JP2008214831A - ポリエステル複合繊維 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリ乳酸を使用しながらも紡糸操業性よく得ることができ、鞘部を溶融させる際の熱処理においても鞘部のみが溶融し、芯部のPTTにより伸縮性や柔らかさに優れた織編物や不織布等の製品を得ることができるポリエステル複合繊維を提供する。
【解決手段】鞘成分がポリ乳酸、芯成分がトリメチレンテレフタレート単位70モル%以上の芳香族ポリエステルで構成された芯鞘型の複合繊維であって、芯成分の芳香族ポリエステルの融点が鞘成分のポリ乳酸の融点より高いことを特徴とするポリエステル複合繊維。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリ乳酸を鞘部に配し、ポリトリメチレンテレフタレート(以下、PTTという。)を主成分とする重合体を芯部に配したポリエステル複合繊維に関するものである。
ポリエチレンテレフタレートに代表される芳香族ポリエステル繊維は、力学的性質、熱安定性、ウォッシャブル性等に優れており、衣料用、産業資材用、インテリア用等極めて広い分野に使用されている。
中でもポリエステルからなる熱接着性繊維は、耐候性、機械的特性、耐久性等に優れており、不織布、詰め綿、紡績糸、布帛等の広い分野において使用されており、芯部が高融点のポリエステル、鞘部に低融点のポリエステルを配してなるものが一般的である。
例えば高融点ポリエステルとしてポリエチレンテレフタレート、低融点ポリエステルとしてエチレンテレフタレートにイソフタル酸を共重合してなる共重合ポリエステルを配した芯鞘型複合繊維の熱接着性繊維がよく知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような芳香族ポリエステル繊維を含め、ポリオレフィン、ポリアミド等の合成繊維は、原料に石油由来成分を使用しており、地球環境保護の面では好ましくない。地球環境保護に関する問題が近年大きく取り扱われる中で、植物を出発原料として合成された樹脂から繊維を得る、いわゆるバイオマス素材が開発され、注目されている。
バイオマス素材は、植物の光合成によって二酸化炭素を消費して原料となるデンプンを生成するので、最終製品を焼却しても地球上の二酸化炭素量は変わらないものとなる(カーボンニュートラル)。このようなバイオマス原料を用いた樹脂として、ポリ乳酸が挙げられる。ポリ乳酸は溶融紡糸が容易であるため、産業資材や衣料用品など、広範な分野で使用されている。
このような経緯から芯部に高融点ポリ乳酸、鞘部に低融点ポリ乳酸を用いた熱接着性繊維がある(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、前述した芯部に高融点のポリエステル、鞘部に低融点のポリエステルを用いた熱接着性繊維に比べ、融点差が小さいために、鞘成分を溶融させる際に芯成分も融解し、芯成分により強度を維持することができないという問題があった。
この問題を解決するものとして鞘部にポリ乳酸、芯部にポリエチレンテレフタレート(以下、PETという。)を用いた熱接着性繊維が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、芯成分のPETは融点が約255℃であるために、紡糸温度を高く設定しなければ紡糸できず、一方、鞘成分のポリ乳酸は約265℃を超えると熱分解が顕著となるため、紡糸操業性に劣るという問題があった。
また、芳香族ポリエステルとして、テレフタル酸と1,3−プロパンジオールの重縮合体であるPTTが上市されている。PTT繊維はナイロンのような柔らかさとPETのような形態安定性を兼ね備え、さらにPETに比べて、柔軟性・伸縮性・染色性・制電性に優れるものである。
特許3313878号公報 特開2003−342836号公報 特開平11−302926号公報
