JP2008214554A - 熱線遮蔽ポリカーカーボネート樹脂組成物及びそれから得られる成形体 - Google Patents

熱線遮蔽ポリカーカーボネート樹脂組成物及びそれから得られる成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】屋外での長期使用においても白化による光線透過率の低下や赤外線吸収能の低下がない成形体を与えるポリカーボネート樹脂組成物及びその成形体を提供すること。
【解決手段】末端水酸基量が特定の範囲にあるPC樹脂と、無機系近赤外線吸収剤として、900〜2600nmの波長域の太陽光を吸収するタングステン酸化物の微粒子、および/または、複合タングステン酸化物からなる無機微粒子を含み、残存塩素系溶剤含量が10質量ppm以下であるポリカーボネート樹脂組成物は、優れた耐久性を示す。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形体に関し、詳しくは、無機系近赤外線吸収剤として、タングステン酸化物の微粒子、および/または、複合タングステン酸化物からなる無機微粒子を用い、屋外での長期使用においても白化による光線透過率の低下や赤外線吸収能の低下がない成形体を与えるポリカーボネート樹脂組成物及びそれから得られる成形体に関する。
ポリカーボネート(以下、PCと略記することがある。)樹脂は優れた透明性を有し、無機硝子にはない耐衝撃性、軽量性、形状の自由度等の特徴を活かして、住宅や車両等の窓の用途に供せられている。これらの用途では、太陽光から受ける熱線を遮蔽し、室内や車内の温度上昇を抑制することが求められている。
このような要望に応えるために、窓を形成するPC樹脂やコーティング層材料に近赤外線吸収剤及び/又は赤外線吸収剤を含有させ、これらの波長の光線をカットすることにより、室内や車内の温度上昇を抑制する検討がなされている。このような近赤外線吸収剤や赤外線吸収剤については種々検討されているが、屋外用途等の過酷な環境下で長期にわたり初期性能を十分に維持し得るものは未だ見出されていない。
タングステン系化合物を光遮蔽材料として取り上げている文献を見ると、特許文献1では、水素、リチウム、ナトリウムまたはカリウム等の添加材料を含有する三酸化タングステン(WO3)、三酸化モリブデン(MoO3)、五酸化ニオブ(Nb25)、五酸化タンタル(Ta25)、五酸化バナジウム(V25)および二酸化バナジウム(VO2)の1種以上から選択された金属酸化物膜、CVD法またはスプレー法で被覆され250℃程度で熱分解して形成された太陽光遮蔽特性を有する太陽光制御ガラスシートが提案されている。
特許文献2には、タングステン酸を加水分解して得られた酸化タングステンを用い、該酸化タングステンに、ポリビニルピロリドンという特定の構造の有機ポリマーを添加することにより、太陽光が照射されると、光線中の紫外線が酸化タングステンに吸収され励起電子とホールとが発生し、少量の紫外線量により5価タングステンの出現量が著しく増加して着色反応が速くなり、これに伴って着色濃度が高くなると共に、光を遮断することによって、5価タングステンが極めて速やかに6価に酸化されて消色反応が速くなる特性を用い、太陽光に対する着色および消色反応が速く、着色時近赤外域の波長1250nmに吸収ピークが現れ、太陽光の近赤外線を遮断することができる太陽光可変調光断熱材料が得られることが提案されている。
また、本出願人は、特許文献3に、六塩化タングステンをアルコールに溶解し、そのまま溶媒を蒸発させるか、または加熱還流した後溶媒を蒸発させ、その後100℃〜500℃で加熱することにより、三酸化タングステンまたはその水和物または両者の混合物からなる粉末を得ること、該酸化タングステン微粒子を用いてエレクトロクロミック素子が得られること、多層の積層体を構成し膜中にプロトンを導入したときに当該膜の光学特性を変化させることができること、等を提案している。
また、特許文献4には、メタ型タングステン酸アンモニウムと水溶性の各種金属塩を原料とし、その混合水溶液の乾固物を約300〜700℃の加熱温度で加熱し、この加熱中に不活性ガス(添加量;約50vol %以上)または水蒸気(添加量;約15vol %以下)を添加した水素ガスを供給することにより、Mx WO3 (M;アルカリ、アルカリ土類、希土類などの金属元素、0<x<1)で表される種々のタングステンブロンズを作製する方法が提案されている。また、同様の操作を支持体上で行わせ、種々のタングステンブロンズ被覆複合体を製造する方法が提案され、燃料電池等の電極触媒材料として用いることが提案されている。
また、本出願人は、特許文献5に、赤外線遮蔽材料微粒子が媒体中に分散してなる赤外線遮蔽材料微粒子分散体であって、赤外線遮蔽材料微粒子が、一般式WyOz(但し、Wはタングステン、Oは酸素、2.2≦z/y≦2.999)で表記されるタングステン酸化物の微粒子、または/および、一般式MxWyOz(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.2≦z/y≦3.0)で表記される複合タングステン酸化物の微粒子であって、該赤外線遮蔽材料微粒子の粒子直径が、1nm以上800nm以下であることを特徴とする赤外線遮蔽材料微粒子分散体の光学特性や導電性、製造方法について開示している。
PC樹脂用に好適な近赤外線吸収剤としては、フタロシアニン系近赤外線吸収剤や六ホウ化物等の無機系近赤外線吸収剤が知られている(例えば、特許文献6〜8参照)。
しかしながら、これらの近赤外線吸収剤を含むPC樹脂硬化物を、屋外曝露状態での促進評価のために、高温、高湿下に曝した場合、フタロシアニン系近赤外線吸収剤ではPC樹脂の分子量が低下し、無機系近赤外線吸収剤ではヘイズが増大するという問題がある。
