JP2008221230A - 回転電機用鉄心片の製造装置及び製造方法 - Google Patents

回転電機用鉄心片の製造装置及び製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鉄心片を能率良く製造することが可能なものであって、製造される鉄心片の撓みを抑える。
【解決手段】鉄心片の素材たる帯状磁性鋼板のコイルをアンコイルして素材鋼板23を所定速度で送出す送出し装置と、円柱形状でその外周面に製造する鉄心片の形状に合せた凸状切刃29aを形成したカッターローラ29と円柱形状で平滑な外周面を持つ受けローラ30とを互いに外周面を突合せた状態で対向配置し、それら両ローラ29,30を互いに反対方向に回転させて該両ローラ29,30間に送出された素材鋼板23を挟んで引込みつつ、素材鋼板23をカッターローラ29の凸状切刃29aで押切って鉄心片を切抜く切抜装置28と、切抜いた鉄心片を集積する集積箱とを備える。そして、受けローラ30の直径寸法Dを、素材鋼板23の厚み寸法tの720倍以上にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、積層して回転電機の固定子積層鉄心や回転子積層鉄心を組立てる部品である磁性鋼板製の鉄心片を製造するための回転電機用鉄心片の製造装置及び製造方法に関する。
回転電機の固定子には、例えば図15の(a)に示すような、環状ヨーク部1から中心に向け突出した複数の磁極歯2を有する固定子用鉄心片3を、図15の(b)に示すように複数枚積層し、積層方向にかしめて組立てた固定子積層鉄心4が用いられる。又、図15の(a)に示した固定子用鉄心片3を磁極数分に分割展開した図16の(a)に示すような展開鉄心片5を製作し、それを積層後に筒状に塑性変形させ両端を溶接接合して図16の(b)に示すように組立てた固定子積層鉄心6も用いられる。
回転電機の回転子には、例えば図17の(a)に示すような、中心に回転軸挿通用の軸孔7を、外周部位に永久磁石埋設用の所要数のスロット8を形成した回転子用鉄心片9を複数枚積層し、積層方向にかしめて図17の(b)に示すように組立てた回転子積層鉄心10が用いられる。
従来、この固定子積層鉄心4,6、回転子積層鉄心10を組立てる部品である鉄心片3,5,9は、図18に示すように、帯状の磁性鋼板のコイル11をアンコイルしてロールフィーダ12にて送出し、プレス装置13を用いて型抜きする方法で製造されていた。しかし、図18に示した従来の鉄心片3,5,9の製造装置では、プレス装置13を使用した型抜き作業であるため素材供給をタクト送りにせざるを得ない。そのため、材料送り速度の限界から、薄い鉄心片3,5,9を製造する場合には生産能率が低くなる問題があった。又、磁性鋼板の板厚が薄くなると型抜きの際に生ずるバリ(返り)が板厚に対して相対的に大きくなり、ひいては積層した場合に鉄心片3,5,9の端面の短絡による鉄損増加、積み精度低下などを招来して製品性能が低下するという問題もあった。更に、プレス荷重が大きくなることに伴うプレス装置13の大型化により、設備コストのアップや、設置面積の大型化による製造ラインの固定費アップを招いていた。
ところで、近年では、ロータリーダイカッターと称される、外周面に刃型が設けられた円柱状(ローラ状)のダイと、円柱状(ローラ状)のアンビルとの間で、加工物、例えば、紙、銅箔等、薄いシート等を挟んで切抜する切抜装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。そこで、このようなロータリーダイカッターを、回転電機用鉄心片の製造にも適用することができれば、生産効率を高めることができる。
特許第3409462号公報
しかしながら、上記したロータリーダイカッターを用いて、紙等に比べて硬くて厚みのある磁性鋼板から鉄心片を切抜く場合には、次のような不具合の発生が予想される。即ち、紙や箔等の切抜では認められない鉄ならではの問題として、ローラ(アンビル)の外径に沿った鉄心片の撓みの問題がある。これは、切抜刃の刃先が鉄心片をローラ面に押付けることにより発生し、強度が高く塑性材質である帯状磁性鋼板では避けて通れない現象である。現在、鉄心片に使用されている磁性鋼板の板厚は、0.1〜0.75mmであるが、板が厚いほど撓み量は大きくなる。このような鉄心片の撓みの発生により、積層時に要求される平板状態を維持できなってしまうことになる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、鉄心片を能率良く製造することが可能なものであって、製造される鉄心片の撓みを抑えることができる回転電機用鉄心片の製造装置及び製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の第1の回転電機用鉄心片の製造装置は、積層して回転電機の固定子積層鉄心或いは回転子積層鉄心を組立てる部品である鉄心片を製造するための装置であって、前記鉄心片の素材たる帯状磁性鋼板のコイルをアンコイルして素材鋼板を所定速度で送出す送出し装置と、円柱形状でその外周面に製造する前記鉄心片の形状に合せた凸状切刃を形成したカッターローラと円柱形状で平滑な外周面を持つ受けローラとを互いに外周面を突合せた状態で対向配置し、それら両ローラを互いに反対方向に回転させて該両ローラ間に前記送出された素材鋼板を挟んで引込みつつ、前記素材鋼板を前記カッターローラの凸状切刃で押切って鉄心片を切抜く切抜装置と、前記切抜いた鉄心片を集積する集積箱とを備えると共に、前記受けローラの直径寸法Dが、前記素材鋼板の厚み寸法tの720倍以上とされているところに特徴を有する(請求項1の発明)。
