JP2008221032A - 複合酸化物触媒の製造方法および該触媒を用いた不飽和アルデヒドおよび/または不飽和カルボン酸の製造方法 - Google Patents

複合酸化物触媒の製造方法および該触媒を用いた不飽和アルデヒドおよび/または不飽和カルボン酸の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
活性、選択性に優れた複合酸化物触媒を再現性よく製造する方法とその方法により得られた触媒を用いた不飽和アルデヒドおよび/または不飽和カルボン酸を製造する方法を提供する。
【解決手段】
少なくともモリブデン、ビスマスおよび鉄の金属元素を含む複合酸化物触媒を製造する方法であって、複数回焼成を行い、かつその焼成と焼成の合間に触媒の混合をすることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明はプロピレン、イソブチレン、t−ブチルアルコールおよびメチル−t−ブチルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物の含有ガスを分子状酸素または分子状酸素含有ガスの存在下で接触気相酸化することにより、対応する不飽和アルデヒドおよび/または不飽和カルボン酸を製造するための複合酸化物触媒の製造方法およびその方法で製造された触媒を用いる不飽和アルデヒドおよび/または不飽和カルボン酸の製造方法に関する。
プロピレン、イソブチレン、t−ブチルアルコールおよびメチル−t−ブチルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を接触気相酸化して、それに対応する不飽和アルデヒドおよび/または不飽和カルボン酸を効率よく製造するための改良触媒に関しては数多く提案されている。その大部分はモリブデンおよびビスマスを主成分とするモリブデン−ビスマス系触媒である。
これまでに提案されたモリブデン−ビスマス系触媒として、例えば、特許文献1には、モリブデンおよびビスマスを含有する複合酸化物触媒であって、触媒量に対する雰囲気ガス流量あるいは焼成回数を変えることで活性の異なる触媒が得られることが開示されている。特許文献2には、モリブデン、ビスマスおよび鉄を必須成分とする原料塩水溶液または水性スラリーを加熱処理して得られる触媒前駆体の減量率を調節することで活性、選択率および機械強度に優れた不飽和アルデヒドおよび/または不飽和カルボン酸合成用触媒を再現性よく製造するが開示されている。特許文献3には、モリブデンおよびビスマスを含有する触媒活性成分を不活性担体に担持する際の触媒活性成分の担持量およびその触媒の粒径と焼成温度を制御することで、不飽和アルデヒドおよび不飽和酸の製造における反応中に触媒上で生じる反応熱の集中を回避し、効率よく不飽和アルデヒドおよび不飽和酸の製造できる触媒が開示されている。
特開2005−187460号公報 特開2003−251183号公報 特開平10−28877号公報
しかしながら、前記した触媒は、触媒活性、選択性等の触媒性能はまだ十分なものではなく、さらなる改良が望まれている。
工業的規模でアクロレインやメタクロレインのような不飽和アルデヒドを製造するには、1つの反応器につき、通常、数トンから数十トンという大量の触媒が必要である。それに対して、触媒の製造は多くて1ロット当たり数百kg程度しか製造することができないため、1つの気相酸化反応器に充填するためには複数ロットの触媒を製造する必要がある。
一方、工業的規模での触媒製造に際しては、前記したように1ロット当たり数百kg程度製造することになるが、その焼成工程において焼成炉内には温度分布があるため触媒焼成時の炉内の配置によって、焼成温度差による製造品ロット内でも触媒性能に差が生じる。さらには製造ロット間での再現性が得られないほかに、所望の温度で焼成できていない部位などにより触媒全体の性能が低位になってしまうといった問題があった。
