JP2008215454A - ころ軸受及びその取付構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 組立性が容易で、かつ、通常使用することができない円筒形状から歪んでしまった形状の外輪をそのまま使用することができるころ軸受及びその取付構造を提供する。
【解決手段】 内周面にころ4を受け止める軌道面を有するとともに、周方向に2分割され、それらの分割片を組合せることによって円筒形状に形成された外輪20を含むころ軸受1であって、分割片2,3は、外輪20を構成することとなる円筒素材がアキシャル方向において切断されることにより分割されて形成されており、その一対の分割片2,3の対向する分割面の各々には、分割面から周方向に向けて切り欠かれた切欠凹部2H,3Hが設けられ、切欠凹部2H,3Hが、分割片2,3を組合せて外輪20を形成する際の位置決めピン挿入のための挿通孔を形成する挿通孔形成部として構成されることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ころ軸受及びその取付構造に関する。
一般に、例えばエンジンにおけるピストンとクランクシャフトをつなぐ連接棒であるコネクティングロッド(以下、コンロッドと略称する)の大端部は、軸受を挟んでクランクシャフトに結合されている。そして、軸受は、クランクシャフトの特性上、例えば二つに分割した分割軸受輪(外輪)が使用される。
ところで、分割軸受輪は、分割した分割面が直線的に形成されると組付け時において互いに軸線方向にずれが生じ易く取り扱いがよくない。このため、軸線方向に対して例えばS字形状などの湾曲や屈曲させた分割面となることが望まれている。そこで、特許文献1記載の技術は、軸受輪の外周面に割りを誘因する凹所を形成し、その凹所を狙って加圧治具で軸受輪を加圧することで、凹所に沿って二つの分割片に分割する分割方法を開示している。また、特許文献2記載の技術は、端部を長さ方向に凹凸形状をなす帯状の金属板を湾曲させて半円形状の分割片を形成する方法を開示している。
特開昭54−163247号公報 特開2005−337352号公報
しかしながら、割り加工は、不安定であり同一の分割面をコントロールして形成することが困難であるため、例えば片方のみに不良が生じたとしても、他のもので補うこともできずコスト高となってしまう。一方、帯状の金属板の形態で端部を切断することでその分割面を軸線方向にずれが生じにくい所望する形状で得ることができるが、その金属板を半円形状に湾曲させることは煩雑である。
そこで、軸受輪を割り加工ではなく切断加工によって、分割軸受輪を形成する方法が考えられる。しかしながら、図10(10−1)に示すように、例えば円形形状の軸受輪100をワイヤカット放電加工などにより直線Uに沿って切断すると、軸受輪100は2つの分割片101,101に分割される(図10(10−2)参照)が、このとき被切断部101aがワイヤによって削り取られる(なくなる)。したがって、図10(10−3)に示すように、2つの分割片101,101を再び組合せると被切断部101aがなくなっているので、分割前の軸受輪100の形状から歪んだ楕円形状となってしまう。2つの分割片101,101を組合せた状態で保持することができないため、外周面を円形形状に研磨加工することが出来ず、この状態ではころ軸受の外輪として使用することができないというジレンマがある。
本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、組立性が容易で、かつ、通常使用することができない円筒形状から歪んでしまった形状の外輪をそのまま使用することができるころ軸受及びその取付構造を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記課題を解決するために、本発明のころ軸受は、
内周面にころを受け止める軌道面を有するとともに、周方向に2分割され、それらの分割片を組合せることによって円筒形状に形成された外輪を含むころ軸受であって、
分割片は、外輪を構成することとなる円筒素材がアキシャル方向において切断されることにより分割されて形成されており、