本発明の第1の回転電機用鉄心片の製造方法は、積層して回転電機の固定子積層鉄心或いは回転子積層鉄心を組立てる部品である鉄心片を製造するための製造方法であって、前記鉄心片の素材たる帯状磁性鋼板のコイルをアンコイルして素材鋼板を所定速度で送出す送出し工程と、円柱形状でその外周面に製造する前記鉄心片の形状に合せた凸状切刃を形成したカッターローラと円柱形状で平滑な外周面を持つ受けローラとを互いに外周面を突合せた状態で対向配置し、それら両ローラを互いに反対方向に回転させて該両ローラ間に前記送出された素材鋼板を挟んで引込みつつ、前記素材鋼板を前記カッターローラの凸状切刃で押切って鉄心片を切抜く切抜工程と、前記切抜いた鉄心片を集積する集積工程とを有し、前記受けローラの直径寸法Dが、前記素材鋼板の厚み寸法tの720倍以上とされているところに特徴を有する(請求項14の発明)。
上記の本発明の第1の回転電機用鉄心片の製造装置及び製造方法構成によれば、素材鋼板を連続送りしながら、回転する凸状切刃により、鉄心片を高速連続切抜きすることができるため、鉄心片を能率良く製造することができる。
ここで、カッターローラの凸状切刃が素材鋼板に食込むと、素材鋼板は受けローラ面に押付けられ、素材鋼板には受けローラ面の曲率で曲げモーメントが加わる。素材鋼板に生じる最大曲げ応力が素材鋼板の鋼板耐力を超えると、その超えた応力に対応して永久ひずみが素材鋼板に残ることがある。この永久ひずみが鉄心片の撓みの原因になると考えられる。従って、この永久ひずみを発生させないようにすれば、曲げ応力は素材鋼板の弾性範囲内に収まり、撓みが生じないことになる。
本発明者らは、上記受けローラとカッターローラとを用いた切抜装置における、鉄心片に使用される板厚の磁性鋼板の、曲げ応力及び永久ひずみに関して、様々な試験、研究を行った。その結果、曲げ応力は、磁性鋼板の厚みにほぼ比例し、受けローラの径にほぼ反比例する、つまり、磁性鋼板の厚み寸法tが大きいほど曲げ応力は大きくなり、受けローラの直径寸法Dが小さいほど曲げ応力が大きくなることが判明した。そして、更なる実験により、永久ひずみを回避できる関係式は、D/t≧720であることが確認されたのである。尚、受けローラの直径の上限値に関しては、撓みの発生を防止する観点からは、直径寸法Dが大きいほど効果的であるため、特に規定されるものではないが、実使用上は、あまりに大きくなると設備の大形化やコストアップを招くため、例えば最大でも2m以下程度にすることが好ましい。
又、上記目的を達成するために、本発明の第2の回転電機用鉄心片の製造装置は、積層して回転電機の固定子積層鉄心或いは回転子積層鉄心を組立てる部品である鉄心片を製造するための装置であって、前記鉄心片の素材たる帯状磁性鋼板のコイルをアンコイルして素材鋼板を所定速度で送出す送出し装置と、円柱形状でその外周面に製造する前記鉄心片の形状に合せた凸状切刃を形成したカッターローラと円柱形状で平滑な外周面を持つ受けローラとを互いに外周面を突合せた状態で対向配置し、それら両ローラを互いに反対方向に回転させて該両ローラ間に前記送出された素材鋼板を挟んで引込みつつ、前記素材鋼板を前記カッターローラの凸状切刃で押切って鉄心片を切抜く切抜装置と、前記受けローラの外周に前記カッターローラよりも下流側に位置して設けられ、前記切抜かれた鉄心片が通されることにより、該鉄心片の撓みを修正する修正用ローラと、この修正用ローラを通った鉄心片を集積する集積箱とを備えているところに特徴を有する(請求項2の発明)。
本発明の第2の回転電機用鉄心片の製造方法は、積層して回転電機の固定子積層鉄心或いは回転子積層鉄心を組立てる部品である鉄心片を製造するための製造方法であって、前記鉄心片の素材たる帯状磁性鋼板のコイルをアンコイルして素材鋼板を所定速度で送出す送出し工程と、円柱形状でその外周面に製造する前記鉄心片の形状に合せた凸状切刃を形成したカッターローラと円柱形状で平滑な外周面を持つ受けローラとを互いに外周面を突合せた状態で対向配置し、それら両ローラを互いに反対方向に回転させて該両ローラ間に前記送出された素材鋼板を挟んで引込みつつ、前記素材鋼板を前記カッターローラの凸状切刃で押切って鉄心片を切抜く切抜工程と、この切抜工程により切抜かれた鉄心片を、前記受けローラの外周に前記カッターローラよりも下流側に位置して設けられた修正用ローラを通すことにより、該鉄心片の撓みを修正する修正工程と、この修正工程を通った鉄心片を集積する集積工程とを有しているところに特徴を有する(請求項15の発明)。
上記の本発明の第2の回転電機用鉄心片の製造装置及び製造方法構成においても、鉄心片を高速連続切抜きすることができる。又、カッターローラと受けローラとの間で切抜かれた鉄心片が修正用ローラに通されることにより、切抜時に鉄心片に撓みが生じても、その撓みが修正用ローラで矯正されるようになる。
本発明の回転電機用鉄心片の製造装置及び製造方法によれば、鉄心片を能率良く製造することができると共に、製造される鉄心片の撓みを抑えることができるという優れた効果を奏する。
以下、本発明を、積層して回転電機の固定子積層鉄心或いは回転子積層鉄心を組立てる部品である鉄心片を製造する製造装置に適用した、いくつかの実施形態について、図1ないし図14を参照しながら説明する。
(1)第1の実施形態
まず、図1ないし図3を参照しながら、本発明の第1の実施形態について述べる。図2には、本実施形態に係る鉄心片21の製造装置22(製造ライン)の構成が概略的に示されている。鉄心片21は、電磁鋼板などの磁性鋼板で製作される。素材である磁性鋼板としては、厚み寸法t(図1参照)が、例えば0.1〜0.75mmの帯状の鋼板(以下、素材鋼板23という)をコイル状に巻いたコイル材24が使用される。
