JP2008217996A - アルカリ蓄電池 - Google Patents

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裕政 杉井
Makoto Ochi
誠 越智
Yasuhiro Kudo
康洋 工藤
Hiroshi Ikoma
啓 生駒
Yoshiki Yokoyama
喜紀 横山
Kazuhiro Kitaoka
和洋 北岡
Masao Takee
正夫 武江
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Abstract

【課題】低温充電時でも充電カットを容易に制御することができるとともに、過充電の恐れがなくて安全性の高いアルカリ蓄電池を提供する。
【解決手段】本発明のアルカリ蓄電池は、ニッケルめっき鋼板からなる導電性芯体に多孔性焼結ニッケル層が形成された多孔性焼結ニッケル基板に水酸化ニッケルを主体とする正極活物質が充填されたニッケル正極11と、負極12と、セパレータ13と、アルカリ電解液とが外装缶16内に収容されている。そして、多孔性焼結ニッケル層と正極活物質に含有される鉄成分の総量が130ppm以上で、300ppm以下になるように規制している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ニッケル−水素蓄電池やニッケル−カドミウム蓄電池などのアルカリ蓄電池に係り、特に、ニッケルめっき鋼板からなる導電性芯体に多孔性焼結ニッケル層が形成された多孔性焼結ニッケル基板に水酸化ニッケルを主体とする正極活物質が充填されたニッケル正極と、負極と、セパレータと、アルカリ電解液とが外装缶内に収容されたアルカリ蓄電池に関する。
近年、二次電池の用途が拡大し、例えば、携帯電話、パーソナルコンピュータ、電動工具、電動自転車、ハイブリッド自動車、電気自動車など広範囲に亘って二次電池が使用されている。これら用途のうち、特に、ハイブリッド自動車や電気自動車などのような車両関係の用途においては、各種のアルカリ蓄電池が使用されているが、これらの用途に用いられるアルカリ蓄電池においては、高出力、高耐久性、高安全性が要求される。
ところで、アルカリ蓄電池に用いられるニッケル電極(焼結式正極)は、通常、導電性芯体として鋼板に所定厚みのニッケルめっきが施されたニッケルめっき鋼板が用いられ、このニッケルめっき鋼板にニッケル粉末を焼結して多孔性焼結ニッケル層を形成した多孔性焼結ニッケル基板の細孔内に水酸化ニッケルを主体とする正極活物質が充填されて形成される。この場合、ニッケルめっきのめっき厚や焼結時の焼結温度の影響により、芯体となる鋼板中の鉄(Fe)成分が多孔性焼結ニッケル層や正極活物質に析出する場合がある。
そして、多孔性焼結ニッケル基板や正極活物質に芯体となる鋼板から鉄成分が析出するようになると、その析出量と低温充電時のピーク電圧との相関関係が大きいという知見を得た。この場合、鉄成分の析出量が多いほど低温充電時のピーク電圧が低く、逆に鉄成分の析出量が少なくなると低温充電時のピーク電圧が高くなることが明らかになり、先に特許出願(特願2006−085124号)して提案した。
ところで、低温充電時のピーク電圧が低くなればなるほど充電カットを制御することが困難となるため、過充電を招来する恐れを生じた。このため、安全性を最重要課題とする車両の用途に用いられるアルカリ蓄電池にとっては、解決しなければならない問題となった。そこで、先の特許出願(特願2006−085124号)においては、使用部材(例えば、ニッケルめっき鋼板のニッケルめっき厚み)と製造条件(例えば、焼結温度)を見直して、鉄成分の析出量を抑制するようにした。
ところが、先の特許出願(特願2006−085124号)における鉄成分の析出量の抑制範囲では、ニッケル正極(多孔性焼結ニッケル層と正極活物質)中の鉄成分の析出量の変化に対して、低温充電時のピーク電圧の感度が高すぎるとともに、そのピーク電圧のばらつきも大きくなることが判明した。ここで、ピーク電圧のばらつきも大きくなると、所定電圧に対して充電カット制御を行うことが困難となる。このため、過充電を招来する恐れを生じ、安全性に対して大きな課題が存在することとなる。
