JP2008221032A - 複合酸化物触媒の製造方法および該触媒を用いた不飽和アルデヒドおよび/または不飽和カルボン酸の製造方法 - Google Patents
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Abstract
活性、選択性に優れた複合酸化物触媒を再現性よく製造する方法とその方法により得られた触媒を用いた不飽和アルデヒドおよび/または不飽和カルボン酸を製造する方法を提供する。
【解決手段】
少なくともモリブデン、ビスマスおよび鉄の金属元素を含む複合酸化物触媒を製造する方法であって、複数回焼成を行い、かつその焼成と焼成の合間に触媒の混合をすることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
MoaBibFecX1dX2eX3fX4gOx (1)
(ここで、Moはモリブデン、Biはビスマス、Feは鉄、X1はコバルトおよびニッケルから選ばれる少なくとも1種の元素、X2はアルカリ金属、アルカリ土類金属およびタリウムから選ばれる少なくとも1種の元素、X3はタングステン、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウムおよびチタンから選ばれる少なくとも1種の元素、X4はリン、テルル、アンチモン、スズ、セリウム、鉛、ニオブ、マンガン、砒素および亜鉛から選ばれる少なくとも1種の元素、Oは酸素を表し、またa、b、c、d、e、f、gおよびxはそれぞれMo、Bi、Fe、X1、X2、X3、X4およびOの原子比を表し、a=12のとき、b=0.1〜10、c=0.1〜20、d=2〜20、e=0.001〜10、f=0〜30、g=0〜4であり、xは各元素の酸化状態によって定まる数値である。)
上記複合酸化物の出発原料としては、特段の制限はなく、一般にこの種の触媒に使用される金属元素のアンモニウム塩、硝酸塩、炭酸塩、塩化物、硫酸塩、水酸化物、有機酸塩および酸化物またはこれらの混合物を、複数組み合わせ用いればよいが、アンモニウム塩および硝酸塩が好適に用いられる。
〔性能評価〕
転化率、選択率および収率は次式によって求めた。
転化率(モル%)=(反応した出発原料のモル数)/(供給した出発原料のモル数)(×100)
選択率(モル%)=(生成した不飽和アルデヒドおよび/または不飽和カルボン酸のモル数)/(反応した出発原料のモル数)(×100)
アクリル酸収率(モル%)=(生成した不飽和アルデヒドおよび/または不飽和カルボン酸のモル数)/(供給した出発原料のモル数)(×100)
<実施例1>
[触媒の調製]
蒸留水2000部を加熱攪拌しつつモリブデン酸アンモニウム500部およびパラタングステン酸アンモニウム45部を溶解した(A液)。別に500部の蒸留水に硝酸コバルト412部および硝酸ニッケル103部を溶解させ(B液)、さらに別途、350部の蒸留水に濃硝酸(65wt%)30部を加えて酸性とした溶液に硝酸第二鉄114部および硝酸ビスマス149部を溶解させた(C液)。A液にこれらの硝酸塩溶液(B液、C液)を滴下した。引き続き、硝酸セシウム2.3部を50部の蒸留水に溶解した液を加えた。このようにして得られた懸濁液を加熱、攪拌、蒸発せしめた。得られた乾燥物を200℃で乾燥後に粉砕し、外径6mm、内径2mm、長さ6mmのリング状に成型した。得られた成形体を3つのトレーにほぼ均等に入れ、それぞれを焼成炉内の上部、中部、下部に設置し、空気流通下で炉内の下段部温度を460℃の設定で8時間焼成した。焼成炉内の温度は、下段部温度460℃、中段部温度455℃、上段部温度440℃であり、20℃の分布が生じていた。焼成後の触媒をホッパーに入れて混合した後、再度、同様にトレーに入れて、炉内の下段部温度を460℃の設定で8時間焼成し、複合酸化物触媒を得た。この触媒の金属組成は原子比で次のとおりであった。
Mo12Bi1.3Fe1.2Co6.0Ni1.5Cs0.05W0.7
〔酸化反応〕
内径25mmのステンレス製反応管に触媒を1000mL充填し、この反応管に、プロピレン6容量%、空気50容量%、水蒸気25容量%、窒素19容量%の混合ガスを空間速度1500hr−1(STP)で導入し、アクロレイン酸化反応を行った。焼成炉内の上部、中心部、下部およびロット品(混合品)についてそれぞれ酸化反応を行い、その結果を表1に示す。
焼成を1回とし、触媒の混合をしないこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
