JP2008220823A - 遺伝子治療に用いられるハイドロゲル製眼用レンズ - Google Patents

遺伝子治療に用いられるハイドロゲル製眼用レンズ Download PDF

Info

Publication number
JP2008220823A
JP2008220823A JP2007066656A JP2007066656A JP2008220823A JP 2008220823 A JP2008220823 A JP 2008220823A JP 2007066656 A JP2007066656 A JP 2007066656A JP 2007066656 A JP2007066656 A JP 2007066656A JP 2008220823 A JP2008220823 A JP 2008220823A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gene
hydrogel
ophthalmic lens
plasmid dna
monomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007066656A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5132958B2 (ja
Inventor
Takao Sato
隆郎 佐藤
Toru Matsunaga
透 松永
Takuo Fujimaki
拓郎 藤巻
Akira Murakami
晶 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seed Co Ltd
Juntendo University
Original Assignee
Seed Co Ltd
Juntendo University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seed Co Ltd, Juntendo University filed Critical Seed Co Ltd
Priority to JP2007066656A priority Critical patent/JP5132958B2/ja
Publication of JP2008220823A publication Critical patent/JP2008220823A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5132958B2 publication Critical patent/JP5132958B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】本発明の課題は、遺伝子の異常に起因する疾患に関与する異常遺伝子に対する遺伝子治療を容易に行えるハイドロゲル製眼用レンズを提供することである。
【解決手段】本発明は、リン酸基を有するハイドロゲルを2価の金属イオンを含有する水溶液中に浸漬する処理を施した後、遺伝子を担持させてなることを特徴とするハイドロゲル製眼用レンズである。また、本発明は、前記リン酸基を有するハイドロゲルが、少なくともリン酸基を有するモノマーと非イオン性の親水性モノマーからなるゲルであることを特徴とする上記ハイドロゲル製眼用レンズである。
【選択図】なし

