JP2008089077A - 2分割ころ軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】 2つの外輪分割体の接合箇所での軌道面の段差が無く、かつ真円性を保持して、振動や騒音が少なく、かつ転動疲労寿命の長い2分割ころ軸受を提供する。
【解決手段】 内周にころ2の軌道面1aが形成された外輪1を備え、この外輪1は円周方向に並ぶ2個の分割体11,12に分割されている。外輪1の分割箇所を含む内周の一部に、軌道面1aに対して凹部7を設け、この凹部7に、固形性を有する潤滑剤、外輪1の構成材料よりも硬度が低い樹脂や軟質金属材料、または外輪1の構成材料よりも縦弾性係数が大きい材料、または外輪1の構成材料よりも摩擦係数が小さい材料、または外輪1の構成材料よりも耐摩耗性に優れた材料からなる埋め込み部材8を前記両分割体11,12に対して固定して設ける。または、外輪1の分割箇所を含む軌道面1aの一部に、ダイヤモンド・ライク・カーボンまたはクロム、チタン、タングステン等の金属化合物からなる表面処理膜を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】 内周にころ2の軌道面1aが形成された外輪1を備え、この外輪1は円周方向に並ぶ2個の分割体11,12に分割されている。外輪1の分割箇所を含む内周の一部に、軌道面1aに対して凹部7を設け、この凹部7に、固形性を有する潤滑剤、外輪1の構成材料よりも硬度が低い樹脂や軟質金属材料、または外輪1の構成材料よりも縦弾性係数が大きい材料、または外輪1の構成材料よりも摩擦係数が小さい材料、または外輪1の構成材料よりも耐摩耗性に優れた材料からなる埋め込み部材8を前記両分割体11,12に対して固定して設ける。または、外輪1の分割箇所を含む軌道面1aの一部に、ダイヤモンド・ライク・カーボンまたはクロム、チタン、タングステン等の金属化合物からなる表面処理膜を設ける。
【選択図】 図1
Description
この発明は、特に自動車用エンジンのクランク軸やカムシャフトの支持部、あるいはコンロッドとクランク軸およびピストンとの連結部等のような変動荷重を受ける箇所に使用するに適した2分割ころ軸受に関する。
図6は自動車用エンジンのクランク軸およびコンロッドを示している。クランク軸10は、回転中心軸10aと、バランスウェイト10bと、クランクピン10cとで構成され、回転中心軸10aが軸受12により回転自在に支持されている。コンロッド11は、両端の大径端部11aおよび小径端部11bにそれぞれピン挿入穴11cが形成されており、大径端部11aのピン挿入穴11cには前記クランクピン10cがコンロッド11に対して軸受13を介して回転自在に挿入され、小径端部11bのピン挿入穴11cにはピストンピン(図示せず)が軸受(図示せず)を介してコンロッド11に対して回転自在に挿入されている。
上記クランク軸10の支持部に用いられる軸受12や、コンロッド11とクランク軸10の連結部に用いられる軸受13は、ピストンの爆発的な往復運動に伴う変動荷重を受ける。このため、上記軸受としてころ軸受または針状ころ軸受が使用される場合、振動や騒音が大きいという問題がある。また、軸受の長寿命化が望まれる。これらの問題は、カムシャフトを支持する軸受についても言える。
また、上記軸受12,13に供されるころ軸受は、組立を容易にするために、外輪および保持器を2分割にすることが必要となる。外輪を2分割する方法の従来技術として、例えば特許文献1,2がある。これらに開示されている技術は、外輪の端面に割りを誘発するノッチを施してからプレスすることにより、外輪が希望の分割線に沿って良好に分割されるようにしたものである。
しかし、2分割された外輪を組み立てた場合、2つの分割体の接合部に軌道面の段差が生じることがある。軌道面に段差があると、外輪ところの接触面圧が不均一となり、疲労寿命の低下や振動、騒音の発生等の不具合が生じる。
