JP2008215459A - 緩衝装置 - Google Patents

緩衝装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008215459A
JP2008215459A JP2007052556A JP2007052556A JP2008215459A JP 2008215459 A JP2008215459 A JP 2008215459A JP 2007052556 A JP2007052556 A JP 2007052556A JP 2007052556 A JP2007052556 A JP 2007052556A JP 2008215459 A JP2008215459 A JP 2008215459A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chamber
free piston
shock absorber
cylinder
housing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007052556A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4768648B2 (ja
Inventor
Takashi Teraoka
崇志 寺岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kayaba Industry Co Ltd filed Critical Kayaba Industry Co Ltd
Priority to JP2007052556A priority Critical patent/JP4768648B2/ja
Publication of JP2008215459A publication Critical patent/JP2008215459A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4768648B2 publication Critical patent/JP4768648B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

【課題】高周波入力時に減衰力の急激な変化を抑制でき車両における乗り心地を向上することが可能な緩衝装置を提供することである。
【解決手段】シリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されシリンダ1内を2つの作動室R1,R2を区画する隔壁部材2と、2つの作動室R1,R2を連通する通路2a,2bと、圧力室R3を形成するハウジング4と、上記ハウジング4内に摺動自在に挿入されて圧力室R3を一方側流路5を介して一方の作動室R2に連通される一方室7と他方側流路6を介して他方の作動室R1に連通される他方室8に区画するフリーピストン9と、フリーピストン9の圧力室R3に対する変位を抑制する附勢力を発生するバネ要素10とを備え、一方側流路5における各可変オリフィス11,12のうち少なくとも一つのフリーピストン9の外周による閉塞タイミングが他の可変オリフィスの閉塞タイミングと異なるよう設定されてなる。
【選択図】図2