Description

本発明は、遺伝子治療に用いることができるハイドロゲル製眼用レンズに関するものである。更に詳しくは、眼組織の細胞内に遺伝子を効果的に導入できるリン酸基を有するハイドロゲル製眼用レンズに関する。
遺伝的な疾患は、細胞内で発現される遺伝子の変異によって起こることが知られている。このような遺伝的な疾患の治療としては、異常細胞内に正常な遺伝子を導入する方法が有望である。
従来、遺伝子の細胞への導入は、リン酸カルシウム法、エレクトロポレーション法、リポソームを用いる方法などが適宜選択されて行われている。なかでもリン酸カルシウム法は、特殊な器具を必要としない利点があるが、遺伝子の導入効率が低い欠点がある。この欠点により、リン酸カルシウム法は培養細胞への遺伝子導入法として用いられているものの、生体内での細胞への遺伝子導入法としては利用されていない。
最近では生体内に直接遺伝子を導入する試みとして、遺伝子を含んだリポソームを作製し、注射などにより投与する方法や遺伝子を担持した生分解性高分子を外科的手法で、直接、生体組織に導入する手法がとられている。
リポソームを用いた例として、哺乳類動物細胞内で発現可能な遺伝子DNAを組み込んだ発現用ベクターを内包したリポソームを含有する点眼剤がある(特許文献1参照)。これは、遺伝子の異常に起因する眼疾患に関与する異常遺伝子DNAに対する遺伝子治療を目的として、点眼により眼細胞へ遺伝子を導入する方法である。しかし、遺伝子は点眼後速やかに涙液により希釈されてしまうので、角膜との接触時間をできるだけ長くする工夫が必要となる。
さらに、生分解性高分子に遺伝子を担持させ、その高分子の崩壊と共に遺伝子が徐放され、高い遺伝子導入効率が得られる方法がある(特許文献2、3、4参照)。例えば、アニオン性遺伝子を効率良く担持できるカチオン性生分解性高分子がある。これは、カチオン性ゼラチンにイオン的な相互作用によりアニオン性の遺伝子を担持させて生体内へ埋植し、ゼラチンの分解と共に遺伝子が持続的に放出されることで高効率で細胞へ遺伝子を導入できる技術である。しかしながらこの方法では、細胞へ導入される遺伝子は、分解したカチオン性ゼラチンとの複合体として生体内に残存してしまい、分解物の安全性やゼラチンと遺伝子の複合体のサイズなどにより遺伝子の導入効率が変化してしまうなどの問題が懸念される。
また、コラーゲンなどのハイドロゲルにリン酸カルシウムの顆粒を取り込ませ、このリン酸カルシウムによって遺伝子を細胞へ導入する方法がある(特許文献5参照)。この方法では、リン酸カルシウムの顆粒を含んだハイドロゲルをペレット等の所望の形状に加工すれば直接生体内へ挿入することが可能となり、また、ゲル状であるため注射によって投与することが可能となる。しかしながら、本発明で対象とする眼組織のなかでも角膜は、高い透明性を保つことが必要不可欠であるが、カルシウムの沈着により角膜は白濁することが知られており、眼組織に対してこの方法を用いることはできない。
特開平10−67688号公報 特開2001−199903号公報 特開2003−286200号公報 特開2003−169844号公報 特開2004−283138号公報
本発明は、遺伝子の異常に起因する疾患に関与する異常遺伝子に対する遺伝子治療を容易に行えるハイドロゲル製眼用レンズを提供することを目的としている。さらに詳しくは、細胞内で発現可能な遺伝子を担持して良好な徐放効果を発揮できる実用的な遺伝子治療用のハイドロゲル製眼用レンズを提供することを目的としている。
本発明は、リン酸基を有するハイドロゲルを2価の金属イオンを含有する水溶液中に浸漬する処理を施した後、遺伝子を担持させてなることを特徴とするハイドロゲル製眼用レンズである。
また、本発明は、前記リン酸基を有するハイドロゲルが、少なくともリン酸基を有するモノマーと非イオン性の親水性モノマーからなるゲルであることを特徴とする上記ハイドロゲル製眼用レンズである。
また、本発明は、前記2価の金属イオンがカルシウムイオンであることを特徴とし、さらに、前記遺伝子がプラスミドDNAであることを特徴とする上記ハイドロゲル製眼用レンズである。
本発明のハイドロゲル製眼用レンズは、眼組織の細胞とりわけ角膜に対して悪影響を与えることなく眼組織の細胞内で発現可能な遺伝子を24時間以上にわたり放出し、眼組織の細胞へ効率よく遺伝子を導入することができる遺伝子治療用の遺伝子放出デバイスとして実用的なものである。
本発明者は、遺伝子治療に用いる遺伝子を眼組織の細胞へ導入する手段として、リン酸基を有するハイドロゲル製眼用レンズで効果的に当該遺伝子を放出する方法、特に、アニオン性を示す当該遺伝子とハイドロゲル中のリン酸基がカルシウムイオンに代表される2価の金属イオンを介して形成される錯体を利用する方法を鋭意検討して得られた知見に基づくものである。
すなわち本発明は、遺伝子治療に用いる遺伝子を効果的に利用するために、リン酸基を有するハイドロゲル製眼用レンズを2価の金属イオン存在下で処理することで、高効率で当該遺伝子を担持、放出するものである。具体的には、アニオン性を示す遺伝子と当該ハイドロゲル間に適度な相互作用を発揮させて、当該遺伝子を効果的に担持し徐放させるものである。
本発明で好ましく用いられる遺伝子治療に用いる遺伝子としては、分子構造内にアニオン性官能基を少なくとも1つ以上含有するプラスミドDNAが挙げられる。プラスミドDNAは環状DNAであり、そのままでも利用することが可能であるが、目的とする治療に合わせて所望の遺伝子を抱合させることもできる。例えば、膠様滴状角膜ジストロフィーは角膜上皮に重度のアミロイド沈着を生じる常染色体劣性の遺伝子疾患である。この疾患は、角膜にアミロイドが沈着するため、透明性が失われ、視力が低下する。そして、これまでにこの原因遺伝子がM1S1(membrane component, chromosome 1, surface marker 1)遺伝子であることが見出されている。このM1S1遺伝子をプラスミドDNAに組み込ませてキャリアとし、目的とする眼細胞へ導入することができる。例えば、あらかじめカルシウムイオン存在下で処理された本発明のハイドロゲル製眼用レンズを目的とする遺伝子、特にプラスミドDNAを溶解した水溶液に浸漬すれば、当該レンズ中にプラスミドDNAを包括させることができる。