その一対の分割片の対向する分割面の各々には、分割面から周方向に向けて切り欠かれた切欠凹部が設けられ、
切欠凹部が、分割片を組合せて外輪を形成する際の位置決めピン挿入のための挿通孔を形成する挿通孔形成部として構成されることを特徴とする。
そして、上記課題を解決するために、本発明のころ軸受の取付構造は、
上記構成を有するころ軸受の外輪に形成された切欠凹部により形成される挿通孔に位置決めピンが挿通されたことを特徴とする。
これらの本発明によれば、分割された一対の分割片には、分割面から周方向に向けて切り欠かれた切欠凹部が設けられている。そして、この切欠凹部は、位置決めピン挿入のための挿通孔を形成する挿通孔形成部として構成される。これによれば、一対の分割片による対向する分割面それぞれに切欠凹部が形成されているので、対向する切欠凹部を挿通孔形成部として一つの位置決めピンに係合可能となり、互いの分割片が相手側に依存せず位置決めを行なうことができる。
したがって、例えば上記したように切断加工により切断代がなくなり、再度組合せても切断前の円筒形状とならない場合などの、一対の分割片を組合せたときに生ずる歪みを位置決めピンで補うことができる。すなわち、対向する分割面が位置決めピンで周方向にオフセットされることにより、外輪を円筒形状に形成することが可能となる。ひいては、分割片の端部に切欠凹部を形成するという簡単な構造で、分割手段として切断加工を施すことが可能となり、自由度ある分割面を有する2分割された外輪を含むころ軸受を得ることが可能となる。
また、このようなころ軸受における一対の分割片は、外輪を実質的に等しい半円筒状に分割されて形成されるとともに、各分割片には、対向配置される周方向両端の分割面に切欠凹部を設けることができる。これにより、一対の分割片が対称形態となるように外輪を形成することが可能となり、ころによる応力集中を抑制又は防止することができる。
また、分割片は、円筒素材がアキシャル方向において所定の振れ幅で蛇行又は屈曲する分割線で分割されて形成されている。これにより、分割片を組合せたときに、軸方向のずれが生じ難く、容易に一体化した状態を保持することができる。ひいては、持ち運びや組み付けなどの作業性が向上する。
また、切欠凹部は、円筒素材において位置決めピンが挿通可能な径方向に貫通する貫通孔が形成され、該貫通孔を通る分割線で円筒素材が切断されて形成されるようにすることができる。これにより、切断する前に位置決めピンに対応する貫通孔を形成するので、高精度な切欠凹部を簡単に形成することができる。また、切欠凹部が径方向に沿う溝状形態で形成されるので、位置決めピンが挿入された際には軸方向へのずれを規制する効果がある。
そして、その切欠凹部は、アキシャル方向に沿って複数形成することができる。これにより、各切欠凹部に対応する位置決めピンが挿入されるので、分割片が安定して取り付けられる。ひいては、ハウジング(取付場所の固定部)との熱膨張や熱収縮などによる変形が発生した場合にも均等化させることができる。
また、一対の分割片には、内周面と分割面とが隣接する連結部に面取りが施されている。また、その連結部近傍の内周面を軌道面よりも外側に位置するように薄肉化することができる。これらのうちいずれか一方又は両方を実施することにより、この対向する分割面の位置をころが通過するときに滑らかに転がり、ころが連結部に引っ掛かる(乗り上げ等)の異音発生を抑制又は防止できる。
また、一対の分割片の対向する分割面の間に弾性部材を装填することができる。すなわち、位置決めピンによって形成される対向する分割面における隙間に弾性部材を装填することで、隙間がなくなり、例えば潤滑油を偏りなく全体に供給することができる。
見方を換えてみれば、本発明のころ軸受の取付構造の態様は、
内周面にころを受け止める軌道面を有するとともに、周方向に2分割され、それらの分割片を組合せることによって円筒形状に形成された外輪を含むころ軸受の取付構造であって、
外輪は、所定の取付場所の固定部に固定され、一対の分割片の対向する分割面の間に固定部に設けられた位置決め部材が配置され、該位置決め部材により対向する分割面が周方向にオフセットされて円筒形状に形成されていることを特徴とする。