コイル材24は、アンコイラー装置25に水平軸を中心に回転可能にセットされる。このコイル材24から素材鋼板23の一端が引出されてレベラフィーダ26に引入れられる。レベラフィーダ26はアンコイルした素材鋼板23の巻き癖を矯正し一定速度で矢印A方向に送出すようになっている(送出し工程)。これらアンコイラー装置25及びレベラフィーダ26から送出し装置27が構成される。
レベラフィーダ26から送出された素材鋼板23は、次に切抜装置28に送り込まれる。切抜装置28は、製造する鉄心片21を素材鋼板23から切抜く装置であり、図1及び図2に示すように、カッターローラ29と受けローラ30とを組合せて構成されている。
カッターローラ29は、外観が略円柱状に形成されたロールであり、そのロールの外周面に、製造する鉄心片21の形状に合せた凸状切刃29aが形成されている。凸状切刃29aは、素材鋼板23から鉄心片21を切抜くためのものであり、凸状切刃29aの先端部断面は、三角形状を成している。
一方、受けローラ30は、平滑な外周面を持つ円柱形状のロールである。この受けローラ30は、切抜かれた鉄心片21がカッターローラ29から容易に落下できるようにカッターローラ29の下側に設けられている。又、カッターローラ29及び受けローラ30は、互いに外周面を突合せた状態で対向するように配置されている。
カッターローラ29は、図示しない駆動モータ等の駆動手段により、図2中の矢印B方向に回転駆動されるようになっている。一方、受けローラ30は、カッターローラ29と同期して、カッターローラ29の回転方向に対して反対方向(図2中の矢印C方向)に回転される。これにより、両ローラ29,30間に素材鋼板23が送込まれると、素材鋼板23は両ローラ29,30間に挟まれて引込まれ、カッターローラ29の凸状切刃29aが受けローラ30上を移動する素材鋼板23上に回転押圧する。そして、凸状切刃29aと受けローラ30の外周面との間で素材鋼板23が押切られ、凸状切刃29aを平面展開した形状と同一形状の鉄心片21が切抜かれる(切抜工程)。切抜かれた鉄心片21は、受けローラ30の下流側の下方に配置された集積箱31(図2参照)に集積される(集積工程)。一方、鉄心片21が切抜かれた後の素材鋼板23(残材)は、切抜装置28の下流に設けられた巻取ローラ32で巻取って回収される。
さて、本実施形態においては、図1に示すように、前記受けローラ30は、その直径寸法Dが、前記素材鋼板23の厚み寸法tに対し720倍以上の寸法を有したものとされている。具体的には、図3に示したように、素材鋼板23の厚み寸法tが0.5mmの場合には、受けローラ30の直径寸法Dが、450mm(900倍)或いは360mm(720倍)とされる。又、素材鋼板23の厚み寸法tが0.3mmの場合には、受けローラ30の直径寸法Dは、270mm(900倍)或いは216mm(720倍)とされる。尚、前記カッターローラ29の直径寸法は、例えば120mm〜200mmとされている。
上記構成においては、受けローラ30の直径寸法Dを素材鋼板23の厚み寸法tに対し十分大きく(720倍或いは900倍)構成したことにより、切抜かれる鉄心片21の撓みの発生を抑制することができた。ひいては、積層時に要求される鉄心片21の平板状態を確保することができる。
4種類の素材鋼板23に関しては、鋼板ヤング率はすべて同等であり、鋼板耐力については、試料1,2が一般的なもの、試料3,4がそれよりやや良いものを採用している。各素材鋼板23の厚み寸法tと、切抜装置28の受けローラ30の直径寸法Dとは、図示の通りである。
そして、これら4種類の素材鋼板23を、直径寸法Dの異なる受けローラ30を夫々用いて切抜いた場合、4種類の素材鋼板23とも目視観察において撓みが生じていない鉄心片21を得ることができた。このことからも、受けローラ30の直径寸法Dを素材鋼板23の厚み寸法tの720倍以上とすることにより、製造される鉄心片21の撓みの発生を防止できることが理解できる。
上記のような第1の実施形態によれば、カッターローラ29と受けローラ30とで素材鋼板23を切抜く構成としたので、カッターローラ29の凸状切刃29aを平面展開した形状と同一形状の鉄心片21を素材鋼板23から連続的に切抜くことができる。従って、素材鋼板23を連続送りしながら、回転する凸状切刃29aにより、鉄心片21を高速連続切抜きすることができるため、鉄心片21を能率良く製造することができる。
そして、直径寸法Dが素材鋼板23の厚み寸法tの720倍以上である受けローラ30を用いることにより、鉄心片21に加わる曲げ応力を鋼板耐力未満に収めることができ、鉄心片21の撓みの発生を回避することができる。
尚、受けローラ30の直径寸法Dの上限値に関しては、撓みの発生を防止する観点からは、直径寸法Dが大きいほど効果的であるため、特に規定されるものではないが、実使用上は、あまりに大きくなると設備の大形化やコストアップを招くため、例えば最大でも2m以下程度にすることが好ましい。
(2)第2、第3の実施形態
