JP2008216615A - 表示装置、表示装置の駆動方法および電子機器 - Google Patents

表示装置、表示装置の駆動方法および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】相対的に低いデューティ比から相対的に高いデューティ比にデューティ比を切り替える際に起きるフラッシュ現象を目立たなくする。
【解決手段】相対的に低いデューティ比Aから相対的に高いデューティ比Bにデューティ比を切り替えるときに、デューティ比Aからデューティ比Bに直接に切り替えるのではなく、途中に少なくとも1つのデューティ比Cを介在させて、デューティ比Aからデューティ比Cへ(ステップS14)、次にデューティ比Cからデューティ比Bへ(ステップS16)へ、という具合に小さな幅(デューティ比の幅)を持って段階的に切り替えるようにする。
【選択図】図9

Description

本発明は、表示装置、表示装置の駆動方法および電子機器に関し、特に電気光学素子を含む画素が行列状(マトリクス状)に配置されてなる平面型(フラットパネル型)の表示装置、当該表示装置の駆動方法および当該表示装置を有する電子機器に関する。
近年、画像表示を行う表示装置の分野では、発光素子を含む画素(画素回路)が行列状に配置されてなる平面型の表示装置が急速に普及している。平面型の表示装置としては、画素の発光素子として、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化するいわゆる電流駆動型の電気光学素子、例えば有機薄膜に電界をかけると発光する現象を利用した有機EL(Electro Luminescence)素子を用いた有機EL表示装置が開発され、商品化が進められている。
有機EL表示装置は次のような特長を持っている。すなわち、有機EL素子が10V以下の印加電圧で駆動できるために低消費電力であり、また自発光素子であることから、液晶セルを含む画素ごとに当該液晶セルにて光源(バックライト)からの光強度を制御することによって画像を表示する液晶表示装置に比べて、画像の視認性が高く、しかも液晶表示装置には必須なバックライト等の照明部材を必要としないために軽量化および薄型化が容易である。さらに、有機EL素子の応答速度が数μsec程度と非常に高速であるために動画表示時の残像が発生しない。
有機EL表示装置では、液晶表示装置と同様、その駆動方式として単純(パッシブ)マトリクス方式とアクティブマトリクス方式を採ることができる。ただし、単純マトリクス方式の表示装置は、構造が簡単であるものの、電気光学素子の発光期間が走査線(即ち、画素数)の増加によって減少するために、大型でかつ高精細な表示装置の実現が難しいなどの問題がある。
そのため、近年、電気光学素子に流れる電流を、当該電気光学素子と同じ画素回路内に設けた能動素子、例えば絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(一般には、TFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ))によって制御するアクティブマトリクス方式の表示装置の開発が盛んに行われている。アクティブマトリクス方式の表示装置は、電気光学素子が1フレームの期間に亘って発光を持続するために、大型でかつ高精細な表示装置の実現が容易である。
ところで、有機EL表示装置の電源投入(ON)時には、有機EL素子の発光期間と非発光期間の比であるデューティ比を0%から50%程度乃至90%程度に上げることによって装置の立ち上げ処理が行われる。また、有機EL表示装置の動作状態においては、明るい画面のときにはデューティ比を相対的に下げて、有機EL素子に流れる電流を抑えることによって消費電力の低減を図る一方、暗い画面になったときには、デューティ制御によってデューティ比を相対的に上げ、有機EL素子の発光時間を長くすることによって高輝度化を図るようにしている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−122305号公報
しかしながら、上述したように、有機EL表示装置の電源投入のときや、表示画面が明るい画面から暗い画面に移行したときなどのように、デューティ比を相対的に低いデューティ比から相対的に高いデューティ比に一気に上げたときには、有機EL素子のカソード側の電源電位に流れ込む電流が増加することによって当該電源電位が上昇する(そのメカニズムの詳細については後述する)。
カソード側の電源電位が上昇すると、画素内の各ノードの電位がその電位変動によるカップリング(電源電位の変動による電位の飛び込み)の影響を受けることになる。特に、有機EL素子を駆動する駆動トランジスタのゲート電位は、デューティ制御時にフローティング状態にあることによってカソード側の電源電位Vcatの変動によるカップリングの影響を受けて上昇する。
このとき、発光期間中であることから、有機EL素子には駆動トランジスタを通して電流が流れており、駆動トランジスタのソース電位が固定された状態にあるために、駆動トランジスタのソース電位は、カソード側の電源電位Vcatの変動によるカップリングの影響を受けない。
このように、デューティ比を相対的に低い状態から相対的に高い状態に一気に上げたときに、駆動トランジスタのソース電位が固定状態にあるのに対して、ゲート電位が電源電位Vcatの変動によるカップリングの影響を受けて上昇すると、駆動トランジスタのゲート−ソース間電圧Vgsが、カップリングの影響を受ける前よりも大きくなるために、デューティ比を切り替えた瞬間だけ有機EL素子の発光輝度が上がる、即ち瞬間的に明るくなる、いわゆるフラッシュ現象が起こることになる。
そこで、本発明は、相対的に低いデューティ比(即ち、短い発光期間)から相対的に高いデューティ比(即ち、長い発光期間)にデューティ比(発光期間)を切り替える際に起きるフラッシュ現象を目立たなくすることが可能な表示装置、当該表示装置の駆動方法および当該表示装置を用いた電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、電気光学素子と、映像信号をサンプリングして書き込む書き込みトランジスタと、前記書き込みトランジスタによって書き込まれた映像信号を保持する保持容量と、前記保持容量に保持された映像信号に基づいて電気光学素子を駆動する駆動トランジスタとを含む画素が行列状に配置されてなる表示装置において、前記電気光学素子の発光期間を第1発光期間から当該第1発光期間よりも長い第2発光期間に切り替えるときに、前記第1発光期間よりも長く前記第2発光期間よりも短い第3発光期間を経由して段階的に切り替えることを特徴としている。
上記構成の表示装置および当該表示装置を有する電子機器において、電気光学素子の発光期間を第1発光期間から第2発光期間に直接切り替えるのではなく、第1発光期間から第3発光期間へ、次に第3発光期間から第2発光期間へ、という具合に第3発光期間を経由して段階的に発光期間を切り替えることで、各切り替え段階で発光期間を決める回路素子が同時に導通状態となるライン数(行数)を少なくできる。これにより、発光期間を切り替えたときに、電気光学素子のカソード側の電源電位に流れる電流の増加を抑えることができるために、電源電位の変動を抑えることができる。
本発明によれば、相対的に短い発光期間から相対的に長い発光期間に発光期間を切り替えるときに、その切り替えを段階的に行うことにより、電気光学素子のカソード側の電源電位の変動を抑えることができるために、当該電源電位の変動に起因して発生するフラッシュ現象を目立たなくすることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るアクティブマトリクス型表示装置の構成の概略を示すシステム構成図である。ここでは、一例として、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の電気光学素子、例えば有機EL素子を画素の発光素子として用いたアクティブマトリクス型有機EL表示装置の場合を例に挙げて説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る有機EL表示装置10は、画素20が行列状(マトリクス状)に2次元配置されてなる画素アレイ部30と、当該画素アレイ部30の周辺に配置され、画素アレイ部30の各画素20を駆動する駆動部、例えば書き込み走査回路40、駆動走査回路50、第一,第二補正用走査回路60,70および水平駆動回路80とを有する構成となっている。
画素アレイ部30は、通常、ガラス基板などの透明絶縁基板上に形成され、平面型(フラット型)のパネル構造となっている。画素アレイ部30には、m行n列の画素配列に対して、画素行ごとに走査線31−1〜31−mと駆動線32−1〜32−mと第一,第二補正用走査線33−1〜33−m,34−1〜34−mがそれぞれ配線され、また画素列ごとに信号線(データ線)35−1〜35−nが配線されている。
