JP2008218334A - 放電灯点灯装置及び照明器具 - Google Patents

放電灯点灯装置及び照明器具 Download PDF

Info

Publication number
JP2008218334A
JP2008218334A JP2007057471A JP2007057471A JP2008218334A JP 2008218334 A JP2008218334 A JP 2008218334A JP 2007057471 A JP2007057471 A JP 2007057471A JP 2007057471 A JP2007057471 A JP 2007057471A JP 2008218334 A JP2008218334 A JP 2008218334A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
balancer
discharge lamp
lighting device
parasitic capacitance
discharge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007057471A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5122839B2 (ja
Inventor
Naoki Onishi
尚樹 大西
Keisuke Ueda
桂介 植田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP2007057471A priority Critical patent/JP5122839B2/ja
Publication of JP2008218334A publication Critical patent/JP2008218334A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5122839B2 publication Critical patent/JP5122839B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Discharge-Lamp Control Circuits And Pulse- Feed Circuits (AREA)
  • Inverter Devices (AREA)
  • Circuit Arrangements For Discharge Lamps (AREA)

Abstract

【課題】複数の放電灯をバランサを介して並列点灯させるインバータ式の点灯装置において、低光束時や低温時にも光出力差を低減可能とする。
【解決手段】インバータ部2の出力に接続され、インダクタCHとコンデンサC2を有する共振回路3の出力端に、バランサTを介して複数の放電灯11,12が並列的に接続され、インバータ部2の発振周波数を変化させることにより放電灯を調光点灯させる発振制御部5を備える放電灯点灯装置において、前記バランサTのインダクタンスと、前記バランサTと各放電灯11,12との接続経路間に発生する寄生容量成分との共振作用によってバランサTの巻線間に生じる調光下限点灯時の合成インピーダンスを全点灯時の合成インピーダンスの少なくとも4〜7倍以上とした。
【選択図】図1