本発明は、上記の問題点を解決し、ポリ乳酸を使用しながらも紡糸操業性よく得ることができ、鞘部を溶融させる際の熱処理においても鞘部のみが溶融し、芯部のPTTにより伸縮性や柔らかさに優れた織編物や不織布等の製品を得ることができるポリエステル複合繊維を提供することを技術的な課題とするものである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、鞘成分がポリ乳酸、芯成分がトリメチレンテレフタレート単位70モル%以上の芳香族ポリエステルで構成された芯鞘型の複合繊維であって、芯成分の芳香族ポリエステルの融点が鞘成分のポリ乳酸の融点より高いことを特徴とするポリエステル複合繊維を要旨とするものである。
本発明のポリエステル複合繊維は、熱接着処理において鞘部のみが溶融し、芯部のPTTにより伸縮性や柔らかさに優れた織編物や不織布等の製品を得ることができる。また、ポリ乳酸を使用しながらも紡糸操業性よく得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のポリエステル複合繊維は、芯鞘型の複合繊維であり、芯成分がホモPTTもしくは共重合PTTであり、鞘成分がポリ乳酸である。まず、ポリ乳酸について説明する。
本発明でいうポリ乳酸としては、ポリD−乳酸、ポリL−乳酸、ポリD−乳酸とポリL−乳酸との共重合体であるポリDL−乳酸、ポリD−乳酸とポリL−乳酸との混合物(ステレオコンプレックス)、ポリD−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体、ポリL−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体、ポリD−乳酸又はポリL−乳酸と脂肪族ジカルボン酸及び脂肪族ジオールとの共重合体、あるいはこれらのブレンド体を用いることができる。
そして、ポリ乳酸は、上記のようにL−乳酸とD−乳酸が単独で用いられているもの、もしくは併用されているものであるが、中でも融点が150℃以上であることが好ましい。
ポリ乳酸のホモポリマーであるL−乳酸やD−乳酸の融点は約180℃であるが、D−乳酸とL−乳酸との共重合体の場合、いずれかの成分の割合を10モル%程度とすると、融点はおよそ130℃程度となる。本発明におけるポリ乳酸は、融点が130〜180℃であることが好ましい。
ポリ乳酸としては、ラクチドを原料として重合する時のL−乳酸やD−乳酸の含有割合で示されるL−乳酸とD−乳酸の含有比(モル比)であるL/D又はD/Lが、90/10以上のものが好ましく、中でも95/5以上、さらには97/3以上とすることが好ましい。
上記したポリ乳酸の数平均分子量(Mn)は特に限定されるものではないが、60000以上、90000以下が好ましい。ポリ乳酸のMnが60000より小さい場合、溶融時に低粘度で製糸性が悪くなりやすい。また、ポリ乳酸の数平均分子量が90000より大きいと溶融時に高粘度となり、製糸性が悪くなりやすい。
次に、芯成分となる芳香族ポリエステルは、繰り返し単位の70モル%以上がトリメチレンテレフタレート単位であるPTTであり、つまり、他の成分が共重合されていない実質的に繰り返し単位の100モル%がトリメチレンテレフタレートであるホモPTT、もしくは他の成分が30モル%未満共重合されている共重合PTTである。
芳香族ポリエステルがPET(融点約255℃)、ポリエチレンナフタレート(融点約270℃)、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート(融点約290℃)などのポリエステルである場合は、融点が高く、ポリ乳酸と複合紡糸する際には、ポリ乳酸の熱分解温度が約265℃であることから、これらのポリエステルに共重合成分を多量に共重合させて融点を下げなければ、ポリ乳酸の熱分解により紡糸性が損なわれる。
しかしながら、芳香族ポリエステルに共重合成分を多量に共重合させると、結晶性が失われ、耐熱性に劣るものとなる。
このため、本発明の複合繊維においては、融点の低い芳香族ポリエステルであるPTTを用いるものである。これにより、共重合成分を多量に含有させることなくポリ乳酸との複合紡糸が可能となり、PTTの結晶性や耐熱性の低下も生じることがない。
中でも他の成分が30モル%以下共重合された共重合PTTとすることにより、融点を180〜225℃のものとすることができ、より操業性を向上させることができる。
