御部79は、メモリ51fにアクセスして、上述のようなインクに関する各情報を読み出す。また、カートリッジメモリ制御部79は、インク消費量算出部78で算出されるインク消費量に基づいて、メモリ51fのインク残量データを更新する。
また、ヘッド駆動回路80は、ヘッド制御部73からの指令に応じて所定の電圧を生成し、その電圧を印刷ヘッド33内のピエゾ素子に印加する。また、ポンプ駆動回路81は、ポンプ制御部74からの指令に応じて所定の電圧を生成し、その電圧を吸引ポンプ65に印加する。また、CRモータ駆動回路82は、CRモータ制御部75からの指令に応じて所定の電圧を生成し、その電圧をCRモータ34に印加する。また、バルブ駆動回路83は、バルブ制御部76からの指令に応じて所定の電圧を生成し、その電圧をインク供給バルブ57および制御弁64のうち少なくとも一方に印加する。
なお、この制御部70は、インターフェース84を介して、コンピュータ90に接続されていて、印刷データ等の各種のデータを送受信可能としている。また、このコンピュータ90が、上述の制御部70と同等の機能を備えるように構成しても良い。
<プリンタのクリーニングに関する動作について>
(1)電源オン時の動作フロー
以下、プリンタ10のクリーニングに関する動作のうち、電源オン時の動作フローにつき、図9に示すフローチャートに基づいて説明する。プリンタ10に電源が投入されると、イニシャライズ動作が実行される(S10)。このイニシャライズ動作では、例えばインク流路にインクが初期充填されているか等の判定、各色のインクカートリッジ51が装着状態にあるか等の判定を、主制御部71が行う。
続いて、電源投入時に実行されるメンテナンス動作の種類が選定される(S11)。この選定では、主制御部71は、CLタイマ77での計時時間のデータと、インク消費量算出部78でのインク消費量のデータに基づいて行う。また、この選定を行う際、主制御部71は、メモリ72に記憶されているメンテナンステーブルを読み込み、このメンテナンステーブルを参照して、上述の計時時間とインク消費量とから、どのメンテナンス動作に該当するかを判断する。
ここで、本実施の形態では、供給されるインクとして、脱気インクが用いられている。そして、脱気インクは、気泡を溶解させるため、インク消費量が多くなるほど、脱気インクが多く供給され、流路中の気泡を溶解させ、気泡を消失させる方向へ向かうと考えられる。そのため、CLタイマ77での計時時間が同じであれば、インク消費量が大きいほど気泡は溶解されているので大きなメンテナンス動作は不要で、インク消費量が少ないほど、大きなメンテナンス動作が必要となっている。すなわち、電源オンの時点では、若干大きめのメンテナンス動作を行うように設定されている。
続いて、S11において選定されたメンテナンス動作を実行する(S12)。ここで、本実施の形態では、各色毎に独立してノズル列を封止可能となっているため、主制御部71は、このメンテナンス動作を、各色毎に独立して実行するように制御する。また、選定されたメンテナンス動作が、フラッシング動作である場合には、インク滴を規定のショット数だけ吐出させる(空吐出させる)動作を行う。例えば、図7において、Fl小(フラッシング動作のうち、ショット数が少ないもの)が選定され、このFl小が1000ショットであると仮定すると、1000ショットだけインク滴が吐出され、Fl大(フラッシング動作のうち、ショット数が多いもの)が選定され、このFl大が10000ショットであると仮定すると、10000ショットだけインク滴が吐出される。
また、選定されたメンテナンス動作が、TCL2〜TCL4のいずれかである場合、当該選定されたランクのクリーニング動作を行う。なお、TCL2〜TCL4におけるインク排出量は、TCL2<TCL3<TCL4となっている。また、気泡の排出量も、TCL2<TCL3<TCL4となっている。