特開2000−119045号公報 特開平9−127559号公報 特開2003−121884号公報 特開平8−73223号公報 国際公開WO2005/37932号 特開平6−264050号公報 特開2000−143842号公報 特開2003−327717号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、新たな無機系近赤外線吸収剤を用い、屋外での曝露状態でも分子量の低下が少なく、ヘイズが増大せず、かつ長期にわたって熱線遮蔽能が良好なPC樹脂組成物及びその成形体を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、末端水酸基量が特定の範囲にあるPC樹脂と、無機系近赤外線吸収剤として、900〜2600nmの波長域の太陽光を吸収するタングステン酸化物の微粒子、および/または、複合タングステン酸化物からなる無機微粒子を含み、残存塩素系溶剤含量が10質量ppm以下であるポリカーボネート樹脂組成物は、優れた耐久性を示すことを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の第1の発明は、末端水酸基量が50μmol/g以下のポリカーボネート樹脂(A)100質量部と、900〜2600nmの波長域の太陽光を吸収する無機系近赤外線吸収剤(B)0.001〜0.5質量部を含み、残存塩素系溶剤含量が10質量ppm以下であるポリカーボネート樹脂組成物であって、
無機系近赤外線吸収剤(B)が、一般式WyOz(但し、Wはタングステン、Oは酸素、2.0≦z/y<3.0)で表記されるタングステン酸化物の微粒子、および/または、一般式MxWyOz(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iの内から選択される1種以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.0<z/y≦3.0)で表記される複合タングステン酸化物からなる無機微粒子であることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物を提供する。
本発明の第2の発明は、第1の発明記載の無機系近赤外線吸収剤(B)である、一般式WyOz(但し、Wはタングステン、Oは酸素、2.0≦z/y<3.0)で表記されるタングステン酸化物の微粒子、および/または、一般式MxWyOz(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iの内から選択される1種以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.0<z/y≦3.0)で表記される複合タングステン酸化物からなる無機微粒子の結晶中または/および当該微粒子表面に、Cu、Fe、Mn、Ni、Co、Pt、Au、Ag、Na、In、Sn、Cs、Rbのうちから選択される1種類以上の元素、または、その化合物が含まれていることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物を提供する。
本発明の第3の発明は、第1の発明又は第2の発明に記載のポリカーボネート樹脂組成物からなる成形体を提供する。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、末端水酸基量が50μmol/g以下のポリカーボネート樹脂(A)100質量部と、900〜2600nmの波長域の太陽光を吸収する無機系近赤外線吸収剤(B)0.001〜0.5質量部を含み、残存塩素系溶剤含量が10質量ppm以下であり、無機系近赤外線吸収剤(B)が、タングステン酸化物の微粒子、および/または、複合タングステン酸化物からなる無機微粒子であることを特徴としており、本発明のポリカーボネート樹脂組成物を用いれば、屋外での長期使用においても白化による光線透過率の低下や赤外線吸収能の低下がない成形体を得ることができる。
さらに、上記無機微粒子の結晶中、または/及び、当該微粒子表面に、Cu、Fe、Mn、Ni、Co、Pt、Au、Ag、Na、In、Sn、Cs、Rbのうちから選択される1種類以上の元素、または、その化合物が含まれていることにより、紫外線の照射があっても着色現象を起こしにくいという特性を有している。
また、本発明のPC樹脂組成物からなる成形体は、屋外での曝露状態でも長期にわたって安定な熱線遮蔽を維持し得るものである。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、末端水酸基量が50μmol/g以下のポリカーボネート樹脂(A)100質量部と、900〜2600nmの波長域の太陽光を吸収する無機系近赤外線吸収剤(B)0.001〜0.5質量部を含み、残存塩素系溶剤含量が10質量ppm以下であるポリカーボネート樹脂組成物であって、
無機系近赤外線吸収剤(B)が、一般式WyOz(但し、Wはタングステン、Oは酸素、2.0≦z/y<3.0)で表記されるタングステン酸化物の微粒子、および/または、一般式MxWyOz(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iの内から選択される1種以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.0<z/y≦3.0)で表記される複合タングステン酸化物からなる無機微粒子であることを特徴とする。
以下、詳細に説明する。
(A)PC樹脂
本発明のPC樹脂組成物において用いるPC樹脂(A)としては、特に制限はなく、種々のものが挙げられるが、一般式(1)
Figure 2008214554
で表される構造の繰り返し単位を有する重合体が好適である。
上記一般式(1)において、R1及びR2は、それぞれハロゲン原子(例えば、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素)又は炭素数1〜8のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基(n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基)、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基)である。
m及びnは、それぞれ0〜4の整数であって、mが2〜4の場合はR1は互いに同一であっても異なっていてもよいし、nが2〜4の場合はR2は互いに同一であっても異なっていてもよい。