Description

本発明は、緩衝装置の改良に関する。
従来、この種緩衝装置にあっては、シリンダと、シリンダとシリンダ内に摺動自在に挿入されシリンダ内を上室と下室に区画するピストンと、ピストンに設けられた上室と下室を連通する第一通路と、ピストンロッドの先端から側部に開通して上室と下室を連通する第二通路と、第二通路の途中に接続される圧力室を備えてピストンロッドの先端に取付けられたハウジングと、圧力室内に摺動自在に挿入され圧力室を一方室と他方室とに区画するフリーピストンと、フリーピストンを附勢するコイルバネとを備えて構成されている。すなわち、圧力室内の一方室は第二通路を介して下室内に連通されるとともに、圧力室内の他方室は第二通路を介して上室に連通されるようになっている。
ここで、緩衝装置の伸縮時における上室と下室との差圧をPとし、上室から流出する液体の流量をQとし、上記差圧Pと第一通路を通過する液体の流量Q1との関係である係数をC1とし、他方室内の圧力をP1とし、この圧力P1と上室から他方室に流入する液体の流量Q2との関係である係数をC2とし、一方室内の圧力をP2とし、この圧力P2と一方室から下室内に流出する液体の流量Q2との関係である係数をC3とし、フリーピストンの受圧面積である断面積をAとし、フリーピストンの圧力室に対する変位をXとし、コイルバネのバネ定数をKとして、流量Qに対する差圧Pの伝達関数を求めると、式(1)が得られる。なお、式(1)中、sはラプラス演算子を示している。
Figure 2008215459
さらに、上記式(1)で示された伝達関数中のラプラス演算子sにjωを代入して、周波数伝達関数G(jω)の絶対値を求めると、以下の式(2)が得られる。
Figure 2008215459
上記各式から理解できるように、この緩衝装置における流量Qに対する差圧Pの伝達関数の周波数特性は、低周波数域では伝達ゲインが大きくなり、高周波数域では伝達ゲインが小さくなる。
したがって、この緩衝装置では、低周波数の振動の入力に対しては大きな減衰力を発生し、他方、高周波数の振動の入力に対しては小さな減衰力を発生することができるので、車両が旋回中等の入力振動周波数が低い場面においては高い減衰力を確実に発生可能であるとともに車両が路面の凹凸を乗り越えるような入力振動周波数が高い場面においては低い減衰力を確実に発生させて、車両における乗り心地を向上させることができる(たとえば、特許文献1参照)。
特開2006−336816号公報(図2)
上述した緩衝装置は、車両における乗り心地を向上することができる点で有用ではあるが、以下の問題がある。
上記緩衝装置の構成では、高周波振動の入力があって低い減衰力を発生している状況で、緩衝装置を大振幅させるような入力がある場合、フリーピストンがストロークエンドまで変位して第二通路を介しての上室と下室との作動油の交流が断たれて、第一通路のみを介して上室と下室とを作動油が交流するようになる。
このようになると、緩衝装置は、もはや高周波振動の入力に対して低い減衰力の発生を維持できないため、大きな減衰力を発生するようになるが、フリーピストンがストロークエンドに達したときに急激に減衰力が変化して大きくなるので、搭乗者に違和感を与えてしまい、車両における乗り心地を損なうことになりかねない。
そこで、本発明は上記した不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、高周波入力時に減衰力の急激な変化を抑制でき車両における乗り心地を向上することが可能な緩衝装置を提供することである。
上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段は、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されシリンダ内を2つの作動室に区画する隔壁部材と、2つの作動室を連通する通路と、圧力室を形成するハウジングと、上記ハウジング内に摺動自在に挿入されて圧力室を一方側流路を介して一方の作動室に連通される一方室と他方側流路を介して他方の作動室に連通される他方室とに区画するフリーピストンと、フリーピストンの圧力室に対する変位を抑制する附勢力を発生するバネ要素とを備えた緩衝装置において、一方側流路は、フリーピストンの外周に形成されて一方室へ連通される環状溝と、ハウジングに形成されてフリーピストンが中立位置にあるときにフリーピストンの環状溝に対向し当該環状溝を介して一方の作動室を一方室へ連通する複数の可変オリフィスと、同じくハウジングに形成されて一方の作動室と一方室とを連通する固定オリフィスとを有してなり、各可変オリフィスのうち少なくとも一つのフリーピストンの外周による閉塞タイミングが他の可変オリフィスの閉塞タイミングと異なるよう設定されてなることを特徴とする。
本発明の緩衝装置によれば、高周波数で振幅が大きい振動が入力されても、発生減衰力が急激に変化することが無いので、車両における乗り心地を向上することができ、特に、急激な減衰力変化によって車体が振動しボンネットが共振して異音が発生してしまう事態も防止でき、この点でも車両における乗り心地を向上することができる。
さらに、フリーピストンの変位に応じて一方側流路の流路抵抗を徐々に増加させるのに、一つの可変オリフィスの閉塞タイミングを他の可変オリフィスの閉塞タイミングと異なるようにしているので、可変オリフィスの形状を複雑な形状にせずともよいので、可変オリフィスの設置も簡単であって、加工コストも安価である。
以下、本発明の緩衝装置を各図に基づいて説明する。図1は、一実施の形態における具体的な緩衝装置の縦断面図である。図2は、一実施の形態における緩衝装置のピストン部の拡大縦断面図である。図3は、一実施の形態の緩衝装置におけるフリーピストンの変位に対する一方側流路の流路面積の変化を示した図である。図4は、流量に対する圧力の周波数伝達関数のゲイン特性を示したボード線図である。図5は、減衰係数、位相と周波数との関係を示した図である。図6は、一実施の形態の変形例における緩衝装置の縦断面図である。図7は、一実施の形態の変形例の緩衝装置におけるフリーピストンの変位に対する一方側流路の流路面積の変化を示した図である。
一実施の形態における緩衝装置Dは、図1および図2に示すように、シリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されシリンダ1内を2つの作動室である上室R1および下室R2に区画する隔壁部材たるピストン2と、一端がピストン2に連結されるピストンロッド15と、ピストン2に形成された上室R1および下室R2を連通する通路2a,2bと、ピストンロッド15の先端に固定されて圧力室R3を形成するハウジング4と、上記ハウジング4内に摺動自在に挿入されて圧力室R3を一方側流路5を介して一方の作動室たる下室R2に連通される一方室7と他方側流路6を介して他方の作動室たる上室R1に連通される他方室8とに区画するフリーピストン9と、フリーピストン9の圧力室R3に対する変位を抑制する附勢力を発生するバネ要素10とを備え、上室R1および下室R2さらには圧力室R3内には作動油等の液体が充満され、この緩衝装置Dの場合、シリンダ1内の図中下方には、シリンダ1の内周に摺接して下室R2と気体室Gとを区画する摺動隔壁30が設けられている。
また、上記した一方側流路5は、フリーピストン9の外周に形成されて一方室7へ連通される環状溝9dと、ハウジング4に形成されてフリーピストン9が中立位置にあるときにフリーピストン9の環状溝9dに対向し当該環状溝9dを介して下室R2を一方室7へ連通する二つの可変オリフィス11,12と、同じくハウジング4に形成されて下室R2と一方室7とを連通する固定オリフィス13とを備えて構成されている。