ここで、図10に、各ランクのクリーニングの流速と、気泡体積、圧力損失の関係を示す。この図10は、脱気インクではない、飽和状態にあるインクを用いた実験結果である。この図10における直線(直線1、直線2、直線3)のうち、直線1は、印刷デューティ(印刷ヘッド33が駆動されている時間の割合)が100%の場合における流速(流速線;フラッシング動作も含まれる。)を示し、直線2は、TCL2の場合における流速を示し、直線3は、TCL3の場合における流速を示している。また、図10における略反比例の線(曲線1、曲線2)は、各流速でインクを吸引し、クリーニングを行った場合において残存する気泡体積を示している(流速−気泡体積線)。また、図10において、中途部分から急激に立ち上がる線(立上線1、立上線2)は、気泡体積と圧力損失との関係を示している(気泡−圧力損失線)。なお、曲線1と立上線1は、特定のタイプ(第1タイプ)の印刷ヘッド33に関する特性を示しており、曲線2と立上線2は、第1タイプとは別のタイプ(第2タイプ)の印刷ヘッド33に関する特性を示している。また、この図10においては、直線2,3と、曲線1,2との交点のときの気泡体積が、各クリーニングを行っても残存してしまう(排出することができない)気泡体積となっている。
また、立上線1,2の立上がり部分にまで気泡体積が増加すると、圧力損失が無限大に向かい急激に増大する。そのため、この立上がり部分以上に気泡体積が増加すると、インク滴の吐出のために圧力を付与しても、もはやインク滴を吐出することが困難となる。また、この図10においては、立上線1,2の立上がり部分における気泡体積と、現在残存している気泡体積との差の分だけ、気泡体積は増加可能となっている(以下、これを気泡マージンとする。)。
以上のように、図10においてTCL2,TCL3のいずれかのクリーニングを行うと、そのランクに応じたクリーニングにより、流路内に残存している気泡を減少可能となっている。これを別な観点から言えば、非常に強力なチョーク吸引を除く、所定のランクのクリーニングを行っても、所定の量だけ、気泡が残存してしまうことを示している。
しかしながら、本実施の形態においては、印刷が開始され、脱気インクが供給されるにつれて、気泡を溶解していく。そのため、各ランクのクリーニング、またはフラッシングを行った後に、流路に存在している気泡は、脱気インクの消費量が多くなるにつれて、減少していくと考えられ、気泡マージンは増大すると考えられる。
また、上述のS12で、メンテナンス動作が実行される場合、CLタイマ77をリセットする(S13)。しかしながら、電源オンの間、インク消費量はリセットせずに、そのままとしておく。なお、CLタイマ77のリセットに伴って、インク消費量もリセットする(カウントをゼロクリアとする)ようにしても良い。
(2)印刷時の動作フロー
続いて、プリンタ10のクリーニングに関する動作のうち、印刷開始時の動作フローにつき、図11に示すフローチャートに基づいて説明する。この動作フローにおいては、印字の開始が指示されると(S20)、その際に実行されるメンテナンス動作の種類が選定される(S21)。この選定は、上述の図9に示すのと同様のメンテナンステーブルを参照して行う。また、その他の処理は、上述の図9におけるものと同様となっているので、その説明を省略する。
<本発明を適用した場合における効果>
上述のプリンタ10によれば、インク消費量算出部78で算出される液体の消費量に基づいて、印刷ヘッド33または吸引ポンプ65等で実行されるメンテナンス動作が制御される。ここで、本実施の形態におけるインクは、脱気状態にある脱気インクであるため、流路に存在する気泡を溶解可能となる。従って、かかる脱気インクの消費量に基づいて、メンテナンス動作を制御すれば、適切に流路内に存在する気泡を減少させて、気泡マージンを増加させることが可能となり、脱気インクの気体溶存性を有効活用することが可能となる。
特に、本実施の形態では、CLタイマT1が同じであれば、脱気インクの消費量が多くなるにつれて、メンテナンス動作における液体の消費量を減少させるように制御している。このため、脱気インクの気体溶存性を有効活用すると共に、メンテナンス動作の際に無駄に排出されるインクの量を減少させることが可能となる。