PTTに共重合させる他の成分としては、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール成分、ならびにイソフタル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、5−リチウムスルホイソフタル酸、ナトリウムスルホナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホテレフタル酸等の酸成分が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、数種類を併用してもよい。
そして、これらの成分の共重合量は、30モル%以下であることが必要であり、中でも1.0〜30モル%、中でも3.0〜20モル%であることが好ましい。共重合量が30モル%を超えると、PTTの結晶性が悪化するため、耐熱性に劣るものとなる。
上記のような共重合PTTの融点は180〜225℃であり、中でも190〜220℃とすることが好ましい。
融点が180℃未満であると、ポリ乳酸の耐熱性の悪さをカバーすることができず、耐熱性や強度に優れた繊維とすることができない。一方、融点が225℃を超えると、紡糸温度を高くすることが必要となり、ポリ乳酸との複合紡糸の際にポリ乳酸が熱分解を起こし、紡糸操業性が悪化するため好ましくない。
本発明のポリエステル複合繊維は、ポリ乳酸とPTTとからなるものであるが、具体的には、それぞれの単糸が両成分で形成されるものであり、同心芯鞘型のものや偏心芯鞘型のものが挙げられる。また芯部が複数ある海島型のものであってもよい。
本発明のポリエステル複合繊維は、芯成分の芳香族ポリエステルの融点が鞘成分のポリ乳酸の融点より高いものである。そして、本発明のポリエステル複合繊維は、熱処理により鞘成分のポリ乳酸のみが溶融し、ポリ乳酸が熱接着成分となるものとすることが好ましい。
そして、芯成分の融点と鞘成分の融点との差は10℃以上であることが好ましい。この差が10℃未満であると、熱接着処理時に、十分な接着強力を得るために高い温度に設定すると、芯成分が部分的に溶解して繊維形態を維持できなくなり、繊維物性の低下、繊維製品の品位が低下する。一方、芯成分が溶解することを避けるために加工温度を低く設定すると、鞘部が十分に溶融しないため、十分な接着強力を得ることができなくなる。芯成分の融点と鞘成分の融点との差の上限は、複合紡糸を操業性よく行うためには100℃以下とすることが好ましい。
本発明のポリエステル複合繊維のポリ乳酸とPTTの複合比率は、質量比率で20:80〜80:20であり、中でも30:70〜70:30であることが好ましい。PTTの割合が低すぎるとPTTの風合いやソフトストレッチ性などの特性を生かすことができず好ましくない。一方、PTTの割合が多くなりすぎると、ポリ乳酸の使用比率が低くなるため、熱接着成分が少なくなり、またバイオマス原料を使用するという目的を果たせなくなる。
本発明のポリエステル複合繊維は、繊維を構成するそれぞれの単糸がポリ乳酸とPTTで形成されているものであるが、単糸1本のみからなるモノフィラメントであっても、単糸が複数集合したマルチフィラメントであってもよい。また、マルチフィラメントをさらに数千〜数万本集束した後、カットして短繊維としてもよいし、長繊維として用いてもよい。
そして、本発明のポリエステル複合繊維の繊度は、生産性、操業性、接着強度などを考慮して1.0〜80デシテックスが好ましく、中でも1.7〜50デシテックスがより好ましい。
次に、本発明のポリエステル複合繊維の製造方法について一例を用いて説明する。
まず、テレフタル酸とプロパンジオールを直接エステル化させるか、テレフタル酸の低級アルキルエステルとプロパンジオールをエステル交換させることにより、オリゴマーを合成する。次いで、他の成分を共重合させる場合は、共重合成分等を250℃以下で添加し、重縮合反応を開始し、反応開始後に目標温度まで内温を上昇させる。重縮合反応は、通常、アンチモン、ゲルマニウム、スズ、チタン、亜鉛、アルミニウム、もしくはコバルト等の金属化合物(触媒)の存在下で、0.12〜12hPa程度の減圧下、235〜290℃の温度で、極限粘度が0.5以上となるまで行うことが好ましい。