Zは、炭素数1〜8のアルキレン基又は炭素数2〜8のアルキリデン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基など)、炭素数5〜15のシクロアルキレン基又は炭素数5〜15のシクロアルキリデン基(例えば、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基など)、あるいは単結合、−SO2−、−SO−、−S−、−O−、−CO−結合、もしくは次の式(2)あるいは式(2')
Figure 2008214554
で表される結合を示す。
上記重合体は、通常、一般式(3)
Figure 2008214554
[式中、R1、R2、Z、m及びnは、上記一般式(1)と同じである。]
表される二価フェノールと、ホスゲンなどのカーボネート前駆体とを反応させることによって容易に製造することができる。
すなわち、例えば、塩化メチレン等の溶媒中において、公知の酸受容体や分子量調節剤の存在下、二価フェノールとホスゲンのようなカーボネート前駆体との反応により製造することができる。また、二価フェノールと炭酸エステル化合物のようなカーボネート前駆体とのエステル交換反応などによっても製造することができる。
上記一般式(3)で表される二価フェノールとしては様々なものを挙げることができる。特に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[通称、ビスフェノールA]が好ましい。
ビスフェノールA以外の二価フェノールとしては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどのビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロデカンなどのビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、4,4'−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトンなどが挙げられる。
この他、二価フェノールとしては、ハイドロキノンなどが挙げられる。
これらの二価フェノールは、それぞれ単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
炭酸エステル化合物としては、例えば、ジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネート、ジメチルカーボネート,ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネートなどを挙げることができる。
分子量調節剤としては、フェノール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、p−クミルフェノール、p−ノニルフェノール、ドコシルフェノール、テトラコシルフェノール、ヘキサコシルフェノール、オクタコシルフェノール、トリアコンチルフェノール、ドトリアコンチルフェノール、テトラトリアコンチルフェノール等を挙げることができる。これらは一種でもよく、二種以上を混合したものでもよい。また、これらの分子量調節剤は、効果を損ねない範囲で他のフェノール化合物等を併用しても差し支えない。
PC樹脂(A)は、上記の二価フェノールの一種を用いたホモポリマーであってもよく、又、二種以上を用いたコポリマーであってもよい。さらに、多官能性芳香族化合物を上記二価フェノールと併用して得られる熱可塑性ランダム分岐PC樹脂であってもよい。
その多官能性芳香族化合物は、一般に分岐剤と称され、具体的には、1,1,1−トリス(4−ヒドキシフェニル)エタン、α,α',α"−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、1−[α−メチル−α−(4'−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−[α',α'−ビス(4"−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、フロログルシン、トリメリット酸、イサチンビス(o−クレゾール)などが挙げられる。
このような特性を有するPC樹脂は、例えば、タフロンFN3000A、FN2500A、FN2200A、FN1900A、FN1700A、FN1500[商品名,出光興産株式会社製]のような芳香族PC樹脂として市販されている。
また、本発明に用いるPC樹脂(A)としては、上記の二価フェノールのみを用いて製造された単独重合体のほか、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(以下、PC−POS共重合体と略記する場合もある。)又はPC−POS共重合体を含むポリカーボネート樹脂が挙げられ、耐衝撃性が上昇すると共に、難燃性も向上し好ましい。PC−POS共重合体単独がより好ましい。
PC−POS共重合体には様々なものがあるが、好ましくは、下記一般式(1)
Figure 2008214554
[式中、R1、R2、Z、m及びnは、上記と同じである。]

で表される構造の繰返し単位を有するポリカーボネート部と、下記一般式(4)
Figure 2008214554


[式中、R3、R4及びR5は、それぞれ水素原子、炭素数1〜5のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基など)又はフェニル基であり、p及びqは、それぞれ0又は1以上の整数であるが、pとqとの合計は1以上の整数である。]で表される構造の繰返し単位を有するポリオルガノシロキサン部からなるものである。ここで、ポリカーボネート部の重合度は、3〜100が好ましく、又、ポリオルガノシロキサン部の重合度は、2〜500が好ましい。
上記のPC−POS共重合体は、上記一般式(1)で表される繰返し単位を有するポリカーボネート部と、上記一般式(4)で表される繰返し単位を有するポリオルガノシロキサン部とからなるブロック共重合体である。