なお、シリンダ1の上端は、ピストンロッド15を摺動自在に軸支する図示しないヘッド部材で封止され、シリンダ1の下端もまた図示しないボトム部材によって封止されている。
以下、各部について詳細に説明すると、ピストンロッド15は、その図2中下端側に小径部15aが形成されるとともに、小径部15aの先端側には螺子部15bが形成されている。
そして、ピストンロッド15には、小径部15aの先端から開口しピストンロッド15の側部に抜ける他方側流路6が形成されている。なお、図示したところでは、この他方側流路6の途中には、抵抗となる弁要素図示はしないが、絞り等の減衰力発生要素を設けるようにしてもよい。
ピストン2は、環状に形成されるとともに、その内周側にピストンロッド15の小径部15aが挿入されている。また、このピストン2には、上室R1と下室R2とを連通する通路2a,2bが設けられ、通路2aの図中上端は減衰力発生要素である積層リーフバルブV1にて閉塞され、他方の通路2bの図中下端も減衰力発生要素である積層リーフバルブV2によって閉塞されている。
この積層リーフバルブV1,V2は、共に環状に形成され、内周側にはピストンロッド15の小径部15aが挿入され、積層リーフバルブV1,V2の撓み量をそれぞれ規制する環状のバルブストッパ16,17とともにピストン2に積層されている。
そして、積層リーフバルブV1は、緩衝装置Dの収縮時に下室R2と上室R1の差圧によって撓んで開弁し通路2aを開放して下室R2から上室R1へ移動する液体の流れに抵抗を与え、緩衝装置Dの伸長時には通路2aを閉塞するようになっており、他方の積層リーフバルブV2は、積層リーフバルブV1とは反対に緩衝装置Dの伸長時に通路2bを開放し、収縮時には通路2bを閉塞する。すなわち、積層リーフバルブV1は、緩衝装置Dの収縮時における圧側減衰力を発生する要素であり、他方の積層リーフバルブV2は、緩衝装置Dの伸長時における伸側減衰力を発生する要素である。このように、通路を一方通行とする場合には、緩衝装置Dのように、通路2a,2bを設けてそれぞれを緩衝装置Dの伸長時あるいは収縮時のみ液体が通過するように構成してもよく、また、通路が双方向流れを許容する場合には一つのみを設けるようにしてもよい。
そして、ピストンロッド15の螺子部15bには、上記バルブストッパ17の下方から圧力室R3を形成するハウジング4が螺着され、このハウジング4によって、上記したピストン2、積層リーフバルブV1,V2およびバルブストッパ16,17がピストンロッド15に固定されている。このように、ハウジング4は、内部に圧力室R3を形成するだけでなく、ピストン2をピストンロッド15に固定する役割をも果たしている。
このハウジング4について説明すると、ハウジング4は、ピストンロッド15の螺子部15bに螺合される鍔22付の内筒21と、上記鍔22の外周から延設される外筒23と、外筒23の開口部を閉塞するキャップ24とからなり、この内筒21、外筒23およびキャップ24で下室R2内に圧力室R3を画成している。
内筒21は、上述のように鍔22を備え、その内周には螺子部21aが形成され、この螺子部21aをピストンロッド15の螺子部15bに螺着することによって、ハウジング4をピストンロッド15の小径部15aに固定することが可能なようになっている。
そして、外筒23は、内筒21の鍔22の外周側からかしめ加工によって内筒21と一体とされている。なお、内筒21と外筒23との一体化に際し、上記かしめ加工以外にも溶接等の他の方法を採用することも可能である。また、外筒23の外周の断面形状を真円以外の形状、たとえば、一部を切欠いた形状や、六角形等の形状としておけば、ハウジング4をピストンロッド15の先端に螺着する作業が容易となる。
キャップ24は、鍔付有底筒状に形成され、外筒23の図中下端が鍔部分をかしめることによって外筒23の下端に固定され、また、その底部には、一方側流路5の一部を構成する固定オリフィス13が設けられている。なお、キャップ24は、製造容易のため、外筒23とは分離された部材とされているが、キャップ24と外筒23を一体の部材として構成してもよい。
そして、上記した内筒21、外筒23およびキャップ24で形成される圧力室R3内には、フリーピストン9が摺動自在に挿入され、このフリーピストン9によって圧力室R3内は、他方側流路6によって上室R1に連通される他方室8と、固定オリフィス13によって下室R2に連通される一方室7とに連通されている。
このフリーピストン9は、有底筒状に形成されてその筒部9aを外筒23の内周に摺接させており、また、底部9bにはキャップ24の方向に突出する凸部9cを備えている。
さらに、このフリーピストン9に、フリーピストン9の圧力室R3に対する変位量に比例してその変位を抑制する附勢力を作用させるバネ要素10として、内筒21の鍔22とフリーピストン9の底部9b内側との間、および、キャップ24とフリーピストン9の底部9b外側との間にそれぞれ、コイルバネ18,19を介装してあり、これらコイルバネ18,19によってフリーピストン9は圧力室R3内の所定の中立位置に位置決められた上で弾性支持されている。
コイルバネ18の図中下端は、フリーピストン9の筒部9aの最深部内周に嵌合されて半径方向に位置決められ、また、コイルバネ19の内周にフリーピストン9の凸部9cが挿通されることによって、著しい位置ずれが防止されており、これによって安定的にフリーピストン9に附勢力を作用させることが可能となり、また、フリーピストン9が外筒23に対し軸ぶれ等を起こして摺動抵抗が大きくなってしまうことが無いようになっている。
なお、フリーピストン9の筒部9aの内周は、その最深部に比較して拡径されており、これにより、コイルバネ18が圧縮されて巻線径が拡大した際にコイルバネ18の線材が筒部9aの内周に擦れることが無く、コンタミネーションの発生を防止している。
また、フリーピストン9は、筒部9aを外筒23の内周への摺接部としていることから、摺動部の軸方向長さの確保が容易で、これによっても、フリーピストン9の軸ぶれが抑制される。
そして、フリーピストン9には、その筒部9a外周に円周に沿って形成される環状溝9dが設けられ、さらに、フリーピストン9の肉厚内部を通り環状溝9dと一方室7とを連通する孔9eが設けられている。
また、外筒23の側部には、下室R2と外筒23内を連通する二つの可変オリフィス11,12が設けられており、この可変オリフィス11,12は、フリーピストン9がバネ要素10によって弾性支持されて中立位置にあるときには必ず上記環状溝9dに対向して一方室7と下室R2とを連通するとともに、フリーピストン9がストロークエンドまで変位する、すなわち、内筒21の下端あるいはキャップ24の鍔部に当接するまで変位するとフリーピストン9の筒部9aの外周に完全にオーバーラップされて閉塞されるようになっている。すなわち、この場合、一方側流路5は、環状溝9d、可変オリフィス11,12、孔9eおよび固定オリフィス13で構成されている。
また、各可変オリフィス11,12は、その軸線が、フリーピストン9の摺動方向となる上下方向に対して直交する面上に配置されており、また、可変オリフィス11における口径は、可変オリフィス12における口径より小さくなるように設定されている。さらに、各可変オリフィス11,12は、それぞれハウジング4の外周側となる外筒23の外周側が大径となるテーパ11a,12aを備えており、最小口径部位の軸方向長さ(図2中左右長さ)が短くなるようになっている。なお、固定オリフィス13も、ハウジング4の外周側となるキャップ24の外周側が大径となるテーパ13aを備えており、最小口径部位の軸方向長さ(図2中上下長さ)が短くなるようになっている。