比較例1の再現性の確認を行った。結果を表1に示す。
実施例1の再現性の確認を行った。結果を表1に示す。
触媒を混合しないこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
焼成回数を3回とした以外は、実施例1と同様に触媒を調製した。その混合品について酸化反応を行い、その結果を表1に示す。
焼成と焼成の合間に触媒のホッパー内での混合をせず、トレーの配置を変更した以外は実施例1と同様に調製した。トレーの配置の変更は、1回目の焼成時に下部に設置した触媒を2回目の焼成時に中部に、同様に中部に設置した触媒を上部に、上部に設置した触媒を下部に変更した。その混合品について酸化反応を行い、結果を表1に示す。
[触媒の調製]
蒸留水2000部を加熱攪拌しつつモリブデン酸アンモニウム500部およびパラタングステン酸アンモニウム45部を溶解した(A液)。別に500部の蒸留水に硝酸コバルト412部および硝酸ニッケル103部を溶解させ(B液)、さらに別途、350部の蒸留水に濃硝酸(65wt%)30部を加えて酸性とした溶液に硝酸第二鉄114部および硝酸ビスマス149部を溶解させた(C液)。A液にこの硝酸塩溶液(B液、C液)を滴下した。引き続き、硝酸セシウム2.3部を50部の蒸留水に溶解した液を加えた。このようにして得られた懸濁液を加熱、攪拌、蒸発せしめた後、250℃で2時間乾燥させた。得られた乾燥物を粉砕し、バインダーとして水を用いて平均粒径4.5mmのシリカ−アルミナ担体に遠心流動コーティング装置を用いて担持した。その担持体を3つのトレーにほぼ均等に入れ、焼成炉内の上部、中部、下部にそれぞれを設置し、空気流通下で炉内の下段部温度を460℃の設定で8時間焼成した。焼成炉内の温度は、下段部温度460℃、中段部温度454℃、上段部温度439℃であり、21℃の分布が生じていた。焼成後の触媒をホッパーに入れて混合した後、再度トレーに入れて、同様に炉内の下段部温度を460℃の設定で8時間焼成し、複合酸化物触媒を得た。この触媒の金属元素の原子比は実施例1の触媒と同じであった。その混合品について実施例1同様に酸化反応を行い、その結果を表1に示す。
Claims (4)
- 少なくともモリブデン、ビスマスおよび鉄の金属元素を含む複合酸化物触媒を製造する方法において、焼成工程で複数回焼成を行いかつ各焼成の合間に触媒を混合することを特徴する複合酸化物触媒の製造方法。
- 焼成工程の回数が2〜3回である請求項1に記載の複合酸化物触媒の製造方法。
- 複合酸化物触媒が、下記一般式(1)で表されるものである請求項1または2に記載の複合酸化物触媒の製造方法。
MoaBibFecX1dX2eX3fX4gOx (1)
(ここで、Moはモリブデン、Biはビスマス、Feは鉄、X1はコバルトおよびニッケルから選ばれる少なくとも1種の元素、X2はアルカリ金属、アルカリ土類金属およびタリウムから選ばれる少なくとも1種の元素、X3はタングステン、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウムおよびチタンから選ばれる少なくとも1種の元素、X4はリン、テルル、アンチモン、スズ、セリウム、鉛、ニオブ、マンガン、砒素および亜鉛から選ばれる少なくとも1種の元素、Oは酸素を表し、またa、b、c、d、e、f、gおよびxはそれぞれMo、Bi、Fe、X1、X2、X3、X4およびOの原子比を表し、a=12のとき、b=0.1〜10、c=0.1〜20、d=2〜20、e=0.001〜10、f=0〜30、g=0〜4であり、xは各元素の酸化状態によって定まる数値である。) - プロピレン、イソブチレン、t−ブチルアルコールおよびメチル−t−ブチルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の原料化合物の含有ガスを分子状酸素または分子状酸素含有ガスの存在下で接触気相酸化することにより、前記原料化合物に対応する不飽和アルデヒドおよび/または不飽和酸を製造する方法において、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法で製造された複合酸化物触媒を用いることを特徴とする不飽和アルデヒドおよび/または不飽和カルボン酸の製造方法。
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