Description

本発明は複数の放電灯を高周波で点灯させ、且つ低光束まで連続的に調光できる放電灯点灯装置及びこれを用いた照明器具に関するものである。
従来、複数の放電灯を広範囲にわたり連続的に調光が可能なインバータ式の点灯装置を用いて、複数灯の同じ種類の放電灯を点灯させた場合、各々の放電灯の光出力は本来なら同じになるはずであるが、通常、回路素子のばらつきや放電灯の特性ばらつき等によって光出力に差が生じることが知られている。この光出力の差は、光出力が大きい場合、例えば、放電灯が定格点灯に近いところで点灯されている時には放電灯間の光出力差は目立ちにくい。これは、放電灯の定格出力時に、ランプ輝度が高く、微小な光出力差を眼で認識できないため、小さな差であれば、さほど問題とならないためである。しかし、放電灯の定格点灯時に比べて、深く調光した場合(例えば光出力比5%以下)、ランプ輝度は低下し微小な光出力差に対しても、その差を眼で認識することができ、放電灯間の光出力の差が目立つようになる。
この問題を解決するために、例えば、図9に示すような点灯装置が特許第3291852号(特許文献1)で提案されている。この装置は、2灯の放電灯11,12をバランサTを介して高周波電源10の出力に並列接続している。このようなバランサTを用いた並列点灯方式の場合、バランサTは2灯のランプ電流を等しくなるようにする機能の他に、始動時において双方の放電灯11,12に充分な始動電圧を供給する機能がある。すなわち、通常、放電灯の始動時には、2灯の放電灯11,12の始動電圧のばらつきなどによって、どちらか一方の放電灯が先に放電を開始する。この時、点灯した放電灯の等価インピーダンスが小さくなることによって、バランサTが無い場合には、もう一方の放電灯が始動するのに充分な電圧を得ることができずに、一方の放電灯のみしか点灯させることができなくなる。ここで、バランサTを挿入することによって、一方の放電灯が先に放電を開始した時に、バランサTには点灯した方の放電灯に接続された巻線に電流が流れることによって、もう一方の巻線に電圧が誘起され、もう一方の放電灯にも充分な始動電圧を供給することができるのである。
しかし、バランサTの特性(主に2つの巻線のインダクタンス値の差)によって、光出力差が生じる。2灯の同じ種類の放電灯を点灯させる場合、2つの放電灯のランプ電流を等しくしなければならないため、バランサの2巻線のインダクタンス値を等しく設計する必要がある。しかし、バランサの構造によっては、2巻線のインダクタンス値に大きな差が生じたり、ばらつきが生じる場合があり、これが光出力差の原因となる。
特許文献1では、バランサTは、図10に示すように、第1の巻線N1と第2の巻線N2を交互に巻き上げることにより、2つの巻線N1,N2の中を通る磁束をほぼ等しくして、インダクタンス成分の差を小さくしたものである。このボビンBはE型のコアEcに装着され、ギャップ紙Gpを介してI型のコアIcを接合して磁気回路を構成している。このように構成されたバランサTを介して高周波電源10の出力に放電灯11,12を並列接続することによって、回路構成が簡単で、また、各放電灯の光出力の差を低減することができる。
図11は図9の放電灯点灯装置の出力電圧の周波数特性である。先行予熱時には、放電灯11,12がまだ放電を開始していないため、通常、(a)に示すカーブのように、放電灯の等価インピーダンスは非常に大きな値(Rla≒∞)となっている。frは無負荷共振周波数である。ここで、先行予熱時の発振周波数をfyとすると、動作点は図11のA点となる。この時の二次電圧Vyは、放電灯がコールドスタートしないような低い電圧となるように設定されている。
次に、先行予熱時間が経過すると、発振周波数を下げて放電灯の始動に充分な電圧まで出力電圧を大きくする。この時の発振周波数をfstrとする。動作点は図11のB点となる。この時の二次電圧Vsが放電灯の始動電圧以上の電圧となるように発振周波数fstrを設定する。双方の放電灯が放電を開始するとランプの等価インピーダンスは小さくなり、点灯時の出力電圧の周波数特性は図11の(d)に示すカーブへと変化する。
特許第3291852号公報
特許文献1の技術において、特に光出力比5%以下までの深い調光を行う場合や周囲温度が低下し、放電灯の照度が低下した場合等を考慮すると、バランサTのインダクタンス値を2灯間の光出力差が目立たないレベルまで充分に大きくする必要がある。そのためにはバランサTの総巻数を増やしたり、ギャップGpを調節し、インダクタンス値を大きくする必要がある。