つまり、この緩衝装置Dの場合、フリーピストン9が中立位置から変位して、大径の可変オリフィス12を閉塞し始めるときには、小径の可変オリフィス11については閉塞が開始されず、その後のフリーピストン9の変位量増加によって、大径の可変オリフィス12のみならず小径の可変オリフィス11も閉塞され始め、以後、まず小径の可変オリフィス11が完全に閉塞されて後に大径の可変オリフィス12が閉塞されるようになっている。すなわち、各可変オリフィス11,12は、それぞれ、フリーピストン9の外周による閉塞タイミングが異なるよう設定されているのである。
さらに、この実施の形態では、フリーピストン9の変位量の増加に伴って徐々に可変オリフィス11,12の流路面積が減少し、フリーピストン9がストロークエンドに達する以前に、可変オリフィス11,12が完全に筒部9aに対向して閉塞され、一方側流路5における流路抵抗が最大となり一方室7が固定オリフィス13のみによって下室R2に連通されるようになっている。
したがって、フリーピストン9の変位に対する一方側流路5における流路面積は、図3の線Zに示すように、可変オリフィス11におけるフリーピストン9の外周で閉塞されていない部分の面積(図中破線)と、可変オリフィス12におけるフリーピストン9の外周で閉塞されていない部分の面積(図中一点鎖線)と、固定オリフィス13の開口面積(図中二点差線)を合算したものとなる。したがって、フリーピストン9の中立位置からの所定量変位すると、その後の変異量の増加に対して、上記流路面積が漸減する。さらに、フリーピストン9がストロークエンド手前まで変位すると可変オリフィス11,12が完全に閉塞されるので、図3中左右端に可変オリフィス11,12が完全に閉塞される領域Y1,Y2が形成されて、この領域Y1,Y2では流路面積が最小値をとるようになる。
つまり、この緩衝装置Dの場合、フリーピストン9の中立位置からの変位量が大径の可変オリフィス12を閉塞し始める変位量となるときに、可変オリフィス11,12の開口全てが環状溝9dに対向する状況から筒部9aの外周に対向し始める状況に移行して徐々に大径の可変オリフィス12の流路面積が減少し始め、その後、同様に小径の可変オリフィス11も閉塞され始めて一方側流路5における流路抵抗が徐々に増加することになる。
なお、摺動隔壁30は、下室R2側に凹部を備えており、緩衝装置Dが最収縮した際には、上記ハウジング4のキャップ24の先端が上記凹部に侵入することを許容しており、単筒型に構成される緩衝装置Dにピストンロッド15の先端にハウジング4を設けることによるストローク長さのロスが、上記キャップ24の形状および摺動隔壁30の凹部によって緩和されることになる。
緩衝装置Dは以上のように構成されるが、続いて緩衝装置Dの作動について説明する。
(A)フリーピストン9における中立位置からの変位量が大径の可変オリフィス12を閉塞し始めない範囲内である場合
この場合、フリーピストン9は一方側流路5の抵抗を変化させることなく変位することが可能であるので、緩衝装置Dの減衰特性は、通路2a,2bの積層リーフバルブV1,V2が液体の流れに与える抵抗C1、他方側流路6が液体の流れに与える抵抗C2、一方側流路5における固定オリフィス13および可変オリフィス11,12が液体の流れに与える抵抗C3、フリーピストン9の受圧面積Aおよびバネ要素10のバネ定数K(この場合、コイルバネ18,19によって合成されるバネ定数)によって設定される。
すなわち、上記式(1)および式(2)における係数C1が通路2a,2bの積層リーフバルブV1,V2が液体の流れに与える抵抗で、係数C2が、他方側流路6が液体の流れに与える抵抗で、係数C3が一方側流路5における固定オリフィス13および可変オリフィス11,12が液体の流れに与える抵抗で決定されることになる。なお、この実施の形態の場合、式(1)、(2)において、差圧Pは上室R1と下室R2との差圧を示し、流量Qは上室R1から下室R2へ移動する流量を示し、流量Q1は通路2a,2bを通過する液体の流量を示し、流量Q2は上室R1から他方室8へ移動する液体の流量を示している。
そして、フリーピストン9における中立位置からの変位量が大径の可変オリフィス12を閉塞し始めない範囲内である場合、緩衝装置Dの周波数伝達関数G(jω)の周波数Fに対するゲイン特性は、図4のボード線図に示したように、Fa=K/{2・π・A・(C1+C2+C3)}とFb=K/{2・π・A・(C2+C3)}の2つの折れ点周波数を持ち、また、F<Faの領域においては、伝達ゲインは略C1となり、Fa≦F≦Fbの領域においてはC1からC1・(C2+C3)/(C1+C2+C3)まで漸減するように変化し、F>Fbの領域においてはC1・(C2+C3)/(C1+C2+C3)となる。
そして、上記から得られた周波数伝達関数G(jω)のゲイン特性を減衰係数ζに換算するために、|G(jω)|にピストン2の受圧面積Bを2乗したものを乗じると、周波数Fに対する減衰力の変化である減衰特性、位相Φと周波数Fとの関係は、図5に示すがごとくとなる。なお、減衰特性は図4中実線で示し、位相Φは図5中破線で示してある。
この図5から明らかなように、この緩衝装置Dは、周波数Fが折れ点周波数Faより低いときには、高い減衰力を発生し、周波数Fが折れ点周波数Fbより高いときには、低い減衰力を発生し、周波数Fが折れ点周波数Fa以上折れ点周波数Fb以下のときには、徐々に減衰力が漸減するような減衰特性を持つことが理解できよう。
したがって、折れ点周波数Fa,Fbは、上記したところから、係数C1,C2,C3と、フリーピストン9の受圧面積である断面積Aと、バネ要素10のバネ定数Kによって設定でき、また、減衰係数ζは、上記係数C1,C2,C3とピストン2の受圧面積Bによって設定することができるのであり、この緩衝装置Dにあっては、上記各関係の係数C1,C2,C3、フリーピストン9の受圧面積Aおよびバネ要素10のバネ定数Kによって減衰特性が設定されることになる。
そして、この係数C1,C2,C3は、上述の各流路の抵抗によって決まる値であることから、周波数Fに対する減衰係数ζの変化量の調整、および、折れ点周波数Fa,Fbの調整も容易となる。
すなわち、この緩衝装置Dの減衰力の変化を入力振動周波数に依存させることができ、また、その調整も非常に容易となるのであり、この緩衝装置Dにあっては、従来緩衝装置のように振幅の大小にて減衰特性を調整するのではなく、入力振動周波数に依存した減衰特性を出力するので、車両が路面の凹凸を乗り越えるような入力振動周波数が高い場面においては低い減衰力を確実に発生させることができ、また、車両が旋回中等の入力振動周波数が低い場面においては高い減衰力を確実に発生できる。
また、その減衰特性の調整が容易であることから、規格の異なる種々車両へ緩衝装置Dを適用する際、手探りでその車両にマッチした減衰特性を実現するような煩雑な調整作業の必要が無く、その設計、チューニングも容易となる。
さらに、複数の折れ点周波数Fa,Fbのうち最小値を採る折れ点周波数Fa以外の折れ点周波数Fb値を車両のバネ下共振周波数の値以下に設定する場合には、緩衝装置Dは、バネ下共振周波数の振動が入力されると、必ず、低い減衰力を発生することになるので、車両における乗り心地を損なうことが無い。
そして、入力振動周波数Fが折れ点周波数Fbを超える領域では、減衰係数ζの位相遅れが無くなる傾向となり、振動入力に対して減衰力の発生が遅れることなく追随するので、この点でも車両における乗り心地を損なうことがない。