本発明の目的は、活性、選択率に優れた不飽和アルデヒドおよび/または不飽和カルボン酸の製造用触媒を再現性よく製造する方法を提供することであり、本発明の別の目的は、プロピレン、イソブチレン、t−ブチルアルコールおよびメチル−t−ブチルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物の接触気相酸化により、前記原料に対応する不飽和アルデヒドおよび/または不飽和カルボン酸を高収率で安定して製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、触媒製造時の焼成工程において、複数回焼成を行い、かつその焼成と焼成との合間に触媒を混合することで、活性、選択率に優れた複合酸化物を再現性よく製造できることを見出した。また、このようにして製造した触媒を用いることで不飽和アルデヒドおよび/または不飽和カルボン酸を高収率で得られることを見出し本発明に至った。
本発明によれば、工業的規模において、活性、選択性等の触媒性能が高い触媒が再現性良く製造でき、またプロピレン、イソブチレン、t−ブチルアルコールおよびメチル−t−ブチルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物の接触気相酸化により、高収率で不飽和アルデヒドおよび/または不飽和カルボン酸を製造することができる。
以下、本発明にかかる複合酸化物触媒の製造方法および該触媒を用いた不飽和アルデヒドおよび/または不飽和カルボン酸の製造方法について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更できる。
本発明にかかる複合酸化物触媒の製造方法は、モリブデン、ビスマスおよび鉄の金属元素を含む触媒前駆体成分を一定の形状に成形した後、焼成工程において複数回焼成を行い、かつその焼成と焼成の合間に触媒を混合することから成る。
本発明にかかる複合酸化物触媒は、モリブデン、ビスマスおよび鉄の金属元素を含む触媒であって、下記一般式(1)で表されるものである。
MoBiFeX1X2X3X4 (1)
(ここで、Moはモリブデン、Biはビスマス、Feは鉄、X1はコバルトおよびニッケルから選ばれる少なくとも1種の元素、X2はアルカリ金属、アルカリ土類金属およびタリウムから選ばれる少なくとも1種の元素、X3はタングステン、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウムおよびチタンから選ばれる少なくとも1種の元素、X4はリン、テルル、アンチモン、スズ、セリウム、鉛、ニオブ、マンガン、砒素および亜鉛から選ばれる少なくとも1種の元素、Oは酸素を表し、またa、b、c、d、e、f、gおよびxはそれぞれMo、Bi、Fe、X1、X2、X3、X4およびOの原子比を表し、a=12のとき、b=0.1〜10、c=0.1〜20、d=2〜20、e=0.001〜10、f=0〜30、g=0〜4であり、xは各元素の酸化状態によって定まる数値である。)
上記複合酸化物の出発原料としては、特段の制限はなく、一般にこの種の触媒に使用される金属元素のアンモニウム塩、硝酸塩、炭酸塩、塩化物、硫酸塩、水酸化物、有機酸塩および酸化物またはこれらの混合物を、複数組み合わせ用いればよいが、アンモニウム塩および硝酸塩が好適に用いられる。
上記出発原料の混合液(以下、出発原料混合液)は、この種の触媒製造に一般的に用いられる方法により調製すればよく、例えば、上記出発原料を順次水に混合して水溶液あるいは水性スラリーとなるようにする方法や、出発原料の種類に応じて複数の水溶液または水性スラリーを調製した場合はこれらを順次混合すれ方法などがある。その際、混合順序、温度、圧力、pH等については特に制限はなく、出発原料などにより適宜選択できる。
次に、得られた出発原料混合液を、加熱や減圧など各種方法により乾燥させて触媒前駆体とする。加熱による乾燥方法としては、例えば、スプレードライヤー、ドラムドライヤー等を用いて粉末状の触媒前駆体を得ることもできるし、箱型乾燥機、トンネル型乾燥機等を用いて気流中で加熱してブロック状またはフレーク状の触媒前駆体を得ることもできる。また、一旦、出発原料の混合液を濃縮、蒸発乾固してケーキ状の固形物を得て、この固形物をさらに上記加熱処理する方法も採用できる。減圧による乾燥方法としては、例えば、真空乾燥機を用いて、ブロック状または粉末状の触媒前駆体を得ることができる。
得られた乾燥物は、必要に応じて適当な粒度の粉体を得るための粉砕工程や分級工程を経て、続く成形工程に送られる。場合によっては、得られた乾燥物を一旦焼成した後に成形工程に送ってもよい。なお、上記触媒前駆体の粉体の粒度は、特に限定されないが、成型性に優れる点で500μm以下が好ましい。