ここで、例えば、巻線N1とN2を交互に巻き上げる方法として図12(a)に示すように巻線N1,N2を同時に巻き上げるバイファイラ巻が挙げられる。この構造では巻線N1とN2を同時に巻き上げることによって巻線間の寄生容量が大きくなってしまう。なぜならば、巻線N1,N2を同時に巻き上げることで巻線間の距離が小さくなるからである。このため、巻線N1,N2を同時に巻き上げるバランサのインダクタンス値を大きくすると、巻線間の寄生容量が大きいためバランサの自己共振周波数foが極端に下がってしまい、インバータの点灯周波数の範囲内となってしまう。よって、通常点灯時におけるバランサの効果が損なわれ、複数の放電灯をバランス良く点灯させることができなくなってしまうという課題が挙げられる。
次に、図12(b)は単層整列巻のバランサの構造を示している。図12(b)のような単層整列巻の場合、巻線間の寄生容量は比較的小さくすることができる。これは第1の巻線N1を先に全て巻いて、次に第2の巻線N2を巻くので、巻線間の距離が大きくなるためである。そのため、バランサの自己共振周波数foを比較的高くすることができ、点灯時におけるバランサの効果が損なわれることを防止することができる。
しかしながら、例えば放電灯を始動させる際に、一方の放電灯が正常に始動しない場合など、一方の放電灯にのみ電流が発生することで、放電灯を含む共振回路の等価回路は図13に示す回路となり、バランサの巻線のインダクタンスL1とコンデンサC3によって、先行予熱時とは異なる新たな共振回路が生じることになる。この1灯のみ点灯した状態での装置の出力電圧の周波数特性は図11の(b)に示すカーブとなる。この時の始動時の発振周波数fstrにおける動作点はB点からB’点へと変化し、もう一方の放電灯に必要とされる始動電圧以上の過大な高電圧ストレスが発生してしまう。よって、深い調光時における光出力差を低減するために、バランサTのインダクタンス値を大きくした場合には、この高電圧ストレスによって回路素子が破壊する可能性があった。
本発明は広範囲にわたり連続的に調光が可能なインバータ式の点灯装置において、低光束まで調光した場合や周囲温度が低下した場合においても、放電灯の光出力差を低減でき、且つ、ストレスも低減できるような安定した調光の行える放電灯点灯装置を提供することを課題とする。
請求項1の発明は、上記の課題を解決するために、図1に示すように、直流電源1に接続され、直流電圧を高周波電圧に変換するインバータ部2と、このインバータ部2の出力に接続され、少なくとも1つのインダクタCHとコンデンサC2を有する共振回路3と、前記共振回路3の出力端にバランサTを介して複数の放電灯11,12が並列的に接続される負荷回路40と、前記インバータ部2の発振周波数を変化させることにより放電灯11,12の始動、および調光制御をおこなう発振制御部5を備える放電灯点灯装置において、前記バランサTのインダクタンスと、前記バランサTと各放電灯11,12との接続経路間に発生する寄生容量成分との共振作用によってバランサTの巻線間に生じる調光下限点灯時の合成インピーダンスが全点灯時の合成インピーダンスの少なくとも4倍以上であることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1記載の放電灯点灯装置において、前記バランサTのインダクタンスと、前記バランサTと各放電灯11,12との接続経路間に発生する寄生容量成分との共振作用によってバランサTの巻線間に生じる調光下限点灯時の合成インピーダンスが全点灯時の合成インピーダンスの少なくとも7倍以上であることを特徴とする。
請求項3の発明は、前記バランサTのインダクタンスと、前記バランサTと各放電灯11,12との接続経路間に発生する寄生容量成分との並列共振周波数foと、調光下限点灯時における前記インバータ部2の発振周波数fdimの関係が0.8×fdim≦fo≦1.6×fdimであることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の放電灯点灯装置において、前記バランサTのインダクタンスと、前記バランサTと各放電灯11,12との接続経路間に発生する寄生容量成分との並列共振周波数foと、放電灯の始動時における前記インバータ部2の発振周波数fstrとの関係がfo≧1.3×fstrであることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の放電灯点灯装置において、前記寄生容量成分は、バランサTの巻線間に発生する寄生容量成分であり、前記バランサTは各巻線を同時に、あるいは、複数回交互に巻き上げたことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の放電灯点灯装置において、前記寄生容量成分は、バランサTと各放電灯11,12との接続経路の配線間に発生する寄生容量成分であることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の放電灯点灯装置を備える照明器具である。