また、最小値の折れ点周波数Faの値を車両のバネ上共振周波数の値以上であってバネ下共振周波数の値以下に設定されるようにすることで、緩衝装置Dは、バネ上共振周波数の振動の入力に対して、確実に高い減衰力を発生することができ、車両の姿勢を安定させて、車両旋回時に、搭乗者に不安を感じさせることを防止でき、また、折れ点周波数Faより低い周波数領域では減衰係数ζの位相遅れが無くなる傾向となり、振動入力に対して減衰力の発生が遅れることなく追随するので、この点でも、搭乗者に違和感や不安を与えることがない。
(B)フリーピストン9の中立位置からの変位量が一方側流路5の流路抵抗を増加させる範囲内である場合の動作
転じて、フリーピストン9の中立位置からの変位量が可変オリフィス11,12の一方または両方を閉塞し始めて一方側流路5の流路抵抗を増加させる場合における緩衝装置Dの動作について説明する。この場合、可変オリフィス11,12の一方または両方は、フリーピストン9の変位量に応じて、徐々に流路面積を小さくし、フリーピストン9がストロークエンドに付近まで到達すると完全に閉塞されて流路面積を固定オリフィス13の流路面積と同じくして最小とする。
つまり、フリーピストン9が大径の可変オリフィス12を閉塞し始めた後は変位量に応じて一方側流路5の流路抵抗を徐々に大きくし、フリーピストン9がストロークエンド付近に到達すると流路抵抗が最大となる。
ここで、フリーピストン9がストロークエンドまで変位するのは、一方室7もしくは他方室8への液体の流出入量が多い場合であり、具体的には、緩衝装置Dの振動の振幅が大きい場合である。
緩衝装置Dの振動周波数が比較的高い場合、緩衝装置Dは、フリーピストン9が大径の可変オリフィス12を閉塞し始める位置へ変位するまでは、比較的低い減衰力を発生しているが、フリーピストン9が大径の可変オリフィス12を閉塞し始める位置を越えて変位するようになると、徐々に一方側流路5の流路抵抗が徐々に大きくなっていくので、フリーピストン9のそれ以上のストロークエンド側への移動速度が減少されて、圧力室R3を介しての上室R1と下室R2との液体の移動量も減少し、その分通路2a,2bを通過する液体量が増加することになり、緩衝装置Dの発生減衰力は徐々に大きくなっていく。
そして、フリーピストン9がストロークエンドに達すると、それ以上、圧力室R3を介して上室R1と下室R2との液体の移動はなくなり、緩衝装置Dの伸縮方向を転ずるまでは液体は通路2a,2bのみを通過することになり、緩衝装置Dは、最大の減衰係数で減衰力を発生することになる。
すなわち、フリーピストン9がストロークエンドまで変位してしまうような高周波数で大振幅の振動が緩衝装置Dに対し入力されても、フリーピストン9の中立位置からの変位量が任意の変位量を超えるとフリーピストン9がストロークエンドに達するまでに緩衝装置Dは徐々に発生減衰力を大きくするので、低い減衰力から急激に高い減衰力に変化することが無くなる。つまり、フリーピストン9がストロークエンドに達して圧力室R3内と下室R2との液体の交流ができなくなるときに急激に減衰力の大きさが変化してしまうことがなくなり、低減衰力から高減衰力への減衰力変化がなだらかとなる。さらに、フリーピストン9が圧力室R3における両端側のストロークエンドまで到る際に、徐々に発生減衰力を大きくするので、減衰力の急激な変化を抑制する機能は、緩衝装置Dの伸圧の両行程で発揮される。
したがって、この緩衝装置Dにあっては、高周波数で振幅が大きい振動が入力されても、発生減衰力がなだらかに変化することになって、搭乗者に減衰力の変化によるショックを知覚させずにすみ、車両における乗り心地を向上することができ、特に、急激な減衰力変化によって車体が振動しボンネットが共振して異音が発生してしまう事態も防止でき、この点でも車両における乗り心地を向上することができる。
さらに、フリーピストン9の変位に応じて一方側流路5の流路抵抗を徐々に増加させるのに、各可変オリフィス11,12の閉塞タイミングを異なるようにしているので、可変オリフィスの形状を複雑な形状にせずともよく、この閉塞タイミングを異ならしめるに際しても複数の可変オリフィスのうち最低一つの口径を他の可変オリフィスと異なる径に設定しておけばよいので、可変オリフィスの設置も簡単であって、加工コストも安価である。
また、フリーピストン9がストロークエンドに達する前に各可変オリフィス11,12が完全に閉塞されるように設定されているので、フリーピストン9がストロークエンドに達するような状況となっても、減衰力変化が急激となるようなことが無い。すなわち、フリーピストン9がストロークエンドに達しても可変オリフィス11,12のいずれかが開放された状態となってフリーピストン9の移動が急となって緩衝装置Dの発生減衰力の変化が大きくなる傾向となるが、このような不具合の発生が防止されるのである。さらに、図3に示したように、フリーピストン9の両側のストロークエンドの近傍からストロークエンドに到達する前に領域Y1,Y2において、可変オリフィス11,12が完全に閉塞されるようになっているから、可変オリフィス11,12の口径、開穿位置、環状溝9dの位置や幅に多少の寸法誤差があっても、確実に可変オリフィス11,12をストロークエンドで閉塞することが可能となるため、緩衝装置Dの減衰力変化が伸縮両行程で均一となるばかりでなく、製品毎にばらつきが生じる事を防止でき、さらには、狙い通りに減衰力変化をなだらかにできない等の不具合の発生を阻止することができる。
そして、さらに、可変オリフィス11,12および固定オリフィス13には、それぞれ、テーパ11a,12a,13aを設けているので、可変オリフィス11,12および固定オリフィス13のテーパ11a,12a,13aに連なる円筒径状孔部分の軸方向長さを短くすることができ、液体の動粘度が変化する事態となっても、可変オリフィス11,12および固定オリフィス13の液体の流れに与える抵抗が変化しにくくなるので、緩衝装置Dにおける周波数に対する減衰力の変化である減衰特性も変化しにくくなり、安定した減衰特性を実現することができ緩衝装置Dの実用性が向上することになる。
また、この緩衝装置Dにあっては、フリーピストン9がバネ要素10によって、フリーピストン5を中立位置に戻す附勢力が作用しているので、必要な時に減衰力の急激な変化を抑制する機能を発揮できないという事態を回避することができる。
さらに、この緩衝装置Dにあっては、フリーピストン9が圧力室R3における両端側のストロークエンドまで到る際に、徐々に一方側流路5の流路抵抗を変化させて大きくするので、緩衝装置が伸縮するたびに減衰力の急激な変化を抑制する機能が変動してしまうことがなく、搭乗者に違和感を与えることもない。
そして、さらに、上記減衰力の急激な変化を抑制する機能を達成するのに、クッションやプランジャを用いず、徐々に一方側流路5の流路抵抗を変化させて大きくするので、設計も非常に容易となる。
また、可変オリフィス11,12を二つ設けているが、三つ以上としてもよく、その場合には、いずれか一つの可変オリフィスの口径を他の可変オリフィスの口径と異なるようにしておけば、少なくとも一つの可変オリフィスの閉塞タイミングを他の可変オリフィスの閉塞タイミングと異なるように設定でき、一方側流路5の流路面積をフリーピストン9の中立位置からの変位の増加に伴ってなだらかに減少させることができる。
最後に、一実施の形態の変形例における緩衝装置D1について説明する。この緩衝装置D1にあっては、図6に示すように、緩衝装置Dと可変オリフィス25,26の構成が異なるのみで他の部位については異なることが無いので、この異なる部位について説明することとし、同じ部位については同じ符号を付するのみとしてその詳しい説明を省略する。
