JP2010281956A - 湿潤性ハイドロゲルコンタクトレンズ及びその製造方法 - Google Patents

湿潤性ハイドロゲルコンタクトレンズ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コンタクトレンズ表面、内部構造の湿潤性を向上し且つ、その効果の持続性が高く、耐汚染性、形状安定性、機械的強度にも優れたハイドロゲルコンタクトレンズ及びその製造方法を提供することにある。
【解決手段】水酸基及び陰イオン性基を有する化合物であるイオン性親水性高分子を包含することを特徴とする湿潤性ハイドロゲルコンタクトレンズ、及び
湿潤性ハイドロゲルコンタクトレンズを製造する方法において、
該ハイドロゲルコンタクトレンズの構成成分が、少なくともカチオン性モノマーとアニオン性モノマーを含有する共重合体であって、
該モノマーの対イオン同士がイオン結合を形成する工程と、
水酸基及び陰イオン性基を有する化合物であるイオン性親水性高分子を包含する工程
を有することを特徴とする湿潤性ハイドロゲルコンタクトレンズの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、水酸基及び陰イオン性基を有する化合物であるイオン性親水性高分子を効果的に包含させることで、優れた耐汚染性と湿潤性を持続できるハイドロゲルコンタクトレンズ及びその製造方法に関する。詳しくは、少なくともカチオン性モノマー及びアニオン性モノマーを構成成分とする共重合体中にイオン性親水性高分子を包含させてなるハイドロゲルコンタクトレンズであり、当該イオン性親水性高分子放出後も形状安定性、機械的強度に優れる湿潤性ハイドロゲルコンタクトレンズ及びその製造方法に関する。
コンタクトレンズはソフトコンタクトレンズとハードレンズに大別されるが、異物感が少なく、装用感が良好なことから、ソフトコンタクトレンズ特に含水性ソフトコンタクトレンズが広く用いられるが、コンタクトレンズの表面構造の変化により、その装用感は大きく変動し様々な影響を装用者に与える。コンタクトレンズの装用感は、コンタクトレンズと涙液との相互作用に大きく影響されるため、良好な装用感を得るためにはレンズ表面が涙液で覆われていることが重要となる。しかし、含水性ソフトコンタクトレンズは装用中における水分蒸発による含水性の不足を涙液からの吸水で補うため、涙液層の薄化を招くこととなり、その結果、乾燥が更に促進され、装用感の不良、更には機械的な摩擦による角結膜表面における障害の発症を招く危険性が考えられる。また、近年ではパソコン等のOA機器の普及や空調の影響等によるドライアイ特に蒸発亢進ドライアイの発症等、外的な要因によるコンタクトレンズ、眼表面の乾燥も懸念されている。このコンタクトレンズの乾燥は、コンタクトレンズ表面への涙液中の老廃物の付着の原因となり、装用感や視界の不良を引き起こすため、コンタクトレンズの乾燥を抑制し、涙液層を安定化することは、良好な装用感の維持に対し重要な要素となる。そのため、コンタクトレンズ基材自体の改良や得られたコンタクトレンズの親水性化処理等により、耐汚染性や親水性、湿潤性を向上させ、コンタクトレンズ表面の汚染や乾燥を軽減させるための様々な方法が開示されている。
例えば、第四級アンモニウムイオンとカルボキシルイオンのツビッターイオンの形成により、涙液中の廃物に含まれる電荷による表面の集積が減少した含水性コンタクトレンズが開示されている(特許文献1)。これは、コンタクトレンズ基材の構造から耐汚染性を改善する方法であるが、この方法では耐汚染性は改善されるものの、コンタクトレンズ基材の湿潤性の持続性は更なる向上が求められている。
また、アニオン性ポリマーであるカルボキシメチルセルロースでコンタクトレンズ表面に水和層を形成して、有効な潤滑性を付与する方法(特許文献2)、ある種のポリ(オキシエチレン)−ポリ(オキシプロピレン)界面活性剤が、レンズ表面上で維持されることにより、レンズ表面の湿潤特性、快適性に有意な改良を与える方法(特許文献3)、眼科用レンズを湿潤剤で処理することによりなる眼科用レンズの製造方法(特許文献4)等、得られたコンタクトレンズに湿潤剤を添加させることにより、湿潤性を向上させる方法が開示されている。