画素アレイ部30の各画素20については、アモルファスシリコンTFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)または低温ポリシリコンTFTを用いて形成することができる。低温ポリシリコンTFTを用いる場合は、書き込み走査回路40、駆動走査回路50、第一,第二補正用走査回路60,70および水平駆動回路80についても、画素アレイ部30を形成する表示パネル上に実装することができる。
書き込み走査回路40は、シフトレジスタ等によって構成され、画素アレイ部30の各画素20への映像信号の書き込みに際して、走査線31−1〜31−mに対して順次書き込み信号(走査信号)WS1〜WSmを供給して画素20を行単位で順番に走査(線順次走査)する。
駆動走査回路50は、シフトレジスタ等によって構成され、画素20の発光駆動に際して、駆動線32−1〜32−mに対して順次駆動信号DS1〜DSmを供給する。第一,第二補正用走査回路60,70は、シフトレジスタ等によって構成され、後述する補正動作に当たって、第一,第二補正用走査線33−1〜33−m,34−1〜34−mに対して第一,第二補正用走査信号AZ11〜AZ1m,AZ21〜AZ2mを適宜供給する。
水平駆動回路80は、輝度情報に応じた映像信号の信号電圧Vsig(以下、単に「信号電圧Vsig」と記述する場合もある)を、書き込み走査回路40による走査に同期して信号線35−1〜35−nに供給する。この水平駆動回路80は、例えば、信号電圧Vsigを行(ライン)単位で一斉に書き込む線順次書き込みの駆動形態を採っている。
(画素回路)
図2は、画素(画素回路)20の具体的な構成例を示す回路図である。図2に示すように、画素20は、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の電気光学素子、例えば有機EL素子21を発光素子として有し、当該有機EL素子21に加えて、駆動トランジスタ22、書き込み(サンプリング)トランジスタ23、スイッチングトランジスタ24〜26および保持容量27を構成素子として有する回路構成となっている。
かかる構成の画素20では、駆動トランジスタ22、書き込みトランジスタ23およびスイッチングトランジスタ25,26としてNチャネル型のTFTが用いられ、スイッチングトランジスタ24としてPチャネル型のTFTが用いられている。ただし、ここでの駆動トランジスタ22、書き込みトランジスタ23およびスイッチングトランジスタ24〜26の導電型の組み合わせは一例に過ぎず、これらの組み合わせに限られるものではない。
有機EL素子21は、カソード電極が第1の電源電位Vcat(ここでは、接地電位GND)に接続されている。駆動トランジスタ22は、有機EL素子21を電流駆動するための能動素子であり、ソース電極が有機EL素子21のアノード電極に接続されてソースフォロア回路を形成している。
書き込みトランジスタ23は、一方の電極(ソース電極/ドレイン電極)が信号線35(35−1〜35−n)に接続され、他方の電極(ドレイン電極/ソース電極)が駆動トランジスタ22のゲート電極に接続され、ゲート電極が走査線31(31−1〜31−m)に接続されている。
スイッチングトランジスタ24は、ソース電極が第2の電源電位Vccp(ここでは、正の電源電位)に接続され、ドレイン電極が駆動トランジスタ22のドレイン電極に接続され、ゲート電極が駆動線32(32−1〜32−m)に接続されている。
スイッチングトランジスタ25は、ドレイン電極が書き込みトランジスタ23の他方の電極(駆動トランジスタ22のゲート電極)に接続され、ソース電極が第3の電源電位Vofsに接続され、ゲート電極が第一補正用走査線33(33−1〜33−m)に接続されている。
スイッチングトランジスタ26は、ドレイン電極が駆動トランジスタ22のソース電極と有機EL素子21のアノード電極との接続ノードN11に接続され、ソース電極が第4の電源電位Vini(ここでは、負の電源電位)に接続され、ゲート電極が第二補正用走査線34(34−1〜34−m)に接続されている。
保持容量27は、一端が駆動トランジスタ22のゲート電極と書き込みトランジスタ23のドレイン電極との接続ノードN12に接続され、他端が駆動トランジスタ22のソース電極と有機EL素子21のアノード電極との接続ノードN11に接続されている。
上述した接続関係にて各構成素子が接続されてなる画素20において、各構成素子は次のような作用をなす。
すなわち、書き込みトランジスタ23は、導通状態(ON状態)となることにより、信号線35を通して供給される映像信号の信号電圧Vsigをサンプリングして画素20内に書き込む。書き込みトランジスタ23によって書き込まれた信号電圧Vsigは保持容量27に保持される。スイッチングトランジスタ24は導通状態になることにより、電源電位Vccpから駆動トランジスタ22に電流を供給する。
駆動トランジスタ22は、スイッチングトランジスタ24が導通状態にあるときに、第2の電源電位Vccpから電流の供給を受けて、保持容量27に保持された信号電圧Vsigの電圧値に応じた電流値の駆動電流を有機EL素子21に供給することによって当該有機EL素子21を駆動する(電流駆動)。
駆動トランジスタ22は、飽和領域で動作するように設計されているために定電流源として動作する。その結果、有機EL素子21には、駆動トランジスタ22から次式(1)で与えられる一定のドレイン−ソース間電流Idsが供給される。
Ids=(1/2)・μ(W/L)Cox(Vgs−Vth)2 ……(1)
ここに、Vthは駆動トランジスタ22の閾値電圧、μは駆動トランジスタ22のチャネルを構成する半導体薄膜の移動度、Wはチャネル幅、Lはチャネル長、Coxは単位面積当たりのゲート容量、Vgsはソース電位を基準としてゲートに印加されるゲート−ソース間電圧である。
スイッチングトランジスタ25,26は適宜導通状態になることで、有機EL素子21の電流駆動に先立って駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthを検知し、あらかじめその影響をキャンセルするために当該検知した閾値電圧Vthを保持容量27に保持する。保持容量27は、表示期間に亘って駆動トランジスタ22のゲート−ソース間の電位差を保持する。
画素20では、正常な動作を保証するための条件として、第4の電源電位Viniは、第3の電源電位Vofsから駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthを差し引いた電位よりも低くなるように設定されている。すなわち、Vini<Vofs−Vthのレベル関係となっている。
また、有機EL素子21のカソード電位Vcat(ここでは、接地電位GND)に有機EL素子21の閾値電圧Vthelを加えたレベルは、第3の電源電位Vofsから駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthを差し引いたレベルよりも高くなるように設定されている。すなわち、Vcat+Vthel>Vofs−Vth(>Vini)のレベル関係となっている。
(画素構造)
図3に、画素20の断面構造の一例を示す。図3に示すように、画素20は、駆動トランジスタ22、書き込みトランジスタ23等の画素回路が形成されたガラス基板201上に絶縁膜202およびウインド絶縁膜203が形成され、当該ウインド絶縁膜203の凹部203Aに有機EL素子21が設けられた構成となっている。
有機EL素子21は、上記ウインド絶縁膜203の凹部203Aの底部に形成された金属等からなるアノード電極204と、当該アノード電極204上に形成された有機層(電子輸送層、発光層、ホール輸送層/ホール注入層)205と、当該有機層205上に全画素共通に形成された透明導電膜等からなるカソード電極206とから構成されている。
この有機EL素子21において、有機層208は、アノード電極204上にホール輸送層/ホール注入層2051、発光層2052、電子輸送層2053および電子注入層(図示せず)が順次堆積されることによって形成される。そして、図2の駆動トランジスタ22による電流駆動の下に、駆動トランジスタ22からアノード電極204を通して有機層205に電流が流れることで、当該有機層205内の発光層2052において電子と正孔が再結合する際に発光するようになっている。
そして、図3に示すように、画素回路が形成されたガラス基板201上に、絶縁膜202およびウインド絶縁膜203を介して有機EL素子21が画素単位で形成された後は、パッシベーション膜207を介して封止基板208が接着剤209によって接合され、当該封止基板208によって有機EL素子21が封止されることにより、表示パネルが形成される。