図4及び図5は、夫々、本発明の第2及び第3の実施形態を示すものである。尚、以下に述べる各実施形態(第2の実施形態以降の実施形態)において、上記第1の実施形態と同一部分については、同一符号を付して新たな図示や詳しい説明を省略し、以下、異なる点についてのみ説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態に係る鉄心片21の製造装置の構成を概略的に示すものであり、本実施形態では、切抜装置40には、前記第1の実施形態の受けローラ30よりもやや径小な受けローラ41が用いられていると共に、受けローラ41の外周のカッターローラ29よりも下流側に位置して切抜装置40で切抜かれた鉄心片21の撓みの矯正をする修正用ローラ42が設けられている。この修正用ローラ42は、第1,第2の2個のローラ42a,42b及びガイドローラ43を備えて構成されている。
前記第1のローラ42aは、前記受けローラ41の図で右側に圧接するように設けられ、第2のローラ42bは、前記第1のローラ42aの図で右側に圧接するように設けられている。更に、前記ガイドローラ43は、前記第1のローラ42aの図で下側に圧接するように設けられている。これにて、第1のローラ42aは、前記受けローラ41の回転に伴い、受けローラ41の回転方向(図4中の矢印C方向)と反対方向(図4中の矢印E方向)に回転される。第2のローラ42bは、第1のローラ42aの回転方向と反対方向(図4中の矢印F方向)に回転される。前記ガイドローラ43は、第1のローラ42aの回転方向と反対方向(矢印G方向)に回転される。
このとき、図示はしないが、修正用ローラ42の近傍には、複数のガイド部材が設けられている。これにより、カッターローラ29によって、切抜かれた鉄心片21は、受けローラ41と第1のローラ42aとの間に案内され、次に第1のローラ42aとガイドローラ43との間に案内され、更に第1のローラ42aと第2のローラ42bとの間に案内されるようになっている。従って、図示のように、鉄心片21は、第1のローラ42aのほぼ半周分(下半分)に巻付けられるようにしながら送られるようになっている。
この構成においては、切抜工程において切抜かれた鉄心片21に受けローラ41の曲率に倣うような撓みが生じても、その鉄心片21が修正用ローラ42に送られ、第1のローラ42aに巻付けられることによって、撓み方向とは逆方向に撓ませるような力を受け、撓みが矯正されて送出される(修正工程)。そして、撓みが修正された鉄心片21は、第2のローラ42bの下流側の下方に配置された集積箱31に集積される。
このような第2の実施形態によれば、切抜かれる鉄心片21に撓みが生じてしまっても、修正用ローラ42に通すことにより、撓みが矯正された状態の平板に近い鉄心片21を得ることができる。従って、上記第1の実施形態と同様に、素材鋼板23を連続送りしながら、回転する凸状切刃29aにより、鉄心片21を高速連続切抜きすることができるため、鉄心片21を能率良く製造することができる。
又、受けローラ41として、比較的径小のものを使用できるので、装置全体の小型化を図ることができる。
図5は、本発明の第3の実施形態に係る鉄心片21の製造装置の要部構成を概略的に示すものである。この第3の実施形態が上記第2の実施形態と異なる点は、修正用ローラ44の構成にある。即ち、本実施形態では、修正用ローラ44は、第1,第2,第3の3個のローラ44a,44b,44cを備えている。第1のローラ44aは、受けローラ41の図で右側に圧接するように設けられ、第2のローラ44bは、第1のローラ44aの下側に圧接する(受けローラ41からは離れている)ように設けられ、第3のローラ44cは、第2のローラ44bの左下に、該第2のローラ44b及び受けローラ41の双方に圧接するように設けられている。
これにて、受けローラ41が、矢印C方向に回転することに伴い、第1,第2,第3のローラ44a,44b,44cは、夫々矢印H方向,矢印I方向,矢印J方向に回転されるようになっている。
この構成により、カッターローラ29と受けローラ41とで切抜かれた鉄心片21は、先ず受けローラ41と第1のローラ44aとの間を通され、次いで第1のローラ44aと第2のローラ44bとの間を通され、更に、第2のローラ44bと第3のローラ44cとの間を通され、最後に、第3のローラ44cと受けローラ41との間に通される。このとき、鉄心片21は、第2のローラ44bの外周のほぼ3/4周程度巻付けられながら送られるようになる。送られた鉄心片21は、修正用ローラ44の下流側の下方に配置された集積箱31に集積される。
上記構成によれば、上記第2の実施形態と同様に修正用ローラ44(修正工程)によって、鉄心片21の撓みを矯正することができる。従って、この第3の実施形態によっても、素材鋼板23を連続送りしながら、回転する凸状切刃29aにより、鉄心片21を高速連続切抜きすることができるため、鉄心片21を能率良く製造することができる。
(3)第4,第5の実施形態
図6は、本発明の第4の実施形態に係る鉄心片21の製造装置の要部構成を概略的に示すものであり、上記第1の実施形態と異なるところは、送出し装置27から送出された素材鋼板23を、切抜装置28の切抜位置(カッターローラ29の凸状切刃29aが受けローラ30に押付けられる位置)に至る前に、カッターローラ29の凸状切刃29aに予め当接させるための案内機構50を設けた点である。又、送出し装置27(レベルフィーダ26)は、素材鋼板23を上記第1の実施形態よりもやや高い位置において、ローラ51,51まで矢印A方向に水平に送るように構成されている。
前記案内機構50は、カッターローラ29の図で左側の、前記ローラ51,51と切抜位置との間に、一対の案内ローラ52,52を備えて構成されている。これらの案内ローラ52,52は、前記ローラ51,51を通って右斜め下向きに送られる素材鋼板23を、斜め方向から挟むように設けられ、以って、素材鋼板23は、切抜装置28の切抜位置に至る前の位置(図に符号Kで示す位置)に、カッターローラ29の凸状切刃29aに予め当接するようになっている。