また、メンテナンス動作の前において消費される脱気インクの量が同じであれば、CLタイマT1が経過するにつれて、脱気インクの気体溶存性が低下すると考えられる(気体の溶解度が飽和していて、もはや気泡が溶けずに気泡が多く残存していると考えられる)。ここで、本実施の形態では、メンテナンス前のインク消費量Mが同じであれば、CLタイマT1が経過するにつれて、メンテナンス動作で消費される脱気インクの量を増加させているので、脱気インクと共に排出される気泡の量を増やすことが可能となる。すなわち、気泡溶存性の高い脱気インクが、時間経過に伴って多く供給されることにより、流路内に残存している気泡を、より多く溶解させることが可能となる。
さらに、本実施の形態では、印刷ヘッド33または吸引ポンプ65等で実行されるメンテナンス動作が段階的に変化する、マトリクス状のテーブルに基づいて制御するので、データ量を小さくすることが可能となると共に、計算を単純化させることが可能となる。
また、本実施の形態では、メンテナンス動作の実行に際して、印刷ヘッド33を空吐出させるか、または吸引ポンプ65を作動させて、より多くの脱気インクを排出させている。ここで、印刷ヘッド33の空吐出では、少量の液体を排出可能となると共に、吸引ポンプ65の作動では、より多量の脱気インクを排出可能となり、より多彩なメンテナンス動作を実行可能となる。
さらに、キャップ61は、それぞれの種類に応じたノズル列を、他のノズル列とは分離して封止すると共に、その封止状態においてノズル列を個別に吸引する。また、インク消費量算出部78は、脱気インクの消費量をノズル列毎に個別に算出すると共に、主制御部71は、ノズル列毎に個別に算出される液体の消費量に基づいて、メンテナンス動作を選定している。このため、それぞれのノズル列に対応する脱気インクの気泡溶存性を勘案して、最適なメンテナンス動作を実行可能となる。また、ノズル列を個別に吸引可能となるため、脱気インクを無駄に吸引せずに済み、ユーザにとって経済的となる。
<本発明の変形例>
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下、それについて述べる。
上述の実施の形態では、メンテナンステーブルとして、図7に示すような、段階的なマトリクス状のものを用いている。しかしながら、メンテナンステーブルは、マトリクス状ではなく、図12のグラフで示されるように、直線(曲線でも良い)の間に存在する領域の間にいずれかのメンテナンス動作が存在するように設計しても良い。
また、上述の実施の形態では、キャップ61には隔壁62が設けられていて、それぞれの色のインクを吐出するノズル列のノズル開口33aを、色別に独立して封止可能としている。加えて、ノズル列毎に制御弁64を設け、この制御弁64での開閉動作により、ノズル開口33aからの脱気インクの吸引を行っている。しかしながら、キャップ61に隔壁62を設けずに、各ノズル列から一体的に脱気インクを吸引するようにしても良い。なお、この場合、主制御部71は、インク消費量算出部78で算出されるインク消費量が最も少ないものを基準として、メンテナンス動作を行うようにしても良い。ここで、脱気インクの消費量が最も少ない場合、流路内に気泡が残存している可能性が最も高い状態となる。そのため、メンテナンス動作の確実性を担保するためには、インク消費量が最も少ないものに対応する、最もランクの高いメンテナンス動作を実行する必要がある。なお、このようにすると、それぞれの種類に応じたノズル列を、他のノズル列と分離せずに一体的に封止するので、簡便な構成でメンテナンス動作を実行可能となる。
また、上述の実施の形態においては、プリンタ10は、インクカートリッジ51をシャーシ21側に搭載する、いわゆるオフキャリッジタイプのプリンタ10について説明している。しかしながら、プリンタ10は、オフキャリッジタイプには限られず、インクカートリッジ51をキャリッジ31に搭載する、いわゆるオンキャリッジタイプであっても良い。