[基本的な回路動作の説明]
続いて、上記構成の画素20を行列状に2次元配置してなる本実施形態に係るアクティブマトリックス型有機EL表示装置10の基本的な回路動作について、図4のタイミング波形図を用いて説明する。
図4には、ある画素行の各画素20を駆動する際に、書き込み走査回路40から画素20に与えられる書き込み信号WS(WS1〜WSm)、駆動走査回路50から画素20に与えられる駆動信号DS(DS1〜DSm)および第一,第二補正用走査回路60,70から画素20に与えられる第一,第二補正用走査信号AZ1(AZ11〜AZ1m),AZ2(AZ21〜AZ2m)のタイミング関係、ならびに駆動トランジスタ22のゲート電位Vgおよびソース電位Vsの変化をそれぞれ示している。
ここで、書き込みトランジスタ23およびスイッチングトランジスタ25,26がNチャネル型であるために、書き込み信号WSおよび第一,第二補正用走査信号AZ1,AZ2については、高レベル(本例では、電源電位Vccp;以下、「“H”レベル」と記述する)の状態をアクティブ状態とし、低レベル(本例では、電源電位Vcat(GND);以下、「“L”レベル」と記述する)の状態を非アクティブ状態とする。また、スイッチングトランジスタ24がPチャネル型であるために、駆動信号DSについては、“L”レベルの状態をアクティブ状態とし、“H”レベルの状態を非アクティブ状態とする。
時刻t1で駆動信号DSが“L”レベルから“H”レベルに遷移し、スイッチングトランジスタ24が非導通(OFF)になった状態で、時刻t2で第二補正用走査信号AZ2が“L”レベルから“H”レベルに遷移し、スイッチングトランジスタ26が導通状態になることにより、駆動トランジスタ22のソース電極にはスイッチングトランジスタ26を介して電源電位Viniが印加される。
このとき、先述したように、Vini<Vcat+Vthelのレベル関係にあるために、有機EL素子21は逆バイアス状態となる。したがって、有機EL素子21には電流が流れず、非発光状態にある。
次に、時刻t3で第一補正用走査信号AZ1が“L”レベルから“H”レベルに遷移し、スイッチングトランジスタ25が導通状態になることにより、駆動トランジスタ22のゲート電極にはスイッチングトランジスタ25を介して電源電位Vofsが印加される。このとき、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsは、Vofs−Viniという値をとる。ここで、先述したように、Vofs−Vini>Vthのレベル関係を満たしている。
(閾値補正期間)
次に、時刻t4で第二補正用走査信号AZ2が“H”レベルから“L”レベルに遷移し、スイッチングトランジスタ26が非導通状態になり、その後、時刻t5で駆動信号DSが“H”レベルから“L”レベルに遷移し、スイッチングトランジスタ24が導通状態になることにより、駆動トランジスタ22にはそのゲート−ソース間電圧Vgsに応じた電流が流れる。
このとき、駆動トランジスタ22のソース電位Vsよりも有機EL素子21のカソード電位Vcatが高く、有機EL素子21が逆バイアス状態にあり、駆動トランジスタ22から流れる電流がノードN11→保持容量27→ノードN12→スイッチングトランジスタ25→電源電位Vofsの経路で流れるために、当該電流に応じた電荷が保持容量27に充電される。また、保持容量27の充電に伴って駆動トランジスタ22のソース電位Vsが電源電位Viniから時間の経過とともに徐々に上昇する。
そして、一定時間が経過し、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsが当該駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthと等しくなったところで、駆動トランジスタ22がカットオフする。これにより、駆動トランジスタ22に電流が流れなくなるために、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgs、即ち閾値電圧Vthが閾値補正用の電位として保持容量27に保持される。
その後、時刻t6で駆動信号DSが“L”レベルから“H”レベルに遷移し、スイッチングトランジスタ24が非導通状態になる。この時刻t5から時刻t6までの期間が駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthを検出して保持容量27に保持する期間である。ここでは、便宜上、この一定期間t5−t6を閾値補正期間と呼ぶこととする。その後、時刻t7で第一補正用走査信号AZ1が“H”レベルから“L”レベルに遷移し、スイッチングトランジスタ25が非導通状態になる。
(書き込み期間)
続いて、時刻t8で書き込み信号WSが“L”レベルから“H”レベルに遷移することにより、書き込みトランジスタ23によって映像信号の信号電圧Vsigがサンプリングされ、画素内に書き込まれるために、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgが信号電圧Vsigになる。この信号電圧Vsigは保持容量27に保持される。
このとき、駆動トランジスタ22のソース電位Vsは、書き込みトランジスタ23によるサンプリング時の駆動トランジスタ22のゲート電位Vgの振幅に対して、保持容量27と有機EL素子21との容量カップリングによって上昇する。
ここで、保持容量27の容量値をCcs、有機EL素子の容量値をColed、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgの上昇分をΔVgとすると、駆動トランジスタ22のソース電位Vsの上昇分ΔVsは、次式(2)で与えられる。
ΔVs=ΔVg×{Ccs/(Coled+Ccs)} ……(2)
また、書き込みトランジスタ23によるサンプリングによって書き込まれた信号電圧Vsigは、保持容量27に保持されている閾値電圧Vthに足し込まれる形で当該保持容量27に保持される。このとき、保持容量27の保持電圧は、Vsig−Vofs+Vthとなる。ここで、理解を容易にするために、Vofs=0Vとすると、ゲート−ソース間電圧Vgsは、Vsig+Vthとなる。
このように、保持容量27にあらかじめ閾値電圧Vthを保持しておくことで、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthの画素ごとのばらつきや経時変化を補正することが可能になる。すなわち、信号電圧Vsigによる駆動トランジスタ22の駆動の際に、当該駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthが保持容量27に保持した閾値電圧Vthと相殺される、換言すれば、閾値電圧Vthの補正が行われる。
この閾値電圧Vthの補正動作により、画素ごとに閾値電圧Vthにばらつきや経時変化があったとしても、駆動トランジスタ22による有機EL素子21の駆動に対する閾値電圧Vthの影響をキャンセルすることができる。その結果、閾値電圧Vthにばらつきや経時変化の影響を受けることなく、有機EL素子21の発光輝度を一定に保つことができる。
(移動度補正期間)
その後、書き込みトランジスタ23が導通したまま、時刻t9で駆動信号DSが“H”レベルから“L”レベルに遷移し、スイッチングトランジスタ24が導通状態になることで、電源電位Vccpから駆動トランジスタ22への電流供給が開始される。ここで、Vofs−Vth<Vthelと設定しておくことにより、有機EL素子21が逆バイアス状態におかれる。
有機EL素子21が逆バイアス状態にあることで、当該有機EL素子21はダイオード特性ではなく単純な容量特性を示すようになる。したがって、駆動トランジスタ22に流れるドレイン−ソース間電流Idsは、保持容量27の容量値Ccsと有機EL素子21の容量成分の容量値Coledとを合成した容量C(=Ccs+Coled)に書き込まれていく。この書き込みにより、駆動トランジスタ22のソース電位Vsが上昇する。
駆動トランジスタ22のソース電位Vsの上昇分ΔVsは、保持容量27に保持されたゲート−ソース間電圧Vgsから差し引かれるように、換言すれば、保持容量27の充電電荷を放電するように作用することになるので、負帰還をかけられたことになる。すなわち、駆動トランジスタ22のソース電位Vsの上昇分ΔVsは負帰還の帰還量となる。このとき、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsは、Vsig−ΔVs+Vthとなる。