この緩衝装置D1は、図6に示すように、外筒23に形成される可変オリフィス25,26は、口径は同一とされているものの、フリーピストン9の摺動方向にずらして配置されている。
この変形例の場合にあっても、フリーピストン9が中立位置では、可変オリフィス25,26は環状溝9dに対向して閉塞されることがなく、フリーピストン9が中立位置から図6中上方へ変位していくと、可変オリフィス26がまず閉塞され始め、つづいて、その後の上方への変位で可変オリフィス25が閉塞されるようになる。反対に、フリーピストン9が中立位置から図6中下方へ変位していくと、可変オリフィス25がまず閉塞され始め、つづいて、その後の下方への変位で可変オリフィス26が閉塞されるようになる。
そして、この変形例にあっても、一方側流路5は、固定オリフィス13と、可変オリフィス25,26と環状溝9dで形成されており、したがって、フリーピストン9の変位に対する一方側流路5における流路面積は、図7の線Z1に示すように、可変オリフィス25におけるフリーピストン9の外周で閉塞されていない部分の面積(図中破線)と、可変オリフィス26におけるフリーピストン9の外周で閉塞されていない部分の面積(図中一点鎖線)と、固定オリフィス13の開口面積(図中二点差線)を合算したものとなる。したがって、フリーピストン9の中立位置からの所定量変位すると、その後の変異量の増加に対して、上記流路面積が漸減する。さらに、フリーピストン9がストロークエンド手前まで変位すると可変オリフィス25,26が完全に閉塞されるので、図7中左右端に可変オリフィス25,26が完全に閉塞される領域Y3,Y4が形成されて、この領域Y3,Y4では流路面積が最小値をとるようになる。
なお、この実施の形態の場合、可変オリフィス25,26は、フリーピストン9の中立位置を中心として上下方向に対称な位置に開穿されているので、図7に示した線Z1は、ストローク中心である中立位置を境に一方側流路5における流路面積は左右対称となっているが、可変オリフィス25,26の開穿位置とフリーピストン9の中立位置との上下方向距離と異ならしめるようにすることもできる。
上述したところから理解できるように、この変形例にあっても、可変オリフィス25,26をフリーピストン9の摺動方向にずらして配置することで、各可変オリフィス25,26の閉塞タイミングを異なるようにしているので、一実施の形態と同様に、フリーピストン9における中立位置からの変位量が各可変オリフィス25,26を閉塞し始めない範囲内である場合には、緩衝装置D1の減衰力の変化を入力振動周波数に依存させることができ、また、その調整も非常に容易となるのであり、この緩衝装置D1にあっては、従来緩衝装置のように振幅の大小にて減衰特性を調整するのではなく、入力振動周波数に依存した減衰特性を出力するので、車両が路面の凹凸を乗り越えるような入力振動周波数が高い場面においては低い減衰力を確実に発生させることができ、また、車両が旋回中等の入力振動周波数が低い場面においては高い減衰力を確実に発生できる。
また、その減衰特性の調整が容易であることから、規格の異なる種々車両へ緩衝装置D1を適用する際、手探りでその車両にマッチした減衰特性を実現するような煩雑な調整作業の必要が無く、その設計、チューニングも容易となる。
さらに、この変形例における緩衝装置D1においても、フリーピストン9がストロークエンドに達して圧力室R3内と下室R2との液体の交流ができなくなるときに急激に減衰力の大きさが変化してしまうことがなく、低減衰力から高減衰力への減衰力変化がなだらかとなり、フリーピストン9が圧力室R3における両端側のストロークエンドまで到る際に、徐々に発生減衰力を大きくするので、減衰力の急激な変化を抑制する機能は、緩衝装置D1の伸圧の両行程で発揮される。
したがって、この緩衝装置D1にあっても、高周波数で振幅が大きい振動が入力されても、発生減衰力がなだらかに変化することになって、搭乗者に減衰力の変化によるショックを知覚させずにすみ、車両における乗り心地を向上することができ、特に、急激な減衰力変化によって車体が振動しボンネットが共振して異音が発生してしまう事態も防止でき、この点でも車両における乗り心地を向上することができる。
さらに、可変オリフィス25,26をフリーピストン9の摺動方向にずらして配置することで、各可変オリフィス25,26の閉塞タイミングを異なるようにしているので、可変オリフィスの形状を複雑な形状にせずともよく、この閉塞タイミングを異ならしめるに際しても複数の可変オリフィスのうち最低一つを他の可変オリフィスの開穿位置とずらしておけばよいので、可変オリフィスの設置も簡単であって、加工コストも安価である。
また、この可変オリフィス25,26にあっても、外筒23の外周側が大径となるテーパ25a,26aを備えているので、液体の動粘度変化の影響を受けにくくなっている。
さらに、この一実施の形態の変形例においては、可変オリフィス25,26の口径を同じに設定しているが、異なる口径に設定してもよい。また、可変オリフィス25,26を二つ設けているが、三つ以上としてもよく、その場合には、いずれか一つの可変オリフィスを他の可変オリフィスの位置をフリーピストン9の摺動方向にずらすようにすれば、少なくとも一つの可変オリフィスの閉塞タイミングを他の可変オリフィスの閉塞タイミングと異なるように設定でき、一方側流路5の流路面積をフリーピストン9の中立位置からの変位の増加に伴ってなだらかに減少させることができる。
なお、各実施の形態における緩衝装置は、いわゆる単筒型の緩衝器として構成されているが、これをシリンダの外方にシリンダを覆うように形成される環状のリザーバを備えた複筒型の緩衝器として構成されてもよいし、また、シリンダの外方に全く別体のリザーバタンクを備えた緩衝器として構成とされてもよい。
また、各実施の形態では、圧力室がシリンダ内に形成されているが、シリンダ外に設けることも可能である。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
一実施の形態における具体的な緩衝装置の縦断面図である。 一実施の形態における緩衝装置のピストン部の拡大縦断面図である。 一実施の形態の緩衝装置におけるフリーピストンの変位に対する一方側流路の流路面積の変化を示した図である。 流量に対する圧力の周波数伝達関数のゲイン特性を示したボード線図である。 減衰係数、位相と周波数との関係を示した図である。 一実施の形態の変形例における緩衝装置のピストン部の拡大縦断面図である。 一実施の形態の変形例の緩衝装置におけるフリーピストンの変位に対する一方側流路の流路面積の変化を示した図である。
符号の説明
1 シリンダ
2 ピストン
2a,2b 通路
4 ハウジング
5 一方側流路
6 他方側流路
7 一方室
8 他方室
9 フリーピストン
9a フリーピストンにおける筒部
9b フリーピストンにおける底部
9c フリーピストンにおける凸部
9d フリーピストンにおける環状溝
9e フリーピストンにおける孔
10 バネ要素
11,12,25,26 可変オリフィス
11a,12a,13a,25a,26a テーパ
13 固定オリフィス
15 ピストンロッド
15a ピストンロッドにおける小径部
15b ピストンロッドにおける螺子部
16,17 バルブストッパ
18,19 バネ要素たるコイルバネ
21 ハウジングにおける内筒
21a 内筒における螺子部
22 内筒における鍔
23 ハウジングにおける外筒
24 ハウジングにおけるキャップ
30 摺動隔壁
D,D1 緩衝装置
G 気体室
R1 他方の作動室たる上室
R2 一方の作動室たる下室
R3 圧力室
V1,V2 積層リーフバルブ