そこで、本発明は上記問題点を解消するためになされたものであって、低温充電時でも充電カットを容易に制御することができるようにして、過充電の恐れがなくて安全性の高いアルカリ蓄電池を提供することを目的とするものである。
本発明のアルカリ蓄電池においては、ニッケルめっき鋼板からなる導電性芯体に多孔性焼結ニッケル層が形成された多孔性焼結ニッケル基板に水酸化ニッケルを主体とする正極活物質が充填されたニッケル正極と、負極と、セパレータと、アルカリ電解液とが外装缶内に収容されている。そして、ニッケル正極を構成する多孔性焼結ニッケル層と正極活物質に含有される鉄の総量が129ppm以上で、325ppm以下になるように規制している。
ここで、ニッケルめっき鋼板中に含まれた鉄成分が多孔性焼結ニッケル層や正極活物質に析出した場合、低温充電時のピーク電圧が低下する。この鉄成分の析出量を多孔性焼結ニッケル層と正極活物質の総量に対し、129ppm以上、325ppm以下とした場合、鉄成分の単位析出量当たりの電圧変化が従来の1/7程度となることを実験により確認し、電圧ばらつきが大幅に低減することが明らかになった。このため、本発明においては、ニッケル正極を構成する多孔性焼結ニッケル層と正極活物質に含有される鉄の総量が129ppm以上で、325ppm以下になるように規制している。
この場合、ニッケルめっき鋼板のニッケルめっき層の厚みは0.34μm以上で、3.42μm以下であると、多孔性焼結ニッケル層と正極活物質に含有される鉄の総量が129ppm以上で、325ppm以下になるように規制することが可能となることが明らかになったので、ニッケルめっき鋼板のニッケルめっき層の厚みは0.34μm以上で、3.42μm以下に規制するのが望ましい。なお、ニッケル正極中の鉄の総量を規制する場合、ニッケルめっき鋼板のニッケルめっき層の厚みを規制するほかに、ニッケル正極中に鉄粉末を添加して、この添加量を規制するようにしてもよい。
本発明においては、充電制御可能なピーク電圧範囲において電圧ばらつきを低減することが可能であるので、低温充電時でも充電カットを容易に制御することができるとともに、過充電が生じる恐れもなく、安全性の高いアルカリ蓄電池を提供することが可能となる。
以下に、本発明のアルカリ蓄電池をニッケル−水素蓄電池に適用した場合の一実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。なお、図1は、本発明のニッケル−水素蓄電池を模式的に示す断面図である。図2は−10℃での充電電圧挙動を示すグラフである。図3はニッケル正極板の多孔性焼結ニッケル層と正極活物質中に含有される鉄成分の含有量に対する−10℃での充電ピーク電圧(回生ピーク電圧)との関係を示すグラフである。
1.多孔性焼結ニッケル基板
本発明に用いられる多孔性焼結ニッケル基板は、ニッケルめっき鋼板からなる芯体にニッケルスラリー(ニッケル粉末にメチルセルロース(MC)等の増粘剤と水を混合、混練したもの)が塗着され、これを還元性雰囲気中で加熱して、塗着されているニッケルスラリーを焼結することにより形成されている。
ここで、めっき層の厚みが0.34μmの芯体を用いたものを基板x1とした。同様に、めっき層の厚みが0.51μmの芯体を用いたものを基板x2とし、めっき層の厚みが0.77μmの芯体を用いたものを基板x3とし、めっき層の厚みが1.31μmの芯体を用いたものを基板x4とし、めっき層の厚みが1.95μmの芯体を用いたものを基板x5とし、めっき層の厚みが3.16μmの芯体を用いたものを基板x6とし、めっき層の厚みが3.42μmの芯体を用いたものを基板x7とした。また、めっき層の厚みが3.98μmの芯体を用いたものを基板x8とし、めっき層の厚みが4.37μmの芯体を用いたものを基板x9とし、めっき層の厚みが5.22μmの芯体を用いたものを基板x10とし、めっき層の厚みが5.77μmの芯体を用いたものを基板x11とし、めっき層の厚みが6.17μmの芯体を用いたものを基板x12とし、めっき層の厚みが6.55μmの芯体を用いたものを基板x13とし、めっき層の厚みが7.08μmの芯体を用いたものを基板x14とした。