請求項1,2の発明によれば、バランサのインダクタンスと、前記バランサと各放電灯との接続経路間に発生する寄生容量成分との共振作用によってバランサの巻線間に生じる調光下限点灯時の合成インピーダンスが全点灯時の合成インピーダンスの少なくとも4〜7倍以上とすることにより、低温、低光束時における各放電灯の光出力差を低減することができる。また、バランサのインダクタンスを比較的小さな値とすることができるため、バランサの小型化が図れる。
請求項3の発明によれば、バランサのインダクタンスと、前記バランサと各放電灯との接続経路間に発生する寄生容量成分との並列共振周波数foと放電灯の調光下限点灯時におけるインバータ部の発振周波数fdimの関係が0.8×fdim≦fo≦1.6×fdimとなることにより、低温、低光束時の各放電灯の照度差を低減することができる。
請求項4の発明によれば、バランサのインダクタンスと、前記バランサと各放電灯との接続経路間に発生する寄生容量成分との並列共振周波数foと放電灯の始動時におけるインバータ部の動作周波数fstrの関係がfo≧1.3×fstrとなることにより、始動時のストレス電圧を低減することができる。
請求項5の発明によれば、各巻線を複数回同時にあるいは交互に巻き上げる回数を調整することにより、バランサと各放電灯との接続経路間に発生する寄生容量とバランサのインダクタンス値による共振周波数foを調整できる。
請求項6の発明によれば、配線の長さや配線間の距離を調整することにより、バランサと各放電灯との接続経路間に発生する寄生容量とバランサのインダクタンス値による共振周波数foを調整できる。
請求項7の発明によれば、複数の放電灯を並列点灯せしめる照明器具において、低温、低光束時における各放電灯の光出力差を低減できる。
(実施の形態1)
以下、本発明の第1の実施の形態の放電灯点灯装置を図1、図2、図3に基づいて説明する。図1は本実施の形態の回路図を示しており、図2はバランサTと、バランサTと各放電灯との接続経路間に発生する寄生容量との並列共振作用によってバランサの巻線間に生じる合成インピーダンスの周波数特性を示したものである。また、図3(a)は4ftの直管蛍光灯(FHF32)を周囲温度25℃、および0℃で調光点灯した時のランプ電流とランプ電圧の実効値特性を示したものであり、図3(b)はその負性抵抗値特性、すなわち図3(a)で示したランプ電流とランプ電圧の実効値特性の傾きを示したものである。まず、図1に基づいて、放電灯点灯装置の構成を説明する。
本実施の形態の放電灯点灯装置は、直流電源1を入力するハーフブリッジ接続された一対のスイッチング素子Q1,Q2よりなるインバータ部2と、スイッチング素子Q1,Q2を駆動する駆動回路6と、この駆動回路6に対して発振信号を供給する発振制御部5を有している。スイッチング素子Q1,Q2を駆動回路6により交互にスイッチングすることによって直流電源1の直流電圧を高周波電圧に変換する。スイッチング素子Q2の両端には、共振回路3を構成するチョークコイルCHと、コンデンサC2を接続している。この共振回路3はスイッチング素子Q1の両端に接続しても良い。共振回路3の出力端にはバランサT、直流カットコンデンサC4,C5を介して2灯の放電灯11,12が並列接続されている。インバータ部2の発振周波数は、発振制御部5によって決定され、その発振周波数でスイッチング素子Q1,Q2を交互にスイッチングさせる。また、この発振周波数を調光信号4に応じて変化させることによって、放電灯11,12を調光する。
図4は図1の放電灯点灯装置の出力電圧の周波数特性を示したものである。ここで、全点灯時の周波数特性(a)、及び調光点灯時の周波数特性(b)、無負荷時の周波数特性(c)は各々図4に示すように変化する。よって発振周波数をそれぞれffullからfdimの間で可変することにより共振系の周波数特性が(a)から(b)へと変化し、放電灯の連続的な調光を行うことができる。例えば、FHF32のランプを使用した場合は放電灯電流≦約100mAまで電流値を低下することで光出力比約25%以下に調光することができる。また、放電灯電流≦約20mAまで電流値を低下することで光出力比約5%以下に調光することができる。
なお、インバータ部2はハーフブリッジ型の回路としているが、一石式やフルブリッジ型など他のインバータ回路の構成でもよい。
図2はバランサTをバイファイラ巻き(巻数:N1=N2=105ターン)にて構成し、1巻線あたりのインダクタンスを1.95mHとしたときのバランサTと、巻線間に発生する寄生容量との並列共振作用によって生じる1巻線間の合成インピーダンスの周波数特性を示したものである。バランサTのインダクタンスと巻線間の寄生容量成分による並列共振周波数foは約105kHzであり、バランサTの2巻線分のインダクタンス=1.95mH×4より、巻線間の寄生容量成分は約300pFであると計算される。よって、図2に示すように、バランサの巻線間の合成インピーダンスは並列共振作用により発振周波数の増大と共に指数関数的に増大し、並列共振周波数foよりも発振周波数が大きくなると、合成インピーダンスは指数関数的に減少するというインピーダンス特性を示す。