Claims (6)

  1. シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されシリンダ内を2つの作動室に区画する隔壁部材と、2つの作動室を連通する通路と、圧力室を形成するハウジングと、上記ハウジング内に摺動自在に挿入されて圧力室を一方側流路を介して一方の作動室に連通される一方室と他方側流路を介して他方の作動室に連通される他方室とに区画するフリーピストンと、フリーピストンの圧力室に対する変位を抑制する附勢力を発生するバネ要素とを備えた緩衝装置において、一方側流路は、フリーピストンの外周に形成されて一方室へ連通される環状溝と、ハウジングに形成されてフリーピストンが中立位置にあるときにフリーピストンの環状溝に対向し当該環状溝を介して一方の作動室を一方室へ連通する複数の可変オリフィスと、同じくハウジングに形成されて一方の作動室と一方室とを連通する固定オリフィスとを有してなり、各可変オリフィスのうち少なくとも一つのフリーピストンの外周による閉塞タイミングが他の可変オリフィスの閉塞タイミングと異なるよう設定されてなることを特徴とする緩衝装置。
  2. 各可変オリフィスは、ハウジングのフリーピストンの摺動方向に対して直交する面上に配置されるとともに、一つの可変オリフィスの口径は少なくとも他の可変オリフィスの口径を異なるよう設定されてなる請求項1に記載の緩衝装置。
  3. 各可変オリフィスのうち少なくとも一つは、他の可変オリフィスとフリーピストンの摺動方向にずらして配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の緩衝装置。
  4. フリーピストンがストロークエンドに達する前に各可変オリフィスが完全に閉塞されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の緩衝装置。
  5. 可変オリフィスおよび固定オリフィスは、ハウジング外周側が大径となるテーパを備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の緩衝装置。
  6. ハウジングは、ピストンロッドに螺合されてピストンロッドに嵌合される隔壁部材を該ピストンロッドに固定する鍔付の内筒と、上記鍔の外周から延設される外筒と、外筒の開口部を閉塞するキャップとを備えて圧力室を形成し、圧力室内には外筒の内周に摺接するフリーピストンが挿入されてなり、可変オリフィスは外筒に形成されてなることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の緩衝装置。
JP2007052556A 2007-03-02 2007-03-02 緩衝装置 Active JP4768648B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007052556A JP4768648B2 (ja) 2007-03-02 2007-03-02 緩衝装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007052556A JP4768648B2 (ja) 2007-03-02 2007-03-02 緩衝装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008215459A true JP2008215459A (ja) 2008-09-18
JP4768648B2 JP4768648B2 (ja) 2011-09-07

