JP2006145436A - センサ付き転がり軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 少ない部品点数にて荷重を高精度に検出することができるとともに、構造及びセンサの組込作業を簡略化することができるセンサ付き転がり軸受装置を提供する。
【解決手段】 センサ付き転がり軸受装置1において、外輪(固定軌道輪)3と、ナックル部(固定部品)20とを固定する各固定ボルト(固定手段)13a、13cに一対の歪みゲージ(荷重センサ)14a、14bを設けて、これらの歪みゲージ14a、14bの検出信号を基に外輪3とナックル部20との間に働く荷重を検出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、センサが組み込まれたセンサ付き転がり軸受装置に関する。
転がり軸受装置には、本来的な軸受機能に加えて、その軸受回転時における荷重等の動作データを検知するためのセンサが組み込まれたセンサ付き転がり軸受装置がある(例えば、特許文献1参照。)。具体的にいえば、この従来の軸受装置は自動車用の軸受ハブユニットに適用されたものであり、内輪(回転軌道輪)の取付フランジに歪みゲージを貼り付けて軸受装置に作用する荷重を検出するようになっている。
特開2003−246201号公報(図1〜2)
しかしながら、上記のような従来のセンサ付き転がり軸受装置では、歪みゲージを回転軌道輪の取付フランジに貼り付けていたので、その歪みゲージからの検出信号を無線装置やスリップリング等を設けて制御装置に出力する必要があり、当該軸受装置の構造が複雑になるという問題点を有している。また、この従来軸受装置では、荷重を精度よく検出するためには、上記取付フランジに変形(歪み)が生じ易いように、当該取付フランジに透孔を形成して、この透孔内の表面に歪みゲージを貼り付けることが要求されるため、荷重センサの組込作業を簡略化することができないという問題点がある。
上記のような従来の問題点に鑑み、本発明は、少ない部品点数にて荷重を高精度に検出することができるとともに、構造及びセンサの組込作業を簡略化することができるセンサ付き転がり軸受装置を提供することを目的とする。
本発明のセンサ付き転がり軸受装置は、固定軌道輪及び回転軌道輪と、これらの軌道輪間に転動自在に設けられた転動体とを備えた軸受を有する転がり軸受装置であって、
前記固定軌道輪とこの固定軌道輪が固定される固定部品とを固定する固定手段に、これらの固定軌道輪と固定部品との間に働く荷重を検出する荷重センサを設けたことを特徴とするものである。
上記のように構成されたセンサ付き転がり軸受装置では、その固定軌道輪とこれに固定される固定部品とを固定する固定手段に荷重センサを設けるとともに、この荷重センサにより、当該固定軌道輪と固定部品との間に働く荷重を検出する。これにより、上記従来例と異なり、無線装置等を設けることなく、荷重を高精度に検出することができる。しかも、荷重センサを固定手段に設けているので、この固定手段による固定軌道輪と固定部品との固定作業の終了と同時に、荷重センサの組込作業を終了させることが可能となる。
また、上記センサ付き転がり軸受装置において、前記荷重センサが、前記荷重に応じて前記固定手段に発生した歪みを検出するとともに、検出した歪みの曲げ成分及び引張成分のうち、一方の歪み成分が相殺され、かつ他方の歪み成分だけが検出されるように、互いに直列に接続された2個の歪みゲージであってもよい。
この場合、上記曲げ成分及び引張成分のうち、相殺した残りの上記他方の歪み成分だけを強調して検出するので、高精度な荷重検出をより容易に行うことができる。
また、上記センサ付き転がり軸受装置において、前記荷重センサが、前記固定手段に内蔵されるか、又は前記固定手段と前記固定部品との間に挟み込まれるように当該固定手段の表面上に取り付けられ、前記荷重に応じた信号を出力する圧電素子であることが好ましい。
この場合、上記荷重を圧電素子の圧電効果によって直接的に検出することができるので、歪みゲージを使用する場合と異なり、ブリッジ回路を設けることなく、荷重検出を行うことが可能となって部品点数をより削減することができ、装置の構造をさらに簡略化することができる。
また、上記センサ付き転がり軸受装置において、前記固定軌道輪が、車両のサスペンションに含まれた円環状のナックル部に固定されるフランジ部を備えた外輪により構成されるとともに、
前記固定手段が、前記軸受の軸方向周りの互いに異なる所定の位置で前記ナックル部と前記フランジ部とをそれぞれ固定する複数の固定ボルトにより構成されていることが好ましい。
この場合、複数の上記荷重センサが軸受の軸方向周りの異なる位置に配設されることとなり、軸受装置が上記サスペンションに取り付けられたときにこれら複数の荷重センサは当該軸受装置が設けられた車輪の車軸周りの異なる位置に配設されて、車両の前後方向、上下方向、及び左右方向での荷重成分を検出することが可能となって、その車両の挙動を車輪毎に精度よく検知することが可能となる。
本発明のセンサ付き転がり軸受装置によれば、無線装置等を設けることなく、荷重を高精度に検出することができるので、少ない部品点数により荷重検出を高精度に行なうとともに、その構造を簡略化することができる。しかも、固定手段による固定軌道輪と固定部品との固定作業の終了と同時に、荷重センサの組込作業を終了させることが可能となるので、当該荷重センサの組込作業を簡略化することができる。
以下、本発明のセンサ付き転がり軸受装置(以下、単に軸受装置ともいう。)の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。尚、以下の説明では、本発明を車両の従動輪用ハブユニットに適用した場合を例示して説明する。
[実施の形態1]
図1は本発明の一実施の形態に係る軸受装置の断面図であり、図2は図1の矢印A方向から見た場合での上記軸受装置の要部例を示す図である。図1において、右側は車両アウター側(車輪側)、左側は車両インナー側であり、本実施の形態1の軸受装置1は、転がり軸受装置2と、センサ装置Sとによって構成されている。前記転がり軸受装置2は、複列アンギュラ玉軸受タイプのものであり、外輪3と、内軸(ハブ)4と、内輪5と、複数の玉からなる転動体6、7とを備えている。また、転がり軸受装置2には、転動体6、7をそれぞれ周方向に沿って所定間隔で保持する保持器8、9と、外輪3と内軸4との隙間に配置されたシール10と、内軸4に螺着されたナット11とが設けられている。
上記外輪3は、車体側に固定される固定軌道輪であり、その内周側には、複列の軌道3a,3bが形成されている。一方、回転軌道輪は、内軸4と内輪5とで構成されており、軌道3aに対向する内軸4の箇所には、軌道4aが形成されて、上記転動体6が軌道3aとの間で転動するようになっている。また、軌道3bに対向する内輪5の箇所には、軌道5aが形成されて、上記転動体7が軌道3bとの間で転動するようになっている。
上記内軸4は、車両アウター側端部において径方向外側に形成されたフランジ部4bを有しており、このフランジ部4bに圧入固定されたボルト24によって上記車両のブレーキ装置に含まれるディスクロータ22及び車輪ホイール23がこの順に当該フランジ部4bに固定されている。
また、上記内輪5は、内軸4の車両インナー側端部に螺着された上記ナット11を締め付けることにより、当該内軸4に固定されている。
また、外輪3には、上記車両のサスペンション(図示せず)に含まれた固定部品としての円環状のナックル部20が固定されている。すなわち、この外輪3は、車両インナー側で径方向外側に形成されたフランジ部3cと、車両インナー側に軸方向に延ばされた円筒状部3dとを有している。そして、外輪3とナックル部20とは、フランジ部3cの軸方向端面3c1とナックル部20の軸方向端面20aとが面接触し、かつ、円筒状部3dの外周面3d1とナックル部20の内周面20bとが面接触した状態で、図2に示す4つの固定ボルト13a、13b、13c、13dにより固定されている。
また、上記円筒状部3dの内周面には、カバー12が圧入されており、転がり軸受装置2の内外輪間の環状開口部を車両インナー側から密封して、当該環状開口部を車両アウター側から密封する上記シール10とともに、軸受内部への雨水や異物等の侵入を防いでいる。
また、上記固定ボルト13a〜13dは、図2に示すように、軸受の軸方向周りの異なる位置でナックル部20と外輪3のフランジ部3cとを固定している。詳細には、図2において、X軸及びZ軸の方向はそれぞれ上記車両の前後方向及び上下方向を示しており、固定ボルト13aは例えば車両の前方上側に配置されている。また、この固定ボルト13aは軸受の軸中心OでのX軸に対する角度(中心角)が所定の角度(例えば、30°)となる位置に配置されており、さらには固定ボルト13aと固定ボルト13cとは上記軸中心Oに関して互いに点対称となる位置に配置されている。また、固定ボルト13bと固定ボルト13dとは軸中心Oに関して互いに点対称となる位置に配置され、かつ、これらの固定ボルト13b、13dは固定ボルト13a、13cとそれぞれZ軸に関して線対称となる位置に配置されている。そして、固定ボルト13b、13c、13dはそれぞれ車両の後方上側、後方下側、及び前方下側に配置されて、固定ボルト13a〜13dは軸受の軸方向に一致する車両の左右方向(図2の紙面に垂直な方向、以下、Y軸方向という)周りの異なる位置に配設されナックル部20とフランジ部3cとを固定している。
図1に戻って、各固定ボルト13a〜13dには、上記センサ装置Sに含まれる荷重センサとしての一対の歪みゲージ14a、14bが設けられており、対応する固定ボルト13a〜13dに生じた歪み(弾性変形)を検出するようになっている。具体的には、例えば固定ボルト13aでは、ナックル部20に形成されたボルト孔に挿通されるボルト軸部の外周面上に、当該外周面を平坦状に切り欠くことによって2箇所の平坦面が設けられており、歪みゲージ14a、14bが当該ボルト軸部を挟むように前記の平坦面にそれぞれ貼り付けられている。また、固定ボルト13aでは、そのネジ部が上記フランジ部3cに形成されたネジ孔に螺着されており、外輪3(転がり軸受装置2)とナックル部20との間に荷重が作用したときに、その荷重に応じて固定ボルト13aが歪んでその歪みを各歪みゲージ14a、14bが検出する。
また、歪みゲージ14a、14bには、信号線15a、15bがそれぞれ接続されている。これらの信号線15a、15bは、固定ボルト13aのボルト頭部に形成された貫通孔を通して当該固定ボルト13aの外部に引き出され、さらにボルト頭部上に配置された中継用端子板14cに接続されている。そして、図2に示されるように、前記端子板14cには、ケーブル16が接続されており、このケーブル16を介して各歪みゲージ14a、14bの検出信号が制御装置17に入力されるようになっている。また、この制御装置17は、例えば車両に搭載されたECUであり、各固定ボルト13a〜13dに設けられた歪みゲージ14a、14bからの検出信号に基づき対応する荷重成分を検出するように構成されている。
詳細にいえば、制御装置17内には、図3(a)に示されるブリッジ回路が固定ボルト13a〜13d毎に設けられている。また、この制御装置17では、検出した歪み(荷重)の曲げ成分及び引張成分のうち、曲げ成分を相殺し、かつ引張成分だけが検出されるように、上記一対の歪みゲージ14a、14bが互いに直列に接続された状態で上記ブリッジ回路の一辺に接続されるようになっている。そして、制御装置17では、上記荷重に応じて歪みゲージ14a、14bの抵抗値Rg1、Rg2が変化したときに、ブリッジ回路での出力電圧e0を測定し、下記の(1)式を用いて歪み量ε0を算出し、その算出した歪み量ε0を基に対応する固定ボルト13a〜13dにおける荷重の検出値(引張成分)を取得する。
e0 = (E/4)・KS・ε0 ―――(1)
尚、(1)式のE及びKSは、それぞれブリッジ回路での入力電圧及びゲージ率を示している。
さらに、制御装置17は、固定ボルト13a〜13dに各々設けられた一対の歪みゲージ14a、14bから得られる4つの荷重検出値を用いて、車両の前後方向、上下方向、及び左右方向での荷重方向成分を求めるようになっている。そして、制御装置17は、上記前後方向、上下方向、及び左右方向での荷重方向成分を用いて、電動パワーステアリングシステム、ブレーキシステムやトラクションコントロールシステム等の車両の他のシステムへの指示信号を作成することで、求めた荷重方向成分を車両の姿勢制御に反映するよう構成されている。
詳細には、車両の前後方向、上下方向、及び左右方向に荷重が作用した場合での具体的な荷重検出値の変化は次の表1、表2、及び表3にてそれぞれ示されるようになる。また、各表に示す“+”及び“−”は変化前の値との比較結果であり、各表の上欄に示す荷重が作用したときに、対応する歪みゲージ(固定ボルト)にそれぞれ伸び及び縮みが生じることを示している。また、表3に示すように、車両の左右方向の荷重検出では、車両上側又は車両下側の2つの固定ボルトに取り付けられた荷重センサからの検出値を大小比較することにより、車両内側方向又は車両外側方向の判別を行うことができる。
Figure 2006145436
Figure 2006145436
Figure 2006145436
さらに、制御装置17は、一対の歪みゲージ14a、14b(荷重センサ)の位置情報、つまり各固定ボルト13a〜13dにおける軸中心Oでの上記中心角の値を用いて対応する荷重検出値をX軸方向成分とZ軸方向成分とに分けて、4つのX軸方向成分及び4つのZ軸方向成分にそれぞれ所定の演算を行うことにより、車両の前後方向及び上下方向の荷重方向成分を取得する。また、制御装置17は、例えば車両上側に配置された固定ボルト13a、13bに各々取り付けられた歪みゲージ14a、14bによる荷重検出値の差分を算出することにより、Y軸方向成分を求めて車両の左右方向での荷重方向成分を得るようになっている。
また、制御装置17では、上記出力電圧e0の信号形態、すなわち歪みゲージ14a、14bの検出信号の信号形態も用いて、車両の走行状況等を判断しつつ、取得した各荷重方向成分に基づき他のシステムへの指示信号を作成する。具体的にいえば、荷重検出値が小刻みに変動する場合、制御装置17は、車両走行路面の凸凹等により車輪が上下方向に振動していると判断して、この判断した路面状況と荷重方向成分とを基に電動パワーステアリングシステムでのステアリング特性等を変更する。また、急激な検出値変化後に大きい検出値が所定の持続時間を超える場合には、制御装置17はブレーキ操作によるロックや滑りが発生していると判断して、ブレーキシステムのブレーキ力等を変更する。
以上のように構成された本実施の形態1では、外輪(固定軌道輪)3とナックル部(固定部品)20とを固定する各固定ボルト(固定手段)13a〜13dに設けた一対の歪みゲージ(荷重センサ)14a、14bにより、転がり軸受装置2に作用する荷重を検出しているので、上記従来例と異なり、無線装置等を設けることなく当該荷重を高精度に検出することができる。さらに、車両の組立作業において、固定ボルト13a〜13dにより、外輪3とナックル部20とを固定した時点で、上記荷重検出を行う歪みゲージ14a、14bが車両に装着されるので、当該荷重センサの組込作業を極めて簡略化することができる。その結果、部品点数を削減しつつ、荷重検出を高精度に行える構造及びセンサ組込作業を簡略化した軸受装置を構成することができる。しかも、荷重センサの位置が固定されているので、車両の前後方向、上下方向、及び左右方向での各荷重方向成分の検出が容易となって、当該車両の姿勢制御も容易に行うことができる。さらに、歪みゲージ14a、14bは、ブレーキ操作に伴って発熱し易いディスクロータ22から離された箇所で、しかもナックル部20のボルト孔内に配置されているので、歪みゲージがディスクロータの近傍に配置された上記従来例に比べて、歪みゲージ14a、14bでの温度ドリフトを抑えることができる。従って、この温度ドリフトの影響を極力小さくして、荷重検出精度を容易に向上させることができる。
また、本実施の形態1では外輪3がナックル部20に固定されて、軸受装置1が車両用ハブユニットとして使用されるときに、4組の一対の歪みゲージ14a、14bが車輪の車軸周りの異なる位置に配設されて、制御装置17が車両の前後方向、上下方向、及び左右方向の荷重方向成分を検出している。これにより、制御装置17は、上記ハブユニットが設けられた車両の車輪の路面との接触圧等を精度よく検知し、車両挙動を当該軸受装置1が設けられた車輪毎に検知することが可能となり、車両の姿勢制御をより高精度に行うことができる。
また、本実施の形態1では、一対の歪みゲージ14a、14bにより検出される歪みの曲げ成分及び引張成分において、曲げ成分を相殺し、引張成分を強調して抽出している。その結果、固定ボルト13a〜13dに発生する歪みが微小な場合でも、高精度な荷重検出をより容易に行うことができる。
尚、上記の説明では、1つの各固定ボルト13a〜13dに2つの歪みゲージ14a、14bを設けて、引張成分だけを検出する構成について説明したが、本発明のセンサ装置Sにおける歪みゲージの設置数やブリッジ回路の構成等はこれに限定されるものではない。例えば図3(b)に示されるように、互いに直列に接続された歪みゲージ14a、14bをブリッジ回路での隣り合う2辺にそれぞれ接続することにより、各歪みゲージ14a、14bで検出される引張成分を相殺し、曲げ成分を強調して抽出し、この曲げ成分を用いて微小な歪み(荷重)検出を高精度に行うこともできる。尚、図3(b)に示したブリッジ回路を用いた場合、制御装置17は、次の(2)式を用いて、歪み量ε0を算出して荷重検出を行う。また、歪みゲージ14a、14bがブリッジ回路での隣り合う2辺にそれぞれ接続されているので、温度ドリフト分が自動的にキャンセルされることとなり、温度補償回路の構成を簡略化することができる。さらに、この曲げ成分だけを抽出する場合には、例えば固定ボルト13aが歪んだときに、その歪みゲージ14a、14bが上記ボルト孔の内周面に接触しないように、各歪みゲージ14a、14bを当該内周面と隙間をおいて固定ボルト13aの平坦面に貼着することが好ましい。但し、このように、固定ボルトの平坦面に歪みゲージを取り付ける場合では、曲げ成分よりも引張成分が当該平坦面に生じ易いことから、図3(a)に示したブッリジ回路にて引張成分だけを抽出する場合の方が、荷重を高分解能で検出できる点で好ましい。
e0 = (E/2)・KS・ε0 ―――(2)
[実施の形態2]
図4は本発明の別の実施の形態に係る軸受装置の断面図であり、図5は図4の矢印B方向から見た場合での上記軸受装置の要部例を示す図である。図において、本実施の形態2と上記実施の形態1との主な相違点は、一対の歪みゲージに代えて、圧電素子を荷重センサに用いた点である。
図4に示されるように、本実施の形態2では、例えば固定ボルト13aのボルト軸部の外周面に荷重センサとしての圧電素子18が巻回されている。この圧電素子18は、例えば厚さ20〜200μm程度のフィルム状のものが使用されており、圧電(ピエゾ)効果によって検出した圧力に応じた電圧信号を出力するようになっている。詳細には、圧電素子18は、例えば可撓性に優れたポリフッ化ビニリデン等の高分子圧電体によって構成されており、固定ボルト13aが外輪3とナックル部20とを固定したときに、圧電素子18が固定ボルト13aとナックル部20との間に挟み込まれるように、当該圧電素子18は上記ボルト軸部の外周面に取り付けられている。
また、上記圧電素子18には、図4に示されるように、ケーブル19が接続されており、このケーブル19はボルト頭部に形成された貫通孔を通して固定ボルト13aの外部に引き出されている。そして、図5に示されるように、ケーブル19が上記制御装置17に直接的に接続されることにより、圧電素子18から信号が当該制御装置17に入力されるようになっている。
また、制御装置17では、上記実施の形態1と同様に、4つの各固定ボルト13a〜13dに設けられた圧電素子18からの電圧信号に基づき対応する荷重成分を検出するように構成されている。
すなわち、各圧電素子18では、外輪3(転がり軸受装置2)とナックル部20との間に作用した荷重に応じて、対応する固定ボルトとナックル部20との間での圧力が変化したときに、その圧力変化に従って静電容量が変化し、制御装置17への電圧信号値も変化する。そして、制御装置17が、各固定ボルト13a〜13dに設けられた圧電素子18毎に、定常状態(軸受装置1を車両に取り付けたときの初期状態)での電圧信号値と比較することにより、対応する荷重成分が検出される。さらに、制御装置17は、上記実施の形態1と同様に、4つの圧電素子18から得られる4つの荷重検出値を用いて、車両の前後方向、上下方向、及び左右方向での荷重方向成分を求め、車両の姿勢制御に反映する。
以上の構成により、本実施の形態2では、各固定ボルト13a〜13dに巻回された圧電素子18により、転がり軸受装置2に作用する荷重を検出するので、上記実施の形態1と同様に、無線装置等を設けることなく当該荷重を高精度に検出することができる。また、本実施の形態2では、圧電素子18の圧電効果によって荷重を直接的に検出しているので、ブリッジ回路を必要とする実施の形態1に比べ、軸受装置1の部品点数をさらに削減して、装置構造をより簡略化することができる。
尚、上記実施の形態2の説明では、1つの各固定ボルト13a〜13dとナックル部20との間に挟む込まれるように、当該固定ボルト13a〜13dのボルト軸部外周面に巻回された圧電素子18を用いた場合について説明したが、本発明のセンサ装置Sにおける圧電素子の設置数や取付方法等はこれに限定されるものではない。具体的には、固定ボルトのボルト軸部の外周面に、例えば上記Z軸方向に平行なスリット孔を設けて、このスリット孔内に圧電素子を内蔵させて、上記X軸方向やY軸方向での荷重方向成分を検出する構成でもよい。
また、上記実施の形態2の説明では、高分子圧電体により構成された圧電素子を用いた場合について説明したが、本発明の圧電素子は固定軌道輪と固定部品との間に挟み込むことができるフィルム状のものであれば、何等限定されるものではなく、ピエゾ効果をもつ圧電セラミックスやこの圧電セラミックスと圧電ポリマー樹脂との複合体等からなる圧電素子を使用することもできる。但し、上記のような高分子圧電体からなる圧電素子を用いる場合の方が、当該高分子圧電体が上記の他の材質に比べて優れた可撓(柔軟)性を備えていることから、平坦面以外の箇所、例えば上記外輪外周面上に装着する場合でも、その外周面形状に沿ってフレキシブルに変形して容易に装着できる点で好ましい。また、高分子圧電体は、他の材質よりも形状加工性が優れていることから、圧電素子の装着箇所に応じた形状に加工し易い点でも好ましい。さらに、高分子圧電体は、圧電セラミックスに比べ20倍程度の高耐電圧性を有している点でも好ましい。
尚、上記各実施の形態の説明では、複列アンギュラ玉軸受タイプの軸受を具備する車両の従動輪用ハブユニットに適用した場合について説明したが、本発明は固定軌道輪及び回転軌道輪と、これらの軌道輪間に転動自在に設けられた転動体とを備えた軸受を有する転がり軸受装置において、固定軌道輪とこれに固定される固定部品とを固定する固定手段に荷重センサを設けて、この荷重センサにて固定軌道輪と固定部品との間に働く荷重を検出するものであればよく、転動体の種類や設置数等の軸受形式等は上記のものに何等限定されるものではない。具体的には、車両駆動輪用ハブユニットを構成する転がり軸受装置に適用することができる。また、ハブユニット以外の回転機器などの機械や装置等に組み込まれ、上記実施の形態とは逆に、内輪及び外輪をそれぞれ固定軌道輪及び回転軌道輪として使用する軸受装置に適用することもできる。
また、上記の説明では、車両用ハブユニットにおいて、外輪(固定軌道輪)を車両側のナックル部に固定するハブボルトとしての固定ボルトに荷重センサを設けた場合について説明したが、本発明の固定手段はこれに限定されるものではなく、例えば固定ボルトとナックル部との間にワッシャを設けるとともに、このワッシャの表面に歪みゲージを貼り付けたり、ワッシャとナックル部との間に圧電素子を挟み込んだりする構成でもよい。
また、上記の説明では、固定ボルトのボルト頭部に信号線等を外部に引き出すための貫通孔を設けた場合について説明したが、当該ボルト頭部の表面に溝を形成して信号線等を外部に引き出す構成でもよい。
また、上記の説明では、4箇所の固定ボルトに荷重センサを設けた場合について説明したが、本発明におけるセンサ装置はこれに限定されるものではなく、荷重センサや固定手段の設置数や設置箇所等は上記のものに何等限定されるものではない。但し、上記のように、軸受の軸方向周りの互いに異なる所定の位置に設ける場合の方が、上記X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向の各荷重方向成分の検出が容易となる点で好ましい。
本発明の一実施の形態に係るセンサ付き転がり軸受装置の断面図である。 図1の矢印A方向から見た場合での上記軸受装置の要部例を示す図である。 (a)は図1に示した歪みゲージの接続例を示す回路図であり、(b)は同歪みゲージの別の接続例を示す回路図である。 本発明の別の実施の形態に係るセンサ付き転がり軸受装置の断面図である。 図4の矢印B方向から見た場合での上記軸受装置の要部例を示す図である。
符号の説明
1 センサ付き転がり軸受装置
2 転がり軸受装置
3 外輪(固定軌道輪)
4 内軸(回転軌道輪)
5 内輪(回転軌道輪)
6、7 転動体
13a、13b、13c、13d 固定ボルト(固定手段)
14a、14b 歪みゲージ(荷重センサ)
18 圧電素子(荷重センサ)
S センサ装置

Claims (4)

  1. 固定軌道輪及び回転軌道輪と、これらの軌道輪間に転動自在に設けられた転動体とを備えた軸受を有する転がり軸受装置であって、
    前記固定軌道輪とこの固定軌道輪が固定される固定部品とを固定する固定手段に、これらの固定軌道輪と固定部品との間に働く荷重を検出する荷重センサを設けたことを特徴とするセンサ付き転がり軸受装置。
  2. 前記荷重センサが、前記荷重に応じて前記固定手段に発生した歪みを検出するとともに、検出した歪みの曲げ成分及び引張成分のうち、一方の歪み成分が相殺され、かつ他方の歪み成分だけが検出されるように、互いに直列に接続された2個の歪みゲージである請求項1に記載のセンサ付き転がり軸受装置。
  3. 前記荷重センサが、前記固定手段に内蔵されるか、又は前記固定手段と前記固定部品との間に挟み込まれるように当該固定手段の表面上に取り付けられ、前記荷重に応じた信号を出力する圧電素子である請求項1に記載のセンサ付き転がり軸受装置。
  4. 前記固定軌道輪が、車両のサスペンションに含まれた円環状のナックル部に固定されるフランジ部を備えた外輪により構成されるとともに、
    前記固定手段が、前記軸受の軸方向周りの互いに異なる所定の位置で前記ナックル部と前記フランジ部とをそれぞれ固定する複数の固定ボルトにより構成されている請求項1〜3のいずれかに記載のセンサ付き転がり軸受装置。
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