次に、図3(a)に示すように、4ftの直管蛍光灯(FHF32)を周囲温度25℃、および0℃で調光した時のランプ電流とランプ電圧の実効値特性は、ランプ電流の低下と共にランプ電圧が上昇する所謂放電灯特有の負性抵抗特性を示す。周囲温度25℃においてはランプ電流が約50mA以下になると、ランプ電流の低下と共にランプ電圧が減少するが、周囲温度0℃においては、ランプ電流の減少と共にランプ電圧は上昇を続ける。図3(b)は、このランプ電流−電圧特性の傾き(負性抵抗値)をランプ電流毎にプロットしたものであり、周囲温度0℃においては、25%調光時(ランプ電流=約100mA)の負性抵抗値は、全点灯時の負性抵抗値(=約100Ω)の約4倍(=約400Ω)まで増加し、5%調光時(ランプ電流=約20mA)の負性抵抗値は、全点灯時の負性抵抗値(=約100Ω)の約7倍(=約700Ω)にまで増加することがわかる。調光時や、低温時にインバータ回路によって点灯される複数の放電灯間に生じる出力差は、この放電灯の負性抵抗値の増大によるものであり、バランサTと、巻線間に発生する寄生容量との並列共振作用によって生じる合成インピーダンスの変化が点灯する放電灯の負性抵抗値の変化よりも大きくなるように構成することにより、調光時や、低温時においても点灯される複数の放電灯間に生じる出力差を低減することが可能となる。
よって、一般照明用途として通常想定される最低周囲温度が0℃であるとすると、例えば調光比が全点灯時の光出力の約25%以下まで調光しようとする場合には、インバータ回路の発振周波数の変化に応じて、調光下限点灯時におけるバランサTと巻線間に発生する寄生容量の合成インピーダンスが全点灯時の合成インピーダンスの約4倍以上に変化する様にバランサTのインダクタンスと巻線間に発生する寄生容量を構成することが必要となる。また、調光比が全点灯時の光出力の約5%以下まで調光しようとする場合には、インバータ回路の発振周波数の変化に応じて、調光下限点灯時におけるバランサTと巻線間に発生する寄生容量の合成インピーダンスが全点灯時の合成インピーダンスの約7倍以上に変化する様にバランサTのインダクタンスと巻線間に発生する寄生容量を構成することが必要となる。
なお、巻線間に発生する寄生容量は、巻線の長さ、すなわち巻数を調整することにより調整可能であり、巻線のインダクタンスはコアのギャップを調整することにより調整可能であるため、このような特性のバランサを構成することは容易である。また、図12(a)に示すような各巻線を同時に巻き上げるバイファイラ巻だけではなく、例えば、図5(a),(b)に示すサンドイッチ巻のように各巻線を複数回交互に巻き上げることによっても、巻線間に発生する寄生容量を調整することができる。
図1の回路では、従来例の図9における直流カットコンデンサC3に代えて、2個の直流カットコンデンサC4,C5を容量を半分にして接続しているが、このような構成においてもバランサの巻線間の寄生容量に対して直流カットコンデンサC4,C5の容量は充分に大きいため、バランサTを介する前に直流成分をカットしても、バランサTを介した後で直流成分をそれぞれカットしても同様の特性を表すことができる。したがって、従来例の図9の回路でも、巻線間に発生する寄生容量を調整することで、同様の効果を達成することできる。
なお、図3では、放電灯の代表特性としてFHF32(管径=約25.4mm)蛍光灯の特性を例に説明したが、その他の直管蛍光灯やコンパクト蛍光灯等の放電灯も同様な負性抵抗特性を示すことが知られている。また、FHF32よりも管径の細い放電灯においては、調光時や低温時の負性抵抗値の変動特性がFHF32の変動特性よりも大きいものがあるが、少なくとも本実施の形態で説明した構成により、放電灯間の光出力差の改善効果を同様に得ることができる。
本実施の形態によると、バランサTのインダクタンスを必要以上に大きくすることなく、調光時や、低温時におけるインバータ回路によって点灯される複数の放電灯間の光出力差を低減できるため、バランサTの小型化が可能となる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2を図6に基づいて説明する。図6はバランサTのインダクタンスを1.3mHとし、巻線間の寄生容量成分を変化させた時の、バランサTのインダクタンスと寄生容量成分の並列共振周波数foと、放電灯11、12の各々に流れる電流の電流差比率との関係を示したものである。点灯条件は、調光下限調光比=5%(インバータ発振周波数=100kHz)とし、また、低温時の放電灯特性ばらつきを考慮し、放電灯11、12は等価抵抗値が各々5kΩと10kΩの固定抵抗に置き換えた。なお、電流差比率は、放電灯11、12に流れる電流の平均値と一方の放電灯に流れる電流との差(絶対値)の前記平均電流値に対する比率を示している。