このような多孔性焼結ニッケル基板x1〜x14は以下のようにして作製される。即ち、まず、厚みが80μmの鋼板に所定の打ち抜きパターンが形成されるにように打抜加工を施した後、その表面にニッケルめっき層が形成されるようにニッケルめっき処理を施して、ニッケルめっき鋼板からなる芯体を形成する。ついで、ニッケル粉末にメチルセルロース(MC)等の増粘剤および水を混合、混練してニッケルスラリーを調製する。得られたニッケルスラリーをニッケルめっき鋼板からなる芯体に塗着する。ニッケルスラリーを塗着した後、例えば、水素ガスなどの還元性雰囲気中において約1100℃で加熱して、塗着されているニッケルスラリーを焼結して多孔度約85%の多孔性焼結ニッケル基板が作製される。
2.ニッケル正極板
本発明のニッケル正極板11は、図1に示すように、上述した多孔性焼結ニッケル基板x1〜x14に水酸化ニッケルを主体とする正極活物質が充填されて形成されている。なお、このニッケル正極板11の高さ方向の上端部には芯体が露出していて、この露出した芯体はタブ部11aとなされている。なお、このニッケル正極板11においては、多孔性焼結ニッケル基板x1〜x14の表面に850g/m2の充填密度となるように正極活物質としての水酸化ニッケルが充填されている。
ここで、基板x1に正極活物質が充填されたニッケル正極板11を正極板a1とした。同様に、基板x2に正極活物質が充填されものを正極板a2とし、基板x3に正極活物質が充填されものを正極板a3とし、基板x4に正極活物質が充填されものを正極板a4とし、基板x5に正極活物質が充填されものを正極板a5とし、基板x6に正極活物質が充填されものを正極板a6とし、基板x7に正極活物質が充填されものを正極板a7とした。また、基板x8に正極活物質が充填されものを正極板a8とし、基板x9に正極活物質が充填されものを正極板a9とし、基板x10に正極活物質が充填されものを正極板a10とし、基板x11に正極活物質が充填されものを正極板a11とし、基板x12に正極活物質が充填されものを正極板a12とし、基板x13に正極活物質が充填されものを正極板a13とし、基板x14に正極活物質が充填されものを正極板a14とした。
ついで、上述のような構成となる本発明のニッケル正極板11(a1〜a14)の製造法の一例を以下に説明する。
まず、比重が1.75の硝酸ニッケルと硝酸コバルトの混合水溶液(第1含浸液)に多孔性焼結ニッケル基板x1〜x14を浸漬して、多孔性焼結ニッケル基板x1〜x14の細孔内にニッケル塩およびコバルト塩の混合物を保持させた。ついで、第1含浸液から取り出し、乾燥させたた後、25%の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液(第2含浸液)に浸漬した。
これにより、多孔性焼結ニッケル基板x1〜x14の細孔内に保持されたニッケル塩およびコバルト塩をそれぞれ水酸化ニッケルおよび水酸化コバルトに転換させる。この後、第2含浸液から取り出した後、充分に水洗してアルカリ溶液を除去した後、乾燥させた。このような、第1含浸液への含浸、乾燥、第2含浸液への浸漬、水洗、および乾燥という一連の正極活物質の充填操作を所定回数(例えば、6回)繰り返して所定量(充填密度が850g/m2となる)の正極活物質を充填する。この後、所定の寸法に裁断することにより、正極活物質が充填されたニッケル正極板11が作製されることとなる。
3.ニッケル正極中の鉄量の測定