水溶液中の遺伝子濃度は、その溶解度や目的細胞内への導入するための最小有効濃度及び最大安全濃度などにより、各々の遺伝子毎に適宜選定されるべきものであるが、通常、0.001〜0.1μg/μLの濃度が好ましい。
本発明は、ハイドロゲル中のリン酸基と遺伝子が2価の金属イオンを介して錯体を形成することで、眼組織の細胞に対して遺伝子を持続的に放出するものであり、リン酸基を有するモノマーを用いることに特徴があり、リン酸基を有するモノマーとしては下記構造式(I)および/又は(II)で示される化合物であることが好ましく、式(I)で示される化合物であるメタクリルオキシエチルホスフェート(MOEP; n=2)であることが特に好ましい。また本発明のハイドロゲル製眼用レンズは、リン酸基を有するモノマーの含有量に応じて遺伝子の担持量も変化させることが可能となり、目的とする細胞に応じて適宜選択することができるが、リン酸基を有するモノマーの使用量は、用いる非イオン性の親水性モノマーに対してリン酸基を有するモノマーを50重量%以下で使用することが好ましい。リン酸基を有するモノマーの含有量が50重量%を超えるとゲルが脆くなり、実用的ではない。
Figure 2008220823
本発明で用いる非イオン性の親水性モノマーとしては、少なくとも1種以上の親水基を分子内に有し、かつ非イオン性であればいかなるものでも可能である。例えば、2-ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2, 3-ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及び2-ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2-ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、N-ビニルピロリドンなどが挙げられ、これらを2種以上併用することもできる。親水性モノマーの配合量は、リン酸基の配合量との関係で決まるが、好ましくは全モノマー中50〜95重量%の範囲である。これら親水性モノマーも適宜選択すれば、ハイドロゲル製眼用レンズの含水率を変化させることができる。
本発明は、上記成分に加えて、さらに任意の共重合可能なモノマーを使用することができる。例えばハイドロゲル製眼用レンズの網目構造の形成及び機械強度の調節を図る場合には架橋性モノマーを用いると良い。架橋性モノマーとしては、例えばエチレングリコールジメタクリレート、メチレンビスアクリルアミド、2-ヒドロキシ-1, 3-ジメタクリロキシプロパン、トリメチロールプロパントリアクリレートなどが挙げられる。架橋性モノマーの使用量は、主成分モノマー100重量%に対して、外部で0.1〜4.0重量%が好ましい。特に好ましくは、0.1〜1.0重量%である。架橋性モノマーが0.1重量%より少ないときは、ハイドロゲル製眼用レンズの形状安定性に顕著な効果が見られず、4.0重量%より多くなると架橋効果が過剰となりハイドロゲル製眼用レンズが脆くなり好ましくない。
その他の共重合成分として、ハイドロゲル製眼用レンズの含水率や膨潤率の調節作用、目的とする遺伝子の担持量の微調整などを図るために、疎水性モノマーを本発明の効果を阻害しない範囲で用いることができる。疎水性モノマーとしては、本発明の必須成分である親水性モノマーやリン酸基を有するモノマーと相溶性があれば、いかなるものでも可能であるが、例えばメチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2, 2, 2-トリフルオロメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートなどを挙げることができる。
本発明の特徴は、リン酸基を有するハイドロゲルを2価の金属イオンを含有する水溶液中に浸漬する処理を施した後、遺伝子を担持させてなることである。これは、該ハイドロゲル製眼用レンズ中のリン酸基と遺伝子とで2価の金属イオンを介した錯体を形成することで、ハイドロゲル中に遺伝子を効率よく担持させることを目的としている。本発明における2価の金属イオンとしては、生体に対して安全性が高い金属イオンであれば利用可能であるが、アルカリ土類金属イオン、両性金属イオンであり、例えばマグネシウム、鉄、銅、亜鉛などが挙げられるが、より好ましくはカルシウムイオンである。例えばカルシウムイオンを用いた場合、カルシウムイオンが結合したハイドロゲル製眼用レンズに遺伝子を担持させることで、このカルシウムイオンを介したリン酸基−カルシウム−遺伝子で構成される錯体を形成することができる。この適度な結合力で構成される錯体を該ハイドロゲル製眼用レンズ中に形成させ、眼組織の細胞へハイドロゲル製眼用レンズを接触させることで生体内のイオンと置換し、遺伝子−カルシウム若しくは遺伝子−カルシウム−遺伝子の結合様式で細胞へ遺伝子を導入することが可能となる。この方法により、従来の細胞への遺伝子導入方法であるリン酸カルシウム法と同様な形態で遺伝子を導入することができ、さらに眼用レンズ形状であるため眼細胞との接触時間が長くなるため、遺伝子の導入効率も向上する。
ハイドロゲル製眼用レンズを処理する水溶液の2価の金属イオン濃度は、ハイドロゲル中のリン酸基の含有量に応じて適宜選択することが可能であるが、3〜100mMの範囲が好ましいが、より好ましくは10mM程度である。3mM未満の水溶液で該ハイドロゲル製眼用レンズを処理してもリン酸基−金属イオン−遺伝子から成る錯体の形成効率が低くなり、ハイドロゲル製眼用レンズ中の遺伝子の担持量も低くなる。また、100mMを超える濃度で処理をすると該ハイドロゲル製眼用レンズの表面にカルシウムが凝集し、結晶化し、析出する場合がある。また、本処理は、2価の金属イオンを含有した水溶液に常温下で該ハイドロゲル製眼用レンズを1時間以上浸漬し、その後、遺伝子水溶液に浸漬すればよいが、処理温度は40℃を超えない程度が好ましい。また、処理時間は、1時間以上であれば適宜選択することが可能であるが、3時間以上の処理では、ハイドロゲル中の金属イオンが過剰となるため3時間を超えない程度が好ましい。