このように、駆動トランジスタ22に流れる電流(ドレイン−ソース間電流Ids)を当該駆動トランジスタ22のゲート入力(ゲート−ソース間の電位差)に負帰還することで、各画素20における駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsの移動度μに対する依存性を打ち消す、即ち駆動トランジスタ22の移動度μのばらつきを補正することが可能になる。
書き込み信号WSのアクティブ期間(“H”レベル期間)と駆動信号DSのアクティブ期間(“L”レベル期間)とがオーバーラップする期間T(t9−t10)、即ち書き込みトランジスタ23とスイッチングトランジスタ24とが共に導通状態となるオーバーラップ期間を移動度補正期間とする。
ここで、移動度μが相対的に高い駆動トランジスタと移動度μが相対的に低い駆動トランジスタとを考えた場合、この移動度補正期間Tに移動度μが高い駆動トランジスタは、移動度μが低い駆動トランジスタに対してソース電位Vsが大きく上昇する。また、ソース電位Vsが大きく上昇するほど、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsが小さくなり、電流が流れにくくなる。
つまり、移動度補正期間Tを調整することで、移動度μの違う駆動トランジスタ22で同じドレイン・ソース間電流Idsを流すことができる。この移動度補正期間Tで決めた駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsを保持容量27で維持して、当該ゲート−ソース間電圧Vgsに応じた電流(ドレイン−ソース間電流Ids)を駆動トランジスタ22が有機EL素子21に流すことによって当該有機EL素子21が発光する。
(発光期間)
時刻t10で書き込み信号WSが“L”レベルになり、書き込みトランジスタ23が非導通状態になることで、移動度補正期間Tが終了し、発光期間に入る。この発光期間では駆動トランジスタ22のソース電位Vsは、有機EL素子21の駆動電圧まで上昇する。ソース電位Vsの上昇により、駆動トランジスタ22のゲート電極が信号線35(35−1〜35−n)から切り離されてフローティング状態にあるために、保持容量27によるブートストラップ動作により、ゲート電位Vgもソース電位Vsに連動して上昇する。
このとき、駆動トランジスタ22のゲート電極の寄生容量をCgとすると、ゲート電位Vgの上昇分ΔVgは次式(3)で表される。
ΔVg=ΔVs×{Ccs/(Ccs+Cg)} ……(3)
その間、保持容量27に保持されたゲート−ソース間電圧Vgsは、Vsig−ΔVs+Vthの値を維持する。
そして、駆動トランジスタ22のソース電位Vsの上昇に伴って、有機EL素子21の逆バイアス状態が解消され、駆動トランジスタ22から有機EL素子21に対して先述した式(1)で与えられる一定のドレイン−ソース間電流Idsが供給されるために、有機EL素子21は実際に発光を開始する。
このときのドレイン−ソース間電流Ids対ゲート−ソース間電圧Vgsの関係は、先述した式(1)のVgsにVsig−ΔVs+Vthを代入することで、次式(4)で与えられる。
Ids=kμ(Vgs−Vth)2
=kμ(Vsig−ΔV)2 ……(4)
上記の式(4)において、k=(1/2)(W/L)Coxである。
この式(4)から明らかなように、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthの項がキャンセルされており、駆動トランジスタ22から有機EL素子21に供給されるドレイン−ソース間電流Idsは、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthに依存しないことが分かる。基本的に、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsは、映像信号の信号電圧Vsigによって決まる。換言すると、有機EL素子21は、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthのばらつきや経時変化の影響を受けることなく、映像信号の信号電圧Vsigに応じた輝度で発光する。
このように、映像信号の信号電圧Vsigが書き込まれる前に駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthをあらかじめ保持容量27に保持しておくことで、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthをキャンセル(補正)し、当該閾値電圧Vthのばらつきや経時変化の影響を受けない一定のドレイン−ソース間電流Idsを有機EL素子21に流すことができるために、高画質の表示画像を得ることができる(駆動トランジスタ22のVth変動に対する補償機能)。
また、上記の式(4)から明らかなように、映像信号の信号電圧Vsigは、ドレイン−ソース間電流Idsの駆動トランジスタ22のゲート入力への負帰還によって帰還量ΔVsで補正されている。この帰還量ΔVsは、式(4)の係数部に位置する移動度μの効果を打ち消すように作用する。
したがって、ドレイン−ソース間電流Idsは、実質的に、映像信号の信号電圧Vsigのみに依存することになる。すなわち、有機EL素子21は、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthのみならず、駆動トランジスタ22の移動度μのばらつきや経時変化の影響を受けることなく、信号電圧Vsigに応じた輝度で発光する。その結果、スジや輝度ムラのない均一な画質を得ることができる。
このように、移動度補正期間t9−t10において、ドレイン−ソース間電流Idsを駆動トランジスタ22のゲート入力へ負帰還し、その帰還量ΔVsによって入力信号電圧Vsigを補正することで、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsの移動度μに対する依存性を打ち消し、信号電圧Vsigのみに依存するドレイン−ソース間電流Idsを有機EL素子21に流すことができるため、駆動トランジスタ22の移動度μのばらつきや経時変化に起因するスジや輝度ムラのない均一な画質の表示画像を得ることができる(駆動トランジスタ22の移動度μに対する補償機能)。
ここで、電流駆動型の電気光学素子である有機EL素子21を含む画素20が行列状に配置されてなる有機EL表示装置10においては、有機EL素子21の発光時間が長くなると、当該有機EL素子21のI−V特性が変化してしまう。それがために、有機EL素子21のアノード電極と駆動トランジスタ22のソースとの接続ノードN11の電位も変化する。
これに対して、上記構成のアクティブマトリクス型有機EL表示装置10では、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsが一定値に保たれているために、有機EL素子21に流れる電流は変化しない。したがって、有機EL素子21のI−V特性が劣化したとしても、一定のドレイン−ソース間電流Idsが有機EL素子21に流れ続けるために、有機EL素子21の発光輝度が変化することはない(有機EL素子21の特性変動に対する補償機能)。
以上説明した回路動作の説明から明らかなように、図4のタイミング波形図において、時刻t10から次のフィールドの時刻t1までの期間、即ち第一,第二補正用走査信号AZ1(AZ11〜AZ1m)が共に非アクティブ(“L”レベル)状態にあるときに駆動信号DS(DS1〜DSm)がアクティブ(“H”レベル)状態になる期間が、移動度補正期間を含む有機EL素子21の発光期間となる。
したがって、駆動走査回路50から出力される駆動信号DS(DS1〜DSm)がアクティブ状態になるタイミングを制御することにより、有機EL素子21の発光期間、即ち発光期間と非発光期間の比であるデューティ比を制御できることがわかる。このデューティ制御は、有機EL表示装置10の制御回路によって行われる。
[有機EL表示装置の制御回路]
図5は、有機EL表示装置10の制御回路の構成の一例を示すブロック図である。本例に係る制御回路90は、電流検出回路91、電流−電圧変換回路92、比較回路93およびデューティ制御回路94を有する構成となっている。
電流検出回路91は、全画素共通に接続された有機EL素子21のカソード共通ノードに入力端が接続され、当該カソード共通ノードから入力される全画素に流れる電流(有機EL素子21のカソード側の電源電位Vcatに流れる電流とも言える)を映像信号の垂直周期、即ち1フィールド期間に亘って検出し、その検出した電流値を電流−電圧変換回路92に供給する。電流−電圧変換回路92は、電流検出回路91で検出された電流値を電圧値に変換し、その電圧値の検出電圧Vdetを比較回路93に供給する。