また、上述の実施の形態では、メンテナンステーブルは、Fl小、Fl大、タイマCL2、タイマCL3、タイマCL4の、5段階のメンテナンス動作を有するものについて説明している。しかしながら、メンテナンス動作は、5段階には限られず、2段階以上であれば、何段階存在していても良い。また、チョーククリーニングをメンテナンス動作に含めても良く、また含めなくても良い。
また、上述の実施の形態の構成に加えて、加圧ポンプ53において、流路内の脱気インクを所定だけ加圧するようにして、脱気インクに対する気泡の溶解を早めるようにしても良い。その他、溶解を早める構成としては、流路の内部に、超音波を印加する手段(超音波発生装置)を具備する構成を採用したり、温度を制御する手段(ペルチエ素子等)を具備する構成を採用しても良い。これらの構成を採用して、各手段を作動させると、気泡の溶解速度を一層早める(加速させる)ことが可能となる。
また、上述の実施の形態におけるプリンタ10は、プリンタ機能以外の機能(スキャナ機能、コピー機能等)を備える構成のような、複合的な機器の一部であっても良い。また、液体吐出装置は、プリンタ10には限られない。プリンタ10以外の液体吐出装置としては、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ等の製造に用いられる、液体を噴射する装置等がある。また、液体は、インク以外の液体であっても良く、たとえば液晶ディスプレイ、ELディスプレイに用いられる液体を噴射する装置においては、色材、電極材が液体となる。また、液体は、脱気インクには限られず、気泡が所定だけ溶解しているインク(飽和しているインク等)を用いても良い。なお、飽和しているインクを用いる場合、加圧または冷却等の別途の作業が必要となる。
本発明の一実施の形態に係るプリンタの概略構成を示す斜視図である。 図1のプリンタの概略構成を示す図である。 図1のプリンタにおけるカートリッジホルダの構成を示す斜視図である。 図1のプリンタにおけるインクカートリッジの構成を示す斜視図である。 図1のプリンタにおけるクリーニング機構の概略構成を示す図である。 図1のプリンタの制御部を中心とした概略構成を示す図である。 メモリに記憶されるメンテナンステーブルを示す図である。 従来のメンテナンステーブルを示す図である。 電源オン時のメンテナンス動作に関するフローを示す図である。 クリーニングの流速、気泡体積、圧力損失の関係を示す図である。 電源オン時のメンテナンス動作に関するフローを示す図である。 メンテナンステーブルの変形例を示す図である。
符号の説明
10…プリンタ、30…キャリッジ機構、31…キャリッジ、33…印刷ヘッド(吐出ヘッド、メンテナンス実行手段および空吐出実行手段の一部に対応)、50…インク供給機構、51…インクカートリッジ(液体供給源および液体収容手段に対応)、60…クリーニング機構、61…キャップ、62…隔壁、64…制御弁、65…吸引ポンプ(メンテナンス実行手段の一部および液体吸引手段に対応)、70…制御部(メンテナンス動作制御手段の一部に対応)、72…メモリ(メンテナンス動作制御手段の一部に対応)、73…ヘッド制御部、74…ポンプ制御部、75…CRモータ制御部、76…バルブ制御部、77…CLタイマ、78…インク消費量算出部(液体消費量算出手段に対応)、79…カートリッジメモリ制御部、90…コンピュータ

Claims (8)

  1. 脱気状態にある液体を供給する液体供給源と、
    吐出対象に向けて上記液体を吐出させる吐出ヘッドと、
    上記液体供給源と上記吐出ヘッドとの間であって、当該吐出ヘッドから上記液体を吐出させるまでの間に上記液体を流通させる流路と、
    第1の基準時から上記吐出ヘッドから吐出または排出される上記液体の消費量を算出する液体消費量算出手段と、
    上記液体を上記吐出ヘッドから吐出または排出させるメンテナンス動作を行うためのメンテナンス実行手段と、
    第2の基準時から計測される時間と、上記液体消費量算出手段で算出される上記液体の消費量に基づいて、メンテナンス実行手段で実行されるメンテナンス動作を制御するメンテナンス動作制御手段と、