このようなPC−POS共重合体は、例えば、予め製造されたポリカーボネート部を構成するポリカーボネートオリゴマー(以下、PCオリゴマーと略称する。)と、ポリオルガノシロキサン部を構成する末端に反応性基を有するポリオルガノシロキサン(例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリジエチルシロキサンなどのポリジアルキルシロキサンあるいはポリメチルフェニルシロキサンなど)とを、塩化メチレン、クロロベンゼン、クロロホルムなどの溶媒に溶解させ、ビスフェノールの水酸化ナトリウム水溶液を加え、触媒として、トリエチルアミンやトリメチルベンジルアンモニウムクロライドなどを用い、界面重縮合反応することにより製造することができる。
本発明で用いるPC樹脂(A)は、その粘度数(VN)が、通常45〜70程度であり、好ましくは47〜60である。この粘度数が47であると、得られるPC樹脂組成物の耐熱性や機械的性質が充分であり、又この粘度数が70以下であると、得られるPC樹脂組成物の成形加工性が向上するからである。なお、粘度数(VN)は、ISO 1628に準拠して測定した値である。
本発明に用いるPC樹脂(A)は、末端水酸基量が50μmol/g以下であることを要し、好ましくは40μmol/g以下、より好ましくは20μmol/g以下である。末端水酸基量が50μmol/g以下であると、高温高湿下でも、後述する無機系赤外線吸収剤の性能に悪影響を及ぼすことがなく、また、可視光線の透過率も低下することがない。PC樹脂における末端水酸基量は、出発原料の種類、量比、反応条件、製法等を変えることにより、適宜調節することかできる。
(B)無機系近赤外線吸収剤
本発明で用いる無機系近赤外線吸収剤(B)は、太陽エネルギー由来の熱線のカットの観点から、900〜2600nmの波長域の太陽光を吸収することが必要である。
この条件を満たす無機系近赤外線吸収剤として、一般式WyOz(但し、Wはタングステン、Oは酸素、2.0≦z/y<3.0)で表記されるタングステン酸化物の微粒子、および/または、一般式MxWyOz(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iの内から選択される1種以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.0<z/y≦3.0)で表記される複合タングステン酸化物からなる無機微粒子が必要である。
なお、900〜2600nmの波長域の太陽光を吸収するものであっても、フタロシアニン系化合物その他の有機金属化合物では、安定性に乏しく、PC樹脂中への練り込みや、成形、過酷な使用環境下で変質し品質に悪影響を及ぼすので好ましくない。
本発明においては、無機系近赤外線吸収剤を含む混合物を用いることもでき、例えば、複合タングステン酸化物(Cs0.33WO3)25質量%とアクリル系分散剤の混合物などが挙げられる。複合タングステン酸化物を含むPC樹脂マスターバッチを用いることもでき、例えば、Cs0.33WO3 1.5質量%含有のPC樹脂マスターバッチなどが挙げられる。
一般に、WO3中には有効な自由電子が存在しないため、WO3は近赤外線領域の吸収反射特性が少なく、赤外線遮蔽材料としては有効ではない。ここで、WO3のタングステンに対する酸素の比率を3より低減することによって、WO3中に自由電子が生成されることが知られているが、本発明者等は、該タングステンと酸素との組成範囲の特定部分において、赤外線遮蔽材料として特に有効な範囲があることを見出した。
該タングステンと酸素との組成範囲は、タングステンに対する酸素の組成比が3以下であり、さらには、当該赤外線遮蔽材料をWyOzと記載したとき、2.0≦z/y≦2.999であることが好ましい。このz/yの値が、2.0以上であれば、当該赤外線遮蔽材料中に目的以外であるWO2の結晶相が現れるのを回避することが出来ると伴に、材料としての化学的安定性を得ることが出来るので有効な赤外線遮蔽材料として適用できる。一方、このz/yの値が、2.999以下であれば必要とされる量の自由電子が生成され、効率よい赤外線遮蔽材料となる。
また、一般式WyOzで表記されるタングステン酸化物微粒子において、2.45≦z/y≦2.999で表される組成比を有する、所謂「マグネリ相」は化学的に安定であり、近赤外線領域の吸収特性も良いので、赤外線遮蔽材料として好ましい。
さらに、当該WO3に、元素M(但し、M元素は、Cs、Rb、K、Tl、Ba、In、Li、Sn、Ca、Sr、Naのうちから選択される1種類以上の元素)を添加することで、当該WO3中に自由電子が生成され、近赤外線領域に自由電子由来の吸収特性が発現し、1000nm付近の近赤外線吸収材料として有効となるため好ましい。ここで、元素Mが添加された当該WO3における安定性の観点からは、M元素は、Cs、Rb、K、Tl、Ba、In、Li、Sn、Ca、Sr、Naのうちから選択される1種類以上の元素であることが好ましい。
この自由電子を生成する元素Mを添加した赤外線遮蔽材料は、その一般式がMxWO3(但し、M元素は、Cs、Rb、K、Tl、Ba、In、Li、Sn、Ca、Sr、Naのうちから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦X≦1)で表記される赤外線遮蔽材料が望ましい。
まず、元素Mの添加量を示すxの値について説明する。xの値が0.001より大きければ、十分な量の自由電子が生成され目的とする赤外線遮蔽効果を得ることが出来る。そして、元素Mの添加量が多いほど、自由電子の供給量が増加し、赤外線遮蔽効率も上昇するが、xの値が1程度で当該効果も飽和する。また、xの値が1より小さければ、当該赤外線遮蔽材料中に不純物相が生成されるのを回避できるので好ましい。また、元素Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上であることが好ましい。
ここで、元素Mが添加された当該MxWO3における、安定性の観点からは、元素Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Reのうちのうちから選択される1種類以上の元素であることがより好ましく、赤外線遮蔽材料としての光学特性、耐候性を向上させる観点からは、前記元素Mにおいてアルカリ土類金属元素、遷移金属元素、4B族元素、5B族元素に属するものが、さらに好ましい。