比較回路93は、電流−電圧変換回路92から供給される検出電圧Vdetを所定の基準電圧Vrefと比較し、例えば、検出電圧Vdetが基準電圧Vrefよりも高いときに“H”レベル(論理“1”)となり、検出電圧Vdetが基準電圧Vref以下のときに“L”レベル(論理“0”)となる2値の比較結果を出力する。
ここで、所定の基準電圧Vrefとしては、例えば、有機EL表示装置10の表示画面が所定の明るさのときに電流検出回路91が検出する電流値に対応した電圧値が設定される。これにより、比較回路93の比較結果は、表示画面が所定の明るさよりも明るいときに“H”レベル(論理“1”)となり、表示画面が所定の明るさ以下のときに“L”レベル(論理“0”)となる。
デューティ制御回路94は、先ず、有機EL表示装置10の電源投入(ON)時には、有機EL素子21のデューティ比を0%から50%程度乃至90%程度に上げるべく、駆動走査回路50から出力される駆動信号DS(DS1〜DSm)がアクティブ状態になるタイミングを制御するデューティ制御によって装置の立ち上げ処理を行う。
デューティ制御回路94はさらに、有機EL表示装置10の動作状態においては、表示画面が所定の明るさよりも明るいときにはデューティ比を相対的に下げ、表示画面が所定の明るさ以下のときにはデューティ比を相対的に上げるべく、駆動信号DS(DS1〜DSm)がアクティブ状態になるタイミングを制御するデューティ制御を行う。
このように、表示画面が所定の明るさよりも明るいときは、デューティ比を相対的に下げることにより、有機EL素子21に流れる電流を抑えることができるために、有機EL表示装置10の消費電力の低減を図ることができる。また、表示画面が所定の明るさ以下のときは、デューティ比を相対的に上げ、有機EL素子21の発光時間が長くすることにより、高輝度化を図ることができるために、例えば夜空の星を表示するような場合に星を鮮明に表示することができる。
[フラッシュ現象]
ここで、先述したように、有機EL表示装置10の電源投入のときや、デューティ制御の下に、例えば表示画面が明るい画面から暗い画面に移行した際に、デューティ比を相対的に低い状態から相対的に高い状態に大きな幅をもって直接に(一気に)切り替えたときに、有機EL素子21のカソード側の電源電位Vcatに流れ込む電流の増加によって当該電源電位Vcatが上昇する。
そして、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgが電源電位Vcatの変動によるカップリング(図3のカソード電極(カソード層)206からの電位の飛び込み)の影響を受けて上昇することにより、デューティ比を切り替えたときに瞬間的に明るくなるフラッシュ現象が起こる。このことについて以下に具体的に説明する。
(電源電位Vcatが上昇するメカニズム)
先ず、デューティ比を大きな幅をもって一気に引き上げたときに、有機EL素子21のカソード側の電源電位Vcatが1フィールド期間中だけ上昇するメカニズムについて説明する。
一例として、図6に示すように、駆動走査回路50から出力される駆動信号DS(DS1〜DSm)がアクティブ状態になる期間、即ち有機EL素子21の発光期間を、相対的に低いデューティ比のときに2H期間、相対的に高いデューティ比のときに10H期間とする。ここでは、理解を容易にするために、第1ライン(行)Line1から第10ラインLine10までを例に挙げて示している。
図6から明らかなように、デューティ比が相対的に低いときには、発光期間が2H期間であることから、駆動信号DSによってスイッチングトランジスタ24が同時に導通状態となるライン数は最大で2ライン(2L)である。
これに対して、デューティ比が相対的に高いときには、発光期間が10H期間であることから、デューティ比を切り替えた次のフィールドだけ、スイッチングトランジスタ24が同時に導通状態となるライン数1Hごとに増加し、最大10ラインとなる。その次のフィールドでは、スイッチングトランジスタ24が同時に導通状態となるライン数の増減はなく7ラインで安定する。
図7は、画素アレイ部30の要部の内部抵抗を示すモデル図である。図7では、ライン(行)を単位としてスイッチングトランジスタ24をスイッチのシンボルで示している。また、電源電位Vccpからスイッチングトランジスタ24を通して電源電位Vcatに至る経路のラインごとの抵抗をRa、当該抵抗Raを流れる電流をIa、電源電位Vcatから外部電源に至る経路の配線等の抵抗をRb、当該抵抗Rbを流れる電流をIbとしている。
上述したように、デューティ比が相対的に低い状態では、駆動信号DSによってスイッチングトランジスタ24が同時に導通状態となるライン数が少ない(上記の例では、2ライン)。理解を容易にするために、スイッチングトランジスタ24が例えば1ラインしか導通状態にないとしたら、
Ib=Ia
となる。
よって、このとき抵抗Ra,Rbにかかる電圧Va,Vbは、
Va=Ra×Ia
Vb=Rb×Ib=Rb×Ia
となる。
一方、デューティ比が相対的に高い状態、例えばスイッチングトランジスタ24が例えば10ライン分同時に導通する状態では、それぞれのラインの画素に電流Iaが固定して流れるとすると、
Ib=Ia×10
Va=Ra×Ia
Vb=Rb×10Ia
となり、抵抗Rbにかかる電圧Vbが上昇する。
このように、抵抗Rbに流れる電流Iaの増加によって抵抗Rbにかかる電圧Vbが上昇する現象が、デューティ比を相対的に低い状態から相対的に高い状態に切り替えた次の1フィールドにおいて、スイッチングトランジスタ24が導通するたび、即ち1Hごとに起こる。そして、相対的に高いデューティ比の値が大きいほど、抵抗Rbにかかる電圧Vbの上昇値も増加する。
抵抗Rbにかかる電圧Vbが上昇すると、当然のことながら、有機EL素子21のカソード側の電源電位Vcatも上昇する。そして、この電源電位Vcatの変動によるカップリングの影響が画素内のどの部位(ノード)の電位にも及ぶ。当然、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgおよびソース電位Vsにもカップリングの影響が及ぶ。
ただし、発光期間中の駆動トランジスタ22のソース部分には電流が流れており、ソース電位Vsが固定されるために、ソース電位Vsはカップリングの影響を受けにくいが、書き込みトランジスタ23が非導通状態にあり、駆動トランジスタ22のゲート部分がフローティング状態にあるために、ゲート電位Vgはカップリングの影響を受ける。
このとき、他の電源電位Vini,Vofs等に関しては、カップリングの影響を受けたとしても、直接電源に繋がっているために元の電位に戻る。したがって、カップリングの影響を受けにくい。
このように、デューティ比を相対的に低い状態から相対的に高い状態に一気に上げたときに、駆動トランジスタ22のソース電位Vsがカップリングの影響を受けずに固定状態にあるのに対して、ゲート電位Vgがカップリングの影響を受けて上昇すると、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsが、カップリングの影響を受ける前よりも大きくなるために、デューティ比を切り替えた次の1フィールドで有機EL素子21の発光輝度が上がる、即ち瞬間的に明るくなる。これがフラッシュ現象である。
[本実施形態の特徴部分]
そこで、本実施形態では、有機EL表示装置10の電源投入のときや、デューティ制御の下に、例えば表示画面が明るい画面から暗い画面に移行した際に、デューティ比を相対的に低い状態(第1発光期間)から相対的に高い状態(第2発光期間)に切り替えるときに、デューティ比を相対的に低い状態から相対的に高い状態に大きな幅を持って直接に切り替えるのではなく、途中に少なくとも1つのデューティ比(第1発光期間よりも長く第2発光期間よりも短い第3発光期間)を介在させて、当該デューティ比で有機EL素子21を発光させた後、相対的に高いデューティ比に変化させる、という具合にデューティ比を相対的に低い状態から相対的に高い状態に小さな幅(デューティ比の幅)を持って段階的に切り替えるようにする。
図8に、デューティ比を相対的に低いデューティ比Aから相対的に高いデューティ比Bに切り替えたときの視認測定によるフラッシュ現象の判定結果を示す。ここでは、一例として、電源電位Vofsを0.2Vに設定し、電源電位Viniを0.5Vに設定した場合の判定結果を示して降り、フラッシュ現象が視認されない場合を「OK」とし、フラッシュ現象が視認された場合を「NG」としている。
また、図8の判定結果は視認測定による判定結果である。このとき、一例として、判定基準を0.1nitに設定し、当該判定基準以下を「OK」とする。ただし、このように判定基準を定めたとしても、人による視認測定であることから、フラッシュ現象の判定については測定者によってばらつきがある。したがって、図8の判定結果はあくまでも一例に過ぎず、参考例的な位置付けとなる。