Family

ID=39835740

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007052556A Active JP4768648B2 (ja) 2007-03-02 2007-03-02 緩衝装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4768648B2 (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011220490A (ja) * 2010-04-13 2011-11-04 Kyb Co Ltd 緩衝装置
CN102537183A (zh) * 2010-12-28 2012-07-04 日立汽车系统株式会社 衰减力调节式缓冲器
CN102734373A (zh) * 2011-03-31 2012-10-17 日立汽车系统株式会社 缓冲器
JP2012197820A (ja) * 2011-03-18 2012-10-18 Kyb Co Ltd 緩衝装置
JP2012197905A (ja) * 2011-03-23 2012-10-18 Kyb Co Ltd 緩衝装置
JP2013113415A (ja) * 2011-11-30 2013-06-10 Hitachi Automotive Systems Ltd 緩衝器
JP2013113306A (ja) * 2011-11-25 2013-06-10 Kyb Co Ltd 緩衝装置
JP2013190011A (ja) * 2012-03-13 2013-09-26 Kyb Co Ltd 緩衝装置
WO2014024798A1 (ja) 2012-08-06 2014-02-13 カヤバ工業株式会社 緩衝装置
JP2014031853A (ja) * 2012-08-06 2014-02-20 Kayaba Ind Co Ltd 緩衝装置
JP2014181737A (ja) * 2013-03-19 2014-09-29 Kayaba Ind Co Ltd 緩衝装置
WO2015041298A1 (ja) 2013-09-19 2015-03-26 カヤバ工業株式会社 緩衝装置
JP2016104997A (ja) * 2014-12-01 2016-06-09 Kyb株式会社 緩衝器
US9644703B2 (en) 2013-01-25 2017-05-09 Kyb Corporation Shock absorber
DE112016003321T5 (de) 2015-07-23 2018-05-03 Kyb Corporation Stossdämpfer

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03157532A (ja) * 1989-11-16 1991-07-05 Atsugi Unisia Corp 減衰力可変型緩衝器
JPH04160242A (ja) * 1990-10-22 1992-06-03 Tokico Ltd 油圧緩衝器

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03157532A (ja) * 1989-11-16 1991-07-05 Atsugi Unisia Corp 減衰力可変型緩衝器
JPH04160242A (ja) * 1990-10-22 1992-06-03 Tokico Ltd 油圧緩衝器

Cited By (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011220490A (ja) * 2010-04-13 2011-11-04 Kyb Co Ltd 緩衝装置
CN102537183A (zh) * 2010-12-28 2012-07-04 日立汽车系统株式会社 衰减力调节式缓冲器
JP2012140981A (ja) * 2010-12-28 2012-07-26 Hitachi Automotive Systems Ltd 減衰力調整式緩衝器
JP2012197820A (ja) * 2011-03-18 2012-10-18 Kyb Co Ltd 緩衝装置
JP2012197905A (ja) * 2011-03-23 2012-10-18 Kyb Co Ltd 緩衝装置
CN102734373A (zh) * 2011-03-31 2012-10-17 日立汽车系统株式会社 缓冲器
JP2013113306A (ja) * 2011-11-25 2013-06-10 Kyb Co Ltd 緩衝装置
JP2013113415A (ja) * 2011-11-30 2013-06-10 Hitachi Automotive Systems Ltd 緩衝器
JP2013190011A (ja) * 2012-03-13 2013-09-26 Kyb Co Ltd 緩衝装置
JP2014031853A (ja) * 2012-08-06 2014-02-20 Kayaba Ind Co Ltd 緩衝装置
WO2014024798A1 (ja) 2012-08-06 2014-02-13 カヤバ工業株式会社 緩衝装置
US9644703B2 (en) 2013-01-25 2017-05-09 Kyb Corporation Shock absorber
DE112014000554B4 (de) 2013-01-25 2022-09-01 Kyb Corporation Stoßdämpfer
JP2014181737A (ja) * 2013-03-19 2014-09-29 Kayaba Ind Co Ltd 緩衝装置
WO2015041298A1 (ja) 2013-09-19 2015-03-26 カヤバ工業株式会社 緩衝装置
JP2015059621A (ja) * 2013-09-19 2015-03-30 カヤバ工業株式会社 緩衝装置
CN105556161A (zh) * 2013-09-19 2016-05-04 Kyb株式会社 缓冲装置
US9834054B2 (en) 2013-09-19 2017-12-05 Kyb Corporation Shock absorber
KR101806755B1 (ko) 2013-09-19 2017-12-07 케이와이비 가부시키가이샤 완충 장치
JP2016104997A (ja) * 2014-12-01 2016-06-09 Kyb株式会社 緩衝器
WO2016088629A1 (ja) * 2014-12-01 2016-06-09 Kyb株式会社 緩衝器
DE112016003321T5 (de) 2015-07-23 2018-05-03 Kyb Corporation Stossdämpfer

Also Published As

Publication number Publication date
JP4768648B2 (ja) 2011-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4768648B2 (ja) 緩衝装置
JP4996952B2 (ja) 緩衝装置
JP4644572B2 (ja) 緩衝装置
JP4726049B2 (ja) 緩衝装置
JP6108550B2 (ja) 緩衝装置
JP4909767B2 (ja) 緩衝装置
JP4909765B2 (ja) 緩衝装置
JP5466437B2 (ja) 緩衝装置
WO2016088629A1 (ja) 緩衝器
JP5603817B2 (ja) 緩衝装置
JP2012052630A (ja) 緩衝装置
JP5878840B2 (ja) 緩衝装置
JP4939308B2 (ja) 緩衝装置
JP4988031B2 (ja) 緩衝装置
JP2013007425A (ja) 緩衝装置
JP5690179B2 (ja) 緩衝装置
JP4909766B2 (ja) 緩衝装置
JP4988030B2 (ja) 緩衝装置
JP2010196842A (ja) 緩衝装置
JP5870427B2 (ja) 緩衝装置
JP5166334B2 (ja) 緩衝装置
JP5831977B2 (ja) 緩衝装置
JP2013113306A (ja) 緩衝装置
JP5909538B2 (ja) 緩衝装置
JP5640133B2 (ja) 緩衝装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090831

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100826

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110310

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110329

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110614

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110616

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4768648

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140624

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350