これにより、位置決め部材が一対の分割片の対向する分割面の間に配置されるので、各分割面が対向するようにその位置決め部材の存在分周方向に離間する。そして外輪が円筒形状に形成される。換言すれば、対向する分割面間に位置決め部材が介入しなければ、外輪は円筒形状に形成されず、ころ軸受として機能を発揮することができない。すなわち、切断代が削り取られる切断加工により分割形成した分割片を組合せた外輪において特に有効である。
以下、本発明に係るころ軸受の実施形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施形態に係るころ軸受の一例を示す側面図及び一部省略した分解斜視図、図2はころ軸受をクランクシャフト及びコンロッド大端部の間に組み込む状態を示す分解斜視図、図3は図2において組み込んだ状態を示す断面図、図4は図3の取付状態を説明する概略斜視図及びその縦断面図、要部拡大断面図である。
図1に示すごとく、ころ軸受1は、周方向に二分割された略半筒形状をなす一対の分割片2,3で形成される二分割外輪20(以下、外輪と略称する)と、その外輪20の内側に配置され、該一対の分割片2,3の内周面を軌道面とする複数のころ4と、各ころ4を保持する半円筒形状をなす一対の保持器5,6とを備えている。保持器5,6には、ラジアル方向の内外に貫通するポケット部Pが周方向に沿って等間隔で複数設けられ、その各ポケット部P内にころ4がそれぞれ収容されている。
このような二つ割りされたころ軸受1は、図2に示すように、例えば自動車等の車両のエンジンにおけるクランクジャーナル71やクランクピン72、カウンターウエイト73等を備えるクランクシャフト7にコンロッド9を結合する際に用いられる。すなわち、軸方向から圧入等して取付場所に配置する一体軸受を用いることができない場合に用いられる。具体的には、コンロッド9の大端部9Bとクランクピン72との間に介装される(図3参照)。なお、コンロッド9は、クランクシャフト7とピストン8とを繋ぐ連接棒であり、ピストン8の往復運動をクランクシャフト7の回転運動に変換する役割を担う。
コンロッド9は、クランクピン72(クランクシャフト7)に結合される大端部9Bとピストン8に連結される小端部(図示せず)とを両端に備える。コンロッド9は、小端部(図示せず)と大端部9Bの一部と、それらを連結するロッド9Rを含む本体部91と、大端部9Bの残りを形成するキャップ部92と、キャップ部92を本体部91に固定するナット93とを備える。そして、本体部91には、ナット93に対応するボルト91bが形成されており、キャップ部92に形成されたボルト挿通孔92bを介して締結される。
図3に示すように、大端部9Bには、本体部91に設けられた略半円形状を呈する凹部91aと、キャップ部92に設けられた略半円形状を呈する凹部92aとが組み合わさった状態でころ軸受1が保持されている。すなわち、一対の分割片2,3で構成される外輪20がコンロッド9と一体的に回転するとともに、クランクピン72が内輪として相対回転可能に連結されている。
図1に戻り、外輪20について詳しく説明する。なお、図中上側の分割片を第1分割片2、下側の分割片を第2分割片3として説明する。外輪20は、上記の如く、実質的に等しい半円筒形状をなす第1及び第2分割片2,3で形成されている。その第1及び第2分割片2,3は、外輪20を構成することとなる軸受輪(円筒素材)がアキシャル方向において切断されることにより分割されて形成されている。
そして、外輪20は、図1(a)に示すように、第1及び第2分割片2,3が相互の周方向の両端面、具体的には第1分割片2における分割面2a,2bと第2分割片3の分割面3b,3aとが合掌状態に対向配置されて組合わされ、円筒形状に形成されている。