図8の判定結果の場合、デューティ比A=0%からデューティ比B=4.8%〜33.3%のいずれかに直接切り替える場合は「OK」、即ちフラッシュ現象が視認されないことになるが、デューティ比A=0%からデューティ比B=38.1%〜90.5%のいずれかに直接切り替える場合は「NG」、即ちフラッシュ現象が視認されることになる。
また、デューティ比A=4.8%からデューティ比B=9.5%〜42.9%のいずれかに直接切り替える場合は「OK」、デューティ比B=47.6%〜90.5%のいずれかに直接切り替える場合は「NG」、デューティ比A=9.5%からデューティ比B=14.3%〜61.9%のいずれかに直接切り替える場合は「OK」、デューティ比B=66.7%〜90.5%のいずれかに直接切り替える場合は「NG」、デューティ比A=14.3%からデューティ比B=19.0%〜81.0%のいずれかに直接切り替える場合は「OK」、デューティ比B=85.7%〜90.5%のいずれかに直接切り替える場合は「NG」となる。
また、デューティ比Aが19.0%の場合は、デューティ比B=23.8%〜90.5%のいずれに直接切り替えても、デューティ比Aが23.8%の場合は、デューティ比B=28.6%〜90.5%のいずれに直接切り替えても、「OK」であり、フラッシュ現象が所定の判定基準以下となる。
このような視認測定による判定結果を基に、デューティ比を段階的に切り替える際の途中のデューティ比としてその数値が設定されることになる。なお、ここでは、視認測定による判定結果を基にしていることから、設定する数値は絶対的なものであるということはできない。
ただし、電気的・光学的な装置による測定によってフラッシュ現象の判定を行うことができれば、その判定基準を一定に設定できるために、デューティ比を段階的に切り替える際の途中のデューティ比として設定する数値は絶対的なものとなる。
(実施例1)
先ず、有機EL表示装置10の電源投入のときに、デューティ比を相対的に低いデューティ比Aから相対的に高いデューティ比Bに小さな幅(デューティ比の幅)を持って段階的に切り替える場合について実施例1として説明する。
有機EL表示装置10の電源投入(ON)前は、当然のことながら、デューティ比A=0%である。そして、電源投入によって有機EL表示装置10が立ち上がったときには、一般的に、50%程度乃至90%程度の範囲内の適当な数値のデューティ比Bに設定される。デューティ比Bを50%程度乃至90%程度の範囲内のどの数値に設定するかは自由であり、有機EL表示装置10の仕様によって異なる。
この電源投入時のデューティ比のデューティ比Aからデューティ比Bへの切り替えは、先述したように、図5に示すデューティ制御回路94によるデューティ制御の下に実行される。デューティ制御回路94は、電源投入に応答して、デューティ比をあらかじめ設定された数値のデューティ比Bに切り替えるデューティ制御を行う。
このとき、デューティ制御回路94は、デューティ比A(0%)からデューティ比Bに直接切り替えるのではなく、デューティ比Aからデューティ比Bの間の少なくとも1つのデューティ比Cを経由して段階的に切り替えるようにする。したがって、デューティ制御回路94にはあらかじめ、デューティ比Bの数値に加えて、デューティ比Cの数値も設定されていることになる。
電源投入時のデューティ制御のとき、即ちデューティ比A(0%)から50%程度乃至90%程度の範囲内の適当な数値のデューティ比Bに切り替えるときは、図8の判定結果から明らかなように、必ずフラッシュ現象が発生することになる。したがって、図8の判定結果の場合には、デューティ比Cの数値として、例えば、19.0%または23.8%を設定するようにする。
以下に、デューティ比Cの数値として23.8%を設定した場合のデューティ制御回路94による制御手順の一例について、図9のフローチャートを用いて説明する。
デューティ制御回路94は、電源が投入(ON)されると(ステップS11)、先ず、デューティ比A(0%)からデューティ比C(23.8%)にデューティ比を切り替える(ステップS12)。このデューティ比0%からデューティ比23.8%への切り替えの際には、図8の判定結果から明らかなように、フラッシュ現象は視認されない。
すなわち、デューティ比0%からデューティ比23.8%の小さい幅でデューティ比を切り替えることにより、駆動信号DSによってスイッチングトランジスタ24が同時に導通状態となるライン数を少なくできるために、デューティ比を切り替えたときに、有機EL素子21のカソード側の電源電位Vcatに流れる電流の増加を抑えることができる。これにより、電源電位Vcatの変動を抑えることができるために、フラッシュ現象を例えば0.1nit以下に抑えて目立たないようにすることができる。
次に、デューティ制御回路94は、1フィールド期間が経過したか否かを判断し(ステップS13)、1フィールド期間が経過したら、デューティ比C(23.8%)からデューティ比B(例えば、90.5%)にデューティ比を切り替える(ステップS14)。このデューティ比23.8%からデューティ比90.5%への切り替えの際にも、図8の判定結果から明らかなように、フラッシュ現象は視認されない。
すなわち、デューティ比23.8%からデューティ比90.5%の小さい幅でデューティ比を切り替えることにより、駆動信号DSによってスイッチングトランジスタ24が同時に導通状態となるライン数を少なくできるために、デューティ比を切り替えたときに、電流の増加による電源電位Vcatの変動を抑えることができる。その結果、フラッシュ現象を例えば0.1nit以下に抑えることができる。
なお、デューティ比0%からデューティ比23.8%、デューティ比23.8%からデューティ比90.5%という、デューティ比0%からデューティ比90.5%に比べて小さいデューティ比の幅は、フラッシュ現象を判定基準(本例では、0.1nit)以下に抑えることが可能な幅と言うこと事ができる。このデューティ比の幅は、発光期間の期間幅とも言える。
上述したように、有機EL表示装置10の電源投入時をデューティ制御対象とした実施例1では、有機EL表示装置10の仕様によってデューティ制御回路94に対してあらかじめ設定されたデューティ比B,Cの各数値を基に、デューティ比Aからデューティ比Cを経由してデューティ比Bに段階的にデューティ比を切り替える制御を行うことで、各切り替え段階での電流の増加による電源電位Vcatの変動を抑えることができるために、デューティ比を切り替えたときの次の1フィールド期間で発生するフラッシュ現象を判定基準以下に抑えることができる。
また、上述した動作説明から明らかなように、デューティ比0%からデューティ比23.8%へのデューティ比の切り替え、デューティ比23.8%からデューティ比90.5%へのデューティ比の切り替えは、1フィールド期間の周期(フィールド周期)で行われることになる。したがって、各切り替え段階で電源電位Vcatに流れる電流の増加を抑えることができることになる。
(実施例2)
次に、表示画面が明るい画面から暗い画面に移行した際に、デューティ比を相対的に低い状態から相対的に高い状態に切り替えるときに、デューティ比を相対的に低いデューティ比Aから相対的に高いデューティ比Bに小さな幅を持って段階的に切り替える場合について実施例2として説明する。
ここで、制御対象の有機EL表示装置10は、表示画面が所定の明るさよりも明るいときは、消費電力の低減を目的としてデューティ比を相対的に下げて、表示画面が所定の明るさ以下のときは、高輝度化を目的としてデューティ比を相対的に上げるようなデューティ制御が行われる仕様になっていることを前提とする。
一例として、表示画面が所定の明るさよりも明るいときのデューティ比Aの数値として14.3%が、表示画面が所定の明るさ以下のときのデューティ比Bの数値として90.5%があらかじめデューティ制御回路94に設定されているものとする。
そして、デューティ制御回路94は、表示画面が所定の明るさよりも明るい通常の表示状態では消費電力の低減を図るためにデューティ比A(14.3%)で有機EL素子21の発光制御を行い、表示画面が明るい画面から暗い画面に移行したときに、デューティ比をデューティ比A(14.3%)からデューティ比B(90.5%)に切り替える制御を行う。
このとき、デューティ制御回路94は、デューティ比Aからデューティ比Bに直接切り替えるのではなく、実施例1の場合と同様に、デューティ比Aからデューティ比Bの間の少なくとも1つのデューティ比Cを経由してデューティ比を段階的に切り替えるようにする。したがって、デューティ制御回路94にはあらかじめ、デューティ比A,Bの数値に加えて、デューティ比Cの数値も設定されていることになる。
表示画面が明るいが所定の明るさよりも明るい状態から所定の明るさよりも暗い状態に移行したとき、即ちデューティ比A(14.3%)からデューティ比B(90.5%)に切り替えるときは、図8の判定結果から明らかなように、必ずフラッシュ現象が発生することになる。したがって、図8の判定結果の場合には、デューティ比Cの数値として、例えば、19.0%または23.8%を設定するようにする。