さらに、上述の複合タングステン酸化物微粒子が六方晶の結晶構造を有する場合、当該微粒子の可視光領域の透過が向上し、近赤外領域の吸収が向上する。この六方晶の結晶構造の模式的な平面図である図1を参照しながら説明する。図1において、符号1で示すWO6単位にて形成される8面体が、6個集合して六角形の空隙が構成され、当該空隙中に、符号2で示す元素Mが配置して1箇の単位を構成し、この1箇の単位が多数集合して六方晶の結晶構造を構成する。
本実施形態における、可視光領域の透過率を向上させ、近赤外領域の吸収特性を向上させる効果を得るためには、複合タングステン酸化物微粒子中に、図1で説明した単位構造(WO6単位で形成される8面体が6個集合して六角形の空隙が構成され、当該空隙中に元素Mが配置した構造)が含まれていれば良く、当該複合タングステン酸化物微粒子が、結晶質であっても非晶質であっても構わない。
この六角形の空隙に元素Mの陽イオンが添加されて存在するとき、可視光領域の透過率が向上し、近赤外領域の吸収特性が向上する。ここで、一般的には、イオン半径の大きな元素Mを添加したとき当該六方晶が形成され、具体的には、Cs、K、Rb、Tl、In、Ba、Snを添加したとき六方晶が形成されやすく好ましい。勿論これら以外の上記元素でも、WO6単位で形成される六角形の空隙に添加元素Mが存在できるので問題ない。
六方晶の結晶構造を有する複合タングステン酸化物微粒子が均一な結晶構造を有するとき、添加元素Mの添加量は、xの値で0.2以上0.5以下が好ましく、更に好ましくは0.33である。xの値が0.33となることで、添加元素Mが六角形の空隙の全てに配置されると考えられる。
また、六方晶以外で、正方晶、立方晶のタングステンブロンズも赤外線遮蔽材料として有効である。結晶構造によって、近赤外線領域の吸収位置が変化する傾向があり、吸収位置は、正方晶が立方晶よりも長波長側に移動し、さらに六方晶が正方晶よりも長波長側に移動する傾向がある。また、それに付随して可視光領域の吸収特性は、六方晶が最も少なく、次に正方晶であり、立方晶はこの中では最も大きい。よって、より可視光領域の光を透過して、より赤外線領域の光を遮蔽する用途には、六方晶のタングステンブロンズを用いることが好ましい。ただし、ここで述べた光学特性の傾向は、あくまで大まかな傾向であり、添加元素の種類や、添加量、酸素量によって変化するものであり、本発明がこれに限定されるわけではない。
本実施形態における、タングステン酸化物微粒子、または/および、複合タングステン酸化物微粒子は、近赤外線領域、特に1000nm付近の光を大きく吸収するため、その透過色調は青色系から緑色系となるものが多い。また、当該赤外線遮蔽材料の粒子の粒子径は、その使用目的によって、各々選定することができる。まず、透明性を保持した応用に使用する場合は、800nm以下の粒子径を有していることが好ましい。これは、800nmよりも小さい粒子は、散乱により光を完全に遮蔽することが無く、可視光領域の視認性を保持し、同時に効率良く透明性を保持することができるからである。特に可視光領域の透明性を重視する場合には、さらに粒子による散乱を考慮することが好ましい。
この粒子による散乱の低減を重視するとき、粒子径は200nm以下、好ましくは100nm以下が良い。理由は、粒子の粒子径が小さければ、幾何学散乱またはミー散乱による、400nm〜780nmの可視光領域の光の散乱が低減される結果、赤外線遮蔽膜が曇りガラスのようになって鮮明な透明性が得られなくなるのを回避できるからである。即ち、粒子径が200nm以下になると、上記幾何学散乱またはミー散乱が低減し、レイリー散乱領域になる。レイリー散乱領域では、散乱光は粒子径の6乗に反比例して低減するため、粒子径の減少に伴い散乱が低減し透明性が向上するからである。さらに粒子径が100nm以下になると、散乱光は非常に少なくなり好ましい。光の散乱を回避する観点からは、粒子径が小さい方が好ましい、粒子径が1nm以上あれば工業的な製造は容易である。
上記粒子径を800nm以下に選択することにより、赤外線遮蔽材料微粒子を媒体中に分散させた赤外線遮蔽材料微粒子分散体のヘイズ値は可視光透過率85%以下でヘイズ30%以下とすることができる。ヘイズが30%よりも大きい値であると、曇りガラスのようになり、鮮明な透明性が得られない。
上記タングステン酸化物、複合タングステン酸化物は、可視光領域の吸収が少なく、近赤外線領域の吸収が大きいので、可視光透過型の赤外線遮蔽材料として、窓等の断熱用に有効である。
(C)PC樹脂組成物
本発明のPC樹脂組成物は、塩素系溶剤(塩化メチレン、四塩化炭素)の含量が10質量ppm以下であることが必要であり、6質量ppm以下がより好ましい。塩素系溶剤の含量が10質量ppm以下であると、高温高湿下でも、後述する無機系赤外線吸収剤の性能に悪影響を及ぼすことがなく、また、可視光線の透過率も低下することがない。
したがって、本発明で用いるPC樹脂を、塩素系溶剤を用いる界面縮合法で製造した場合、PC樹脂から塩素系溶剤を除去する操作を必要とする場合がある。
PC樹脂からの塩素系溶剤の除去は、押し出し時に水を添加することにより、あるいはかなりの長時間にわたり乾燥させることにより行うことができる。
本発明のPC樹脂組成物において、無機系近赤外線吸収剤の含有量は、上記PC樹脂100質量部に対して、0.001〜0.5質量部であることを要し、好ましくは0.01〜0.5質量部である。無機系近赤外線吸収剤が0.001質量部以上であると、近赤外線を十分にカットすることができ、また、0.5質量部以下であると、効果と経済性のバランスが良好である。
本発明においては、無機系近赤外線吸収剤と着色剤(顔料、染料)を併用すると、太陽光からの熱線の遮蔽が効果的に行われる。顔料及び染料としては、カーボンブラック、シアニン系グリーン有機顔料、アントラキノン系ヴァイオレット染料、キノリン系イエロー染料、アントラキノン系レッド染料などが挙げられる。これらは、二種以上を用いることが好ましく、より好ましくは三種以上である。また、顔料と染料を組み合わせて使用することが好ましい。
これらの着色剤の使用量は、通常、上記無機系近赤外線吸収剤の0.0001〜0.5質量%程度、好ましくは0.0005〜0.1質量%である。