ついで、上述のような構成となるニッケル正極板a1〜a14の多孔性焼結ニッケル層と正極活物質中に含有される鉄成分の含有量を以下のようにして求めた。この場合、各ニッケル正極板a1〜a14の表面層の部分(多孔性焼結ニッケル層と正極活物質)を1.5gだけ採取し、これを塩酸溶液により完全に溶解させた後、この溶解液を100mlに希釈した。そしてこの希釈液を原子吸光分析により、鉄成分の含有量を定量すると下記の表1に示すような結果が得られた。
Figure 2008217996
上記表1の結果から明らかなように、多孔性焼結ニッケル基板x1〜x14の芯体となるニッケルめっき鋼板のめっき厚み(μm)が厚くなるにしたがってニッケル正極板11の多孔性焼結ニッケル層と正極活物質中に含有される鉄成分の含有量が減少することが分かる。逆にいうと、ニッケルめっき鋼板のめっき厚み(μm)が薄くなるに伴って、ニッケル正極板11の多孔性焼結ニッケル層と正極活物質中に含有される鉄成分の含有量が増大することが分かる。これは、ニッケルめっき鋼板のめっき厚み(μm)が薄くなると、焼結時の焼結温度の影響により、鋼板中の鉄成分が多孔性焼結ニッケル層と正極活物質に析出しやすくなることを意味している。
4.水素吸蔵合金負極板
本発明の水素吸蔵合金負極板12はパンチングメタルからなる負極芯体に水素吸蔵合金スラリーを充填されて形成されている。なお、この水素吸蔵合金負極板12の高さ方向の下端部には芯体が露出していて、この露出した芯体はタブ部12aとなされている。ついで、上述のような構成となる本発明の水素吸蔵合金負極板12の製造法の一例を以下に説明する。
まず、例えば、ミッシュメタル(Mm:ランタン(La)40質量%、セリウム(Ce)40質量%、ネオジウム(Nd)10質量%およびプラセオジム(Pr)10質量%を主成分とする)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)およびマンガン(Mn)を所定のモル比の割合で混合した後、この混合物をアルゴンガス雰囲気の高周波誘導炉で1000℃で10時間の熱処理を行ってインゴットにおける結晶構造を調整する。この水素吸蔵合金を不活性雰囲気中で機械的に粉砕し、篩分けにより400メッシュ〜200メッシュの間に残る合金粉末を選別する。なお、レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置により粒度分布を測定したところ、質量積分50%にあたる平均粒径は25μmであった。これを水素吸蔵合金粉末とした。
この後、得られた水素吸蔵合金粒子100質量部に対し、非水溶性高分子結着剤としてのSBR(スチレンブタジエンラテックス)を0.5質量部と、増粘剤としてCMC(カルボキシメチルセルロース)を0.3質量部と、適量の純水を加えて混練して、水素吸蔵合金スラリーを調製する。そして、得られた水素吸蔵合金スラリーをニッケル製のパンチングメタルからなる負極芯体(シート))の両面に塗着した後、室温で乾燥させ、所定の充填密度になるように圧延した後、所定の寸法に裁断して水素吸蔵合金負極板12を作製する。
5.ニッケル−水素蓄電池
本発明のニッケル−水素蓄電池10は、図1に示すように、上述したニッケル正極板11と水素吸蔵合金負極板12との間にポリプロピレン製不織布(例えば、目付量が70g/m2のもの)からなるセパレータ13が配置されるように渦巻状に巻回された渦巻状電極群が円筒状の外装缶16内にアルカリ電解液とともに収容され、その開口部が封口板17により封口されて形成されている。この場合、正極板11と負極板12とセパレータ13とからなる渦巻状電極群において、正極板11の上部に形成されたタブ部11aには正極集電体14が溶接されており、負極板12の下部に形成されたタブ部12aには負極集電体15が溶接されている。