図6によると、インバータ発振周波数=100kHzに対して、並列共振周波数foが80kHz〜160kHzの範囲内であれば電流差比率を約30%以下とすることが可能であり、目視によって放電灯間の光出力差が実質的に認識し難いレベルにまで電流差比率を低減することが可能である。
本実施の形態より、バランサTのインダクタンスと、巻線間の容量成分との並列共振周波数foと、調光下限点灯時におけるインバータ部の発振周波数fdimとの関係が0.8×fdim≦fo≦1.6×fdimとなるようにバランサTのインダクタンスと、巻線間の容量成分を構成することにより、調光時においても目視によって放電灯間の光出力差が実質的に認識し難いレベルにまで光出力差を改善することが可能となる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3を図7に基づいて説明する。図7はバランサTのインダクタンスを1.3mHとし、巻線間の容量成分を変化させた時の、バランサTのインダクタンスと巻線間の容量成分との並列共振周波数foと、放電灯11、12のうち、一方の放電灯が先に放電を開始した場合に他方の放電灯両端に発生する電圧との関係を示したものである。点灯条件は、放電灯の始動時におけるインバータ発振周波数を想定し、インバータ発振周波数fstr=70kHzとした。
図7によると、始動時におけるインバータ発振周波数fstr=70kHzに対して、並列共振周波数foが90kHz以上であれば、点灯していない他方の放電灯を始動させるに十分な電圧を発生させると共に、1000V以上もの過剰な電圧が発生することによる部品ストレスを低減することが可能である。
本実施の形態より、バランサTのインダクタンスと、巻線間の寄生容量成分との並列共振周波数foと、放電灯の始動時におけるインバータ部の発振周波数fstrとの関係がfo≧1.3×fstrとなるようにバランサTのインダクタンスと、巻線間の寄生容量成分を構成することにより、放電灯の始動時において、一方の放電灯が先に放電を開始した場合においても、他方の放電灯を始動させるに十分な電圧を発生しつつ、回路を構成する部品に印加されるストレスを低減することが可能となる。
(実施の形態4)
本発明の第4の実施の形態を図8に基づいて説明する。図8はバランサTから放電灯11,12までの配線の長さl1及び配線間の距離d1を示している。この時の配線としては放電灯点灯装置から放電灯11,12を装着するソケット間を接続するランプ配線である。実施の形態1,2ではバランサの第1の巻線N1、第2の巻線N2を交互に巻き上げる回数を調整し、実施の形態1,2の条件を満たすことで高電圧ストレス及び光出力差を低減させることができる。これに対し、本実施の形態では、バランサTから放電灯11,12までの配線の長さl1や配線間の距離d1を調整することでランプ配線間に発生する寄生容量を利用し、バランサTのインダクタンス値との共振特性を持たせることにより、高電圧ストレス及び光出力差を低減させたものである。配線間に発生する寄生容量はバランサTから放電灯11,12までの配線長l1が大きければ大きいほど増やすことができ、配線間の距離d1が小さければ小さいほど増えるためである。例えば、通常のランプ配線を密着又は互いに束ねて配線した場合、配線長(l1)1mあたり約50pF程度の寄生容量を得ることができる。よって、このような構成において、バランサと配線間寄生容量との共振周波数foとインバータの動作周波数との関係が実施の形態1,2の条件を満たすのであれば、同様の効果を得ることができる。
(実施の形態5)
図14は本発明の放電灯点灯装置を搭載した照明器具の外観を一例として示している。図中、Rは反射板、S1,S2はランプ11のソケット、S3,S4はランプ12のソケットである。
本発明の実施の形態1の回路図である。 本発明の実施の形態1に用いるバランサと容量成分による合成インピーダンスの周波数特性図である。 本発明の実施の形態1に用いる放電灯負荷の特性図である。 本発明の実施の形態1の負荷回路の共振特性を示す特性図である。 本発明に用いるバランサの概略断面図である。 本発明の実施の形態2の動作説明のための周波数特性図である。 本発明の実施の形態3の動作説明のための周波数特性図である。 本発明の実施の形態3の回路図である。 従来例の回路図である。 従来例に用いるバランサの概略断面図である。 従来例の共振特性を示す特性図である。 従来例に用いる他のバランサの概略断面図である。 従来例の1灯不点灯時の等価回路図である。 本発明の放電灯点灯装置を搭載した照明器具の外観を示す斜視図である。
符号の説明
1 直流電源
2 インバータ部
3 共振回路
5 発振制御部
T バランサ
11 放電灯
12 放電灯
40 負荷回路