本発明のPC樹脂組成物の硬化物(成形体)を屋外での過酷な環境下で用いる場合、リン酸系酸化防止剤を配合することが好ましい。リン酸系酸化防止剤としては、トリメチルホスファイト,トリエチルホスファイト,トリブチルホスファイト,トリオクチルホスファイト,トリノニルホスファイト,トリデシルホスファイト,トリオクタデシルホスファイト,ジステアリルペンタエリスチルジホスファイト,トリス(2−クロロエチル)ホスファイト,トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスファイトなどのトリアルキルホスファイト;トリシクロヘキシルホスファイトなどのトリシクロアルキルホスファイト;トリフェニルホスファイト,トリクレジルホスファイト,トリス(エチルフェニル)ホスファイト,トリス(ブチルフェニル)ホスファイト,トリス(ノニルフェニル)ホスファイト,トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト,トリス(ヒドロキシフェニル)ホスファイトなどのトリアリールホスファイト;2−エチルヘキシルジフェニルホスファイトなどのモノアルキルジアリールホスファイト;トリフェニルホスフィンなどの亜リン酸エステルが挙げられる。これらは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのうち、耐湿性が良好な点から、アリールホスファイトが好ましく、トリフェニルホスファイト,トリス(ノニルフェニル)ホスファイト及びトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトが特に好ましい。なぜなら、易加水分解性、すなわち耐湿性に劣る亜リン酸エステルを用いると、高温高湿度の環境下で無機系赤外線吸収剤の性能に悪影響を及ぼすからである。
本発明のPC樹脂組成物において、酸化防止剤の配合量は、PC樹脂100質量部に対して、通常0.005〜1質量部程度、好ましくは0.01〜0.3質量部である。
本発明のPC樹脂組成物には、必要に応じて紫外線吸収剤を配合することができる。
紫外線吸収剤としては、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2' −ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−ドデシル−5'−メチフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2'−メチレンビス[4−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;フェニルサリチレート、p−t−ブチルフェニルサリレチート、p−オクチルフェニルサリレチート等のサリチレート系紫外線吸収剤;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシル)オキシフェノール等のトリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。市販品としては、ケミソーブ79(商品名、ケミプロ化成社製)、Hostavin PR−25及びHostavin B−CAP XP(商品名、いずれもクラリアント社製)などが挙げられる。
紫外線吸収剤の配合量は、PC樹脂100質量部に対して、通常0.005〜1質量部程度、好ましくは0.01〜0.6質量部である。
本発明のPC樹脂組成物には、必要に応じて離型剤を加えてもよい。離型剤としては、通常PC樹脂組成物に配合するものを用いることができる、例えば、ステアリン酸モノグリセライド、ペンタエリスルトールテトラステアレート及びペンタエリスルトーテトラパルミテートなどが挙げられる。
本発明のPC樹脂組成物は、上記PC樹脂(A)及び無機系近赤外線吸収剤(B)、必要に応じて用いられる他の成分を配合し、混練することにより得られる。
この配合、混錬は、通常用いられている方法、例えば、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、ドラムタンブラー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、コニーダ、多軸スクリュー押出機等を用いる方法により行うことができる。なお、溶融混錬に際しての加熱温度は、通常260〜340℃の範囲で選ばれる。
本発明は、上記PC脂組成物からなる成形体をも提供する。本発明のPC樹脂組成物の成形温度も、通常260〜340℃の範囲で選ばれる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
1)PC−Aの製造
(A)工程:(1)クロロホーメート基含有PCオリゴマーの調製工程
濃度5.6質量%水酸化ナトリウム水溶液に、ビスフェノールA(BPA)濃度が13.5質量%になるようにBPAを溶解し、BPAの水酸化ナトリウム水溶液を調製した。管型反応器に、上記BPAの水酸化ナトリウム水溶液を40L/hr及び塩化メチレンを15L/hrの流量で連続的に通すと共に、ホスゲンを4.0kg/hrの流量で連続的に通した。管型反応器はジャケット部分を有しており、ジャケットに冷却水を通して反応液の温度を40℃以下に保った。
管型反応器を出た反応液は、後退翼を備えたバッフル付き槽型反応器へ連続的に導入され、ここに、BPAの水酸化ナトリウム水溶液を2.8L/hr、25質量%水酸化ナトリウム水溶液を0.07L/hr、水を17L/hr、1質量%トリエチルアミン水溶液を0.64L/hrで供給し、29〜32℃で反応を行った。槽型反応器から、反応液を連続的に抜き出し、静置することにより、水相を分離除去し塩化メチレン相を採取した。このようにして得られたPCオリゴマー溶液は、オリゴマー濃度314g/L、クロロホーメート基濃度0.73mol/Lであった。
(2)クロロホーメート基含有PCオリゴマーの重合工程
邪魔板4枚、パドル型撹拌翼2枚及び冷却用ジャケットを備えた槽型反応器に、上記オリゴマー溶液10L、塩化メチレン5.7Lを仕込み、5℃まで冷却した。
次いで、トリエチルアミン1.0mLを仕込み、さらに、7℃に冷却した6.4質量%水酸化ナトリウム水溶液6410gを、撹拌下に添加し、反応温度を10〜12℃に制御しながら60分間反応を行った。有機相の一部を採取し、クロロホーメート基の濃度を測定したところ、0.03mol/Lであった。