そして、このようにして得たPTTとポリ乳酸とを原料とし、通常の複合紡糸装置を用いて、それぞれを融点より20℃以上高い温度で溶融混練し、別々の計量孔にて計量し、口金背面でポリ乳酸が鞘に、PTTが芯になるように合流させ、同一吐出孔から吐出させる。このようにして吐出させた紡糸糸条を冷却装置を用いて冷却した後、油剤を付与する。そして、2000m/分以上の高速紡糸により半未延伸糸として巻き取るPOY法、一旦2000m/分以上の高速紡糸もしくは2000m/分未満の低速紡糸で巻き取った糸条を延伸熱処理する二工程法、あるいは紡糸した糸条を一旦巻き取ることなく連続して延伸熱処理する一工程法等のいずれかを採用して繊維を製造する。
また、本発明のポリエステル複合繊維を用いて、織編物や不織布等の製品を得る場合、本発明のポリエステル複合繊維のみを用いて製品を得てもよいし、熱接着処理によっても溶融しない他の繊維(主体繊維)とともに用いて製品を得てもよい。
そして、織編物、不織布ともに常法により製造する工程において熱処理を施して本発明のポリエステル複合繊維の鞘成分のみを溶融させることが好ましい。
なお、本発明のポリエステル複合繊維の芯成分、鞘成分には、各種顔料、染料、着色剤、撥水剤、吸水剤、難燃剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、金属粒子、無機化合物粒子、結晶核剤、滑剤、可塑剤、抗菌剤、香料その他の添加剤を使用用途に応じて混合することができる。
次に、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、実施例中の各種の値の測定及び評価は以下のように行った。
1.ポリ乳酸の相対粘度、PTTの極限粘度
フェノールと四塩化エタンの等質量混合溶液を溶媒とし、ウベローデ粘度計を使用して、温度20℃で測定した。
2.PTTの融点、ポリ乳酸の融点
パーキンエルマー社製DSCを用いて、昇温速度20℃/分で測定した。
3.紡糸操業性
24時間連続して紡糸を行い、この間の糸切れ、単糸間の密着の発生状況により以下の2段階で評価した。
○:糸切れ、単糸間の密着ともになし。
×:糸切れ又は単糸間の密着が発生。
4.不織布の目付(g/m
JIS P−8142の方法で測定して求めた。
5.不織布の柔軟性(剛軟度)
得られた不織布を試料幅10cm、試料長10cmの試料片として3枚準備し、JIS L−1096に従い、DAIEI KEIKI製風合メータ(MODEL FM−2)を使用して評価した。まず、15mm幅のスリット上に試料片を置いて、アームが試料をスリット間に押し込むときに、最高何cNの力が必要かを試料の表裏について、縦横方向4個所で測定し、その合計値を求めた。試料片3枚の平均値を不織布剛軟度(cN)とした。なお、不織布目付200g/m時、剛軟度50cN以下を合格とした。
6.風合い
得られた不織布について、10人のパネラーによる官能試験により、手触り触感で柔らかさを判定し、下記の2段階で評価を行った。
○:柔らかさに優れている。
×:やや硬い、もしくは硬すぎて実用に供し得ない。
7.不織布の耐熱性
高温雰囲気下での不織布強力を以下のようにして測定した。
得られた不織布を幅2.5cm、長さ15cmの短冊状に切断し、試料を作成した。この試料を温度110℃の恒温槽で1分間放置後、オリエンテック社製UTM−4型のテンシロンを用いて、引っ張り速度10cm/分の条件で伸長切断し、最大強力を読みとった。
実施例1
エステル化反応器に、プロパンジオール 30.4kg及びテレフタル酸33.2kg(プロパンジオール/テレフタル酸のモル比=2.0)を仕込み、3039hPaの微加圧下、240℃で4時間エステル化反応を行い、エステル化反応率95.6%のポリエステルオリゴマーを得た。得られたポリエステルオリゴマーを重縮合反応缶に移送し、テレフタル酸1モルに対しテトラブチルチタネート2×10-4モルを加え、0.3hPaの減圧下、245℃で2時間重縮合反応を行い、極限粘度0.70のPTT(融点224℃)を得た。