以下に、デューティ比Cの数値として23.8%を設定した場合のデューティ制御回路94による制御手順の一例について、図10のフローチャートを用いて説明する。
デューティ制御回路94は先ず、比較回路93の比較結果(論理“1”/“0”)を取り込み(ステップS21)、次いで、その比較結果が論理“1”であるか、論理“0”であるか、即ち表示画面が所定の明るさよりも明るいか、所定の明るさ以下であるかを判定する(ステップS22)。
このとき、比較結果が論理“1”であれば、もともと消費電力の低減を目的としてデューティ比としてデューティ比A(14.3%)が設定されていることから、デューティ比を変更せずにデューティ比Aのままとする(ステップS23)。
一方、比較結果が論理“0”であれば、デューティ比をデューティ比A(14.3%)からデューティ比C(23.8%)に切り替える(ステップS24)。このデューティ比14.3%からデューティ比23.8%への切り替えの際には、図8の判定結果から明らかなように、フラッシュ現象は視認されない。
すなわち、デューティ比14.3%からデューティ比23.8%の小さい幅でデューティ比を切り替えることにより、駆動信号DSによってスイッチングトランジスタ24が同時に導通状態となるライン数を少なくできるために、デューティ比を切り替えたときに、電流の増加による電源電位Vcatの変動を抑えることができる。その結果、フラッシュ現象を例えば0.1nit以下に抑えることができる。
次に、デューティ制御回路94は、1フィールド期間が経過したか否かを判断し(ステップS25)、1フィールド期間が経過したら、デューティ比をデューティ比C(23.8%)からデューティ比B(例えば、90.5%)に切り替える(ステップS26)。このデューティ比23.8%からデューティ比90.5%への切り替えの際にも、図8の判定結果から明らかなように、フラッシュ現象は視認されない。
すなわち、デューティ比23.8%からデューティ比90.5%の小さい幅でデューティ比を切り替えることにより、駆動信号DSによってスイッチングトランジスタ24が同時に導通状態となるライン数を少なくできるために、デューティ比を切り替えたときに、電流の増加による電源電位Vcatの変動を抑えることができる。その結果、フラッシュ現象を例えば0.1nit以下に抑えることができる。
なお、デューティ比14.3%からデューティ比23.8%、デューティ比23.8%からデューティ比90.5%という、デューティ比14.3%からデューティ比90.5%に比べて小さいデューティ比の幅は、フラッシュ現象を判定基準(本例では、0.1nit)以下に抑えることが可能な幅と言うこと事ができる。
上述したように、有機EL表示装置10の表示画面が明るい画面から暗い画面に移行したときをデューティ制御対象とした実施例2では、有機EL表示装置10の仕様によってデューティ制御回路94に対してあらかじめ設定されたデューティ比A,B,Cの各数値を基に、デューティ比Aからデューティ比Cを経由してデューティ比Bに段階的にデューティ比を切り替える制御を行うことで、各切り替え段階での電流の増加による電源電位Vcatの変動を抑えることができるために、デューティ比を切り替えたときの次の1フィールド期間で発生するフラッシュ現象を判定基準以下に抑えることができる。
また、上述した動作説明から明らかなように、デューティ比14.3%からデューティ比23.8%へのデューティ比の切り替え、デューティ比23.8%からデューティ比90.5%へのデューティ比の切り替えは、フィールド周期で行われることになる。したがって、各切り替え段階で電源電位Vcatに流れる電流の増加を抑えることができることになる。
本実施例2では、デューティ比A,Bをそれぞれ1つの数値に固定的に設定した場合を例に挙げて説明したが、デューティ制御回路94による制御の下に、デューティ比A,Bを画面の明るさに応じて、デューティ比A1,A2,…、デューティ比B1,B2,…という具合に可変的に設定することも可能である。
この場合は、デューティ比A1,A2,…、デューティ比B1,B2,…の各数値があらかじめデューティ制御回路94に設定するとともに、これら数値に加えて、中間的なデューティ比C1,C2,…の各数値についても、フラッシュ現象を判定基準(本例では、0.1nit)以下に抑えることが可能なデューティ比の幅で設定することになる。
また、図8の判定結果において、デューティ比Aが19.0%および23.8%のときは、いずれのデューティ比Bへの切り替えでも「OK」、即ちフラッシュ現象が判定基準以下という結果になっているが、これはラッシュ現象が判定基準以下ということであってラッシュ現象が全く発生していないということではない。
したがって、デューティ比Aが19.0%および23.8%の場合でも、デューティ比を切り替えるときに、上述したように、デューティ比Aからデューティ比Bに直接切り替えるのではなく、中間的なデューティ比Cを経由して段階的に切り替えることにより、少なからず発生するフラッシュ現象をより目立たないものにすることができる。
また、図5に示した制御回路90では、電流−電圧変換回路92の検出電圧Vdetを比較回路93で基準電圧Vrefと比較して2値の比較結果を得、その比較結果を基にデューティ制御回路94がデューティ比をデューティ比Aとデューティ比Bで切り替える場合を前提としたが、デューティ比切り替えの制御の仕方として次のような方法も考えられる。
すなわち、図8の測定結果を示すデータを、デューティ制御回路94にその制御の基準となるデータとして格納しておく一方、電流−電圧変換回路92の検出電圧Vdetを直接デューティ制御回路94に与えるようにする。そして、デューティ制御回路94は、電流−電圧変換回路92の検出電圧Vdetに応じてデューティ比A,Bを設定する。
この場合、相対的に低いデューティ比Aから相対的に高いデューティ比Bに切り替えるときは、図8の測定結果を示すデータを基に、デューティ比Aとデューティ比Bの各数値から中間的なデューティ比Cの数値を設定し、当該デューティ比Cを経由して段階的にデューティ比を切り替えるようにすればよい。
なお、図8の測定結果の場合には、デューティ比19.0%,23.8%を相対的に低いデューティ比Aとし、当該デューティ比Aから相対的に高いデューティ比Bに切り替えるときは、フラッシュ現象が所定の判定基準以下、即ち「OK」となることから、デューティ比Aの数値を19.0%よりも低い数値に設定する場合は、中間的なデューティ比Cの数値を19.0%または23.8%に固定的に設定することで、デューティ比を切り替えたときの次の1フィールド期間で発生するフラッシュ現象を判定基準以下に抑えることができる。
また、上記実施例1,2では、デューティ比をデューティ比Aからデューティ比C、デューティ比Cからデューティ比Bという具合に2段階で切り替える場合を例に挙げて説明したが、2段階の切り替えに限られるものではなく、デューティ比Cとして複数の数値を設定して3段階以上の多段階で切り替えるようにすることも可能である。上述した動作説明から明らかなように、切り替え段数が多ければ多いほど、フラッシュ現象をより目立たないようにすることができる。
[変形例]
上記実施形態では、有機EL表示装置の画素(画素回路)として、5つのトランジスタ22〜26を含む回路構成の画素20を用いた場合を例に挙げて説明したが、この回路構成に限られるものではなく、映像信号の信号電圧Vsigをサンプリングして書き込む書き込みトランジスタ23と、この書き込みトランジスタ23によって書き込まれた信号電圧Vsigに基づいて有機EL素子21を駆動する駆動トランジスタ22の少なくとも2つのトランジスタを含む回路構成に対して適用可能である。
また、上記実施形態では、画素回路20の電気光学素子として、有機EL素子を用いた有機EL表示装置に適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこの適用例に限られるものではなく、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の電気光学素子(発光素子)を用いた表示装置全般に対して適用可能である。
[適用例]
以上説明した本発明に係る表示装置は、図11〜図15に示す様々な電子機器、例えば、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置、ビデオカメラなど、電子機器に入力された映像信号、若しくは、電子機器内で生成した映像信号を、画像若しくは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。