(B)工程:末端にフェノール性水酸基を有するPC樹脂の製造工程
工程(A)に続き、ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液スラリー(5.0質量%の水酸化ナトリウム水溶液1577gに亜二チオン酸ナトリウム1.0gを溶解させ、BPA 400gを懸濁させたもの)を添加し、撹拌しながら、25〜32℃にて60分間重縮合反応を行った。
(C)工程:PC樹脂の洗浄工程
(B)工程で得られた反応液に、塩化メチレン20Lを加えた後、5.0質量%水酸化ナトリウム水溶液2632gを加え、20分間撹拌後静置させることにより、PCを含む有機相と過剰のビスフェノールA及び水酸化ナトリウムを含む水相とに分離し、有機相を反応器下部より抜き出して単離した。
このPC溶液を、その溶液に対して15体積%の0.2mol/Lの塩酸で洗浄した後、純水で2回洗浄を行い、洗浄後の水相の電気伝導度が0.01μS/m以下になったことを確認した。
(D)工程:フレーク化工程
(C)工程で得られたPC樹脂溶液を濃縮・粉砕し、得られたフレークを減圧下に110℃にて乾燥処理し、粘度平均分子量20,000、末端水酸基量160μmol/gのPC樹脂フレーク(PC−A)を得た。
2)PC−2の製造
1)で得られたPC−A 30質量部と、PC樹脂FN1900A[出光興産株式会社製、商品名]55質量部と、PC樹脂FN1700A[出光興産株式会社製、商品名]15質量部を混合した。
3)PC−3の製造
1)で得られたPC−A 38質量部と、PC樹脂FN1900A[出光興産株式会社製、商品名]44質量部と、PC樹脂FN1700A[出光興産株式会社製、商品名]18質量部を混合した。
4)PC−4の製造
1)で得られたPC−A 50質量部と、PC樹脂FN1500A[出光興産株式会社製、商品名]50質量部を混合した。
5)複合タングステン酸化物分散粉:Cs0.33WO3の製造
WO3・H2Oで記載される三酸化タングステンの水和物粉末と炭酸セシウムの粉末とを、WとCsのモル比が1対0.33となるように所定量秤量し、両粉を混合した。この混合粉末を出発原料とした。この出発原料を、還元雰囲気(アルゴン/水素=97/3体積比)中において600℃で1時間加熱し、アルゴン雰囲気に置換後800℃で1時間加熱することで、Cs0.33WO3の粉末を作製した。この粉末の比表面積は20m2/gであった。また。X線回折による結晶相の同定の結果、六方晶タングステンブロンズ(複合タングステン酸化物微粒子)の結晶相が観察された。
6)複合タングステン酸化物分散粉:Cs0.33WO320質量%及びアクリル系分散剤の混合粉
上記Cs0.33WO3の粉末を5質量%、高耐熱性分散剤を5質量%、トルエンを90質量質量%、秤量し、0.3mmφZrO2ビ−ズを入れたペイントシェーカーで6時間粉砕・分散処理することによって複合タングステン酸化物微粒子分散液調製した。ここで、タングステン酸化物微粒子分散液内におけるタングステン酸化物微粒子の分散粒子径を測定したところ、75nmであった。更に、上記分散液に上記高耐熱性分散剤を添加し、この高耐熱性分散剤と複合タングステン酸化物微粒子との質量比[高耐熱性分散剤/複合タングステン酸化物微粒子]が、4となるように調製した後、真空乾燥機を用いてトルエンを除去し、複合タングステン酸化物微粒子分散粉を得た。
7)複合タングステン酸化物マスターバッチ
得られた上記分散粉を熱可塑性樹脂であるビスフェノールAポリカーボネート樹脂ペレットに添加した。そして、当該分散粉とポリカーボネート樹脂ペレットとの混合物をブレンダーで均一に混合した後、二軸押出機で熔融混練し、押出されたストランドをペレット状にカットし、複合熱線遮蔽透明樹脂成形体用の高耐熱性マスターバッチを得た。得られた高耐熱性マスターバッチは、Cs0.33WO33質量%、アクリル系分散剤12質量%、ビスフェノールAポリカーボネート樹脂の混合物であった。
(実施例1〜8及び比較例1〜6)
第1表に示す割合で各成分を配合し、ベント式二軸押出し機(東芝機械株式会社製、押出部の径50mm)に供給し、必要に応じてベント前に水を添加しながらシリンダー温度280℃でペレット化した。
なお、実施例1〜8及び比較例1〜5において、酸化防止剤として亜リン酸エステル(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名:イルガフォス168)0.07質量部を配合した。
得られたペレットを120℃で3〜8時間乾燥した後、射出成形を行い、80×80×3mmのプレートを作製した。成形は、射出成形機(機種名:IS−100EN、東芝機械株式会社製)を用い、成形温度280℃、金型温度80℃にて行った。上記プレートから切り出した試験片を用いて、性能を下記各種評価試験によって評価した。結果を第2表に示す。

[配合成分]
PC樹脂
・FN2200A:ビスフェノールAポリカーボネート樹脂(出光興産株式会社製)
・FN1900A:ビスフェノールAポリカーボネート樹脂(出光興産株式会社製)
・FN1700A:ビスフェノールAポリカーボネート樹脂(出光興産株式会社製)
・PC−1:ビスフェノールAポリカーボネート樹脂FN1900(出光興産株式会社製)を120℃、乾燥窒素ガス流通下で100時間乾燥させたもの。
・PC−2:2)で得られたPC樹脂
・PC−3:3)で得られたPC樹脂
・PC−4:4)で得られたPC樹脂
近赤外線吸収剤
・WO−1:複合タングステン酸化物分散粉:Cs0.33WO320質量%及びアクリル系分散剤の混合物
・WO−2:複合タングステン酸化物マスターバッチ:Cs0.33WO33質量%、アクリル系分散剤12質量%、ビスフェノールAポリカーボネート樹脂の混合物
・イーエクスカラーHA−1:フタロシアニン系近赤外線吸収剤(株式会社日本触媒製)
・ITO:錫ドープ酸化インジウム系近赤外線吸収剤(シーアイ化成株式会社製)
紫外線吸収剤
・ケミソープ79:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ケミプロ化成株式会社製)