これの対策として、特許文献3には、図7に示すように、分割面を軸方向から見てクランク状に形成し、かつ2つの外輪分割体211,212の外側の分割面同士の間に隙間Sを形成することで、両外輪分割体211,212を組み合わせたときの外輪21の軌道面21aの真円度を高めるとともに、ころ23の軌道面21aに段差が生じることを防ぐ技術が開示されている。
また、特許文献4には、図8に示すように、2つの外輪分割体311,312の接合箇所となる円周方向の端部に、外周側から見てV字状をなす凸部32および凹部33をそれぞれ個別に設け、これら凸部32と凹部33とを互いに嵌合させて両外輪分割体311,312を接合し、前記凸部32および凹部33を構成する外輪分割体311,312の端部の内周面を、軸方向から見てころ34の軌道面31aに対し軌道面31aから後退する側に傾斜する傾斜面31b,31cとすることで、組立時に両外輪分割体311,312間で周方向および径方向のいずれの方向のずれが生じた場合でも、軌道面31aに段差が生じることを防ぐ技術が開示されている。
特許文献3は、分割面21aを軸方向から見てクランク状に形成し、2つの外輪分割体211,212の外側の分割面22a1,22a2同士の間に隙間Sを形成することで、両外輪分割体211,212の径方向の位置決めと内側の分割面22b1,22b2同士の密着とを図り、それによって軌道面21aに段差が生じるのを防ぐというものである。確かにこの構成とすると、クランク状の分割面で両外輪分割体211,212が中央の分割面22c1,22c2同士が接することで径方向の位置決めがなされるため、通常の場合には軌道面21aに段差が生じない。しかし、独立した2個の外輪分割体211,212をその端部で突き合わせただけであることに違いないので、熱膨張や熱収縮により両外輪分割体211,212の端部の径方向寸法に微小な差が生じた場合等に軌道面21aに段差が生じることが避けられない。また、製造上、寸法公差を厳しく管理する必要があるためコストがかかるという問題がある。
また、特許文献4は、組立時に両外輪分割体311,312が周方向または径方向または周方向・径方向の両方にずれが生じた場合、両外輪分割体311,312にそれぞれ形成されている軌道面31aを傾斜面31b,31cで接続することで、軌道面31aに段差が生じることを防ぐというものである。しかし、両外輪分割体311,312に径方向のずれが生じた場合、両外輪分割体311,312のそれぞれの軌道面31aの径が異なるので、両外輪分割体311,312の軌道面31aを傾斜面31b,31cで接続しても、軌道面31aの真円性が損なわれる。このため、振動や騒音が発生する。
この発明の目的は、2つの外輪分割体の接合箇所での軌道面の段差が無く、かつ真円性を保持して、振動や騒音が少なく、かつ転動疲労寿命の長い2分割ころ軸受を提供することである。
この発明の2分割ころ軸受は、内周にころの軌道面が形成された外輪を備え、この外輪は円周方向に並ぶ2個の分割体に分割されたものであるころ軸受において、前記外輪の分割箇所を含む内周の一部に、軌道面に対して凹部を設け、この凹部に、固形性を有する潤滑剤、外輪の構成材料よりも硬度が低い樹脂や軟質金属材料、または外輪の構成材料よりも縦弾性係数が大きい材料、または外輪の構成材料よりも摩擦係数が小さい材料、または外輪の構成材料よりも耐摩耗性に優れた材料からなる埋め込み部材を前記両分割体に対して固定して設けたことを特徴とする。
この構成とすると、2つの分割体のそれぞれの軌道面を、埋め込み部材の内周面を介して連続する滑らかな面として繋げることができる。埋め込み部材は外輪の両分割体に固定されるので、両分割体のずれが規制され、真円性を保持することができる。これにより、2分割された外輪の接合面に起因する振動や騒音を軽減することができる。