ポリ乳酸として、L−乳酸とD−乳酸の含有比であるL/Dが98.5/1.5であり、融点170℃、相対粘度1.88であるポリ乳酸を用いた。
次に、このPTTとポリ乳酸とを常法により乾燥した後、それぞれ別の溶融押出機に供給し、(各樹脂の融点+20)℃で溶融混練した。続いて別々の計量孔にてPTTとポリ乳酸の質量比を50:50として、250℃に加熱された口金の背面でPTTが芯に、ポリ乳酸が鞘になるように合流させ、紡糸温度250℃として同一吐出孔から吐出させた。そして、1200m/分の速度で半未延伸糸を捲き取り、単糸繊度6.6dtexの未延伸糸を得た。次いで、未延伸糸を集束して糸条束とし、これを通常の延伸装置を用い、延伸速度120m/分、延伸倍率3.0倍で延伸し、単糸繊度2.2dtexのポリエステル複合繊維を得、糸長51mmにカットして短繊維とした。
次にカード機を用いてカーディングしてカードウェブを作成し、得られたカードウェブを表1に示す温度に設定した連続熱処理機に1分間通して、熱接着処理を施して鞘成分を溶融させ、目付が200g/m2の不織布を得た。
実施例2
ポリ乳酸として、L−乳酸とD−乳酸の含有比であるL/Dが94.0/6.0であり、融点130℃、相対粘度1.90であるポリ乳酸を用い、紡糸温度を表1に示す温度に変更した以外は実施例1と同様に行った。
実施例3〜6、比較例1
ポリエステルオリゴマーを重縮合反応缶に移送した後、表1に示すような種類と量の共重合成分を添加して共重合PTTとし、紡糸温度を表1に示す温度に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
比較例2
芯成分にPET、鞘成分にイソフタル酸を35モル%共重合したPETを用い、紡糸温度を表1に示す温度に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
比較例3
芯成分に実施例1で用いたポリ乳酸、鞘成分に実施例2で用いたポリ乳酸を用い、紡糸温度を表1に示す温度に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
比較例4
芯成分に比較例2で用いたPET、鞘成分に実施例2で用いたポリ乳酸を用い、紡糸温度を表1に示す温度に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
実施例1〜6及び比較例1〜4で得られた複合繊維及び不織布の特性値及び評価結果を併せて表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜6の繊維は操業性よく得ることができ、この繊維から得られた不織布は剛軟度が低く、柔軟性、風合いともに優れていた。また高温雰囲気下での強力も高く、耐熱性に優れていた。
一方、比較例1の繊維は、PTTの共重合量が多すぎたため、PTTの結晶性が悪くなり、熱接着処理により芯部の一部も溶融し、得られた不織布は耐熱性に劣るものであった。比較例2の繊維は、芯成分がPET、鞘成分が低融点共重合PETの複合繊維であったため、植物由来成分が使われておらず、得られた不織布は柔軟性や風合いに劣るものであった。比較例3の繊維は、芯成分にもポリ乳酸を用いたため、鞘部と芯部の融点差が小さいために、熱接着処理により芯部の一部も溶融し、得られた不織布は耐熱性に劣るものであった。また柔軟性、風合いともに劣るものであった。比較例4の繊維は、芯成分にPETを用いたため、紡糸温度が高く、ポリ乳酸が熱分解してしまい、繊維を得ることができなかった。

Claims (2)

  1. 鞘成分がポリ乳酸、芯成分がトリメチレンテレフタレート単位70モル%以上の芳香族ポリエステルで構成された芯鞘型の複合繊維であって、芯成分の芳香族ポリエステルの融点が鞘成分のポリ乳酸の融点より高いことを特徴とするポリエステル複合繊維。
  2. 鞘成分のポリ乳酸が熱処理により溶融して接着成分となる請求項1記載のポリエステル複合繊維。
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