    を具備することを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記メンテナンス動作制御手段では、前記液体の消費量がそれぞれ異なる複数の前記メンテナンス動作を前記メンテナンス実行手段に実行させると共に、
    このメンテナンス動作制御手段は、前記第2の基準時が同じであれば、前記液体の消費量が多くなるにつれて、前記メンテナンス動作における前記液体の消費量を減少させる制御を行う、
    ことを特徴とする請求項1記載の液体吐出装置。
  3. 前記メンテナンス動作制御手段は、前記第2の基準時から計測される時間が経過するにつれて、前記メンテナンス動作における前記液体の消費量を増加させる制御を行う、
    ことを特徴とする請求項2記載の液体吐出装置。
  4. 前記メンテナンス動作制御手段は、
    前記液体の消費量が多くなるにつれて、段階的に変化する前記メンテナンス動作を前記メンテナンス実行手段に実行させると共に、
    前記第2の基準時から計測される時間が経過するにつれて、段階的に変化する前記メンテナンス動作を前記メンテナンス実行手段に実行させる、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  5. 前記メンテナンス実行手段は、
    前記吐出対象に対して前記液体を吐出させないで別の部位に当該液体を吐出させる空吐出を行わせる空吐出実行手段と、
    前記吐出ヘッドから前記液体を強制的に吸引する液体吸引手段と、
    を具備することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  6. 前記液体供給源は、異なる種類の前記液体をそれぞれ収容する複数の液体収容手段を有すると共に、
    前記吐出ヘッドは、上記液体収容手段の上記種類に応じた分だけのノズル列が存在すると共に、
    前記液体吸引手段は、それぞれの上記種類に応じた上記ノズル列を、他の上記ノズル列とは分離して封止すると共に、その封止状態において上記ノズル列を個別に吸引可能としていて、
    前記液体消費量算出手段は、前記液体の消費量を上記ノズル列毎に個別に算出すると共に、
    前記メンテナンス動作制御手段は、前記液体消費量算出手段で、上記ノズル列毎に個別に算出される前記液体の消費量に基づいて、前記メンテナンス実行手段で実行される前記メンテナンス動作を制御する、
    ことを特徴とする請求項5記載の液体吐出装置。
  7. 前記液体供給源は、異なる種類の前記液体をそれぞれ収容する複数の液体収容手段を有すると共に、
    前記吐出ヘッドは、上記液体収容手段の上記種類に応じた分だけのノズル列が存在すると共に、
    前記液体吸引手段は、それぞれの上記種類に応じた上記ノズル列を、他の上記ノズル列と分離せずに一体的に封止すると共に、その封止状態において上記ノズル列を吸引可能としていて、
    前記液体消費量算出手段は、前記液体の消費量を上記ノズル列毎に個別に算出すると共に、
    前記メンテナンス動作制御手段は、上記ノズル列のうち前記液体の消費量が最も少ないものを基準として、前記液体吸引手段を制御作動させる、
    ことを特徴とする請求項5記載の液体吐出装置。
  8. 吐出ヘッドから吐出または排出される液体であって、脱気状態にある液体の消費量を第1の基準時から算出する液体消費量算出工程と、
    第2の基準時から計測される時間と、上記液体消費量算出工程で算出される上記液体の消費量に基づいて、上記液体を上記吐出ヘッドから吐出または排出させるメンテナンス動作を制御するメンテナンス動作制御工程と、
    上記メンテナンス動作制御工程で制御された上記メンテナンス動作を実行させるメンテナンス実行工程と、
    を具備することを特徴とする液体吐出方法。
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