本発明のハイドロゲル製眼用レンズの製造に際しては、まず上記モノマーの混合物に重合開始剤を添加し、さらに撹拌・溶解させる。重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤であればいかなるものでも使用でき、重合開始剤の添加量としては、モノマー総量に対して外部で10〜3500ppm程度が好ましい。重合は上記モノマー混合液を金属、ガラス、プラスチックなどの所望の成形型に入れ、密閉して行う。
上記の重合終了後、常温に冷却し、得られた重合物を成形型から取り出し、必要に応じて切削、研磨加工する。得られた重合物は水和膨潤させてハイドロゲル製眼用レンズとする。この水和膨潤に使用される液体(膨潤液)としては、例えば水、生理食塩水、等張性緩衝液などが挙げられる。前記膨潤液を60〜100℃に加温し、一定時間浸漬させ、速やかに水和膨潤状態にする。また、前記膨潤処理により、重合体中に含まれる未反応性モノマーを除去することも可能となる。
次に、pH8〜10に調整した緩衝液中へ常温で1時間程度浸漬させてアルカリ処理を施した後、ハイドロゲル製眼用レンズを純水で十分に洗浄し、あらかじめ調整しておいた2価の金属イオン、好ましくはカルシウムイオンを含有した水溶液に浸漬する。処理後、ハイドロゲル製眼用レンズを純水で十分に洗浄し、あらかじめ調整しておいた遺伝子を溶解させた水溶液中に浸漬する工程で本発明のハイドロゲル製眼用レンズが得られる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、本実施例では遺伝子としてプラスミドDNAを用いた。
(評価方法)
<形状安定性の評価>
プラスミドDNA放出前後の眼用レンズを生理食塩水中で、コンタクトレンズ投影機を用いて評価した。プラスミドDNA放出前の眼用レンズに対して、形状の変化が認められない場合は○、変形が認められた場合は×とした。
<光線透過率の測定>
プラスミドDNA担持後のレンズを、紫外−可視分光光度計(UV-3150: 島津製作所)を用いて光線透過率を測定した。
<含水率の測定>
プラスミドDNA担持後のレンズの含水率を「ハイドロゲルレンズの含水率測定(ISO10339: 1997)」に準じて測定した。
<遺伝子放出性の測定>
プラスミドDNA担持後のレンズを、25℃、3mLの生理食塩水へ浸漬して、1時間ごとにその放出量をアガロースゲルによる電気泳動法にて測定した。測定の標準マーカーとして1kbpを用いた。24時間にわたってプラスミドDNAの放出が認められた場合には○、認められない場合には×とした。
<涙液への放出性評価>
プラスミドDNA担持後のレンズを家兎へ装着し、1時間ごとに涙液を5μL、キャピラリー管にて採取した。採取した涙液中のプラスミドDNAは、PCR(Polymerase Chain Reaction)法にて増幅させ、アガロースゲルを用いた電気泳動で涙液中のプラスミドDNAの存在を確認した。電気泳動には、標準マーカーとして1kbpを用いた。12時間にわたって涙液中でプラスミドDNAの存在が認められた場合には○、認められない場合には×とした。
<家兎角膜上皮細胞導入性の評価>
プラスミドDNA担持後のレンズを家兎へ装着し、装着後の家兎角膜上皮細胞を採取し、48時間培養し、蛍光顕微鏡で観察した。プラスミドDNAが導入された細胞は、GFP(Green Fluorescent Protein)により蛍光で発色することでプラスミドDNAの角膜上皮細胞への導入性を評価した。角膜上皮細胞への導入が認められた場合には○、認められない場合には×とした。
(実施例1)
メタクリルオキシエチルホスフェート(MOEP; n=2)10重量%、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)90重量%に対して、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3重量%(外部)を添加して十分に窒素置換をしながら約1時間撹拌した。撹拌後、モノマー混合液を眼用レンズ用のプラスチック製の成形型に入れ、50〜100℃の範囲で25時間かけて昇温して重合させた。重合体は容器から取り出し、約80℃の蒸留水中に約4時間浸漬して水和膨潤させて本実施例の眼用レンズとした。この眼用レンズを、pH8に調整したリン酸緩衝液(PBS)へ室温で1時間浸漬してアルカリ処理を施した後、十分に純水にて洗浄した。洗浄後の眼用レンズを、10mMの塩化カルシウム水溶液へ室温で2時間浸漬、その後、純水で洗浄し、プラスミドDNA(CLONTEC社)の0.1μg/μL水溶液3mL中に25℃、48時間浸漬させることでプラスミドDNAを担持させた。プラスミドDNAが担持した眼用レンズを蒸留水3mL中に25℃、24時間浸漬し、遊離のプラスミドDNAを除去した後に、上記の各種評価を行った。
(実施例2〜8)
表1に示す組成にて、実施例1と同様な操作で水和膨潤した眼用レンズを得た。この眼用レンズを表1に示すカルシウムイオン濃度に調整した塩化カルシウム水溶液で処理し、実施例1と同様の方法でプラスミドDNAを担持させて、上記の各種評価を行った。
(比較例1〜2)
表1に示す組成にて、実施例1と同様な操作で水和膨潤した眼用レンズを得た。この眼用レンズを表1に示すカルシウムイオン濃度に調整した塩化カルシウム水溶液で処理し、実施例1と同様の方法でプラスミドDNAを担持させて、上記の各種評価を行った。
Figure 2008220823
なお、[表1]中の記号は、以下の通りである。
MOEP メタクリルオキシエチルホスフェート
HEMA 2-ヒドロキシエチルメタクリレート
HPMA ヒドロキシプロピルメタクリレート
NVP N-ビニルピロリドン
AAm アクリルアミド
EDMA エチレングリコールジメタクリレート

Claims (4)

  1. リン酸基を有するハイドロゲルを2価の金属イオンを含有する水溶液中に浸漬する処理を施した後、遺伝子を担持させてなることを特徴とするハイドロゲル製眼用レンズ。
  2. 前記リン酸基を有するハイドロゲルが、少なくともリン酸基を有するモノマーと非イオン性の親水性モノマーからなるゲルであることを特徴とする請求項1に記載のハイドロゲル製眼用レンズ。
  3. 前記2価の金属イオンがカルシウムイオンであることを特徴とする請求項1または2に記載のハイドロゲル製眼用レンズ。
  4. 前記遺伝子がプラスミドDNAであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のハイドロゲル製眼用レンズ。
JP2007066656A 2007-03-15 2007-03-15 遺伝子治療に用いられるハイドロゲル製眼用レンズ Active JP5132958B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007066656A JP5132958B2 (ja) 2007-03-15 2007-03-15 遺伝子治療に用いられるハイドロゲル製眼用レンズ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007066656A JP5132958B2 (ja) 2007-03-15 2007-03-15 遺伝子治療に用いられるハイドロゲル製眼用レンズ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008220823A true JP2008220823A (ja) 2008-09-25
JP5132958B2 JP5132958B2 (ja) 2013-01-30

Family

ID=39840093

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007066656A Active JP5132958B2 (ja) 2007-03-15 2007-03-15 遺伝子治療に用いられるハイドロゲル製眼用レンズ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5132958B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101820710B1 (ko) * 2016-06-27 2018-03-08 (주)지오메디칼 고함수율 및 단백질흡착억제 하이드로겔 콘택트렌즈 및 그 제조방법

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1067688A (ja) * 1996-08-26 1998-03-10 Mitsubishi Chem Corp リポソーム点眼剤
WO2003093337A1 (fr) * 2002-05-01 2003-11-13 Hokkaido Technology Licensing Office Co., Ltd. Hydrogel a structure de reseau a semi-interpenetration et procede de production associe
JP2004305313A (ja) * 2003-04-03 2004-11-04 Seed Co Ltd 薬物徐放性眼用レンズ
WO2006084275A2 (en) * 2005-02-04 2006-08-10 Auburn University Contact drug delivery system
JP2006525446A (ja) * 2003-05-02 2006-11-09 ボード・オブ・リージエンツ,ザ・ユニバーシテイ・オブ・テキサス・システム 治療薬デリバリー用ドラッグ放出生分解性繊維

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1067688A (ja) * 1996-08-26 1998-03-10 Mitsubishi Chem Corp リポソーム点眼剤
WO2003093337A1 (fr) * 2002-05-01 2003-11-13 Hokkaido Technology Licensing Office Co., Ltd. Hydrogel a structure de reseau a semi-interpenetration et procede de production associe
JP2004305313A (ja) * 2003-04-03 2004-11-04 Seed Co Ltd 薬物徐放性眼用レンズ
JP2006525446A (ja) * 2003-05-02 2006-11-09 ボード・オブ・リージエンツ,ザ・ユニバーシテイ・オブ・テキサス・システム 治療薬デリバリー用ドラッグ放出生分解性繊維
WO2006084275A2 (en) * 2005-02-04 2006-08-10 Auburn University Contact drug delivery system

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101820710B1 (ko) * 2016-06-27 2018-03-08 (주)지오메디칼 고함수율 및 단백질흡착억제 하이드로겔 콘택트렌즈 및 그 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP5132958B2 (ja) 2013-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2705390B2 (en) Medical devices having homogeneous charge density and methods for making same
JP3645919B2 (ja) 非環状モノマーを導入された眼レンズポリマー
JP7160350B2 (ja) 生体組織透明化法及びその試薬
JP4379778B2 (ja) 薬物徐放性眼用レンズ
JPS63246718A (ja) コンタクトレンズの表面処理用レンズ溶液
JP2009517508A (ja) 高屈折率を有するポリマー組成物
TW201827892A (zh) 用於隱形眼鏡的單體組合物、用於隱形眼鏡的聚合物及其製備方法、以及隱形眼鏡及其製造方法
JP2017513596A (ja) コンタクトレンズおよび眼内レンズのための(メタ)アクリルアミドポリマー
JP2010281956A (ja) 湿潤性ハイドロゲルコンタクトレンズ及びその製造方法
JP2007056220A (ja) コンタクトレンズの製造方法およびそれにより得られたコンタクトレンズ
JPH10339857A (ja) 薬剤徐放性コンタクトレンズの製法およびそれによってえられた薬剤徐放性コンタクトレンズ
JP2015163698A (ja) 生体適合性ポリマーの調製方法、生体適合性ポリマーおよびそれらの使用
JPWO2015159942A1 (ja) アニオン性薬物含有医療用デバイス
JP2014514422A (ja) 疎水性セグメントを含有するマクロ開始剤
JP5132958B2 (ja) 遺伝子治療に用いられるハイドロゲル製眼用レンズ
CN1269889A (zh) 模制品制造方法
JP4879554B2 (ja) ポストインプリント可能なヒドロゲル材料の製造方法
CN106999629B (zh) 用于眼科装置的低水含量丙烯酸酯-丙烯酰胺共聚物
JP4855782B2 (ja) 眼の遺伝子治療に用いられるハイドロゲル製眼用レンズ
EP1750160A1 (en) Method for producing protein adsorption-preventing ocular lens material
JP4937491B2 (ja) カチオン性高分子ゲル及びそれを用いた薬物徐放性高分子ゲル
KR101311134B1 (ko) 약물 서방성 의료용 디바이스
JP2001142034A (ja) ソフトコンタクトレンズ材料及び製造方法
TWI826534B (zh) 隱形眼鏡用單體組合物及隱形眼鏡用聚合物、以及隱形眼鏡及其製造方法
JP4124610B2 (ja) 薬物徐放性コンタクトレンズ

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100219

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100302

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100219

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100729

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100730

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100901

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121106

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121107

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151116

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5132958

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250