・Hostavin B−CAP XP:ベンジリデンマロネート構造を有する紫外線吸収剤(クラリアント社製)

用いたPC樹脂の物性測定法、配合成分及び性能評価方法を次に示す。
[PC樹脂の物性測定]
(1)粘度数
ISO 1628に準拠して測定した。
(2)末端水酸基量
PC樹脂70mgを重クロロホルム0.6mLに室温下で溶解した後、1H−NMRを日本電子株式会社製;JNM−LA500を用い、下記条件で測定し、水酸基末端由来のピーク、a(7.06,7.05ppm)、b(6.67,6.65ppm)、c(4.87ppm)から、末端水酸基量(単位:μmol/g)を求めた。
1H−NMR測定条件;
1H核共鳴周波数 ;500MHz
観測周波数の範囲 ;10000Hz
積算回数 ;256回
化学シフト ;TMSを0ppmにセットした。

[性能評価方法]
(1)成形体中の塩素系溶剤含量
試験片を小片に粉砕し、これを液密閉容器内のトルエン中に、80℃、2時間以上の条件で浸漬して溶剤を抽出し、CD検出器付きガスクロマトグラフ装置にて、塩化メチレン及び四塩化炭素の定量分析を行った。
(2)900nmの透過率
分光光度計(U−4000、日立製作所製)を用いて、波長900nmにおける透過率(%)を測定した。
(3)耐久試験
耐スチーム試験の前後で下記の評価を行い、耐久性を評価した。耐スチーム試験は、120℃の飽和水蒸気下に48時間曝して取り出した後、23℃、湿度50℃の環境下で24時間放置することにより行った。
(a)ヘイズ
ヘイズ値は村上色彩技術研究所(株)社製HR−200を用い、JIS K 7105に基づいて測定し、耐スチーム試験前後のヘイズの差ΔH(試験前−試験後)を求めた。
(b)粘度平均分子量
ウベローデ型粘度計を用いて、20℃における塩化メチレン溶液の粘度を測定し、これより極限粘度[η]を求め、[η]=1.23×10-5Mv0.83の式により、粘度平均分子量(Mv)を算出し、耐スチーム試験前後の粘度平均分子量の差ΔMv(試験前−試験後)を求めた。
(c)透過率比(試験後/試験前)
分光光度計(UV−3100PC、株式会社島津製作所製)を用いて、波長1000nmにおける透過率(%)を測定し、耐久スチーム試験前後の透過率の比(試験後/試験前)を求めた。
Figure 2008214554
Figure 2008214554

「評価」
本発明である実施例1〜8の成形体は、PC樹脂として、末端水酸基量が50μmol/g以下のものを使用しており、得られた成形体中の塩素系溶剤の含量も10質量ppm以下に抑えられており、耐スチーム試験前後のヘイズの差ΔH(試験前−試験後)の変化も小さく、耐久スチーム試験前後の透過率の比(試験後/試験前)の変化もほとんどないことがわかる。また、耐スチーム試験前後の粘度平均分子量の差ΔMv(試験前−試験後)も小さく、ポリカーボネート樹脂組成物として安定であることを示している。
一方、水を配合しなかった比較例1や、末端水酸基量が50μmol/gを超えたPC樹脂を用いている比較例3、4、5や、得られた成形体中の塩素系溶剤の含量が10質量ppmを超えている比較例1、3、4、5では、耐スチーム試験前後のヘイズの差ΔH(試験前−試験後)、耐久スチーム試験前後の透過率の比(試験後/試験前)の変化が大きくなっており、耐久性が劣っていることがわかる。
比較例2は、フタロシアニン系近赤外線吸収剤を用いたものであり、耐スチーム試験前後の粘度平均分子量の差ΔMv(試験前−試験後)で大きく変化しており耐久性が低いことを示している。
比較例1は、錫ドープ酸化インジウム系近赤外線吸収剤を用いた例であり、近赤外線遮蔽効果が十分に得られていないことがわかる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、熱線の遮蔽能を必要とする各種窓、例えば、住宅用窓、ショーウィンドウ、車両用窓、車両用風防、航空機、アーケード、カーポート屋根等の外気に曝される窓の用途に好適である。
本実施形態における六方晶を有する複合タングステン酸化物微粒子の結晶構造を示す模式図である。
符号の説明
1 WO6単位
2 M元素

Claims (3)

  1. 末端水酸基量が50μmol/g以下のポリカーボネート樹脂(A)100質量部と、900〜2600nmの波長域の太陽光を吸収する無機系近赤外線吸収剤(B)0.001〜0.5質量部を含み、残存塩素系溶剤含量が10質量ppm以下であるポリカーボネート樹脂組成物であって、
    無機系近赤外線吸収剤(B)が、一般式WyOz(但し、Wはタングステン、Oは酸素、2.0≦z/y<3.0)で表記されるタングステン酸化物の微粒子、および/または、一般式MxWyOz(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iの内から選択される1種以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.0<z/y≦3.0)で表記される複合タングステン酸化物からなる無機微粒子であることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
  2. 請求項1記載の無機系近赤外線吸収剤(B)である、一般式WyOz(但し、Wはタングステン、Oは酸素、2.0≦z/y<3.0)で表記されるタングステン酸化物の微粒子、および/または、一般式MxWyOz(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iの内から選択される1種以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.0<z/y≦3.0)で表記される複合タングステン酸化物からなる無機微粒子の結晶中または/および当該微粒子表面に、Cu、Fe、Mn、Ni、Co、Pt、Au、Ag、Na、In、Sn、Cs、Rbのうちから選択される1種類以上の元素、または、その化合物が含まれていることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のポリカーボネート樹脂組成物からなる成形体。
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