図1(b)に示すように、第1分割片2の分割面2a,2bには、アキシャル方向に複数(例えば、2つ)周方向に向けて切り欠かれた切欠凹部2h,2i,2j,2k(以下、まとめて切欠凹部2Hともいう)が設けられている。一方、分割面2a,2bに対向配置される第2分割片3の分割面3a,3bには、アキシャル方向に複数(例えば、2つ)周方向に向けて切か欠かれた切欠凹部3h,3i,3j,3k(以下、まとめて切欠凹部3Hともいう)が設けられている。これら切欠凹部2H,3Hが、第1及び第2分割片2,3を組合せて外輪20を形成する際の位置決めピン9P(図4参照)挿入のための挿通孔25(図4(a)参照)を形成する挿通孔形成部として構成されている。
また、第1及び第2分割片2,3は、アキシャル方向において所定の振れ幅で蛇行又は屈曲する非直線形状の分割線で分割されて形成されている。これにより、組み付ける際の軸線方向に対してのずれを効果的に抑制又は防止することができる。本実施例では、図1(b),図4(b)に示すように、外輪20において、各分割線がV字形状となるように一方が周方向に突出し、もう一方が凹むように形成されている。
また、第1分割片2には、内周面2cと分割面2a,2bとが隣接する連結部2dに面取りが施されている。同様に第2分割片3には、内周面3cと分割面3a,3bとが隣接する連結部3dに面取りが施されている(図4(c)参照)。連結部2d,3dに面取りが施されているので、対向する第1及び第2分割面2,3の間に隙間が形成されても、ころ4の軌道面から外側に奥まるので、ころ4が各連結部に接触せず滑らかに転がることができる。また、第1及び第2分割片2,3の両端は、連結部2d近傍の内周面2cが軌道面よりも外側に位置するように薄肉化(t1>t2)されている。これによっても、内周面2cを分割面2a,2bが隣接する連結部2dを他の部分より薄肉にすることで、ころ4が各連結部に接触せず滑らかに転がるようにすることができる。
次に、図4を用いて外輪20(ころ軸受1)の取付構造について説明する。外輪20は、取付場所の固定部を構成するハウジング(例えば、コンロッド9の大端部9B内)に強制的に円筒形状となるように固定されている。具体的には、図4(b)に示すように、第1及び第2分割片2,3の対向する分割面2b,3aの間に位置決め部材としての位置決めピン9Pが挿通され、その位置決めピン9Pにより対向する分割面2b,3aが周方向にオフセットされて形成されている。つまり、大端部9B内には位置決めピン9Pが挿入可能な固定孔9Hが形成され、位置決めピン9Pは固定孔9Hに挿入するとともに分割面の間に挿通されている(図4(c)参照)。なお、図示しないが対向する分割面2a,3bについても同様である。また、位置決めピン9Pは、大端部9Bから一体的に突出するように設けても良い。
すなわち、各分割片2,3に形成された切欠凹部(挿通孔形成部)2H,3Hの内周面が位置決めピン9Pに当接(係止)されており(換言すれば、切欠凹部2H,3Hにより形成される挿通孔25(図4(c)参照)に位置決めピン9Pが挿通され)、通常の二分割外輪において互いに対向して当接される分割面(切欠凹部が形成されていない部分)が、離間して対向配置されている。したがって、一対の第1及び第2分割片2,3は、対向する切欠凹部(挿通孔形成部)の離間距離や位置決めピンとの形状を適宜調節するだけで円筒形状の二分割外輪を形成することが可能である。また、その二分割外輪の内側に配置する保持器を余裕を持ってはめ込むことができる。
次に、図5を参照しながら、本実施形態に係るころ軸受における二分割外輪の製造方法及び取付方法について説明する。まず、図5(5−1)に示すように、JIS規格SCM415やJIS規格SPCC等の金属材を用いて周知の成形方法により円筒形状をなす軸受輪21(円筒素材)を成形し、ドリル等の方法で例えば軸受輪21の軸線O1に直交する直線上で対向する径方向に貫通する貫通孔22を穿孔する。本実施においては、アキシャル方向の長さにおける中間位置で対称となる2ヶ所(中間位置からの距離w)に径方向に貫通する貫通孔22を穿孔している。したがって、軸受輪21には都合4個の貫通孔22が形成されている。なお、図中奥側に位置する部分については省略する。
