JP2008215424A - センサ付車輪用軸受 - Google Patents
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Abstract
速時を問わず車輪のタイヤと路面間の作用力を正確に検出できるセンサ付車輪用軸受を提
供する。
【解決手段】 このセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面3が内周に形成された外方部材
1と、この転走面3と対向する転走面4を外周に形成した内方部材2と、両転走面3,4
間に介在した複列の転動体5とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する。前記外
方部材および内方部材のうち、固定側部材である例えば外方部材1は、その外周にナック
ルへ取付ける車体取付用のフランジ1aを有し、このフランジ1aの円周方向の複数箇所
にボルト孔14が設けられる。前記外方部材1の内径面または外径面における、前記フラ
ンジ1aの前記ボルト孔14と同位相の位置に、1つ以上の歪みゲージ16を設置し、こ
の歪みゲージ16の出力信号により、前記車輪のタイヤと路面間の作用力を推定する推定
手段17を設ける。
【選択図】 図1
Description
用軸受に関する。
設けたものがある。従来の一般的な自動車の走行安全性確保対策は、各部の車輪の回転速
度を検出することで行われているが、車輪の回転速度だけでは十分でなく、その他のセン
サ信号を用いてさらに安全面の制御が可能なことが求められている。
えばコーナリングにおいては外側車輪に大きな荷重がかかり、また左右傾斜面走行では片
側車輪に、ブレーキングにおいては前輪にそれぞれ荷重が片寄るなど、各車輪にかかる荷
重は均等ではない。また、積載荷重不均等の場合にも各車輪にかかる荷重は不均等になる
。このため、車輪にかかる荷重を随時検出できれば、その検出結果に基づき、事前にサス
ペンション等を制御することで、車両走行時の姿勢制御(コーナリング時のローリング防
止、ブレーキング時の前輪沈み込み防止、積載荷重不均等による沈み込み防止等)を行う
ことが可能となる。しかし、車輪に作用する荷重を検出するセンサの適切な設置場所がな
く、荷重検出による姿勢制御の実現が難しい。
システムになってくると、車軸方向荷重を検出して運転手が握るハンドルに路面情報を伝
達することが求められる。
付け、歪みゲージの検出する歪みから車輪にかかる荷重を推定するようにしたものが提案されている(例えば特許文献1,2)。
特許文献1に開示の車輪用軸受では、固定輪である外輪の外周に歪みゲージを貼り付け
、転動体が通過するときの外輪の歪みを歪みゲージで検出する。また、特許文献2に開示
の車輪用軸受では、回転輪であるハブ輪の車輪取付用フランジに周方向に隣り合う複数の
透孔を設け、隣り合う透孔同士の間の柱部に歪みゲージを貼り付け、柱部の歪みを歪みゲ
ージで検出する。
転走面と外輪外周との間の肉厚を薄くしないと歪みを検出できず、軸受剛性が低くなる可
能性がある。また、転動体通過時の歪みを検出するため、静止時や低速時の荷重を推定す
るのが困難である。
ゲージを貼り付けているため、やはり軸受剛性が低くなるという問題がある。
静止時や低速時を問わず車輪のタイヤと路面間の作用力を正確に検出できるセンサ付車輪
用軸受を提供することである。
転走面と対向する転走面を外周に形成した内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在
した複列の転動体とを備え、前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材の外周に、
ナックルへ取付ける車体取付用のフランジを有し、このフランジの円周方向の複数箇所に
ボルト孔が設けられ、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、前記
固定側部材の内径面または外径面における、前記フランジの前記ボルト孔と同位相の位置
に、1つ以上の歪みゲージを設置し、この歪みゲージの出力信号により、前記車輪のタイ
ヤと路面間の作用力を推定する推定手段を設けたものである。
れて変形が生じる。このとき、固定側部材のフランジに設けられたボルト孔と同位相の位
置は、ボルトにより車体の懸架装置におけるナックルに固定されているのでほとんど変形