上記構成によれば、素材鋼板23は、案内機構50により、カッターローラ29の凸状切刃29aが予め当接され、凸状切刃29aの先端部分が食付いた状態のままで切抜装置28の切抜位置に至るようになる。従って、この第4の実施形態によれば、凸状切刃29aが素材鋼板23に対して位置ずれしにくい状態で切抜工程が実行されるようになり、素材鋼板23に対する凸状切刃29aの滑りを防止して、切抜かれる鉄心片21の寸法精度を高めることができる。上記第1の実施形態と同様の作用効果が得られることは勿論である。
図7は、本発明の第5の実施形態を示すものであり、この実施形態では、案内機構53に、前記一対の案内ローラ52,52に加え、カッターローラ29の凸状切刃29aを素材鋼板23に食込ませるためのプレローラ54が設けられている。即ち、プレローラ54は、上記第4の実施形態で説明した、素材鋼板23がカッターローラ29の凸状切刃29aに切抜前に予め当接される当接位置Kにおいて、素材鋼板23をカッターローラ29に対して押付けるように設けられている。これにより、当接位置Kにおいてカッターローラ29の凸状切刃29aが素材鋼板23に食込むようになる。
従って、この第5の実施形態によれば、素材鋼板23は、カッターローラ29の凸状切刃29aが食込んだ状態で切抜装置28の切抜位置に至るので、凸状切刃29aの滑りをより確実に防止することができ、切抜かれる鉄心片21の寸法精度をより高めることができる。
(4)第6,第7,第8の実施形態
図8は、本発明の第6の実施形態を示すものであり、受けローラ60の構成が上記第1の実施形態と異なっている。即ち、受けローラ60には、素材鋼板23及び鉄心片21を受けローラ60の外周面に吸着(密着)させながら送るための吸引手段としてのエア吸引機構61が設けられている。ここで、図8(a)に示すように、前記受けローラ60は、中心部に空洞部60aを有していると共に、その空洞部60aから放射方向に延びる複数個の孔62が形成されている。図8(b)にも示すように、前記複数個の孔62は、受けローラ60の外周面にて開口している。この場合、複数個の孔62は、受けローラ60の外周面に円周方向及び軸方向に配列するように開口している。尚、この受けローラ60の直径寸法Dは、素材鋼板23の厚み寸法tの720倍以上とされている。
そして、詳しくは図示はしないが、前記受けローラ60を回転させるためのシャフトには、前記空洞部60aに連通する中空部が設けられ、この中空部が、例えば真空ポンプ等の吸引装置63に接続されている。これにより、吸引装置63が駆動されることによって、受けローラ60の外周面に開口している孔62を通してエアを吸引する吸引機構61が構成されるのである。
この構成によれば、切抜位置に引込まれた素材鋼板23は、吸引装置63のエアの吸引により受けローラ60の外周面に吸着され、吸着された状態で切抜かれる。従って、切抜き時に、素材鋼板23が受けローラ60の外周面をずれ動くことを防止でき、凸状切刃29aが素材鋼板23に対して相対的に滑ることを防止することができる。この結果、鉄心片21の切抜きの寸法精度を高めることができる。又、鉄心片21が切抜かれることにより残材の素材鋼板23が波を打ったように変形して蛇行してしまう虞があったが、素材鋼板23を受けローラ60に吸着させることにより、素材鋼板23の蛇行を防止することができる。
尚、切抜かれた鉄心片21は、受けローラ60の外周面に吸着されたまま送られることになるが、受けローラ60の下流側に設けられた図示しないヘラで剥がされるように構成されている。或いは、鉄心片21が自重で剥がれ落ちる構成としても良い。
図9は、本発明の第7の実施形態を示すものであり、上記第6の実施形態と異なるところは、各孔62を選択的に塞ぐための封止部材65を設けるようにした点である。封止部材65は、例えば鋼材から丸棒状に構成され、その下半部に雄ねじ部65aが形成されている。これに対し、前記受けローラ60の各孔62内には、先端の開口部からやや内周側に位置して、前記雄ねじ部65aと螺合する雌ねじ部62aが形成されている。この場合、受けローラ60の表層部60bはタングステンカーバイトを主成分とする非磁性の超鋼材から構成され、表層部60bの内側(内層部60c)に雌ねじ部62aの加工がされている。
この構成によれば、例えば素材鋼板23の幅寸法に応じて、エア吸引の不要な孔62を封止部材65で選択的に塞ぐことができる。これにより、不必要なエアの吸引を防ぎ、エア吸引の必要な孔62からのエアの吸引力を高めることができる。
図10は、本発明の第8の実施形態を示すものであり、上記第6の本実施形態と異なるところは、受けローラ60の外周に、素材鋼板23及び鉄心片21が送られる部分を除いて、受けローラ60の外周面をわずかな隙間、例えば2mmの隙間を存して覆う圧力カバー67を固定的に設けた点にある。
切抜装置28で切抜かれた鉄心片21は、圧力カバー67と受けローラ60との間を、受けローラ60の外周面に吸着されながら、受けローラ60の回転と共に移動される。
この構成によれば、圧力カバー67が、素材鋼板23及び鉄心片21が送られる部分以外の受けローラ60の外周からのエア吸引を阻害し、これにより、素材鋼板23及び鉄心片21が送られる部分の吸引力を高めることができる。
(5)第9,第10,第11の実施形態
図11は、本発明の第9の実施形態を示すものである。本実施形態では、上記第6ないし第8の実施形態のエア吸引機構61に代えて、素材鋼板23を受けローラ70の外周面に吸着させながら送るための吸引手段として、磁気的に吸引する磁気吸引手段が設けられている。尚、受けローラ70の直径寸法Dは、素材鋼板23の厚み寸法tの720倍以上である。