このように、本発明に係る表示装置を用いることにより、当該表示装置は電源投入のときや、表示画面が明るい画面から暗い画面に移行した際に、デューティ比を相対的に低い状態から相対的に高い状態に切り替えるときに、フラッシュ現象を目立たなくすることができるために、良質な画像表示を行うことができる利点がある。以下に、本発明が適用される電子機器の一例について説明する。
なお、本発明に係る表示装置は、封止された構成のモジュール形状のものをも含む。例えば、画素アレイ部30に透明なガラス等の対向部に貼り付けられて形成された表示モジュールが該当する。この透明な対向部には、カラーフィルタ、保護膜等、更には、上記した遮光膜が設けられてもよい。尚、表示モジュールには、外部から画素アレイ部への信号等を入出力するための回路部やFPC(フレキシブルプリントサーキット)等が設けられていてもよい。
図11は、本発明が適用されるテレビを示す斜視図である。本適用例に係るテレビは、フロントパネル102やフィルターガラス103等から構成される映像表示画面部101を含み、その映像表示画面部101として本発明に係る表示装置を用いることにより作成される。
図12は、本発明が適用されるデジタルカメラを示す斜視図であり、(A)は表側から見た斜視図、(B)は裏側から見た斜視図である。本適用例に係るデジタルカメラは、フラッシュ用の発光部111、表示部112、メニュースイッチ113、シャッターボタン114等を含み、その表示部112として本発明に係る表示装置を用いることにより作製される。
図13は、本発明が適用されるノート型パーソナルコンピュータを示す斜視図である。本適用例に係るノート型パーソナルコンピュータは、本体121に、文字等を入力するとき操作されるキーボード122、画像を表示する表示部123等を含み、その表示部123として本発明に係る表示装置を用いることにより作製される。
図14は、本発明が適用されるビデオカメラを示す斜視図である。本適用例に係るビデオカメラは、本体部131、前方を向いた側面に被写体撮影用のレンズ132、撮影時のスタート/ストップスイッチ133、表示部134等を含み、その表示部134として本発明に係る表示装置を用いることにより作製される。
図15は、本発明が適用される携帯端末装置、例えば携帯電話機を示す斜視図であり、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。本適用例に係る携帯電話機は、上側筐体141、下側筐体142、連結部(ここではヒンジ部)143、ディスプレイ144、サブディスプレイ145、ピクチャーライト146、カメラ147等を含み、そのディスプレイ144やサブディスプレイ145として本発明に係る表示装置を用いることにより作製される。
本発明の一実施形態に係る有機EL表示装置の構成の概略を示すシステム構成図である。 画素(画素回路)の具体的な構成例を示す回路図である。 画素の断面構造の一例を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る有機EL表示装置の基本的な回路動作の説明に供するタイミングは系図である。 有機EL表示装置の制御回路の構成の一例を示すブロック図である。 デューティ比を切り替えたときに発光期間を制御するトランジスタが同時に導通状態となるライン数の関係を示すタイミングチャートである。 画素アレイ部の要部の内部抵抗を示すモデル図である。 デューティ比を相対的に低いデューティ比Aから相対的に高いデューティ比Bに切り替えたときの視認測定によるフラッシュ現象の判定結果を示す図である。 実施例1に係るデューティ制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。 実施例2に係るデューティ制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明が適用されるテレビを示す斜視図である。 本発明が適用されるデジタルカメラを示す斜視図であり、(A)は表側から見た斜視図、(B)は裏側から見た斜視図である。 本発明が適用されるノート型パーソナルコンピュータを示す斜視図である。 本発明が適用されるビデオカメラを示す斜視図である。 本発明が適用される携帯電話機を示す斜視図であり、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
符号の説明
10…有機EL表示装置、20…画素(画素回路)、21…有機EL素子、22…駆動トランジスタ、23…書き込み(サンプリング)トランジスタ、24〜26…スイッチングトランジスタ、27…保持容量、30…画素アレイ部、31(31−1〜31−m)…走査線、32(32−1〜32−m)…駆動線、33(33−1〜33−m)…第一補正用走査線、34(34−1〜34−m)…第二補正用走査線、35(35−1〜35−n)…信号線(データ線)、40…書き込み走査回路、50…駆動走査回路、60…第一補正用走査回路、70…第二補正用走査回路、80…水平駆動回路、90…制御回路、91…電流検出回路、92…電流−電圧変換回路、93…比較回路、94…デューティ制御回路

Claims (9)

  1. 電気光学素子と、映像信号を書き込む書き込みトランジスタと、前記書き込みトランジスタによって書き込まれた前記映像信号を保持する保持容量と、前記保持容量に保持された前記映像信号に基づいて前記電気光学素子を駆動する駆動トランジスタとを含む画素を行列状に配置した画素アレイ部と、
    前記電気光学素子の発光期間を第1発光期間から当該第1発光期間よりも長い第2発光期間に切り替えるときに、前記第1発光期間よりも長く前記第2発光期間よりも短い第3発光期間を経由して段階的に切り替える制御手段と
    を備えたことを特徴とする表示装置。
  2. 前記制御手段は、前記第1発光期間から前記第3発光期間への切り替えおよび前記第3発光期間から前記第2発光期間への切り替えをフィールド周期で実行する
    ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  3. 前記第3発光期間は、前記第1発光期間からの切り替えおよび前記第2発光期間への切り替えにおいて、前記電気光学素子のカソード側の電源電位に流れる電流の増加に起因して発生するフラッシュ現象が所定の判定基準以下になるように設定される
    ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  4. 前記第1発光期間、前記第2発光時間および前記第3発光期間は、あらかじめ前記制御手段に設定されている
    ことを特徴とする請求項3記載の表示装置。
  5. 前記制御手段は、前記画素アレイ部の全画素に流れる電流に基づいて、前記第1発光期間、前記第2発光時間および前記第3発光期間を設定する
    ことを特徴とする請求項3記載の表示装置。
  6. 前記制御手段は、前記表示装置の電源投入時に前記電気光学素子の発光期間を前記第1発光期間から前記第3発光期間に切り替える
    ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  7. 前記制御手段は、前記表示装置の表示画面が所定の明るさよりも明るい状態から当該所定の明るさ以下の状態になったときに、前記電気光学素子の発光期間を前記第1発光期間から前記第3発光期間に切り替える
    ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  8. 電気光学素子と、映像信号を書き込む書き込みトランジスタと、前記書き込みトランジスタによって書き込まれた前記映像信号を保持する保持容量と、前記保持容量に保持された前記映像信号に基づいて前記電気光学素子を駆動する駆動トランジスタとを含む画素が行列状に配置されてなる表示装置の駆動方法であって、
    前記電気光学素子の発光期間を第1発光期間から当該第1発光期間よりも長い第2発光期間に切り替えるときに、前記第1発光期間よりも長く前記第2発光期間よりも短い第3発光期間を経由して段階的に切り替える
    ことを特徴とする表示装置の駆動方法。
  9. 電気光学素子と、映像信号を書き込む書き込みトランジスタと、前記書き込みトランジスタによって書き込まれた前記映像信号を保持する保持容量と、前記保持容量に保持された前記映像信号に基づいて前記電気光学素子を駆動する駆動トランジスタとを含む画素を行列状に配置した画素アレイ部と、
    前記電気光学素子の発光期間を第1発光期間から当該第1発光期間よりも長い第2発光期間に切り替えるときに、前記第1発光期間よりも長く前記第2発光期間よりも短い第3発光期間を経由して段階的に切り替える制御手段と
    を備えた表示装置を有することを特徴とする電子機器。
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