せず、ボルト孔と同位相の位置から周方向に離間した両側の位置が変形する。これにより
、固定側部材における前記ボルト孔と同位相の部位に歪みが集中し、荷重により歪み量が
大きく変化するため、固定側部材の内径面の前記ボルト孔と同位相の位置に設置された歪
みゲージは、荷重の印加に伴う固定側部材の歪みを感度良く検出することができる。この
歪みゲージの出力信号から、車輪のタイヤと路面間の作用力を推定手段で推定するように
しているので、静止時や低速時を問わず車輪のタイヤと路面間の作用力を正確に検出する
ことができる。また、荷重センサである歪みゲージの取付けにおいては、車輪用軸受への
追加工をほとんど必要としないので、軸受剛性を低下させることもない。
に貼っても良い。
固定側部材における前記ボルト孔と同位相の位置では周方向に歪むため、歪みゲージを
固定側部材の周方向の歪みを検出する方向に貼り付けた場合、歪みゲージによる固定側部
材の歪み検出をより感度良く行うことができる。
材における複列の転走面間の内径面に設けても良い。この構成の場合、複列の転走面に印
加される荷重を平均化したものを検出することになり、転動体の位置に影響されずに、よ
り正確に荷重を推定することができる。
サまたは前記フランジもしくはナックルに設けられた突部からなる介在部を介して、前記
各ボルト孔の周縁で接触させ、前記対向面の残りの範囲を互いに非接触としても良い。
この構成の場合、固定側部材のフランジにおけるナックルとの対向面は、各ボルト孔の
周縁においてのみスペーサまたは介在部を介してナックルの対向面に接触し、周方向に並
ぶボルト孔とボルト孔の間の対向面は摩擦力の働かない非接触面となる。そのため、荷重の印加に伴う固定側部材の変形は、隣り合うボルト孔とボルト孔の間の位相の部位で特に顕著となり、ボルト孔の位相の部位に歪みがさらに集中しやすくなる。その結果、歪みケージによる歪みの検出感度がさらに向上する。
直な方向となる上下方向の荷重を推定するものとしても良い。
車軸に対して垂直な方向に荷重が作用する場合、車輪用軸受に対しては純ラジアル荷重
に近い荷重が印加されるため、両列の転動体に対して同じ方向の荷重が加わる。そのため
、荷重方向に対して固定側部材の外径面が外方向へ変形する。この場合も、フランジのボ
ルト孔と同位相の位置では変形量が小さくなるため、ボルト孔と同位相である歪みゲージ
が設置された位置に歪みが集中しやすくなる。このことから、このセンサ付車輪用軸受で
は、歪みゲージの出力信号により、車軸に対して垂直な方向となる上下方向の荷重を推定
手段で推定するのに特に好適である。
転走面と対向する転走面を外周に形成した内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在
した複列の転動体とを備え、前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材の外周に、
ナックルへ取付ける車体取付用のフランジを有し、このフランジの円周方向の複数箇所に
ボルト孔が設けられ、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、前記
固定側部材の内径面または外径面における、前記フランジの前記ボルト孔と同位相の位置
に、1つ以上の歪みゲージを設置し、この歪みゲージの出力信号により、前記車輪のタイ
ヤと路面間の作用力を推定する推定手段を設けたため、軸受剛性を低下させることなく荷
重センサを取付けることができ、静止時や低速時を問わず車輪のタイヤと路面間の作用力
を正確に検出することができる。
の内輪回転タイプで、駆動輪支持用の車輪用軸受に適用したものである。なお、この明細
書において、車両に取り付けた状態で車両の車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボード
側と呼び、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。
走面3を形成した外方部材1と、これら各転走面3に対向する転走面4を形成した内方部
材2と、これら外方部材1および内方部材2の転走面3,4間に介在した複列の転動体5
とで構成される。この車輪用軸受は、複列のアンギュラ玉軸受型とされていて、転動体5
はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。上記転走面3,4は断面円弧状
であり、ボール接触角が背面合わせとなるように形成されている。外方部材1と内方部材2との間の軸受空間の両端は、一対のシール7,8によってそれぞれ密封されている。
ックルに取付ける車体取付用フランジ1aを外周に有し、全体が一体の部品とされている
。フランジ1aには円周方向の複数箇所に車体取付用のボルト孔14が設けられている。
内方部材2は回転側部材となるものであって、車輪取付用のハブフランジ9aを有する
ハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bのインボード側端の外周に嵌合した内輪10とでな
る。これらハブ輪9および内輪10に、前記各列の転走面4が形成されている。ハブ輪9
のインボード側端の外周には段差を持って小径となる内輪嵌合面12が設けられ、この内
輪嵌合面12に内輪10が嵌合している。ハブ輪9の中心には貫通孔11が設けられてい
る。ハブフランジ9aには、周方向複数箇所にハブボルト(図示せず)の圧入孔15が設
けられている。ハブ輪9のハブフランジ9aの根元部付近には、車輪および制動部品(図示せず)を案内する円筒状のパイロット部13がアウトボード側に突出している。
図2は、この車輪用軸受のインボード側から見た正面図を示す。なお、図1は、図2に
おけるI−O−I矢視断面図を示す。
ここでは4個)の歪みゲージ16が、図2のようにハブフランジ9aのボルト孔14と同
位相の位置に貼り付けられている。ここでは、これらの歪みゲージ16は、外方部材1の
内径面における両列の転走面3,3間の位置で、外方部材1の周方向の歪みを検出する方
向に貼り付けられている。また、外方部材1には、歪みゲージ16の配線を外部に引き出
す配線孔(図示せず)が設けられている。この配線孔は、各歪みゲージ16の設置部の近
傍にそれぞれ設けても良いし、各歪みゲージ16の配線を一箇所にまとめて一つの配線孔
から外部に引き出すようにしても良い。各歪みゲージ16は、保護用のカバーで被覆する
のが望ましい。歪みゲージ16として、例えば抵抗線歪みゲージが用いられるが、そのほ
か半導体歪みゲージなどを用いても良い。
両列の転走面3,3間の位置が選ばれているが、アウトボード側のシール7と転走面3の
間の位置や、インボード側のシール8と転走面3の間の位置に歪みベージ16を貼り付け
ても良い。また、外方部材1の内径面に歪みゲージ16を貼り付けるのに代えて、外方部
材1の外径面に歪みゲージ16を貼り付けても良い。
6の出力信号により、車輪のタイヤと路面間の作用力を推定する手段である。推定手段1
7は、車輪のタイヤと路面間の作用力と歪みゲージ16の出力信号との関係を演算式また
はテーブル等により設定した関係設定手段(図示せず)を有し、入力された出力信号から
前記関係設定手段を用いて作用力を出力する。前記関係設定手段の設定内容は、予め試験
やシミュレーションで求めておいて設定する。
にも荷重が印加されて変形が生じる。このとき、外方部材1のフランジ1aに設けられた
ボルト孔14と同位相の位置は、ボルトにより車体の懸架装置におけるナックルに固定さ
れているのでほとんど変形せず、ボルト孔14と同位相の位置から周方向に離間した両側
の位置が変形する。これにより、外方部材1における前記ボルト孔14と同位相の部位に
歪みが集中し、荷重により歪み量が大きく変化するため、外方部材1の内径面の前記ボル
ト孔14と同位相の位置に貼り付けられた歪みゲージ16は、荷重の印加に伴う外方部材
1の歪みを感度良く検出することがきる。この歪みゲージ16の出力信号から、車輪のタ
イヤと路面間の作用力を推定手段17で推定するようにしているので、静止時や低速時を
問わず車輪のタイヤと路面間の作用力を正確に検出することができる。
また、荷重センサである歪みゲージ16の取付けにおいては、車輪用軸受への追加工を
ほとんど必要としないので、軸受剛性を低下させることもない。
また、車輪のタイヤと路面間の作用力だけでなく、車輪用軸受に作用する力(例えば予圧量)を検出するものとしても良い。
の説明図である。この場合、車輪用軸受に対しては純ラジアル荷重に近い荷重が印加され
るため、両列の転動体5に対して同じ方向の荷重が加わる。そのため、荷重方向に対して
外方部材1の外径面が同図に矢印で示すように外方向へ変形する。なお、同図中の矢印の
長さは、変形量の大きさを示す。この場合も、フランジ1aのボルト孔14と同位相の位
置では変形量が小さくなるため、ボルト孔14と同位相である歪みゲージ16が貼り付け
られた位置に歪みが集中しやすくなる。このことから、このセンサ付車輪用軸受では、歪
みゲージ16の出力信号により、車軸に対して垂直な方向となる上下方向の荷重Fzを推
定手段17で推定するのに特に好適である。
向に歪むため、この実施形態のように、歪みゲージ16を外方部材1の周方向の歪みを検
出する方向に貼り付けた場合、歪みゲージ16による外方部材1の歪み検出をより感度良
く行うことができる。
の内径面における両列の転走面3,3間の軸方向位置に貼り付けているので、両列の転走
面3に印加される荷重を平均化したものを検出することになり、転動体5の位置に影響さ
れずにより正確に荷重を推定することができる。
態において、外方部材1のフランジ1aと車体の懸架装置のナックル18との互いの対向
面を、フランジ1aの各ボルト孔14の周縁においてスペーサ19を介在させることで接
触させ、前記対向面の残りの範囲を互いに非接触としたものである。スペーサ19を介在
させるのに代えて、フランジ1aまたはナックル18の前記対向面に突部からなる介在部
を設け、この介在部を相手側の対向面に接触させるようにしても良い。その他の構成は図
1の実施形態の場合と同様である。
各ボルト孔14の周縁においてのみスペーサ(または介在部)19を介してナックル18
の対向面に接触し、周方向に並ぶボルト孔14とボルト孔14の間の対向面は摩擦力の働
かない非接触面となるので、荷重の印加に伴う外方部材1の変形は、隣り合うボルト孔1
4とボルト孔14の間の位相の部位で特に顕著となり、ボルト孔14の位相の部位に歪み
がさらに集中しやすくなる。その結果、歪みゲージ16による歪みの検出感度がさらに向
上する。
1a…車体取付用フランジ
2…内方部材
3,4…転走面
5…転動体
14…ボルト孔
15…圧入孔
16…歪みゲージ
17…推定手段
18…ナックル
19…スペーサ
Claims (5)
- 複列の転走面が内周に形成された外方部材と、この転走面と対向する転走面を外周に形
成した内方部材と、両部材の対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、前記外
方部材および内方部材のうちの固定側部材の外周に、ナックルへ取付ける車体取付用のフ
ランジを有し、このフランジの円周方向の複数箇所にボルト孔が設けられ、車体に対して
車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
前記固定側部材の内径面または外径面における、前記フランジの前記ボルト孔と同位相
の位置に、1つ以上の歪みゲージを設置し、この歪みゲージの出力信号により、前記車輪
のタイヤと路面間の作用力を推定する推定手段を設けたセンサ付車輪用軸受。 - 請求項1において、前記歪みゲージは、前記固定側部材の周方向の歪みを検出する方向
に貼ったセンサ付車輪用軸受。 - 請求項1または請求項2において、前記固定側部材が外方部材であり、前記歪みゲージ
は前記固定側部材における複列の転走面間の内径面に設けたセンサ付車輪用軸受。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記固定側部材のフランジとナック
ルとの互いの対向面を、スペーサまたは前記フランジもしくはナックルに設けられた突部
からなる介在部を介して、前記各ボルト孔の周縁で接触させ、前記対向面の残りの範囲を
互いに非接触としたセンサ付車輪用軸受。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記推定手段は、前記歪みゲージの
出力信号より、車軸に対して垂直な方向となる上下方向の荷重を推定するものとしたセン
サ付車輪用軸受。
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JP2007051018A JP4936931B2 (ja) | 2007-03-01 | 2007-03-01 | センサ付車輪用軸受 |
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-
2007
- 2007-03-01 JP JP2007051018A patent/JP4936931B2/ja not_active Expired - Fee Related
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