受けローラ70の外周には、複数個の有床の穴71が形成されている。各穴71は、底部側(受けローラ70の表層部70aの内側に位置する内層部70b)の部分に雌ねじ部71aが形成されている。そして、各穴71には、これらを塞ぐ磁性金属材料から成る埋設片72が夫々設けられている。
前記各埋設片72は、穴71に対応した棒状をなすと共に、その中間部が径小な軸部72aとされている。そして、軸部72aの外周部に全体としてリング状の永久磁石73が取付けられている。又、埋設片72の先端部は、雌ねじ部71aに螺合する雄ねじ部72bの加工がされており、雌ねじ部71aにねじ込まれて取付けられている。
この構成によれば、埋設片72が磁路を形成し、永久磁石73の磁力により、素材鋼板23を受けローラ70の外周面に吸着させることができる。従って、エア吸引機構61によるエア吸引と同様の作用を程し、素材鋼板23がずれることは無く、切抜きの寸法精度を高めることができる。
尚、図示はしないが、切抜かれた鉄心片21を受けローラ70から剥がすためのヘラが受けローラ70の切抜位置の下流側に設けられている。
図12は、本発明の第10の実施形態を示すものであり、磁気吸引手段の構成が上記第9の実施形態と異なる。
受けローラ70は、その表層部70aが、非磁性の超鋼材から円筒状に構成され、内層部70bは、鉄材から構成されている。本実施形態では、受けローラ70の内層部70bに、リング状の磁石挿入穴70cが多数形成されており、各磁石挿入穴70cにリング状の永久磁石74が埋設されている。前記表層部70aは、永久磁石74の埋込み後に、内層部70bと一体化されるようになっている。
そして、各永久磁石74(各磁石挿入穴70c)の中心部に位置して、穴75が形成されている。各穴75は、表層部70aを貫通する(受けローラ70の外周面に開口する)ように設けられていると共に、内層部70bに位置して雌ねじ部75aが形成されている。
また、各穴75は、磁性金属材料から成る埋設片76により塞がれる。この埋設片76は、棒状を成し、前記雌ねじ部75aに螺合する雄ねじ部76aが形成されており、雌ねじ部75aにねじ込まれる。
この構成によれば、永久磁石74の磁力が埋設片76を通して受けローラ70の外周面に作用し、素材鋼板23を受けローラ70の外周面に吸着させるので、上記第9の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
図13は、本発明の第11の実施形態を示すものであり、この実施形態では、受けローラ78の内部に永久磁石79が埋込まれている。この場合、受けローラ78の表層部78aの内側に位置する内層部78bには複数個の穴78cが形成され、それら各穴78cに棒状の永久磁石79が埋設された後、表層部78aと内層部78bとが結合されて受けローラ78が構成される。
この構成によれば、素材鋼板23は、表層部78aを介して磁気的に吸引される。この場合、磁気吸引力は、上記第9及び第10の実施形態の磁気吸引力よりもやや劣るものの、硬くて加工が難しい超鋼材(表層部78a)の加工を不要とすることができるので、受けローラ78に容易に磁気吸引手段を設けることができる。
(6)第12の実施形態、その他の実施形態
図14は、本発明の第12の実施形態を示すものであり、本実施形態では、複数個、例えば4個のカッターローラ81を、受けローラ30の外周に周方向に並んで配置するようにしている。各カッターローラ81には、夫々鉄心片21の一部に対応した(各部を分担するような)凸状切刃81aが形成されており、素材鋼板23が4つのカッターローラ81を順に通されることにより、全体で鉄心片21が切抜かれるようになっている。又、各カッターローラ81は、夫々回転自在に支持されていると共に、押圧手段、例えばバネ82により受けローラ30の外周面に押付けられるように構成されている。受けローラ30は、図示しない駆動モータ等の駆動手段により回転駆動される構成である。
更に、素材鋼板23の最初の切抜位置の上流側には、素材鋼板23を予め最初のカッターローラ81の凸状切刃81aに押付けるためのプレローラ83が設けられている。又、最後の切抜位置の下流側には、1対のガイドローラ84,84が設けられ、これらガイドローラ84は押圧手段、例えばバネ82により、受けローラ30の外周面に押付けられている。
この構成によれば、受けローラ30が回転駆動すると、各カッターローラ81及びガイドローラ84が従動的に回転する。そして、素材鋼板23が、最初のカッターローラ81とプレローラ54に引込まれることにより、素材鋼板23にカッターローラ81の凸状切刃81aが食込む。次に、カッターローラ81の凸状切刃81aが食込んだ素材鋼板23は、最初の切抜位置に引込まれ、凸状切刃81aに対応して切抜かれる。一部が切抜かれた素材鋼板23は、上流側のカッターローラ81から順に凸状切刃81aに対応して切抜かれる。すべてのカッターローラ81によって、最終的に素材鋼板23から鉄心片全体が切抜かれ、切抜かれた鉄心片は図示しない集積箱に集積される。尚、鉄心片が切抜かれた素材鋼板23の残材は、1対のガイドローラ84,84で引込まれて、回収される。
上記構成のように1個の受けローラ30に複数のカッターローラ81を用いることにより、鉄心片の形状が複雑な場合にも対応することができ、設備費用を抑えることができる。
又、押圧手段をカッターローラ81及びガイドローラ84に設け、受けローラ30を回転駆動させることにより、1個の駆動手段だけで複数のローラ81,84を回転駆動させることができる。