ここで、正極板a1を用いたものを電池A1とした。同様に、正極板a2を用いたものを電池A2とし、正極板a3を用いたものを電池A3とし、正極板a4を用いたものを電池A4とし、正極板a5を用いたものを電池A5とし、正極板a6を用いたものを電池A6とし、正極板a7を用いたものを電池A7とした。また、正極板a8を用いたものを電池A8とし、正極板a9を用いたものを電池A9とし、正極板a10を用いたものを電池A10とし、正極板a11を用いたものを電池A11とし、正極板a12を用いたものを電池A12とし、正極板a13を用いたものを電池A13とし、正極板a14を用いたものを電池A14とした。
ついで、上述のような構成となる本発明のニッケル−水素蓄電池10(A1〜A14)の製造法の一例を以下に説明する。
まず、上述のように作製したニッケル正極板11と、水素吸蔵合金負極板12と、セパレータ13を用いて、セパレータ13が間になるようにニッケル正極板11と水素吸蔵合金負極板12とを積層する。このとき、セパレータ13を中心にしてニッケル正極板11と水素吸蔵合金負極板12とが上下方向に若干ずれるように積層し、これらへの加圧力を調整しながら巻回する。これにより、ニッケル正極板11の上端部が上部に若干突出するとともに、水素吸蔵合金負極板12の下端部が下部に若干突出するようにした渦巻状電極群が得られる。
ついで、この電極群の一端部にて突出するニッケル正極板11のタブ部11aに多数の開口を有する円板状の正極集電体14を溶接するとともに、水素吸蔵合金負極板12のタブ部12aに多数の開口を有する円板状の負極集電体15を溶接して電極体を作製する。この後、鉄にニッケルめっきを施した有底筒状の外装缶(底面の外面は負極外部端子となる)16を用意する。そして、この外装缶16内に電極体を収納した後、負極集電体15を外装缶16の内底面に溶接するとともに、正極集電体14より延出して形成された集電リード部14aの端部を封口板17の底面に溶接する。
ついで、外装缶16の上部内周側に防振リング18を挿入し、外装缶16の上部外周側に溝入れ加工を施して防振リング18の上端部に環状溝部16aを形成する。この後、外装缶16内に7Nの水酸化カリウム(KOH)水溶液からなるアルカリ電解液を所定量注入する。この後、この外装缶16の開口部の上部に形成された環状溝部16aの上に封口板17の外周部に装着された絶縁ガスケット19を配置する。ここで、封口板17の上部には正極キャップ(正極外部端子)17aが設けられており、この正極キャップ17a内には弁板17bとスプリング17cからなる弁体を備えていて、電池内にガスが発生して所定値に以上に圧力が上昇すると発生したガスが外部に排出されるようになされている。
ついで、プレス機を用いて封口板17に加圧力を加えて、絶縁ガスケット19の下端が外装缶16の上部外周に設けられた環状溝部16aの位置になるまで封口板17を外装缶16内に押し込んだ。この後、外装缶16の開口端縁16bを内方にかしめて電池を封口することにより6.0Ahのニッケル−水素蓄電池10が作製される。
6.低温充電特性の測定
ついで、上述のような構成となるニッケル−水素蓄電池A1〜A14を25℃の温度雰囲で、1Itの充電々流でSOC(State Of Charge:充電深度)の120%まで充電し、1時間休止した。ついで、25℃の温度雰囲で、1Itの放電電流で電池電圧が0.8Vになるまで放電させるサイクルを10サイクル繰り返して、これらの各電池A1〜A14を活性化した。
活性化終了後、−10℃の温度環境に3時間放置した後、1Itの充電電流で電池容量の100%まで充電して、−10℃の温度環境での充電ピーク電圧(X2:回生ピーク電圧)を求めると、下記の表2に示すような結果が得られた。また、1Itの充電電流で電池容量の40%まで充電して、−10℃の温度環境でのSOC40%電圧(X1)を求めると、下記の表2に示すような結果が得られた。ついで、各電池A1〜A14のピーク電圧(X2)とSOC40%電圧(X1)との電圧差(X2−X1)(図2参照)を算出すると、下記の表2に示すような結果が得られた。なお、電池A3,A13において、−10℃の温度環境でのSOC0%〜SOC100%までの電圧をSOC20%毎に求めると、図2に示すような充電電圧挙動のグラフが得られた。