Claims (7)

  1. 直流電源に接続され、直流電圧を高周波電圧に変換するインバータ部と、このインバータ部の出力に接続され、少なくとも1つのインダクタとコンデンサを有する共振回路と、前記共振回路の出力端にバランサを介して複数の放電灯が並列的に接続される負荷回路と、前記インバータ部の発振周波数を変化させることにより放電灯の始動、および調光制御をおこなう発振制御部を備える放電灯点灯装置において、前記バランサのインダクタンスと、前記バランサと各放電灯との接続経路間に発生する寄生容量成分との共振作用によってバランサの巻線間に生じる調光下限点灯時の合成インピーダンスが全点灯時の合成インピーダンスの少なくとも4倍以上であることを特徴とする放電灯点灯装置。
  2. 前記バランサのインダクタンスと、前記バランサと各放電灯との接続経路間に発生する寄生容量成分との共振作用によってバランサの巻線間に生じる調光下限点灯時の合成インピーダンスが全点灯時の合成インピーダンスの少なくとも7倍以上であることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  3. 前記バランサのインダクタンスと、前記バランサと各放電灯との接続経路間に発生する寄生容量成分との並列共振周波数foと、調光下限点灯時における前記インバータ部の発振周波数fdimの関係が0.8×fdim≦fo≦1.6×fdimであることを特徴とする請求項1または2記載の放電灯点灯装置。
  4. 前記バランサのインダクタンスと、前記バランサと各放電灯との接続経路間に発生する寄生容量成分との並列共振周波数foと、放電灯の始動時における前記インバータ部の発振周波数fstrとの関係がfo≧1.3×fstrであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の放電灯点灯装置。
  5. 前記寄生容量成分は、バランサの巻線間に発生する寄生容量成分であり、前記バランサは各巻線を同時に、あるいは、複数回交互に巻き上げたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の放電灯点灯装置。
  6. 前記寄生容量成分は、バランサと各放電灯との接続経路の配線間に発生する寄生容量成分であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の放電灯点灯装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の放電灯点灯装置を備える照明器具。
JP2007057471A 2007-03-07 2007-03-07 放電灯点灯装置及び照明器具 Expired - Fee Related JP5122839B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007057471A JP5122839B2 (ja) 2007-03-07 2007-03-07 放電灯点灯装置及び照明器具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007057471A JP5122839B2 (ja) 2007-03-07 2007-03-07 放電灯点灯装置及び照明器具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008218334A true JP2008218334A (ja) 2008-09-18
JP5122839B2 JP5122839B2 (ja) 2013-01-16