尚、本発明は、上記し図面に示した各実施形態に限定されるものではなく、例えば、切抜装置の構成としては、カッターローラと受けローラとを横に並べて、素材鋼板を上下方向に送るように構成しても良い。
第2及び第3の実施形態の修正用ローラの個数、配置等については、適宜変更しても良い。
第9ないし第11の実施形態に用いた永久磁石の代わりに、電磁石を用いても良い。
要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
本発明の第1の実施形態を示すもので切抜装置を概略的に示す側面図 鉄心片の製造装置の構成を概略的に示す側面図 素材鋼板の材料特性と厚み寸法と、受けローラの直径寸法の関係を示す図 本発明の第2の実施形態を示す切抜装置部分の側面図 本発明の第3の実施形態を示す図4相当図 本発明の第4の実施形態を示す切抜装置部分の側面図 本発明の第5の実施形態を示す図6相当図 本発明の第6の実施形態を示すもので、(a)は受けローラとエア吸引装置の概略図、(b)は受けローラの斜視図 本発明の第7の実施形態を示す図8(b)相当図 本発明の第8の実施形態を示すもので、(a)は図4相当図、(b)は図8(b)相当図 本発明の第9の実施形態を示すもので、(a)は切抜装置部分の断面図、(b)は受けローラの一部を破断して示す斜視図 本発明の第10の実施形態を示すもので、(a)は図11(a)相当図、(b)は図11(b)相当図 本発明の第11の実施形態を示すもので、受けローラの一部を破断して示す斜視図 本発明の第12の実施形態を示す切抜装置部分の側面図 (a)は固定子積層鉄心用の鉄心片の平面図、(b)は固定子積層鉄心の斜視図 (a)は異なる形状の固定子積層鉄心用の鉄心片の平面図、(b)は固定子積層鉄心の斜視図 (a)は回転子積層鉄心用の鉄心片の平面図、(b)は回転子積層鉄心の斜視図 従来の製造装置を示す側面図
符号の説明
図面中、21は鉄心片、22は製造装置、23は素材鋼板、24はコイル材(コイル)、27は送出し装置、28,40は切抜装置、29,81はカッターローラ、29a,81aは凸状切刃、30,41,60,70,78は受けローラ、60b,70a,78aは表層部、60c,70b,78bは内層部、31は集積箱、42,44は修正用ローラ、50,53は案内機構、54,83はプレローラ、61はエア吸引機構、62は孔、65は封止部材、67は圧力カバー、70c,71,75,78cは穴、73,74,79は永久磁石、72,76は埋設片、82はバネ(押圧手段)を示す。

Claims (20)

  1. 積層して回転電機の固定子積層鉄心或いは回転子積層鉄心を組立てる部品である鉄心片を製造するための装置であって、
    前記鉄心片の素材たる帯状磁性鋼板のコイルをアンコイルして素材鋼板を所定速度で送出す送出し装置と、
    円柱形状でその外周面に製造する前記鉄心片の形状に合せた凸状切刃を形成したカッターローラと円柱形状で平滑な外周面を持つ受けローラとを互いに外周面を突合せた状態で対向配置し、それら両ローラを互いに反対方向に回転させて該両ローラ間に前記送出された素材鋼板を挟んで引込みつつ、前記素材鋼板を前記カッターローラの凸状切刃で押切って鉄心片を切抜く切抜装置と、
    前記切抜いた鉄心片を集積する集積箱とを備えると共に、
    前記受けローラの直径寸法Dが、前記素材鋼板の厚み寸法tの720倍以上とされていることを特徴とする回転電機用鉄心片の製造装置。
  2. 積層して回転電機の固定子積層鉄心或いは回転子積層鉄心を組立てる部品である鉄心片を製造するための装置であって、
    前記鉄心片の素材たる帯状磁性鋼板のコイルをアンコイルして素材鋼板を所定速度で送出す送出し装置と、
    円柱形状でその外周面に製造する前記鉄心片の形状に合せた凸状切刃を形成したカッターローラと円柱形状で平滑な外周面を持つ受けローラとを互いに外周面を突合せた状態で対向配置し、それら両ローラを互いに反対方向に回転させて該両ローラ間に前記送出された素材鋼板を挟んで引込みつつ、前記素材鋼板を前記カッターローラの凸状切刃で押切って鉄心片を切抜く切抜装置と、
    前記受けローラの外周に前記カッターローラよりも下流側に位置して設けられ、前記切抜かれた鉄心片が通されることにより、該鉄心片の撓みを修正する修正用ローラと、
    この修正用ローラを通った鉄心片を集積する集積箱とを備えていることを特徴とする回転電機用鉄心片の製造装置。
  3. 前記送出し装置から送出された素材鋼板を、前記切抜装置の切抜位置に至る前に、前記カッターローラの凸状切刃に予め当接させるように案内する案内機構が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の回転電機用鉄心片の製造装置。
  4. 前記案内機構には、前記切抜位置に至る前の素材鋼板を、前記カッターローラの凸状切刃に食込ませるためのプレローラが設けられていることを特徴とする請求項3記載の回転電機用鉄心片の製造装置。
  5. 前記受けローラには、前記素材鋼板を該受けローラの外周面に吸着させながら送るための吸引手段が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の回転電機用鉄心片の製造装置。
  6. 前記吸引手段は、前記受けローラの外周面に形成された複数の孔を通してエアを吸引するエア吸引機構から成ることを特徴とする請求項5記載の回転電機用鉄心片の製造装置。