埋め込み部材が固形性を有する潤滑剤である場合は、外輪ところの潤滑性を向上させることができる。
埋め込み部材が外輪の構成材料よりも硬度が低い樹脂や軟質金属材料である場合は、ころの摩耗を抑えることができる。
埋め込み部材が外輪の構成材料の縦弾性係数よりも縦弾性係数が大きい材料である場合は、上記同様、ころの摩耗を抑えることができる。
埋め込み部材が外輪の構成材料よりも摩擦係数が小さい材料である場合は、埋め込み部材が、ころが軌道面に沿って転接することの障害とならない。
埋め込み部材が外輪の構成材料よりも耐摩耗性に優れた材料である場合は、埋め込み部材の摩耗を防いで、長時間品質を保持できる。
埋め込み部材が固形性を有する潤滑剤である場合は、外輪ところの潤滑性を向上させることができる。
埋め込み部材が外輪の構成材料よりも硬度が低い樹脂や軟質金属材料である場合は、ころの摩耗を抑えることができる。
埋め込み部材が外輪の構成材料の縦弾性係数よりも縦弾性係数が大きい材料である場合は、上記同様、ころの摩耗を抑えることができる。
埋め込み部材が外輪の構成材料よりも摩擦係数が小さい材料である場合は、埋め込み部材が、ころが軌道面に沿って転接することの障害とならない。
埋め込み部材が外輪の構成材料よりも耐摩耗性に優れた材料である場合は、埋め込み部材の摩耗を防いで、長時間品質を保持できる。
また、この発明の2分割ころ軸受は、内周にころの軌道面が形成された外輪を備え、この外輪は円周方向に並ぶ2個の分割体に分割されたものであるころ軸受において、前記外輪の分割箇所を含む軌道面の一部に、ダイヤモンド・ライク・カーボンまたはクロム、チタン、タングステン等の金属化合物からなる表面処理膜を設けたことを特徴とする。
この構成とすると、2つの分割体のそれぞれの軌道面を、表面処理膜を介して連続する滑らかな面として繋げることができる。表面処理膜により外輪の両分割体が互いに一体化されるので、両分割体のずれが規制され、真円性を保持することができる。これにより、2分割された外輪の接合面に起因する振動や騒音を軽減することができる。
表面処理膜を硬度の高いダイヤモンド・ライク・カーボンまたはクロム、チタン、タングステン等の金属化合物からなる膜とすることで、表面処理膜の摩耗を防いで、長時間品質を保持できる。
表面処理膜を硬度の高いダイヤモンド・ライク・カーボンまたはクロム、チタン、タングステン等の金属化合物からなる膜とすることで、表面処理膜の摩耗を防いで、長時間品質を保持できる。
この発明において、一対の円環部およびこれら円環部間を繋ぐ円周方向複数箇所の柱部を有し、隣合う柱部間がそれぞれころを保持するポケットとなるリング状の保持器を備え、前記外輪の端部の内径を軌道面の内径よりも大きく形成し、前記保持器の前記円環部の外周面を前記外輪の端部の内周面に滑り接触させて滑り軸受として機能させることができる。
この構成とすると、保持器の円環部が外輪の端部に対する滑り軸受として機能するため、保持器により軸荷重の一部を負担することができる。そのため、ころと外輪の接触面圧を軽減することができる。接触面圧が低下することで、ころと外輪の接触部で生じる振動を低減し、かつ軸受の騒音を低減することができる。加えて、転動疲労に対する軸受寿命の延長が可能となる。
この構成とすると、保持器の円環部が外輪の端部に対する滑り軸受として機能するため、保持器により軸荷重の一部を負担することができる。そのため、ころと外輪の接触面圧を軽減することができる。接触面圧が低下することで、ころと外輪の接触部で生じる振動を低減し、かつ軸受の騒音を低減することができる。加えて、転動疲労に対する軸受寿命の延長が可能となる。
また、一対の円環部およびこれら円環部間を繋ぐ円周方向複数箇所の柱部を有し、隣合う柱部間がそれぞれころを保持するポケットとなるリング状の保持器を備え、内輪または軸の外周面からなる内輪側周面がころの軌道面として形成され、前記保持器の前記円環部の内周面を前記内輪側周面に滑り接触させて滑り軸受として機能させることができる。