次いで、軸受輪21を周方向に分割する分割線Lを設定し、図5(5−2)に示すように、ワイヤカット放電加工装置などの切断装置により軸受輪21を分割線Lに沿って切断する。このとき分割線Lは、各貫通孔22を通るように設定されている。すなわち、分割された第1及び第2分割片2,3の双方に貫通孔22の一部が含まれ、周方向に向けて切り欠かれる切欠凹部2H,3Hとして形成される。また、第1及び第2分割片2,3の分割面2a,3b(分割線L)は、切断装置によって切断することにより、上記説明した切断形状に限定されず、任意の形状で切断することができる。なお、第1及び第2分割片2,3は、被切断部2e,3eがワイヤによって削り取られた形態をなしている。これにより、位置決めピン挿入のための切欠凹部(挿入孔形成部)を備えた二分割外輪20を得ることができる。
続いて、得られた二分割外輪20のハウジングへの取付方法として、図5(5−3)に示すように、貫通孔22に対応する太さの位置決めピン9Pを用意し、ハウジング(例えば、コンロッド大端部;図示せず)に形成される固定孔(図示せず)に挿入して配置する。そして、図5(5−4)に示すように、配置した各位置決めピン9Pに対して、対応する切欠凹部2H,3Hの内周面がそれぞれ当接するように第1及び第2分割片2,3を配置する。このとき、位置決めピン9Pを介して組合わされた第1及び第2分割片2,3は、被切断部2e,3eが切断加工時に削り取られているため、被切断部2e,3eの部分だけ周方向に広がるように分割面がオフセットされている。すなわち、被切断部2e,3eの部分がそのまま空隙として形成されている。これにより、各分割片2,3の内周面が形成するころの軌道面の軌跡を円筒形状(側面視で真円形状)をなすように形成することができる。
このように、外輪20の取付状態において、位置決めピン9Pの横断面と同等の開口断面を有する貫通孔を軸受輪に穿孔して、その貫通孔を通るように軸受輪を切断するだけで、安価で高精度の一対の分割片(二分割外輪)を形成することができる。そして、その貫通孔に対応する位置決めピンを用いるだけで(逆に入れば、位置決めピンに対応する貫通孔を形成するだけで)、円筒形状となる外輪を容易にハウジングに組み付けることができる。ひいては、その外輪の内側にころ及び保持器を配置することで、高精度のころ軸受を形成することができる。
なお、本実施例においては、貫通孔を丸孔で図示して説明したが、この限りではない。そして、貫通孔の形状(位置決めピンの横断面形状)によっては、貫通孔の形成(穿孔)と軸受輪の切断の順序を逆に行なうことも可能である。
次に、図6から図9を用いて上記説明した実施形態のころ軸受及びその取付構造の変形例について説明する。なお、以下の説明では、上述した実施形態と異なる部分について主に述べ、重複する部分については同番号を付して説明を省略又は簡略する。まず、図6に示すように、第1の変形例の態様として、外輪200は、アキシャル方向(軸線O1)に沿った分割面201,301を形成している。この場合にも、それぞれの切欠凹部2H,3Hが位置決めピン9Pに対応して形成されているので、分割面201,301が周方向にオフセットされて、円筒形状の外輪200となっている。
次に、図7に示すように、第2の変形例の態様として、外輪300は、軸受輪を切断する際に削り取られる被切断部2e,3e(図5参照)に対応する断面形状(例えば、V字形状)をなす位置決め板(位置決め部材)91Pにより、対向する分割面2a,3bが周方向にオフセットされて形成されている(取り付けられている)。すなわち、分割面2a,3b全体が切欠凹部(挿入孔形成部)として機能している。この場合にも、外輪300を円筒形状となるように容易に形成することができる(取り付けることができる)。
続いて、図8に示すように、第3の変形例の態様として、外輪400は、第1及び第2分割片2,3の対向する分割面2a,3bの間にゴム等の弾性部材35が装填されている。また、この第3変形例においては、切欠凹部2H,3H(貫通孔22;位置決めピン9P)はアキシャル方向において中間位置に1つのみ形成されている。これにより、各分割片2,3が位置決めピン9Pを支点として両側の隙間分回転し(ずれ)易くなるが、その回転を弾性部材35が規制している。したがって、位置決めピン9pの部品点数が減るので製造コストが安価となる。なお、弾性部材35は、対向する分割面2a,3bの間に単に配置するだけでもよく、また、位置決めピン9pに、又は対向する分割面2a,3bのどちらか一方、或いは両側に加硫接着などの方法により一体的に形成して配置することができる。なお、上記説明した実施形態においても同様に弾性部材35を対向する分割面の間に配置してもよい。また、弾性部材を巻きつけた位置決めピンとしてもよい。