  7. 前記エア吸引用の複数の各孔は、封止部材が着脱可能に装着されることにより、選択的に塞ぐことが可能とされていることを特徴とする請求項6記載の回転電機用鉄心片の製造装置。
  8. 前記受けローラの外周には、前記素材鋼板及び鉄心片が送られる部分を除いて、該受けローラの外周面をわずかな隙間を存して覆う圧力カバーが固定的に設けられていることを特徴とする請求項6又は7記載の回転電機用鉄心片の製造装置。
  9. 前記吸引手段は、前記素材鋼板及び鉄心片を磁気的に吸引する磁気吸引手段から成ることを特徴とする請求項5記載の回転電機用鉄心片の製造装置。
  10. 前記受けローラの外周を構成する表層部は、超鋼材から構成されており、
    前記受けローラの前記表層部の内側に永久磁石が埋設されていることを特徴とする請求項9記載の回転電機用鉄心片の製造装置。
  11. 前記受けローラの前記表層部には、前記永久磁石の埋設位置に対応した位置に複数個の穴が形成されていると共に、それら穴が磁性金属材料から成る埋設片により塞がれていることを特徴とする請求項10記載の回転電機用鉄心片の製造装置。
  12. 前記カッターローラは、複数個が前記受けローラの外周に周方向に並んで配置され、
    それらカッターローラには、夫々前記鉄心片の一部に対応した凸状切刃が形成されていることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の回転電機用鉄心片の製造装置。
  13. 前記受けローラは、駆動手段により回転駆動されるように構成され、
    前記各カッターローラは、夫々回転自在に支持されていると共に、押圧手段により前記受けローラの外周面に押付けられるように構成されていることを特徴とする請求項12記載の回転電機用鉄心片の製造装置。
  14. 積層して回転電機の固定子積層鉄心或いは回転子積層鉄心を組立てる部品である鉄心片を製造するための製造方法であって、
    前記鉄心片の素材たる帯状磁性鋼板のコイルをアンコイルして素材鋼板を所定速度で送出す送出し工程と、
    円柱形状でその外周面に製造する前記鉄心片の形状に合せた凸状切刃を形成したカッターローラと円柱形状で平滑な外周面を持つ受けローラとを互いに外周面を突合せた状態で対向配置し、それら両ローラを互いに反対方向に回転させて該両ローラ間に前記送出された素材鋼板を挟んで引込みつつ、前記素材鋼板を前記カッターローラの凸状切刃で押切って鉄心片を切抜く切抜工程と、
    前記切抜いた鉄心片を集積する集積工程とを有し、
    前記受けローラの直径寸法Dが、前記素材鋼板の厚み寸法tの720倍以上とされていることを特徴とする回転電機用鉄心片の製造方法。
  15. 積層して回転電機の固定子積層鉄心或いは回転子積層鉄心を組立てる部品である鉄心片を製造するための製造方法であって、
    前記鉄心片の素材たる帯状磁性鋼板のコイルをアンコイルして素材鋼板を所定速度で送出す送出し工程と、
    円柱形状でその外周面に製造する前記鉄心片の形状に合せた凸状切刃を形成したカッターローラと円柱形状で平滑な外周面を持つ受けローラとを互いに外周面を突合せた状態で対向配置し、それら両ローラを互いに反対方向に回転させて該両ローラ間に前記送出された素材鋼板を挟んで引込みつつ、前記素材鋼板を前記カッターローラの凸状切刃で押切って鉄心片を切抜く切抜工程と、
    この切抜工程により切抜かれた鉄心片を、前記受けローラの外周に前記カッターローラよりも下流側に位置して設けられた修正用ローラを通すことにより、該鉄心片の撓みを修正する修正工程と、
    この修正工程を通った鉄心片を集積する集積工程とを有していることを特徴とする回転電機用鉄心片の製造方法。
  16. 前記送出し工程から送出された素材鋼板を、前記切抜工程の切抜位置に至る前に、案内機構により前記カッターローラの凸状切刃に予め当接させるように案内する案内工程が設けていることを特徴とする請求項14又は15記載の回転電機用鉄心片の製造方法。
  17. 前記案内工程において、前記切抜工程の切抜位置に至る前の素材鋼板が、前記案内機構に設けられたプレローラにより、前記カッターローラの凸状切刃に食込んだ状態で送られることを特徴とする請求項16記載の回転電機用鉄心片の製造方法。
  18. 前記受けローラには、前記素材鋼板を該受けローラの外周面に吸着させながら送るための吸引手段が設けられ、
    前記切抜工程においては、前記素材鋼板は、前記吸引手段により前記受けローラの外周面に吸着されながら、切抜かれることを特徴とする請求項14ないし17のいずれかに記載の回転電機用鉄心片の製造方法。
  19. 前記カッターローラは、前記鉄心片の一部に対応した凸状切刃が夫々形成された複数個が前記受けローラの外周に周方向に並んで配置されており、
    前記切抜工程においては、それらカッターローラには、前記素材鋼板が、前記各カッターローラの一部ずつが順に押切られることにより、最終的に鉄心片全体が切抜かれることを特徴とする請求項14ないし18のいずれかに記載の回転電機用鉄心片の製造方法。
  20. 前記受けローラは、駆動手段により回転駆動されるように構成され、
    前記各カッターローラは、夫々回転自在に支持されていると共に、押圧手段により前記受けローラの外周面に押付けられるように構成されることにより、
    前記切抜工程においては、前記受けローラが回転駆動されることに伴い、前記各カッターローラが従動的に回転されることを特徴とする請求項19記載の回転電機用鉄心片の製造方法。
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