この構成とすると、保持器の円環部が内輪または軸に対する滑り軸受として機能するため、保持器により軸荷重の一部を負担することができる。そのため、ころと内輪または軸の接触面圧を軽減することができる。接触面圧が低下することで、ころと内輪または軸の接触部で生じる振動を低減し、かつ軸受の騒音を低減することができる。加えて、転動疲労に対する軸受寿命の延長が可能となる。
この構成とすると、保持器の円環部が内輪または軸に対する滑り軸受として機能するため、保持器により軸荷重の一部を負担することができる。そのため、ころと内輪または軸の接触面圧を軽減することができる。接触面圧が低下することで、ころと内輪または軸の接触部で生じる振動を低減し、かつ軸受の騒音を低減することができる。加えて、転動疲労に対する軸受寿命の延長が可能となる。
この発明の2分割ころ軸受は、内周にころの軌道面が形成された外輪を備え、この外輪は円周方向に並ぶ2個の分割体に分割されたものであるころ軸受において、前記外輪の分割箇所を含む内周の一部に、軌道面に対して凹部を設け、この凹部に、固形性を有する潤滑剤、外輪の構成材料よりも硬度が低い樹脂や軟質金属材料、または外輪の構成材料よりも縦弾性係数が大きい材料、または外輪の構成材料よりも摩擦係数が小さい材料、または外輪の構成材料よりも耐摩耗性に優れた材料からなる埋め込み部材を前記両分割体に対して固定して設けるか、または前記外輪の分割箇所を含む軌道面の一部に、ダイヤモンド・ライク・カーボンまたはクロム、チタン、タングステン等の金属化合物からなる表面処理膜を設けたため、2つの外輪分割体の接合箇所での軌道面の段差を無く、かつ真円性を保持して、振動や騒音が少なくし、転動疲労寿命の延長を図ることができる。
この発明の実施形態を図1ないし図3と共に説明する。この2分割ころ軸受は、外輪1と、この外輪1の内周に形成された軌道面1aに転接する複数のころ2と、リング状の保持器3とを有する。保持器3は円周方向に並ぶ複数のポケット3aを有し、各ポケット3aにころ2が保持されている。内輪は無く、この軸受が支持する軸4の外周面からなる内輪側周面4aにころ2が転接するものとされている。外輪1と軸4との間の軸受空間は図示しない密封手段により密封されており、この密封された軸受空間内に潤滑油が保持されている。あるいは、図示しない潤滑油供給孔から潤滑油が供給され軸受空間内に潤滑油が保持される。図2に示すように、外輪1および保持器3は、それぞれ円周方向に並ぶ2個の外輪分割体11,12および保持器分割体31,32に分割されている。
外輪1は、内周の中央部が軌道面1aとされ、その両側の端部1bは軌道面1aよりも内径が大きく形成されている。保持器3は、上記外輪1の内周端部1bに嵌合する左右一対の円環部5と、これら円環部5間を繋ぐ円周方向複数個所の柱部6とからなり、隣合う柱部6間が、ころ2を保持するポケット3aとなっている。この実施形態では、円環部5の内周面および外周面は、内輪側周面4aおよび外輪1の内周端部1bにそれぞれ沿う平滑面として形成されている。外輪軌道面1aに対向する内輪側周面4aの箇所が軸4の軌道面となる。
保持器3が上記形状であることにより、保持器円環部5の内周面と軸4の内輪側周面4aとの間の隙間、および保持器円環部5の外周面と外輪1の内周端部1bとの間の隙間に潤滑油が保持される。このように保持された潤滑油の油膜を介して、保持器3と軸4、および保持器3と外輪1とが互いに滑り接触する。このため、保持器円環部5の内周面は、軸4と円滑に回転自在でラジアル方向の荷重を支持することのできる滑り軸受として機能する。同様に、保持器円環部5の外周面は、外輪1と円滑に回転自在でラジアル方向の荷重を支持することのできる滑り軸受として機能する。すなわち、保持器3は、複数のころ2を等間隔に保持する役割と、ころ2と共に軸荷重の一部を負担する役割とを担っている。
図3はころ軸受の外輪のみを示す図である。この図に示すように、外輪1は、2つの外輪分割体11,12の分割箇所を含む内周の一部に、軌道面1aに対して凹む断面三角形の凹部7が設けられ、この凹部7に埋め込み部材8が外輪分割体11,12に固定して設けられている。埋め込み部材8の材質としては、固形性を有する潤滑剤、外輪分割体11,12を構成する鉄系材料よりも硬度が低い樹脂や軟質金属材料、例えば銅鉛合金、鉛青銅、アルミニウム合金等、または前記鉄系材料の縦弾性係数よりも縦弾性係数が大きい材料、または外輪の構成材料よりも摩擦係数が小さい材料、または外輪の構成材料よりも耐摩耗性に優れた材料が適している。埋め込み部材8の外輪分割体11,12への固定方法としては、接着、圧入、ピン止め、または物理的な抜け止め等を採用することができる。
この2分割ころ軸受は、例えば図6に示すクランク軸10支持用の軸受12や、コンロッド11とクランク軸10の連結部の軸受13に適用される。軸受12に適用する場合、軸4はクランク軸10の回転中心軸10aである。また、軸受13に適用する場合、軸4はクランク軸10のクランクピン10cであり、外輪1はコンロッド11の大径端部11aである。この2分割ころ軸受は、上記軸受12,13の他に、コンロッド11の小径端部11bとピストンピン(図示せず)との連結部の軸受や、カムシャフト支持部の軸受にも適用することもできる。さらに、これら以外の変動荷重を受ける箇所の軸受として適用することができる。外輪1および保持器3が2分割されているため、組立性が良好である。
上記構成の2分割ころ軸受は、保持器円環部5の内周面、および保持器円環部5の外周面が、滑り軸受として機能してラジアル方向の荷重を支持するため、ころ2と軸4との接触面圧、およびころ2と外輪1との接触面圧を軽減することができる。接触面圧が低下することで、ころ2と軸4との接触部およびころ2と外輪1との接触部で生じる振動を低減し、かつ軸受の騒音を低減することができる。加えて、転動疲労に対する軸受寿命の延長が可能となる。
埋め込み部材8を固形性を有する潤滑剤とすると、外輪1ところ2の潤滑性を向上させることができる。埋め込み部材8を外輪1を構成する鉄系材料よりも硬度が低い樹脂や軟質金属材料とすると、ころ2の摩耗を抑えることができる。埋め込み部材8を前記鉄系材料の縦弾性係数よりも縦弾性係数が大きい材料とした場合も、上記同様、ころ2の摩耗を抑えることができる。埋め込み部材8を前記鉄系材料よりも摩擦係数が小さい材料とすると、埋め込み部材8が、ころ2が軌道面1aに沿って転接することの障害とならない。埋め込み部材8を前記鉄系材料よりも耐摩耗性に優れた材料とすると、埋め込み部材8の摩耗を防いで、長時間品質を保持できる。
図4は外輪1の前記凹部7および埋め込み部材8の断面形状を矩形とした例である。この場合も、前記同様の材料からなる埋め込み部材8を、前記同様の固定方法により凹部7に固定して設ける。これにより、前記同様の作用効果が得られる。
図5は、2つの外輪分割体の接合箇所での軌道面の段差が無く、かつ真円性を保持するために、図3および図4の各外輪とは異なる構成を採用した外輪を示す。この外輪1は、2つの外輪分割体11,12の分割箇所を含む軌道面1aの一部に、ダイヤモンド・ライク・カーボンまたはクロム、チタン、タングステン等の金属化合物からなる表面処理膜9が設けられている。
この構成とすると、2つの外輪分割体11,12のそれぞれの軌道面1aが、表面処理膜9を介して連続する滑らかな面として繋がっているため、軌道面1aの段差を無くすことができる。また、表面処理膜9により両外輪分割体11,12が互いに一体化されるので、両外輪分割体11,12のずれを規制して、真円性を保持することができる。これにより、2分割された外輪の接合面に起因する振動や騒音を軽減することができる。さらに、表面処理膜9が硬度の高いダイヤモンド・ライク・カーボンまたはクロム、チタン、タングステン等の金属化合物からなる膜であるため、表面処理膜9の摩耗を防いで、長時間品質を保持できる。
上記実施形態では、内輪が無く、ころ2が軸4に直接に接触する構成の2分割ころ軸受を例示しているが、この発明の2分割ころ軸受は、内輪を有する構成であっても良く、その場合も上記各実施形態と同様な作用効果が得られる。
1…外輪
11,12…外輪分割体
1a…外輪軌道面
1b…外輪内周端部
2…ころ
3…保持器
31,32…保持器分割体
3a…ポケット
4…軸
4a…内輪側周面
5…円環部
6…柱部
7…凹部
8…埋め込み部材
9…表面処理膜
11,12…外輪分割体
1a…外輪軌道面
1b…外輪内周端部
2…ころ
3…保持器
31,32…保持器分割体
3a…ポケット
4…軸
4a…内輪側周面
5…円環部
6…柱部
7…凹部
8…埋め込み部材
9…表面処理膜
Claims (4)
- 内周にころの軌道面が形成された外輪を備え、この外輪は円周方向に並ぶ2個の分割体に分割されたものであるころ軸受において、
前記外輪の分割箇所を含む内周の一部に、軌道面に対して凹部を設け、この凹部に、固形性を有する潤滑剤、外輪の構成材料よりも硬度が低い樹脂や軟質金属材料、または外輪の構成材料よりも縦弾性係数が大きい材料、または外輪の構成材料よりも摩擦係数が小さい材料、または外輪の構成材料よりも耐摩耗性に優れた材料からなる埋め込み部材を前記両分割体に対して固定して設けたことを特徴とする2分割ころ軸受。 - 内周にころの軌道面が形成された外輪を備え、この外輪は円周方向に並ぶ2個の分割体に分割されたものであるころ軸受において、
前記外輪の分割箇所を含む軌道面の一部に、ダイヤモンド・ライク・カーボンまたはクロム、チタン、タングステン等の金属化合物からなる表面処理膜を設けたことを特徴とする2分割ころ軸受。 - 請求項1または請求項2において、一対の円環部およびこれら円環部間を繋ぐ円周方向複数箇所の柱部を有し、隣合う柱部間がそれぞれころを保持するポケットとなるリング状の保持器を備え、前記外輪の端部の内径を軌道面の内径よりも大きく形成し、前記保持器の前記円環部の外周面が前記外輪の端部の内周面に滑り接触して滑り軸受として機能するものとした2分割ころ軸受。
- 請求項1または請求項2において、一対の円環部およびこれら円環部間を繋ぐ円周方向複数箇所の柱部を有し、隣合う柱部間がそれぞれころを保持するポケットとなるリング状の保持器を備え、内輪または軸の外周面からなる内輪側周面がころの軌道面として形成され、前記保持器の前記円環部の内周面が前記内輪側周面に滑り接触して滑り軸受として機能するものとした2分割ころ軸受。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010077999A (ja) * | 2008-09-24 | 2010-04-08 | Jtekt Corp | 二つ割り転がり軸受およびこれを備えた軸受構造 |
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2006
- 2006-10-02 JP JP2006270368A patent/JP2008089077A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010077999A (ja) * | 2008-09-24 | 2010-04-08 | Jtekt Corp | 二つ割り転がり軸受およびこれを備えた軸受構造 |
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