Figure 2008217996
上記表2の結果から、ニッケル正極板11の多孔性焼結ニッケル層と正極活物質中に含有される鉄成分の含有量を横軸(x軸)とし、−10℃での充電ピーク電圧(X2:回生ピーク電圧)を縦軸(y軸)にしてプロットすると、図3に示すような結果が得られた。
上記表2および図3の結果から明らかなように、ニッケル正極板11の多孔性焼結ニッケル層と正極活物質中に含有される鉄成分の含有量が129ppm付近を境にして、−10℃でのピーク電圧の傾きが大きく変化していることが分かる。
ここで、鉄の含有量が多いニッケル正極板11を用いた電池A1〜A7においては、鉄の含有量に対する−10℃でのピーク電圧の傾きは0.06mV/ppmと小さいことが分かる。これに対して、鉄の含有量が少ないニッケル正極板11を用いた電池A8〜A14においては、鉄の含有量に対する−10℃でのピーク電圧の傾きが0.45mV/ppmと大きいことが分かる。
即ち、電池A1〜A7は、電池A8〜A14に比較して鉄の含有量の変化量に対する−10℃でのピーク電圧の電圧変化が約1/7に低減していることが明らかになった。
この場合、ピーク電圧(X2)とSOC40%電圧(X1)との電圧差(X2−X1)は、鉄の含有量が多くなるほど低下するが、これらの電圧差(X2−X1)の範囲が0.020V以上の電圧差の範囲内であれば、充電カット制御に十分な電圧差ということができるので、充電カット制御に支障を来すことはなく、容易に充電カット制御を行うことができる。
上記の結果から、多孔性焼結ニッケルと活物質中のFe量の総量を、129ppm以上、325ppm以下とすることで、従来よりも低温充電時の電圧ばらつきを大幅に抑制できることが判明した。本発明により充電カット制御が従来よりも容易となり、過充電の恐れがなく、安全性の高いアルカリ蓄電池を提供できることがわかった。
なお、上述した実施の形態においては多孔性焼結ニッケルの芯体に施したニッケルめっき厚を調整することにより、ニッケル正極板の多孔性焼結ニッケル層と正極活物質中に含有される鉄成分の含有量を規定するようにしたが、ニッケルめっき厚を一定にして、不足分を鉄粉末を添加してニッケル正極板中に含有させるようにしてもよい。
本発明のニッケル−水素蓄電池を模式的に示す断面図である。 −10℃での充電電圧挙動を示すグラフである。 ニッケル正極板の多孔性焼結ニッケル層と正極活物質中に含有される鉄成分の含有量に対する−10℃での充電ピーク電圧(回生ピーク電圧)との関係を示すグラフである。
符号の説明
10…ニッケル−水素蓄電池、11…ニッケル正極板、11a…タブ部、12…水素吸蔵合金負極板、12a…タブ部、13…セパレータ、14…正極集電体、14a…集電リード部、15…負極集電体、16…外装缶、16a…環状溝部、16b…開口端縁、17…封口板、17a…正極キャップ、17b…弁板、17c…スプリング、18…防振リング、19…絶縁ガスケット

Claims (2)

  1. ニッケルめっき鋼板からなる導電性芯体に多孔性焼結ニッケル層が形成された多孔性焼結ニッケル基板に水酸化ニッケルを主体とする正極活物質が充填されたニッケル正極と、負極と、セパレータと、アルカリ電解液とが外装缶内に収容されたアルカリ蓄電池であって、
    前記ニッケル正極を構成する多孔性焼結ニッケル層と正極活物質に含有される鉄の総量が129ppm以上で、325ppm以下であることを特徴とするアルカリ蓄電池。
  2. 前記ニッケルめっき鋼板のニッケルめっき層の厚みは0.34μm以上で、3.42μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ蓄電池。
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Citations (5)

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