Family

ID=39838118

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007057471A Expired - Fee Related JP5122839B2 (ja) 2007-03-07 2007-03-07 放電灯点灯装置及び照明器具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5122839B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011022937A1 (zh) * 2009-08-24 2011-03-03 Wang Lvsha T型网络驱动裝置及其控制方法
JP2015077402A (ja) * 2013-10-16 2015-04-23 コヴィディエン リミテッド パートナーシップ 共振インバーター
CN106877668A (zh) * 2015-12-11 2017-06-20 中国航空工业集团公司雷华电子技术研究所 一种不对称半桥变换器拓扑结构

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61218099A (ja) * 1985-03-25 1986-09-27 松下電工株式会社 放電灯調光装置
JPH1126174A (ja) * 1997-07-07 1999-01-29 Matsushita Electric Works Ltd 放電灯点灯装置
JPH11238589A (ja) * 1998-02-24 1999-08-31 Matsushita Electric Works Ltd 放電灯点灯装置
JP3291852B2 (ja) * 1993-07-27 2002-06-17 松下電工株式会社 放電灯点灯装置
JP2006012781A (ja) * 2004-09-01 2006-01-12 Masakazu Ushijima 放電管用の並列点灯用モジュール及びバランサコイル
JP2006040855A (ja) * 2004-06-22 2006-02-09 Matsushita Electric Works Ltd 放電灯点灯装置、照明装置、及び照明システム
JP2006092857A (ja) * 2004-09-22 2006-04-06 Matsushita Electric Works Ltd 放電灯点灯装置およびそれを用いる照明器具

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61218099A (ja) * 1985-03-25 1986-09-27 松下電工株式会社 放電灯調光装置
JP3291852B2 (ja) * 1993-07-27 2002-06-17 松下電工株式会社 放電灯点灯装置
JPH1126174A (ja) * 1997-07-07 1999-01-29 Matsushita Electric Works Ltd 放電灯点灯装置
JPH11238589A (ja) * 1998-02-24 1999-08-31 Matsushita Electric Works Ltd 放電灯点灯装置
JP2006040855A (ja) * 2004-06-22 2006-02-09 Matsushita Electric Works Ltd 放電灯点灯装置、照明装置、及び照明システム
JP2006012781A (ja) * 2004-09-01 2006-01-12 Masakazu Ushijima 放電管用の並列点灯用モジュール及びバランサコイル
JP2006092857A (ja) * 2004-09-22 2006-04-06 Matsushita Electric Works Ltd 放電灯点灯装置およびそれを用いる照明器具

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011022937A1 (zh) * 2009-08-24 2011-03-03 Wang Lvsha T型网络驱动裝置及其控制方法
JP2015077402A (ja) * 2013-10-16 2015-04-23 コヴィディエン リミテッド パートナーシップ 共振インバーター
US10188446B2 (en) 2013-10-16 2019-01-29 Covidien Lp Resonant inverter
CN106877668A (zh) * 2015-12-11 2017-06-20 中国航空工业集团公司雷华电子技术研究所 一种不对称半桥变换器拓扑结构

Also Published As

Publication number Publication date
JP5122839B2 (ja) 2013-01-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5466992A (en) Inverter ballast circuit featuring current regulation over wide lamp load range
US6069455A (en) Ballast having a selectively resonant circuit
KR20040073320A (ko) 다등점등의 방전관용 인버터회로 및 면광원시스템
JP2006140055A (ja) バックライトインバータ及びその駆動方法
JP2008140768A (ja) マルチランプの駆動システムおよびその電流平衡回路
US20080106215A1 (en) Electronic Ballast
JP5122839B2 (ja) 放電灯点灯装置及び照明器具
JP3832074B2 (ja) 放電灯点灯装置
JP5122838B2 (ja) 放電灯点灯装置及び照明器具
JP2006179419A (ja) 多灯式放電灯点灯装置
US9253830B2 (en) LED fluorescent lamp
JP2006012660A (ja) 放電灯点灯回路
JP2006012659A (ja) 放電灯点灯回路
JP4645460B2 (ja) 放電灯点灯装置及び照明器具
US6072285A (en) Soft starter device for lamps
JP2007200721A (ja) 放電灯点灯装置及び照明器具
JP2010123522A (ja) 無電極放電灯点灯装置及び照明器具
JP2006049030A (ja) 放電灯用点灯回路
JP4140219B2 (ja) 放電灯点灯装置
CA2103543C (en) Driver circuit for a plurality of gas discharge lamps
JP2006120349A (ja) 放電灯点灯装置と照明器具及び照明システム
JP4629613B2 (ja) 放電管駆動回路およびインバータ回路
KR101558980B1 (ko) 개선된 led 형광램프 및 이를 채용하는 등기구
CN2152371Y (zh) 电子式灯管启动装置
KR100848758B1 (ko) 방전등 점등 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090909

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111101

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111216

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20111219

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20111220

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20111220

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20120112

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120410

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120710

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20120717

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121002

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121025

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151102

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees