JP2011106509A - 転がり軸受およびその保持器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 安価で、組立て易く、運転状況等に依存せずに保持器を確実に分割状態にしてフレッティング防止を図ることができる転がり軸受を提供する
【解決手段】 転がり軸受は、複数の転動体収納用ポケット4を備えた複数の円弧状部材5をリング状に連結してなる保持器3を用いる。保持器3は、隣合う一対の円弧状部材5の互いに対向する円周方向の端部同士を、円弧状部材5とは別部材からなる連結部材6により、互いに円周方向に相対変位可能かつ径方向に分離不可能に連結する。
【選択図】 図2
【解決手段】 転がり軸受は、複数の転動体収納用ポケット4を備えた複数の円弧状部材5をリング状に連結してなる保持器3を用いる。保持器3は、隣合う一対の円弧状部材5の互いに対向する円周方向の端部同士を、円弧状部材5とは別部材からなる連結部材6により、互いに円周方向に相対変位可能かつ径方向に分離不可能に連結する。
【選択図】 図2
Description
この発明は、例えば自動車用トランスミッションのアイドラギア部分等に使用される転がり軸受およびその保持器に関する。
自動車用トランスミッションのアイドラギア部分には、主に保持器付針状ころ軸受が使用されている。前記アイドラギア部分において、シンクロ機構が噛み合うとアイドラギアと、回転軸と、両者間に介在した保持器付針状ころとが一体となって、いわゆる同期回転するため、通常は保持器付針状ころの相対回転が起きない。このため、各ころがその軌道面となるギアの内径面および軸の外径面と常に同じ位置で荷重を負荷し、微小振動することによって、フレッティング摩耗が発生することがある。「フレッティング摩耗」とは、軌道面の全周にころのピッチで凹みが生じることである。そのため、保持器を二つ割りにし、その割り部の周方向すきまがあることで保持器半体に相対回転を発生させ、フレッティング摩耗の防止を図るものが試みられている。
しかし、このように保持器を二つ割りにした軸受では、二つの保持器半体を別々に組み込まなければならないという問題点がある。これを解決する手段として以下のような技術が提案されている。
・二つ割りにした一対の保持器半体を、円周方向の両端で互いに接着剤により接着し、運転に伴う温度上昇で接着剤を溶融させる(特許文献1)。
・二つ割りにした一対の保持器半体を、円周方向の両端で互いに、潤滑油に対し親和性がある可溶性の樹脂材料で仮止めする(特許文献2)。
・二つ割りにした一対の保持器半体を、円周方向の両端で溶接にて仮止めし、その仮止め部を運転中の応力により破壊させる(特許文献3)。
・二つ割りにした一対の保持器半体を、互いに軸方向にずらした状態で連結しておき、組み込み時に押圧してずれを解消する(特許文献4)。
・二つ割りにした一対の保持器半体を、円周方向の両端で互いに接着剤により接着し、運転に伴う温度上昇で接着剤を溶融させる(特許文献1)。
・二つ割りにした一対の保持器半体を、円周方向の両端で互いに、潤滑油に対し親和性がある可溶性の樹脂材料で仮止めする(特許文献2)。
・二つ割りにした一対の保持器半体を、円周方向の両端で溶接にて仮止めし、その仮止め部を運転中の応力により破壊させる(特許文献3)。
・二つ割りにした一対の保持器半体を、互いに軸方向にずらした状態で連結しておき、組み込み時に押圧してずれを解消する(特許文献4)。
これらの従来技術は、運転時の温度や潤滑油によって、リング状保持器の円周方向の一部が分割されるものである。したがって、例えば運転温度が低い場合や潤滑油が十分供給されていない場合等においては、保持器が分割状態にならない場合がある。また、連結部分等を破壊によって分割する場合は、破壊の際に破片が発生する。この破片を軸受等が噛み込んでしまい、振動や軸受の損傷、ひいてはトランスミッションの機能に不具合を生じる。
この発明の目的は、安価で、組立て易く、運転状況等に依存せずに保持器を確実に分割状態にしてフレッティング防止を図ることができる転がり軸受、およびその保持器を提供することである。
この発明の転がり軸受は、複数の転動体収納用ポケットを備えた複数の円弧状部材をリング状に連結してなる保持器を用いたものであり、前記保持器は、隣合う一対の円弧状部材の互いに対向する円周方向の端部同士を、円弧状部材とは別部材からなる連結部材により、互いに円周方向に相対変位可能かつ径方向に分離不可能に連結したことを特徴とする。前記転動体は、例えばころであってよい。その場合、転がり軸受は、前記転動体と前記保持器とでなる保持器付きころとしてもよい。
この構成によると、円弧状部材とは別部材からなる連結部材を用いて、隣合う一対の円弧状部材の互いに対向する円周方向の端部同士を連結することにより、円弧状部材については簡単な連結用手段を加工するだけで済む。そのため、製作コストの低減を図ることができる。
組立てに際しては、保持器を構成する各円弧状部材のポケットに転動体をそれぞれ収納し、これら円弧状部材をリング状に連結する。各円弧状部材をリング状に連結した状態では、各円弧状部材が互いに円周方向に相対変位可能かつ径方向に分離不可能である。保持器を複数の円弧状部材をリング状に連結してなる1個の部品として取り扱えるため、転がり軸受の組立作業、および機械への転がり軸受の組込み作業が容易である。
この転がり軸受は、例えばトランスミッションのアイドラギア部分等に組み込まれる。シンクロ機構が噛み合うと、アイドラギアと、回転軸と、これらの間に介在させた軸受(主に保持器付き針状ころ)とが一体となって同期回転する。隣合う一対の円弧状部材が互いに連結された状態であっても、各円弧状部材は円周方向に相対変位可能である。そのため、同期回転時の運転状況等に拘わらず、各円弧状部材が確実に分割状態に維持される。それにより、アイドラギアおよび回転軸に対する転動体の接触位置が常時変化して、アイドラギアの内径面および回転軸の外径面におけるフレッティング摩耗の発生が抑制される。
この発明において、前記円弧状部材は、円周方向の端部に柱部半体を有し、この柱部半体は、隣合う一対の円弧状部材を連結した状態において両円弧状部材の柱部半体により、保持器におけるポケット間の部分である柱部を構成するものである場合、隣合う一対の円弧状部材の柱部半体同士を、前記連結部材により、互いに円周方向に相対変位可能かつ径方向に分離不可能に連結してもよい。
例えば、前記柱部半体の前記ポケットを向く面に径方向の全域にわたる連結用溝を設ける。また、前記連結部材は、基部と、この基部の両端から共に同じ方向に屈曲した一対の屈曲部と、これら屈曲部の先端から内側に折れ曲がり前記基部と平行な折曲げ部とでなる形状とする。そして、隣合う一対の円弧状部材の連結状態において、前記連結部材の一対の屈曲部が前記一対の柱部半体の前記連結用溝に嵌り込んで、両円弧状部材を円周方向に相対変位可能に連結し、かつ前記連結部材の基部と屈曲部とで前記一対の柱部半体を径方向の内外から挟み込んで、両円弧状部材を径方向に分離不可能に連結する。
連結用溝は単純な形状であるため、加工が容易である。連結部材も簡素な形状であるため、製作が容易である。そのため、保持器の製作コストを低減できる。また、単純な形状の連結用溝に簡素な形状の連結部材を嵌め込んで隣合う一対の円弧状部材を連結するため、その組立てが容易である。
連結用溝は単純な形状であるため、加工が容易である。連結部材も簡素な形状であるため、製作が容易である。そのため、保持器の製作コストを低減できる。また、単純な形状の連結用溝に簡素な形状の連結部材を嵌め込んで隣合う一対の円弧状部材を連結するため、その組立てが容易である。
さらに、前記柱部半体の内径面および外径面における前記連結用溝を含む軸方向箇所に円周方向の全域にわたる外径面凹部および内径面凹部をそれぞれ設け、これら外径面凹部および内径面凹部に前記連結部材の基部および折曲げ部がそれぞれ嵌り込むようにしてもよい。
柱部半体の外径面凹部および内径面凹部に連結部材の基部および屈曲部をそれぞれ嵌り込ませれば、柱部半体の外径面および内径面よりも連結部材が外径側および内径側に突出しないようにすることができる。
柱部半体の外径面凹部および内径面凹部に連結部材の基部および屈曲部をそれぞれ嵌り込ませれば、柱部半体の外径面および内径面よりも連結部材が外径側および内径側に突出しないようにすることができる。
この発明において、隣合う一対の円弧状部材の互いに対向する円周方向の端部における軸方向の端部同士を、前記連結部材により、互いに円周方向に相対変位可能かつ径方向に分離不可能に連結してもよい。
前記円弧状部材は、軸方向両端の円弧部と、これら両端の円弧部間にわたり円周方向の複数個所に設けられた複数の柱部とでなり、隣合う一対の柱部間にポケットが形成されたものである場合、例えば、前記円弧部の円周方向の端部における前記ポケットを向く面に、径方向の全域にわたる連結用溝を設ける。また、前記連結部材は、前記円弧部の円周方向の端部の外径面に沿う円弧状の基部と、この基部における複数の円周方向位置の一端からそれぞれ略直角方向に屈曲して突出した複数の屈曲部と、各屈曲部の先端から折れ曲がり前記基部と平行な複数の折曲げ部とでなる形状とする。そして、隣合う一対の円弧状部材の連結状態において、前記連結部材の複数の屈曲部が一対の円弧状部材の各連結用溝にそれぞれ嵌り込んで、両円弧状部材を円周方向に連結し、かつ前記連結部材の基部と折曲げ部とで前記一対の円弧状部材の各円弧部を径方向の内外から挟み込んで、両円弧状部材を径方向に分離不可能に連結する。この連結部材による一対の円弧状部材の連結は、軸方向の両端で行うのが望ましい。
連結用溝は単純な形状であるため、加工が容易である。連結部材も簡素な形状であるため、製作が容易である。そのため、保持器の製作コストを低減できる。また、単純な形状の連結用溝に簡素な形状の連結部材を嵌め込んで隣合う一対の円弧状部材を連結するため、その組立てが容易である。
連結用溝は単純な形状であるため、加工が容易である。連結部材も簡素な形状であるため、製作が容易である。そのため、保持器の製作コストを低減できる。また、単純な形状の連結用溝に簡素な形状の連結部材を嵌め込んで隣合う一対の円弧状部材を連結するため、その組立てが容易である。
前記円弧部の外径面および内径面における前記連結用溝の円周方向位置から円周方向端にかけて外径面凹部および内径面凹部をそれぞれ設け、これら外径面凹部および内径面凹部に前記連結部材の基部および折曲げ部がそれぞれ嵌り込むようにしてもよい。
円弧部の外径面凹部および内径面凹部に連結部材の基部および折曲げ部をそれぞれ嵌り込ませれば、円弧状部の外径面および内径面よりも連結部材が外径側および内径側に突出しないようにすることができる。
円弧部の外径面凹部および内径面凹部に連結部材の基部および折曲げ部をそれぞれ嵌り込ませれば、円弧状部の外径面および内径面よりも連結部材が外径側および内径側に突出しないようにすることができる。
この発明において、前記円弧状部材は、板材を曲げ加工することで成形してもよい。
この成形方法によれば、例えば、リング状の部材を円周方向の少なくとも一部を切断等して円弧状部材に加工する場合に比べて安価に製作することができる。
この成形方法によれば、例えば、リング状の部材を円周方向の少なくとも一部を切断等して円弧状部材に加工する場合に比べて安価に製作することができる。
この転がり軸受は、上記したように、安価で、組立て易く、運転状況等に依存せずに保持器を確実に分割状態にしてフレッティング防止を図ることができるため、自動車用トランスミッションのアイドラギアを支持する軸受に好適である。
この発明の保持器は、複数の転動体収納用ポケットを備えた複数の円弧状部材をリング状に連結してなるものにおいて、隣合う一対の円弧状部材の互いに対向する円周方向の端部同士を、円弧状部材とは別部材からなる連結部材により、互いに円周方向に相対変位可能かつ径方向に分離不可能に連結したことを特徴とする。
この構成によると、円弧状部材とは別部材からなる連結部材を用いて、隣合う一対の円弧状部材の互いに対向する円周方向の端部同士を連結することにより、円弧状部材については簡単な連結用手段を加工するだけで済む。そのため、保持器の構造を簡単化して製作コストの低減を図ることができる。
組立てに際しては、各円弧状部材のポケットに転動体をそれぞれ収納した状態で、これら円弧状部材をリング状に連結する。各円弧状部材をリング状に連結した状態では、各円弧状部材が互いに円周方向に相対変位可能かつ径方向に分離不可能である。軸受の組立時に、保持器を複数の円弧状部材をリング状に連結してなる1個の部品として取り扱えるため、組立作業が容易である。
この発明のトランスミッションには、上記転がり軸受が用いられる。
上記転がり軸受は、安価で、組立て易く、運転状況等に依存せずに保持器を確実に分割状態にしてフレッティング防止を図ることができるため、多方面から好ましいトランスミッションとすることができる。
上記転がり軸受は、安価で、組立て易く、運転状況等に依存せずに保持器を確実に分割状態にしてフレッティング防止を図ることができるため、多方面から好ましいトランスミッションとすることができる。
この発明の転がり軸受は、複数の転動体収納用ポケットを備えた複数の円弧状部材をリング状に連結してなる保持器を用いた転がり軸受において、前記保持器は、隣合う一対の円弧状部材の互いに対向する円周方向の端部同士を、円弧状部材とは別部材からなる連結部材により、互いに円周方向に相対変位可能かつ径方向に分離不可能に連結したため、安価で、組立て易く、運転状況等に依存せずに保持器を確実に分割状態にしてフレッティング防止を図ることができる。
この発明の保持器は、複数の転動体収納用ポケットを備えた複数の円弧状部材をリング状に連結してなる保持器において、隣合う一対の円弧状部材の互いに対向する円周方向の端部同士を、円弧状部材とは別部材からなる連結部材により、互いに円周方向に相対変位可能かつ径方向に分離不可能に連結したため、安価で、組立て易く、軸受に組み込んだ場合に、運転状況等に依存せずに確実に分割状態にしてフレッティング防止を図ることができる。
この発明の第1の実施形態を図1〜図6と共に説明する。図1に示すように、この転がり軸受1Aは保持器付きころであって、転動体としての複数のころ2と、各ころ2を保持する保持器3とでなる。各ころ2は、保持器3に円周方向に並んで形成された複数の転動体収納用ポケット4にそれぞれ収納される。部分拡大図に示すように、ポケット4は、後記柱部5bの外径端および内径端に設けた抜け止め4aにより、ころ2が径方向両側に抜けないようになっている。ころ2は、例えば軸受鋼等の鋼材で成形されている。また、保持器3は、この例では鋼材からなるが、樹脂製であってもよい。なお、図1では、他の図面に比べてころ2の直径を大きく、かつころ2の配列ピッチを広くして図示してある。したがって、ころ2の本数を少なく図示してある。
図2および図3に示すように、保持器3は、複数のポケット4を備えた複数(この例では2個)の円弧状部材5(図4、図5)を、円弧状部材5とは別部材からなる連結部材6(図6)によりリング状に連結してなる。各円弧状部材5は同一形状であって、金属製の板材を曲げ加工することで成形している。連結部材6も、金属製の板材を曲げ加工することで成形している。
各円弧状部材5は、軸方向両端の円弧部5aと、これら両端の円弧部5a間にわたり円周方向の複数個所に設けられた複数の柱部5bとでなる。隣り合う一対の柱部5b間に、前記ポケット4が形成されている。円弧状部材5の円周方向の端部は柱部半体5bAになっており、隣合う一対の円弧状部材5の柱部半体5bAが組み合わされて柱部5bを構成する。これら一対の柱部半体5bA同士を連結部材6により連結することで、各円弧状部材5を連結する。
円弧状部材5には、連結用手段として、柱部半体5bAのポケット4を向く面の軸方向中央部に、径方向の全域にわたる連結用溝7が設けられている。また、柱部半体5bAの外径面および内径面における上記連結用溝7を含む軸方向箇所は、円周方向の全域にわたる外径面凹部8および内径面凹部9がそれぞれ設けられて、この部分の径方向の肉厚が薄くなっている。この例では、外径面凹部8および内径面凹部9の軸方向範囲は、連結用溝7よりは広く、ポケット4よりは狭い範囲とされている。
図6に示すように、連結部材6は、板状の基部6aと、この基部6aの長手方向の両端から共に同じ方向に屈曲した一対の屈曲部6bと、これら屈曲部6bの先端から内側に折れ曲がり前記基部6aと平行な折曲げ部6cとでなるリップ溝形とされている。連結部材6の軸方向幅は、前記連結用溝7の幅よりも若干狭くしてある。また、一対の屈曲部6b間の距離は、連結用溝7が設けられた軸方向箇所における一対の柱部半体5bAの円周方向幅の和よりも広い。
隣合う一対の円弧状部材5の連結状態において、連結部材6の一対の屈曲部6bが両円弧状部材5の柱部半体5bAの連結用溝7にそれぞれ嵌り込んで、両円弧状部材5を連結する。上記のように一対の屈曲部6b間の距離が設定されているため、屈曲部6bと柱部半体5bA間、および一対の柱部半体5bA間に円周方向のすきまがあり、両円弧状部材5は互いに円周方向に相対変位可能である。また、連結部材6の基部6aと折曲げ部6cとが一対の柱部半体5bAを径方向の内外から挟み込んで、両円弧状部材5を径方向に分離不可能に連結する。連結部材6は、自身の弾性変形を利用して、上記のように連結用溝7に嵌め込まれる。
単純な形状の連結用溝7に簡素な形状の連結部材6を嵌め込んで隣合う一対の円弧状部材5を連結するため、その組立てが容易である。柱部半体5bAの外径面凹部7および内径面凹部8に連結部材6の基部6aおよび屈曲部6cがそれぞれ嵌り込むので、柱部半体5bAの外径面および内径面よりも連結部材6が外径側および内径側に突出しない。
このように、この転がり軸受1Aの保持器3は、隣合う一対の円弧状部材5の互いに対向する円周方向の端部同士を、円弧状部材5とは別部材からなる連結部材6により、互いに円周方向に相対変位可能かつ径方向に分離不可能に連結する。連結部材6を用いることで、円弧状部材5については、連結用手段として連結用溝7、外径面凹部8、および内径面凹部9の簡単な加工をするだけで済む。連結部材6も簡単な形状である。そのため、軸受構造を簡単化して製作コストの低減を図ることができる。
図7〜図12は、この発明の第2の実施形態を示す。この転がり軸受1Bも保持器付きころであり、保持器3以外は前記実施形態と同じ構成である。前記実施形態と同じ構成である箇所は同一符号を付して表し、説明を省略する。
この転がり軸受1Bの保持器3も、複数のポケット4を備えた複数(この例では2個)の円弧状部材5(図10、図11)を、円弧状部材5とは別部材からなる連結部材11(図12)によりリング状に連結する点では、前記実施形態と同様である。前記実施形態と異なる点は、隣合う一対の円弧状部材5の柱部半体5bA同士を連結部材6により連結するのではなく、隣合う一対の円弧状部材5の互いに対向する円周方向の端部における軸方向の端部同士を連結部材11により連結することである。この例では、隣合う一対の円弧状部材5の互いに対向する円弧部5aの端部同士を連結する。
円弧状部材5には、連結用手段として、円弧部5aの円周方向の端部におけるポケット4を向く面に、径方向の全域にわたる連結用溝12が設けられている。また、円弧部5aの外径面および内径面における連結用溝12の円周方向位置から円周方向端にかけて、外径面凹部13および内径面凹部14がそれぞれ設けられて、この部分の肉厚が薄くなっている。これら連結用溝12、外径面凹部13、および内径面凹部14は、軸方向の両端に設けられている。この例では、柱部半体5bAも、円弧部5aの外径面凹部13および内径面凹部14の箇所と同じ肉厚とされている。
図12に示すように、連結部材11は、円弧部5aの円周方向の端部の外径面に沿う円弧状の基部11aと、この基部11aにおける両円周方向端からそれぞれ略直角方向に屈曲して突出した一対の屈曲部11bと、各屈曲部11bの先端から折れ曲がり前記基部11aと平行な一対の折曲げ部11cとでなる。一対の屈曲部11bの内端間の距離A1は、円弧状部材5の円周方向端から連結用溝12までの最短の円周方向距離B1(図10)の2倍よりも広く、かつ一対の屈曲部11bの外端間の距離A2は、円弧状部材5の円周方向端から連結用溝12までの最長の円周方向距離B2(図10)の2倍よりも狭くしてある。
隣合う一対の円弧状部材5の連結状態において、連結部材11の一対の屈曲部11bが一対の円弧状部材5の各連結用溝12にそれぞれ嵌り込んで、両円弧状部材5を連結する。上記のように一対の屈曲部11b間の距離が設定されているため、屈曲部11bの内面と連結用溝12の壁面間、および一対の円弧状部材5間に円周方向のすきまがあり、両円弧状部材5は互いに円周方向に相対変位可能である。また、連結部材11の基部11aと折曲げ部11cとで一対の円弧状部材5の各円弧部5aを径方向の内外から挟み込んで、両円弧状部材5を径方向に分離不可能に連結する。この連結部材11による一対の円弧状部材5の連結は、軸方向の両端で行う。
単純な形状の連結用溝12に簡素な形状の連結部材11を嵌め込んで隣合う一対の円弧状部材5を連結するため、その組立てが容易である。円弧部5aの外径面凹部13および内径面凹部14に連結部材11の基部11aおよび屈曲部11cがそれぞれ嵌り込むので、円弧部5aの外径面および内径面よりも連結部材11が外径側および内径側に突出しない。
このように、この転がり軸受1Bの保持器3も、隣合う一対の円弧状部材5の互いに対向する円周方向の端部同士を、円弧状部材5とは別部材からなる連結部材11により、互いに円周方向に相対変位可能かつ径方向に分離不可能に連結する。連結部材11を用いることで、円弧状部材5については、連結用手段として連結用溝12、外径面凹部13、および内径面凹部14の簡単な加工をするだけで済む。連結部材11は簡単な形状である。そのため、軸受構造を簡単化して製作コストの低減を図ることができる。
第2の実施形態では、円弧状部材5の円弧部5aのポケット4を向く面に連結用溝12が設けられているが、円弧部5aの軸方向外面に連結用溝(図示せず)を設け、この連結用溝を用いて連結部材(図示せず)により一対の円弧状部材5を連結してもよい。
図13は、上記第1または第2の実施形態の転がり軸受1A(1B)を用いた自動車用トランスミッションの一部を示す断面図である。このトランスミッション20は、アイドラギア21の内径面と回転軸22の外径面との間に、転がり軸受1A(1B)が組み込まれている。転がり軸受1A(1B)の組込み時、保持器3は複数の円弧状部材5をリング状に連結してなる1個の部品として取り扱うことができ、また各円弧状部材5のポケット4にころ2を径方向両側に抜け止め状態に保持することができるため、組込み作業が容易である。
シンクロ機構が噛み合うと、アイドラギア21、回転軸22、および転がり軸受1A(1B)が一体となって同期回転する。隣合う一対の円弧状部材5が互いに連結された状態であっても、各円弧状部材5は円周方向に相対変位可能である。そのため、同期回転時の運転状況等に拘わらず、各円弧状部材5が確実に分割状態に維持される。それにより、アイドラギア21および回転軸22に対する転動体であるころ2の接触位置が常時変化して、アイドラギア21の内径面および回転軸22の外径面におけるフレッティング摩耗の発生が抑制される。
上記各実施形態の転がり軸受1A,1Bは軸受形式が保持器付きころであるが、図14および図15のように、外輪23および内輪24を備えた軸受形式としてもよい。なお、図14は第1の実施形態1Aの変形例1Cであり、図15は第2の実施形態1Bの変形例1Dである。
1A,1B,1C,1D…転がり軸受
2…ころ(転動体)
3…保持器
4…ポケット
5…円弧状部材
5a…円弧部
5b…柱部
5bA…柱部半体
6,11…連結部材
6a,11a…基部
6b,11b…屈曲部
6c,11c…折曲げ部
7,12…連結用溝
8,13…内径面凹部
9,14…外径面凹部
20…トランスミッション
2…ころ(転動体)
3…保持器
4…ポケット
5…円弧状部材
5a…円弧部
5b…柱部
5bA…柱部半体
6,11…連結部材
6a,11a…基部
6b,11b…屈曲部
6c,11c…折曲げ部
7,12…連結用溝
8,13…内径面凹部
9,14…外径面凹部
20…トランスミッション
Claims (13)
- 複数の転動体収納用ポケットを備えた複数の円弧状部材をリング状に連結してなる保持器を用いた転がり軸受において、
前記保持器は、隣合う一対の円弧状部材の互いに対向する円周方向の端部同士を、円弧状部材とは別部材からなる連結部材により、互いに円周方向に相対変位可能かつ径方向に分離不可能に連結したことを特徴とする転がり軸受。 - 請求項1において、前記転動体がころである転がり軸受。
- 請求項2において、前記転動体と前記保持器とでなる保持器付きころである転がり軸受。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記円弧状部材は、円周方向の端部に柱部半体を有し、この柱部半体は、隣合う一対の円弧状部材を連結した状態において両円弧状部材の柱部半体により、保持器におけるポケット間の部分である柱部を構成するものであり、隣合う一対の円弧状部材の柱部半体同士を、前記連結部材により、互いに円周方向に相対変位可能かつ径方向に分離不可能に連結した転がり軸受。
- 請求項4において、前記柱部半体の前記ポケットを向く面に径方向の全域にわたる連結用溝が設けられ、前記連結部材は、基部と、この基部の両端から共に同じ方向に屈曲した一対の屈曲部と、これら屈曲部の先端から内側に折れ曲がり前記基部と平行な折曲げ部とでなり、
隣合う一対の円弧状部材の連結状態において、前記連結部材の一対の屈曲部が前記一対の柱部半体の前記連結用溝に嵌り込んで、両円弧状部材を円周方向に相対変位可能に連結し、かつ前記連結部材の基部と屈曲部とで前記一対の柱部半体を径方向の内外から挟み込んで、両円弧状部材を径方向に分離不可能に連結する転がり軸受。 - 請求項5において、前記柱部半体の内径面および外径面における前記連結用溝を含む軸方向箇所に円周方向の全域にわたる外径面凹部および内径面凹部をそれぞれ設け、これら外径面凹部および内径面凹部に前記連結部材の基部および折曲げ部がそれぞれ嵌り込むようにした転がり軸受。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、隣合う一対の円弧状部材の互いに対向する円周方向の端部における軸方向の端部同士を、前記連結部材により、互いに円周方向に相対変位可能かつ径方向に分離不可能に連結した転がり軸受。
- 請求項7において、前記円弧状部材は、軸方向両端の円弧部と、これら両端の円弧部間にわたり円周方向の複数個所に設けられた複数の柱部とでなり、隣合う一対の柱部間にポケットが形成されたものであり、
前記円弧部の円周方向の端部における前記ポケットを向く面に、径方向の全域にわたる連結用溝が設けられ、前記連結部材は、前記円弧部の円周方向の端部の外径面に沿う円弧状の基部と、この基部における複数の円周方向位置の一端からそれぞれ略直角方向に屈曲して突出した複数の屈曲部と、各屈曲部の先端から折れ曲がり前記基部と平行な複数の折曲げ部とでなり、
隣合う一対の円弧状部材の連結状態において、前記連結部材の複数の屈曲部が一対の円弧状部材の各連結用溝にそれぞれ嵌り込んで、両円弧状部材を円周方向に連結し、かつ前記連結部材の基部と折曲げ部とで前記一対の円弧状部材の各円弧状部を径方向の内外から挟み込んで、両円弧状部材を径方向に分離不可能に連結する転がり軸受。 - 請求項8において、前記円弧状部の外径面および内径面における前記連結用溝の円周方向位置から円周方向端にかけて外径面凹部および内径面凹部をそれぞれ設け、これら外径面凹部および内径面凹部に前記連結部材の基部および折曲げ部がそれぞれ嵌り込むようにした転がり軸受。
- 請求項1ないし請求項9のいずれか1項において、前記円弧状部材は、板材を曲げ加工することで成形したものである転がり軸受。
- 請求項1ないし請求項10のいずれか1項において、自動車用トランスミッションのアイドラギアを支持する軸受である転がり軸受。
- 複数の転動体収納用ポケットを備えた複数の円弧状部材をリング状に連結してなる保持器において、
隣合う一対の円弧状部材の互いに対向する円周方向の端部同士を、円弧状部材とは別部材からなる連結部材により、互いに円周方向に相対変位可能かつ径方向に分離不可能に連結したことを特徴とする保持器。 - 請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の転がり軸受を用いたトランスミッション。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009260032A JP2011106509A (ja) | 2009-11-13 | 2009-11-13 | 転がり軸受およびその保持器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009260032A JP2011106509A (ja) | 2009-11-13 | 2009-11-13 | 転がり軸受およびその保持器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011106509A true JP2011106509A (ja) | 2011-06-02 |
Family
ID=44230213
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009260032A Pending JP2011106509A (ja) | 2009-11-13 | 2009-11-13 | 転がり軸受およびその保持器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011106509A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102014224107A1 (de) * | 2014-11-26 | 2016-06-02 | Aktiebolaget Skf | Wälzlagerkäfig |
CN111536157A (zh) * | 2019-02-07 | 2020-08-14 | 斯凯孚公司 | 包括用于促进弯曲的至少一个凹部的轴承保持架分段 |
-
2009
- 2009-11-13 JP JP2009260032A patent/JP2011106509A/ja active Pending
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