触媒の成形方法としては、従来からよく知られている活性成分を一定の形状に成形する押し出し成形法や打錠成形法等、あるいは活性成分を一定の形状を有する任意の不活性担体に担持させる担持法によって製造することができる。担持法としては、例えば、特開昭63−200839に記載の遠心流動コーティング法、特開2004−136267に記載のロッキングミキサー法などが挙げられる。
押し出し成形法や打錠成形法等の場合、その形状においては特に制限はなく、球状、円柱状、リング状、不定形などのいずれの形状ででもよい。もちろん球状の場合、真球である必要はなく実質的に球状であればよく、円柱状およびリング状についても同様である。
また、担持触媒の場合、使用できる不活性担体としては、一般的に不活性担体として知られている、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、チタニア、マグネシア、ステアタイト、シリカ−マグネシア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ゼオライト等を用いることができ、その形状においても特に制限はなく、球状、円柱状、リング状など公知の形状のものが使用できる。なお、本発明で用いる触媒を得るにあたっては、出発原料混合液を乾燥させずに液のまま用い、所望の担体に該液を吸収させたり、塗布したりして、触媒成分を担体に担持させる方法も採用できる。
成形工程においては、触媒成分の前駆体となる乾燥物を成形するにあたり、成形性を向上させるために成形補助剤やバインダー、触媒に適度な細孔を形成させるために気孔形成剤など、一般に触媒の製造においてこれらの効果を目的として使用されている各種物質を用いることができる。具体例としては、エチレングリコール、グリセリン、プロピオン酸、マレイン酸、ベンジルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコールまたはフェノール類の有機化合物や水、硝酸、硝酸アンモニウム、炭酸アンモニウムなどが挙げられる。また、別に触媒の機械強度を向上させる目的で、補強剤を用いることもできる。具体例としては、補強剤として一般的に知られているシリカ、アルミナ、ガラス繊維、炭化ケイ素、窒化ケイ素などが挙げられる。補強剤は、触媒前駆体の調製工程の途中で添加しておいてもよいし、調製された触媒前駆体に配合してもよい。
上記成形工程で得られた成形体は、続く焼成工程に送られる。焼成温度としては、好ましくは350℃〜600℃、より好ましくは400〜550℃、焼成時間としては好ましくは1〜10時間である。焼成炉としては、特に制限はなく、一般的に使用される箱型焼成炉あるいはトンネル型焼成炉等を用いればよい。本願発明によれば、この焼成工程においては、複数回焼成を行い、かつその焼成と焼成の合間に触媒を混合すればよい。
工業的規模での焼成工程では、通常、容器などに成形体を入れて焼成を行うが、その焼成炉内における配置、例えば上側と下側などによって、焼成炉内の温度分布のため実際の焼成温度は異なる。さらに、成形体を入れた容器内においても中央付近と容器壁面付近とでは焼成温度が異なる。そのため、1回の焼成では、その温度分布による焼成温度差のため製造品ロット内でも触媒性能に差が生じ、ひいては製造ロット間でも触媒性能の再現性に欠けることになる。さらには、所望の温度で焼成できていない部位などが存在するため複合酸化物触媒全体の性能が低位になってしまう。
本発明によれば、この焼成工程において、複数回焼成を行い、その焼成と焼成の合間に触媒を混合することでそのロット内の触媒性能の差を低減でき、さらには製品ロット間での性能差も低減でき、再現性良く高性能触媒を製造することができる。
ここで、本願でいう混合とは、触媒成形体自体を混ぜ合わせること、あるいは焼成炉内における配置を変更することを意味し、その他同様の効果が得られる方法も含む。混合する方法としては、特に制限はなく、触媒を、例えばホッパーなどに一度入れて混合するなど一般的な混合、あるいは、例えば、トレー等の容器に触媒を入れて焼成する場合、そのトレーの位置を変更するなど焼成炉内の位置を変更すればよいが、好ましくは前者である。
焼成する回数においては、複数回行うことでより再現性の高い複合酸化物触媒を得ることができるが、2〜3回行えば本発明目的を達成できる。