しかしながら、特許文献2は、アニオン性ポリマーによりコンタクトレンズ表面を被覆し湿潤性を付与するものであるが、基材との化学的な結合は有しておらず、その保持性は低い。また、表面のみを潤滑化させるものであるため、コンタクトレンズそのものの湿潤性向上には至らない。更に、表面がアニオン性に帯電していることから、蛋白質沈着を誘発することが考えられる。特許文献3では、親水性膜とコンタクトレンズ表面との結合は疎水性相互作用による脆弱な結合であるため、湿潤効果の安定性、持続性に劣る。また、この発明に用いられる非イオン性界面活性剤は、過剰投与によるアナフィラスキーショックを誘発するとの報告もあり、安全性に課題を有する。特許文献4では、湿潤剤として用いられるポリビニルピロリドンの作用により眼表面でのコンタクトレンズの動きが大きくなるため、異物感が生じ易い。また、ポリビニルピロリドンの有するべたつきにより、涙液中のムチンの付着による視界の不良が予測される。
特開平10−253931号公報 特表2001−508555号公報 特表2002−504238号公報 特表2008−532060号公報
本発明の目的は、コンタクトレンズ表面、内部構造の湿潤性を向上し且つ、その効果の持続性が高く、耐汚染性、形状安定性、機械的強度にも優れたハイドロゲルコンタクトレンズ及びその製造方法を提供することにある。
本発明に従って、水酸基及び陰イオン性基を有する化合物であるイオン性親水性高分子を包含することを特徴とする湿潤性ハイドロゲルコンタクトレンズが提供される。
また、本発明に従って、湿潤性ハイドロゲルコンタクトレンズを製造する方法において、
該ハイドロゲルコンタクトレンズの構成成分が、少なくともカチオン性モノマーとアニオン性モノマーを含有する共重合体であって、
該モノマーの対イオン同士がイオン結合を形成する工程と、
水酸基及び陰イオン性基を有する化合物であるイオン性親水性高分子を包含する工程
を有することを特徴とする湿潤性ハイドロゲルコンタクトレンズの製造方法が提供される。
本発明によれば、ハイドロゲルコンタクトレンズの表面及び内部に、水酸基及び陰イオン性基を有する化合物であるイオン性親水性高分子を、コンタクトレンズ基材の構成成分であるカチオン性モノマーとアニオン性モノマーの対イオン同士の脱酸、脱塩処理時に包含することで、湿潤性、耐汚染性、形状安定性、機械的強度に優れたハイドロゲルコンタクトレンズ及びその製造方法を得ることができる。
また、本発明の方法により、イオン性親水性高分子の包含工程と脱酸・脱塩処理によるイオン結合形成工程とコンタクトレンズに定められている高圧蒸気滅菌処理工程とを同一工程で処理できるので、生産性を向上させることが可能となった。
また、包含されたイオン性親水性高分子は、コンタクトレンズ中の水分を結合した状態で保持され、保持されたイオン性親水性高分子は継続的に徐放されるため、湿潤性の持続性が高い。更に、包含されたイオン性親水性高分子の一部は、イオン結合によりコンタクトレンズ構成成分のカチオン性基の側鎖と結合しているため、徐放後も耐汚染性や形状安定性、機械的強度に変化が生じ難いハイドロゲルコンタクトレンズを提供することができる。
リン酸緩衝液中に徐放される、親水性基及び陰イオン性基を有するイオン性親水性高分子の放出率を示すグラフである。
本発明は、ハイドロゲルコンタクトレンズ中に水酸基及び陰イオン性基を有する化合物であるイオン性親水性高分子をコンタクトレンズ内に包含し、コンタクトレンズの湿潤性を向上させるものである。
イオン性親水性高分子となる水酸基及び陰イオン性基を有する化合物としては、キサンタンガム、カラギーナン、カルボキシル基含有セルロース、アルギン酸及びアルギン酸塩、ヒアルロン酸及びヒアルロン酸塩、コンドロイチン硫酸及びコンドロイチン硫酸塩、2−メタクリロイルオキシエチルホスホコリン重合体、2−メタクリロイルオキシエチルホスホコリン・メタクリル酸ブチル共重合体等が挙げられるが、本発明において好ましく用いられるのはアルギン酸及びアルギン酸ナトリウム塩、アルギン酸カリウム塩、アルギン酸トリエタノール塩、アルギン酸アンモニウム塩等のアルギン酸塩であり、より好ましく用いられるのは、水溶性を有するアルギン酸、アルギン酸ナトリウム塩である。
アルギン酸は、2種のウロン酸、D−マンヌロン酸(M)とG−グルロン酸(G)から構成される直鎖状多糖類であり、マンヌロン酸のホモポリマー画分(MM画分)、グルロン酸のホモポリマー画分(GG画分)及び、マンヌロン酸とグルロン酸がランダムに配列した画分(MG画分)が任意に結合した複雑なブロック重合体である。アルギン酸のゲル能力やゲル濃度は、MとGの量的比率及び配列の仕方に大きく影響され、G比率が高い場合には、ゲル濃度が高くなることが知られている。
本発明におけるアルギン酸のM/G比に特に制約はなく適宜選択可能であるが、好ましくは4.0以下、より好ましくは2.0以下である。また、本発明ではイオン性親水性高分子を緩衝液にて調製し液状組成物として用いるが、その際のイオン性親水性高分子の添加量は、0.01〜7.0w/v%が好ましく、より好ましくは、0.03〜5.0w/v%、さらに好ましくは、0.05〜3.0w/v%である。添加量が0.01w/v%未満の場合、ハイドロゲルコンタクトレンズ中へ包含量が少なく、湿潤性付与に対する効果が発揮され難くなる。また、添加量が7.0w/v%超過の場合、過剰投与による眼組織への刺激が生じ易くなる。
本発明のハイドロゲルコンタクトレンズは少なくともカチオン性モノマー及びアニオン性モノマーを構成成分中に有するものが好ましく、本発明に使用するカチオン性モノマーとしては側鎖に四級アンモニウム塩を有するモノマーがより好ましく用いられ、具体的には、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルメチルハイドロキサイド、メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド、メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルサルフェート、メタクリルアミドジメチルアミノプロピルメチルクロライド、ビニルベンジルトリエチルアンモニウムクロライドが挙げられる。アニオン性モノマーとしては(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のエチレン系不飽和カルボン酸、メタクリロイルオキシプロピルスルホン酸、ビニルスルホン酸、p−スチレンスルホン酸等のスルホン酸モノエステル、また、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート等のリン酸モノエステルが挙げられるが、本発明では、カルボキシル基を有するモノマーが好ましく用いられる。カチオン性モノマーとアニオン性モノマーの添加量の構成は、カチオン性モノマーがアニオン性モノマーに対し余剰となることが好ましく、具体的にはカチオン性モノマーに対するアニオン性モノマーの構成比が50〜95モル%となることが好ましく、より好ましくは70〜90モル%である。
本発明では、コンタクトレンズ構成成分のカチオン性基とアニオン性基がイオン結合を形成することで、コンタクトレンズの耐汚染性、形状安定性、機械的強度を向上させるものであり、このイオン結合は、水和膨潤後のコンタクトレンズ中のカチオン性基とアニオン性基の対イオン同士の脱酸、脱塩処理により形成される。また、余剰となるカチオン性基は、包含する水酸基とイオン性基有する化合物であるイオン性親水性高分子ともイオン結合を形成し、コンタクトレンズ構造内に保持されるため、持続性の高い湿潤化処理が行える。
カチオン性モノマーに対するアニオン性モノマーの構成比が50モル%未満の場合、コンタクトレンズ構成成分中の対イオン同士のイオン結合形成数が少なくなるため、形状安定性に対し好ましくない影響を及ぼす。また、構成比が95モル%超過の場合、イオン性親水性高分子とのイオン結合形成が不足するため、良好な湿潤性の持続性が得られない。
本発明では、得られるハイドロゲルに親水性を付与するために分子中に親水性基を少なくとも1種類有する親水性モノマーを共重合することができる。具体的には、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、(メタ)アクリル酸、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、グリセロールメタクリレート等の(メタ)アクリル含有モノマー、N−ビニルピロリドン(NVP)、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニル−N−エチルアセトアミド、N−ビニル−N−エチルホルムアミド、N−ビニルホルムアミド等の親水性ビニル含有モノマーが挙げられる。
また、本発明では、得られた共重合体の強度、形状安定性、柔軟性の向上のために、アルキル(メタ)アクリレートを共重合することができる。アルキル(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、3−メチルトリデシル(メタ)アクリレート、6−メチルトリデシル(メタ)アクリレート、7−メチルトリデシル(メタ)アクリレート、2,11−ジメチルドデシル(メタ)アクリレート、2,7−ジメチル−4,5−ジエチルオクチル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、i−ステアリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート等の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
更に本発明では、耐熱性、機械的特性の向上のために、多官能性の架橋成分を共重合することができ、架橋成分としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエリチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系架橋剤、アリルメタクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリルサクシネート、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、トリアリルホスフェート、トリアリルトリメリテート、ジアリルエーテル、N,N−ジアリルメラミン、ジビニルベンゼン等のビニル系架橋剤が挙げられる。
本発明におけるハイドロゲルコンタクトレンズの湿潤性向上は、水酸基及び陰イオン性基を有する化合物であるイオン性親水性高分子のコンタクトレンズ構造内への包含によって行われるものである。本発明における包含とは、
(a)コンタクトレンズ構成成分の対イオン同士の脱酸、脱塩処理に関与しない余剰のカチオン性基とイオン結合を形成するイオン性親水性高分子、
(b)イオン結合を形成せずコンタクトレンズ高分子鎖中に取り込まれるイオン性親水性高分子、
がそれぞれハイドロゲルコンタクトレンズ構造内に存在することを指す。本発明においては、イオン性親水性高分子の包含方法に特徴がある。
前述のごとく、コンタクトレンズ構成成分の対イオン同士のイオン結合形成は、水和膨潤後のコンタクトレンズのカチオン性基とアニオン性基の対イオン同士の脱酸、脱塩処理を施すことで成る。本発明では、これと同時にイオン性親水性高分子とコンタクトレンズ構成成分のイオン結合形成も行い、更にイオン性親水性高分子のコンタクトレンズ高分子鎖中への取り込みも行うものである。これにより、イオン性親水性高分子のコンタクトレンズ構造内での保持力が向上し、持続性の高い湿潤化処理が可能となる。
本発明で得られるコンタクトレンズは、多官能性架橋成分を介した共重合に加え、側鎖同士のイオン結合が存在することで、従来のコンタクトレンズに比べ結合が強固であるため、pH濃度や温度変化等の環境変化に左右されず、耐汚染性、形状安定性、機械的強度が一定に保たれる。従って、取り込まれたイオン性親水性高分子が、徐放された後も寸法の変動や機械的強度の低下が生じない。また、イオン結合形成によりコンタクトレンズ構成成分のカチオン性基と結合したイオン性親水性高分子は徐放されず、コンタクトレンズ中の水分を結合した状態で保持されるため、湿潤性も持続されることとなる。
更に、イオン性親水性高分子とコンタクトレンズ構成成分のカチオン性基のイオン結合形成における脱酸、脱塩処理において、その反応温度がイオン結合形成に対し影響を及ぼす。脱酸、脱塩処理はそれ単独で行ってもよいが、本発明においてはイオン性親水性高分子の包含処理と脱酸・脱塩処理によるイオン結合形成工程とを同時に行うことが前記効果を発揮する点から好ましい。水和膨潤後のコンタクトレンズを30℃以上のイオン性親水性高分子含有緩衝液に浸漬することで、ツビッターイオンの形成が可能であるが、より効率的に処理を行うためには70℃以上で処理することが好ましく、イオン性親水性高分子含有緩衝液中、100℃以上で処理を施すことがより好ましい。特に、処理温度は100℃〜150℃が好ましく、処理時間は10分〜60分が好ましい。本発明にかかるコンタクトレンズには、高圧蒸気により滅菌処理が施されるが、生産性を高める観点から前記イオン性親水性高分子の包含工程と脱酸・脱塩処理によるイオン結合形成工程、並びに高圧蒸気滅菌処理工程とを同一工程で処理することが好ましい。より好ましい処理条件は121℃−30分である。
本発明では、水酸基及び陰イオン性基を有する化合物であるイオン性親水性高分子を緩衝液にて調製し液状組成物として用いるが、配合する緩衝剤としては、薬理学的に又は生理学的に許容されるものであれば特に制約はされず、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤等が挙げられ適宜選択可能であるが、イオン性親水性高分子のハイドロゲルコンタクトレンズ中への包含量への影響から、ホウ酸緩衝剤が好ましく用いられ、より好ましくは、ホウ酸及びその塩(ホウ酸ナトリウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ砂等)であり、単独もしくは2種以上を任意に組み合わせて使用しても良い。
また、前記イオン性親水性高分子含有緩衝液には、界面活性剤、等張化剤、安定化剤、キレート剤、溶解補助剤、清涼化剤等の1種又は2種以上を目的に応じ配合することができる。
界面活性剤として、非イオン性界面活性剤が好ましく用いられ、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ラウリン酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
等張化剤として、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、プロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
安定化剤、キレート剤として、エデト酸ナトリウム、シクロデキストリン、亜硫酸塩、クエン酸又はその塩等が挙げられる。
溶解補助剤として、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。
清涼化剤として、1−メントール、d−メントール、d1−メントール、α−カンフル、d1−カンフル、d−ボルネオール、ベルガモント油、クールミント、ウイキョウ油、ハッカ油、ユーカリ油、ゲラニオール油が挙げられる。
ハイドロゲル中の水分は分子鎖に結合される結合水と、結合されない自由水に大別され、この結合にはハイドロゲル中の水酸基の数が大きく影響し、水酸基が多く存在することで水素結合による結合水の割合が増大する。結合水の割合と水の拡散係数とが反比例することから、結合水の割合が多いほど水分子の運動が抑制され、水分蒸発を抑制することができる。すなわち、本発明におけるコンタクトレンズの水酸基及び陰イオン性基を有する化合物であるイオン性親水性高分子の包含は、コンタクトレンズ構造内への水酸基の導入を意図するものである。水酸基が多く導入されることで、コンタクトレンズ構造内での結合水の割合が増加し、水分子の保持性を向上させることが可能となる。コンタクトレンズ構造内における、結合水と自由水の存在様式は熱分析により解析することが可能であり、示差走査熱量測定(DSC)による熱分析において、結合水は0℃より低温側、自由水0℃付近で融解しピークを確認することができる。結合水の割合が20%以上の場合、コンタクトレンズに捕捉される水分子の数が増加するため、湿潤効果の持続性が高まる。20%未満の場合は、捕捉される水分子の数が減少するため、乾燥が速まり装用感の低下、汚れの付着を引き起こす。
以下、本発明の好ましい実施例を説明するが、この実施例は本発明の理解のために提供されるものであって、本発明の範囲がかかる実施例のみに限定されるものではない。
<評価方法>
実施例及び比較例における膨潤状態のハイドロゲルコンタクトレンズでの評価方法として、以下の試験、評価基準を採用した。
<水濡れ性>
親水性基及び陰イオン性基を有するイオン性親水性高分子の包含処理を施した後のハイドロゲルコンタクトレンズの表面水分を拭き取った後に、接触角計CA−D型(協和界面科学株式会社製)を用い、液適法にて接触角の測定を行った。
<親水性高分子包含量の測定>
親水性基及び陰イオン性基を有するイオン性親水性高分子の包含処理を施した後のハイドロゲルコンタクトレンズの表面水分を拭き取った後に、メタノール−リン酸緩衝液(PBS(−))の1:1溶液に浸漬し、121℃−20分間高圧蒸気滅菌を行うことで、イオン性親水性高分子の抽出を行った。高速液体クロマトグラフィー(HPLC、日本分光株式会社製 LC−2000Plus)を用いて、抽出液中のイオン性親水性高分子を定量し、コンタクトレンズ構造内への包含量を測定した。
<親水性高分子の放出量の測定>
親水性基及び陰イオン性基を有するイオン性親水性高分子の包含処理を施した後のハイドロゲルコンタクトレンズの表面水分を拭き取った後に、37℃リン酸緩衝液(PBS(−))に浸漬した。浸漬開始後30分、1時間、2時間、4時間、8時間、12時間、24時間ごとの抽出液中のイオン性親水性高分子の定量を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC、日本分光株式会社製 LC−2000Plus)を用いて行い、各時における放出量を測定した。得られた包含量と放出量から各時における放出率を算出した。図1には実施例2、実施例4及び比較例1の結果を示し、表1には2時間、8時間、24時間ごとの結果を示す。
放出率(%)=放出量(g)/包含量(g)×100
<形状安定性>
親水性基及び陰イオン性基を有するイオン性親水性高分子の包含処理を施したハイドロゲルコンタクトレンズを2枚作製し、その内の1枚の表面水分を拭き取った後に37℃リン酸緩衝液(PBS(−))に24時間浸漬した。PBS(−)に浸漬前および24時間浸漬後のハイドロゲルコンタクトレンズの直径を測定し、イオン性親水性高分子放出前後の変化量を確認した。PBS(−)浸漬前後で直径の変化が0.2mm以内の場合は○、0.2mmを超える場合は×とした。
<耐汚染性評価(蛋白質)>
親水性基及び陰イオン性基を有するイオン性親水性高分子の包含処理を施したハイドロゲルコンタクトレンズを2枚作製し、その内の1枚の表面水分を拭き取った後に37℃リン酸緩衝液(PBS(−))に24時間浸漬した。PBS(−)浸漬前および24時間浸漬後の各々を公知の人工蛋白質液中、37℃±2℃にて8時間インキュベートし、PBS(−)にて濯ぎ洗いをした後、ラウリル硫酸ナトリウム1%−炭酸水素ナトリウム1%水溶液にて抽出を行い、その抽出液中の蛋白質をMicroBCA法にて定量した。PBS(−)浸漬前後で蛋白質吸着量の差異が10%以内の場合は○、10%を超える場合は×とした。
<耐汚染性評価(脂質)>
親水性基及び陰イオン性基を有するイオン性親水性高分子の包含処理を施したハイドロゲルコンタクトレンズを2枚作製し、その内の1枚の表面水分を拭き取った後に37℃リン酸緩衝液(PBS(−))に24時間浸漬した。PBS(−)浸漬前および24時間浸漬後の各々を公知の人工脂質液中、37℃±2℃にて8時間インキュベートし、PBS(−)にて濯ぎ洗いをした後、0.1%スダンブラック−胡麻油溶液に浸漬した。PBS(−)浸漬前後で染色状態に差異が確認されない場合は○、確認された場合は×とした。
<機械的強度>
親水性基及び陰イオン性基を有するイオン性親水性高分子の包含処理を施したハイドロゲルコンタクトレンズを2枚作製し、その内の1枚の表面水分を拭き取った後に37℃リン酸緩衝液(PBS(−))に24時間浸漬した。PBS(−)浸漬前および24時間浸漬後のハイドロゲルコンタクトレンズ各々を幅2.0mmのダンベル形状にカットし、試験サンプルの上下端を冶具で挟み、一定速度で引張続けた際の破断強度および破断伸度を破断試験機AGS−50NJ(株式会社島津製作所製)を用いて測定した。破断強度と破断伸度が、PBS(−)に浸漬前後で、10%以内の変化の場合は○、10%を超える減少が認められる場合は×とした。
<水分子存在形態の測定>
ハイドロゲル構造内の結合水と自由水の量を測定し、ハイドロゲルコンタクト構造内の結合水の割合を算出した。
測定は、示唆走査熱量測定(DSC)(株式会社セイコーインスツルメンツ社製 DSC6200)を使用し行った。親水性基及び陰イオン性基を有するイオン性親水性高分子包含処理を施した後のコンタクトレンズの表面水分を拭き取った後に、その中心部を切除し、アルミニウム製密閉容器で完全密封し、温度範囲−20℃〜40℃、昇温速度5℃/分の条件にて熱分析を行った。0℃より低温側の結合水ピークと、0℃付近の自由水ピークの面積比から結合水と自由水の割合を算出した。
<装用試験>
親水性基及び陰イオン性基を有するイオン性親水性高分子の包含処理を施した後のハイドロゲルコンタクトレンズの実装用による装用感の官能試験を行った。
1日使い捨て終日装用にて装用を行い(20名)、湿潤剤であるイオン性親水性高分子を包含しないハイドロゲルレンズ(比較例2)を比較対照とし、下記評価基準に基づきアンケートを行った。
1点:湿潤剤を包含しないハイドロゲルレンズと比べ、装用感が良好
0点:湿潤剤を包含しないハイドロゲルレンズと比べ、装用感に差異なし
−1点:湿潤剤を包含しないハイドロゲルレンズと比べ、装用感が悪い
アンケート結果から20名の合計点数が
◎:15点以上
○:10点以上15点未満
△:5点以上10点未満
▲:0点以上5点未満
×:0点未満
とし評価した。
[ハイドロゲルコンタクトレンズ製造]
2−ヒドロキシメタクリレート(HEMA 三菱ガス化学社製)、メタクリル酸ジメチルアミノエチルクロライド(DQ−75 三菱ガス化学社製)、メタクリルアミドジメチルアミノプロピルメチルクロライド(MAPTAC MRCユニテック社製)、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸(HOMS 共栄社化学社製)、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸(HH 共栄社化学社製)、モノマー混合溶液100重量%に対し、エチレングリコールジメタクリレート(EDMA 三菱レイヨン社製)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN 和光純薬社製)、純水を表1に示す割合で調製し、各成分が均一になるように室温にて30分攪拌した後に、ポリプロピレン製コンタクトレンズ用成形型内に注入し、窒素雰囲気下、室温から100℃まで15時間に渡り加温し、コンタクトレンズ成形体を得た。
[イオン性親水性高分子含有緩衝液調製]
アルギン酸(商品名:ダックアシッドA、紀文フードケミファ社製)、アルギン酸ナトリウムA(商品名:ダックアルギン150G(M/G比 0.5)、紀文フードケミファ社製)、アルギン酸ナトリウムB(商品名:ダックアルギン150M(M/G比 1.1)、紀文フードケミファ社製)、ヒアルロン酸ナトリウム(商品名:FCH−80LE、株式会社紀文フードケミファ製)、コンドロイチン硫酸ナトリウム(マルハ株式会社製)、緩衝剤として、ホウ酸、ホウ砂、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、等張化剤として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、キレート剤として、エデト酸ナトリウム(EDTA−2Na)、界面活性剤として、非イオン性界面活性剤ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー(商品名:Lutrol F127、BASFジャパン社製)、を表1に示す割合で調製し、各成分が均一になるように室温にて30分攪拌した。
(実施例1〜11)
得られたコンタクトレンズ成形体を60℃のリン酸緩衝液(pH7)に1時間浸漬し水和膨潤した後、親水性基及び陰イオン性基を有するイオン性親水性高分子含有緩衝液に浸漬後、121℃−30分間処理し、包含工程と脱酸・脱塩処理によるイオン結合形成工程、並びに高圧蒸気滅菌工程を同時に行い、目的のハイドロゲルコンタクトレンズを作製した。得られたハイドロゲルコンタクトレンズについて水濡れ性、イオン性親水性高分子包含量、イオン性親水性高分子放出量、水分子存在形態、装用試験の評価を上記方法にて行った。
評価結果を表2に示すが、イオン性親水性高分子の包含量が多く、それに伴い結合水の割合も増加していた。また、放出率も低いことから、湿潤性の持続性も確認された。更に、装用試験においても良好な結果を示しており、親水性高分子の包含が装用感の向上においても良好な結果を示した。
(比較例1)
包含する親水性高分子が水酸基及び陰イオン性を有さないポリビニルピロリドン(商品名:K−90 株式会社日本触媒社製)を用いた以外は、実施例1〜11と同様の手順で目的のハイドロゲルコンタクトレンズを作製し、得られたハイドロゲルコンタクトレンズについて水濡れ性、親水性高分子包含量、親水性高分子放出量、水分子存在形態、装用試験の評価を上記方法にて行った。
包含量は少なく、持続性も低いため、湿潤性が継続されなかった。また、結合水の割合も低く、装用感の低下に繋がった。
(比較例2)
親水性高分子を添加しない場合として、緩衝液のみで処理した以外は、実施例1〜11と同様の手順で目的のハイドロゲルコンタクトレンズを作製し、得られたハイドロゲルコンタクトレンズについて水濡れ性、親水性高分子包含量、親水性高分子放出量、水分子存在形態、装用試験の評価を上記方法にて行った。
親水性高分子を包含していないため、結合水の割合は低く、レンズ表面の乾燥が発生し、装用感の低下に繋がった。
Figure 2010281956
Figure 2010281956

Claims (8)

  1. 水酸基及び陰イオン性基を有する化合物であるイオン性親水性高分子を包含することを特徴とする湿潤性ハイドロゲルコンタクトレンズ。
  2. 構成成分が少なくともカチオン性モノマーとアニオン性モノマーを含有する共重合体であって、該モノマーの対イオン同士がイオン結合を形成し、且つ前記イオン性親水性高分子を包含することを特徴とする請求項1に記載の湿潤性ハイドロゲルコンタクトレンズ。
  3. 前記カチオン性モノマーが四級アンモニウム塩を有し、前記アニオン性モノマーがカルボキシル基を有し、該モノマーの対イオン同士の脱酸又は脱塩処理により前記イオン結合を形成する際に、前記イオン性親水性高分子を包含してなることを特徴とする請求項2に記載の湿潤性ハイドロゲルコンタクトレンズ。
  4. 前記イオン性親水性高分子が、アルギン酸又はアルギン酸塩であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の湿潤性ハイドロゲルコンタクトレンズ。
  5. 湿潤性ハイドロゲルコンタクトレンズを製造する方法において、
    該ハイドロゲルコンタクトレンズの構成成分が、少なくともカチオン性モノマーとアニオン性モノマーを含有する共重合体であって、
    該モノマーの対イオン同士がイオン結合を形成する工程と、
    水酸基及び陰イオン性基を有する化合物であるイオン性親水性高分子を包含する工程
    を有することを特徴とする湿潤性ハイドロゲルコンタクトレンズの製造方法。
  6. 前記イオン結合を形成する工程が、四級アンモニウム塩を有する前記カチオン性モノマーとカルボキシル基を有する前記アニオン性モノマーの対イオン同士の脱酸又は脱塩処理によるものであることを特徴とする請求項5に記載の湿潤性ハイドロゲルコンタクトレンズの製造方法。
  7. 前記モノマーの対イオン同士の脱酸又は脱塩処理によりイオン結合を形成する工程と、水酸基及び陰イオン性基を有する化合物であるイオン性親水性高分子を包含する工程が、イオン性親水性高分子含有緩衝液中、121℃−30分処理で同時に行われることを特徴とする請求項5又は6に記載の湿潤性ハイドロゲルコンタクトレンズの製造方法。
  8. 前記イオン性親水性高分子が、アルギン酸又はアルギン酸塩であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の湿潤性ハイドロゲルコンタクトレンズの製造方法。
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