なお、本発明において、上記実施例に限定されるものではなく、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることもできる。例えば、図9(a)に示すように、アキシャル方向に長径を有する楕円形状の位置決めピン92Pを用いて、その位置決めピン92Pに対応する切欠凹部2H,3Hとしてもよい。その場合には、切欠凹部と位置決めピンとの接触面積が広くなり、応力を分散する効果も期待できる。
また、図9(b)に示すように、アキシャル方向に短径を有する楕円形状(小判形状)の位置決めピン93Pを用いることができる。その場合には、対向する分割面の離間距離を大きく形成することができるので、周方向2ヶ所で対向する分割面のうち一方のみに配置するだけで、二分割外輪を円筒形状に形成することができる。ひいては、部品点数を減ずることができ安価となる。
本発明の実施形態に係るころ軸受の一例を示す側面図及び一部省略した分解斜視図。 ころ軸受をクランクシャフト及びコンロッド大端部の間に組み込む状態を示す分解斜視図。 図2において組み込んだ状態を示す断面図。 図3の取付状態を説明する概略斜視図及びその縦断面図、要部拡大断面図。 外輪の製造工程示す説明図。 第1の変形例に係るころ軸受の一例を示す正面図。 第2の変形例に係るころ軸受の一例を示す概略斜視図。 第3の変形例に係るころ軸受の一例を示す正面図。 他の変形例に係るころ軸受の一例を示す正面図。 軸受輪の切断工程を示す図。
符号の説明
1 ころ軸受
2 第1分割片
2H,3H 切欠凹部(挿通孔形成部)
3 第2分割片
4 ころ
5,6 保持器
9P,92P,93P 位置決めピン(位置決め部材)
20 二分割外輪(外輪)
21 軸受輪(円筒素材)
91P 位置決め板(位置決め部材)
O1 軸線

Claims (5)

  1. 内周面にころを受け止める軌道面を有するとともに、周方向に2分割され、それらの分割片を組合せることによって円筒形状に形成された外輪を含むころ軸受であって、
    前記分割片は、前記外輪を構成することとなる円筒素材がアキシャル方向において切断されることにより分割されて形成されており、
    その一対の分割片の対向する分割面の各々には、分割面から周方向に向けて切り欠かれた切欠凹部が設けられ、
    前記切欠凹部が、分割片を組合せて前記外輪を形成する際の位置決めピン挿入のための挿通孔を形成する挿通孔形成部として構成されることを特徴とするころ軸受。
  2. 前記一対の分割片は、前記外輪を実質的に等しい半円筒状に分割されて形成されるとともに、各分割片には、対向配置される周方向両端の分割面に前記切欠凹部が設けられている請求項1に記載のころ軸受。
  3. 前記一対の分割片には、内周面と分割面とが隣接する連結部に面取りが施されている、又は/及び前記連結部近傍の内周面が前記軌道面よりも外側に位置するように薄肉化されている請求項1又は2に記載のころ軸受。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のころ軸受の外輪に形成された切欠凹部により形成される挿通孔に位置決めピンが挿通されたことを特徴とするころ軸受の取付構造。
  5. 内周面にころを受け止める軌道面を有するとともに、周方向に2分割され、それらの分割片を組合せることによって円筒形状に形成された外輪を含むころ軸受の取付構造であって、
    前記外輪は、所定の取付場所の固定部に固定され、一対の分割片の対向する分割面の間に前記固定部に設けられた位置決め部材が配置され、該位置決め部材により前記対向する分割面が周方向にオフセットされて円筒形状に形成されていることを特徴とするころ軸受の取付構造。
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