本発明にかかる不飽和アルデヒドおよび/または不飽和カルボン酸の製造方法は、プロピレン、イソブチレン、t−ブチルアルコールおよびメチル−t−ブチルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物の含有ガスを分子状酸素または分子状酸素含有ガスの存在下で接触気相酸化することにより、原料に対応する不飽和アルデヒドおよび/または不飽和カルボン酸を製造する方法において、上記の方法で製造された複合酸化物触媒を用いることを特徴とする。複合酸化物触媒として、本発明の複合酸化物触媒を使用する点を除けば特に制限はなく、一般に用いられている装置、方法および条件下で実施することができる。すなわち、本発明における気相接触反応は通常の単流通法、あるいはリサイクル法でもよく、反応器としては固定床反応器、流動床反応器、移動床反応器などを用いることができる。
上記反応条件としては、例えば、原料ガスとしてプロピレン、イソブチレン、t−ブチルアルコールおよびメチル−t−ブチルエーテルから選ばれる少なくとも1種の化合物を1〜15容量%、この原料ガスに対して容量比で1〜10倍の範囲の分子状酸素および希釈剤としての不活性ガス、例えば、水蒸気、窒素および炭酸ガスなどからなる混合ガスを250℃〜450℃の温度範囲で0.1〜1MPaの圧力下に300〜5000h−1(STP)の空間速度で本発明の複合酸化物触媒と接触させて反応させればよい。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。なお、以下では、便宜上、「質量部」を単に「部」、と記すことがある。
〔性能評価〕
転化率、選択率および収率は次式によって求めた。
転化率(モル%)=(反応した出発原料のモル数)/(供給した出発原料のモル数)(×100)
選択率(モル%)=(生成した不飽和アルデヒドおよび/または不飽和カルボン酸のモル数)/(反応した出発原料のモル数)(×100)
アクリル酸収率(モル%)=(生成した不飽和アルデヒドおよび/または不飽和カルボン酸のモル数)/(供給した出発原料のモル数)(×100)
<実施例1>
[触媒の調製]
蒸留水2000部を加熱攪拌しつつモリブデン酸アンモニウム500部およびパラタングステン酸アンモニウム45部を溶解した(A液)。別に500部の蒸留水に硝酸コバルト412部および硝酸ニッケル103部を溶解させ(B液)、さらに別途、350部の蒸留水に濃硝酸(65wt%)30部を加えて酸性とした溶液に硝酸第二鉄114部および硝酸ビスマス149部を溶解させた(C液)。A液にこれらの硝酸塩溶液(B液、C液)を滴下した。引き続き、硝酸セシウム2.3部を50部の蒸留水に溶解した液を加えた。このようにして得られた懸濁液を加熱、攪拌、蒸発せしめた。得られた乾燥物を200℃で乾燥後に粉砕し、外径6mm、内径2mm、長さ6mmのリング状に成型した。得られた成形体を3つのトレーにほぼ均等に入れ、それぞれを焼成炉内の上部、中部、下部に設置し、空気流通下で炉内の下段部温度を460℃の設定で8時間焼成した。焼成炉内の温度は、下段部温度460℃、中段部温度455℃、上段部温度440℃であり、20℃の分布が生じていた。焼成後の触媒をホッパーに入れて混合した後、再度、同様にトレーに入れて、炉内の下段部温度を460℃の設定で8時間焼成し、複合酸化物触媒を得た。この触媒の金属組成は原子比で次のとおりであった。
Mo12Bi1.3Fe1.2Co6.0Ni1.5Cs0.050.7
〔酸化反応〕
内径25mmのステンレス製反応管に触媒を1000mL充填し、この反応管に、プロピレン6容量%、空気50容量%、水蒸気25容量%、窒素19容量%の混合ガスを空間速度1500hr−1(STP)で導入し、アクロレイン酸化反応を行った。焼成炉内の上部、中心部、下部およびロット品(混合品)についてそれぞれ酸化反応を行い、その結果を表1に示す。
<比較例1>
焼成を1回とし、触媒の混合をしないこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
<比較例2>
比較例1の再現性の確認を行った。結果を表1に示す。
<実施例2>
実施例1の再現性の確認を行った。結果を表1に示す。
<比較例3>
触媒を混合しないこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
<実施例3>
焼成回数を3回とした以外は、実施例1と同様に触媒を調製した。その混合品について酸化反応を行い、その結果を表1に示す。
<実施例4>
焼成と焼成の合間に触媒のホッパー内での混合をせず、トレーの配置を変更した以外は実施例1と同様に調製した。トレーの配置の変更は、1回目の焼成時に下部に設置した触媒を2回目の焼成時に中部に、同様に中部に設置した触媒を上部に、上部に設置した触媒を下部に変更した。その混合品について酸化反応を行い、結果を表1に示す。
<実施例5>
[触媒の調製]
蒸留水2000部を加熱攪拌しつつモリブデン酸アンモニウム500部およびパラタングステン酸アンモニウム45部を溶解した(A液)。別に500部の蒸留水に硝酸コバルト412部および硝酸ニッケル103部を溶解させ(B液)、さらに別途、350部の蒸留水に濃硝酸(65wt%)30部を加えて酸性とした溶液に硝酸第二鉄114部および硝酸ビスマス149部を溶解させた(C液)。A液にこの硝酸塩溶液(B液、C液)を滴下した。引き続き、硝酸セシウム2.3部を50部の蒸留水に溶解した液を加えた。このようにして得られた懸濁液を加熱、攪拌、蒸発せしめた後、250℃で2時間乾燥させた。得られた乾燥物を粉砕し、バインダーとして水を用いて平均粒径4.5mmのシリカ−アルミナ担体に遠心流動コーティング装置を用いて担持した。その担持体を3つのトレーにほぼ均等に入れ、焼成炉内の上部、中部、下部にそれぞれを設置し、空気流通下で炉内の下段部温度を460℃の設定で8時間焼成した。焼成炉内の温度は、下段部温度460℃、中段部温度454℃、上段部温度439℃であり、21℃の分布が生じていた。焼成後の触媒をホッパーに入れて混合した後、再度トレーに入れて、同様に炉内の下段部温度を460℃の設定で8時間焼成し、複合酸化物触媒を得た。この触媒の金属元素の原子比は実施例1の触媒と同じであった。その混合品について実施例1同様に酸化反応を行い、その結果を表1に示す。
Figure 2008221032

Claims (4)

  1. 少なくともモリブデン、ビスマスおよび鉄の金属元素を含む複合酸化物触媒を製造する方法において、焼成工程で複数回焼成を行いかつ各焼成の合間に触媒を混合することを特徴する複合酸化物触媒の製造方法。
  2. 焼成工程の回数が2〜3回である請求項1に記載の複合酸化物触媒の製造方法。
  3. 複合酸化物触媒が、下記一般式(1)で表されるものである請求項1または2に記載の複合酸化物触媒の製造方法。
    MoBiFeX1X2X3X4 (1)
    (ここで、Moはモリブデン、Biはビスマス、Feは鉄、X1はコバルトおよびニッケルから選ばれる少なくとも1種の元素、X2はアルカリ金属、アルカリ土類金属およびタリウムから選ばれる少なくとも1種の元素、X3はタングステン、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウムおよびチタンから選ばれる少なくとも1種の元素、X4はリン、テルル、アンチモン、スズ、セリウム、鉛、ニオブ、マンガン、砒素および亜鉛から選ばれる少なくとも1種の元素、Oは酸素を表し、またa、b、c、d、e、f、gおよびxはそれぞれMo、Bi、Fe、X1、X2、X3、X4およびOの原子比を表し、a=12のとき、b=0.1〜10、c=0.1〜20、d=2〜20、e=0.001〜10、f=0〜30、g=0〜4であり、xは各元素の酸化状態によって定まる数値である。)
  4. プロピレン、イソブチレン、t−ブチルアルコールおよびメチル−t−ブチルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の原料化合物の含有ガスを分子状酸素または分子状酸素含有ガスの存在下で接触気相酸化することにより、前記原料化合物に対応する不飽和アルデヒドおよび/または不飽和酸を製造する方法において、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法で製造された複合酸化物触媒を用いることを特徴とする不飽和アルデヒドおよび/または不飽和カルボン酸の製造方法。
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